(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パワーモジュールは、ピストンヘッドを有しピストンクランクシャフトアセンブリに連結される少なくとも一つのピストンアセンブリを含む、請求項1に記載の回転式内燃機関。
ピストンヘッドは、少なくとも一つの燃焼帯を実質的に密閉するように構成された少なくとも一つのピストンシールアセンブリに連結されている、請求項3に記載の回転式内燃機関。
少なくとも一つのピストンシールアセンブリは、第1方向においてシールアセンブリの第1シールを付勢し、第1方向とは異なる第2方向においてシールアセンブリの第2シールを付勢するように構成されたばね部材を含む、請求項4に記載の回転式内燃機関。
パワーモジュールは、ハウジング内の燃焼室を実質的に密閉するように構成された少なくとも一つのクロスオーバーシールアセンブリに連結されている、請求項1に記載の回転式内燃機関。
クロスオーバーシールアセンブリは、第1方向においてクロスオーバーシールアセンブリの第1シールを付勢し、第1方向とは異なる第2方向においてクロスオーバーシールアセンブリの第2シールを付勢し、第1方向及び第2方向とは異なる第3方向において両方のシールを付勢するように構成されたばね部材を含む、請求項6に記載の回転式内燃機関。
クロスオーバーシールアセンブリは、第1方向においてクロスオーバーシールアセンブリの第1シールを付勢し、第1方向とは異なる第2方向においてクロスオーバーシールアセンブリの第2シールを付勢し、第1方向及び第2方向とは異なる第3方向において両方のシールを付勢するように構成された流体又はガス加圧を含む、請求項6に記載の回転式内燃機関。
クロスオーバーシールアセンブリは、ハウジング及びスリーブの少なくとも一つにおける噴射孔あるいは点火装置の穴の大きさよりも大きいアーク長さよりも大きな幅を有する、請求項6に記載の回転式内燃機関。
第2スリーブのスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口の少なくとも一つは、第1スリーブの対応するスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口と異なり、第1スリーブと比較して、内燃機関のトルク出力を変更するように構成されている、請求項1に記載の回転式内燃機関。
第2スリーブのスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口の少なくとも一つは、第1スリーブの対応するスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口と異なり、第1スリーブと比較して、内燃機関の馬力出力を変更するように構成されている、請求項1に記載の回転式内燃機関。
第2スリーブのスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口の少なくとも一つは、第1スリーブの対応するスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口と異なり、内燃機関の燃料タイミング及び内燃機関の点火タイミングの少なくとも一つを変更するように構成されている、請求項1に記載の回転式内燃機関。
少なくとも一つのリングシールアセンブリ、及びハウジングに連結される2つのカバープレートをさらに備え、少なくとも一つのリングシールアセンブリは、パワーモジュールとハウジングに連結される少なくとも一つのカバープレートとの間に配置され、リングシールアセンブリの圧縮は、空気的及び油圧的の少なくとも一つにて制御されている、請求項1に記載の回転式内燃機関。
ハウジングは、出力曲線対毎分回転数、及びトルク曲線対毎分回転数の少なくとも一つを変更するように構成された中心歯車アセンブリを有する少なくとも一つのカバープレートを含む、請求項1に記載の回転式内燃機関。
第2スリーブのスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口の少なくとも一つは、第1スリーブの対応するスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口と異なり、第1スリーブと比較して、内燃機関のトルク出力、内燃機関の馬力出力、内燃機関の燃料タイミング、及び内燃機関の点火タイミングの少なくとも一つを変更するように構成されている、請求項15に記載のハウジングアセンブリ。
第2スリーブのスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口の少なくとも一つは、第1スリーブの対応するスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口と異なり、第1スリーブと比較して、取入れ口流路及び排出口流路の少なくとも一つを変更するように構成されている、請求項15に記載のハウジングアセンブリ。
ハウジングにパワーモジュールを連結することは、ハウジング内の燃焼室を実質的に密閉するように構成された少なくとも一つのクロスオーバーシールアセンブリを含むパワーモジュールを連結することをさらに備える、請求項18に記載の組立方法。
第2スリーブのスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口の少なくとも一つは、第1スリーブの対応するスリーブ取入れ口及びスリーブ排出口と異なり、第1スリーブと比較して、内燃機関のトルク出力、内燃機関の馬力出力、内燃機関の燃料タイミング、及び内燃機関の点火タイミングの少なくとも一つを変更するように構成される、請求項18に記載の組立方法。
パワーモジュールとハウジングに連結された少なくとも一つのカバープレートとの間にリングシールアセンブリを配置することをさらに備え、ここでリングシールアセンブリの圧縮は、空気的及び油圧的の少なくとも一つにて制御されている、請求項18に記載の組立方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】組み立てられた例示的な回転式内燃機関の斜視図である。
【
図2】
図1に示す回転式内燃機関の分解した部分的斜視図である。
【
図3】
図1に示すエンジンで使用するローターの斜視図である。
【
図4】
図1に示すエンジンハウジングの内側に位置したローターの端面図である。
【
図6B】
図6Aに示すリング板で使用するリングシールアセンブリの斜視図である。
【
図7A】
図2に示すパワーモジュールで使用するクロスオーバーシールの上面の斜視図である。
【
図7B】
図7Aに示すクロスオーバーシールの底面の斜視図である。
【
図7C】
図7Aに示すクロスオーバーシールの分解組立図である。
【
図8A】
図2に示すパワーモジュールで使用する代わりのクロスオーバーシールの斜視図である。
【
図8B】
図2に示す第1アーム拡張部及び第2アーム拡張部で使用するインサートの斜視図である。
【
図9】
図2に示すピストンアセンブリのような、ピストンアセンブリの斜視図である。
【
図10】
図9に示す例示的なピストンヘッドの斜視図である。
【
図11A】
図10に示すピストンヘッドで使用する代わりの外面の斜視図である。
【
図11B】
図10に示すピストンヘッドで使用する代わりの外面の斜視図である。
【
図11C】
図10に示すピストンヘッドで使用する代わりの外面の斜視図である。
【
図11D】
図10に示すピストンヘッドで使用する代わりの外面の斜視図である。
【
図12A】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図12B】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図12C】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図12D】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図13A】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図13B】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図13C】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図13D】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図13E】
図10に示すピストンヘッドで使用可能なピストンシール溝の側面図である。
【
図14A】
図10に示すピストンヘッドで使用可能な例示的なシールの斜視図である。
【
図14B】
図10に示すピストンヘッドで使用可能な例示的なシールの斜視図である。
【
図14C】
図10に示すピストンヘッドで使用可能な例示的なシールの斜視図である。
【
図14D】
図10に示すピストンヘッドで使用可能な例示的なシールの斜視図である。
【
図14E】
図10に示すピストンヘッドで使用可能な例示的なシールの斜視図である。
【
図14F】
図10に示すピストンヘッドで使用可能な例示的なシールの斜視図である。
【
図15A】
図10に示すピストンヘッドで使用するシールアセンブリの平面図である。
【
図15C】
図10に示すピストンヘッドで使用する代わりのシールアセンブリの斜視図である。
【
図15D】
図10に示すピストンヘッドで使用する代わりのシールアセンブリの斜視図である。
【
図16】
図12Dに示すピストンヘッドのような、部分的に組み立てられたピストンヘッドの斜視図である。
【
図17】
図16に示すピストンヘッドで使用する例示的なピストンスリーブの斜視図である。
【
図18】
図16に示すピストンヘッドで使用されるスリーブ及びシールアセンブリの斜視図である。
【
図19A】
図9に示すピストンアセンブリで使用する代わりのピボットカップリングアセンブリの底部斜視図である。
【
図19B】
図9に示すピストンアセンブリで使用する代わりのピボットカップリングアセンブリの底部斜視図である。
【
図19C】
図9に示すピストンアセンブリで使用する代わりのピボットカップリングアセンブリの底部斜視図である。
【
図19D】
図9に示すピストンアセンブリで使用する代わりのピボットカップリングアセンブリの底部斜視図である。
【
図19E】
図9に示すピストンアセンブリで使用する代わりのピボットカップリングアセンブリの底部斜視図である。
【
図20A】
図9に示すクランクシャフトアセンブリのような、例示的なピストンクランクシャフトアセンブリの分解組立図である。
【
図20B】
図9に示すクランクシャフトアセンブリで使用する代替ジャーナルの斜視図である。
【
図20C】
図9に示すクランクシャフトアセンブリのような、代替ピストンクランクシャフトアセンブリの分解組立図である。
【
図21A】主クランクシャフト、クロスオーバーシール、及びそこに配置したピストンアセンブリを有する、
図3に示すローターの斜視図である。
【
図21B】主クランクシャフト、クロスオーバーシール、及びそこに配置したピストンアセンブリを有する、
図3に示すパワーモジュールの斜視図である。
【
図22】
図2に示すハウジングアセンブリ及びスリーブのような、例示的なハウジングアセンブリ及びスリーブの分解組立図である。
【
図23】
図2に示すハウジングアセンブリにおいて使用される代わりのハウジングの斜視図である。
【
図24】
図2に示すハウジングアセンブリあるいはスリーブにおいて使用可能なポート形状の斜視図である。
【
図25】
図2に示すハウジングアセンブリにおいて使用可能な代わりのハウジングの斜視図である。
【
図26】ポンプ用に使用可能なハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜
図25は、ここに記述された回転式内燃機関、気体圧縮機、及び/又は液体ポンプの例示的な実施形態を示す。
【0009】
開示の詳述
図1は、組み立てられた例示的な回転式内燃機関10の斜視図であり、
図2は、
図1に示す回転式内燃機関10の分解組立図である。エンジン10は、取り外し可能なパワーモジュール12、エンジンハウジングアセンブリ14、及びスリーブ16を含んでいる。例示的な実施形態において、パワーモジュール12は、エンジンハウジング14へ着脱可能に挿入され、回転エネルギーを提供するためにハウジングアセンブリ14内で回転するように構成される。パワーモジュール12によって生産された回転エネルギーは、主クランクシャフト18に伝達される。例示的な実施形態において、パワーモジュール12は、ローター20、主クランクシャフト18、少なくとも一つのピストンアセンブリ22、及び2つのパワーモジュールリング板26を含んでいる。
【0011】
図3は、
図1に示されるエンジン10で使用するローター100の斜視図であり、
図4は、ハウジング14に設置されたローター100の端面図である。例示的な実施形態において、ローター20のようなローター100は、エンジン10及びハウジング14内で使用されるように構成されている。一つの実施形態では、ローター100は、第1アーム102、第2アーム104、第3アーム106、及び第4アーム108を含む。各アーム102、104、106、108に設置されているものは、ピストンアセンブリ22(
図20A〜
図20Bに示す)のピストンクランクシャフトアセンブリを受け入れ保持する注油穴を有するキー付きのブッシングを受け入れ保持するためのピストンクランクシャフト穴110である。アーム102、104、106、108のそれぞれは、また、ローター100内でピストンアセンブリ22が往復運動で移動することを可能にする往復運動溝112を含む。ローター100は、また、エンジン10の主クランクシャフト12を受け入れ保持するように構成された主クランクシャフト穴114を含む。穴110は、各々、油が、給油導管115を介して主クランク18の中心を通りエンドプレートからローター10へ流れるように、穴110内の回転部分に潤滑油を提供するように構成された給油導管115を含んでいる。一つの実施形態では、ローター100は、また、動作中にピストンピボットピンを潤滑するために給油導管115を含む。
【0012】
例示的な実施形態において、圧縮室は、隣接するアーム、リング板26、及びハウジング14の内径の間で生成される。あるいはまた圧縮室は、隣接するアーム、リング板26、及びスリーブ16の内径の間で生成される。例えば、第1圧縮室116は、第1アーム102と第2アーム104との間で、ハウジング14のスリーブ16へ延在する。第2圧縮室118は、第2アーム104と第3アーム106との間で、ハウジング14のスリーブ16へ延在する。第3圧縮室120は、第3アーム106と第4アーム108との間で、ハウジング14のスリーブ16へ延在する。さらに第4圧縮室122は、第4アーム108と第1アーム102との間で、ハウジング14のスリーブ16へ延在する。圧縮室116、118、120、122は、電気火花、プラズマ、あるいは燃焼を引き起こす高圧縮によって点火される混合気を圧縮するように構成される。このような燃焼は、ピストンアセンブリ22を移動させ、実際上、ハウジング14内でローター100を回転させる。圧縮室116、118、120、122は、コンプレッサー応用においてガスを圧縮する、あるいはポンプ応用において流体を移動させるように構成される。コンプレッサーあるいはポンプの応用において、電気モーター又は内燃機関は、ガスを圧縮するあるいは流体を移動させるために、ローター100を回しピストンアセンブリ22を往復運動させる主クランクシャフト18を駆動するために使用される。
【0013】
例示的な実施形態において、アーム102、104、106、108のそれぞれは、クロスオーバーシール300(
図7に示される)を受け入れ保持するように構成されたクロスオーバーシールキャビティ124を含む。シールキャビティ124は、各アーム部材102、104、106、108の、第1アーム拡張部126から第2アーム拡張部128まで延在する。一つの実施形態では、第1アーム拡張部126及び第2アーム拡張部128の表面は、改善された摩耗性及び保守容易性のために、各拡張部126、128に置かれるインサート(
図8Bに示される)を有してもよい。例示的な実施形態において、アーム部材102、104、106、108のそれぞれは、クロスオーバーシール300と結合して使用されるスプリングを受け入れ保持するように構成されたシールスプリングキャビティ130を含む。ローター100は、また、ネジ状及びネジのない複数の穴132を含む。一つの実施形態では、穴132はネジ状である。一つの実施形態では、穴132にはネジがない。別の実施形態では、所定数の穴132はネジ状であり、所定数の穴132はネジがない。予め構成された数のネジ状の穴132は、パワーモジュールリング板26をローター100に連結し及び/又は締結するように構成される。あるいはまた、予め構成された数のネジのない穴132は、動作中にローター100から潤滑油を排出するために使用される。
【0014】
図5は、
図2に示されるパワーモジュールリング板26のような、リング板200の背面の斜視図であり、
図6Aは、リング板200の正面の斜視図である。
図6Bは、リング板200で使用するリングシールアセンブリ230の斜視図である。エンジン10は、2つのリング板200を含み、エンジン10の両側にそれを含む。リング板200は、ローター100の側面に配置される。例示的な実施形態において、リング板200は、ローター100に連結されるように構成された内面202を含む。一つの実施形態において、内面202は、室116、118、120、122がハウジング14、ロータアーム102、104、106、108、及びリング板200によって実質的に密閉されるように、ローター100と実質的に同一平面にあるように構成される。ローター100は、リング板200と一緒に、ピストンアセンブリ22を封入する。各リング板200は、密閉するためにピストンアセンブリ22用の内側の室壁を生成する。
【0015】
例示的な実施形態において、リング板200へ機械加工され、あるいはリング板に連結されるものは、第1回転リングシール合わせ面209、及び第2回転リングシール合わせ面211である。シール面209、211は、両方のケーシングカバープレート806から外へ広がる静止している外側及び内側のリングシール用の対向面シール表面として働く。代わりの実施形態では、回転する外側及び内側のリングシールがローターから外へ広がり、両方のハウジングエンドプレートにおいて静止している合わせ面に接触して密閉する。
【0016】
リングシールアセンブリ230は、第1リングシールパック232及び第2リングシールパック234を含む。シールパック232、234のそれぞれは、第1リングシール238に当接する第1弾性部材236、第1リングシール238と第2リングシール240との間に配置される第2弾性部材(図示せず)を含む。第2リングシール240は、リング板200の外面と結合する。例示的な実施形態では、第1シールパック232の第2リングシール240は、リングシール200の合わせ面211と結合するように構成され、第2シールパック234の第2リングシール240は、リング板200の合わせ面209と結合するように構成される。例示的な実施形態では、弾性部材236は、O−リングである。一つの実施形態では、第2弾性部材は、油を受け入れるための導管(channel)を含むように構成される。そのような導管は、油ポンプ、これに限定されない、を含む制御アセンブリを使用して空気的及び/又は油圧的に制御される圧縮をシールアセンブリが有することを可能にする。弾性部材236の使用は、リングシールアセンブリが圧縮シールとして機能することを可能にする。
【0017】
内面202は、主クランクシャフト穴203及び複数のピストンクランクシャフト穴204を含む。ピストンクランクシャフト穴204のそれぞれは、ローター100(
図4に示される)のピストンクランクシャフト穴110と結合するように構成されるピストンクランクシャフト支持凹部206を含む。穴204及びピストンクランクシャフト支持凹部206は、穴110から延在する、ピストンアセンブリ22のピストンクランクシャフトアセンブリを受け入れ支持するように構成される。よって、2つのリング板200は、エンジン10の全ての可動部を封入あるいは保持することができる。ローター100における穴132と同様に、リング板200は、リング板200をローター100に連結する、及び/又は、動作中にローター100及び/又はリング板200から潤滑油を後ろに流し出すように構成することができる複数の穴208を含む。リング板200は、また、クロスオーバーシール300(
図7に示される)を整列させ、保持するためのクロスオーバーシール凹部210を含む。
【0018】
図7Aは、パワーモジュール12で使用するクロスオーバーシール300の上面の斜視図である。
図7Bは、クロスオーバーシール300の底面の斜視図であり、
図7Cは、クロスオーバーシール300の分解図である。クロスオーバーシール300は、第1シール302及び第2シール304を含む。各シール302、304は、第1周方向端306及び第2周方向端308を有する。端306、308は、燃焼室116、118、120、122を実質的に密閉するために、リング板200のリングシールパック232と結合するように構成される。各シール302、304は、スプリング312を保持するために凹部310を含む。
【0019】
クロスオーバーシール300は、圧縮室シールキャビティ124(
図3及び
図4に示される)及びチャンバーシール凹部210(
図5及び
図6に示される)内に設置されるように構成される。例示的な実施形態において、動作では、第1シール302が第1方向に押され、第2シール304が第1方向に反対の第2方向へ押される。シールスプリングキャビティ130及び凹部310に設置されたスプリング312は、各シールを横方向において互いから離させる。この実施では、端306、308は摩耗し減退するので、一定圧力を維持するために燃焼室内の一定の密閉を維持するように、スプリング312は、リングシールパック232の方へシール302、304を押しつける。さらに、シール302、304の上面314は、ハウジングアセンブリ14のスリーブ16の内径、あるいは直接にハウジングアセンブリ14の内径に対して接触し密閉する。端314は摩耗し減退するので、一定の密閉及び/又は燃焼室内の圧力を維持するために、スプリング312及び遠心力は、スリーブ804あるいはハウジング802の内径の方へシール302、304を押す。例示的な実施形態では、クロスオーバーシール幅は、アーク長さにおいて、点火プラグ、及び/又は、スリーブ16及び/又はハウジング14におけるインジェクターポートの直径よりも大きく、一定圧力を維持し、かつそのようなポートを通る漏れを回避する。クロスオーバーシール300による密閉は、チャンバークロスオーバー漏れ及びチャンバークロストークを実質的に防ぎ、実質的にクランク室加圧を防ぐシール力を生成する。
【0020】
別の実施では、第1及び第2のシール302、304を、横に外側へ互いに反対にかつ共に放射状に外側へ押すために、流体あるいはガスの加圧は、シールスプリングキャビティ130において維持される。流体あるいはガスの加圧を利用することは、規制された一定のシール力、あるいはシール力にリンクしたRPMをエンジン10が維持することを可能にする。流体加圧システムはまた、ポンプ注油システムがクロスオーバーシール300への潤滑を可能にし、また下側からシール300を潜在的に冷やすことを可能にする。
【0021】
図8Aは、ローター100にて使用される代わりのクロスオーバーシール340の分解図である。クロスオーバーシール340は、一般的に平坦であり、外面342、内面344、第1側方端346、及び第2側方端348を含む。端346は、室温で端346とシールアセンブリ230との間に隙間を有するように構成される。同様に、端348は、室温で端348とシールアセンブリ230との間に隙間を有するように構成される。端346、348と、シールアセンブリ230との間の隙間は、シール340が動作中に加熱したときにシールアセンブリ230に対して結合及び/又は密閉するためシール340が膨張することを可能にする。外面342は、クロスオーバーシール340において摩耗し減退するので、燃焼室内の一定の密閉及び/又は圧力を維持するために、2以上の円錐コイルばね356及び遠心力は、スリーブ804あるいはハウジング802の内径の方へシール340を押す。外面342は、クロスオーバーシール340と、スリーブ16あるいはハウジング14の内径との間の回転摩擦を最小化するために、複数の切抜き350を含んでもよい。4つの楕円形の切抜き350が示されているが、任意の数で任意の形状の切抜きが使用可能である。
【0023】
図9は、
図2に示されるピストンアセンブリ22のような、ピストンアセンブリ400の斜視図である。ピストンアセンブリ400は、並べられた2つのブッシング及び注油された穴を有する、連接棒406によってピストンクランクシャフトアセンブリ404に連結されたピストンヘッド402を含む。ピストンヘッド402は、リング板200(
図5に示される)の内面202の対応する穴208内に設置するピボットピン(図示せず)を受け入れ保持するように構成されたピボット接続408を含む。動作では、ピストンアセンブリ400は、ピボット接続408に関して往復運動する。ピストン400のこのような往復運動は、連接棒406の往復運動移動によってピストンクランクシャフトアセンブリ404を駆動し及び/又は回転させる。
【0024】
ピストンアセンブリ400は、リング板200(
図5に示される)の内面202の対応する穴208内に設置するピボットピン(図示せず)を受け入れ保持するように構成されたピボット接続408を含む。ピストンヘッド402は、また、連接棒406を受け入れるように構成された連接棒ボス410を含む。ボス410は、連接棒406にピストンヘッド402を連結するピストンヘッドピン414を受け入れ保持するように構成されたロッドピン穴412を含む。
【0025】
図10は、例示的なピストンヘッド402の斜視図である。例示的な実施形態において、ピストンヘッド402は、前端422、第1側方端424及び第2側方端426を有する外面420を含む。一つの実施形態では、外面420は、曲線を描いており、燃焼帯を提供するように構成される燃焼凹部428を含む。外面420は、ピストンヘッド402が完全に伸ばされた(extended)とき、外面420が
図2に示すスリーブ16あるいはハウジング14の内径に実質的に添うようにスリーブ16に類似(complimentary)の形を有するように製作される。ピストンヘッド402はスリーブ16の方へ伸びるので、燃焼室内の吸気は、表面420から凹部428へ押し込まれる。凹部428によって生成される燃焼帯は、電気的な点火(例えば点火プラグ、プラズマプラグ)が、燃焼を生成するスパークの提供を可能にし、これはクランクシャフトアセンブリ404を回転させるスリーブ16からピストンヘッド402を遠ざける。例示的な実施形態において、凹部428は、実質的に楕円形であるが、しかし、凹部428は、ここに記述するような燃焼帯の提供を容易にする任意の形状、サイズ、及び位置を有することができる。凹部428の寸法変更は、エンジン10の要求に基づいた既定の圧縮を達成する燃焼体の生成を可能にする。凹部428の形状変更は、エンジン10が唯一の燃焼を生じさせるのを可能にする。凹部428の配置は、一もしくは複数の点火装置スパークあるいはプラズマ開始ゾーンとの整列を提供する。
【0026】
図11A〜
図11Dは、
図10に示すピストンヘッド402で使用するための代替の外面430、432、434、436の斜視図である。
図11Aの外面430は、実質的に滑らかで、外面430がすべて燃焼帯であるように、凹部を含んでいない。凹部のない表面は、燃焼用の最大圧力をエンジン10に提供可能である。
図11Bの外面432は、増強した及び/又は増加したトルクのために前端422の近くに位置した凹部438を含む。
図11Cの外面434は、2つの点火装置システムと協働するように構成される。外面434は、各点火装置につき一つの燃焼帯で2つの燃焼帯を生成する実質的に同様の凹部440を含む。
図11Dは、一つの点火装置で使用する2重の燃焼帯システムを提供する。外面436は、第1凹部442及び第2凹部444を含む。第1及び第2の凹部442、444は、単一の着火デバイスを使用しながら2つの異なる燃焼が生じることを可能にするように構成される。
【0027】
図10に戻り参照して、ピストンヘッド402は、前方ピストンシール溝450及び後方ピストンシール溝452を含む。各溝450、452は、ピストンシールを受け入れ保持するように構成される。例示的な実施形態において、ピストンシール(図示せず)は、一定の密閉及び/又は圧力が燃焼室内で維持されるように、シール溝450、452に配置される。溝450、452内のシールは、ピボット接続408に据え付けられたピボットスリーブ(図示せず)によってともに連結される。組み立て方法では、第1及び第2の側方端424、426から延在する溝450内のシールの一部は、リング板200の内面202に当接する及び/又は添い、前端422から延在する溝450内のシールの一部は、前のロータアームに当接する及び/又は添う。同様に、ピボット接続408から延在する溝452内のシールの一部は、ピストンアセンブリ400が据え付けられるロータアームの第1拡張部126と当接する及び/又は添う。例えば、第2ロータアーム104に据え付けられたピストンアセンブリ400は、第1アーム102に対する前端422シールから延在するシールの一部、及び第2アーム104の第1拡張部126に対するピボット接続408シールから延在するシールの一部を有するだろう。
【0028】
図12A〜
図12Dは、ピストンヘッド402で使用可能なピストンシール溝の側面図である。
図12Aの前部の溝452及び後部の溝456は、実質的に平坦なシールを受け入れ保持するように構成される。
図12Bに示されるピストンヘッド402の前部の溝458は、実質的に曲線を描いたシールを受け入れ保持するように構成され、一方、後部の溝460は、実質的に平坦なシールを受け入れ保持する。溝458、460のような、2つ以上の2つ以上のシール溝の使用は、ピストンヘッド402が重複するシールの生成を可能にする。
図12Cに示されるピストンヘッド402は、曲がったシールを受け入れ保持するための曲がった前部の溝462、及び実質的に平坦なシールを受け入れ保持するための真っ直ぐな前部の溝464及び後部の溝466を含む。
図12Cに示されるピストンヘッド402はまた、シールを受け入れ保持することに加えて、ピストンヘッド402の下側へ延在する角度を有する潤滑油のドレン穴470を含むスカート468を含む。溝462、464は、ピストンヘッド402が各溝の連結性に基づいてシールの異なる圧縮を生成することを可能にする。さらに、溝462、464は、円筒状のシールカップリングを有するか、あるいは有さずに、多数の曲がったあるいは平坦なシールをピストンヘッド402が受け入れることを可能にする。
【0029】
図12Dのピストンヘッド402は、前部のシール溝472、中央のシール溝474、及び後部のシール溝476を含み、これらは全て実質的に平坦なシールを受け入れ保持するように構成される。前部の溝472及び中央の溝474は、ピボットスリーブと同様の方法で溝472、474内のシール間のリンクを連結し密閉する接続スリーブ(図示せず)を受け入れるように大きさを決めた接続スリーブ凹部478によって接続される。接続スリーブ凹部478は実質的に円形形状を有するように示されているが、接続スリーブ凹部478は、ここに記述され、
図13A〜
図13Eに示されるように、密閉することを容易にする任意の形状を有することができる。同様に、ピボット接続408は、実質的に円形形状を有するように示されているが、
図13Fに示される涙形状のように、密閉することを容易にする任意の形状を有することができる。燃焼室内の圧力及び/又は密閉を維持するために、設計の任意の組み合わせを有する任意の数のシール溝がここで使用可能であるということに注目されるべきである。
【0031】
図14A〜
図14Fは、ピストンヘッド402で使用可能な例示的なシール500、502、504、506、508、509の斜視図である。
図14Aのシール500、
図14Bのシール502、及び
図14Cのシール504は、それぞれ、
図12Aに示される溝454のような、実質的に平坦な前部のピストン溝内で密閉するために構成された実質的に平坦なシールである。
図14Dのシール506は、曲がったもので、
図12Bの溝458のような曲がった前部のピストン溝内で密閉を行うように構成されている。
図14Eのシール508は、実質的に平坦で、
図12Aに示される溝456のような後部のピストン溝内で密閉するように構成される。
図14Fのシール509は、
図12Dに示される溝474のような、中央のピストン溝内で密閉するために使用されてもよい実質的に固体のシールである。例示的な実施形態では、シール500、502、504、506、508、509は金属であるが、しかしながらシール500、502、504、506、508、509は、エラストマー材料、これに限定しない、を含み、ここに記述するような密閉を容易にする任意の材料であることができる。シール500、502、504、506、508のそれぞれは、前端512を有するベース510を含む。ベース510から延在するものは、第1脚514及び第2脚516である。第1脚514及び第2脚516は各々、外端518、520を含む。このような構成は、シール500、502、504、506、508がピストンヘッド402における溝内へ及び/又は溝の外へ滑るように、シール500、502、504、506、508がピストンヘッド溝のすぐ近くにて組み上げられることを可能にする。ベース510及び脚514、516の上面及び下面は、ピストンの溝の上及び下面に対して密閉する。端512は、ローター100の表面128あるいは126に対して密閉する。端518、520は、リング板200の面202の後ろに対して密閉を行い、また、シールを拡張するためにスプリングの着座面としても作用する。
【0032】
一つの実施形態において、前端512、及び外端518、520は、既定形状の端を含むように製作され及び/又は仕上げられる。形作られる端は、シールのための、所望の摩耗、密閉、及び/又は振動特性を達成するように選択することができる。一つの実施形態では、前端512は、ローター100のアームに対して相互作用し及び/又は密閉するように形作られ、及び、外端518、520は、リング板200に対して相互作用し及び/又は密閉するように形作られる。別の実施形態では、フレキシブルシール(図示せず)がO−リング構成においてシール500、502、504、506、508のまわりに置かれる。フレキシブルシールは、正方形及び円形、これに限定されないが、を含む任意の断面形状を有することができる。例示的な実施形態において、シール500、502、504、506、508は、シールアセンブリとしてペアで使用されるように構成される。シール500、502、504、506、508は、それぞれのシール溝と一致するように個々に独特となるように製作されてもよい。
【0033】
図15Aは、
図10に示されるピストンヘッド402で使用するシールアセンブリ600の平面図であり、また
図15Bは、シールアセンブリ600の斜視図である。例示的な実施形態では、シールアセンブリ600は、
図14A〜
図14Fに示されるシール500、502、504、506、508のように、第1シール602及び第2シール604を含む。シール602、604のそれぞれは、ベース610から延在する第1脚614及び第2脚616と共に前端612を有するベース610を含む。脚614、616はそれぞれ、外端618、内端620、及び端618と端620との間で延在する幅622を有する。シールアセンブリ600は、また、2つのばね部材624を含む。組み立てられたとき、ばね部材は、ピストンヘッド402と内端620との間における溝間に位置決めされる。ばね部材624は、シール溝から気密面(例えば、リング板の内側面及び/又はロータアーム)の方へ端612、618、620を付勢するように構成される。例示的な実施形態では、ばね部材624はウェーブスプリングである。一つの実施形態において、ばね部材624は、溝のベースでポケットに入れられたコイルばねである。コンプレッサー又はポンプの応用例での実施形態では、ばね部材624は、任意の横断面形状を有するO−リングタイプのシールである。あるいはまた、ばね部材624は、シール溝から気密面の方へシール602、604を付勢する任意の装置であることができる。
【0034】
例示的な実施形態において、第1シール602は、シール504のようなツーピースの平坦なシールであり、第2シール604は、シール500のような単一ピースの平坦なシールである。この実施形態では、第1シール602の第1及び第2の脚614、616の幅622は、第2シール604の第1及び第2の脚614、616の幅622よりも広い。この実施形態では、ばね部材624は、第1シールが横に分離するように、リング板200の気密面の方へ第1シール602のみを付勢する。この実施形態では、ばね部材624は、ローター100の気密面の方へ第1シール602及び第2シール604の両方を前あるいは後に付勢する。シールアセンブリ600は、始動時(例えばシールが冷えているとき)及び動作中(例えばシールが内部温度により膨張したとき)において、シールを往復動にて移動可能にすることによって、燃焼室の内部で一定圧力を維持可能にする。シールアセンブリ600はまた、端612、618が摩耗及び/又は使用により減退したとき、シール602、604を一定圧力に維持可能にする。
【0035】
図15Cは、
図10に示すピストンヘッド402で使用する別のシールアセンブリ630の斜視図である。シールアセンブリ630は、第1シール602が実質的にシール604に類似する単一の平坦なシールであることを除いて、シールアセンブリ600(
図15A及び
図15Bに示される)に実質的に類似する。よって、
図15Cに示す部品は、
図15A及び
図15Bで使用されるのと同じ参考符号が付されている。例示的な実施形態において、第1シール602の第1脚614の幅622は、第2シール604の第1脚614の幅622と異なる。同様に、第1シール602の第2脚616の幅622は、第2シール604の第2脚616の幅622と異なる。この実施形態では、第1シール602の第1脚614の幅622は、第2シール604の第1脚614の幅622よりも小さく、また、第1シール602の第2脚616の幅622は、第2シール604の第2脚616の幅622よりも大きい。このような構成は、ばね部材624が第1方向626に第2シール604を付勢することを可能にし、ピボットヘッド402におけるシール溝のベースから押されたとき、第1方向626と反対の第2方向628に第1シール602を付勢することを可能にする。
【0036】
シールアセンブリ600、630の例示的な実施形態は、2つのシール602、604と共に図示されているが、シールアセンブリ600、630は、
図15Dに示されるように4つを含めて、任意の数のシールを含むことができることは注目されるべきである。アセンブリ600、603におけるシールは、アセンブリ600、603内で可変厚さ及び可変サイズ差を有することができる。アセンブリ600、603は、アセンブリパック(例えば
図15D)を生成するために互いに積み重ねることができる。同様に、多数のアセンブリ600、603及び/又はアセンブリパックは、単一のシール溝450、452内で、あるいは、単一のピストン100内で450、452のような多数の溝で使用可能である。
【0037】
図16は、
図12Dに示されるピストンヘッド402のような、部分的に組み立てられたピストンヘッド640の斜視図である。
図17は、ピストンヘッド640(
図16に示される)で使用する例示的なピストンスリーブ660の斜視図である。ピストンヘッド640は、溝472、476のような、シール溝内に配置されるシールアセンブリ600、630(
図15B及び
図15Cに示される)のようなシールアセンブリ642、643を含む。ピストンヘッド640は、また、
図14Fに示されるシール509のような、中央のシール644を含む。ピストンヘッド640は、ピストンスリーブ凹部646及びピボットスリーブ凹部648を含む。ピストンスリーブ660は、ピストンスリーブ凹部646及びピボットスリーブ凹部648内に位置するために製作されたピストンスリーブのような、ピストンヘッド640で使用する任意のスリーブであることができる。
【0038】
ピストンスリーブ660は、スリーブ662及びばね部材663を含む。スリーブ662は、ピストンシール及び/又はピストンシールアセンブリを受け入れ及び保持するために外面664、内面666、及び2つのシール穴668を含む。例示的な実施形態において、外面664は、リング板200(
図5に示される)の内面202に対して添うように及び/又は密閉するように構成される。一つの実施形態では、スリーブ662は、また、ピボット接続408及び凹部648から延在するピボットピン(図示せず)を通過可能にする大きさのピボットピン穴670を含む。あるいはまた、スリーブ662は、スリーブ凹部646で使用されるスリーブのように、ピボットピン穴を含んでいない。一つの実施形態において、スリーブ662は、ピストンピボット凹部648に据え付けるように大きさが決められ、シールアセンブリ643及び中央のシール644の少なくとも一部を受け入れ保持するように構成される。別の実施形態では、ピボットスリーブ662は、そのピボットピン内径穴を取り除いてピストンスリーブになるようにサイズが決められ、ピストンスリーブ凹部646に据え付けられ、シールアセンブリ642及び中央のシール644の少なくとも一部を受け入れ保持するように構成される。例示的な実施形態では、ばね部材663は、スリーブ662をピストンヘッド640から離して気密面(例えばリング板200)の方へ付勢するように構成される。一つの実施形態では、ばね部材663は、皿ばねである。あるいはまた、ばね部材663は、ピストンあるいはピボットスリーブのいずれかが、ここに記述するような燃焼室を密閉可能にする任意のメカニズムであることができる。
図18は、ピストンヘッド640(
図16に示される)で使用するスリーブ662ペア及びシールアセンブリ643の斜視図である。
【0039】
図19Aから
図19Eは、ピストンアセンブリ400で使用する代替のピストンピボットカップリングアセンブリ700、702、704、706、708の底部斜視図である。
図19Aから
図19Eにて見ることができるように、ピストンヘッド402がピストンヘッド402の下側において少なくとも一つの潤滑油溜め領域710を含むことに注目されるべきである。溜め領域710は、パワーモジュールの任意のチャンバが、これは回転停止後下方へ向いている、回転中に集められた潤滑油をピストンシールエリアのプールに有するよりもむしろ流し出すことを可能にする。
【0040】
図19Aのピストンカップリングアセンブリ700は、アセンブリ700から第1横方向に延在する第1ピボットピン712、及びアセンブリ700から第2横方向に延在する第2ピボットピン714を含む。ピボットピン712、714のそれぞれは、アセンブリ700をパワーモジュール12に連結するためにリング板200の内面202の対応する穴208内に据え付けられるように構成される。ピストンカップリングアセンブリ702、704は、それぞれ、ピン716がカップリングアセンブリから横に外へ延在せず、片側面から同一平面上に(flush)押されるように、中央部ピボットピン716を含む。この実施形態では、ピストンカップリング機構は、ピストンアセンブリ702、704をリング板200よりもむしろロータアームへ連結するために使用される。
【0041】
図19D及び
図19Eのカップリングアセンブリ706、708は、それぞれ、トップサイド718ピストンヘッド及びボトムサイド720ピストンベースを含む。トップサイド719とボトムサイド720とは、ボトムサイド720の前端をトップサイド719の正面における受入れ溝に滑り込ませた後、ピボットピン(図示せず)で共に連結される。アセンブリ700と同様に、ピボットピンは、アセンブリ700をパワーモジュール12へ連結するために、リング板200の内面202の対応する穴208内に据え付けられるように構成される。アセンブリ706、708は、シール設置を単純化し、シール漏れを低減し、シール溝加工効率を改善する。
【0042】
図9を再び参照して、ピストンアセンブリ400は、ピストンヘッド402及び連接棒406の往復運動の結果として回転するように構成されるピストンクランクシャフトアセンブリ404を含む。
図20Aは、クランクシャフトアセンブリ404のような、例示的なピストンクランクシャフトアセンブリ730の分解組立図である。アセンブリ730は、ピストンシャフト732、2つのピストンクランクシャフトジャーナル734、及び2つの平歯車736を含む。一つの実施形態では、シャフト732は、シャフト732がジャーナル軸凹部740に挿入されたとき、シャフト732とジャーナル734とのしっかりした配列を提供する加工端部738を含む。同様に、ジャーナル734は、平歯車736を受け入れ、整列し、及び保持するアラインメント肩742を含む。一つの実施形態において、アラインメント肩742は、ジャーナル肩742上の平歯車736の回転を実質的に排除する、六角形のような、既定のスプラインを含む。一つの実施形態において、ジャーナル肩742及び/又は平歯車736は、リング板200において軸受支持部を提供するために硬化された円形端を含む。アセンブリ730は、5つの別々の部品を有するが、アセンブリ730は、5、4、3、2あるいは1個の部分を含むことができる。例えば、ジャーナル734は、3つの部品あるいは部分(
図20Cに示される)のアセンブリを形成するジャーナル734(
図20Bに示される)へ一体的に加工されたギヤー736を有することができる。さらにアセンブリ730は、プレス、フュージング、溶接、これらに限定されない、を含む、単一の部品を形成するような任意の適切な方法で組み立てることができる。
図21Aは、クランクシャフト18、クロスオーバーシール300、及びピストンアセンブリ400を有するローター100の斜視図である。
図21Bは、クランクシャフト18、クロスオーバーシール300、及びピストンアセンブリ400を有するパワーモジュール12の斜視図である。
【0044】
図22は、
図2に示されるハウジングアセンブリ14のような、例示的なハウジングアセンブリ800の分解組立図である。ハウジングアセンブリ800は、ハウジング802、スリーブ804、及び2つのカバープレート806を含む。例示的な実施形態において、ハウジング802は、鋳物によって製作される。あるいはまた、
図23に示される、別のハウジング803によって見ることができるように、ハウジング802は、押出し法によって製作することができる。ハウジング802は、ハウジング入口(inlet)810、ハウジング出口(outlet)812、少なくとも一つの入口点814、及びアクセスポイント(図示せず)を含む。ハウジング入口810は、圧力による力あるいは真空による吸引によって、ガス、ガスと燃料の混合物、及び/又は液体を受け入れるように構成され、及び、ハウジング出口812は、受け入れたガス、燃焼したガス、及び/又は液体を放出するように構成される。一つの実施形態において、少なくとも一つの入口点814は、燃焼室への電気的な点火(例えばスパークあるいはプラズマ)又は加熱(例えばグロープラグ)を可能にするように構成される。別の実施形態では、少なくとも一つの入口点814は、燃料(例えばガソリン、軽油、アルコール、天然ガス)の導入(例えば直噴)及び/又は霧状化された液体(例えば水、尿)の燃焼援助を可能にするように構成される。別の実施形態では、少なくとも一つのアクセスポイントは、モニタリング装置が、室温度、圧力、変位、速度、加速/ノック、フロー、湿度、及び化学成分センシング、これらに限定されないが、を含む、エンジン性能を感知することを可能にする。例示的な実施形態において、メインユニット802は、スリーブがスピンする及び/又は回転するのを実質的に防止するためにハウジング802の内側にスリーブ804を保持する2つのタブ凹部あるいは平坦部816を含む。
【0045】
スリーブ804は、ハウジング802とパワーモジュール12との間の仲介部として働くように構成される。スリーブ804は、室(及びピストン)サイズあるいはパワーモジュールのスタッキング(stacking)又はその両方における増加によって、50ミリリットルから200リットルを超えるまでスケーラブル(scalable)であるように設計される。スリーブ804は、スリーブ804の軸長の一部又は全てに沿ってスリーブ804の外面の周囲の長さ820のまわりでハウジング802の内面818と、厳しい許容範囲のプレスあるいはクランプによって、静的に相互作用するように製作される。例示的な実施形態において、スリーブは、ハウジングの凹部あるいは平坦部816と結合するタブあるいは平坦部822を含む。ハウジング802と同様に、スリーブ804は、入口824、出口826、少なくとも一つの入口点828、及びアクセスポイント(図示せず)を含む。スリーブ804は、入口824、出口826、及び少なくとも一つの入口点828のそれぞれと実質的に漏れのない流路接続(例えば通過しない)を提供するために、ハウジング入口810、ハウジング出口812、及び少なくとも一つの入口点814のまわりでメインユニット802と静的に相互作用する。
【0046】
スリーブ804は、設計要求及びサイジングに依存する様々な壁厚を有することができる。一つの実施形態において、スリーブ壁厚は、0.1インチから0.75+インチまで変動する。例示的な実施形態では、スリーブ804の壁厚は、0.15インチと0.5インチとの間にある。あるいはまた、スリーブ16は、ここに記述するような密閉することを容易にするあらゆる壁厚を有することができる。スリーブ16は、増加した円周応力及び機械的健全性のため、外径802におけるバックアップ用の機械的サポートとしてハウジング802を利用することができる。さらに、スリーブ16は、燃焼室から熱を離してハウジング802へ移動させるために熱導体として機能することができる。摩耗した、あるいは汚染物が彫られたパワーモジュールクロスオーバーシール接合面が、全ハウジングの交換を必要とせずに容易に交換されることを可能にすることによって、スリーブ804は、改善された保守容易性を提供する。
【0047】
ハウジング802及びスリーブ804の使用は、パワーモジュールクロスオーバーシール300と直接接触しない材料(つまりハウジング802)が、シール300からの摩耗を受けないことから、軽量で良好な熱導電材料から作られることを可能にする。さらに、スリーブ804の使用は、摩耗に耐えるために、パワーモジュールのクロスオーバーシール300に接触する表面が、より重い、より強い、より長い摩耗性、及びより低い摩擦係数の材料から作られることを可能にする。それが故に、スリーブ804は、クロスオーバーシール300に関する据え付け(seating-in)、密閉、及び摩耗面を提供するため、クロスオーバーシール300を通してパワーモジュール12と直接的に相互作用(interfaces)する。スリーブ804は、また、パワーモジュール12におけるピストン用の、外側のほとんどの室滑り面領域を形成する。
【0048】
スリーブ804の使用は、ハウジング入口810及びハウジング出口812を通る流路の横断面積における変化を、スリーブを変更することによって可能にする。例えば、ハウジング入口810よりも小さい断面形状を有する取入れ口824は、ハウジング入口810を通る流路を取入れ口824の断面サイズ及び/又は形状に、取入れ口824が減じることを可能にする。そのため、ポート823、824、826は、燃焼室へ及び燃焼室の外へ流路を変更することができる。流路の横断面積の変更は、バルブサイズの変更に似ており、これは、持続期(duration)の及び最終の室チャージ(chamber charge)及び/又は室ディスチャージ(chamber discharge)に影響する。このような変更は、リフトに影響するカムローブ高さ及びリフト速度に影響するカムローブ立上がり角度に類似しており、これは、エンジンにおける持続期及び流量に影響する。一つの実施形態において、ポート「幅」は、スリーブ軸に平行な最大寸法として定義され、ポート「長さ」は、スリーブ軸に垂直でスリーブの内面円周に沿った最大寸法として定義される。この実施形態では、「幅」はリフト速度と同種であり、「長さ」は持続期と同種である。クロスオーバーシール300と平行な側方を有する正方形のポート形状は、即時(immediate)の高流量を与えるだろう。これは、非常に大きなリフト速度を模擬し、長い持続期を有するだろう。クロスオーバーシール300に垂直あるいは平行な対角線を有する四角形のポート形状(例えば菱形)は、高流量へ直線的な漸増を与えるだろう。これは、わずかなリフト速度を模擬し、非常に長い持続期を有するだろう。
図24に示すように、配向された長方形、円形、配向された楕円形、配向された三角形、及び事実上任意の形のポート断面形状が、与えられたパワーモジュールRPMのための種々のエンジン流量及びチャージ/ディスチャージされる燃焼室体積のために、実施可能である。
【0049】
一つの実施形態において、スリーブ804は、ハウジング入口810及びハウジング出口812を通る流路の入口角度あるいは出口角度を、スリーブ変更によって変更可能である。それにより、スリーブ取入れ口824及びスリーブ排出口826の中心線と非連続であるハウジング入口810及び/又はハウジング出口812を有することは、ピストンヘッド402の位置に対するハウジング入口810及びハウジング出口812を通る流路角度に影響する。そのため、ハウジング入口810及びハウジング出口812の各流路中心線は、スリーブ804の使用によって互いに近づくあるいは離れることができ、それによって、ハウジング入口810及びハウジング出口812の両方が両方とも同じ室に開いている重複あるいは時間を制御する。
【0050】
別の実施形態では、スリーブ804は、ハウジング入口810及びハウジング出口812を通る流路を、スリーブ変更によって、軸を下に曲げた(neck-down)あるいは広げた(open-up)形状に変更可能である。スリーブ804の外面からスリーブ804の内面へ横断面積において下へ曲がり進む、ハウジング入口810及び/又はハウジング出口812を通る流れは、スリーブ入口824によってガス速度流れを増加し、スリーブ出口826によって速度を減じるだろう。あるいはまた、スリーブ804の外面からスリーブ804の内面へ進む横断面積において広げられる(spread out)、ハウジング入口810及び/又はハウジング出口812を通る流れは、スリーブ入口824によってガス速度流れを減じ、スリーブ出口826によって速度流れを増すだろう。このような実施形態は、パワーモジュール回転の度合いにおいて、通過する室(passing chamber)がハウジング入口810が開くのを見る、あるいはハウジング出口812が開くのを見る持続期もしくは時間を制御することを支援する。したがって、スリーブは、持続期に影響するように構成することができ、これは、エンジンのトルク及びエンジンの馬力に強い影響を与えるチャージ及び/又はディスチャージに順番に影響を与えることができる。
【0051】
別の実施形態において、スリーブ804は、中心線位置に関するハウジング入口810及びハウジング出口812を、よってタイミングを、アセンブリ804の取入れ口824及び排出口826の周方向位置によって変更可能にする。室のクロスオーバーシールのタンジェントラインの後縁がスリーブの内面における排出口826の後縁に関連があり、かつ、室のクロスオーバーシールのタンジェントラインの先端がスリーブの内面における取入れ口824の先端に関連がある場所は、取入れ口824及び排出口826がどれくらい長く互いに室へ開いているかに影響する。よって、取入れ口824における進入は、排出口の排出の押し出しを援助することができ、排出口の排出は、吸気の進入を引き込むことを援助することができる。
【0052】
さらに別の実施形態において、スリーブ804は、直噴用のインジェクターポート814の位置を、スリーブの変更によって、ピストンアセンブリ下死点(BDC)に対して変更することができる。そのため、スリーブ804は、ハウジング800において単にスリーブ804を変更することによって、燃料タイミングに影響することができ及び/又は燃料タイミングを変更することができる。同様に、スリーブ804は、点火プラグポート814の位置を、スリーブの変更によって、ピストンアセンブリ上死点(TDC)に対して変更することができる。そのため、スリーブ804は、典型的な点火タイミングに影響することができ及び/又は点火タイミングを変更することができる。さらに、ポートの変化は、また、特別な燃料タイプの要求にしたがいエンジン10を作動可能にするスリーブ804を利用することによって、異なる燃料タイプにおいてエンジン10の駆動を可能にする。
【0053】
図22に戻って参照し、第1カバープレート806及び第2カバープレート807は、エンジン10を囲み密閉するために使用される。例示的な実施形態において、それぞれのカバープレート806、807は、外面830及び内面832を含む。一つの実施形態では、プレート806は、その内面(図示せず)からの円形の突出部を含み、その外径は、スリーブ穴の内径に添う。スリーブ804の外径は、ハウジング802の内径に位置するだろう。これらの中心線を整列させる特徴は、エンドプレート806がボルトか同様の締結装置によってハウジング802に固定される前に、最適に中心に置かれたパワーモジュール12をスリーブ804に保持するだろう。
【0054】
一つの実施形態において、エンドプレート806は、中心歯車アセンブリ840を含む。別の実施形態では、両方のエンドプレート806、807は、中心歯車アセンブリ840を含む。中心歯車アセンブリ840は、外面830に置かれた中心歯車ロック844に連結する内面832に置かれた中心歯車842を含む。組み立てられたとき、中心歯車842は、ピストンアセンブリ22のピストンヘッド402の往復運動に応じてあるいは反応してピストンアセンブリ22及びパワーモジュール12の回転を可能にするため、遊星の態様において、ピストンアセンブリ22の
図20に示す平歯車736と結合する。中心歯車ロック844は、中心歯車842の回転を防ぐためにそこに据え付けられたボルトを有する長方形(図示せず)の穴846を含む。ロック844を解放することによって中心歯車842は回転可能である。中心歯車842を回転することは、回転サイクル対ポート位置によってピストン位置に順番に影響可能であるパワーモジュール12の回転を可能にする。回転サイクルによりピストン位置を変更することは、また、エンジン10の出力曲線対RPMに影響を与えることができる。一つの実施形態において、エンジン10の出力曲線対RPMは、ロック844を解放すること、及び、所望の及び/又は既定の位置に中心歯車842を回転することによって、エンジン10を開けることなく変更することができる。
【0055】
図25は、
図22に示されるスリーブ804と共に使用することができる代わりのハウジング850の斜視図である。ハウジング850は、第2ユニット854に連結される第1ユニット852を含む。例示的な実施形態では、ハウジング850は、ハウジングにて使用されてもよいスリーブ804を取り外し及び/又は交換するための単純化された方法を提供するために分離するように構成される。
図26は、ポンプに使用することができるハウジング860の斜視図である。
【0056】
回転式の内燃機関の例示的な実施形態は上に詳細に記述されている。方法及びシステムは、ここに記述された特定の実施形態に制限されないが、むしろ、システムの部品及び/又は方法のステップは、ここに記述された他の部品及び/又はステップから独立して別々に利用されてもよい。例えば、方法は、また、他のタイプのシステム及び方法と組み合わせて使用されてもよく、ここに記述されるようなエンジンシステム及び方法だけで実行することに制限されない。むしろ、例示的な実施形態は、他の多くのコンプレッサー及びポンプの応用に関して実施され利用されることができる。実施形態は、内燃機関を含むように記述されているが、ここに記述されたエンジンは、機械的な回転運動を圧力あるいは真空に変換する、作業用に使用可能である空気圧縮機あるいは油圧ポンプとして機能することができることに注目されるべきである。
【0057】
開示の様々な実施形態の特別な特徴は、いくつかの図面において示され、他のものにおいては示されていないけれども、これは便宜上のみである。開示の原理に従い、図面のいずれの特徴も、他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照され及び/又はクレームされてもよい。
【0058】
この書かれた記述は、ベストモードを含む開示において例示を使用しており、また当業者は、任意の装置あるいはシステムを製作し使用すること、及び任意の編入された方法を実行することを含めて開示を実施することができる。開示の特許可能な範囲は、請求範囲によって定義され、当業者に生じる他の例を含んでいるかもしれない。そのような他の例は、それらが請求範囲の文字どおりの言語と異ならない構造的要素を有する場合、あるいはそれらが請求範囲の文字どおりの言語と実質的に差異がない等価の構造的要素を有する場合には、請求範囲内にあるように意図される。