特許第6447811号(P6447811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6447811
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/19 20180101AFI20181220BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20181220BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20181220BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181220BHJP
【FI】
   F21S43/19
   F21S43/14
   F21W103:35
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-239581(P2014-239581)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-103316(P2016-103316A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】白石 寛光
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−247062(JP,A)
【文献】 実開昭63−096710(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/19
F21S 43/14
F21W 103/35
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部と;
前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;
前記収納部の側壁から突出し、導電性を有し、前記フランジ部側の面に凹部を有する凸部と;
前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
前記収納部が設けられる孔を有した筐体と;
前記孔の周縁に設けられ、前記凸部の凹部に設けられる突起部と;
を具備し
前記凸部は、高熱伝導性樹脂を含み、
前記突起部は、絶縁性を有し、前記凸部の材料よりも柔らかい材料を含む灯具
【請求項2】
前記高熱伝導性樹脂は、炭素を含む請求項記載の灯具
【請求項3】
前記凹部は、前記凸部の外周側の端面に開口していない請求項1または2に記載の灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、具に関する。
【背景技術】
【0002】
収納部と、収納部に設けられ、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する発光モジュールと、を備えた照明装置がある。
また、収納部の側壁には、灯具の筐体に照明装置を取り付ける際に用いられる凸部(バヨネットなどとも称される)が設けられている。この場合、凸部は、収納部と一体に形成されている。
ここで、収納部における放熱が悪いと、発光ダイオードなどにおいて発生した熱により、発光ダイオードの温度が過度に上昇するおそれがある。発光ダイオードの温度が過度に上昇すると、発光ダイオードの寿命が短くなるおそれがある。
また、発光ダイオードの温度上昇を抑制するために、発光ダイオードに印加する電力が制限されるおそれがある。発光ダイオードに印加する電力が制限されると、高輝度化を図れなくなるおそれがある。
そのため、収納部は、熱伝導率の高い材料から形成されている。また、収納部と一体に形成される凸部も熱伝導率の高い材料から形成される。
ここで、熱伝導率の高い材料は、導電性を有する場合がある。
また、灯具の筐体に照明装置を取り付ける際に、凸部と灯具の筐体などとがこすれあう。
そのため、灯具の筐体に照明装置を取り付ける際に、導電性を有するゴミが発生するおそれがある。
導電性を有するゴミが発生すると、短絡などが生じやすくなるおそれがある。
そのため、導電性を有するゴミの発生を抑制することができる照明装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−120446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、導電性を有するゴミの発生を抑制することができる具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る灯具は、フランジ部と;前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;前記収納部の側壁から突出し、導電性を有し、前記フランジ部側の面に凹部を有する凸部と;前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;前記収納部が設けられる孔を有した筐体と;前記孔の周縁に設けられ、前記凸部の凹部に設けられる突起部と;を具備している。前記凸部は、高熱伝導性樹脂を含み、前記突起部は、絶縁性を有し、前記凸部の材料よりも柔らかい材料を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、導電性を有するゴミの発生を抑制することができる具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2】本体部10の模式斜視図である。
図3】発光モジュール20の模式斜視図である。
図4】ソケット30の模式斜視図である。
図5】給電部40を例示するための模式断面図である。
図6】(a)は、灯具100の模式分解図である。(b)は、灯具100の模式断面図である。(c)は、凸部14と、突起部101cとの関係を例示するための模式拡大図である。
図7】(a)〜(c)は、照明装置1を灯具100の筐体101に取り付ける手順を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態に係る発明は、フランジ部と;前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;前記収納部の側壁から突出し、導電性を有し、前記フランジ部側の面に凹部を有する凸部と;前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;前記収納部が設けられる孔を有した筐体と;前記孔の周縁に設けられ、前記凸部の凹部に設けられる突起部と;を具備し、前記凸部は、高熱伝導性樹脂を含み、前記突起部は、絶縁性を有し、前記凸部の材料よりも柔らかい材料を含む灯具である。
この灯具によれば、導電性を有するゴミの発生を抑制することができる。
高熱伝導性樹脂を用いれば、放熱性の向上と、軽量化を図ることができる。
【0010】
また、前記高熱伝導性樹脂は、炭素を含むことができる。
炭素を含む高熱伝導性樹脂とすれば、放熱性の向上を図ることができる。
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る照明装置1は、例えば、屋内照明や屋外照明などに広く用いることができる。
ここで、自動車や鉄道車両などに用いられる車両用の照明装置の場合には、走行に伴う振動が照明装置に加わることになる。
そのため、車両用の照明装置の場合には、照明装置の取り付け後においても導電性を有するゴミが発生するおそれがある。
本実施の形態に係る照明装置1によれば、照明装置1に振動が加わる場合であっても、導電性を有するゴミの発生を抑制することができる。
車両用の照明装置としては、例えば、自動車に設けられるフロントコンビネーションライト、リアコンビネーションライト(ストップランプ、テールランプ、ターンシグナル、フォグランプなど)、室内用ライト、トランク用ライトなどを例示することができる。
ただし、車両用の照明装置は、例示をしたものに限定されるわけではなく、自動車や鉄道車両などに設けられる照明装置に広く用いることができる。
【0013】
図1は、本実施形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、本体部10の模式斜視図である。
図3は、発光モジュール20の模式斜視図である。
図4は、ソケット30の模式斜視図である。
図5は、給電部40を例示するための模式断面図である。
なお、図5は、図1におけるA−A線を含む断面を表す図である。
図1に示すように、照明装置1には、本体部10、発光モジュール20、ソケット30、および給電部40が設けられている。
【0014】
図1または図2に示すように、本体部10には、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14が設けられている。
【0015】
収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の内部には、凹部11aが設けられている。
基板21は、凹部11aの底面の上に設けられている。基板21の発光部22が設けられる側とは反対の側の面は、凹部11aの底面と接触している。
すなわち、収納部11のフランジ部12側とは反対側の端部には、発光モジュール20が設けられている。
また、複数の給電端子41が、凹部11aの底面から突出している。複数の給電端子41は、凹部11aの底面とは接触していない。
【0016】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0017】
凸部14は、収納部11の側壁に設けられている。凸部14は、収納部11の側壁から突出している。後述するように、凸部14は、導電性を有し、フランジ部12側の面14aに凹部14bを有している。
凸部14は、照明装置1を灯具100の筐体101に取り付ける際に、灯具100の突起部101cと協働して、灯具100に照明装置1を保持させる。
この場合、凸部14を複数設けるようにすれば、照明装置1の保持を安定させることができる。
照明装置1の保持を安定させるためには、3つ以上の凸部14が設けられることが好ましい。図1または図2に例示をしたものの場合には、4つの凸部14が設けられている。 なお、凸部14に関する詳細は後述する。
【0018】
ここで、本体部10は、発光モジュール20を収納する機能と、発光モジュール20において発生した熱を照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。
また、照明装置1は、軽量となるようにすることが好ましい。
そのため、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。
高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素などからなる繊維や粒子を混合させたものである。
この場合、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を一体成形することができる。
なお、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成し、これらを接合することもできる。収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成する場合には、これらを同じ材料から形成することもできるし、これらを異なる材料から形成することもできる。
【0019】
図3に示すように、発光モジュール20には、基板21、発光部22、制御素子23、および配線パターン24が設けられている。
【0020】
基板21は、本体部10の収納部11の内部に設けられている。
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものから形成することもできる。なお、金属板の表面を絶縁材料で被覆する場合には、絶縁材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0021】
発光部22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0022】
発光部22は、基板21の表面に設けられた配線パターン24の上に複数実装されている。
発光部22には、発光素子22a、外囲器22b、リード22cおよび封止部22dが設けられている。
発光素子22aは、外囲器22bに設けられた凹部22b1の内部に設けられている。 発光素子22aは、凹部22b1の内部に露出するリード22cに電気的に接続されている。
発光素子22aは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22aの光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
【0023】
外囲器22bは、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
また、外囲器22bの材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22aから出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。 なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22aから出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、外囲器22bは、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0024】
外囲器22bの凹部22b1の側壁は斜面となっている。発光素子22aから出射した光の一部は、凹部22b1の側壁で反射されて、照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22aから照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部22dの上面(封止部22dと外気との界面)で全反射した光は、凹部22b1の側壁で反射して、再び照明装置1の正面側に向けて照射される。
【0025】
すなわち、外囲器22bは、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、外囲器22bの形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0026】
リード22cの一方の端部側は、凹部22b1の内部に露出している。
リード22cの他方の端部側は、外囲器22bの凹部22b1が開口する側とは反対の側の面(下面)に向けて折り曲げられている。リード22cは、例えば、Jベンド型のリードとすることができる。
リード22cの凹部22b1の内部に露出する部分は、発光素子22aと電気的に接続されている。
リード22cの外囲器22bの下面に向けて折り曲げられている部分は、配線パターン24と電気的に接続されている。
そのため、発光素子22aは、リード22cを介して配線パターン24と電気的に接続されている。
【0027】
封止部22dは、外囲器22bの凹部22b1に設けられている。封止部22dは、凹部22b1の内部を覆うように設けられている。すなわち、封止部22dは、凹部22b1の内部に設けられ、発光素子22aと、リード22cの一方の端部側を覆っている。
【0028】
封止部22dは、透光性を有する材料から形成されている。封止部22dは、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部22dは、例えば、外囲器22bの凹部22b1に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0029】
外囲器22bの凹部22b1に樹脂を充填すれば、発光素子22aなどに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、ガスや水分などが、発光素子22aなどに付着することを抑制することができる。そのため、照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
【0030】
また、封止部22dには、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22aが青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22aから出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22aの種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0031】
図3に例示をした発光部22は、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型であるが、発光部22の形態はこれに限定されるわけではない。
例えば、発光部22は、配線パターンの上に実装された発光素子22aと、発光素子22aを囲む環状のリフレクタと、環状のリフレクタの内部に設けられた封止部22dと、を有するものであってもよい。
すなわち、COB(Chip on Board)方式を用いて、発光素子22aが配線パターン24の上に実装されるようにしてもよい。
また、発光部22の数や配設形態なども例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
【0032】
制御素子23は、配線パターン24の上に実装されている。
制御素子23は、発光素子22aに流れる電流を制御する。すなわち、制御素子23は、発光素子22aの発光を制御する。
制御素子23の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22aの数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0033】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電端子41が電気的に接続されている。そのため、発光素子22aは、配線パターン24を介して、給電端子41と電気的に接続されている。
その他、必要に応じて、図示しない回路部品などを適宜設けることができる。図示しない回路部品は、例えば、配線パターン24の上に実装することができる。
【0034】
図4に示すように、ソケット30には、本体部30a、めす型端子30b、および配線30cが設けられている。
本体部30aは、樹脂などの絶縁材料から形成されている。本体部30aの側壁には、凸部30a1が設けられている。本体部10に設けられた凹部に凸部30a1を嵌め合わせることで、ソケット30が本体部10に保持される。
【0035】
めす型端子30bは、本体部30aの内部を延びている。
めす型端子30bの一方の端部は、本体部30aの一方の端面に露出している。本体部30aの一方の端面に露出しているめす型端子30bの端部には、給電端子41が嵌め合わされる。
めす型端子30bの他方の端部には、配線30cが電気的に接続されている。
配線30cには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケット30を給電端子41に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22aとが電気的に接続される。
ソケット30は、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接合することができる。
【0036】
図5に示すように、給電部40には、給電端子41および保持部42が設けられている。
給電端子41は、複数設けられている。
給電端子41は、線状を呈し、金属などの導電性材料から形成されている。
複数の給電端子41は、保持部42を貫通して延びている。
給電端子41の入力端子24a側の端部は、保持部42の入力端子24a側の端部42aから突出している。保持部42の端部42aから突出した給電端子41は、凹部11aの底面から突出し、入力端子24aと電気的に接続される。
給電端子41のソケット30側の端部は、保持部42のソケット30側の端部42bから突出している。保持部42の端部42bから突出した給電端子41は、めす型端子30bと嵌め合わされる。
2つの給電端子41を例示したが、給電端子41の数や形状などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0037】
前述した様に、本体部10は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。
高熱伝導性樹脂には、炭素などの導電性を有する物質を樹脂に混合させたものがある。そのため、高熱伝導性樹脂には導電性を有するものがある。
導電性を有する高熱伝導性樹脂を用いる場合には、本体部10と、給電端子41とが接触すると短絡が生ずることになる。
そのため、本体部10と給電端子41との間に、絶縁性を有する材料から形成された保持部42が設けられている。
【0038】
また、保持部42は、本体部10に設けられた孔10aの内部に設けられている。
孔10aは、本体部10の発光モジュール20が設けられる側の端部10bと、ソケット30が設けられる側の端部10cとの間を貫通している。
また、照明装置1が車両用の照明装置である場合には、使用環境の温度が、−40℃〜85℃となる。そのため、本体部10の材料である高熱伝導性樹脂の線膨張係数と、保持部42の材料である樹脂の線膨張係数とがなるべく近い値となることが好ましい。この様にすれば、照明装置1が、温度変化の大きな環境において用いられたとしても、本体部10と保持部42との間において発生する熱応力を低減させることができる。
この場合、高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂を用いて保持部42を形成することができる。
例えば、高熱伝導性樹脂が炭素からなる繊維や粒子をPETに混合させたものである場合には、PETを用いて保持部42を形成することができる。
【0039】
次に、凸部14についてさらに説明する。
凸部14は、照明装置1を灯具100の筐体101に取り付ける際に用いられる。
そのため、まず、灯具100と、照明装置1の取り付け手順を説明する。
図6(a)〜(c)は、本実施の形態に係る灯具100を例示するための模式断面図である。
図6(a)は、灯具100の模式分解図である。
図6(b)は、灯具100の模式断面図である。
図6(c)は、凸部14と、突起部101cとの関係を例示するための模式拡大図である。
図6(a)〜(c)に例示をする灯具100は、1灯式のストップランプである。ただし、灯具100は、1灯式のストップランプに限定されるわけではない。
図7(a)〜(c)は、照明装置1を灯具100の筐体101に取り付ける手順を例示するための模式図である。
【0040】
図6(a)、(b)に示すように、灯具100には、照明装置1、筐体101、カバー102、反射部103、およびシール部材104が設けられている。
筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。
筐体101の底面には、収納部11が挿入される取付孔101aが設けられている。
取付孔101aの周縁には、凸部14が挿入される凹部101bが設けられている。(図7(a)〜(c)を参照)
また、図6(c)に示すように、筐体101の内部であって、取付孔101aの周縁には、複数の突起部101cが設けられている。
なお、筐体101に取付孔101aと突起部101cが直接設けられる場合を例示したが、筐体101に取付部材を設け、取付孔101aおよび突起部101cの少なくともいずれかが取付部材に設けられるようにしてもよい。
突起部101cの数と配設位置は、凹部14bの数と配設位置と同じとなっている。後述するように、照明装置1を灯具100に取り付けた際には、突起部101cは、対応する凹部14bと嵌め合わされる。そのため、照明装置1の回転方向における取り付け位置を規定することができる。
【0041】
突起部101cは、絶縁性を有し、凸部14の材料よりも柔らかい材料から形成することが好ましい。この様にすれば、後述する導電性を有するゴミの発生を抑制することができる。
突起部101cは、例えば、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、PCなどの樹脂を用いて形成することができる。
【0042】
凹部14bの形態には特に限定はなく、突起部101cを嵌め合わせることができればよい。例えば、凹部14bは、図2に例示をしたように凸部14の外周側の端面にも開口したものであってもよいし、凸部14の外周側の端面に開口していないものであってもよい。また、凹部14bは、溝であってもよいし、凸部14を貫通する孔であってもよいし、凸部14を貫通しない底のある孔であってもよい。
また、凹部14bは、フランジ部12から離れるに従い断面寸法が短くなるテーパ状を呈するものとすることができる。
テーパ状を呈する凹部14bとすれば、突起部101cを誘い込むことができるので、位置決めが容易となる。また、回転方向におけるがたつきも抑制することができる。
【0043】
図6(a)、(b)に示すように、カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。
カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることができる。
反射部103は、照明装置1から照射された光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。反射部103は、筐体101の内部であって、取付孔101aの中心軸と同芯に設けられている。
【0044】
シール部材104は、フランジ部12の凸部14側の面に設けられている。シール部材104は、ゴムやシリコーンなどの弾性を有する材料から形成することができる。
照明装置1が灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ部12と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、灯具100の内部空間が密閉される。
【0045】
照明装置1の取り付けは、以下の様にして行うことができる。
図7(a)に示すように、取付孔101aの周縁には、凸部14が挿入される凹部101bが設けられている。
まず、図7(b)に示すように、取付孔101aの内部に、照明装置1の収納部11を挿入する。この際、凸部14が凹部101bの内部に挿入されるようにする。
次に、図7(c)に示すように、照明装置1を回転させて、突起部101cが対応する凹部14bと嵌め合わされるようにする。
この際、弾性を有するシール部材104がフランジ部12と筐体101との間に挟まれるので、弾性力により、突起部101cと凹部14bとが密着する。
以上の様にして、照明装置1が灯具100の筐体101に取り付けられる。また、照明装置1の回転方向と軸方向における取り付け位置が規定される。
【0046】
ここで、照明装置1を回転させた際に、凸部14と、突起部101cとがこすれあうことになる。
前述したように、凸部14は高熱伝導性樹脂から形成される場合がある。高熱伝導性樹脂は、一般的な樹脂と比べて硬くかつ脆いものとなる。そのため、凸部14と、突起部101cとがこすれあうことで、凸部14が欠けるなどして、ゴミが発生するおそれがある。
また、照明装置1が車両用の照明装置である場合には、走行に伴う振動が照明装置1に加わることになる。そのため、照明装置1の取り付け後においてもゴミが発生するおそれがある。
また、高熱伝導性樹脂が炭素などの導電性を有する物質を含むものである場合には、発生したゴミが導電性を有するものとなる。
導電性を有するゴミが発生すると、短絡などが生じやすくなるおそれがある。
【0047】
本発明者の得た知見によれば、凸部14に突起部を設け、突起部と嵌め合わされる凹部を筐体101側に設けるようにすると、ゴミの発生が多くなるおそれがあることが判明した。
そこで、本実施の形態においては、凸部14に凹部14bを設け、凹部14bと嵌め合わされる突起部101cを筐体101側に設けるようにしている。
この様にすれば、凸部14が、導電性を有する高熱伝導性樹脂から形成される場合であっても、導電性を有するゴミの発生を抑制することができる。そのため、短絡などの発生を抑制することができる。
【0048】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 照明装置、10 本体部、11 収納部、12 フランジ部、13 フィン、14凸部、14b 凹部、20 発光モジュール、21 基板、22 発光部、22a 発光素子、23 制御素子、24 配線パターン、30 ソケット、40 給電部、41 給電端子、42 保持部、100 灯具、101 筐体、101a 取付孔、101b 凹部、101c 突起部、102 カバー、103 反射部、104 シール部材
図1
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図7