(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6448613
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】モーションプラットフォーム構成
(51)【国際特許分類】
G09B 9/02 20060101AFI20181220BHJP
F16H 23/04 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
G09B9/02
F16H23/04
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-501658(P2016-501658)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-512899(P2016-512899A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014024854
(87)【国際公開番号】WO2014151056
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年3月9日
(31)【優先権主張番号】61/799,146
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513283682
【氏名又は名称】オーシャニアリング インターナショナル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】シワック,ステファン アラン
【審査官】
大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0059668(US,A1)
【文献】
国際公開第93/001577(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0048446(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/155120(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0177873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00−19/00
A63H 17/00−33/00
F16D 1/00−71/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
モーションプラットフォームと、
前記基部と前記モーションプラットフォームとの間に配置され、前記基部と前記モーションプラットフォームとに接続されたピボット継手と、
複数の能動素子であって、前記複数の能動素子の各々が、対応する第1の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における前記基部との間に配置され、対応する第1の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における前記基部とに接続され、前記複数の能動素子の各々が、その対応する第1の接続点において前記モーションプラットフォームに対して力を及ぼすことができる、複数の能動素子と、
複数の変換器であって、前記複数の変換器の各々が、対応する第3の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における前記基部との間に配置され、対応する第3の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における前記基部とに接続され、前記複数の変換器の各々が、
前記複数の変換器の各々の前記第3および第4の接続点が、前記複数の能動素子のうちの前記対応する1つの前記第1および第2の接続点と、前記ピボット継手に関連したピボット点と、幾何学的平面内に位置し、
前記複数の変換器の各々に関連した出力信号が、前記複数の能動素子のうちの対応する1つの能動素子における、第1の接続点と第2の接続点との間の長さに比例したままであるように、
前記複数の能動素子のうちの対応する1つと、前記ピボット継手とに位置合わせされる、複数の変換器とを備える、装置。
【請求項2】
前記複数の変換器のうちの少なくとも1つが、前記ピボット継手と、前記複数の能動素子のうちの対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の変換器の各々が、前記ピボット継手と、前記複数の能動素子のうちの前記対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の能動素子の各々が、前記ピボット継手と、前記複数の変換器のうちの前記対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ピボット継手が、前記複数の能動素子のうちの少なくとも1つと、前記複数の変換器のうちの対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の能動素子のうちの1つまたは複数によって前記モーションプラットフォームに対して及ぼされた前記力により、前記モーションプラットフォームが、前記ピボット継手によって、前記ピボット継手に関連したロール軸とピッチ軸とのうちの少なくとも一方を中心に回転する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の変換器のうちの少なくとも1つから出力信号を受け取り、それから前記モーションプラットフォームの向きを決定することができるマイクロプロセッサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の変換器のうちの少なくとも1つから出力信号を受け取り、それから前記対応する能動素子の長さを決定し、前記対応する能動素子がその動作限界内にあるかどうかを決定することができるマイクロプロセッサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
基部と、
モーションプラットフォームと、
前記基部と前記モーションプラットフォームとの間に配置され、前記基部と前記モーションプラットフォームとに接続された自在継手と、
複数の線形アクチュエータであって、前記複数の線形アクチュエータの各々が、対応する第1の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における前記基部との間に配置され、対応する第1の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における前記基部とに接続され、前記複数の線形アクチュエータの各々が、その対応する第1の接続点において前記モーションプラットフォームに対して力を及ぼすことができる、複数の線形アクチュエータと、
複数の受動変換器であって、前記複数の受動変換器の各々が、対応する第3の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における前記基部との間に配置され、対応する第3の接続点における前記モーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における前記基部とに接続され、前記複数の受動変換器の各々が、
前記複数の受動変換器の各々の前記第3および第4の接続点が、前記複数の線形アクチュエータのうちの前記対応する1つの前記第1および第2の接続点と、前記自在継手に関連したピボット点と、幾何学的平面内に位置し、
前記複数の受動変換器の各々に関連した出力信号が、前記複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つの線形アクチュエータにおける、第1の接続点と第2の接続点との間の長さに比例したままであるように、
前記複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つと、前記自在継手とに位置合わせされる、複数の受動変換器とを備える、モーションプラットフォームシステム。
【請求項10】
前記複数の受動変換器のうちの少なくとも1つが、前記自在継手と、前記複数の線形アクチュエータのうちの前記対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の受動変換器の各々が、前記自在継手と、前記複数の線形アクチュエータのうちの前記対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の線形アクチュエータの各々が、前記自在継手と、前記複数の受動変換器のうちの前記対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記自在継手が、前記複数の線形アクチュエータのうちの少なくとも1つと、前記複数の受動変換器のうちの前記対応する1つとの間で位置合わせされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の線形アクチュエータのうちの1つまたは複数によって前記モーションプラットフォームに対して及ぼされた前記力により、前記モーションプラットフォームを、前記自在継手によって、前記自在継手に関連したロール軸とピッチ軸とのうちの少なくとも一方を中心に回転させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の受動変換器のうちの少なくとも1つから出力信号を受け取り、それから前記モーションプラットフォームの向きを決定することができるマイクロプロセッサをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の受動変換器のうちの少なくとも1つから出力信号を受け取り、それから前記対応する線形アクチュエータの長さを決定し、前記対応する線形アクチュエータがその動作限界内にあるかどうかを決定することができる、マイクロプロセッサをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記線形アクチュエータの各々が、空気圧、油圧、電磁、および電気機械線形アクチュエータからなるアクチュエータの群から選択される、請求項9に記載のシステム。
【請求項18】
請求項9に記載のモーションプラットフォームシステムを備えるダークライド車両。
【請求項19】
前記線形アクチュエータの各々が、空気圧、油圧、電磁、および電気機械線形アクチュエータからなるアクチュエータの群から選択される、請求項18に記載のダークライド車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/799,146号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、プラットフォームモーションを誘導するために能動素子、例えば、線形アクチュエータを採用するモーションプラットフォームに関する。より詳しくは、本発明は、モーションプラットフォームの向きおよび/または位置を制御する目的の、および能動素子が動作限界を超えて延びるまたは後退することを防止する目的の、ならびに、次いで、モーションプラットフォームおよび任意の負荷をモーションプラットフォームによって運ばれることから保護する目的の変換器(例えば、受動変換器)の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
モーションプラットフォームは、多種多様な適用例に使用される。例えば、モーションプラットフォームは、訓練目的ならびに娯楽目的で車両シミュレータ(例えば、航空機シミュレータ)に使用することができる。米国特許出願公開第2006/0222539号に説明されているように、モーションプラットフォームは、この公開の
図1に示されるように、モーションプラットフォームの下に配置された1つまたは複数のアクチュエータの動作によってその1つまたは複数の軸を中心に移動させることができる。また、この公開に説明されるように、モーションプラットフォームの位置または向きを決定するために変換器を採用することができる。
【0004】
米国特許出願公開第2006/0222539号における各変換器は、アクチュエータに直接隣接して配置される。次いで、マイクロプロセッサが、変換器からの信号を受け取り、復号し、それに基づいて、モーションプラットフォームの位置または向きを計算する。次いで、計算は、制御信号をアクチュエータに帰還させて、モーションプラットフォームの位置または向きをさらに制御および/または補正するのに使用することができる。
【0005】
各変換器は、対応するアクチュエータに移動の終了(EOT)保護を提供するために採用することもできる。したがって、各変換器は、より具体的には、アクチュエータがその意図された範囲の外側に延びるまたは後退する程度およびアクチュエータがその意図された範囲の外側で動作するのを防止する程度を決定するために、対応するアクチュエータの個別位置感知を提供する。
【0006】
特に、高速の適用例において、マイクロプロセッサは変換器から出力信号を受け取り、前述の計算を迅速におよび正確に行わなければならない。この能力は、少なくとも一部、計算の複雑性による。米国特許出願公開第2006/0222539号において、各変換器からの出力信号が対応するアクチュエータの状態に連続的に比例せず、加えて、各アクチュエータの出力がクロスカップリング効果により両方の変換器の出力信号に影響するので、計算は極めて複雑であり得る。次に、マイクロプロセッサは、この比例の欠如およびクロスカップリング効果について答えを見出さなければならず、それは、結果として、時間のかかる、込み入った計算プロセスになり得る。
【0007】
上述のように、モーションプラットフォームが採用される多種多様な適用例がある。車両シミュレータはほんの一例に過ぎない。別の例は、世界中の多くの遊園地および/またはテーマパークにおいて使用されているダークライド車両などの娯楽用乗り物である。ダークライド車両の例は、例えば、参照によりその全体の内容が本明細書に組み込まれている、「AMUSEMENT RIDE VEHICLE WITH PNEUMATICALLY ACTUATED CABIN AND MOTION BASE」という名称の米国特許第7,094,157号に記載され、特許請求されている。他の例示的なダークライド車両は、参照によりその全体の内容がやはり本明細書に組み込まれている、「TRACKLESS DARK RIDE VEHICLE,SYSTEM,AND METHOD」という名称の係属中の米国特許出願第13/470,244号に記載され、特許請求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、前述の計算がより複雑でないモーションプラットフォーム構成が必要とされる。これは、特に高速モーションプラットフォームの適用例に、より優れた支援を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、従来技術に比較して改善されたモーションプラットフォーム構成を提供する点において、従来技術に関連した欠陥を取り除くものである。この改善されたモーションプラットフォーム構成は、変換器からの出力信号に基づく、前述の計算が、従来技術に比較して簡略化されるように、複数の能動素子(例えば、線形アクチュエータ)と対応する変換器(例えば、受動変換器)とを含む構成部品の特定の位置合わせを含む。本明細書に説明する改善されたモーションプラットフォーム構成は、少なくとも高速モーションプラットフォームの適用例に、より優れた支援を提供する。
【0010】
本発明の改善されたモーションプラットフォーム構成に関連した1つの利点は、モーションプラットフォームの位置および/または向きの答えを見出すのに必要な計算が、より正確におよび効率的に達成されることである。
【0011】
本発明に関連した別の利点は、改善されたモーションプラットフォーム構成が高速モーションプラットフォームの適用例に、より優れた支援を提供することである。
【0012】
本発明の一態様によれば、前述のおよび他の利点は、基部と、モーションプラットフォームと、基部とモーションプラットフォームとの間に配置され、基部とモーションプラットフォームとに接続されたピボット継手と、複数の能動素子と、複数の変換器とを含むいくつかの構成部品を備えた装置によって実現される。複数の能動素子の各々は、対応する第1の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における基部との間に配置され、対応する第1の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における基部とに接続される。さらに、複数の能動素子の各々は、その対応する第1の接続点においてモーションプラットフォームに対して力を及ぼすことができる。複数の変換器の各々は、対応する第3の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における基部との間に配置され、対応する第3の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における基部とに接続される。さらに、複数の変換器の各々は、複数の能動素子のうちの対応する1つとピボット継手とに位置合わせされる。したがって、複数の変換器の各々の第3および第4の接続点は
、複数の能動素子のうちの対応する1つの第1および第2の接続点
と、ピボット継手に関連したピボット
点と、幾何学的平面内に位置し、複数の変換器の各々に関連した出力信号は、
複数の能動素子のうちの対応する1つの能動素子における、第1の接続点と第2の接続点との間
の長さに比例したままである。
【0013】
本発明の別の態様によれば、前述のおよび他の利点は、基部と、モーションプラットフォームと、基部とモーションプラットフォームとの間に配置され、基部とモーションプラットフォームとに接続された自在継手と、複数の線形アクチュエータと、複数の受動変換器とを備えるモーションプラットフォームシステムによって実現される。複数の線形アクチュエータの各々は、対応する第1の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における基部との間に配置され、対応する第1の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における基部とに接続される。さらに、複数の線形アクチュエータの各々は、その対応する第1の接続点においてモーションプラットフォームに対して力を及ぼすことができる。複数の受動変換器の各々は、対応する第3の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における基部との間に配置され、対応する第3の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における基部とに接続される。さらに、複数の受動変換器の各々は、複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つと、自在継手とに位置合わせされる。したがって、複数の受動変換器の各々の第3および第4の接続点は
、複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つの第1および第2の接続点
と、自在継手に関連したピボット
点と、幾何学的平面内に位置し、複数の受動変換器の各々に関連した出力信号は、
複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つの線形アクチュエータにおける、第1の接続点と第2の接続点との間
の長さに比例したままである。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、前述のおよび他の利点は、基部と、モーションプラットフォームと、基部とモーションプラットフォームとの間に配置され、基部とモーションプラットフォームとに接続された自在継手と、複数の線形アクチュエータと、複数の受動変換器とを備えたモーションプラットフォームシステムを備えるダークライド車両によって実現される。複数の線形アクチュエータの各々は、対応する第1の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における基部との間に配置され、対応する第1の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第2の接続点における基部とに接続される。さらに、複数の線形アクチュエータの各々は、その対応する第1の接続点においてモーションプラットフォームに対して力を及ぼすことができる。複数の受動変換器の各々は、対応する第3の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における基部との間に配置され、対応する第3の接続点におけるモーションプラットフォームと、対応する第4の接続点における基部とに接続される。さらに、複数の受動変換器の各々は、複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つと、自在継手とに位置合わせされる。したがって、複数の受動変換器の各々の第3および第4の接続点は
、複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つの第1および第2の接続点
と、自在継手に関連したピボット
点と、幾何学的平面内に位置し、複数の受動変換器の各々に関連した出力信号は、
複数の線形アクチュエータのうちの対応する1つの線形アクチュエータにおける、第1の接続点と第2の接続点との間
の長さに比例したままである。
【0015】
本発明の説明を促進するためにいくつかの図が本明細書に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】基部とモーションプラットフォームとに動作可能なように結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置された例示的な自在継手(u継手)を示す図である。
【
図2A】能動素子とu継手とを示し、両方とも基部とモーションプラットフォームとに結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置される図である。
【
図2B】能動素子とu継手とを示し、両方とも基部とモーションプラットフォームとに結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置される図である。
【
図3】能動素子と、u継手と、変換器とを示し、それらのすべてが基部とモーションプラットフォームとに結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置される図である。
【
図4】
図3の能動素子と、u継手と、変換器との相対的位置関係を示す図である。
【
図6】第1の能動素子、変換器の対と、第2の能動素子、変換器の対と、u継手との相対的位置関係を示し、それらのすべてが基部とモーションプラットフォームとに動作可能なように結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置されるトップダウン図(top−down view)である。
【
図7】
図6の第1の能動素子、変換器の対と、第2の能動素子、変換器の対と、u継手との相対的位置関係を示し、それらのすべてが基部とモーションプラットフォームとに動作可能なように結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置される斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は両方とも例示的であることを理解されたい。本明細書の説明は、本発明の範囲を限定することが意図されていない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって支配される。
【0018】
図1は、基部とモーションプラットフォームとに動作可能なように結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置された例示的なピボット継手(例えば、u継手)を示す。図示するように、モーションプラットフォーム100は、基部105に対して相対的に移動することができる。これは、一部、u継手110によって実現され、その一端は基部105の頂部に接続され、その第2の端はモーションプラットフォーム100の底部に接続される。本発明の例示的な実施形態によれば、u継手110により、モーションプラットフォーム100はロール軸「x」とピッチ軸「z」とを中心に少なくとも回転することが可能になり、その場合、ピッチ軸「z」は
図1に対して垂直である。u継手は当技術分野ではよく知られている。
【0019】
図2Aおよび2Bは、例示的な能動素子とu継手とを示し、その場合、両方とも基部とモーションプラットフォームとに結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置される。モーションプラットフォーム100を移動させる、すなわち、ロール軸「x」および/またはピッチ軸「z」を中心に回転させるために、モーションプラットフォーム100に力を加えなければならない。本発明の例示的な実施形態によれば、この力は、複数の能動素子215によって供給される。説明を容易にするために、
図2は側面図であり、したがって、前記複数の能動素子215のうちの1つだけが見える。複数の能動素子215の各々は、図示するように、u継手110から所望の距離「d」だけ離隔される。複数の能動素子215を以下により詳細に示し説明する。
【0020】
複数の能動素子215の各々は、線形アクチュエータ、例えば、ただし、限定はされないが、空気圧もしくは油圧ピストン/シリンダタイプのアクチュエータ、または電磁もしくは電気機械アクチュエータであり得る。それらは、結果として出力となり、次いで、別の構成部品に対して直接作用することになる入力を受け取るので、本明細書では「能動」素子と呼ばれる。空気圧または油圧ピストン/シリンダタイプのアクチュエータの場合、入力は、典型的には、それぞれ、加圧空気または油圧油にピストン棒をシリンダ中にまたはシリンダから外へ駆動させ、それによって、アクチュエータの全長を低減するまたは増大させる電気信号である。ピストン棒がシリンダ中に駆動されているとき、出力は、モーションプラットフォーム100を基部105の方に引っ張る作用をする力である(
図2A)。ピストン棒がシリンダから外に駆動されているとき、出力は、モーションプラットフォーム100を基部105から離れるように押す作用をする力である(
図2B)。当業者は容易に理解するように、複数の能動素子215の各々によってモーションプラットフォーム100に対して組み合わされた力が作用することにより、モーションプラットフォーム100は、u継手110によってロール軸「z」および/またはピッチ軸「z」を中心に対応する角距離だけ回転する。空気圧および油圧ピストン/シリンダタイプならびに電磁および電気機械タイプの線形アクチュエータを含む、線形アクチュエータは、それ自体としては、当技術分野においてよく知られている。
【0021】
図3は、例示的な能動素子と、u継手と、変換器とを示し、それらのすべては基部とモーションプラットフォームとに結合され、基部とモーションプラットフォームとの間に配置される。本発明の例示的な実施形態によれば、複数の変換器320(例えば、受動変換器)の各々は、u継手110と、複数の能動素子(例えば、線形アクチュエータ)のうちの対応する1つとに位置合わせされる。
図3も側面図であり、したがって、複数の能動素子215のうちの1つだけおよび複数の変換器320のうちの1つだけを示す。
【0022】
図3は、(能動素子と、モーションプラットフォームと、基部との間の)接続点A、Bおよび(変換器と、モーションプラットフォームと、基部との間の)接続点C、Dがu継手110のピボット
点Eが含まれるのと同じ幾何学的平面に含まれるように、複数の変換器320の各々の1つがu継手110と複数の能動素子215のうちの対応する1つとに位置合わせされることも示す。本発明によれば、各能動素子215と、その対応する変換器320と、u継手110のピボット
点Eとのこの特定の位置合わせは、非常に重要であり、顕著な利益を提供する。
【0023】
上記の位置合わせ構成が重要である理由は、モーションプラットフォーム100がどのように移動しようとも、すなわち、ロール軸「x」および/またはピッチ軸「z」を中心に回転しようとも、各変換器320の状態は、対応する能動素子215の状態に比例したままであることである。能動素子215が空気圧または油圧線形ピストン/シリンダタイプのアクチュエータである場合、対応する変換器320の出力に比較して各アクチュエータのシリンダ内のピストン棒の位置は比例したままである。これは、次に、計算がモーションプラットフォーム100の位置および/または向きを制御するために、または能動素子215をそれらの動作範囲を超えることから保護するために、帰還信号を提供するのに使用されるかどうかにかかわらず、各変換器320の出力に基づく任意の計算が顕著に簡略化されるので、重要である。上述のように、この計算を簡略化することは、車両シミュレータやテーマパークアトラクションなど、高速の適用例において特に重要である。
【0024】
図4は、
図3のトップダウン図であり、本発明の例示的な実施形態による、能動素子と、対応する受動変換器と、u継手との相対的位置関係をさらに示す。前述のように、上述の接続点A、B,CおよびDならびにu継手110のピボット
点Eはすべて同じ幾何学的平面に含まれる。したがって、
図4のトップダウン図に示すように、各能動素子215、その対応する変換器320、およびu継手110は、外見上、線Lに沿って線形構成で配列される。
【0025】
好ましい実施形態においては、変換器320の各々は、
図3および
図4に示すように、対応する能動素子215とu継手110との間に配置される。本実施形態における各変換器320の具体的な位置は、モーションプラットフォーム100に関連した他の構成部品のサイズ、費用および位置などの要因によることがある。
【0026】
しかし、代替実施形態が可能である。一代替実施形態においては、複数の能動素子215の各々は、前述の接続点A、B、CおよびDがu継手110のピボット
点Eと同じ幾何学的平面内にある限り、対応する変換器320とu継手との間に配置される。第2の代替実施形態においては、u継手110のピボット
点Eは、前述の接続点A、B、CおよびDがu継手110のピボット
点Eと同じ幾何学的平面内にある限り、複数の能動素子215の各々とその対応する変換器320との間に配置される。第3の代替実施形態においては、複数の能動素子215の各々と、その対応する変換器320およびu継手との相対的位置関係は、前述の接続点A、B、CおよびDがu継手110のピボット
点Eと同じ幾何学的平面内にある限り、変動し得る。第3の代替実施形態によれば、1つの変換器の出力に基づく計算は、2つの変換器が対応する能動素子に対して相対的に異なる位置を有することにより、別の変換器の出力に基づく計算とは異なり得る。それにもかかわらず、前述の接続点A、B、CおよびDがu継手110のピボット
点Eと同じ幾何学的平面内にある限り、計算は簡略化される。
【0027】
図5は、複数の変換器320のうちの例示的な1つを示す。図示するように、例示的な変換器320は、磁気素子525とセンサ530の対とを備える。磁気素子525は、上記のように、変換器320が接続されるモーションプラットフォーム100の動きにより前後に移動するピストン535によってセンサ530の間を前後に移動することができる。
【0028】
センサ530の各々は、磁気素子525がセンサのごく近傍にあるとき、磁気素子525によって発生された磁界を検知することができる。各センサ530は、磁界が検知されたとき、または磁界の大きさが所定の閾値を超えたとき、電気信号(例えば、電圧または電流)を出力することもできる。したがって、磁気素子525が上部センサのごく近傍にあるとき、上部センサは電気出力信号を生成する。逆に、磁界素子525が下部センサのごく近傍にあるとき、下部センサは電気出力信号を生成する。磁気素子525の位置が対応する能動素子215の長さの関数であるので、変換器320は、一方のセンサによって生成された電気出力信号が、対応する能動素子215の長さがその動作範囲の一端(例えば、最大拡張)にある、または近づいていることを示すことができるように、較正することができ、他方のセンサによって生成された電気出力信号は、能動素子215の長さがその動作範囲の他端(例えば、最大後退)にある、または近づいていることを示すことができる。
【0029】
各受動変換器320の主要機能が、対応する能動素子215がその動作範囲を超えることを防止することにある場合、上記のように、
図5に示す受動変換器320は適当である。受動変換器320の主要機能が、モーションプラットフォーム100に位置および/または向きの帰還制御を提供することにある場合、限定はされないが、線形電位差計、線形光学(増分値または絶対値)、線形/回転(増分値または絶対値)、磁気制限(絶対値)、超音波(絶対値)、磁気符号化(増分値または絶対値)、レーザ干渉計(絶対値)、容量絶対値、誘導絶対値、および渦電流タイプの変換器など、他のタイプの受動変換器が好まれ得る。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、変換器320は受動素子である。したがって、変換器320は、本明細書では以下において、受動変換器と呼ばれる。変換器320は、能動素子215がするように、入力信号を受け取らず、能動素子215がするように、モーションプラットフォーム100に対していかなる力も及ぼすことに関与しないので、受動的である。
図5に示す受動変換器などの受動変換器は、一般に、当技術分野ではよく知られている。しかし、動作するのに電力を必要とする一部の変換器が上記の受動変換器の代替として採用され得るので、本発明の範囲は受動変換器の使用に限定されないことは理解されよう。
【0031】
図6は、第1の能動素子、受動変換器の対(以下、「第1の対635」)と、第2の能動素子、受動変換器の対(以下、「第2の対640」)と、u継手110との相対的位置関係を示し、それらのすべてが基部とモーションとに動作可能なように結合され、基部とモーションとの間に配置されるトップダウン図である。
図7は
図6に示す第1の対635と、第2の対640と、u継手100との斜視図である。
図6および7は、能動素子および受動変換器の数の観点から本発明の好ましい実施形態を示す。言い換えれば、好ましい実施形態には2つの能動素子、受動変換器の対がある、しかし、本発明の範囲はそれに限定されない。
【0032】
図に示すように、複数の能動素子215の各々は、第1の対635および第2の対640の各々が
図6に示すように、トップダウン図におけるu継手110と線形構成で位置合わせするように、複数の受動変換器320のうちの対応する1つと、u継手110とに位置合わせされる。各対635および640は、線形構成でu継手110と位置合わせしなければならないので、第1の対635を通る線Lは、第2の対640を通る線L’との角度θによって分離される。
【0033】
図6および7において、モーションプラットフォーム100の形状は、円形であるものとして示す。しかし、本発明は、いかなる特定のモーションプラットフォームの形状にも限定されない。第1の対635の能動素子および第2の対640の能動素子が同じ量だけ延びる(すなわち、長さが増大する)とき、モーションプラットフォーム100は、ピッチ軸「z」を中心に回転する。第1の対635の能動素子および第2の対640の能動素子が、正反対に延びるまたは後退する(すなわち、同じ量だけ一方が延び、他方が後退する)とき、モーションプラットフォーム100は、ロール軸「x」を中心に純粋に回転することになる。第1の対635の能動素子または第2の対640の能動素子が、他方が延びないまたは後退しない間、延びるまたは後退するとき、モーションプラットフォーム100は、ロール軸「x」を中心に部分的に回転し、ピッチ軸「z」を中心に部分的に回転することになる。ともかく、上記に詳細に説明したように、複数の能動素子215の各々と複数の受動変換器のうちの対応する1つおよびu継手110との位置合わせのため、各能動素子の状態はその対応する受動変換器の状態に比較して比例したままである。また、前に説明したように、これは受動変換器の出力に基づく計算を簡略化し、次いで、それは、能動素子およびモーションプラットフォームの動きを制御するために帰還信号を生成するのに使用され、または能動素子をそれらの意図された範囲の外側で動作することから保護するのに使用され得る。
【符号の説明】
【0034】
100 モーションプラットフォーム
105 基部
110 u継手
215 能動素子
320 変換器
525 磁気素子
530 センサ
635 第1の対(第1の能動素子、受動変換器の対)
640 第2の対(第2の能動素子、受動変換器の対)
A、B、C、D 接続点
E ピボット軸
L 線
x ロール軸
z ピッチ軸