特許第6448098号(P6448098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6448098
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】鞍状座部・フックシステム
(51)【国際特許分類】
   E02D 13/00 20060101AFI20181220BHJP
   B63B 35/00 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
   E02D13/00 Z
   B63B35/00 T
   B63B35/00 L
   B63B35/00 P
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-540011(P2016-540011)
(86)(22)【出願日】2014年12月18日
(65)【公表番号】特表2017-503094(P2017-503094A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】NL2014050875
(87)【国際公開番号】WO2015093950
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】2011985
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】507009331
【氏名又は名称】アイエイチシー・ホランド・アイイー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ムルデレイ, クラース‐ヤン
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02394498(GB,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02372143(EP,A1)
【文献】 英国特許出願公開第02226539(GB,A)
【文献】 特開2010−031593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 13/00
B63B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
をアペンディングするための杭アペンディングシステム(1)であって、
前記杭の外壁に係合する座部(4)を有する枢動可能に装着された杭支持フレーム(3)であって、アペンディング中に前記座部が前記杭を支持できるように支持フレーム回転軸線(2)を中心に枢動可能である前記杭支持フレームと、
前記杭のアペンディング中に前記杭の外側端部を支持するための吊上部材(7)が設けられた前記外側端部を有する1つまたは複数の緊張したまたは緊張可能なケーブル(6)を備える、使用時に前記杭の前記外側端部を支持するためのケーブルシステムと、
使用時に外側に延びるとともに前記ケーブルシステムの前記吊上部材(7)を支持するためのフレーム部材(8)を備える外側支持システム(5)と
を備え、
前記杭が前記座部に沿って長手方向に動く際に前記杭が前記吊上部材に係合し得るように前記吊上部材を前記座部から所定の距離を置き前記座部と位置合わせされた状態で配設するために前記フレーム部材(8)が前記支持フレーム回転軸線(2)に対して横向きに延びるよう、前記外側支持システムが前記杭支持フレームに対して配設されている、杭アペンディングシステム(1)。
【請求項2】
前記フレーム部材の内側端部は、前記フレーム部材が前記杭支持フレームと共に枢動するように前記杭支持フレーム(3)に連結されている、請求項1に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項3】
前記フレーム部材は、前記フレーム部材が前記杭支持フレームと共に一体的に枢動するように前記杭支持フレーム(3)とユニットを形成している、請求項2に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項4】
前記杭支持フレーム(3)は、前記支持フレームが前記支持フレーム回転軸線(2)を中心にかつ前記支持フレーム回転軸線に対して横向きの軸線を中心に回転できるようにする球面軸受を介して枢動可能に装着されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項5】
前記支持フレームが前記支持フレーム回転軸線に対して横向きの所定の軸線を中心に回転できる態様で前記杭支持フレームの動きを拘束するための支持フレーム拘束システムを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項6】
前記支持フレーム拘束システムが、球面軸受の両側に延びている、請求項5に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項7】
前記支持フレーム拘束システムが、長孔と協働するカムを備える、請求項5または6に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項8】
前記フレーム部材(8)が、その長手方向軸線に沿って伸縮可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項9】
前記支持フレームに前記支持フレーム回転軸線を中心としたある角度位置をとらせるために前記杭支持フレームに連結された、油圧シリンダなどの、駆動システムを備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の杭アペンディングシステム(1)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の杭アペンディングシステムを備える船舶。
【請求項11】
前記支持フレーム回転軸線は、前記フレーム部材が垂直姿勢をとり得るように外側に延びている、請求項10に記載の船舶。
【請求項12】
をアペンディングするための方法であって、
支持フレーム回転軸線(2)を中心に枢動するように前記杭を枢動可能に支持するステップと、
前記杭のアペンディング中に前記杭の外側端部を支持するための吊上部材(7)が設けられた前記外側端部を有する1つの緊張したまたは緊張可能なケーブル(6)を備えるケーブルシステムを介して、使用時に前記杭の前記外側端部を支持するステップと、
使用時に外側に延びるフレーム部材(8)を備える外側支持システム(5)を介して前記ケーブルシステムの前記吊上部材(7)を支持するステップと
を含み、
前記杭が座部に沿って長手方向に動く際に前記杭が前記吊上部材に係合し得るように前記吊上部材を前記座部から所定の距離を置き前記座部と位置合わせされた状態で配設するために前記フレーム部材(8)が前記支持フレーム回転軸線(2)に対して横向きに延びるように前記外側支持システムが杭支持フレームに対して配設される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
杭アペンディングシステム(pile upending system)および洋上風力タービンの基礎用に単一杭をアペンディングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
英国特許第2226539号明細書は、クレーンのうちの一方がスリングを介して杭の一端部に接続され、クレーンのうちの他方がスリングを介して杭における2つの離間した接続点に接続されるがその作用線がスリングと比較して重心(c)の反対側にある、2つのクレーンを使用して杭がアペンディングされる、洋上建設作業用のシステムを開示している。スプレッダバーは、アペンディング中に接続点間の距離間隔を維持する。スリングは、両方のスリングがアペンディング中に杭の荷重を均等に分担するようにシーブに巻き掛けられ、アペンディングは、一方のスリングを他方のスリングに対して上昇または下降させることにより達成される。その3点リフト構成は、過度の曲げ応力が杭にかかるのを回避する。
【0003】
杭が周囲で傾く支持体に杭の外側端部が載置される杭を洋上でアペンディングすることが知られている。アペンディング中に、外側端部は、フックが設けられたケーブルにより支持される。
【0004】
風力タービンを支持するためなどの、単一杭は、最大で4〜6メートルなどの大きな直径を有しかつ数百トンの重量を有し得る。これらの杭は、杭の製造現場から例えば風力タービン施設に、水平姿勢で搬送される。これらの杭は最終的に垂直姿勢で使用される。それゆえ、これらの杭は、現場で水平姿勢から垂直姿勢にアペンディングされる。このアペンディングは、そのような杭が薄肉構造でありかつ局所的な曲げ応力を受けやすいので難しい仕事である。加えて、杭の近くでの船外作業は、人員には危険であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、本発明は、作業中の人員にとってより安全である杭アペンディングシステムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の別の目的は、従来の杭アペンディングシステムに伴う問題が少なくとも部分的に解決される点においてその従来の杭アペンディングシステムを改良することである。
【0007】
本発明の更に別の目的は、代替的な杭アペンディングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、洋上風力タービンの基礎用に単一杭などの杭をアペンディングするための杭アペンディングシステムであって、杭アペンディングシステムが、杭の外壁に係合する座部を有する枢動可能に装着された杭支持フレームであって、アペンディング中に座部が杭を支持できるように支持フレーム回転軸線を中心に枢動可能である杭支持フレームと、杭のアペンディング中に前記杭の外側端部を支持するための吊上部材が設けられた外側端部を有する1つまたは複数の緊張したまたは緊張可横向き能なケーブルを備える、使用時に杭の外側端部を支持するためのケーブルシステムと、使用時に外側に延びるとともにケーブルシステムの吊上部材を支持するためのフレーム部材を備える外側支持システムとを備え、杭が座部に沿って長手方向に動く際に杭が吊上部材に係合し得るように吊上部材を座部から所定の距離を置いてかつ座部と位置合わせされた状態で配設するためにフレーム部材が支持フレーム回転軸線に対して横向きに延びるように外側支持システムが杭支持フレームに対して配設される、杭アペンディングシステムにより実現される。
【0009】
これにより、杭の下での人員による船外作業を省略することが可能となる。これにより、アペンディング作業の安全性が増す。
【0010】
本発明と対照的に、Dennis Denney ET AL:“Pile−Guiding Tool”,Journal of Petroleum Technology,7 March 2013(2013−03−07)の図4がケーブルシステム、ひいてはケーブルシステムの吊上部材の支持体を開示していないことが注目される。その代わり、Dennis Denney ET ALは、枢動可能に装着された杭支持フレームと、杭の端部を支持するための外側支持フレームとを示している。本発明とは対照的に、Dennis Denney ET ALの外側支持フレームは、杭の外側部分を増大させることが望ましい場合に作業中に融通性を与えない一定の長さを有する。
【0011】
同じように、Manfred Beyer ET AL:“New BAUER Flydrill system drilling monopiles at Barrow Offshore Wind Farm,UK”,BAUER Maschinen GmbH,D−865292 Schrobenhausen,Germany,21 oktober 2011(2011−10−21)は、ケーブルシステム、ひいてはケーブルシステムの吊上部材の支持体を開示していない。その代わりに、Beyerは、杭をアペンディングする間に甲板上のフレーム内に杭を保持する杭取扱システムを開示しており、より小さい外側フレームが駆動される間に杭を案内する。
【0012】
Remco Lowenthal ET AL:“IHC Handling Systems”, 16 oktober 2009(2009−10−16)は、杭のアペンディング中に杭の端部を保持するための保持フレームとケーブル・フックシステムとを伴う鞍状座部とフックの概念を開示している。しかしながら、Lowenthalは、使用時に外側に延びるとともにケーブルシステムの吊上部材を支持するためのフレーム部材を備える外側支持システムを開示していない。それゆえ、Lowenthalでは、より多くの船外作業が必要となり、このことは、非常に望ましくない。
【0013】
英国特許第2394498号明細書(Engineering Business,28−4−2004)は、ウインチ/ケーブルシステムを使用して移動させることができるAフレームを使用して風力タービンを構造上に水中杭上に直接設置するための枢動フレームを示している。英国特許第2394498号明細書は、ケーブルシステム、ひいてはケーブルシステムの吊上部材の支持体を開示していない。その代わり、構造が直立位置にあるときに、したがってアペンディング後に、ガイドワイヤまたは牽引ワイヤが構造の端部分に取り付けられる。ガイドワイヤは、予め位置決めされた基礎内に構造の端部分を案内するために使用される(8頁の7〜9行目を参照)。
【0014】
本発明による杭アペンディングシステムの実施形態において、フレーム部材の内側端部は、フレーム部材が杭支持フレームと共に枢動するように杭支持フレームに連結される。このことは、杭が座部に沿って長手方向に動く際に杭が吊上部材に係合するように吊上部材が座部と位置合わせされた状態を保つことを確実にする。
【0015】
杭アペンディングシステムの実施形態において、フレーム部材は、フレーム部材が杭支持フレームと共に一体的に枢動するように杭支持フレームとユニットを形成する。このことは、吊上部材が座部と位置合わせされた状態を保つことをより一層確実にする。
【0016】
杭アペンディングシステムの実施形態において、杭支持フレームは、支持フレームが支持フレーム回転軸線を中心にかつ支持フレーム回転軸線に対して横向きの軸線を中心に回転できるようにする球面軸受を介して枢動可能に装着される。このようにして、例えばクレーン運転者が杭の上端部を理論上のアペンディング平面から離れる方向に移動させたときに杭の外壁との座部の係合を最適化することが可能である。
【0017】
実施形態において、杭アペンディングシステムは、支持フレームが支持フレーム回転軸線に対して横方向の所定の軸線を中心に回転できる点において杭支持フレームの動きを拘束するための支持フレーム拘束システムを備える。このようにして、球面軸受単独でではなく、増大した面積にわたって座部を支持することが可能である。このように、機械的応力が低減される。
【0018】
杭アペンディングシステムの実施形態において、支持フレーム拘束システムは、球面軸受の両側に延びる。このように、球面軸受には、対称に荷重がかからない。
【0019】
杭アペンディングシステムの実施形態において、支持フレーム拘束システムは、長孔と協働するカムを備える。
【0020】
杭アペンディングシステムの実施形態において、フレーム部材は、その長手方向軸線に沿って伸縮可能である。これにより、人員による船外作業の必要性がより一層低減される。
【0021】
実施形態において、杭アペンディングシステムは、支持フレームに支持フレーム回転軸線を中心とした角度位置をとらせるために杭支持フレームに連結された、油圧シリンダなどの、駆動システムを備える。
【0022】
本発明は更に、本発明による杭アペンディングシステムを備える船舶に関する。
【0023】
船舶の実施形態において、支持フレーム回転軸線は、フレーム部材が垂直姿勢をとり得るように外側に延びる。これにより、アペンディング工程中の人員による船外作業の必要性がより一層低減される。
【0024】
本発明は更に、洋上風力タービンの基礎用に、杭、特に単一杭をアペンディングするための方法であって、方法が、支持フレーム回転軸線を中心に枢動するように杭を枢動可能に支持するステップと、杭のアペンディング中に前記杭の外側端部を支持するための吊上部材が設けられた外側端部を有する1つの緊張したまたは緊張可能なケーブルを備えるケーブルシステムを介して使用時に杭の外側端部を支持するステップと、使用時に外側に延びるフレーム部材を備える外側支持システムを介してケーブルシステムの吊上部材を支持するステップとを含み、杭が座部に沿って長手方向に動く際に杭が吊上部材に係合し得るように吊上部材を座部から所定の距離を置いてかつ座部と位置合わせされた状態で配設するためにフレーム部材が支持フレーム回転軸線に対して横向きに延びるように外側支持システムが杭支持フレームに対して配設される、方法に関する。
【0025】
本発明は更に、本明細書で説明し、および/または、添付図面に示す特徴的な特徴の1つまたは複数を備える装置に関する。
【0026】
本発明は更に、本明細書で説明し、および/または、添付図面に示す特徴的な特徴の1つまたは複数を備える方法に関する。
【0027】
更なる利点を提供するために、本特許において述べる種々の態様を組み合わせることができる。
【0028】
図面に示す好ましい実施形態を参照しながら、本発明を更に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の杭アペンディングシステムの斜視図である。
図2図1によるアペンディングシステムの上面図である。
図3図1によるアペンディングシステムの側面図である。
図4図1によるアペンディングシステムの正面図である。
図5】外側支持システムが垂直姿勢をとる、図1によるアペンディングシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
好ましい実施形態が示される図1図5を参照しながら、本発明を更に明らかにする。
【0031】
洋上風力タービンの基礎用に単一杭をアペンディングするための杭アペンディングシステム1が示されている。このような単一杭(図示せず)は、数十メートルの長さおよび数百トンの重量を有し得る。
【0032】
杭アペンディングシステム1は、アペンディング中に杭の下端部を支持する杭支持フレーム3を備える。杭の上端部は、杭のアペンディング中に吊上装置(図示せず)により吊り上げられる。杭支持フレーム3は、杭支持フレーム3が支持フレーム回転軸線2を中心に枢動できるように枢動可能に装着される。このようにして、杭支持フレーム3は、その位置を杭の実際の姿勢に合わせて、杭と共に移動してもよい。ここでは、杭支持フレーム3は、それ自体公知の球面軸受を介して枢動可能に装着される。球面軸受は、杭支持フレーム3が支持フレーム回転軸線2を中心にかつ支持フレーム回転軸線2に対して横向きの軸線を中心に回転できるようにする。
【0033】
杭支持フレーム3には、杭の外壁に係合するように構成される座部4が設けられる。杭のアペンディング中に、座部は、杭の外壁に接触する。アペンディング中に、杭支持フレーム3は、座部4を介して杭を支持する。
【0034】
杭アペンディングシステム1は、使用時に杭の外側端部を支持するためのケーブルシステム11(一部図示)を備える。ケーブルシステム11には、杭が垂直姿勢をとるにつれて次第に荷重がかかる。ケーブルシステム11は、2つの緊張したまたは緊張可能なケーブル6を備える。ケーブル6は、吊上部材7が設けられた外側端部12を有する。吊上部材7は、杭のアペンディング中に前記杭の外側端部を支持するように構成される。吊上部材7は、杭が支持され得るように杭壁の一部を収容できる凹部13が吊上部材7に設けられる点において構成される。
【0035】
杭アペンディングシステム1は、使用時に外側に延びるとともにケーブルシステム11の吊上部材7を支持するように構成されるフレーム部材8を有する外側支持システム5を備える。外側支持システム5は、フレーム部材8が支持フレーム回転軸線2に対して横向きに延びるように杭支持フレーム3に対して配設される。このようにして、吊上部材7は、杭が座部4に沿って長手方向に動く際に杭が吊上部材7に係合し得るように座部4から距離を置いてかつ座部4と位置合わせされた状態で配設される。吊上部材7と座部4との間の距離は、フレーム部材8の長さにより決定される。フレーム部材の内側端部9は、フレーム部材が杭支持フレーム3と共に枢動するように杭支持フレーム3に連結される。フレーム部材の外側端部10は、この場合2、吊上部材7を支持する。この場合、フレーム部材8は、フレーム部材8が杭支持フレーム3と共に一体的に枢動するように杭支持フレーム3とユニットを形成する。
【0036】
杭アペンディングシステム1は、杭支持フレーム3が支持フレーム回転軸線2に対して横向きの所定の軸線を中心に回転できる点において杭支持フレームの動きを拘束するための支持フレーム拘束システム14a、14bを備える。この場合、支持フレーム拘束システム14a、14bは、球面軸受に対称に荷重をかけないように球面軸受の両側に延びる。より重要なことに、このようにして、重い杭の許容される動きが拘束される。
【0037】
使用時に、杭アペンディングシステムは、船舶上に装着される。支持フレーム回転軸線2は、フレーム部材8が垂直姿勢をとり得るように外側にかつ船舶の側部に平行に延びる。油圧シリンダは、支持フレーム3に支持フレーム回転軸線2を中心とした角度位置をとらせるために杭支持フレーム3に連結される。油圧シリンダは、支持フレーム3に図3に示すように垂直姿勢をとらせるかまたは図5に示すように水平姿勢をとらせることができる。
【0038】
杭アペンディングシステム1を使用する際に、以下の方法ステップが実行される。杭は、支持フレーム回転軸線2を中心に杭を枢動させるために杭支持フレームの座部4上に配置される。杭の外側端部は、杭のアペンディング中に前記杭の外側端部を支持するための吊上部材7が設けられた外側端部を有する緊張したまたは緊張可能なケーブル6を備える、ケーブルシステム11を介して支持される。ケーブルシステム11の吊上部材7は、使用時に外側に延びるフレーム部材8を備える外側支持システム5を介して支持される。吊上部材7は、座部4から距離を置いて配設されかつ座部4と位置合わせされる。杭を座部4に沿って長手方向に移動させ、最終的に杭が吊上部材7に係合し、杭の外側端部がケーブルシステム11を介して支持される。
【0039】
上記の明細書および図面は本発明のいくつかの実施形態を例示するために含まれるものであり、保護の範囲を限定するものではないことも明白であろう。本開示から開始して、多く更なる実施形態が当業者には明らかであり、それらの実施形態は、保護の範囲内および本発明の本質の範囲内にあり、先行技術と本特許の開示との明らかな組み合わせである。
図1
図2
図3
図4
図5