特許第6448377号(P6448377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マンダムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6448377
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】クレンジングローション
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20181220BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20181220BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20181220BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
   A61K8/39
   A61K8/86
   A61K8/44
   A61Q19/10
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-7146(P2015-7146)
(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公開番号】特開2016-132624(P2016-132624A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】100137419
【弁理士】
【氏名又は名称】桂田 正徳
(72)【発明者】
【氏名】松元 輝礁
(72)【発明者】
【氏名】桑田 郁子
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−239587(JP,A)
【文献】 特開2013−014540(JP,A)
【文献】 特開2014−181206(JP,A)
【文献】 特開2012−214406(JP,A)
【文献】 特開2001−072548(JP,A)
【文献】 Liquid Cleansing Acne,Mintel GNPD,2013年 4月,ID2034882,URL,http://www.portal.mintel.com
【文献】 アクネ&ポア,MICCOSMO,URL,http://www.miccosmo.co.jp/blandlist/ap/ap.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
DWPI(Derwent Innovation)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A〜成分Hを含み、下記成分C、成分Dおよび成分Eの夫々の含有量が、質量含有比としてC:(D+E)=40:60〜85:15、下記成分Dおよび成分Eの夫々の含有量が、質量含有比としてD:E=40:60〜80:20の範囲を満たすことを特徴とするクレンジングローション。
成分A:抗炎症剤
成分B:殺菌剤
成分C:エチレンオキシドの平均付加モル数が6〜8のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル
成分D:エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
成分E:エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
成分F:ブチレンオキシドの平均付加モル数が2〜8、エチレンオキシドの平均付加モル数が5〜15、プロピレンオキシドの平均付加モル数が3〜10のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
成分G:トリメチルグリシン
成分H:水
【請求項2】
前記成分Dの含有量は、前記クレンジングローション剤型中、1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のクレンジングローション。
【請求項3】
前記成分Eの含有量は、前記クレンジングローション剤型中、1質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクレンジングローション。
【請求項4】
ニキビ予防用であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のクレンジングローション。
【請求項5】
拭き取り用であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のクレンジングローション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレンジングローションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレンジング用の化粧料は、油脂汚れ除去効果に優れる油剤を用いた油性クレンジング化粧料が主流であり、種々の検討がなされてきた(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、これら油剤を用いたクレンジング化粧料は、メイクや皮脂などの油脂汚れ除去効果に優れる反面、拭き取った後や洗い流した後も肌上に過剰の油剤が残ることから、べたつき感が生じ、再度洗顔剤を用いて洗浄しなければならないといった欠点があった。加えて、過度の脱脂により肌荒れが生じ易くなるといった問題も有していた。
【0003】
そこで近年では、拭き取り又は洗い流しが容易にできる油脂汚れ除去成分、所謂、クレンジング成分として非イオン界面活性剤を用いた水性クレンジング化粧料が用いられている。例えば、親水性ノニオン界面活性剤と水を含有し、油性物質を含有しない低刺激性クレンジング組成物(例えば、特許文献2を参照)、ノニオン性界面活性剤とアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体を含有し、油性成分の含有量が2重量%以下であるクレンジング化粧料(例えば、特許文献3を参照)、HLBが12未満と12以上の2種類のノニオン性界面活性剤とアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体と多価アルコールとを含有するクレンジング化粧料(例えば、特許文献4を参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、これら試みでは油性クレンジング化粧料と比較して、クレンジング効果に劣るといった問題がある。そのため、メイクなどの油脂汚れ除去に十分な効果を発揮し得る量の非イオン界面活性剤を用いることも想定されるが、多量に配合させた場合には、皮膚に対して好ましくない刺激が生じる恐れがある。また、過度の脱脂により肌荒れが生じ易く、好ましい潤い感が得られ難いといった問題もある。
【0005】
特に近年、社会人女性(20代から30代の女性)の多くが「寝不足・夜更かしなどの生活習慣の乱れ」、「乾燥などの外的要因」、「ストレスによるホルモンバランスの乱れ」などからくる「大人ニキビ」や「肌荒れ」などの肌トラブルに悩みを抱えており、これらトラブルに悩む女性にとって、上記した近年の油脂汚れ除去効果に主観をおいた水性クレンジング化粧料は、皮膚刺激をもたらすだけでなく、過度の脱脂による保湿力の低下を招き、トラブル症状を更に悪化させる恐れがあった。
【0006】
そのため、トラブル症状の更なる悪化を改善することを目的として、クレンジング後に「ニキビ予防(ニキビケア)」や「肌荒れ予防(乾燥肌ケア)」といったスキンケア行為を別途行わなければならず、非常に手間がかかり簡便性に劣るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−308518号公報
【特許文献2】特開平8−301725号公報
【特許文献3】特開平9−87139号公報
【特許文献4】特開2002−284672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、メイクや皮脂などの油脂汚れに優れた除去効果を発揮するだけでなく、肌荒れ予防およびニキビ予防といったスキンケアも同時に行うことができる、刺激感の低いクレンジングローションを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明は、
〔1〕下記成分A〜成分Hを含むことを特徴とするクレンジングローション、
成分A:抗炎症剤
成分B:殺菌剤
成分C:エチレンオキシドの平均付加モル数が6〜8のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル
成分D:エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
成分E:エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
成分F:ブチレンオキシドの平均付加モル数が2〜8、エチレンオキシドの平均付加モル数が5〜15、プロピレンオキシドの平均付加モル数が3〜10のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
成分G:トリメチルグリシン
成分H:水
〔2〕前記成分C、成分Dおよび成分Eの夫々の含有量が、質量含有比としてC:(D+E)=40:60〜95:5の範囲を満たすことを特徴とする前記〔1〕に記載のクレンジングローション、
〔3〕前記成分Dおよび成分Eの夫々の含有量が、質量含有比としてD:E=40:60〜80:20の範囲を満たすことを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のクレンジングローション、
〔4〕ニキビ予防用であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載のクレンジングローション、
〔5〕拭き取り用であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕の何れか一項に記載のクレンジングローション
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクレンジングローションは、格段に優れた油脂汚れ除去効果が発揮されるにもかかわらず、クレンジング成分特有の皮膚に対する刺激を抑えるという効果を奏する。
【0011】
また、本発明のクレンジングローションは、過度の脱脂による肌荒れを抑え、クレンジング後の肌にべたつきのない持続性のある豊かな潤いを付与するとともに、肌質を整えてニキビの発生を予防することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のクレンジングローションは、下記成分A〜成分Hを含むことを特徴とする。
成分A:抗炎症剤
成分B:殺菌剤
成分C:エチレンオキシドの平均付加モル数が6〜8のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル
成分D:エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
成分E:エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル
成分F:ブチレンオキシドの平均付加モル数が2〜8、エチレンオキシドの平均付加モル数が5〜15、プロピレンオキシドの平均付加モル数が3〜10のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
成分G:トリメチルグリシン
成分H:水
【0013】
用いられる成分Aの抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸およびその誘導体;グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリル等のグリチルレチン酸およびその誘導体;チアミン、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキサール、ピリドキサミン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン等のビタミンB複合体およびその誘導体;アラントイン、イクタモール、イプシロンアミノカプロン酸、インドメタシン、アズレン、グアイアズレン、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、塩化リゾチーム、塩酸ジフェンヒドラミン、ヒノキチオール、トラネキサム酸、ヒドロコルチゾン、γ−オリザノール、酢酸トコフェロール、甘草エキス、エイジツエキス、カマズレン、シコンエキスなどが挙げられる。これら成分Aは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
【0014】
上記した成分Aの中でも、抗炎症作用によるニキビ予防の観点から、グリチルリチン酸およびその誘導体を用いることが好ましく、中でも、グリチルリチン酸ジカリウムを用いることがより好ましい。
【0015】
成分Aの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、抗炎症作用によるニキビ予防の観点から、ローション剤型中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、製剤安定性の観点から、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
【0016】
用いられる成分Bの殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、フェノキシエタノール、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アセチルサリチル酸等のフェノール誘導体;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム等の4級アンモニウム塩;感光素101号、感光素201号、感光素401号等の感光素;ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、茶エキス、ヒノキチオールなどが挙げられる。これら成分Bは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
【0017】
上記した成分Bの中でも、殺菌作用によるニキビ予防の観点から、フェノール誘導体を用いることが好ましく、中でも、イソプロピルメチルフェノールを用いることがより好ましい。
【0018】
成分Bの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、殺菌作用によるニキビ予防の観点から、ローション剤型中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、刺激の観点から、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
【0019】
用いられる成分Cは、エチレンオキシド(酸化エチレン)の平均付加モル数が6〜8のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルである。本発明のクレンジングローションにおいて、該成分を用いることにより、優れた油脂汚れ除去効果を発揮させることが可能となる。これら成分Cは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
【0020】
上記成分Cは、市販品を用いることができる。具体的には、エチレンオキシドの平均付加モル数が6のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルの市販品としては、例えば、ソフチゲン767(商品名,サソール社製)、GYSEROX767(商品名,クローダジャパン社製)、ハイバーオイルCC−6(商品名,交洋ファインケミカル社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が7のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルの市販品としては、例えば、CETIOL HE810(商品名,BASFジャパン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が8のポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルの市販品としては、例えば、L.A.S.(商品名,ガデフォッセ社製)、MファインオイルMCG−8M(商品名,ミヨシ油脂社製)、ユニグリMC−208(商品名,日油社製)などが挙げられる。
【0021】
成分Cの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、油脂汚れ除去効果の観点から、ローション剤型中、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.2質量%以上であることが更に好ましい。また、皮膚に対する刺激の観点から、7質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0022】
用いられる成分Dは、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルである。本発明のクレンジングローションにおいて、該成分を用いることにより、上記した成分Cの油脂汚れ除去効果を更に高めるとともに、皮膚に対する刺激を抑えることが可能となる。
【0023】
上記成分Dは、市販品を用いることができる。具体的には、エチレンオキシドの平均付加モル数が10のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−110、EMALEX GWIS−110EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が15のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−115、EMALEX GWIS−115EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が20のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−120、EMALEX GWIS−120EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が25のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−125(商品名,日本エマルジョン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が30のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−130、EMALEX GWIS−130EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0024】
上記成分Dは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。本発明においては、油脂汚れ除去効果を更に高める観点から、上記した成分Dの中でも、エチレンオキシドの平均付加モル数が15〜25のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルを用いることがより好ましい。
【0025】
成分Dの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、油脂汚れ除去効果を更に高める観点から、ローション剤型中、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、皮膚に対する刺激の観点から、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
用いられる成分Eは、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜30のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルである。本発明のクレンジングローションにおいて、該成分を用いることにより、上記した成分Cの油脂汚れ除去効果を更に高めるとともに、皮膚に対する刺激を抑えることが可能となる。
【0027】
上記成分Eは、市販品を用いることができる。具体的には、エチレンオキシドの平均付加モル数が10のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−310、EMALEX GWIS−310EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が20のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−320、EMALEX GWIS−320EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。エチレンオキシドの平均付加モル数が30のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、EMALEX GWIS−330、EMALEX GWIS−330EX(商品名,何れも日本エマルジョン社製)などが挙げられる。
【0028】
上記成分Eは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。本発明においては、油脂汚れ除去効果を更に高める観点から、上記した成分Eの中でも、エチレンオキシドの平均付加モル数が15〜25のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルを用いることがより好ましい。
【0029】
成分Eの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、油脂汚れ除去効果を更に高める観点から、ローション剤型中、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、皮膚に対する刺激の観点から、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
【0030】
尚、本発明のクレンジングローションでは、格段に優れた油脂汚れ除去効果が発揮されるにもかかわらず、クレンジング成分特有の皮膚に対する刺激を抑える観点から、上記成分C、成分Dおよび成分Eの夫々の含有量が、質量含有比としてC:(D+E)=40:60〜95:5の範囲を満たし調製されることが好ましく、C:(D+E)=50:50〜85:15の範囲を満たし調製されることがより好ましい。
【0031】
さらに、上記成分Dおよび成分Eの夫々の含有量が、質量含有比としてD:E=40:60〜80:20の範囲を満たし調製されることが好ましく、D:E=50:50〜70:30の範囲を満たし調製されることがより好ましい。
【0032】
本発明では、上記した成分C、成分Dおよび成分Eが特定の質量含有比を満たすことにより、刺激の低減と、油脂汚れ除去効果とをより一層高いレベルで両立させることができる。該要因は明確ではないが、成分C、成分Dおよび成分Eの夫々が異なる油脂汚れ除去特性を有するためと推定している。成分Cは、汚れを比較的短時間で分解する力が高いが刺激が強い特性があり、成分Dおよび成分Eは、刺激が比較的低く汚れをゆっくりと溶解する特性があると推定される。このような異なる油脂汚れ除去特性により、比較的少量であっても、格段に優れた油脂汚れ除去効果を発揮できると推定される。但し、本発明は、これらの推定によって限定されるものではない。
【0033】
用いられる成分Fは、ブチレンオキシドの平均付加モル数が2〜8、エチレンオキシドの平均付加モル数が5〜15、プロピレンオキシドの平均付加モル数が3〜10のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである。本発明のクレンジングローションにおいて、該成分を用いることにより、過度の脱脂による肌荒れを抑えて、クレンジング後の肌に優れた潤いを付与することが可能となる。
【0034】
具体的な成分Fとしては、例えば、PEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリン、ポリオキシエチレン(8)ポリオキシプロピレン(5)ポリオキシブチレン(3)グリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.)と称される化合物などが挙げられる。なお、前記数値は、オキシアルキレン(アルキレンオキシド)の平均付加モル数を表す。
【0035】
上記成分Fは、市販品を用いることができる。具体的には、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.)の市販品としては、例えば、ウィルブライド S−753(商品名,日油社製)などが挙げられる。
【0036】
成分Fの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、肌に優れた潤いを付与する観点から、ローション剤型中、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、べたつきの観点から、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
【0037】
用いられる成分Gは、トリメチルグリシンである。トリメチルグリシンとは、グリシンベタイン又は単にベタインと称される成分である。本発明のクレンジングローションにおいて、該成分を上記した成分Fとともに用いることにより、べたつきのない持続性のある豊かな潤いをクレンジング後の肌に付与することが可能となる。
【0038】
上記成分Gは、市販品を用いることができる。具体的には、アミノコート(商品名,旭化成ケミカルズ社製)などが挙げられる。また、本発明においては、トリメチルグリシンを含む混合原料を用いても良く、その市販品としては、例えば、プロデュウ400(商品名,味の素社製)などが挙げられる。
【0039】
成分Gの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、べたつきのない持続性のある豊かな潤いを付与する観点から、ローション剤型中、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、使用感の悪化を抑える観点から、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
【0040】
本発明のクレンジングローションでは、上記した成分Fと成分Gとを併用することにより、過度の脱脂による肌荒れを抑え、クレンジング後の肌にべたつきのない持続性のある豊かな潤いを付与することで肌質を整えることができ、延いてはニキビの発生を予防することが可能となる。
【0041】
用いられる成分Hは、水である。水は、化粧品原料として使用できるものであれば特に限定されないが、通常、精製水が用いられる。成分Hの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、ローションの形態とする観点から、ローション剤型中、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、65質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
【0042】
また、本発明のクレンジングローションには、製剤安定性を高める観点、並びに防腐効果を発揮させる観点から、成分JとしてN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩を含有させることが好ましい。成分JであるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩とは、L−アルギニンとヤシ油脂肪酸との縮合物をエステル化し、DL−ピロリドンカルボン酸塩としたものである。
【0043】
上記成分Jは、市販品を用いることができる。具体的には、CAE(商品名,味の素社製)などが挙げられる。
【0044】
成分Jの含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性を高める観点、並びに防腐力を付与する観点から、ローション剤型中、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、刺激の観点から、0.3質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。
【0045】
さらに、本発明のクレンジングローションには、潤いを更に高める観点から、成分Kとして多価アルコールを含有させることもできる。具体的な成分Kとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどが挙げられる。これら成分Kは、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
【0046】
成分Kの含有量は、潤いを付与できる量であれば特に限定されないが、ローション剤型中、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
【0047】
加えて、本発明のクレンジングローションは、皮膚刺激をより一層低減させる観点から、実質的にエタノールを含有させないことが好ましい。なお、本発明における「実質的にエタノールを含有させない」とは、「別途、エタノールを含有させることはしない」という意味であり、各配合成分中に含まれる微量のエタノールまでを除外するものではない。
【0048】
ただし、本発明のクレンジングローションをシート基材に含浸させた形態で保管する場合には、エタノールを含有させてもよい。その場合のエタノールの含有量は、1質量%以上7質量%以下であることが好ましい。
【0049】
本発明に係るクレンジングローションには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記に記した成分の他、アスコルビン酸およびその誘導体等のビタミン類;ヒアルロン酸およびその誘導体等の保湿剤;抗酸化剤、金属封鎖剤、シリコーン類、動植物抽出エキス、パール化剤、着色剤、各種香料、防腐剤などを目的に応じて適宜配合しても良い。
【0050】
本発明のクレンジングローションは、常法により製造することができる。例えば、上記した各構成成分を混合し、公知の方法、具体的には、ホモミキサー等で撹拌する方法などが挙げられる。
【0051】
本発明のクレンジングローションは、容器に充填して、製品として販売される。上記容器としては、特に限定されず、例えば、化粧水用の容器として公知の容器を用いることができる。具体的には、例えば、ポンプ容器、スプレー容器、ボトル容器、スタンディングパウチ等の袋状容器などが挙げられる。容器の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのプラスチック;ガラス;紙;アルミニウム等の金属などが挙げられる。
【0052】
上記した本発明のクレンジングローションは、顔面の皮脂やメイクなどによる油脂の除去に優れた効果を発揮するにもかかわらず、クレンジング成分特有の皮膚に対する刺激や、過度の脱脂による肌荒れを抑えることから、「大人ニキビ」や「肌荒れ」などの肌トラブルを抱えた人でも安心してクレンジングを行うことができる。
【0053】
さらに、本発明のクレンジングローションは、施術後の肌にべたつきのない持続のある豊かな潤いを付与することができることから、本発明の効果を最大限発揮させるためには、施術後にぬるま湯による洗い流しや、洗顔料を用いた後洗顔を行わずに、拭き取り用の形態として使用することが最も好ましい。加えて、拭き取り用の形態とすることで、抗炎症剤や殺菌剤が肌に留まり、抗炎症作用や殺菌作用が十分に発揮され、より一層ニキビ予防効果を高めることができる。また、本発明のクレンジングローションは、格段に優れた潤いを付与できることから、化粧水として用いることもできる。
【0054】
本発明のクレンジングローションを用いた拭き取り方法としては、例えば、シート基材にクレンジングローションを含浸させて拭き取りながらメイクなどの汚れを除去する方法、若しくは、クレンジングローションをメイクなどの汚れを除去したい部位に塗布して馴染ませた後、シート基材を用いて拭き取りながら除去する方法などが挙げられる。
【0055】
「大人ニキビ」や「肌荒れ」などの肌トラブルを抱えた人にとって、シート基材を用いた拭き取り方法は、肌に対する物理刺激を齎す要因となり得るが、本発明のクレンジングローションでは、上記した成分F(ブチレンオキシドの平均付加モル数が2〜8、エチレンオキシドの平均付加モル数が5〜15、プロピレンオキシドの平均付加モル数が3〜10のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)が肌への摩擦を低減させるに一役かっており、肌トラブルを抱えた人でも安心して拭き取り施術を行うことができるように設計されている。
【0056】
上記シート基材は、特に限定されず、本発明のクレンジングローションを含浸可能なシート状の支持体である。上記シート基材としては、織布、不織布が好ましい。上記シート基材は、使用感、加工のし易さ等の観点から、不織布が好ましい。上記不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布などが挙げられる。上記シート基材には、エンボス加工処理を施してもよい。上記シート基材の目付は、特に限定されないが、拭き心地の観点から、20〜100g/mが好ましく、より好ましくは25〜80g/mである。
【0057】
上記織布や不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、天然繊維、合成繊維、半天然繊維などが挙げられる。上記天然繊維としては、綿、パルプ、シルク、セルロース、麻、リンター、カボックなどが挙げられる。上記合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)などが挙げられる。上記半天然繊維としては、レーヨン、アセテートなどが挙げられる。上記繊維は、上記繊維は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。また、2種以上の上記繊維からなる混紡繊維を用いても良い。
【0058】
上記シート基材は、織布や不織布等の種類に応じて、公知慣用の製造方法により製造することができる。また、市販品を用いることもできる。
【0059】
また、本発明のクレンジングローションは、予めシート基材に含浸させることにより、シート化粧料とすることもできる。上記シート化粧料は、シート基材と、上記シート基材に含浸された本発明のクレンジングローションを、必須の構成成分として備える。
【0060】
上記シート化粧料における、上記シート基材に対する、含浸された本発明のクレンジングローションの質量割合は、特に限定されないが、上記シート基材1.0質量部に対して、本発明のクレンジングローションが1.0〜10.0質量部であることが好ましく、より好ましくは2.0〜7.0質量部である。
【0061】
上記シート化粧料は、容器に充填して、製品として販売される。上記容器としては、例えば、袋体(包装袋)、箱状容器などが挙げられる。上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂;アルミニウム等の金属などが挙げられる。上記容器としては、軽量であり優れた揮発防止効果を有する観点から、表面にアルミニウム等の金属層が積層又は蒸着された樹脂製の包装袋が好ましい。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、各成分の配合量(即ち、各原料中の有効成分の配合量)であり、特記しない限り「質量%」で表す。尚、実施例1〜3は、参考例として記載するものである。
【0063】
(試料の調製)
表1に記した組成に従い、実施例1〜9のクレンジングローションを調製し、下記評価試験に供した。評価は5名の専門評価員により行った。結果を表1に併記する。
尚、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。
【0064】
(試験例1:油脂汚れ除去効果)
メイクアップ化粧料(ウォータープルーフのマスカラ、リキッドファンデーションおよびウォータープルーフのアイライナー)を前腕部内側に塗布し、15分放置後に評価を行った。
【0065】
コットンシートに約3mgの各クレンジングローションを含浸させた後、得られたクレンジングローションを含浸させたシートにより、上記前腕部内側のメイクアップ化粧料を拭き取り、下記の基準により、油脂汚れ除去効果(メイクアップ除去効果)を評価した。
尚、拭き取りは、クレンジングローションを含浸させたシートをメイク部分の上に軽く押し当てて、クレンジングローションを肌に馴染ませた後に、一方向に拭き取る方法とした(拭き取り回数:3回)。拭き取り後に洗い流しは行わなかった。
【0066】
<評価基準>
◎(優れる):メイクが良く除去できた。
○(良好) :メイクが除去できた。
×(不良) :メイクがほとんど除去できなかった。
【0067】
(試験例2:刺激のなさ)
コットンシートに各クレンジングローションを含浸させた後、得られたクレンジングローションを含浸させたシートにより、顔全体のメイクアップ化粧料を拭き取り除去し、拭き取り後の肌への刺激を、下記の基準により評価した。
【0068】
<評価基準>
◎(優れる):ピリピリとした刺激が全く感じられなかった。
○(良好) :ピリピリとした刺激がほとんど感じられなかった。
×(不良) :ピリピリとした刺激が明らかに感じられた。
【0069】
(試験例3:摩擦低減効果)
上記試験例2の拭き取り除去時のシートと肌との摩擦を、下記の基準により評価した。
【0070】
<評価基準>
◎(優れる):シートと肌との摩擦が非常に小さい。
○(良好) :シートと肌との摩擦が小さい。
×(不良) :シートと肌との摩擦が大きい。
【0071】
(試験例4:べたつきのなさ)
上記試験例2の評価直後に、メイクアップ化粧料を拭き取った後の肌のべたつきの有無を、下記の基準により評価した。
【0072】
<評価基準>
◎(優れる):べたつきが全く感じられなかった。
○(良好) :べたつきがほとんど感じられなかった。
×(不良) :明らかにべたつきが感じられた。
【0073】
(試験例5:潤い効果)
上記試験例2の評価の30分後、メイクアップ化粧料を拭き取った後の肌の潤い感の有無を、下記の基準により評価した。
【0074】
<評価基準>
◎(優れる):しっとりとした潤い感が十分に感じられる。
○(良好) :しっとりとした潤い感が少し感じられる。
×(不良) :潤い感が感じられない。
【0075】
【表1】
【0076】
表1の結果から、各実施例のクレンジングローションは、格段に優れた油脂汚れ除去効果が発揮されるにもかかわらず、クレンジング成分特有の皮膚に対する刺激が抑えられていることが分かる。また、各実施例のクレンジングローションは、拭き取り時の肌への摩擦が低く、肌に対する物理刺激を抑えることができるとともに、拭き取り後の肌にべたつきのない持続性のある豊かな潤いが付与されていることが分かる。
【0077】
さらに、上記実施例6のクレンジングローションについて以下の評価を行った。
【0078】
アンケートによりニキビができやすいと回答した25歳〜35歳の日本人女性22名を被験者として評価を行った。
被験者は、以下の方法により、実施例6のクレンジングローションを4週間使用した。
【0079】
<クレンジングローションの使用方法>
1日1回帰宅後に、コットンシートにクレンジングローションを含浸させて、得られたクレンジングローションを含浸させたシートにより、顔全体のメイクなどの油脂汚れを拭き取り除去する。拭き取り後の洗い流しは行わない。さらに入浴後には、顔全体にクレンジングローションを化粧水として再度塗布する。
【0080】
被験者のクレンジングローションの使用前と、4週間使用後の肌状態(乾燥、鱗屑)を皮膚科医が観察し、以下の評価基準でスコアを判定した。
【0081】
<評価基準>
0点:症状が見られない。
1点:僅かに症状が見られる。
2点:少し症状が見られる。
3点:明らかな症状が見られる。
4点:著しい症状が見られる。
【0082】
その結果、ウィルコクソン(Wilcoxson)の符号付順位和検定で有意に改善(スコアの減少)が見られた。
【0083】
また、被験者によるアンケートの結果、22名中15名が、実施例6のクレンジングローションの4週間の使用により、肌質が改善傾向にあると回答した。さらに、実施例6のクレンジングローションの4週間の使用により、ニキビや肌荒れが悪化した被験者はいなかった。
【0084】
即ち、本発明のクレンジングローションを用いることにより、肌荒れを抑え、肌質を整えるといった肌質改善効果が期待できることから、大人ニキビの予防用のクレンジングローションとして有効であることが示唆された。
【0085】
以下に、本発明のクレンジングローションの処方例を示す。
【0086】
(処方例1:クレンジングローション)
ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル 2.0質量%
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル 2.0質量%
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5質量%
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5質量%
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
(3B.O.)(8E.O.)(5P.O) 1.5質量%
トリメチルグリシン 2.0質量%
グリセリン 4.0質量%
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩
0.1質量%
ヒアルロン酸 0.03質量%
クエン酸 0.05質量%
クエン酸三ナトリウム 0.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
1,2−オクタンジオール 0.1質量%
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
精製水 残 部
合計 100.0質量%
【0087】
(処方例2:クレンジングローション)
ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル 2.0質量%
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル 2.0質量%
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5質量%
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5質量%
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
(3B.O.)(8E.O.)(5P.O) 1.5質量%
トリメチルグリシン 2.0質量%
グリセリン 4.0質量%
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩
0.1質量%
ヒアルロン酸 0.03質量%
クエン酸 0.05質量%
クエン酸三ナトリウム 0.5質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
1,2−オクタンジオール 0.1質量%
トラネキサム酸 2.0質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
精製水 残 部
合計 100.0質量%
【0088】
(処方例3:シート化粧料)
<クレンジングローション>
ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル 2.0質量%
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル 2.0質量%
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5質量%
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.5質量%
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル
(3B.O.)(8E.O.)(5P.O) 1.5質量%
トリメチルグリシン 2.0質量%
グリセリン 4.0質量%
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩
0.1質量%
キサンタンガム 0.03質量%
クエン酸 0.05質量%
クエン酸三ナトリウム 0.2質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
1,2−オクタンジオール 0.1質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
L−メントール 0.05質量%
エタノール 3.0質量%
精製水 残 部
合計 100.0質量%
<シート基材>
不織布(パルプ50%、レーヨン50%) 100.0質量%
シート基材1.0質量部に対して、クレンジングローションを4.0質量部含浸させた。