特許第6448468号(P6448468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6448468
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】超音波流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/66 20060101AFI20181220BHJP
   G01F 3/22 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
   G01F1/66 Z
   G01F3/22 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-107478(P2015-107478)
(22)【出願日】2015年5月27日
(65)【公開番号】特開2016-223800(P2016-223800A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】高鍬 光臣
【審査官】 山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0118407(US,A1)
【文献】 特開2009−186429(JP,A)
【文献】 特開2004−061269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00−15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測流体の流入口と前記被計測流体の流出口が形成されたメータケースと、
前記メータケース内に配置されて該メータケース内を通過する前記被計測流体の流量を計測する流量計測ユニットと、
を備え、
前記流量計測ユニットは、
前記被計測流体が流れる断面略矩形状の計測流路部と、
前記計測流路部の上流側と下流側に取り付けられた一対の超音波振動子と、
を有し、
前記メータケースは、
前記流入口から前記被計測流体が流れ込む流入路の奥側端部に流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられて前記流入路に連通する開口部が形成されると共に、前記計測流路部の入口側が内側に突出して前記被計測流体が該計測流路部の入口部に流入するように略箱体状に区画された入口バッファ部と、
前記流出口に連通すると共に、前記計測流路部の出口側が内側に突出して該計測流路部の出口部から流出した前記被計測流体が外部へ流出するように略箱体状に区画された出口バッファ部と、
を有し、
前記計測流路部は、入口側の側面が、前記開口部が形成された前記入口バッファ部の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部内に突出して、正面視前記開口部をほぼ覆うように配置されていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
前記メータケースは、前記開口部を閉塞して前記入口バッファ部への前記被計測流体の供給を遮断する遮断弁を有し、
前記遮断弁は、前記開口部を介して前記計測流路部の前記入口側の側面に対向するように配置されると共に、該遮断弁と前記開口部との間の第1隙間の距離が、前記開口部と前記計測流路部の前記入口側の側面との間の第2隙間の距離にほぼ等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
【請求項3】
前記開口部は、相対向する前記計測流路部の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波流量計。
【請求項4】
前記計測流路部の前記入口バッファ部内への突出方向において、前記開口部の前記突出方向側の端部が、前記計測流路部の入口部よりも外側へ突出する突出距離は、前記被計測流体が該開口部から前記計測流路部の入口部に直接流入しない所定値以下になるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波流量計。
【請求項5】
前記メータケースは、前記入口バッファ部と前記出口バッファ部とに挟まれて前記計測流路部の前記一対の超音波振動子が設けられた部分が配置される中央空間部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超音波流量計。
【請求項6】
被計測流体の流入口と前記被計測流体の流出口が形成されたメータケースと、
前記メータケース内に配置されて該メータケース内を通過する前記被計測流体の流量を計測する流量計測ユニットと、
を備え、
前記流量計測ユニットは、
前記被計測流体が流れる断面略矩形状の計測流路部と、
前記計測流路部の上流側と下流側に取り付けられた一対の超音波振動子と、
を有し、
前記メータケースは、
前記流入口から前記被計測流体が流れ込む流入路の奥側端部に流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられて前記流入路に連通する開口部が形成されると共に、前記計測流路部の入口側が内側に突出して前記被計測流体が該計測流路部の入口部に流入するように略箱体状に区画された入口バッファ部と、
前記流出口に連通すると共に、前記計測流路部の出口側が内側に突出して該計測流路部の出口部から流出した前記被計測流体が外部へ流出するように略箱体状に区画された出口バッファ部と、
前記入口バッファ部と前記出口バッファ部とに挟まれて前記計測流路部の前記一対の超音波振動子が設けられた部分が配置される中央空間部と、
前記開口部を閉塞して前記入口バッファ部への前記被計測流体の供給を遮断する遮断弁と、
を有し、
前記計測流路部は、入口側の側面が、前記開口部が形成された前記入口バッファ部の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部内に突出し、
前記遮断弁は、前記開口部を介して前記計測流路部の前記入口側の側面に対向するように配置されると共に、該遮断弁と前記開口部との間の第1隙間の距離が、前記開口部と前記計測流路部の前記入口側の側面との間の第2隙間の距離にほぼ等しくなるように配置され、
前記開口部は、相対向する前記計測流路部の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されて、該計測流路部の前記入口バッファ部内への突出方向において、前記開口部の前記突出方向側の端部が、前記計測流路部の入口部から突出する突出距離は、所定値以下になるように設定され、
該計測流路部は、正面視前記開口部をほぼ覆うように配置されていることを特徴とする超音波流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計測流体の流量を計測する超音波流量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、被計測流体の流量を計測する超音波流量計に関する技術が種々提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載された超音波流量計では、計測室は、仕切り壁によって流入側と流出側とに区分され、被計測流体が流れる流路が形成されたほぼ矩形状の断面を有する筒状の流管が仕切り壁を貫通している。
【0003】
また、被計測流体が流入する流入部と計測室との間には、双方の空間を仕切る邪魔板が、流入部に流入する被計測流体の流れ方向に対して、ほぼ直角に設けられている。また、邪魔板には、仕切り壁側の端部に円形状の流入口が形成されている。従って、被計測流体は、流入部から邪魔板の上面に当たった後、邪魔板に沿って流れて流入口に入って、再度流管の外壁に当たって、流管の外壁に沿って計測室内を流れて流路に流入するように構成されている。従って、被計測流体は、2回にわたって180度の方向転換をされて一定距離流れるため、流れの均一化を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−85210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された超音波流量計では、流れを十分に均一化するため、被計測流体は、2回にわたって180度の方向転換をされて一定距離流れる必要がある。その結果、被計測流体の流量が大流量(例えば、約6000(リットル/時間)の流量である。)になった場合には、計測室の小型化が難しく、その結果、超音波流量計の小型化が難しいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、大流量時の被計測流体の流れを十分に均一化することが可能となると共に、小型化を図ることが可能となる超音波流量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る超音波流量計は、被計測流体の流入口と前記被計測流体の流出口が形成されたメータケースと、前記メータケース内に配置されて該メータケース内を通過する前記被計測流体の流量を計測する流量計測ユニットと、を備え、前記流量計測ユニットは、前記被計測流体が流れる断面略矩形状の計測流路部と、前記計測流路部の上流側と下流側に取り付けられた一対の超音波振動子と、を有し、前記メータケースは、前記流入口から前記被計測流体が流れ込む流入路の奥側端部に流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられて前記流入路に連通する開口部が形成されると共に、前記計測流路部の入口側が内側に突出して前記被計測流体が該計測流路部の入口部に流入するように略箱体状に区画された入口バッファ部と、前記流出口に連通すると共に、前記計測流路部の出口側が内側に突出して該計測流路部の出口部から流出した前記被計測流体が外部へ流出するように略箱体状に区画された出口バッファ部と、を有し、前記計測流路部は、入口側の側面が、前記開口部が形成された前記入口バッファ部の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部内に突出して、正面視前記開口部をほぼ覆うように配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る超音波流量計は、請求項1に記載の超音波流量計において、前記メータケースは、前記開口部を閉塞して前記入口バッファ部への前記被計測流体の供給を遮断する遮断弁を有し、前記遮断弁は、前記開口部を介して前記計測流路部の前記入口側の側面に対向するように配置されると共に、該遮断弁と前記開口部との間の第1隙間の距離が、前記開口部と前記計測流路部の前記入口側の側面との間の第2隙間の距離にほぼ等しくなるように配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る超音波流量計は、請求項1又は請求項2に記載の超音波流量計において、前記開口部は、相対向する前記計測流路部の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る超音波流量計は、請求項3に記載の超音波流量計において、前記計測流路部の前記入口バッファ部内への突出方向において、前記開口部の前記突出方向側の端部が、前記計測流路部の入口部よりも外側へ突出する突出距離は、前記被計測流体が該開口部から前記計測流路部の入口部に直接流入しない所定値以下になるように設定されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る超音波流量計は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超音波流量計において、前記メータケースは、前記入口バッファ部と前記出口バッファ部とに挟まれて前記計測流路部の前記一対の超音波振動子が設けられた部分が配置される中央空間部を有することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項6に係る超音波流量計は、被計測流体の流入口と前記被計測流体の流出口が形成されたメータケースと、前記メータケース内に配置されて該メータケース内を通過する前記被計測流体の流量を計測する流量計測ユニットと、を備え、前記流量計測ユニットは、前記被計測流体が流れる断面略矩形状の計測流路部と、前記計測流路部の上流側と下流側に取り付けられた一対の超音波振動子と、を有し、前記メータケースは、前記流入口から前記被計測流体が流れ込む流入路の奥側端部に流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられて前記流入路に連通する開口部が形成されると共に、前記計測流路部の入口側が内側に突出して前記被計測流体が該計測流路部の入口部に流入するように略箱体状に区画された入口バッファ部と、前記流出口に連通すると共に、前記計測流路部の出口側が内側に突出して該計測流路部の出口部から流出した前記被計測流体が外部へ流出するように略箱体状に区画された出口バッファ部と、前記入口バッファ部と前記出口バッファ部とに挟まれて前記計測流路部の前記一対の超音波振動子が設けられた部分が配置される中央空間部と、前記開口部を閉塞して前記入口バッファ部への前記被計測流体の供給を遮断する遮断弁と、を有し、前記計測流路部は、入口側の側面が、前記開口部が形成された前記入口バッファ部の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部内に突出し、前記遮断弁は、前記開口部を介して前記計測流路部の前記入口側の側面に対向するように配置されると共に、該遮断弁と前記開口部との間の第1隙間の距離が、前記開口部と前記計測流路部の前記入口側の側面との間の第2隙間の距離にほぼ等しくなるように配置され、前記開口部は、相対向する前記計測流路部の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されて、該計測流路部の前記入口バッファ部内への突出方向において、前記開口部の前記突出方向側の端部が、前記計測流路部の入口部から突出する突出距離は、所定値以下になるように設定され、該計測流路部は、正面視前記開口部をほぼ覆うように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る超音波流量計では、略箱体状に区画された入口バッファ部は、流入口から被計測流体が流れ込む流入路の奥側端部に、流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられ、流入路に連通する開口部が形成されている。また、流量計測ユニットの断面矩形状の計測流路部は、入口側の側面が、開口部が形成された入口バッファ部の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部内に突出して、正面視開口部をほぼ覆うように配置されている。
【0014】
従って、被計測流体は、流入路の奥側端部で、流れ方向が略直角方向に曲げられて入口バッファ部内に流入した後、相対向する計測流路部の側面に当たって、再度側面に沿って、略直角方向、つまり、計測流路部の側面の両高さ方向に曲げられて入口バッファ部内へ流入する。そして、入口バッファ部内に流入した被計測流体は、計測流路部の開口部に対して反対側の側面に沿って該計測流路部の入口部側へ略直角方向に曲げられて流れる。その後、被計測流体は、該計測流路部の入口部に相対向する入口バッファ部の内壁に当たって、再度180度の方向転換をして該計測流路部の入口部に流入する。
【0015】
これにより、被計測流体は、入口バッファ部内へ流入して計測流路部の入口部に流入するまでに複数回、流れ方向が変更されるため、流れが十分に均一化され、大流量(例えば、8000(リットル/時間)の流量である。)の計測が可能となる。また、略箱体状の入口バッファ部の内壁に設けられる開口部は、該入口バッファ部内に突出する計測流路部によってほぼ覆われる大きさに形成されるため、計測流路部の入口バッファ部内への突出長さを短くすることにより、当該入口バッファ部の小型化を図ることが可能となる。その結果、超音波流量計の小型化を図ることが可能となる。
【0016】
また、請求項2に係る超音波流量計では、開口部を閉塞して入口バッファ部への被計測流体の供給を遮断する遮断弁は、開口部を介して計測流路部の入口側の側面に対向するように配置されている。また、該遮断弁と開口部との間の第1隙間の距離が、開口部と計測流路部の入口側の側面との間の第2隙間の距離にほぼ等しくなるように配置されている。これにより、遮断弁と開口部との間の第1隙間の距離を狭くして、開口部と計測流路部の入口側の側面との間の第2隙間の距離を狭くすることが可能となり、入口バッファ部の更なる小型化を図ることが可能となる。その結果、超音波流量計の更なる小型化を図ることが可能となる。
【0017】
また、請求項3に係る超音波流量計では、開口部は、相対向する計測流路部の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されているため、開口部の形成を容易に行うことが可能となる。また、入口バッファ部内へ突出する計測流路部によって、当該開口部を正面視ほぼ覆うように容易に構成することが可能となる。
【0018】
また、請求項4に係る超音波流量計では、計測流路部の入口バッファ部内への突出方向において、開口部の突出方向側の端部が、計測流路部の入口部よりも外側へ突出する突出距離は、被計測流体が該開口部から計測流路部の入口部に直接流入しない所定値以下になるように設定されている。これにより、被計測流体の流れが十分に均一化され、大流量(例えば、8000(リットル/時間)の流量である。)の計測が可能となる。その結果、入口バッファ部の小型化を図ることが可能となるため、超音波流量計の小型化を図ることが可能となる。
【0019】
また、請求項5に係る超音波流量計では、計測流路部の一対の超音波振動子が設けられた部分が、入口バッファ部と出口バッファ部とに挟まれた中央空間部に配置されるため、出口バッファ部の小型化を容易に図ることが可能となる。その結果、超音波流量計の更なる小型化を図ることが可能となる。
【0020】
また、請求項6に係る超音波流量計では、略箱体状に区画された入口バッファ部は、流入口から被計測流体が流れ込む流入路の奥側端部に、流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられ、流入路に連通する開口部が形成されている。また、流量計測ユニットの断面矩形状の計測流路部は、入口側の側面が、開口部が形成された入口バッファ部の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部内に突出して、正面視開口部をほぼ覆うように配置されている。
【0021】
従って、被計測流体は、流入路の奥側端部で、流れ方向が略直角方向に曲げられて入口バッファ部内に流入した後、相対向する計測流路部の側面に当たって、再度側面に沿って、略直角方向、つまり、計測流路部の側面の両高さ方向に曲げられて入口バッファ部内へ流入する。そして、入口バッファ部内に流入した被計測流体は、計測流路部の外周面に沿って回り込み、入口バッファ部内の開口部に相対向する内壁に当たる。その後、被計測流体は、入口バッファ部の中央部へ流れて衝突し、計測流路部の開口部に対して反対側の側面に沿って該計測流路部の入口部側へ略直角方向に曲げられて流れる。その後、被計測流体は、該計測流路部の入口部に相対向する入口バッファ部の内壁に当たって、再度180度の方向転換をして該計測流路部の入口部に流入する。
【0022】
これにより、被計測流体は、入口バッファ部内へ流入して計測流路部の入口部に流入するまでに複数回、流れ方向が変更されるため、流れが十分に均一化され、大流量(例えば、8000(リットル/時間)の流量である。)の計測が可能となる。また、略箱体状の入口バッファ部の内壁に設けられる開口部は、該入口バッファ部内に突出する計測流路部によってほぼ覆われる大きさに形成されるため、計測流路部の入口バッファ部内への突出長さを短くすることにより、当該入口バッファ部の小型化を図ることが可能となる。その結果、超音波流量計の小型化を図ることが可能となる。
【0023】
また、開口部を閉塞して入口バッファ部への被計測流体の供給を遮断する遮断弁は、開口部を介して計測流路部の入口側の側面に対向するように配置されている。また、該遮断弁と開口部との間の第1隙間の距離が、開口部と計測流路部の入口側の側面との間の第2隙間の距離にほぼ等しくなるように配置されている。これにより、遮断弁と開口部との間の第1隙間の距離を狭くして、開口部と計測流路部の入口側の側面との間の第2隙間の距離を狭くすることが可能となり、入口バッファ部の更なる小型化を図ることが可能となる。その結果、超音波流量計の更なる小型化を図ることが可能となる。
【0024】
また、開口部は、相対向する計測流路部の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されているため、開口部の形成を容易に行うことが可能となる。また、入口バッファ部内へ突出する計測流路部によって、当該開口部を正面視ほぼ覆うように容易に構成することが可能となる。
【0025】
また、計測流路部の入口バッファ部内への突出方向において、開口部の突出方向側の端部が、計測流路部の入口部よりも外側へ突出する突出距離は、被計測流体が該開口部から計測流路部の入口部に直接流入しない所定値以下になるように設定されている。これにより、被計測流体の流れが十分に均一化され、大流量(例えば、8000(リットル/時間)の流量である。)の計測が可能となる。その結果、入口バッファ部の小型化を図ることが可能となるため、超音波流量計の小型化を図ることが可能となる。
【0026】
また、計測流路部の一対の超音波振動子が設けられた部分が、入口バッファ部と出口バッファ部とに挟まれた中央空間部に配置されるため、出口バッファ部の小型化を容易に図ることが可能となる。その結果、超音波流量計の更なる小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態に係る超音波流量計の概略構成の一例を示す分解斜視図である。
図2】超音波流量計のメータケースのカバーを外した状態を示す正面図である。
図3】流量計測ユニットの中央部分の要部断面図である。
図4】メータケースの図2におけるX1−X1矢視断面図である。
図5】メータケースの図2におけるX2−X2矢視断面図である。
図6】入口バッファ部内における燃料ガスの流れの一例を示す説明図である。
図7図6のX3−X3矢視断面における燃料ガスの流れの一例を示す説明図である。
図8】流量計測ユニットの入口部と開口部端部とのずれ量を変化させて計測した計測可能な最大流量の測定結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る超音波流量計について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
[超音波流量計1の概略構成]
先ず、本実施形態に係る超音波流量計1の概略構成について図1乃至図5に基づき説明する。図1はメータケース3のメータ筐体3Aに流量計測ユニット11及びカバー3Bを取り付ける状態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波流量計1は、例えば、被計測流体の一例である燃料ガス(例えば、都市ガスやLPガス等である。)の流量を計測する燃料ガスメータであって、燃料ガスの配管2の途中に接続された略直方体形状のメータケース3を備えている。
【0030】
メータケース3は、前面側が開放された略直方体形状に形成されたメータ筐体3Aに、内側が所定深さ窪んだ略箱体状のカバー3Bが各ネジ孔3Cを介して前面側にネジ止めされ、内部が気密に保持されるように構成されている。また、メータ筐体3Aの上面からは、配管2に気密に接続される流入口5と流出口6が長手方向の両端部に突出して設けられており、メータケース3内に連通している。流入口5には配管2を介して燃料ガスが供給される。また、メータケース3内には、メータケース3内を通過する燃料ガスの流量を一対の超音波振動子12A、12B(図3参照)で計測する流量計測ユニット11が、メータ筐体3Aの前面側から挿入されて、長手方向に沿って配置される。
【0031】
ここで、流量計測ユニット11の概略構成について図1乃至図4に基づいて説明する。図1乃至図4に示すように、流量計測ユニット11は、流路断面が上下方向に長い矩形状の筒状の計測流路部15と、計測流路部15の長手方向中央部の上側に形成された回路ケース16とから構成されている。
【0032】
図3に示すように、回路ケース16内には、計測流路部15の短辺に対向する位置において(図3中、計測流路部15の上面側である。)、流れ方向両端部に各超音波振動子12A、12Bが配置され、超音波が対向面で反射されるV字型の超音波の伝搬経路17が形成される。また、各超音波振動子12A、12Bの上側には、各超音波振動子12A、12Bが電気的に接続される計測回路18Aが形成された回路基板18が配置され、燃料ガス等の被計測流体の流量計測値を算出して出力可能に構成されている。
【0033】
図1乃至図4に示すように、計測流路部15の入口部15A及び出口部15Bは、内周面が外側方向へ滑らかに拡がる曲面に形成されている。また、図3及び図4に示すように、複数枚、例えば5枚の分流板19が、各超音波振動子12A、12Bの下側に、計測流路部15の流路断面の長辺に対して平行(図4では、左右方向)で、且つ、流れ方向に平行になるように短辺方向に略等間隔で設けられている。従って、各分流板19は、各超音波振動子12A、12B間の超音波の伝搬経路17を含む面と平行になるように計測流路部15内に設けられている。これにより、各分流板19によって計測流路部15内の流れ方向を安定化させることが可能となる。
【0034】
次に、メータケース3内の概略構成について図1乃至図5に基づいて説明する。図1図2及び図4示すように、メータ筐体3Aの長手方向両端部からほぼ等しい距離の位置には、一対の仕切り壁21A、21Bが、メータ筐体3A内の奥側壁面部から前端部まで全高さに渡って上下方向に対して平行に立設されている。一対の仕切り壁21A、21B間の距離は、流量計測ユニット11の計測流路部15の長手方向における回路ケース16の長さよりも少し長い(例えば、約6mm長い)距離に設定されている。また、一対の仕切り壁22A、22Bが、カバー3B内の奥側壁面部の各仕切り壁21A、21Bに対向する位置から前端部まで全高さに渡って上下方向に対して平行に立設されている。
【0035】
また、各仕切り壁21A、21Bには、前端部の上下方向中央部から奥側方向へ、流量計測ユニット11の計測流路部15の断面形状より少し大きい、例えば、計測流路部15の断面形状よりも外側へ約1mm〜約3mm程度大きい上下方向に長い相似な長方形断面の各切り欠き凹部23A、23Bが形成されている。また、流量計測ユニット11の計測流路部15の各仕切り壁21A、21Bに対向する外周部には、弾性を有するゴム等で形成された所謂Oリングを取り付けるための2列のリブ25がそれぞれ全周に渡って立設されている。
【0036】
また、図1及び図2に示すように、メータ筐体3A内の長手方向両端部から各仕切り壁21A、21Bまでにおける、それぞれの上下方向の高さは、計測流路部15の入口部15Aと出口部15Bの上下方向の高さよりも少し大きい高さになるように形成されている。また、メータ筐体3A内の長手方向両端部から各仕切り壁21A、21Bまで距離は、流量計測ユニット11の計測流路部15の各リブ25から入口部15Aと出口部15Bまでのそれぞれの距離よりも所定距離(例えば、約10mmの距離である。)だけ長くなるように形成されている。
【0037】
また、メータ筐体3A内の各仕切り壁21A、21B間における上下方向の高さは、流量計測ユニット11の計測流路部15の各リブ25間にOリングを取り付けて、計測流路部15のOリングが取り付けられた部分をメータ筐体3Aの前面側から各仕切り凹部23A、23Bに嵌入した際に、回路ケース16を挿入可能な高さになるように形成されている。
【0038】
従って、図1図2及び図4示すように、メータケース3は、流量計測ユニット11の計測流路部15の各リブ25間にOリングを取り付けて、計測流路部15のOリングが取り付けられた部分をメータ筐体3Aの前面側から各仕切り凹部23A、23Bに嵌入した後、カバー3Bがメータ筐体3Aの前面側にネジ止めされる。
【0039】
これにより、メータケース3内に、計測流路部15の入口部15Aが、各仕切り壁21A、22Aから内側に突出する略箱体状に区画された入口バッファ部27が構成される。また、各仕切り壁21A、22Aと各仕切り壁21B、22Bとの間に、回路ケース16及び計測流路部15の各リブ25に挟まれた中央部分が配置される略箱体状に区画された中央空間部28が構成される。
【0040】
また、計測流路部15の出口部15Bが、各仕切り壁21B、22Bから内側に突出する略箱体状に区画された出口バッファ部29が構成される。従って、入口バッファ部27、中央空間部28及び出口バッファ部29は、それぞれ内部が気密に保持されるように構成される。また、入口バッファ部27と出口バッファ部29とは、断面が上下方向に長い略矩形状の計測流路部15によって連通される。また、中央空間部28のカバー3Bに対して反対側の壁面部には、計測回路18Aに電気的に接続された外部端子30が気密に取り付けられ、計測回路18Aから出力される燃焼ガスの流量計測値を外部へ出力可能に構成されている。
【0041】
また、図2図4及び図5に示すように、メータ筐体3Aの入口バッファ部27のカバー3Bに対して反対側には、流入口5から燃焼ガスが流れ込む流入路5Aが上下方向に沿って形成され、流入路5Aの奥側端部には、略直方体状の流入室31が入口バッファ部27に隣り合って形成されている。流入室31の上下方向(流入方向)に沿った断面形状は、入口バッファ部27の上下方向(流入方向)に沿った断面形状とほぼ同じに形成されている。
【0042】
また、流入室31の入口バッファ部27側の壁面部には、入口バッファ部27内に突出する計測流路部15の軸心に直交する中心軸を有し、計測流路部15の断面の上下方向の高さH1(図2参照)にほぼ等しい直径を有する断面円形の開口部32が開口されている。また、正面視において、開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部が、計測流路部15の入口部15Aよりも外側へずれたずれ量L1、つまり、開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部と入口部15Aの端面との計測流路部15の長手方向における距離L1は、後述のように、所定長さ以下(例えば、0mmから4.5mm以下である。)となるように設けられている(図8参照)。
【0043】
また、流入室31の入口バッファ部27に対して反対側の壁面部には、開口部32を閉塞可能な遮断弁33が配置されている。従って、遮断弁33は、開口部32を介して計測流路部15の側面に対向するように配置されている。また、図4に示すように、遮断弁33は、通常時には、開口部32と遮断弁33との間の隙間(第1隙間)の距離D1が、開口部32と計測流路部15の側面との間の隙間(第2隙間)の距離D2にほぼ等しくなるように配置され、当該開口部32を開放している。そして、遮断弁33は、供給ガス流量等に異常が発生したときに開口部32を閉塞して、流入室31と入口バッファ部27とを強制遮断して、燃焼ガスの供給を停止することが可能となっている。
【0044】
また、マイクロコンピュータ等を備えた制御部34が、流量計測ユニット11の計測回路18Aと電気的に接続された外部端子30と遮断弁33等に電気的に接続されている。制御部34は、計測回路18Aから出力される燃焼ガスの流量計測値に基づき、供給ガス流量等の異常を検出し、予め定められているガス遮断対象の異常である場合には、遮断弁33を駆動して開口部32を閉塞して燃焼ガスの供給を停止する。また、制御部34は、計測回路18Aから出力される燃焼ガスの流量計測値を不図示のパーソナルコンピュータ等に出力可能に構成されている。
【0045】
上記のように構成されたメータケース3の入口バッファ部27における燃焼ガスの流れについて図6及び図7に基づいて説明する。図6及び図7に示すように、流入口5に流入した燃焼ガスは、上下方向に沿って流入路5Aを通って流入室31に流れ込み、流れ方向に対して略直角に曲がって開口部32を介して入口バッファ部27に流れ込む(矢印35参照)。そして、入口バッファ部27に流れ込んだ燃焼ガスは、開口部32に対して相対向する計測流路部15の側面部に当たった後、この側面部に沿って計測流路部15の突出方向に直交する入口バッファ部27の上下方向に流れる(矢印36参照)。
【0046】
そして、計測流路部15の側面部に沿って入口バッファ部27の上下方向に流れた燃料ガスは、計測流路部15の外周面に沿ってカバー3B側へ回り込み、計測流路部15の側面部に対向するカバー3Bの内壁面に当たる。その後、燃焼ガスは、カバー3Bの内壁面に沿って入口バッファ部27の上下方向中央部へ流れて衝突し、カバー3Bの内壁面と計測流路部15の側面部との間の入口バッファ部27において流れの均一化が図られる(矢印36参照)。
【0047】
その後、燃焼ガスは、更に、計測流路部15の入口部15Aの上下両端縁部及びカバー3B側端縁部の三辺の外周縁部を通過して、計測流路部15の入口部15Aに相対向する入口バッファ部27の壁面部に当たった後、180度の方向転換をされる(各矢印36、37参照)。続いて、180度の方向転換をされた燃焼ガスは、計測流路部15内へ流れ込む(各矢印37、38参照)。そして、計測流路部15内に流れ込んだ燃焼ガスは、計測流路部15の出口部15Bから出口バッファ部29に流れ込んだ後、出口バッファ部29に連通する流出口6へ排出される。
【0048】
従って、開口部32を介して入口バッファ部27に流れ込んだ燃焼ガスは、計測流路部15の側面部や入口バッファ部27の上下方向の壁面部に当たった後、カバー3Bの内壁面に当たり、続いて、カバー3Bの内壁面に沿って入口バッファ部27の上下方向中央部へ流れて衝突する。更に、燃焼ガスは、計測流路部15の入口部15Aに相対向する入口バッファ部27の壁面部に当たった後、180度の方向転換をされて、流れが十分に均一化された後、計測流路部15の入口部15Aに流入する。
【0049】
これにより、流量計測ユニット11を介して計測可能な燃焼ガスの流量の大流量化を図り、同一のメータケース3の構成で、広い流領域の計測を行い、且つ、供給ガスの流量等に異常が発生したときには、遮断弁33を確実に作動させ、燃焼ガスの供給を停止することが可能となる。
【0050】
ここで、ピストンプルーバ式流量測定装置を用いて、室温20℃で、超音波流量計1による燃焼ガス(例えば、都市ガス、LPガス等である。)の計測可能な最大流量を測定した測定結果の一例について図8に基づいて説明する。尚、開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部が、計測流路部15の入口部15Aよりも外側へずれたずれ量L1、つまり、開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部と入口部15Aの端面との計測流路部15の長手方向における距離L1(図2参照)を0mmから7.5mmまで変化させて、超音波流量計1による燃焼ガスの計測可能な最大流量を測定した。
【0051】
図8に示すように、計測流路部15の入口部15Aと開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部とのずれ量L1が、0mmから4.5mmまでのときには、超音波流量計1による燃焼ガスの計測可能な最大流量は、約8000(リットル/時間)であった。そして、計測流路部15の入口部15Aと開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部とのずれ量L1が、6.0mmのときには、超音波流量計1による燃焼ガスの計測可能な最大流量は、約6500(リットル/時間)であった。
【0052】
また、計測流路部15の入口部15Aと開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部とのずれ量L1が、7.5mmのときには、超音波流量計1による燃焼ガスの計測可能な最大流量は、約5500(リットル/時間)であった。従って、計測流路部15の入口部15Aと開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部とのずれ量L1を、0mmから4.5mm以下に設定することによって、超音波流量計1による燃焼ガスの計測可能な最大流量は、約8000(リットル/時間)となり、大流量を計測することが可能となると考えられる。
【0053】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る超音波流量計1では、略箱体状に区画された入口バッファ部27は、流入口5から燃焼ガスが上下方向に沿って流れ込む流入路5Aの奥側端部に配置される流入室31に対して、流入路5A内の燃焼ガスの流れ方向に対して略直角方向に隣り合って設けられ、流入室31に連通する開口部32が形成されている。また、流量計測ユニット11の断面矩形状の計測流路部15は、入口バッファ部27内に突出する側面部が、開口部32が形成された入口バッファ部27の内壁に対してほぼ平行になるように該入口バッファ部27内に突出して、正面視開口部32をほぼ覆うように配置されている。
【0054】
従って、燃焼ガスは、流入路5Aの奥側端部に設けられた流入室31で、流れ方向が略直角方向に曲げられて入口バッファ部27内に流入した後、相対向する計測流路部15の側面部に当たって、再度側面に沿って、略直角方向、つまり、計測流路部15の側面の両高さ方向に曲げられて入口バッファ部27内へ流入する。そして、入口バッファ部27内に流入した燃焼ガスは、計測流路部15の外周面に沿って回り込み、計測流路部15の側面部に対向するカバー3Bの内壁面に当たる。
【0055】
その後、燃焼ガスは、カバー3Bの内壁面に沿って入口バッファ部27の上下方向中央部へ流れて衝突し、カバー3Bの内壁面と計測流路部15の側面部との間の入口バッファ部27において流れの均一化が図られる。そして、燃焼ガスは、更に、計測流路部15の入口部15Aの上下両端縁部及びカバー3B側端縁部の三辺の外周縁部を通過して、計測流路部15の入口部15Aに相対向する入口バッファ部27の壁面部に当たった後、180度の方向転換をされて計測流路部15の入口部15Aに流入する。
【0056】
これにより、燃焼ガスは、入口バッファ部27内へ流入して計測流路部15の入口部15Aに流入するまでに複数回、流れ方向が変更されるため、流れが十分に均一化され、大流量(例えば、8000(リットル/時間)の流量である。)の計測が可能となる。また、略箱体状の入口バッファ部27の内壁に設けられる開口部32は、該入口バッファ部27内に突出する計測流路部15によってほぼ覆われる大きさに形成されるため、計測流路部15の入口バッファ部27内への突出長さを短くすることにより、当該入口バッファ部27の小型化を図ることが可能となる。その結果、超音波流量計1の小型化を図ることが可能となる。
【0057】
また、開口部32を閉塞して入口バッファ部27への燃焼ガスの供給を遮断する遮断弁33は、開口部32を介して計測流路部15の側面部に対向するように配置されている。また、該遮断弁33と開口部32との間の隙間(第1隙間)の距離D1が、開口部32と計測流路部15の側面との間の隙間(第2隙間)の距離D2にほぼ等しくなるように配置されている。これにより、遮断弁33と開口部32との間の隙間(第1隙間)の距離D1を狭くして、開口部32と計測流路部15の側面との間の隙間(第2隙間)の距離D2を狭くすることが可能となり、入口バッファ部27の更なる小型化を図ることが可能となる。その結果、超音波流量計1の更なる小型化を図ることが可能となる。
【0058】
また、開口部32は、相対向する計測流路部15の側面の高さにほぼ等しい内径を有する断面略円形状に形成されているため、開口部32の形成を容易に行うことが可能となる。また、入口バッファ部27内への突出する計測流路部15によって、当該開口部32を正面視ほぼ覆うように容易に構成することが可能となる。
【0059】
また、正面視において、開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部が、計測流路部15の入口部15Aよりも外側へずれたずれ量L1、つまり、開口部32の仕切り壁21Aに対して反対側の端部と入口部15Aの端面との計測流路部15の長手方向における距離L1を例えば、0mmから4.5mm以下とすることによって、燃焼ガスが開口部32から計測流路部15の入口部15Aに直接流入しないように設定することが可能である。これにより、燃焼ガスの流れが十分に均一化され、大流量(例えば、8000(リットル/時間)の流量である。)の計測が可能となる。その結果、入口バッファ部27の小型化を図ることが可能となるため、超音波流量計1の小型化を図ることが可能となる。
【0060】
また、計測流路部15の長手方向中央部の上側に、一対の超音波振動子12A、12Bが設けられた回路ケース16が、入口バッファ部27と出口バッファ部29とに挟まれた中央空間部28に配置されるため、出口バッファ部29の小型化を容易に図ることが可能となる。その結果、超音波流量計1の更なる小型化を図ることが可能となる。
【0061】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
1 超音波流量計
3 メータケース
5 流入口
6 流出口
11 流量計測ユニット
12A、12B 超音波振動子
15 計測流路部
15A 入口部
15B 出口部
27 入口バッファ部
28 中央空間部
29 出口バッファ部
32 開口部
33 遮断弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8