特許第6446596号(P6446596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6446596車両カウントシステム及び車両カウント方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6446596
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】車両カウントシステム及び車両カウント方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20181217BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20181217BHJP
【FI】
   G08G1/01 A
   G06Q10/08
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-503815(P2018-503815)
(86)(22)【出願日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】JP2017041339
【審査請求日】2018年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232818
【氏名又は名称】日本郵船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】粟本 繁
(72)【発明者】
【氏名】菅波 貴史
(72)【発明者】
【氏名】中村 芳夫
【審査官】 鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−206016(JP,A)
【文献】 特開2017−142728(JP,A)
【文献】 特開2014−225098(JP,A)
【文献】 特開2004−094913(JP,A)
【文献】 特開2017−078900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
G01C 21/00−21/36
G01C 23/00−25/00
G06F 17/60
G06F 19/00
G06Q 10/00−10/10
G06Q 30/00−30/08
G06Q 50/00−50/20
G06Q 50/26−99/00
G09B 23/00−29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が携帯する携帯端末と、
作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先から移動元である第一の領域へと輸送する輸送車両と、
輸送車両に設置された無線装置と、
通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置と
を備え、
作業者が、第一の領域から移動先へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第一の領域内から第一の領域外へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムであって、
携帯端末が、
携帯端末の位置が、第一の領域内であるか否かを判定する位置判定手段と、
位置判定手段により第一の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定し、第一の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定する移動判定手段と
を備え、
コンピュータ装置が、
第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信する移動情報受信手段と、
受信した移動情報をもとに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定する算定手段と
を備え、
無線装置が、
無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信する信号発信手段と
を備え、
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第一の領域外から第一の領域内に移動したとしても、算定手段により算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウントシステム。
【請求項2】
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第一の領域外から第一の領域内に移動した場合は、
第一の領域外から第一の領域内へ移動したことを示す移動情報がコンピュータ装置へ送信されない、請求項1に記載の車両カウントシステム。
【請求項3】
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第一の領域外から第一の領域内に移動した場合は、
第一の領域外から第一の領域内へ移動したことを示す移動情報がコンピュータ装置へ送信されたとしても、算定手段が、該移動情報をもとに、前記携帯端末の延べ台数を算定しない、請求項1に記載の車両カウントシステム。
【請求項4】
作業者が携帯する携帯端末と、
作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先である第二の領域から移動元へと輸送する輸送車両と、
輸送車両に設置された無線装置と、
通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置と
を備え、
作業者が、移動元から第二の領域へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第二の領域外から第二の領域内へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムであって、
携帯端末が、
携帯端末の位置が、第二の領域外であるか否かを判定する位置判定手段と、
位置判定手段により第二の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定し、第二の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定する移動判定手段と
を備え、
コンピュータ装置が、
第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信する移動情報受信手段と、
受信した移動情報をもとに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定する算定手段と
を備え、
無線装置が、
無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信する信号発信手段と
を備え、
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第二の領域内から第二の領域外に移動したとしても、算定手段により算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウントシステム。
【請求項5】
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第二の領域内から第二の領域外に移動した場合は、
第二の領域内から第二の領域外へ移動したことを示す移動情報がコンピュータ装置へ送信されない、請求項4に記載の車両カウントシステム。
【請求項6】
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第二の領域内から第二の領域外に移動した場合は、
第二の領域内から第二の領域外へ移動したことを示す移動情報がコンピュータ装置へ送信されたとしても、算定手段が、該移動情報をもとに、前記携帯端末の延べ台数を算定しない、請求項4に記載の車両カウントシステム。
【請求項7】
作業者が携帯する携帯端末と、
作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先から移動元である第一の領域へと輸送する輸送車両と、
輸送車両に設置された無線装置と、
通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置と
を備え、
作業者が、第一の領域から移動先へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第一の領域内から第一の領域外へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムにおいて実行される車両カウント方法であって、
携帯端末が、
携帯端末の位置が、第一の領域内であるか否かを判定し、
第一の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定し、第一の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定し、
コンピュータ装置が、
第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信し、受信した移動情報をもとに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定し、
無線装置が、無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信し、
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第一の領域外から第一の領域内に移動したとしても、算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウント方法。
【請求項8】
作業者が携帯する携帯端末と、
作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先である第二の領域から移動元へと輸送する輸送車両と、
輸送車両に設置された無線装置と、
通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置と
を備え、
作業者が、移動元から第二の領域へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第二の領域外から第二の領域内へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムにおいて実行される車両カウント方法であって、
携帯端末が、
携帯端末の位置が、第二の領域外であるか否かを判定し、
第二の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定し、第二の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定し、
コンピュータ装置が、
第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信し、受信した移動情報をもとに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定し、
無線装置が、無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信し、
携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第二の領域内から第二の領域外に移動したとしても、算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の位置情報を用いた車両カウントシステム及び車両カウント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の車両を輸送する工程において、計画した台数の車両を一方の場所から他方の場所へ(例えば、ターミナルからモータープールへ)移動させることが必要になる。このような場合、ドライバーが車両を運転して、車両を移動先に移動させたのち、別の輸送手段で移動元へ戻り、再度、別の車両を移動先に移動させるといったように、ドライバーが繰り返し車両を移動させることで多数の車両を移動させるということが行われる。従来は、ドライバーに移動した実績を報告させるか、或いは、検数作業員に入出庫車両をカウントさせることで、移動元及び移動先に存在する車両の台数を確認していた。
【0003】
しかし、時間の余裕が少ない中での作業のため、ドライバーが作業実績の報告を失念したり、検数作業員が車両台数の数え間違いをすることにより、移動した車両台数の実績に誤りが生じることがあった。また、現場でのトラブル等により、計画通りに移動作業が進まない場合もあり、1日の作業が終了し、移動した車両台数の最終確認をした際に初めて計画から乖離していたことが判明するようなことも起こりうるのが、現状である。
【0004】
ところで、車両を運転するドライバーが所持する携帯端末の位置をもとに、所定の領域内の車両の台数を算定する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。しかし、特許文献1に開示された技術は、所定の領域内の混雑状況を特定するものであり、ドライバーが複数の車両を移動元から移動先へ繰り返し移動させるような場合を想定したものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−78900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、作業者が、移動元と移動先を繰り返し往復しながら、複数の車両を移動元から移動先へ移動させることで、多数の車両を移動させるような場合に、移動元に存在する車両の台数、又は、移動先に存在する車両の台数を正確に算定することが可能な、車両カウントシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、以下の[1]〜[4]により達成することができる。
[1]作業者が携帯する携帯端末と、作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先から移動元である第一の領域へと輸送する輸送車両と、輸送車両に設置された無線装置と、通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置とを備え、作業者が、第一の領域から移動先へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第一の領域内から第一の領域外へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムであって、携帯端末が、携帯端末の位置が、第一の領域内であるか否かを判定する位置判定手段と、位置判定手段により第一の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定し、第一の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定する移動判定手段とを備え、コンピュータ装置が、第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信する移動情報受信手段と、受信した移動情報をもとに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定する算定手段とを備え、無線装置が、無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信する信号発信手段とを備え、携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第一の領域外から第一の領域内に移動したとしても、算定手段により算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウントシステム、
[2]作業者が携帯する携帯端末と、作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先である第二の領域から移動元へと輸送する輸送車両と、輸送車両に設置された無線装置と、通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置とを備え、作業者が、移動元から第二の領域へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第二の領域外から第二の領域内へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムであって、携帯端末が、携帯端末の位置が、第二の領域外であるか否かを判定する位置判定手段と、位置判定手段により第二の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定し、第二の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定する移動判定手段とを備え、コンピュータ装置が、第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信する移動情報受信手段と、受信した移動情報をもとに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定する算定手段とを備え、無線装置が、無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信する信号発信手段とを備え、携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第二の領域内から第二の領域外に移動したとしても、算定手段により算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウントシステム、
[3]作業者が携帯する携帯端末と、作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先から移動元である第一の領域へと輸送する輸送車両と、輸送車両に設置された無線装置と、通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置とを備え、作業者が、第一の領域から移動先へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第一の領域内から第一の領域外へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムにおいて実行される車両カウント方法であって、携帯端末が、携帯端末の位置が、第一の領域内であるか否かを判定し、第一の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定し、第一の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定し、コンピュータ装置が、第一の領域内から第一の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第一の領域外から第一の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信し、受信した移動情報をもとに、第一の領域内から第一の領域外へ移動した携帯端末の延べ台数を算定し、無線装置が、無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信し、携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第一の領域外から第一の領域内に移動したとしても、算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウント方法、
[4]作業者が携帯する携帯端末と、作業者を携帯端末とともに、移動対象車両の移動先である第二の領域から移動元へと輸送する輸送車両と、輸送車両に設置された無線装置と、通信ネットワークと接続が可能なコンピュータ装置とを備え、作業者が、移動元から第二の領域へ移動対象車両を移動させる際に、作業者とともに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定することで、第二の領域外から第二の領域内へ移動した移動対象車両の台数をカウントすることが可能な、車両カウントシステムにおいて実行される車両カウント方法であって、携帯端末が、携帯端末の位置が、第二の領域外であるか否かを判定し、第二の領域内に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定し、第二の領域外に携帯端末が存在すると判定された場合に、携帯端末が第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定し、コンピュータ装置が、第二の領域外から第二の領域内へ移動したと判定されたことを示す移動情報、及び/又は、第二の領域内から第二の領域外へ移動したと判定されたことを示す移動情報を受信し、受信した移動情報をもとに、第二の領域外から第二の領域内へ移動した携帯端末の延べ台数を算定し、無線装置が、無線装置から所定の範囲内において受信が可能な信号を発信し、携帯端末が無線装置より信号を受信している際に、携帯端末が輸送車両とともに第二の領域内から第二の領域外に移動したとしても、算定される前記携帯端末の延べ台数は変化しない、車両カウント方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者が、移動元から移動先を繰り返し往復しながら、複数の車両を移動元から移動先へ移動させることで、多数の車両を移動させるような場合に、移動元に存在する車両の台数、又は、移動先に存在する車両の台数を特別な操作を要せず、正確に算定することが可能な車両カウントシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態にかかる携帯端末の構成を示すブロック図の一例である。
図2】本発明の実施の形態にかかるコンピュータ装置の構成を示すブロック図の一例である。
図3】本発明の実施の形態にかかる車両カウントシステムの概要を表す図の一例である。
図4】本発明の実施の形態にかかるA領域についての台数算定処理のフローチャートの一例である。
図5】本発明の実施の形態にかかるB領域についての台数算定処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下、各実施の形態における効果に関する記載は、本発明の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0011】
本発明の車両カウントシステムは、作業者が携帯する携帯端末と、作業者を携帯端末とともに第二の領域から第一の領域へと輸送する輸送車両と、該輸送車両に設置された無線装置と、コンピュータ装置とを備える。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態にかかる携帯端末の構成を示すブロック図の一例である。携帯端末1は、使用者であるドライバーが携帯をして所持することができる。携帯端末1としては、例えば、スマートフォンやタブレットを用いることができる。携帯端末1には、本発明の車両カウントシステムを利用するための専用のアプリケーションがインストールされている。
【0013】
携帯端末1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、通信インタフェース16、インタフェース部17からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0014】
制御部11はCPUやROMから構成され、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、携帯端末1の制御を行なう。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域であり、本発明の車両カウントシステムを利用するための専用のアプリケーションが記憶されている。
【0015】
制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力し、描画命令をグラフィック処理部15に出力する。制御部11がサウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力すると、サウンド処理部14はサウンド出力装置20にサウンド信号を出力する。
【0016】
グラフィック処理部15は、ビデオメモリ19に画像を展開し、表示部21の表示画面22上に画像を表示する。ここで、表示部21は、タッチセンサを備えるタッチパネル方式を採用することができ、ユーザによる操作がタッチ入力部23から入力される。制御部11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。
【0017】
インタフェース部17には外部メモリ18(例えば、SDカード等)が接続されている。外部メモリ18から読み込まれたデータはRAM12にロードされ、制御部11により演算処理が実行される。
【0018】
通信インタフェース16は、通信アンテナ及びGPS受信機を備えている。通信インタフェース16は、無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介してコンピュータ装置3との間でデータの送受信を行なうことが可能である。通信インタフェース16を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理に利用される。また、通信インタフェース16は、GPS受信機により携帯端末1の位置を特定することができる。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態にかかるコンピュータ装置の構成を示すブロック図の一例である。コンピュータ装置3の制御部31、RAM32、ストレージ部33、サウンド処理部34、グラフィック処理部35、フレームメモリ39、サウンド出力装置40のそれぞれは、制御部11、RAM12、ストレージ部13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、ビデオメモリ19、サウンド出力装置20のそれぞれと同様の機能を有する。
【0020】
制御部31は、RAM32にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部34に出力し、描画命令をグラフィック処理部35に出力する。グラフィック処理部35は、フレームメモリ39に画像を展開し、表示装置42の表示画面43上に画像を表示する。DVD/CD−ROMドライブ36は、DVD−ROMやCD−ROMなどのプログラムが格納された記録媒体44を装着することが可能である。インタフェース部38には入力部41(例えば、マウスやキーボード等)が接続される。
【0021】
図3を用いて、本発明の車両カウントシステムの概要を説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかる車両カウントシステムの概要を表す図の一例である。以下、A領域に蔵置されている複数の移動対象車両をB領域へ移動させる場合において、A領域から移動した移動対象車両と、B領域へ移動した移動対象車両のそれぞれの台数を算定する場合を説明する。
【0022】
図3において、A領域101は、移動対象車両4の移動元の領域であり、移動対象車両4が蔵置されている。移動対象車両4は、作業者(ドライバー)が運転をして、移動元から移動先へ移動する対象となる車両である。移動対象車両4は、乗り物であれば特に限定されず、例えば、自動車、自動二輪車のほか、電車や機関車などの鉄道車両、原動機付自転車、自転車などの軽車両なども含まれる概念である。1台の移動対象車両4には、前記専用のアプリケーションがインストールされた携帯端末1を1台のみ所持する作業者が一人だけ乗車する。
【0023】
B領域102は、移動対象車両4の移動先の領域であり、A領域101とは離れた場所に存在する。携帯端末1は、作業者が移動作業を行う間、常に作業者により携帯されるため、作業者が移動対象車両4を運転してA領域101からB領域102へ移動すると、携帯端末1の位置もA領域101内からA領域101外(且つ、B領域102外)へと移動し、さらに、B領域102内へと移動することになる。
【0024】
作業者は、少なくとも一人であり、複数人であってもよい。作業者ごとに携帯端末1をそれぞれ携帯しているため、作業者と同じ数だけの携帯端末1が用いられる。
【0025】
携帯端末1は、位置測定機能を備えている。例えば、携帯端末1はGPSセンサを備え、GPS衛星7からの信号に基づいて、携帯端末1の位置を測定する。位置測定機能は、GPSセンサを用いたものに限らず、携帯端末1の位置を測定できればいかなるものでも良く、例えば、Wi−Fi電波の受信状況に基づいて、位置を測定することも可能である。
【0026】
携帯端末1では、専用アプリケーション上で緯度、経度を特定することで、A領域101とB領域102を適宜設定することができる。そのため、位置測定機能により携帯端末1の位置が特定されると、携帯端末1にて、自端末がA領域101内に存在するか又は存在しないか、或いは、B領域102内に存在するか又は存在しないかを判定することができる。
【0027】
作業者が移動対象車両4を運転することで、携帯端末1の位置が変わり、A領域101内に存在するか、及び、B領域102内に存在するかなど、携帯端末1が存在する領域に変化があると、携帯端末1が属する領域が移動したことを示す移動情報が、通信ネットワーク2を介して携帯端末1からコンピュータ装置3へ送信される。例えば、携帯端末1がA領域101内からA領域101外へと移動した場合は、携帯端末1の移動情報として、現在の位置が「A領域101外」であることを示す情報がコンピュータ装置3へ送信される。同様に、携帯端末1がA領域101外からA領域101内へと移動した場合は、移動情報として、現在の位置が「A領域101内」であることを示す情報が送信される。携帯端末1がB領域102内からB領域102外へと移動した場合、又は、携帯端末1がB領域102外からB領域102内へと移動した場合も、同様に、コンピュータ装置3へ移動情報が送信される。
【0028】
コンピュータ装置3では、携帯端末1から送信された移動情報をもとに、A領域101内からA領域101外へ移動した携帯端末1の延べ台数を算定する。例えば、初期値として「0」が設定されており、携帯端末1から「A領域101外」へ移動したことを示す移動情報を受信すると、A領域101内の携帯端末1が1台減ることになるため、携帯端末1の延べ台数を1減算して「−1」とすることができる。一方で、このA領域101外に移動した携帯端末1が、何らかの事情でA領域101内に移動した場合は、A領域101内の携帯端末1が1台増えることになるため、携帯端末1の延べ台数を1加算して「−1」から「0」に戻す。
【0029】
このようにして、コンピュータ装置3は、複数の携帯端末1について移動情報を受信する度に、携帯端末1の台数情報を1加算する又は1減算するという処理を繰り返すことで、A領域101内からA領域101外へ移動した携帯端末1の延べ台数を算定することができる。コンピュータ装置3では、算定した携帯端末1の延べ台数を記憶し、移動情報を受信する度に、携帯端末1の延べ台数を更新する。
【0030】
また、コンピュータ装置3では、携帯端末1から送信された移動情報をもとに、B領域102外からB領域102内へ移動した携帯端末1の延べ台数を算定する。例えば、初期値として「0」が設定されており、携帯端末1から「B領域102内」へ移動したことを示す移動情報を受信すると、B領域102内の携帯端末1が1台増えることになるため、携帯端末1の延べ台数を1加算して「+1」とすることができる。一方で、このB領域102内に移動した携帯端末1が、何らかの事情でB領域102外に移動した場合は、B領域102内の携帯端末1が1台減ることになるため、携帯端末1の延べ台数を1減算して「+1」から「0」に戻す。
【0031】
このようにして、コンピュータ装置3は、複数の携帯端末1について移動情報を受信する度に、携帯端末1の台数情報を1加算する又は1減算するという処理を繰り返すことで、B領域102外からB領域102内へ移動した携帯端末1の延べ台数を算定することができる。コンピュータ装置3では、算定した携帯端末1の延べ台数を記憶し、新たな移動情報を受信する度に、携帯端末1の延べ台数を更新する。
【0032】
輸送車両5は、移動対象車両4をA領域101からB領域102まで移動させた作業者が、移動対象車両4から降車したのちに、A領域101まで戻るために利用される車両である。輸送車両5は、乗り物であれば特に限定されず、例えば、自動車、自動二輪車のほか、電車や機関車などの鉄道車両、原動機付自転車、自転車などの軽車両なども含まれる概念である。これらの中でも複数の作業者を一度に輸送できる自動車等が、輸送効率が良い点で好ましい。
【0033】
作業者は、移動対象車両4を運転してA領域101からB領域102へ移動し、移動対象車両4を駐車した後、B領域102内にて輸送車両5に乗車する。そして、作業者は、輸送車両5に乗車した状態でA領域101へ移動し、A領域101内にて輸送車両5から降車する。
【0034】
輸送車両5には、無線装置6が設置されている。無線装置6としては、無線により信号を発信できる装置であれば特に限定されないが、例えば、ビーコン発信機、Wi−Fiルータ等があげられる。無線装置6から発信された信号は、携帯端末1にて受信される。無線装置6から発信される信号は、A領域101やB領域102よりも狭い所定の範囲で受信することが可能である。なお、無線装置6に代えて超音波発信機を利用することもできる。超音波発信機を利用する場合は、携帯端末1が無線装置6から発信された信号を受信する代わりに、携帯端末1のマイクを通じて超音波を受信することができる。
【0035】
携帯端末1が無線装置6より信号を受信している際に、携帯端末1が輸送車両5とともにA領域101外からA領域101内に移動したとしても、コンピュータ装置3において記憶されているA領域101内からA領域101外に移動した携帯端末1の延べ台数は更新されない。ここで、「携帯端末1が無線装置6より信号を受信している際」とは、信号が、10秒未満の周期で断続的に信号を受信している場合を含む。具体的には、携帯端末1が無線装置6より信号を受信している場合は、携帯端末1が輸送車両5とともにA領域101外からA領域101内に移動したとしても、携帯端末1からコンピュータ装置3へ移動情報を送信しないような構成とすることができる。また、携帯端末1の存在する領域が移動したと判定しない構成とすることもできる。
【0036】
その他、携帯端末1が無線装置6より信号を受信している場合は、携帯端末1が輸送車両5とともにA領域101外からA領域101内に移動した際に、携帯端末1からコンピュータ装置3へ移動情報を送信するが、コンピュータ装置3では、携帯端末1の延べ台数を算定する処理を実行しないような構成とすることもできる。より具体的には、例えば、無線装置6が携帯端末1から固有情報(BLE固有情報)を受信し、無線装置6からコンピュータ装置3へ固有情報を送信することで、コンピュータ装置3では、受信した固有情報に対応する携帯端末1から移動情報を受信した場合は、携帯端末1の延べ台数を算定する処理を実行しないような構成を採用することができる。また、携帯端末1が無線装置6から信号を受けていることを、移動情報と共にコンピュータ装置3に送信することで、コンピュータ装置3では、該信号とともに移動情報を受信した場合は、携帯端末1の延べ台数を算定する処理を実行しないような構成を採用することもできる。
【0037】
本発明の車両カウントシステムにおいては、携帯端末1が無線装置6より信号を受信している際に、携帯端末1がA領域101外からA領域101内に移動したとしても、携帯端末1の延べ台数が更新されないため、作業者が移動対象車両4を運転してA領域101外へ移動した後、何らかの事情により、移動対象車両4に乗車しながらA領域101内に戻った場合は、携帯端末1の延べ台数が更新され、携帯端末1が輸送車両5とともにA領域101内に戻った場合は、携帯端末1の延べ台数は更新されなくなる。その結果、A領域101内からA領域101外に移動した移動対象車両4の数を、コンピュータ装置3において、リアルタイムで、正確に把握することが可能となる。
【0038】
同様に、携帯端末1が無線装置6より信号を受信している際に、携帯端末1が輸送車両5とともにB領域102内からB領域102外に移動したとしても、コンピュータ装置3において記憶されているB領域102外からB領域102内に移動した携帯端末1の延べ台数は更新されない。具体的な実現方法については、携帯端末1が無線装置6より信号を受信している際は、A領域101外に移動した携帯端末1の延べ台数を更新しないようにする方法と、同様の方法を用いることができる。
【0039】
本発明の車両カウントシステムにおいては、携帯端末1が無線装置6より信号を受信している際に、携帯端末1がB領域102内からB領域102外に移動したとしても、携帯端末1の延べ台数が更新されないため、携帯端末1が輸送車両5とともにB領域102外へ出た場合は、携帯端末1の延べ台数は更新されなくなる。その結果、B領域102外からB領域102内に移動した移動対象車両4の数を、コンピュータ装置3において、リアルタイムで、正確に把握することが可能となる。
【0040】
本発明の車両カウントシステムでは、作業者が移動対象車両4に乗車してA領域101からB領域102へ移動し、その後、B領域102にて移動対象車両4から降車し、輸送車両5にてA領域101まで戻り、さらに、作業者が別の移動対象車両4に乗車してB領域102へ移動する、といったように、複数回にわたって、複数の移動対象車両4を繰り返し移動させることを想定している。
【0041】
作業者が輸送車両5で移動した場合は、携帯端末1が無線装置6より信号を受信しているため、携帯端末1の延べ台数が更新されない。そのため、移動対象車両4から降車してA領域101に戻る場合は、携帯端末1の延べ台数から導き出される、移動済みの移動対象車両4の台数は変化しないことになる。結果として、作業者が、複数回にわたって、複数の移動対象車両4を繰り返し移動した場合でも、移動した移動対象車両4の台数を正確に把握することができる。
【0042】
すでに述べたように、コンピュータ装置3では、A領域101内からA領域101外に移動した移動対象車両4の台数、及び、B領域102外からB領域102内に移動した移動対称車両の台数が、リアルタイムで更新される。これらの移動した移動対象車両4の台数を、表示装置42に表示することができる。管理者は、表示装置42にて移動した移動対象車両4の台数を確認しながら、作業が予定通りに進んでいるかを把握することができる。
【0043】
図4は、本発明の実施の形態にかかるA領域についての台数算定処理のフローチャートの一例である。以下で説明する台数算定処理は、A領域101内からA領域101外へ移動した携帯端末1の延べ台数を算定するための処理である。ステップS1〜S7までの台数算定処理は、定期的に繰り返し実行される。例えば、毎秒ごとに、ステップS1〜S7までの処理が実行される。
【0044】
まず、携帯端末1にて、位置測定機能により、該携帯端末1の位置を測定し(ステップS1)、測定された位置がA領域101内であるか、A領域101外であるかを判定する(ステップS2)。次に、ステップS2における判定の結果が、1つ前の処理期間と比べて変化したか否かについての判定が行われる(ステップS3)。携帯端末1の位置がA領域101内からA領域101外に変化した場合、及び、携帯端末1の位置がA領域101外からA領域101内に変化した場合、ステップS2における判定の結果が変化したと判定される。
【0045】
ステップS2における判定の結果が変化していないと判定された場合(ステップS3にてNO)、台数算定処理は終了する。一方、ステップS2における判定の結果が変化したと判定された場合は(ステップS3にてYES)、携帯端末1が無線装置6から信号を受信しているか否かが判定される(ステップS4)。
【0046】
携帯端末1が無線装置6から信号を受信していると判定された場合(ステップS4にてYES)、台数算定処理は終了する。このため、携帯端末1が輸送車両5とともにA領域101内に戻った場合は、A領域101内からA領域101外へ移動した携帯端末1の延べ台数は変化しない。一方で、携帯端末1が無線装置6から信号を受信していないと判定された場合(ステップS4にてNO)、携帯端末1がA領域101外へ移動したことを示す移動情報、又は、携帯端末1がA領域101内へ移動したことを示す移動情報が、通信ネットワーク2を介して携帯端末1からコンピュータ装置3へと送信される(ステップS5)。なお、無線装置6としてWi−Fiルータを採用する場合は、移動情報を、携帯端末1からWi−Fiルータと通信ネットワーク2を介してコンピュータ装置3へと送信してもよい。
【0047】
次に、コンピュータ装置3において、移動情報を受信する(ステップS6)。移動情報を受信すると、A領域101外へ移動した携帯端末1の延べ台数が更新され(ステップS7)、台数算定処理は終了する。
【0048】
図5は、本発明の実施の形態にかかるB領域についての台数算定処理のフローチャートの一例である。以下で説明する台数算定処理は、B領域102外からB領域102内へ移動した携帯端末1の延べ台数を算定するための処理である。ステップS11〜S17までの台数算定処理は、定期的に繰り返し実行される。例えば、毎秒ごとに、ステップS11〜S17までの処理が実行される。
【0049】
まず、携帯端末1にて、位置測定機能により、該携帯端末1の位置を測定し(ステップS11)、測定された位置がB領域102内であるか、B領域102外であるかを判定する(ステップS12)。次に、ステップS12における判定の結果が、1つ前の処理期間と比べて変化したか否かについての判定が行われる(ステップS13)。携帯端末1の位置がB領域102内からB領域102外に変化した場合、及び、携帯端末1の位置がB領域102外からB領域102内に変化した場合、ステップS12における判定の結果が変化したと判定される。
【0050】
ステップS12における判定の結果が変化していないと判定された場合(ステップS13にてNO)、台数算定処理は終了する。一方、ステップS12における判定の結果が変化したと判定された場合は(ステップS13にてYES)、携帯端末1が無線装置6から信号を受信しているか否かが判定される(ステップS14)。
【0051】
携帯端末1が無線装置6から信号を受信していると判定された場合(ステップS14にてYES)、台数算定処理は終了する。このため、携帯端末1が輸送車両5とともにB領域102内から出る場合は、B領域102内へ移動した携帯端末1の延べ台数は変化しない。一方で、携帯端末1が無線装置6から信号を受信していないと判定された場合(ステップS14にてNO)、携帯端末1がB領域102外へ移動したことを示す移動情報、又は、携帯端末1がB領域102内へ移動したことを示す移動情報が、通信ネットワーク2を介して携帯端末1からコンピュータ装置3へと送信される(ステップS15)。なお、無線装置6としてWi−Fiルータを採用する場合は、移動情報を、携帯端末1からWi−Fiルータと通信ネットワーク2を介してコンピュータ装置3へと送信してもよい。
【0052】
次に、コンピュータ装置3において、移動情報を受信する(ステップS16)。移動情報を受信すると、B領域102外からB領域102内へ移動した携帯端末1の延べ台数が更新され(ステップS17)、台数算定処理は終了する。
【符号の説明】
【0053】
1 携帯端末
2 通信ネットワーク
3 コンピュータ装置
4 移動対象車両
5 輸送車両
6 無線装置
7 GPS衛星
101 A領域
102 B領域
【要約】
作業者が、車両を繰り返し移動元から移動先へ移動させることで、多数の車両を移動させるような場合に、移動元又は移動先に存在する車両の台数を正確に算定することが可能な、車両カウントシステムを提供する。
位置測定機能により該携帯端末(1)の位置を測定し(ステップS1)、測定された位置がA領域(101)内であるか、A領域(101)外であるかを判定する(ステップS2)。判定の結果が1つ前の処理期間と比べて変化した場合は(ステップS3にてYES)、携帯端末(1)が無線装置(6)から信号を受信しているかが判定される(ステップS4)。信号を受信している場合(ステップS4にてYES)、台数算定処理は終了する。信号を受信していない場合(ステップS4にてNO)、携帯端末(1)がA領域(101)内外へ移動したことを示す移動情報が、コンピュータ装置(3)へと送信される(ステップS5)。
図1
図2
図3
図4
図5