(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態1]
図1に本発明のスロットマシン(遊技機)10の外観図を、
図2に後述する第1〜第3リール20a〜20cの外周に配列された図柄の配列パターンを示す。
図1に示すように、スロットマシン10は、収納箱11と、前面扉12とを備えている。収納箱11には、第1〜第3リール20a〜20cがユニット化されたリールユニットや、後述する払い出し口27を介してメダル受け皿28にメダルの払い出しを行うホッパ装置などが収納されている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12a及び下扉12bはそれぞれ収納箱11に軸着され、開閉自在に支持されている。
【0015】
上扉12aには、液晶ディスプレイ13、スピーカ14などの演出装置、及び、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出画像を表示する。また、スピーカ14は、各種演出音を出力する。スロットマシン10は、これら液晶ディスプレイ13、及び、スピーカ14を制御することによって遊技を演出する。なお、演出装置は液晶ディスプレイやスピーカに限定されない。ランプなどの電飾装置、アクチュエータやモータなどで駆動される可動式の役物などを演出装置として設け、これらも演出に用いてもよい。
【0016】
表示窓16の奥には、回転自在な第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cが左側から順に設けられている。各リール20a〜20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており(
図2参照)、各リール20a〜20cが停止すると表示窓16を通して視認可能なリール1つにつき上段、中段、下段の各段に1個ずつ図柄が表示される。スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a〜20cが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかまたはハズレが決定される。そして、各リール20a〜20cが停止したときに、当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄組合せが表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0017】
スロットマシン10では、当選役として、リプレイ、及び、小役が設けられている。そして、リプレイが入賞すると、入賞処理として、新たなメダルの投入無しに次回の遊技を可能とする再遊技処理が行われる。また、小役が入賞すると、入賞処理として、入賞した小役の種類に対応した枚数のメダルを払い出す払出処理が行われる。
【0018】
また、
図3に示すように、スロットマシン10では、リプレイとして通常リプレイ及び特殊リプレイA〜特殊リプレイDが設けられ、小役としてスイカ及びベルが設けられている。そして、
図3に示すように、通常リプレイは、各リール20a〜20cの中段に図柄「リプレイ」が揃うと入賞となり、入賞すると再遊技処理が行われる。
【0019】
特殊リプレイA(第1当選役)は、各リール20a〜20cの中段に図柄「特殊図柄1」が揃った場合、または、第1リール20a及び第2リール20bの中段に図柄「リプレイ」、第3リール20cの中段に「特殊図柄1」が表示された場合に入賞となり、入賞すると再遊技処理が行われる。また、特殊リプレイAが入賞すると、再遊技処理が行われることに加え、遊技状態が後述する第2RTモード(RT2)(有利モード)へと移行する(
図4参照)。同様に、特殊リプレイB(第1当選役)は、各リール20a〜20cの中段に図柄「特殊図柄2」が揃った場合、または、第1リール20a及び第2リール20bの中段に図柄「リプレイ」、第3リール20cの中段に「特殊図柄2」が表示された場合に入賞となり、入賞すると、再遊技処理が行われる他、遊技状態が第2RTモード(RT2)へと移行する(
図4参照)。
【0020】
特殊リプレイC(第2当選役)は、第1リール20aの中段に図柄「スイカ」、第2リール20b及び第3リール20cの中段に図柄「特殊図柄1」が表示された場合に入賞となり、入賞すると再遊技処理が行われる。また、特殊リプレイCが入賞すると、再遊技処理が行われることに加え、遊技状態が後述する第1RTモード(RT1)(特別モード)へと移行する(
図4参照)。同様に、特殊リプレイD(第2当選役)は、第1リール20aの中段に図柄「スイカ」、第2リール20b及び第3リール20cの中段に図柄「特殊図柄2」が表示された場合に入賞となり、入賞すると、再遊技処理が行われることに加え、遊技状態が第1RTモード(RT1)へと移行する(
図4参照)。
【0021】
スイカは、各リール20a〜20cの中段に図柄「スイカ」が揃った場合に入賞となり、入賞すると対応する枚数(例えば、4枚)のメダルを払い出す払出処理が行われる。同様に、ベルは、各リール20a〜20cの中段に図柄「ベル」が揃った場合に入賞となり、入賞すると対応する枚数(例えば、9枚)のメダルを払い出す払出処理が行われる。なお、当選役の種類や数、及び内容(入賞した際に実行される処理の内容)は、前述した例に限定されず適宜変更できる。
【0022】
図1に戻り、下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン26a〜26c、メダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。
【0023】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルを投入、または、ベットボタン23を操作して規定枚数(例えば、3枚)のメダルをベットすることで、スタートレバー24の操作が有効化され、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a〜20cが回転を開始し、各リール20a〜20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a〜26cの操作が有効化され、有効化されたストップボタン26a〜26cを操作することによって、操作されたストップボタン26a〜26cに対応する各リール20a〜20cを停止させることができる。
【0024】
図4に示すように、スロットマシン10では、遊技状態として、通常モード、第1RTモード、第2RTモードが設けられている。通常モードは、初期状態として選択される遊技状態であり、スロットマシン10では、電源投入後などの初期状態では通常モードで遊技が開始される。第1RTモードは、通常モード中に、特殊リプレイCまたは特殊リプレイDが入賞した場合、すなわち、後述する「特殊図柄ハズレ」(第2図柄組合せ)となった場合に移行する遊技状態である。さらに、第2RTモードは、通常モードまたは第1RTモード中に、特殊リプレイAまたは特殊リプレイBが入賞した場合、すなわち、後述する「特殊図柄揃い」(第1図柄組合せ)となった場合に移行する遊技状態である。なお、第2RTモードは、第2RTモードで行われた遊技数が所定回数(例えば、50)に達するなどの所定の終了条件を満たすと終了し、第2RTモードが終了すると、通常モードへと戻る。
【0025】
図5示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の各部を制御することによって、遊技の実行及び進行を制御するメイン制御基板30(第1移行手段、第2移行手段)と、液晶ディスプレイ13及びスピーカ14を制御することによって、演出の実行及び進行を制御するサブ制御基板32(指示手段)とが設けられている。メイン制御基板30とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板30からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板30へは情報を送信できないようになっている(情報の通信はメイン制御基板30からサブ制御基板32への一方通行となっている)。
【0026】
メイン制御基板30には、当選役抽選を行う当選役抽選部34と、各リール20a〜20cの回転を制御する回転制御部36と、停止図柄を判定する停止図柄判定部38とが設けられている。
【0027】
当選役抽選部34は、遊技開始に伴って当選役抽選テーブルを用いた当選役抽選を行う。当選役抽選テーブルは、複数の当選エリアのそれぞれに対して、例えば、0〜65535の全部で65536個の乱数値のいずれかまたは複数が対応付けされたものであり、各当選エリアには当選役のいずれかまたはハズレが対応付けされている。そして、当選役抽選では、図示しない乱数発生器により発生された乱数値を当選役抽選テーブルに照合していずれの当選エリアに該当するかが判定され、該当する当選エリアに対応付けされた当選役が当選となる。
【0028】
図6(A)〜(C)に示すように、当選役抽選部34には、当選役抽選テーブルとして、遊技状態が通常モードであるときに用いられる通常テーブル40(
図6(A)参照)と、遊技状態が第1RTモードであるときに用いられる第1RT用テーブル42(
図6(B)参照)と、遊技状態が第2モードであるときに用いられる第2RT用テーブル44(
図6(C)参照)とが設けられており、当選役抽選部34は、遊技状態が通常モードである場合は通常テーブル40を用いて当選役抽選を行い、遊技状態が第1RTモードである場合は第1RT用テーブル42を用いて当選役抽選を行い、遊技状態が第2RTモードである場合は第2RT用テーブル44を用いて当選役抽選を行う。
【0029】
通常テーブル40には、当選エリア0〜5が設けられており、当選エリア0には「ハズレ」が対応付けされ、当選エリア1には「通常リプレイ」が対応付けされ、当選エリア2には「特殊図柄揃い(特殊リプレイA、特殊リプレイB)」が対応付けされ、当選エリア3には「特殊図柄ハズレ(特殊リプレイC、特殊リプレイD)」が対応付けされ、当選エリア4には「ベル」が対応付けされ、当選エリア5には「スイカ」が対応付けされている。
【0030】
また、通常テーブル40の当選エリア0には65536個の乱数値のうち「45008」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア1には65536個の乱数値のうち「8978」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア2には65536個の乱数値のうち「50」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア3には65536個の乱数値のうち「500」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア4には65536個の乱数値のうち「10000」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア5には65536個の乱数値のうち「1000」個の乱数値が対応付けされている。
【0031】
同様に、第1RT用テーブル42及び第2RT用テーブル44にも、当選エリア0〜5が設けられており、当選エリア0には「ハズレ」が対応付けされ、当選エリア1には「通常リプレイ」が対応付けされ、当選エリア2には「特殊図柄揃い(特殊リプレイA、特殊リプレイB)」が対応付けされ、当選エリア3には「特殊図柄ハズレ(特殊リプレイC、特殊リプレイD)」が対応付けされ、当選エリア4には「ベル」が対応付けされ、当選エリア5には「スイカ」が対応付けされている。
【0032】
また、第1RT用テーブル42及び第2RT用テーブル44の当選エリア4(「ベル」)には65536個の乱数値のうち「10000」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア5(「スイカ」)には65536個の乱数値のうち「1000」個の乱数値が対応付けされている。
【0033】
一方、第1RT用テーブル42では、通常テーブル40や第2RT用テーブル44とは異なり、当選エリア0(「ハズレ」)に65536個の乱数値のうち「25000」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア1(「通常リプレイ」)に65536個の乱数値のうち「4536」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア2(「特殊図柄揃い」)に65536個の乱数値のうち「15000」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア3(「特殊図柄ハズレ」)に65536個の乱数値のうち「10000」個の乱数値が対応付けされている。
【0034】
また、第2RT用テーブル44では、通常テーブル40や第1RT用テーブル42とは異なり、当選エリア0(「ハズレ」)に65536個の乱数値のうち「0」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア1(「通常リプレイ」)に65536個の乱数値のうち「54536」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア2(「特殊図柄揃い」)に65536個の乱数値のうち「0」個の乱数値が対応付けされ、当選エリア3(「特殊図柄ハズレ」)に65536個の乱数値のうち「0」個の乱数値が対応付けされている。
なお、本明細書では、当選エリア「役名」(例えば、当選エリア「特殊図柄ハズレ」等)と称して説明を行う場合がある。また、「役名」は、当選役抽選で決定される当選役の名称(「通常リプレイ」、「ベル」、「スイカ」等)をそのまま用いたり、当選エリアに対応付けされた複数の当選役の総称として新たに名称を付して用いたりしている(「特殊リプレイC」と「特殊リプレイD」との総称である「特殊図柄ハズレ」等)。
【0035】
このように、第1RT用テーブル42は、通常テーブル40と比較して、「特殊図柄揃い」(特殊リプレイA、特殊リプレイB)が当選役抽選で決定される確率が高くされている。また、第2RT用テーブル44は、通常テーブル40や第1RT用テーブル42と比較してリプレイ(通常リプレイ)の当選確率が高くされている。
【0036】
回転制御部36は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a〜20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a〜26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。この停止制御において、回転制御部36は、当選役抽選で決定された(当選した)当選役が入賞するように、各リール20a〜20cの停止制御を行う。
【0037】
具体的には、回転制御部36は、ストップボタンが操作されたときに、操作されたストップボタンに対応するリールに配列された当選図柄(当選役抽選で当選した当選役が入賞となる図柄組合せを構成する図柄)が、所定の引き込み範囲内(ストップボタンが操作されたときに表示窓16を通して各リール20a〜20cの中段に表示されている図柄を0コマ目の図柄としたときにこの0コマ目の図柄から所定コマ数(例えば、4コマ)の範囲内)に存在する場合、この当選図柄が、当選役抽選で当選した当選役が入賞となる図柄組合せに対応する位置に停止するように、操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。
【0038】
なお、複数の当選役が重複当選している状態、すなわち、複数の当選役が対応付けされた当選エリアが当選役抽選で決定されている状態も存在する。このような場合は、重複当選している当選役のうち予め定められた優先順位の高い当選役が優先的に入賞するように停止制御が行われる。
【0039】
優先順位は、例えば、当選役の種類に応じて定められている。具体的には、リプレイと小役では、リプレイの方が優先順位が高く設定されており、リプレイと小役が重複当選している状態では、リプレイが優先的に入賞するように停止制御が行われる。
【0040】
また、優先順位は、ストップボタン26a〜26cの押し順に応じて変化する場合もある。このような場合としては、例えば、当選役Aと当選役Bが重複当選している状態で、ストップボタン26a〜26cが左押しされると(ストップボタン26aが他のストップボタンに先駆けて操作されると)当選役Aが優先的に入賞するように(当選役Bが入賞しないように)停止制御が行われ、前述した状態でストップボタン26a〜26cが左押し以外の順番で操作されると当選役Bが優先的に入賞するように(当選役Aが入賞しないように)停止制御が行われるといった場合などがある。
【0041】
停止図柄判定部38は、各リール20a〜20cの回転が停止されると作動され、各リール20a〜20cが停止することによって表示(停止表示)された図柄組合せを、図示しない入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役の入賞態様(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。
【0042】
メイン制御基板30は、停止図柄判定部38の判定結果に基づき、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。すなわち、リプレイが入賞した場合は再遊技処理を行い、小役が入賞した場合は払出処理を行う。
【0043】
また、メイン制御基板30は、スロットマシン10の電源投入に伴って遊技状態を通常モードに設定するとともに、遊技状態が通常モードであるときに、「特殊図柄ハズレ」となった場合、すなわち、「特殊リプレイC」または「特殊リプレイD」が入賞した場合、遊技状態を第1RTモードへと移行させる。
【0044】
さらに、メイン制御基板30は、遊技状態が通常モードまたは第1RTモードであるときに、「特殊図柄揃い」、すなわち、「特殊リプレイA」または「特殊リプレイB」が入賞した場合、遊技状態を第2RTモードへと移行させ、第2RTモードにおいて所定の終了条件を満たすと、第2RTモードを終了させて通常モードへと移行させる。
【0045】
サブ制御基板32には、メイン制御基板30から現在の遊技状態に関する各種情報(例えば、当選役抽選の結果や、入賞した当選役の種類や、通常モード、第1RTモード、第2RTモードのいずれであるかなど)が入力される。サブ制御基板32はメイン制御基板30から入力された情報に基づいて液晶ディスプレイ13やスピーカ14を駆動制御することにより遊技を演出する。
【0046】
また、サブ制御基板32は、遊技状態が通常モードまたは第1RTモードであるときに、当選役抽選で「特殊図柄揃い」(特殊リプレイA、特殊リプレイB)が当選した場合に、液晶ディスプレイ13にメッセージを表示するなどの演出(以下、指示演出と称する)を行うことによって、「特殊図柄揃い」(特殊リプレイAまたは特殊リプレイB)の入賞を狙って(第1図柄組み合わせの表示を狙って)遊技を行う旨の指示を行う。
【0047】
また、サブ制御基板32は、遊技状態が通常モードまたは第1RTモードであるときに、当選役抽選で「特殊図柄ハズレ」(特殊リプレイC、特殊リプレイD)が当選した場合に、上述の指示演出を行うことによって、「特殊図柄揃い」(特殊リプレイAまたは特殊リプレイB)の入賞を狙って(第1図柄組み合わせの表示を狙って)遊技を行う旨の指示を行う。
【0048】
以下、上記構成による本発明の作用について、
図7に示すフローチャートをもとに説明を行う。
【0049】
図7(A)に示すように、スロットマシン10では、電源投入に伴って通常モードで遊技が行われ、通常モード中に特殊図柄1または特殊図柄2が各リール20a〜20cの中段に揃って「特殊図柄揃い」(特殊リプレイA、特殊リプレイB)(
図7(A)では、第1図柄組合せ)が入賞すると、第2RTモード(
図7(A)では、有利モード)へと移行する(
図4参照)。第2RTモードは、当選役抽選でリプレイが当選する当選確率が通常モードや第1RTモードよりも高く(
図6参照)、これら通常モードや第1RTモードと比較して遊技者は有利に遊技を行うことができる。よって、遊技者は、第2RTモードで遊技を行うことを目的として遊技を行う。
【0050】
また、スロットマシン10では、「特殊図柄揃い」の入賞を狙って遊技を行うことを指示する指示演出を行うことによって、遊技者にあたかも「特殊図柄揃い」が入賞可能であるかのように印象付けることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させている。
【0051】
しかし、前述の指示演出は、「特殊図柄揃い」を入賞させることができる状態、すなわち、「特殊図柄揃い」が当選役抽選で当選している状態でも行われるが、「特殊図柄揃い」を入賞させることができない状態、すなわち、「特殊図柄揃い」が当選役抽選で当選していない状態でも行われる。つまり、「特殊図柄揃い」が当選役抽選で当選している状態では、遊技者は指示演出に従って「特殊図柄揃い」を狙って遊技を行うとストップボタン26a〜26cの操作タイミング次第で「特殊図柄揃い」を入賞させることができるものの、「特殊図柄揃い」が当選役抽選で当選していない状態では、遊技者は指示演出に従って「特殊図柄揃い」を狙って遊技を行ってもストップボタン26a〜26cの操作タイミングによらず「特殊図柄揃い」を入賞させることができず落胆してしまう。
【0052】
一方、本発明では、
図7(B)に示すように、「特殊図柄揃い」または「特殊図柄ハズレ」のいずれかが当選役抽選で当選している場合に、指示演出を行っている。つまり、本発明では、指示演出が行われても「特殊図柄揃い」を入賞させることができない場合には、「特殊図柄ハズレ」が当選役抽選で当選しており、「特殊図柄ハズレ」が入賞するように停止制御がなされる。そして、本発明では、「特殊図柄ハズレ」が入賞すると、当選役抽選で「特殊図柄揃い」が当選する確率が通常モードよりも高い第1RTモード(特別モード)へと移行する(
図4参照)。
【0053】
このように、本発明では、指示演出が行われたにも関わらず「特殊図柄揃い」が入賞せずに第2RTモードへ移行させることができなかった場合に、当選役抽選で「特殊図柄揃い」が当選する確率が向上する(第2RTモードへ移行する確率が向上する)ようにしたので、遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【0054】
すなわち、従来のスロットマシンのように、第2RTモードに移行させることができなかった場合に、第2RTモードへ移行させることとは関連性の無い特典を付与する構成とした場合、せっかく第2RTモードへ移行させるチャンスであったにも関わらず、このチャンスが、第2RTモードへ移行させることとは関連性の無い特典の付与をもって消失してしまうので、遊技者が落胆し遊技に対する興趣が低下してしまうといった問題がある。
【0055】
これに対し、本発明では、「特殊図柄揃い」が入賞せずに第2RTモードへ移行させることができなかった場合、第2RTモードへ移行する確率が向上するので、第2RTモードへ移行させるチャンスが継続しており、むしろ、チャンスが大きくなり所望の特典(第2RTモードへの移行)へと近づいているといった印象を遊技者に与えることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0056】
なお、本発明は、第1図柄組合せが表示される(上記実施形態では「特殊図柄揃い」が入賞となる)と、通常モードよりも有利な有利モード(上記実施形態では第2RTモード)へ移行するスロットマシンにおいて、指示演出を行って第1図柄組合せを表示させるように指示されたにも関わらず第1図柄組合せが表示されなかった場合に、通常モードよりも有利モードへ移行する確率が高い特別モード(上記実施形態では第1RTモード)へと移行させればよいので、細部の構成については適宜変更できる。
【0057】
例えば、上記実施形態では、「特殊図柄揃い」または「特殊図柄ハズレ」が当選役抽選で当選すると必ず(100%の確率で)指示演出を行う例で説明をしたが、「特殊図柄揃い」または「特殊図柄ハズレ」が当選役抽選で当選した場合に抽選を行って、この抽選に当選した場合に指示演出を行うなど、「特殊図柄揃い」または「特殊図柄ハズレ」が当選役抽選で当選した場合に所定確率で指示演出が行われるように構成してもよい。もちろん、「特殊図柄揃い」が当選した場合と「特殊図柄ハズレ」が当選した場合とで、指示演出が行われる確率を異ならせてもよい。
【0058】
さらに、「特殊図柄揃い」と「特殊図柄ハズレ」とが対応付けされた当選エリアを設け、この当選エリアが当選役抽選で当選している状態、すなわち、「特殊図柄揃い」と「特殊図柄ハズレ」とが重複当選している状態で所定確率で指示演出を行うなど、「特殊図柄揃い」と「特殊図柄ハズレ」とが重複当選している状態で指示演出を行う場合を設けてもよい。
【0059】
なお、「特殊図柄揃い」と「特殊図柄ハズレ」とが重複当選している状態では、ストップボタンを押下するタイミング次第で「特殊図柄揃い」と「特殊図柄ハズレ」とのいずれか一方を選択的に入賞させることが可能な構成としてもよいし、ストップボタンの押し順に応じて停止制御の優先度が変化する構成、例えば、「特殊図柄揃い」と「特殊図柄ハズレ」とが重複当選している状態で、正解打順でストップボタンが操作されると「特殊図柄揃い」が入賞するように停止制御が行われ、正解打順以外の打順でストップボタンが操作されると「特殊図柄ハズレ」が入賞するように停止制御が行われる構成としてもよい。
【0060】
また、上記実施形態で説明した各リールの図柄配列(
図2参照)、及び、当選役と入賞態様(各当選役が入賞となる図柄組合せ)の関係(
図3参照)、並びに、当選役抽選テーブルの内容(
図6(A)〜(C)参照)は、一例に過ぎないので適宜変更してよい。
【0061】
この場合、
図2、
図3、
図6の例では、特殊リプレイAが当選役抽選で当選しても入賞させることができない(特殊リプレイAが当選役抽選で当選しても第2RTモードへ移行させることができない)場合も存在するが、各リールの図柄配列を変更したり(特殊図柄1の数を増加させたり)、特殊リプレイAの入賞態様を変更したり(特殊リプレイAが入賞となる図柄組合せの数を増加させたり)、当選役抽選テーブルの内容を変更することにより(当選役抽選で当選した場合に必ず入賞させることができ、かつ、入賞した場合の機能が特殊リプレイAと同じである当選役を設け、この当選役を特殊リプレイAと重複当選するなど)、特殊リプレイAが当選役抽選で当選しているにも関わらず入賞させることができない(第2RTモードへ移行させることができない)場合が存在しないように構成してもよい。
【0062】
同様に、図柄配列や入賞態様、当選役抽選テーブルの内容を適宜変更することによって、特殊リプレイBが当選役抽選で当選しているにも関わらず入賞させることができない(第2RTモードへ移行させることができない)場合が存在しないように構成してもよい。もちろん、特殊リプレイCや特殊リプレイDが当選役抽選で当選しているにも関わらず入賞させることができない(第1RTモードへ移行させることができない)場合が存在しないように構成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態のスロットマシン10では、複数種類の当選役が重複当選しているときに、ストップボタンの押し順によって、いずれの当選役を優先的に入賞させるかといった優先順位が変化する場合を設けている。これを利用し、いわゆるATモードと呼ばれる遊技状態を発現させてもよい。
【0064】
この場合、正解役と、正解役と比較して入賞した場合の特典(メダルの払出数など)が小さい不正解役とが重複当選する当選エリアを複数設け、当選エリアごとに、正解役を優先的に入賞させるための正解打順を異ならせ、この当選エリアが当選役抽選で当選しているときに(正解役と不正解役が重複当選しているときに)、所定の押し順(正解打順)でストップボタンを操作すると正解役が優先的に入賞するように停止制御を行い、正解打順以外の押し順(不正解打順)でストップボタンを操作すると不正解役が優先的に入賞するように停止制御を行うように構成する。そして、ATモードにおいては、液晶ディスプレイに正解打順を表示するなどの演出を行うことによって、正解打順を遊技者に報知する。こうすることでATモードでは報知に従って遊技を行うことによって正解役を入賞させることができ、報知が無い場合(ATモードでない場合)と比較して有利に遊技を進めることができる。
【0065】
なお、ATモードとそれ以外のモードとの違いは、正解打順の報知を行うか否かといった演出状態の違いによって生じるものである。このため、どのような条件を満たした場合にATモードへ移行させ、どのような条件を満たした場合にATモードを終了させるかといったATモードの移行条件や終了条件は自由に設定できる。当然ながら、ATモードとする遊技区間も自由に設定できるので、例えば、上記実施形態で説明した遊技状態(当選役抽選で用いる当選役抽選テーブルの違いによって発現される遊技状態)のいずれか(例えば、第2RTモード)と重複してATモードを発動(正解役を報知)させてもよい。もちろん、上記実施形態で説明した遊技状態と重複させるATモードの発動期間は、上記実施形態で説明した遊技状態の一部の遊技区間のみであってもよいし、全部の遊技区間であってもよい。また、上記実施形態で説明した複数の遊技状態を跨ぐ遊技区間をATモードとしてもよい。
【0066】
以下、本発明の実施形態2〜9について説明を行う。なお、実施形態2以降の実施形態では上述した実施形態1と同様の部材については図示及び説明を省略している。
【0067】
[実施形態2]
実施形態2では、当選役抽選テーブルの内容に、新たに当選エリア「押し順リプレイ」が設けられている。当選エリア「押し順リプレイ」は、正解リプレイと不正解リプレイとが対応付けされた当選エリアであり、実施形態2では、正解リプレイを優先的に入賞させるように停止制御が行われる正解打順が異なる複数の当選エリア「押し順リプレイ」が設けられている。そして、実施形態2では、当選エリア「押し順リプレイ」が当選役抽選で当選している状態では、当選している当選エリア「押し順リプレイ」に対応する正解打順で遊技を行うと正解リプレイが入賞し、正解打順以外の打順で遊技を行うと不正解リプレイが入賞する。
【0068】
また、
図8に示すように、実施形態2では、第2RTモードへと移行させる構成が実施形態1とは異なる。すなわち、実施形態2は、当選エリア「特殊図柄揃い」が入賞した場合に第2RTモードへと移行させずに、正解リプレイが入賞した場合に第2RTモードへと移行させる構成にしている。また、当選エリア「特殊図柄揃い」が当選した場合は、正解リプレイを入賞させることが可能な正解打順の報知を行う押し順ナビ有りモードをサブ制御基板32が発動させる。
【0069】
このように、実施形態2は、当選エリア「特殊図柄揃い」が当選した場合に押し順ナビ有りモードが発動し、この後、当選エリア「押し順リプレイ」が当選すると正解リプレイが入賞して第2RTモードへと移行する。
【0070】
また、当選役抽選テーブルに当選エリア「押し順小役」(正解小役と不正解小役とが重複当選となるように対応付けされ、正解打順で遊技を行うと正解小役が入賞するように停止制御が行われ、正解打順以外の打順で遊技を行うと不正解小役が入賞するように停止制御が行われる当選エリア)を設け、「特殊図柄揃い」が当選役抽選で当選してから第2RTモードへと移行するまでの間、正解小役を入賞させることが可能となる正解打順を報知してもよい。
【0071】
[実施形態3]
実施形態3は、正解役を入賞させるための正解打順とそれ以外の打順とで停止制御の内容を異ならせる場合を設けるとともに、通常通りに遊技を行なっても正解役を入賞させることができないようにした構成であり、前述した実施形態1や実施形態2に付加されて用いられる構成である。
【0072】
具体的には、実施形態3では、遊技者は通常は順押し(左側のリールから順に各リールを停止させるためのストップボタンの操作順序)で遊技を行うといった事情を考慮し、正解打順を順押し以外としている。こうすることで、スロットマシン側で正解打順の報知を行わないと正解役を入賞させることが難しくなる。
【0073】
なお、正解打順の報知が無いにも関わらず正解打順で遊技が行われた場合に、所定のペナルティを課すようにしてもよい。ペナルティとしては、例えば、正解打順で遊技をした場合に「特定図柄揃い」が入賞となる構成において、報知を経ずに「特定図柄揃い」が入賞した場合、以降は、「特定図柄揃い」を入賞させるための正解打順の報知を行わないなどが挙げられる。
【0074】
また、正解役を入賞させるための正解打順とそれ以外の打順とで停止制御の内容を異ならせる構成では、正解打順で遊技を行ったとしても必ずしも正解役が入賞するとは限らない。すなわち、停止制御は前述した引き込み範囲内で行われるため、各リールの図柄の配列や正解役の入賞態様などによっては、正解打順で遊技が行われても(正解役が入賞するように停止制御が行われても)、ストップボタンの操作タイミング次第で正解役が入賞する場合と入賞しない場合とが発生する場合もある。このため、正解役を入賞させるための正解打順の報知や指示演出の際に、狙うべき図柄の種類も報知してもよい。
【0075】
[実施形態4]
実施形態4は、正解打順で遊技をしないと、第2RTモードへは移行せず(第2RTモードへの移行契機となる図柄組合せが表示されず)、かつ、正解打順で遊技を行ってもストップボタンの操作タイミング次第で第2RTモードへ移行する場合と移行しない場合とが発生する構成である。
【0076】
なお、正解打順で遊技をしないと、第2RTモードへ移行しないようにするためには、前述した実施形態2と同様の手法を用いたり、前述した実施形態1において、当選エリア「特殊図柄揃い」に、特殊リプレイA(正解役)、特殊リプレイB(正解役)に加えて不正解役(例えば、通常リプレイ)を対応付けし、特殊リプレイA、特殊リプレイBを入賞させるための正解打順で遊技をしないと不正解役が優先的に入賞するように停止制御が行われ、特殊リプレイA、特殊リプレイBが入賞しない構成とするなどが考えられる。また、正解打順で遊技を行ってもストップボタンの操作タイミング次第で第2RTモードへ移行する場合と移行しない場合とが発生する構成は、例えば、各リールの図柄配列や、第2RTモードへの移行契機となる当選役の入賞態様などの設定により創出される。
【0077】
この実施形態4では、正解打順で遊技を行えばストップボタンの操作タイミング次第で、第2RTモードへの移行契機となる図柄組合せが表示される状態で、正解打順の報知を行うとともに、指示演出を行っている。また、この実施形態4では、前述したペナルティが課せられていたり、その他、サブ制御基板による演出に関する状況などによって、第2RTモードへ移行させることや、通常モードから第1RTモードへと移行させることによって不都合が発生してしまう場合には、正解打順の報知や指示演出を行わないことによって不都合が発生しないようにしている。
【0078】
なお、実施形態4では、正解打順が左押し(左側のリールを他のリールに先駆けて停止させるストップボタンの操作順序)以外であることが好ましい。こうすることによって、遊技者が通常通りに遊技を行うだけで、不正解役が入賞して第2RTモードへは移行しない。
【0079】
また、第2RTモードへ移行させることや、通常モードから第1RTモードへと移行させることによって不都合が発生してしまうといった事情で、正解打順の報知や指示演出を行わなかった場合、正解打順の報知や指示演出を行った場合と同様の特典を遊技者に付与してもよい。このような特典としては、例えば、実施形態2のように、正解リプレイが入賞した場合に第2RTモードへ移行させる構成において、正解打順の報知を受けることができる権利をストックするなどが考えられる。
【0080】
さらに、第2RTモードへ移行させることや、通常モードから第1RTモードへと移行させることによって不都合が発生してしまうといった事情で、正解打順の報知や指示演出を行わなかったにも関わらず、左押しとは異なる変則的な打順で遊技を行って第2RTモードへの移行契機となる図柄組合せが表示された場合に、ペナルティを課してもよい。ペナルティとしては、例えば、実施形態2のように、正解リプレイが入賞した場合に第2RTモードへ移行させる構成において、正解打順の報知を行わないといったことや、本来ならば指示演出を経て特典が付与される状況下であっても指示演出を行わなかったり特典を付与しないといったことが考えられる。
【0081】
[実施形態5]
図9に示すように、実施形態5は、非RTモードと、非RTモードよりもリプレイの当選確率が高い第2RTモード(有利モード)とを設けるとともに、非RTモードの中に、後述する押し順ナビの実行確率が低い低確状態(通常モード)と、押し順ナビの実行確率が高い高確状態(特別モード)とを設けている。
【0082】
また、実施形態5では、非RTモードでは、当選エリア「押し順リプレイ1」、及び、当選エリア「押し順リプレイ2」を含む当選役抽選テーブルを用いて当選役抽選を行っている。
【0083】
図10に示すように、当選エリア「押し順リプレイ1」は、通常リプレイと、特殊図柄揃い(特殊リプレイAまたは特殊リプレイB)と、特殊図柄ハズレ(特殊リプレイCまたは特殊リプレイD)とが対応付けされたものであり、この当選エリア「押し順リプレイ1」が当選した状態で左押しされると「通常リプレイ」が入賞するように停止制御が行われ、中押し(中央のリールを他のリールに先駆けて停止させるストップボタンの操作順序)されると「特殊図柄揃い」が入賞するように停止制御が行われ、右押し(右側のリールを他のリールに先駆けて停止させるストップボタンの操作順序)されると「特殊図柄ハズレ」が入賞するように停止制御が行われる。
【0084】
当選エリア「押し順リプレイ2」は、通常リプレイと、特殊図柄揃い(特殊リプレイAまたは特殊リプレイB)と、特殊図柄ハズレ(特殊リプレイCまたは特殊リプレイD)とが対応付けされたものであり、この当選エリア「押し順リプレイ2」が当選した状態で左押しされると「通常リプレイ」が入賞するように停止制御が行われ、中押しされると「特殊図柄ハズレ」が入賞するように停止制御が行われ、右押しされると「特殊図柄揃い」が入賞するように停止制御が行われる。
【0085】
そして、実施形態5では、低確状態よりも高確状態の方が、「特殊図柄揃い」が入賞するように停止制御が行われる操作順序を報知する押し順ナビを行う確率を高く設定し、指示演出が行われたにも関わらず「特殊図柄揃い」を入賞させることができなかった場合、低確状態から高確状態へと移行させる。こうすることによって、実施形態5でも、実施形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
【0086】
なお、この実施形態5と同様に、実施形態2において、第2RTモードへの移行契機となる正解リプレイを入賞させるための正解打順の報知確率を、通常モードと第1RTモードとで異ならせてもよい(通常モードよりも第1RTモードの報知確率を高く設定してもよい)。
【0087】
[実施形態6]
上述した実施形態5では、共通の(同じ)当選役抽選テーブルを用いながら演出状態を変化させる(ATモードを発動させる)ことによって、通常モードと特別モードとを発現させているが、この実施形態6では、ATモードを利用し当選役抽選テーブルを変更する(切り替える)こと無く、有利モードも発現させる構成である。すなわち、この実施形態6は、共通の(同じ)当選役抽選テーブルを用いながら演出状態を変化させる(ATモードを発動させる)ことによって、通常モードと特別モードに加えて有利モードも発現させるものである。
なお、この実施形態6は、共通の当選役抽選テーブルを用いながら通常モードと特別モードを発現させる手法については、実施形態5と同様であるので説明を省略する。以下では、通常モードや特別モードと共通の当選役抽選テーブルを用いながら有利モードを発現させる手法について説明を行う。
【0088】
実施形態6では、当選エリア「押し順小役」(正解小役と不正解小役とが重複当選となるように対応付けされ、正解打順で遊技を行うと正解小役が入賞するように停止制御が行われ、正解打順以外の打順で遊技を行うと不正解小役が入賞するように停止制御が行われる当選エリア)が複数設けられ、各当選エリア「押し順小役」ごとに正解打順が異なっている。そして、この実施形態6では、「特殊図柄揃い」が入賞した場合に、正解小役を入賞させるための手順(押し順など)を案内するATモードを発動させる。
【0089】
この実施形態6のように、演出状態の変化により有利モードを発現させる手法を用いた場合、有利モードへの移行条件は自由に設定できる。すなわち、リプレイ以外の当選役が当選または入賞した際に有利モードへ移行するように構成してもよいし、当選役抽選の結果に関わらず、サブ制御基板によって行われる演出抽選によって有利モードへ移行させるか否かを決定してもよい。ただし、本発明は、指示演出が行われたにも関わらず第1図柄組合せが表示されなかった場合に、第1図柄組合せが表示される確率(有利モードへ移行する確率)が向上するものなので、有利モードへの移行条件を満たした場合、第1図柄組合せの表示を経た後に有利モードへ移行させることが好ましい。
【0090】
また、上述のように、本発明は、第1図柄組合せが表示される確率(有利モードへ移行する確率)を向上させるための構成を有している必要がある。ここで、実施形態6のように演出状態の変化により有利モードを発現させるスロットマシンでは、有利モードへの移行条件次第で有利モードへの移行確率を変更する方法も異なるが、例えば、演出抽選によって有利モードへ移行するか否かを決定する場合、指示演出が行われたにも関わらず第1図柄組合せが表示されなかった場合に演出抽選に用いる抽選テーブルを、有利モードへ移行すると決定される確率が高いものへと切り替えるといったことが考えられる。
【0091】
なお、実施形態6では、「特殊図柄揃い」の表示を経てATモードを発動(有利モードへ移行)する例で説明をしたが、「特殊図柄揃い」の表示が許容される状態となった場合に、「特殊図柄揃い」の表示を経ずに(待たずに)ATモードを発動させてもよい。「特殊図柄揃い」の表示が許容される状態としては、例えば、「特殊図柄揃い」となる「押し順リプレイ」が当選し、当選した「押し順リプレイ」の正解リプレイを入賞させるための正解打順でストップボタンが操作された場合などが挙げられる。また、このように、「特殊図柄揃い」の表示が許容される状態となった場合に、「特殊図柄揃い」の表示を待たずにATモードを発動させる場合、ATモードが発動してから「特殊図柄揃い」が表示されるまでの間、「特殊図柄揃い」が表示されるように、遊技方法などを案内してもよい。具体的には、ATモードが発動してから「特殊図柄揃い」が入賞するまでの間(「特殊図柄揃い」となるまでの間)、「押し順リプレイ」が当選した場合に、当選した「押し順リプレイ」の正解リプレイを入賞させるための正解打順を報知してもよい。
【0092】
[実施形態7]
実施形態7は、実施形態1と比較して通常テーブル(
図6(A)参照)、及び、第1RT用テーブル(
図6(B)参照)の内容が異なっている。
【0093】
図11(A)に示すように、実施形態7の通常テーブル50では、当選エリア「2」(特殊リプレイ群)に、特殊リプレイA〜特殊リプレイD、特別リプレイが対応付けされている。特殊リプレイA〜特殊リプレイDについては、実施形態1と同様の機能を有するものであり、当選エリア「2」が当選している状態では、ストップボタンの操作タイミング次第で、特殊リプレイA〜特殊リプレイDのいずれであっても入賞可能となっている。一方、特別リプレイは、これら特殊リプレイA〜特殊リプレイDのいずれも入賞させることができないタイミングでストップボタンが操作された場合に入賞となる当選役であり、入賞すると第1RTモードへと移行する。
【0094】
図11(B)に示すように、実施形態7の第1RT用テーブル52では、当選エリア「2」に前述した「特殊リプレイ群」が対応付けされている。そして、第1RT用テーブル52は、通常テーブル50と比較して、当選エリア「2」が当選役抽選で当選する確率が高くされている(当選エリア「2」に割り当てられた乱数値の数が多くされている)。
【0095】
実施形態7では、通常モード中に当選エリア「2」が当選したにも関わらず、特殊リプレイAや特殊リプレイBを入賞させることができなかった場合(第2RTモードへ移行させることができなかった場合)であっても、特殊リプレイC、特殊リプレイDまたは特別リプレイのいずれかが入賞となり、第1RTモードへ移行する。そして、第1RTモードへ移行することで、当選エリア「2」の当選確率が高くなり、特殊リプレイAや特殊リプレイBを入賞させて第2RTモードへ移行できる確率が高くなる。
【0096】
[実施形態8]
実施形態8は、スタートレバーが操作されてから、リールが一定速度に達して定常回転となり、ストップボタンの操作が有効化されるまでの間に、リールを用いた演出(回胴演出)を行い、この回胴演出において所定の第1図柄組合せが表示された場合に、所定の特典を付与するスロットマシンに対して本発明を適用したものである。
【0097】
この実施形態8では、回胴演出において、第1図柄組合せが表示されなかった場合に、第2図柄組合せを表示する。そして、第2図柄組合せが表示された場合に、回胴演出の発生確率(または、回胴演出において第1図柄組合せが表示される確率)を上げる。こうすることによって、第1図柄組合せが表示されなかったとしても所定の特典が付与される確率が上昇し遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【0098】
[実施形態9]
実施形態9は、
図12に示すフローに従って遊技が行われる。
図12に示すように、実施形態9では、遊技状態として、通常モードと、正解リプレイが入賞すると移行し所定条件を満たすと(例えば、所定回数の遊技を実行すると)終了する第2RTモード(有利モード)、並びに、後述する当選役RBが入賞すると移行し所定条件を満たすと(例えば、所定回数の遊技を実行すると)終了するRBモード(特別モード)が設けられている。
【0099】
また、実施形態9では、当選役抽選で用いられる当選役抽選テーブルとして、
図13(A)に示す通常テーブル56と、
図13(B)に示すRBテーブル58とが設けられており、通常モードでは通常テーブル56を用い、RBモードではRBテーブル58を用いて当選役抽選が実行される。通常テーブル56、及び、RBテーブル58には、小役の一種である特殊小役が対応付けされた当選エリア「特殊小役」、入賞するとRBモードへ移行する当選役RBが対応付けされた当選エリア「RB」、正解リプレイと不正解リプレイとが対応付けされ、正解打順で遊技を行うと正解リプレイが入賞して第2RTモードへと移行し、正解打順以外の打順で遊技を行うと不正解リプレイが入賞して現在の遊技モードが維持される(第2RTモードへは移行しない)当選エリア「押し順リプレイ」とが設けられている。
【0100】
通常テーブル56は、RBテーブル58と比較して、当選エリア「特殊小役」が当選役抽選で決定される確率がRBテーブル58よりも低くされているものの、当選エリア「RB」が決定される(RBモードへと移行する)可能性や当選エリア「押し順リプレイ」が決定される(第2RTモードへと移行する)可能性がある。また、RBテーブル58では、当選エリア「RB」や当選エリア「押し順リプレイ」が決定されない(つまり、第2RTモードへと移行しない)。
【0101】
また、実施形態9では、当選エリア「特殊小役」が当選役抽選で当選した場合、「特殊小役」が入賞となる第1図柄組合せを表示させるように指示演出を行うとともに、当選エリア「押し順リプレイ」が当選すると正解リプレイを入賞させるための正解打順の報知を行う押し順ナビ有りモードをサブ制御基板32が発動させる。また、指示演出は、当選エリア「RB」が当選役抽選で当選した場合にも行うようにしている。
【0102】
そして、実施形態9では、通常モード中に当選エリア「特殊小役」が当選した場合、指示演出を行うとともに、押し順ナビ有りモードを発動させ、この後、当選エリア「押し順リプレイ」が当選すると正解打順の報知が行われることにより正解リプレイが入賞して第2RTモードへと移行する。
【0103】
一方、通常モード中に当選エリア「特殊小役」が当選することなく当選エリア「RB」が当選した場合、指示演出が行われてRBモードへと移行する。RBモード中に当選エリア「特殊小役」が当選すると、指示演出を行うとともに押し順ナビ有りモードを発動させる。そして、所定条件を満たしてRBモードが終了すると通常モードへと移行し、この後、当選エリア「押し順リプレイ」が当選すると正解打順の報知が行われることにより正解リプレイが入賞して第2RTモードへと移行する。
【0104】
このように、実施形態9では、通常モード中に「特殊小役」が当選しなければ正解リプレイを入賞させることはできないが、RBモードへ移行することは可能である。そして、RBモードへ移行すると、通常モードと比較して当選エリア「特殊小役」が当選する確率が向上する(
図13(B)参照)。これにより、RBモードで押し順ナビ有りモードを発動させた後、通常モードへ戻ることで正解リプレイを入賞させることができる確率、すなわち、第2RTモードへ移行できる確率が向上する。