(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金銭の支払主体が複数の個人に対して支払うべき金銭が一括して預け入れられるマネープールであって、複数の支払主体に対応する複数のマネープールを管理するマネープール管理部と、
前記複数の支払主体の装置からの要求に応じて、要求元の支払主体の識別情報と、金銭の支払先の識別情報と、支払金額とを定めた支払情報を記憶する支払情報記憶部と、
個人により操作される第1の外部端末から、有効なワンタイムパスワードが入力された場合に、そのワンタイムパスワードにより特定される支払金額を前記マネープールから引き落とし、その支払金額を前記第1の外部端末から出金させる金銭支払部と、
ワンタイムパスワード記憶部と、
ワンタイムパスワード通知部と、
を備え、
前記支払情報記憶部は、前記金銭の支払先の識別情報として、金銭の支払先となる個人が所持する第2の外部端末で生成されたユニークなIDであって、金銭の支払主体へ個人が通知したIDである受取IDを記憶し、
前記ワンタイムパスワード記憶部は、暗号化された受取IDを前記第2の外部端末から受け付けた場合に、予め定められた前記第2の外部端末の鍵により復号された受取IDと、新たに生成されたワンタイムパスワードとを対応付けて記憶し、
前記ワンタイムパスワード通知部は、前記ワンタイムパスワードを前記第2の外部端末へ通知し、
前記金銭支払部は、前記ワンタイムパスワードが有効期間内に前記第1の外部端末から入力された場合に、入力されたワンタイムパスワードに対応付けて記憶された受取IDを特定し、その受取IDを定めた複数の支払情報であって、異なる支払主体を定めた複数の支払情報が前記支払情報記憶部に記憶されている場合、各支払情報が定める支払主体のマネープールから各支払情報が定める支払金額を引き落とし、各支払情報が定める支払金額の合計額を前記第1の外部端末から出金させることを特徴とする情報処理装置。
金銭の支払主体が複数の個人に対して支払うべき金銭が一括して預け入れられるマネープールであって、複数の支払主体に対応する複数のマネープールを管理するステップと、
前記複数の支払主体の装置からの要求に応じて、要求元の支払主体の識別情報と、金銭の支払先の識別情報と、支払金額とを定めた支払情報を記憶するステップと、
個人により操作される第1の外部端末から、有効なワンタイムパスワードが入力された場合に、そのワンタイムパスワードにより特定される支払金額を前記マネープールから引き落とし、その支払金額を前記第1の外部端末から出金させる金銭支払ステップと、
をコンピュータが実行し、
前記記憶するステップでは、前記金銭の支払先の識別情報として、金銭の支払先となる個人が所持する第2の外部端末で生成されたユニークなIDであって、金銭の支払主体へ個人が通知したIDである受取IDを記憶し、
前記コンピュータは、
暗号化された受取IDを前記第2の外部端末から受け付けた場合に、予め定められた前記第2の外部端末の鍵により復号された受取IDと、新たに生成されたワンタイムパスワードとを対応付けて記憶するステップと、
前記ワンタイムパスワードを前記第2の外部端末へ通知するステップと、をさらに実行し、
前記金銭支払ステップでは、前記ワンタイムパスワードが有効期間内に前記第1の外部端末から入力された場合に、入力されたワンタイムパスワードに対応付けて記憶された受取IDを特定し、その受取IDを定めた複数の支払情報であって、異なる支払主体を定めた複数の支払情報が予め記憶されている場合、各支払情報が定める支払主体のマネープールから各支払情報が定める支払金額を引き落とし、各支払情報が定める支払金額の合計額を前記第1の外部端末から出金させることを特徴とする情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず概要を説明する。今後企業は、報酬の支払に伴って作成すべき法定調書に、報酬を受け取る個人のマイナンバー(「個人番号」とも言える)を設定する必要があり、そのためにマイナンバーの本人確認を行う必要がある。本人確認は、マイナンバーを提示する個人がその本人であることの確認と、マイナンバーが本人に通知されたマイナンバーと一致することの確認の両方を含む。前者は、マイナンバーを提示する個人の本人性確認・身元確認と言え、後者は、マイナンバーの真正性確認・番号確認と言える。なお、本明細書におけるマイナンバーおよび個人番号は、様々な国や地域における国民識別番号(例えば社会保障番号や国民保険番号等)に置き換えることができる。
【0013】
ところで現在、知的生産力やコンテンツ等を、多数の人々から調達・集約し、事業成果を得ることを目的としたクラウドソーシングが普及しつつある。クラウドソーシングの普及等により、近い将来、企業は、比較的少額の報酬を、従来より多くの個人に、従来より高い頻度で支払うことが考えられる。また報酬支払先の個人は、固定的な従業員とは異なり、都度変化するかもしれない。したがって、多くの個人のマイナンバーの収集や確認等のために企業には多大なコストが発生しうる。
【0014】
第1から第6の実施の形態(以下「第1実施形態」等と呼ぶ。)の情報処理システムはいずれも、企業から個人への金銭の支払に関する業務を支援する。具体的には、ATM(Automatic Teller Machine)等の情報端末を利用して、金銭支払先の個人のマイナンバーの収集と確認、金銭の支払、法定調書の作成を支援するサービスを複数の提携企業へ提供する。法定調書は、金銭支払先の個人のマイナンバーを含む金銭支払に関する事実を記載して公的機関へ提出すべき文書であり、以下では源泉徴収票とする。以下では、各実施形態の情報処理システムを報酬の支払に適用する例を説明するが、報酬に限らず給与の支払等、様々な金銭の支払に適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0015】
各実施形態に特有の特徴は以下の通りである。
第1実施形態:報酬の支払先は報酬の受取人である個人が開設済の口座である。
第2実施形態:企業がゲートウェイ装置に開設したプール口座に報酬の原資が一括して預け入れられ、そのプール口座から各個人へ報酬を支払う。支払対象となる金銭は現実の通貨である。
第3実施形態:企業がゲートウェイ装置に開設したプール口座に報酬の原資が一括して預け入れられ、そのプール口座から各個人へ報酬を支払う。支払対象となる金銭は仮想的な通貨、すなわち電子マネーである。
【0016】
第4実施形態:企業が特定の銀行にプール口座を開設し、そのプール口座に報酬の原資を一括して預け入れる。そして、そのプール口座から各個人へ報酬を支払う。
第5実施形態:企業がゲートウェイ装置に開設したプール口座に報酬の原資が一括して預け入れられ、そのプール口座から各個人へ報酬を支払う。報酬を受け取る個人は、金銭支払主体から複数回に亘って支払われた金銭を一括して受け取ることができる。
第6実施形態:報酬を受け取る個人が所持する情報端末を活用し、金銭受取のセキュリティを向上する。
【0017】
以下の説明において、個人番号カードは、行政機関が個人に対して発行する身分証明書の一つであり、持ち主の氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバー、顔写真などを券面に表示し、またこれらの情報がICチップに記録されたICカードである。また、キャッシュカードもICカードとし、少なくともカード発行機関の識別情報と、カード発行機関がカードの持ち主(典型的には顧客)を識別するための識別情報とが記録されることとする。また、マイナンバーの紐付けとは、企業の情報システムにおいて、顧客(サービスの申込者や利用者)の識別情報(企業が付与した顧客ID等)と、その顧客のマイナンバーとを対応付けて記憶することを含む。また、顧客が利用するサービスの識別情報(口座番号や契約番号等)と、その顧客のマイナンバーとを対応付けて記憶することを含む。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の報酬支払支援システム10の構成を示す。報酬支払支援システム10は、報酬支払GW(ゲートウェイ)12、企業サーバ14で総称される企業サーバ14a、企業サーバ14b、銀行サーバ16で総称される銀行サーバ16a、銀行サーバ16b、行政サーバ18、ATM20で総称されるATM20a、ATM20b、ATM20cを備える。
【0019】
ATM20は、報酬支払先の個人(以下「ユーザ」とも呼ぶ。)により操作される情報端末であり、各種メッセージの表示や、ユーザが入力した情報を読み込む等、ユーザとのインタフェース機能を提供する。ATM20は、例えばコンビニエンスストアに設置され、公衆が利用可能なキオスク端末とも言える。なお、ユーザが使用する情報端末は、
図2に関連して後述する機能を備える機器であればATMに限定されない。
【0020】
企業サーバ14は、個人へ支払われる報酬の原資を提供する企業(以下「報酬支払企業」とも呼ぶ。)の情報処理装置である。実施の形態の報酬支払企業は、実際の報酬の支払手続を報酬支払GW12へ委託する。銀行サーバ16は、個人へ支払われる報酬が振り込まれる銀行(以下「報酬振込先銀行」とも呼ぶ。)の情報処理装置である。報酬振込先銀行は、報酬支払先の個人が口座を開設した銀行であり、その個人が報酬の振込先として指定可能な銀行である。なお、報酬の振込先は銀行に限らず、証券会社等、他の種類の金融機関であってもよい。
【0021】
報酬支払GW12は、報酬支払企業から個人(すなわちATM20のユーザ)への報酬の支払手続を代行する情報処理装置である。複数の報酬支払企業(報酬支払企業A、報酬支払企業B)による、複数の報酬振込先銀行(報酬振込先銀行A、報酬振込先銀行B)のいずれかを介した報酬支払手続を一括して代行するゲートウェイとも言える。報酬支払GW12は、報酬支払企業に代わって、ATM20のユーザのマイナンバーを収集し、ユーザに対する報酬を振り込み、源泉徴収票を作成する。報酬支払GW12は、複数の企業が利用可能な報酬支払支援サービスを提供する業者が管理する装置であってもよい。
【0022】
行政サーバ18は、国税庁(税務署)や自治体、年金機構等の行政機関が保持する情報処理装置である。行政サーバ18は、源泉徴収票等の法定調書の提出先として機能し、法定調書のデータをオンラインで受け付ける。
【0023】
図1の各装置は、インターネットや専用線網等を含む公知の通信網を介して接続される。実際には、報酬支払GW12は、ATM20の状態や動作を制御する不図示のサーバを介してATM20と接続されてもよく、そのサーバを経由してATM20とデータを交換してもよいことはもちろんである。また
図1の各装置は、物理的に複数の装置により構成されてもよいことはもちろんである。例えば企業サーバ14は、報酬支払企業における情報処理装置全般を意味し、アプリケーションサーバ等の狭義のサーバだけでなく、企業の担当者により操作されるPC等も含む。銀行サーバ16や行政サーバ18についても同様である。
【0024】
図2は、
図1のATM20の機能構成を示すブロック図である。ATM20は、LCD30、カードリーダ32、プリンタ34、制御部36、記憶部38、通信部40を備える。
【0025】
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0026】
例えば、制御部36内の各ブロックに対応するモジュールを含むコンピュータプログラムがDVD等の記録媒体に格納され、ATM20にインストールされてもよい。そして、ATM20のプロセッサ(CPU等)がストレージに格納されたコンピュータプログラムをメインメモリに読出し、実行することで、各ブロックの機能を発揮してもよい。記憶部38は、ATM20のストレージやメモリがデータを記憶することで実現されてよい。
【0027】
LCD30は、ATM20の筐体に搭載された液晶ディスプレイであり、種々の電子コンテンツを表示する。またLCD30はタッチパネルの機能も有し、情報入力手段としても機能する。カードリーダ32は、ICカードや磁気ストライプカードからデータを読み込む。プリンタ34は、制御部36から出力された印刷対象データをロール紙等に印刷し、例えば領収書や源泉徴収票を印刷する。
【0028】
制御部36は、金融取引に関連するデータ処理を実行するとともに、報酬の受取に関するデータ処理、典型的にはユーザインタフェース制御を実行する。記憶部38は、制御部36により参照、更新されるデータを記憶する記憶領域である。通信部40は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。例えば制御部36は、通信部40を介して、報酬支払GW12とデータを送受する。
【0029】
記憶部38は表示データ保持部42を含む。表示データ保持部42は、LCD30に表示させ、ユーザへ提示すべき電子コンテンツを保持する。なお、ユーザへ提示すべき電子コンテンツは、報酬支払GW12に保持されて、報酬支払GW12からATM20へ必要に応じて提供されてもよい。また、ATM20と報酬支払GW12の双方が複数の電子コンテンツを分散して保持してもよい。
【0030】
制御部36は、操作検出部44、表示制御部46、カード情報送信部48、出金制御部50、印刷制御部52を含む。
【0031】
操作検出部44は、ユーザがLCD30に対して入力した操作を検出し、操作内容を示す情報を他の機能ブロックへ通知する。表示制御部46は、LCD30の画面表示を制御する。例えば、操作検出部44により検出されたユーザ操作に応じて、表示データ保持部42に保持されたコンテンツ(
図5で例示する画面等)をLCD30に表示させ、また、LCD30に表示させるコンテンツを切り替える。
【0032】
カード情報送信部48は、カードリーダ32により読み込まれた個人番号カードやキャッシュカードの情報(以下「カード情報」とも呼ぶ。)を報酬支払GW12へ送信する。
出金制御部50は、通貨の出金を制御し、ユーザに通貨を提供する。印刷制御部52は、プリンタ34の印刷処理を制御し、例えば印刷対象のデータをプリンタ34へ出力してロール紙等に印刷させる。
【0033】
図3は、
図1の報酬支払GW12の機能構成を示すブロック図である。報酬支払GW12は、制御部60、記憶部62、通信部64を備える。制御部60は、各種データ処理を実行する。記憶部62は、制御部60により参照、更新されるデータを記憶する記憶領域である。通信部64は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。例えば制御部60は、通信部64を介して、企業サーバ14、銀行サーバ16、行政サーバ18、ATM20とデータを送受する。
【0034】
記憶部62は振込予約保持部66と調書保持部68を含む。振込予約保持部66は、企業サーバ14から受け付けられた振込予約データを保持する。振込予約データは、報酬支払企業の識別子、報酬振込先の個人の氏名、報酬振込先の口座番号、振込金額(すなわち報酬金額)を含む。調書保持部68は、後述の調書作成部80が生成した源泉徴収票のデータを保持する。
【0035】
制御部60は、予約受付部70、ID情報取得部72、有効性確認部74、個人番号取得部76、金銭支払部78、調書作成部80、調書提供部82、提出要求受付部84、調書提出部86、納税処理部88を含む。
【0036】
予約受付部70は、企業サーバ14から送信されたデータであり、個人に対する報酬(金銭)の支払を予約するデータを受け付ける。第1実施形態では、個人の口座に対する報酬の振込を予約する振込予約データを受け付ける。予約受付部70は、受け付けた振込予約データを振込予約保持部66へ格納する。
【0037】
ID情報取得部72は、ATM20においてユーザにより報酬の受取が要求された場合に、ATM20で入力された情報であって、特定の報酬振込先銀行においてユーザを識別するためのID情報を取得する。第1実施形態のID情報取得部72はカード情報取得部とも言え、ATM20から送信されたキャッシュカードのカード情報をID情報として取得する。ID情報は、キャッシュカードに格納された情報であり、またATM20がユーザのキャッシュカードから読み込んだ情報である。またID情報は、報酬振込先銀行がユーザに割当てた情報、ユーザに対して発行した情報を含み、具体的にはユーザの氏名と口座番号を含む。口座番号は、部店コードすなわち報酬振込先銀行の識別子を含む。
【0038】
報酬支払GW12の記憶部62は、複数の報酬振込先銀行の識別子と、複数の銀行サーバ16との対応関係を予め記憶する。有効性確認部74は、対応関係を示す情報を参照して、ID情報に含まれる報酬振込先銀行の識別子に対応付けられた銀行サーバ16(例えば銀行サーバ16aまたは銀行サーバ16b)を識別する。
【0039】
有効性確認部74は、報酬振込先銀行の銀行サーバ16と連携して、ID情報取得部72が取得したID情報の有効性、言い換えればキャッシュカードのカード情報の有効性を確認する。例えば、ID情報が示すユーザの氏名と口座番号の単体および組み合わせが正しいかを確認する。有効性確認部74は、銀行サーバ16に予め設けられた有効性確認用のウェブサービスを、ID情報を引数として呼び出すことにより、ID情報が有効か否かを示す判定結果を銀行サーバ16から取得してもよい。
【0040】
個人番号取得部76は、報酬振込先銀行の銀行サーバ16と連携して、ユーザのID情報により特定されるユーザのマイナンバーを取得する。具体的には個人番号取得部76は、有効性確認部74によりユーザのID情報が有効であることが確認された場合に、報酬振込先銀行に予め登録されたユーザのマイナンバーを報酬振込先銀行の銀行サーバ16から取得する。個人番号取得部76は、銀行サーバ16に予め設けられた個人番号取得用のウェブサービスを、ID情報(ユーザの氏名や口座番号等)を引数として呼び出すことにより、ユーザのマイナンバーを銀行サーバ16から取得してもよい。また個人番号取得部76は、ユーザのマイナンバーとともに、他の属性情報、例えば基本4情報と呼ばれる氏名、性別、生年月日、住所をさらに取得してもよい。
【0041】
金銭支払部78は、ユーザのID情報により特定される口座であって、報酬振込先銀行に開設されたユーザの口座に対する金銭の支払処理を実行する。金銭支払部78は、有効性確認部74によりユーザのID情報が有効であることが確認された場合に、そのID情報が示す口座であり、報酬振込先銀行に開設されたユーザの口座に対して、振込予約データで指定された振込金額を振り込む。金銭支払部78は、銀行サーバ16に予め設けられた振込用のウェブサービスを、ID情報(口座番号等)と振込金額を引数として呼び出すことにより、ユーザの口座への振込処理を銀行サーバ16に実行させてもよい。
【0042】
調書作成部80は、金銭支払部78による報酬振込先銀行への振込処理が正常に完了した場合に源泉徴収票を作成する。具体的には、振込先のユーザのマイナンバーが指定された振込予約データに基づいて、報酬支払企業からユーザへ報酬が支払われたことを示す源泉徴収票のデータを生成する。源泉徴収票のデータは、例えば振込日(支払日)、報酬金額(支払額)、ID情報に含まれるユーザの氏名、個人番号取得部76により取得されたユーザのマイナンバーを含む。調書作成部80は、生成した源泉徴収票のデータを調書保持部68へ格納する。
【0043】
調書提供部82は、調書作成部80により作成された源泉徴収票を報酬支払企業とATM20のユーザの少なくとも一方へ提供する。第1実施形態の調書提供部82は、調書保持部68に格納された源泉徴収票のデータをATM20へ送信して印刷させる。それとともに調書提供部82は、源泉徴収票のデータを企業サーバ14へ送信する。例えば、源泉徴収票のデータを添付した電子メールを企業サーバ14へ送信してもよい。また、企業サーバ14からの要求に応じて源泉徴収票のデータを企業サーバ14にダウンロードさせてもよく、言い換えれば、企業サーバ14からの要求に応じて源泉徴収票のデータを企業サーバ14へアップロードしてもよい。
【0044】
提出要求受付部84は、行政機関への源泉徴収票の提出を要求するデータ(以下「調書提出要求」とも呼ぶ。)を企業サーバ14から受け付ける。調書提出要求では、源泉徴収票の識別子、例えば各源泉徴収票に対してユニークに割当てられる識別番号や、支払先のユーザの氏名等が指定される。後述するように、源泉徴収票の提出とともに所得税等の納付を実行するため、調書提出要求は納税要求とも言える。
【0045】
調書提出部86は、調書提出要求が受け付けられた場合に、調書提出要求で指定された識別子により特定される源泉徴収票のデータを行政サーバ18へ送信する。例えば調書提出部86は、行政サーバ18に予め設けられた調書提出用のウェブサービスを、源泉徴収票のデータを引数として呼び出すことにより、源泉徴収票のデータを行政サーバ18へアップロードしてもよい。
【0046】
納税処理部88は、調書提出要求が受け付けられた場合に、報酬支払に伴う税金、例えば報酬額に応じた所得税(源泉所得税)等を行政機関に納税するための処理を実行する。第1実施形態の納税処理部88は、行政サーバ18を対向装置として、ダイレクト納付やインターネットバンキングを利用した納付等、公知の電子納税処理を実行する。納税処理部88により支払われる税金は、本来報酬支払企業が納めるべきものであるため、この税額は、報酬支払企業から報酬支払GW12を管理する企業へ別途支払われる。
【0047】
以上の構成による報酬支払支援システム10の動作を説明する。
図4は、第1実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。また
図5は、ATM20のLCD30に表示される画面例を示す。ここでは、報酬支払企業Aはユーザへの報酬を報酬振込先銀行Aへ振り込み、ユーザはATM20aを操作して報酬を受け取ることとする。したがって
図4のATMはATM20aを示し、
図4の企業サーバは企業サーバ14aを示し、
図4の銀行サーバは銀行サーバ16aを示す。ユーザが操作する情報端末がATM20b、ATM20cの場合や、報酬の支払元が報酬支払企業Bの場合、報酬の振込先が報酬振込先銀行Bの場合、報酬支払GW12の対向装置は異なるものになるが、システム全体の動作は同様である。
【0048】
報酬の受取人となるユーザは、報酬の振込先とする口座番号(報酬振込先銀行Aの識別子を含む)を報酬支払企業Aへ連絡する(S10)。ユーザのPCから企業サーバ14aへ電子メールで連絡してもよく、ユーザから報酬支払企業Aの担当者へ電話やその他オフラインの手段で連絡してもよい。企業サーバ14aは、ユーザにより指定された口座番号と振込額を指定した振込予約データを報酬支払GW12へ送信して登録する(S11)。報酬支払企業Aは、報酬を振り込んだ旨、言い換えれば、報酬を受け取り可能である旨をユーザへ連絡する(S12)。企業サーバ14aからユーザのPCへ電子メールによりなされてもよく、報酬支払企業Aの担当者からユーザへ電話やその他オフラインの手段で連絡してもよい。
【0049】
ユーザがATM20aにて取引開始操作を入力すると、ATM20aの表示制御部46は、初期画面としてメニュー画面をLCD30に表示させる(
図5の(a))。メニュー画面で報酬受取が選択されると(S13)、ATM20aの表示制御部46は、キャッシュカードの挿入を指示するPIN入力画面をLCD30に表示させる(
図5の(b))(S14)。ユーザは、報酬振込先銀行AのキャッシュカードをATM20aへ挿入し、キャッシュカードのPINコード(暗証番号)をATM20aへ入力する。ATM20aのカード情報送信部48は、公知の方法でPINコードの正当性を確認し、PINコードが正しい場合に、カードリーダ32で読み込まれたキャッシュカードのカード情報を報酬支払GW12へ送信する(S16)。
【0050】
報酬支払GW12のID情報取得部72は、ATM20aから送信されたキャッシュカードのカード情報を取得する。有効性確認部74は、銀行サーバ16aと連携し、そのカード情報に含まれるユーザのID情報に基づいて、カード情報(ID情報)が有効か否かを確認する(S17)。例えば、カード情報に含まれるユーザの氏名、口座番号が、報酬振込先銀行Aにて管理される氏名、口座番号に整合する場合に、カード情報が有効であると判定する。カード情報が有効である場合、個人番号取得部76は、カード情報に含まれるID情報により特定されるユーザの属性情報を銀行サーバ16aから取得する(S18)。取得する属性情報は、報酬振込先銀行Aがユーザからマイナンバーが申告された際に行ったユーザの本人確認結果と言え、少なくともユーザのマイナンバーを含む。
【0051】
報酬支払GW12の金銭支払部78は、ユーザのID情報が有効と確認された場合に、振込予約保持部66に格納された振込予約データの中から、そのID情報が示す口座番号を指定した振込予約データを識別する。金銭支払部78は、ID情報が示す口座番号(または識別した振込予約データで指定された口座番号)と、振込予約データで指定された振込金額を指定した振込要求を銀行サーバ16aへ送信することにより、ユーザの既存口座へ報酬を振り込む(S19)。調書作成部80は、報酬支払企業Aからユーザへ報酬が支払われたことを示す源泉徴収票を作成し、調書保持部68へ格納する(S20)。
【0052】
報酬支払GW12の金銭支払部78は、振込予約データで指定された振込金額を指定したデータであり、報酬の支払いを指示する所定のデータをATM20aへ送信する(S21)。ATM20aの出金制御部50は、報酬支払GW12から指定された金額を引出額として、公知の預金引出処理を実行する(S22)。出金制御部50は、ユーザの預金から引き出した金額、すなわち報酬支払企業Aから支払われた報酬額の通貨を出金する(
図5の(c))(S23)。
【0053】
報酬支払GW12の調書提供部82は、S20で作成された源泉徴収票のデータを調書保持部68から取得してATM20aへ送信する(S24)。ATM20aの印刷制御部52は、報酬支払GW12から受信した源泉徴収票のデータをプリンタ34に印刷させる(S25)。なお、ATM20aが源泉徴収票を印刷可能なプリンタを備えない場合、調書提供部82は、ATM20aの近傍に設置されたプリンタや、ユーザが指定するプリンタ等、所定のネットワークプリンタに源泉徴収票のデータを送信し、源泉徴収票を印刷させてもよい。
【0054】
報酬支払GW12の調書提供部82は、S20で作成された源泉徴収票のデータを企業サーバ14aへ送信する(S26)。企業サーバ14aは、報酬支払企業Aの担当者により指定された源泉徴収票の識別情報を含む調書提出要求を報酬支払GW12へ送信する(S27)。報酬支払GW12の調書提出部86は、調書提出要求で指定された源泉徴収票のデータを行政サーバ18へ電子納付する(S28)。それとともに報酬支払GW12の納税処理部88は、行政サーバ18と連携して、源泉徴収票のデータが示す源泉所得税の電子納税処理を実行する(S29)。
【0055】
第1実施形態の報酬支払支援システム10によると、報酬支払GW12は、報酬の支払、法定調書の作成・提出、納税のプラットフォーム(ゲートウェイ)として機能し、複数の報酬支払企業は、報酬支払GW12を利用することで報酬支払に係る業務を効率化することができる。報酬支払GW12が報酬支払先の個人のマイナンバーの収集および確認、法定調書の作成を代行するため、報酬支払企業は、多くの個人に対する高頻度の報酬支払を容易に実施することができる。その結果、企業におけるクラウドソーシングの活用も促進することができる。
【0056】
また、個人のマイナンバーを記載した源泉徴収票を行政機関へ提出する手続も報酬支払GW12が代行するため、報酬支払企業は、報酬支払先の個人のマイナンバーを知る必要がなく、すなわち厳格さが求められるマイナンバーの管理が不要になる。なお、調書提供部82は、調書保持部68に保持された源泉徴収票のオリジナルデータからマイナンバーを削除したデータを企業サーバ14へ提供してもよい。画像データとして提供する場合は、マイナンバーの画像を所定のマスキング画像に差替えた源泉徴収票の画像データを企業サーバ14へ提供してもよい。
【0057】
以下変形例を説明するが、以下の変形例は他の実施形態にも適用可能である。上記第1実施形態では言及していないが、報酬支払GW12の個人番号取得部76は、ATM20のユーザのマイナンバーが報酬振込先銀行に未登録である場合、そのことを検出し、ATM20で入力された個人番号カードのデータを取得してもよい。
【0058】
例えば、個人番号取得部76は、報酬振込先銀行の銀行サーバ16に対してユーザのマイナンバーの提供を要求し、銀行サーバ16から未登録の旨の応答やエラー応答が返された場合に、ユーザのマイナンバーが報酬振込先銀行に未登録と判定してもよい。この場合、個人番号取得部76は、個人番号カードの挿入を要求するメッセージをATM20へ送信し、そのメッセージをATM20のLCD30に表示させてもよい。ATM20のカード情報送信部48は、ユーザのマイナンバーが格納された電子証明書を個人番号カードから読み込んで、報酬支払GW12へ送信してもよい。
【0059】
報酬支払GW12の個人番号取得部76は、ATM20から送信された電子証明書を公知の方法で開封(例えば公開鍵で復号)し、ユーザのマイナンバーを取得してもよい。その際に、第2実施形態で後述するように、所定の行政機関に設けられた公的個人認証サーバと連携して、電子証明書の有効性を確認してもよい。本変形例においては、ユーザの個人番号カードに基づいて取得されたマイナンバーを使用して、
図4のS19以降の処理を実行する。これにより、報酬振込先銀行にユーザのマイナンバーが未登録であり、言い換えれば、報酬振込先銀行でユーザのマイナンバーの本人確認が未完了である場合も、報酬支払GW12は報酬支払や法定調書作成を実行できる。
【0060】
別の変形例を説明する。上記第1実施形態(
図4のS15〜S18)では、ATM20はユーザのキャッシュカードの情報を取得して報酬支払GW12へ転送し、報酬支払GW12はキャッシュカードの情報に基づいてユーザのマイナンバーを取得した。変形例として、ATM20はユーザの個人番号カードの情報を取得して報酬支払GW12へ転送し、報酬支払GW12は個人番号カードの情報に基づいてユーザのマイナンバーを取得してもよい。この場合、報酬支払GW12のID情報取得部72は、個人番号カードに格納された電子証明書をユーザのID情報として取得し、その電子証明書を開封してユーザのマイナンバーを取得してもよい。また上記変形例で言及したように、電子証明書の有効性をさらに確認してもよい。
図4のS19の振込処理は、電子証明書が有効であることが確認された場合に、振込予約データが示す口座番号と振込金額に基づいて実行してもよい。
【0061】
さらに別の変形例を説明する。上記第1実施形態では、ATM20にて報酬額の現金を引き出す例を示したが、ユーザの口座に対する振込までを実行することとしてもよい。この場合、
図4のS21〜S23の処理をスキップしてもよい。この場合、ユーザ側の情報端末は、キャッシュカードの読取りと源泉徴収票の印刷が可能であればよく、様々な情報端末が想定される。例えばカードリーダとプリンタに接続されたマルチコピー機やPCでもよい。
【0062】
さらに別の変形例を説明する。上記実施の形態では、報酬受取人のユーザが使用する情報端末をATM20としたが、ユーザはPCやスマートフォンを使用し、インターネットバンキングを利用して報酬を受け取ってもよい。この場合、報酬支払GW12は、ウェブサーバの機能を提供し、報酬受取をメニューに含むウェブサイトを提供してもよい。本変形例の報酬支払GW12のID情報取得部72は、インターネットバンキングサイトにログインするための、ユーザのIDとパスワードをユーザのID情報として取得する。
【0063】
報酬支払GW12の有効性確認部74は、銀行サーバ16と連携して、ユーザの情報端末から送信されたIDとパスワードの有効性を確認する。報酬支払GW12の個人番号取得部76は、そのID・パスワードにより特定されるユーザの属性情報(マイナンバー等)を銀行サーバ16から取得する。
図4のS19以降のフローは第1実施形態と同様であるが、ユーザの口座への振込までになるため、上記変形例で示したように
図4のS21〜S23の処理はスキップする。
【0064】
(第2実施形態)
第1実施形態と同様に、第2実施形態の報酬支払支援システム10も、企業から個人への金銭の支払に関する情報処理システムである。
図6は、第2実施形態の報酬支払支援システム10の構成を示す。第2実施形態では、銀行サーバ16に代わって、個人認証サーバ22が報酬支払GW12に接続される。
【0065】
個人認証サーバ22は、行政機関もしくは行政機関に委託された民間企業が管理する情報処理装置であり、公的個人認証サービスを提供する。個人認証サーバ22は、マイナンバーの失効リストを保持し、報酬支払GW12からの依頼に基づいて、個人番号カードに記憶される電子証明書(マイナンバー)の有効性を確認する処理を実行する。
【0066】
以下、第1実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。
第2実施形態のATM20の機能構成は
図2の構成が当てはまる。カードリーダ32は、ユーザにより挿入された個人番号カードを読み取る。カード情報送信部48は、個人番号カードのカード情報として、個人番号カードに格納された電子証明書のデータを報酬支払GW12へ送信する。
【0067】
第1実施形態と同様に、第2実施形態の報酬支払GW12も、報酬支払、法定調書の作成・提出、納税を支援するプラットフォーム(ゲートウェイ)として機能する。第2実施形態の報酬支払GW12は、複数の個人に対して企業が支払うべき金銭が一括して預け入れられるマネープールを管理する機能を備え、そのマネープールから各個人へ報酬を支払う点で第1実施形態とは相違する。
【0068】
図7は、
図6の報酬支払GW12の機能構成を示すブロック図である。報酬支払GW12は、マネープール保持部90、対象者情報保持部92、マネープール管理部94、対象者情報取得部96をさらに備える。
【0069】
マネープール保持部90は、報酬支払企業により開設されたマネープール、具体的には報酬支払の専用口座であるプール口座に関する情報を記憶する。具体的には、報酬支払企業Aが開設したプール口座について、報酬支払企業Aの識別子、口座番号、預入金の残高を対応付けて保持する。同様に、報酬支払企業Bが開設したプール口座について、報酬支払企業Bの識別子、口座番号、預入金の残高を対応付けて保持する。プール口座への預入金は、報酬支払企業のそれぞれが複数の個人に対して支払う報酬の共通の原資となる。
【0070】
対象者情報保持部92は、報酬支払先の個人に関する情報(以下「支払対象者情報」と呼ぶ。)を記憶する。支払対象者情報は、報酬支払元の報酬支払企業の識別子、報酬支払先の個人のマイナンバー、個人がプール口座から引き出し可能な金額(以下「引出可能額」と呼ぶ。)の情報を含む。引出可能額は、個人に支払うべき報酬額とも言える。
【0071】
マネープール管理部94は、プール口座の管理に係るデータ処理を実行する。例えばマネープール管理部94は、プール口座の開設要求を報酬支払企業の装置(企業サーバ14a、企業サーバ14b等)から受け付け、プール口座の情報をマネープール保持部90に記録する。またマネープール管理部94は、開設済のプール口座に対する金銭の預け入れ要求を報酬支払企業の装置から受け付け、その報酬支払企業に対応するプール口座の残高を増加させる。プール口座への金銭の預け入れは、公知のインターネットバンキングの方法により実現されてもよい。また、仮想的に金銭が預け入れられたこととして、実際の金銭は別途、報酬支払企業から報酬支払GW12の管理企業へ支払われてもよい。
【0072】
対象者情報取得部96は、報酬支払企業Aの装置(企業サーバ14a等)、報酬支払企業Bの装置(企業サーバ14b等)から、支払対象者情報を受け付けて、対象者情報保持部92へ格納する。マネープール管理部94は、報酬支払企業Aから受け付けられた複数の支払対象者情報が示す引出可能額の合計が、報酬支払企業Aのプール口座の残高を上回る場合、残高不足を示す所定のアラート情報を報酬支払企業A(例えば企業サーバ14a)へ送信してもよい。報酬支払企業Bのプール口座についても同様である。
【0073】
ID情報取得部72は、ユーザにより報酬の受取が要求された場合に、ATM20で入力されたそのユーザのID情報を取得する。第2実施形態のID情報取得部72は、カード情報取得部とも言え、ATM20から送信されたユーザの個人番号カードのカード情報をID情報として取得する。具体的にはID情報は、個人番号カードに格納された電子証明書およびユーザの公開鍵と、ATM20でユーザが入力したPINコードを含む。なお、同一または別のATM20で、別のユーザが報酬受取メニューを選択する場合も、ID情報取得部72は、その別のユーザに関する上記ID情報を取得する。
【0074】
個人番号取得部76は、ID情報取得部72により取得された電子証明書を開封し、その電子証明書に格納されたユーザのマイナンバーを取得する。個人番号取得部76は、ATM20を利用する複数のユーザそれぞれの電子証明書を開封して、各ユーザのマイナンバーを取得する。個人番号取得部76は、ユーザの秘密鍵で暗号化された電子証明書のデータを、その電子証明書とともに取得されたユーザの公開鍵およびPINコードで復号することによりユーザのマイナンバーを取得してもよい。なお個人番号取得部76は、電子証明書に格納された他の属性情報、例えばユーザの顔写真、券面番号、基本4情報をさらに取得する。
【0075】
有効性確認部74は、ID情報取得部72により取得された電子証明書の有効性、言い換えれば、電子証明書に格納されたマイナンバーが有効か否かを個人認証サーバ22と連携して確認する。有効性確認部74は、ATM20を利用する複数のユーザそれぞれのマイナンバーの有効性を確認する。例えば、有効性確認部74は、ID情報取得部72により取得された電子証明書に関する情報を個人認証サーバ22へ送信し、その電子証明書が有効であるか否かを示す情報を個人認証サーバ22から受信してもよい。また、有効性確認部74は、個人番号取得部76により取得されたマイナンバーを個人認証サーバ22へ送信し、そのマイナンバーが個人認証サーバ22が保持する失効リストに記載されていない旨の返信を受信した場合、電子証明書が有効と判定してもよい。
【0076】
金銭支払部78は、ATM20のユーザ毎に、報酬支払企業のプール口座に預け入れられた金銭の一部であり、報酬支払企業が予め指定した報酬額を支払う処理を実行する。具体的には金銭支払部78は、個人番号取得部76により取得されたユーザのマイナンバーが有効であることが確認され、かつ、そのマイナンバーが対象者情報保持部92に格納された支払対象者情報で指定されていた場合、その支払対象者情報で指定された引出可能額をユーザへ支払う処理を実行する。例えば金銭支払部78は、引出可能額を指定した出金指示データをATM20へ送信することにより、その引出可能額の通貨をATM20から出金させてもよい。
【0077】
調書作成部80は、ATM20から受信された電子証明書が有効であること、言い換えれば、ユーザが提示したマイナンバーが有効であることが確認された場合に、報酬の支払に関する法定調書を作成する。具体的には調書作成部80は、対象者情報保持部92に格納された支払対象者情報のうちユーザのマイナンバーを指定した支払対象者情報を識別する。そして、支払対象者情報が示す報酬支払企業の識別子および引出可能額、ユーザの氏名およびマイナンバー、支払日付を含む源泉徴収票のデータを生成する。調書作成部80は、生成した源泉徴収票のデータを調書作成部80へ格納する。
【0078】
以上の構成による報酬支払支援システム10の動作を説明する。
図8は、第2実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。ここでは、報酬支払企業Aがユーザへ報酬を支払い、ユーザはATM20aを操作して報酬を受け取ることとする。したがって
図8のATMはATM20aを示し、
図8の企業サーバは企業サーバ14aを示す。ユーザ(もしくは別のユーザ)が操作する情報端末がATM20b、ATM20cの場合や、報酬の支払元が報酬支払企業Bの場合、報酬支払GW12の対向装置は異なるものになるが、システム全体の動作は同様である。
【0079】
報酬支払企業Aは、支払専用のプール口座を報酬支払GW12に開設する(S30)。例えば、企業サーバ14aは、プール口座の開設要求をオンラインで報酬支払GW12へ送信してもよい。報酬支払GW12のマネープール管理部94は、その要求に応じてプール口座の開設処理を実行し、新規のプール口座の情報をマネープール保持部90へ格納してもよい。また、報酬支払企業Aの担当者が電話や電子メール等で報酬支払GW12の管理者に連絡し、プール口座の開設を依頼してもよく、報酬支払GW12の管理者はプール口座の開設作業を実行してもよい。
【0080】
ユーザは、自身のマイナンバーを電話や電子メール等の手段により報酬支払企業Aへ連絡する(S31)。企業サーバ14aは、個人への報酬支払の必要が生じる都度、報酬支払先の個人のマイナンバーと、その個人の引出可能額を指定した支払対象者情報を報酬支払GW12へ送信する(S32)。報酬支払企業Aは、個々の支払対象者情報で指定した各個人に対して報酬受取が可能である旨を連絡する(S33)。例えば、企業サーバ14aからユーザのPCへ電子メールにて連絡してもよく、報酬支払企業Aの担当者からユーザへ電話やその他オフラインの手段で連絡してもよい。
【0081】
ATM20aのメニュー画面(
図5の(a))でユーザが報酬受取を選択すると(S34)、ATM20aの表示制御部46は、個人番号カードの挿入とPINコードの入力を指示する画面をLCD30に表示させる(S35)。ユーザは個人番号カードをATM20aへ挿入し、個人番号カードのPINコードをATM20aへ入力する(S36)。ATM20aのカード情報送信部48は、カードリーダ32で読み込まれた個人番号カードの電子証明書と、ユーザにより入力されたPINコードを報酬支払GW12へ送信する(S37)。
【0082】
報酬支払GW12のID情報取得部72は、ATM20aから送信された個人番号カードの電子証明書とPINコードを取得する。個人番号取得部76は、電子証明書に添付された公開鍵とPINコードを使用して電子証明書を開封し、電子証明書のデータに格納されたユーザのマイナンバーを取得する(S38)。有効性確認部74は、個人認証サーバ22と連携して、電子証明書が有効か否か、言い換えれば、マイナンバーが失効していないかを確認する(S39)。電子証明書が有効であること、言い換えれば、マイナンバーが有効であることが確認されると、調書作成部80は、報酬支払企業Aからユーザへ報酬が支払われたことを示す源泉徴収票を作成し、調書保持部68へ格納する(S40)。
【0083】
報酬支払GW12の金銭支払部78は、ユーザのマイナンバーが指定された支払対象者情報が示す引出可能額の出金をATM20aへ指示する(S41)。ATM20aの出金制御部50は、報酬支払GW12から受け付けた指示にしたがって上記引出可能額の出金処理を実行する(S42)。以降のS43〜S48の処理は、第1実施形態のS24〜S29と同様である。また、報酬支払企業Aから別の個人に対して報酬を支払い、その別の個人が報酬を受け取る場合も同様の動作になる。すなわち報酬支払GW12は、別の個人のマイナンバーを収集し、有効性を確認し、別の個人に対する報酬支払、法定調書の作成と提出、納税を支援する。
【0084】
第1実施形態と同様に、第2実施形態の報酬支払支援システム10においても、報酬支払GW12は、報酬支払、法定調書の作成・提出、納税のプラットフォーム(ゲートウェイ)として機能する。複数の報酬支払企業は、報酬支払GW12を利用することで報酬支払に係る業務を効率化することができる。また報酬支払企業は、多くの個人に対する高頻度の報酬支払を容易に実施することができる。
【0085】
以下変形例を説明するが、以下の変形例は他の実施形態にも適用可能である。上記第2実施形態では、ATM20でユーザの個人番号カードを読み取ったが、変形例として、ユーザが開設済の銀行口座に自身のマイナンバーを紐付け済(登録済)の場合、その銀行口座のキャッシュカードの情報をATM20で読み込んでもよい。本変形例におけるユーザのマイナンバー取得方法は第1実施形態と同様である。すなわち、報酬支払GW12の個人番号取得部76は、ユーザの口座が開設された銀行の装置と連携して、その銀行に登録されたユーザのマイナンバーを取得してもよい。
【0086】
また第1実施形態の変形例で説明したように、ユーザが開設済の銀行口座に自身のマイナンバーを紐付け済の場合、インターネットバンキングサイトへログインするためのユーザのID・パスワードがATM20に入力されてもよい。報酬支払GW12の個人番号取得部76は、ATM20で入力されたインターネットバンキングサイト用のID・パスワードにより特定されるユーザのマイナンバーを銀行の装置と連携して取得してもよい。
【0087】
別の変形例を説明する。上記第2実施形態では、ATM20にて現金を出金したが、ATM20のユーザにより指定された口座、もしくは、ユーザの指定に基づいて報酬支払企業により指定された口座(例えば対象者情報で指定された口座)へ引出可能額を振り込む構成であってもよい。この場合、報酬支払GW12の金銭支払部78は、ユーザもしくは報酬支払企業により指定された口座番号と引出可能額を指定した振込要求を銀行の装置へ送信することにより、報酬支払企業のプール口座から、ユーザの銀行口座へ報酬を振り込んでもよい。この場合、ユーザ側の情報端末は、個人番号カードの読取りと源泉徴収票の印刷が可能であればよく、様々な情報端末が想定される。例えば、カードリーダとプリンタを備えるマルチコピー機やPCでもよい。
【0088】
さらに別の変形例を説明する。上記第2実施形態では、ユーザの個人番号カードに基づいて識別されたマイナンバーをキーとして、そのユーザ向けの支払対象者情報を識別することとした。変形例として、マイナンバー以外のユーザの属性情報をキーとして、そのユーザ向けの支払対象者情報を識別してもよい。例えば、個人番号カードの電子証明書に格納されるマイナンバー以外の情報をキーとしてもよく、具体的にはユーザの氏名、生年月日、券面番号の単体もしくはこれらの組み合わせをキーとしてもよい。また、ユーザが保持するメールアドレスをキーとしてもよい。この場合、
図8のS36において、ユーザはメールアドレスをさらに入力し、そのメールアドレスがATM20から報酬支払GW12へ通知される。
【0089】
(第3実施形態)
第2実施形態と同様に、第3実施形態の報酬支払支援システム10も、企業から個人への金銭の支払に関する情報処理システムである。また、第2実施形態と同様に、第3実施形態の報酬支払GW12も、報酬支払、法定調書の作成・提出、納税を支援するプラットフォーム(ゲートウェイ)として機能する。ただし、ユーザへの報酬は、仮想的な通貨である電子マネーが支払われる点で第2実施形態とは相違する。以下、第1実施形態、第2実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。
【0090】
第3実施形態の報酬支払支援システム10の構成は
図6の構成が当てはまるが、ユーザが使用する情報端末としては様々な情報端末が想定される。例えば、コンビニエンスストア等に設置されたATM20やマルチコピー機であってもよく、ユーザの自宅等に設置されたPC等であってもよい。ATM20の場合は、第2実施形態のATM20と同様の構成でよい。
【0091】
第3実施形態では、ユーザが使用する情報端末は、ウェブブラウザが搭載された一般的なPCとする。ユーザのPCは、報酬支払GW12によるマイナンバー確認のために、ユーザが所持する個人番号カードの券面を撮像した画像(以下「個人番号カード画像」と呼ぶ。)をID情報として報酬支払GW12へ送信する。
【0092】
第3実施形態の報酬支払GW12の機能構成は
図7の構成が当てはまる。第3実施形態では、報酬支払企業のマネープールとして、支払専用電子マネープールが開設される。また報酬支払GW12は、ウェブサーバとしての機能を有し、報酬受取手続用のウェブサイトをインターネット上に公開する。報酬支払GW12は、報酬受取手続用のウェブサイトのウェブページをユーザのPCへ提供するウェブページ提供部をさらに備えてもよい。
【0093】
報酬支払GW12の個人番号取得部76は、ユーザのPCから送信された個人番号カード画像をID情報として取得し、その画像をOCR(optical character recognition)処理して、ユーザのマイナンバーや、基本4情報等の各種属性情報を電子データとして読み込む。
【0094】
金銭支払部78は、個人番号取得部76で識別されたマイナンバーを指定する支払対象者情報を参照して、その支払対象者情報で指定された引出可能額の電子マネーをユーザへ付与する。電子マネーの付与は公知の方法でよい。例えば金銭支払部78は、引出可能額の電子マネーを付与する旨のデータをユーザのPCへ送信してもよい。また金銭支払部78は、ユーザが保持する電子マネーが通信網上のサーバで管理される場合、そのサーバに対して、引出可能額の電子マネーをユーザに付与する旨のデータを送信してもよい。
【0095】
図9は、第3実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。
図9のS50〜S53の動作は、
図8に示した第2実施形態のS30〜S33の動作と同様である。また第2実施形態と同様に報酬の支払元は報酬支払企業Aとするが、報酬支払企業Aが開設するマネープールは電子マネー用のものになる。
【0096】
ユーザはPCを操作して、報酬支払GW12が提供する報酬受取手続用のウェブサイトへアクセスする(S54)。報酬支払GW12は、個人番号カード画像のアップロードを指示するウェブページをユーザのPCへ提供して表示させる(S55)。ユーザはPCを操作して、予め作成しておいた個人番号カード画像を報酬支払GW12へアップロードする(S56)。報酬支払GW12のID情報取得部72は、個人番号カード画像を取得し、個人番号取得部76は、その画像に基づいてユーザのマイナンバーを含む属性情報を識別する(S57)。
【0097】
報酬支払GW12の調書作成部80は、報酬支払企業Aからユーザへ報酬が支払われたことを示す源泉徴収票のデータを生成し、調書保持部68へ格納する(S58)。報酬支払GW12の金銭支払部78は、ユーザのマイナンバーが指定された支払対象者情報が示す引出可能額の電子マネーを付与する旨のデータをユーザのPCへ送信する(S59)。ユーザのPCは、電子マネーの残高を増加させる公知の処理を実行する(S60)。例えば、PCに接続されたカードライタを介して、電子マネー管理用のICカードに報酬支払GW12から付与された電子マネーを記録してもよい。
【0098】
報酬支払GW12の調書提供部82は、S58で作成された源泉徴収票のデータをユーザのPCへ送信し(S61)、ユーザのPCは、プリンタに源泉徴収票を印刷させる(S62)。以降のS63〜S66の処理は、第1実施形態のS26〜S29と同様である。また、報酬の支払元が報酬支払企業B(企業サーバ14b)の場合や、他のユーザが自身のPCを使用する場合、またATM20やマルチコピー機を使用する場合も同様の動作になる。
【0099】
第1実施形態、第2実施形態と同様に、第3実施形態の報酬支払支援システム10においても、報酬支払GW12は、報酬支払、法定調書の作成・提出、納税のプラットフォーム(ゲートウェイ)として機能する。複数の報酬支払企業は、報酬支払GW12を利用することで、報酬としての電子マネーの支払に係る業務を効率化することができる。また報酬支払企業は、多くの個人に対する高頻度の報酬支払を容易に実施することができる。
【0100】
上記第3実施形態では、ユーザへの報酬として、現実の通貨ではなく電子マネーを支払うため、簡易な番号確認として、個人番号カード画像をアップロードし、その画像からマイナンバーを読み取ることとした。また、マイナンバーの有効性の確認(
図8のS39)はスキップすることとした。変形例として、ユーザ側の情報端末として、カードリーダを備えるATM20、マルチコピー機、PC等を使用し、第2実施形態と同様に、個人番号カードに格納された電子証明書を使用して番号確認を行ってもよい。また、第2実施形態と同様に、個人認証サーバ22と連携して、電子証明書(マイナンバー)の有効性の確認処理を実行してもよい。
【0101】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態と同様に、第4実施形態の報酬支払支援システム10も、企業から個人への金銭の支払に関する情報処理システムである。
図10は、第4実施形態の報酬支払支援システム10の構成を示す。
図10〜
図12に示す構成要素のうち、第1〜第3実施形態で説明済の構成要素と同一または対応する構成要素には同一の符号を付している。以下、第1〜第3実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。
【0102】
企業PC24は、報酬支払企業の担当者が操作する情報処理装置(ここではPC)である。スマートフォンやタブレット端末等であってもよい。プール口座管理サーバ26は、報酬支払企業が報酬支払の専用口座であるプール口座を開設した銀行(以下「プール口座開設銀行」と呼ぶ。)が保持する情報処理装置である。個人口座管理サーバ28は、報酬の支払先となる個人(すなわちATM20のユーザ)が普通口座を開設した銀行(以下「個人口座開設銀行」と呼ぶ。)が保持する情報処理装置である。プール口座管理サーバ26、個人口座管理サーバ28は第1実施形態の銀行サーバ16に対応する。
【0103】
図10では、説明の簡明化のため、報酬支払企業、プール口座開設銀行、個人口座開設銀行をそれぞれ1つ示した。これらの主体は複数存在してもよいことはもちろんである。すなわち報酬支払支援システム10は、複数の報酬支払企業に対応する複数の企業PC24、複数のプール口座開設銀行に対応する複数のプール口座管理サーバ26、複数の個人口座開設銀行に対応する複数の個人口座管理サーバ28を備えてもよい。
【0104】
図11は、
図10のプール口座管理サーバ26の機能構成を示すブロック図である。プール口座管理サーバ26の記憶部62は、マネープール保持部90と支払情報保持部110を含む。
【0105】
マネープール保持部90は、報酬支払企業により開設されたプール口座に関する情報を記憶する。具体的には、報酬支払企業が開設したプール口座について、報酬支払企業の識別子、口座番号、預入金の残高を対応付けて保持する。支払情報保持部110は、特定IDと、支払金額(言い換えればユーザへの報酬額)と、プール口座の口座番号とが対応付けられた情報である支払情報を保持する。
【0106】
特定IDは、報酬支払企業とユーザとの間で予め定められた識別子であり、特定の報酬支払企業から特定のユーザに対するあるタイミングでの報酬支払を一意に識別するためのIDである。報酬支払先のユーザが異なれば、また同じユーザであっても報酬支払のタイミングが異なれば、異なる特定IDが設定される。特定IDは、プール口座に紐付けられる仮想的な口座番号であってもよい。また、特定IDは、金融取引に関する公知のオンラインサービスに設定可能な形式のデータであってもよく、例えばCAFIS(商標または登録商標)の摘要欄等に設定可能な任意の文字列であってもよい。
【0107】
プール口座管理サーバ26の制御部60は、マネープール管理部94、支払情報取得部112、サービス要求取得部114、銀行サービス実行部116を含む。
【0108】
マネープール管理部94は、プール口座の管理に係るデータ処理、例えばプール口座の開設処理や残高更新処理を実行する。具体的には、マネープール管理部94は、プール口座の開設要求を企業PC24から受け付け、プール口座に関する情報をマネープール保持部90に記録することにより報酬支払企業のプール口座を開設してもよい。またマネープール管理部94は、開設済のプール口座に対する金銭の預け入れ要求を企業PC24から受け付け、プール口座の残高を増加させてもよい。
【0109】
支払情報取得部112は、企業PC24から送信された支払情報を受け付け、その支払情報を支払情報保持部110へ格納する。サービス要求取得部114は、報酬支払GW12から送信されたサービス要求を受け付ける。このサービス要求は、ATM20においてユーザが入力した特定IDを含む。
【0110】
銀行サービス実行部116は、サービス要求が受け付けられた場合に、そのサービス要求が含む特定IDに対応付けられたプール口座および支払金額を識別する。そして、その支払金額に応じた銀行サービスのデータ処理を実行し、その処理結果をATM20へ提供する。銀行サービス実行部116は、残高照会部118、引出サービス部120、振込サービス部122を含む。
【0111】
残高照会部118は、ユーザへの支払金額、すなわちユーザが引出可能な報酬金額を提示する残高照会処理を実行する。引出サービス部120は、ユーザへの支払金額をATM20から引き出させるための引出処理を実行する。振込サービス部122は、ユーザへの支払金額をユーザが指定する口座へ振り込むための振込処理を実行する。銀行サービス実行部116は、他の種類の銀行サービスを提供する機能ブロックをさらに含んでもよい。
【0112】
図12は、
図10の報酬支払GW12の構成を示すブロック図である。報酬支払GW12は、サービス要求受付部102、有効性確認部74、銀行選択受付部104、サービス要求転送部106、中継サービス実行部108を備える。
【0113】
サービス要求受付部102は、ATM20から送信されたサービス要求を受け付ける。サービス要求は、ユーザが所望するサービスを示す情報(以下「指定サービス情報」と呼ぶ。)と、個人番号カードから読取られた電子証明書と、ユーザが入力した個人番号カードのPINコードと、特定IDを含む。
【0114】
有効性確認部74は、サービス要求が含む電子証明書の有効性を確認する。例えば、電子証明書に格納されたマイナンバーをPINコードを用いて取得し、個人認証サーバ22と連携してそのマイナンバーの有効性が確認された場合に、電子証明書が有効であると判定してもよい。また有効性確認部74は、サービス要求が含むキャッシュカード情報の有効性を確認する。例えば、キャッシュカード情報とPINコードを個人口座管理サーバ28へ送信し、そのキャッシュカード情報が有効か否かを示す情報を個人口座管理サーバ28から受信してもよい。
【0115】
銀行選択受付部104は、ATM20から送信された銀行選択情報を受け付ける。銀行選択情報は、ユーザへ支払われる報酬が預け入れられた銀行であり、第4実施形態ではプール口座開設銀行を示す情報を含む。サービス要求転送部106は、ATM20から送信されたサービス要求をプール口座管理サーバ26へ転送する。このサービス要求は、指定サービス情報と特定IDを含む。
【0116】
中継サービス実行部108は、ゲートウェイとしての情報中継サービスをATM20へ提供する。例えば、指定サービス情報で残高照会が指定された場合、プール口座管理サーバ26から送信された報酬の残高情報をATM20へ転送する。また指定サービス情報で引出が指定された場合、報酬金額を出金させるための指示データをATM20へ送信する。また指定サービスで振込が指定された場合、プール口座管理サーバ26から送信された振込結果の情報をATM20へ転送する。
【0117】
以上の構成による報酬支払支援システム10の動作を説明する。
図13は、第4実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。同図は、ユーザが個人番号カードを使用し、銀行サービスとして残高照会を利用する場合の動作を示している。また同図では、報酬支払企業とユーザ間で特定IDを共有する方法として、報酬支払企業が特定IDを決定してユーザへ通知する方法を示している。
【0118】
報酬支払企業の企業PC24は、プール口座の開設要求をプール口座管理サーバ26へ送信し、プール口座管理サーバ26のマネープール管理部94は、報酬支払企業のプール口座を開設する(S70)。ユーザへの報酬支払時期に至ると、報酬支払企業の担当者は、今回の報酬支払に対して割当てた特定ID、支払金額、プール口座の口座番号を含む支払情報を企業PC24からプール口座管理サーバ26へ送信させる(S71)。プール口座管理サーバ26の支払情報取得部112は、報酬支払企業から送信された支払情報を取得して支払情報保持部110に格納する。
【0119】
報酬支払企業の担当者は、プール口座開設銀行の名称と特定IDをユーザへ連絡する(S72)。電話や郵便等により連絡してもよく、また、企業PC24からユーザの情報端末へ電子メール等により通知してもよい。ユーザは、カードライタを使用して、自身の個人番号カードに特定IDを記録する(S73)。
【0120】
ユーザはATM20へ個人番号カードを挿入し(S74)、ATM20のメニュー画面で「報酬等の残高照会」を選択する(S75)。ATM20は、PIN入力画面を表示させ、ユーザは、PIN入力画面に個人番号カードのPINコードを入力する(S76)。ATM20は、「報酬等の残高照会」を示す指定サービス情報と、個人番号カードから読取られた電子証明書および特定IDと、ユーザが入力したPINコードを含むサービス要求を報酬支払GW12へ送信する(S77)。
【0121】
報酬支払GW12の有効性確認部74は、個人認証サーバ22と連携して、サービス要求に含まれる電子証明書の有効性を確認する(S78)。電子証明書が有効と判定されると、報酬支払GW12の銀行選択受付部104は、銀行選択画面を表示するようATM20へ指示する(S79)。ATM20は、銀行選択画面を表示させ、ユーザは、S72で通知されたプール口座開設銀行を選択する(S80)。ATM20は、銀行選択画面で選択されたプール口座開設銀行の識別情報を含む銀行情報を報酬支払GW12へ送信する(S81)。
【0122】
報酬支払GW12は、プール口座管理サーバ26と連携して、特定IDに基づく残高照会処理を実行する(S82)。具体的には、報酬支払GW12のサービス要求転送部106は、指定サービス情報と特定IDを含むサービス要求をプール口座管理サーバ26へ送信する。プール口座管理サーバ26の銀行サービス実行部116(残高照会部118)は、特定IDに基づいて残高照会のためのデータ処理を実行する。例えば、支払情報保持部110に格納された支払情報を参照して、サービス要求が含む特定IDに対応付けられた報酬金額を識別し、その報酬金額を示す残高情報を報酬支払GW12へ送信する。
【0123】
報酬支払GW12の中継サービス実行部108は、プール口座管理サーバ26から受け付けた報酬金額を示す残高情報をATM20へ送信する(S83)。ATM20は、報酬金額を示す残高情報を画面に表示させる(S84)。なお、シーケンス図に示す処理順序は一例であり、例えばS74の前にS75を実行してもよい。また、S77より前にS80を実行し、銀行情報を含むサービス要求をATM20から報酬支払GW12へ送信してもよい。またユーザは、個人番号カードに特定IDを記録することに代えて、ATM20の画面へ特定IDを直接入力してもよい。
【0124】
図14も、第4実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。同図は、ユーザが自身の個人口座のキャッシュカードを使用し、銀行サービスとして金銭引出を利用する場合の動作を示している。また同図では、報酬支払企業とユーザ間で特定IDを共有する方法として、ユーザが特定IDを決定して報酬支払企業へ通知する方法を示している。
【0125】
報酬支払企業の企業PC24は、プール口座の開設要求をプール口座管理サーバ26へ送信し、プール口座管理サーバ26のマネープール管理部94は、報酬支払企業のプール口座を開設する(S90)。ユーザへの報酬支払時期に至ると、報酬支払企業の担当者は、プール口座開設銀行の名称をユーザへ連絡するとともに、特定IDを連絡するようにユーザへ依頼する(S91)。ユーザは、特定IDを決定して報酬支払企業へ連絡する(S92)。S91、S92の処理は電子メール等のオンラインで実行されてもよい。
【0126】
企業の担当者は、特定ID、支払金額、プール口座の口座番号を含む支払情報を企業PC24からプール口座管理サーバ26へ送信させる(S93)。プール口座管理サーバ26の支払情報取得部112は、報酬支払企業から送信された支払情報を取得して支払情報保持部110に格納する。
【0127】
ユーザはATM20へキャッシュカードを挿入し(S94)、ATM20のメニュー画面で「報酬等の引出」を選択する(S95)。ATM20は、PIN入力画面を表示させ、ユーザは、PIN入力画面にキャッシュカードのPINコードと特定IDを入力する(S96)。ATM20は、「報酬等の引出」を示す指定サービス情報と、キャッシュカードから読取られたカード情報と、ユーザが入力したPINコードおよび特定IDを含むサービス要求を報酬支払GW12へ送信する(S97)。
【0128】
報酬支払GW12の有効性確認部74は、個人口座管理サーバ28と連携し、キャッシュカードのカード情報とPINコードに基づいてキャッシュカードの有効性を確認する(S98)。キャッシュカードが有効と判定されると、報酬支払GW12は、銀行選択画面を表示するようATM20へ指示する(S99)。以降のS100、S101は、
図13のS80、S81と同様である。
【0129】
報酬支払GW12は、プール口座管理サーバ26と連携して、特定IDに基づく金銭引出処理を実行する(S102)。具体的には、報酬支払GW12のサービス要求転送部106は、指定サービス情報と特定IDを含むサービス要求をプール口座管理サーバ26へ送信する。プール口座管理サーバ26の銀行サービス実行部116(引出サービス部120)は、サービス要求が含む特定IDに対応付けられた報酬金額を識別し、その報酬金額をATM20に出金させるための所定のデータ処理を実行する。報酬支払GW12の中継サービス実行部108は、報酬金額の出金を許可する旨の情報がプール口座管理サーバ26から受け付けられた場合に、報酬金額の出金を指示するデータをATM20へ送信する(S103)。ATM20は、報酬金額の出金処理を実行する(S104)。
【0130】
図13、
図14には不図示だが、ATM20で「報酬等の振込」メニューが選択されてもよい。この場合、
図13では、ユーザが振込先口座番号をATM20へ入力し、その振込先口座番号を含むサービス要求がプール口座管理サーバ26へ送信されてもよい。また
図14では、報酬支払GW12がキャッシュカード情報から振込先口座番号を識別し、その振込先口座番号を含むサービス要求がプール口座管理サーバ26へ送信されてもよい。プール口座管理サーバ26の銀行サービス実行部116(振込サービス部122)は、特定IDに対応付けられた報酬金額を、プール口座から振込先口座へ振り込むためのデータ処理を実行してもよい。
【0131】
図13、
図14には不図示だが、個人番号カードの電子証明書(またはキャッシュカード情報)が有効であると確認されなかった場合、言い換えれば、それらの情報が無効であると確認された場合、報酬支払GW12は、特定IDを含むサービス要求をプール口座管理サーバ26へ送信することを抑制する。これにより、無効もしくは不正な個人番号カードやキャッシュカードによる取引を防止することができ、報酬支払の安全性を高めることができる。
【0132】
第1〜第3実施形態と同様に、第4実施形態の報酬支払支援システム10においても、報酬支払GW12は、報酬支払のプラットフォームとして機能する。報酬支払企業は、多くの個人へ支払うべき金銭を一括してプール口座へ預け入れればよく、報酬支払に係る業務を効率化することができる。また報酬支払企業は、多くの個人に対する高頻度の報酬支払を容易に実施することができる。
【0133】
(第5実施形態)
上記の第2〜第4実施形態と同様に、第5実施形態の報酬支払支援システム10も、金銭の支払主体が複数の個人に対して支払うべき金銭が一括して預け入れられるマネープールから、各個人への金銭の支払を支援する情報処理システムである。
図15は、第5実施形態の報酬支払支援システム10の構成を示す。
図15に示す構成要素のうち、上記実施形態で説明済の構成要素と同一または対応する構成要素には同一の符号を付している。以下、上記実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。
【0134】
企業端末200で総称される企業端末200a、企業端末200bは、第2実施形態の企業サーバ14a、企業サーバ14bに対応し、複数の金銭支払主体(報酬支払企業A、報酬支払企業B)により操作される情報処理装置である。認証サーバ202は、クレジットカード会社が管理する情報処理装置である。認証サーバ202は、報酬支払GW12からの要求に基づいて、指定されたクレジットカード番号の有効性を確認する処理を実行し、指定されたクレジットカード番号が有効か無効かを示す確認結果を報酬支払GW12へ返信する。
【0135】
図16は、
図15の報酬支払GW12の機能構成を示すブロック図である。同図の記憶部212、制御部210、通信部214は、第2実施形態(
図7)の制御部60、記憶部62、通信部64に対応する。記憶部212は、マネープール保持部216と支払情報保持部218を含む。制御部210は、マネープール管理部220、支払情報取得部222、ID情報取得部224、有効性確認部226、金銭支払部228を含む。
【0136】
マネープール保持部216は、第2実施形態のマネープール保持部90に対応し、報酬支払企業A・報酬支払企業Bのそれぞれにより開設されたプール口座に関する情報を記憶する。具体的には、報酬支払企業A・報酬支払企業Bのそれぞれが開設したプール口座について、報酬支払企業のID、口座番号、預入金の残高を対応付けて保持する。
【0137】
支払情報保持部218は、第2実施形態の対象者情報保持部92に対応し、支払情報を保持する。支払情報は、報酬支払企業のID、報酬支払先個人のID、個人への支払金額(報酬金額ともいえ、プール口座からの引出金額とも言える。)を含む。本実施形態における個人のIDは、個人が所持するクレジットカードの番号(以下「クレジットカード番号」と呼ぶ。)であり、典型的にはクレジットカードに記載される。
【0138】
マネープール管理部220は、第2実施形態のマネープール管理部94に対応し、プール口座の管理に係るデータ処理を実行する。例えば、マネープール管理部220は、プール口座の開設要求を企業端末200a、企業端末200bから受け付け、プール口座の情報をマネープール保持部216に記録する。またマネープール管理部220は、開設済のプール口座に対する金銭の預け入れ要求を企業端末200a、企業端末200bから受け付け、要求元企業に対応するプール口座の残高を増加させる。プール口座への金銭の預け入れは、公知のインターネットバンキングの方法により実現されてもよい。
【0139】
支払情報取得部222は、第2実施形態の対象者情報取得部96に対応し、企業端末200aおよび企業端末200bから支払情報の登録要求を受け付ける。支払情報取得部222は、登録要求で指定された報酬支払企業のID、報酬支払先個人のID(本実施形態ではクレジットカード番号)、個人への支払額を含む支払情報を支払情報保持部218へ格納する。
【0140】
ID情報取得部224は、第2実施形態のID情報取得部72に対応し、ユーザが報酬受取を要求する場合に、ATM20で入力された当該ユーザのID情報を取得する。ID情報取得部224は、カード情報取得部とも言え、ATM20から送信されるユーザのクレジットカード情報をユーザのID情報として取得する。具体的には、クレジットカード情報は、クレジットカードから読み取られたクレジットカード番号と、ATM20に対してユーザが入力したクレジットカードのPINコードを含む。なお、同一または別のATM20で、別のユーザが報酬受取メニューを選択する場合も、ID情報取得部224は、その別のユーザに関するクレジットカード情報を取得する。
【0141】
有効性確認部226は、第2実施形態の有効性確認部74に対応し、ATM20を利用する複数のユーザそれぞれが所持するクレジットカードの有効性を認証サーバ202と連携して確認する。具体的には、有効性確認部226は、ID情報取得部224により取得されたクレジットカード番号およびPINコードを認証サーバ202へ送信し、クレジットカード番号が有効か否か、言い換えれば、クレジットカード番号およびPINコードの認証に成功したか否かを示す情報を認証サーバ202から受信する。
【0142】
金銭支払部228は、第2実施形態の金銭支払部78に対応し、ATM20のユーザ毎に、報酬支払企業のプール口座に預け入れられた金銭の一部であり、報酬支払企業が予め指定した報酬額を支払う処理を実行する。具体的には、金銭支払部228は、ATM20からクレジットカード番号が入力され、そのクレジットカード番号が有効であると確認された場合に、支払情報保持部218の支払情報においてそのクレジットカード番号と対応付けられた報酬支払企業のIDと支払金額を特定する。金銭支払部228は、特定した報酬支払企業のプール口座から、特定した支払金額を引き落とす(例えば残高から支払金額を減算する)。それとともに金銭支払部228は、特定した支払金額の出金を指示するデータをATM20へ送信し、当該支払金額の出金処理をATM20に実行させる。
【0143】
また、金銭支払部228は、ATM20から入力されたクレジットカード番号を定めた複数の支払情報(ここでは1つの報酬支払企業から送信された複数の支払情報)が支払情報保持部218に記憶されている場合、それらの複数の支払情報が定める支払金額の合計額を上記1つの報酬支払企業のプール口座から引き落とす。それとともに金銭支払部228は、複数の支払情報が定める支払金額の合計額の出金を指示するデータをATM20へ送信し、その合計額の出金処理をATM20に実行させる。
【0144】
また、金銭支払部228は、ATM20から入力されたクレジットカード番号を定めた複数の支払情報であって、報酬支払企業のIDが異なる複数の支払情報が支払情報保持部218に記憶されている場合、各支払情報が定める報酬支払企業のプール口座から、各支払情報が定める支払金額を引き落とす。それとともに金銭支払部228は、複数の支払情報が定める支払金額の合計額の出金を指示するデータをATM20へ送信し、その合計額の出金処理をATM20に実行させる。
【0145】
以上の構成による報酬支払支援システム10の動作を説明する。
図17は、第5実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。同図は、報酬支払企業Aが同一ユーザに対する報酬支払を複数回予約し、そのユーザがATM20aを操作して複数回分の報酬を一括して取得する場合の動作を示している。
【0146】
報酬支払企業Aは、支払専用のプール口座を報酬支払GW12に開設する(S110)。例えば、企業端末200aは、プール口座の開設要求をオンラインで報酬支払GW12へ送信してもよい。報酬支払GW12のマネープール管理部220は、その要求に応じてプール口座の開設処理を実行し、新規のプール口座の情報をマネープール保持部216へ格納してもよい。また、報酬支払企業Aの担当者が電話や電子メール等で報酬支払GW12の管理者に連絡し、プール口座の開設を依頼してもよく、報酬支払GW12の管理者はプール口座の開設作業を実行してもよい。
【0147】
ユーザは、自身が所持するクレジットカード番号を電話や電子メール等の手段で報酬支払企業Aへ連絡する(S111)。ユーザに対する報酬支払タイミングに至ると、企業端末200aは、自社のID、ユーザのクレジットカード番号、支払金額を指定した支払情報を報酬支払GW12へ登録する(S112)。報酬支払企業Aは、ユーザに対して報酬受取が可能である旨を連絡する(S113)。ユーザに対する新たな報酬支払タイミングに至ると、報酬支払企業Aは、新たな支払情報を報酬支払GW12へ登録し(S114)、ユーザに対して新たな報酬受取が可能である旨を連絡する(S115)。
【0148】
ATM20aのメニュー画面(例えば
図5の(a))でユーザが報酬受取を選択すると(S116)、ATM20aの表示制御部46は、クレジットカードの挿入とPINコードの入力を指示する画面をLCD30に表示させる(S117)。ユーザはクレジットカードをATM20aへ挿入し、クレジットカードのPINコードをATM20aへ入力する(S118)。ATM20aのカード情報送信部48は、カードリーダ32で読み込まれたクレジットカード番号と、ユーザにより入力されたPINコードを報酬支払GW12へ送信する(S119)。
【0149】
報酬支払GW12のID情報取得部224は、ATM20aから送信されたユーザのクレジットカード番号とPINコードを取得する。有効性確認部226は、認証サーバ202と連携して、ユーザのクレジットカード番号が有効か否か、言い換えれば、失効していないかを確認する(S120)。ユーザのクレジットカード番号が有効であれば、金銭支払部228は、ユーザのクレジットカード番号をキーとして支払情報保持部218に登録された複数の支払情報を検索する。金銭支払部228は、検索にヒットした1つ以上の支払情報(ここではS112とS114で登録された2つの支払情報)が示す支払金額の合計額を算出する。金銭支払部228は、その合計額を報酬支払企業Aのプール口座から引き落とし、その合計額の出金をATM20aへ指示する(S121)。ATM20aの出金制御部50は、報酬支払GW12の指示にしたがって上記合計額の出金処理を実行する(S122)。
【0150】
図18も、第5実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。同図は、報酬支払企業Aと報酬支払企業Bの双方が同一ユーザに対する報酬支払を予約し、そのユーザがATM20aを操作して両方の企業からの報酬を一括して取得する場合の動作を示している。
【0151】
報酬支払企業Aは、支払専用のプール口座を報酬支払GW12に開設し(S130)、報酬支払企業Bも、支払専用のプール口座を報酬支払GW12に開設する(S131)。ユーザは、自身が所持するクレジットカード番号を報酬支払企業Aへ連絡する(S132)。ユーザに対する報酬支払タイミングに至ると、企業端末200aは、自社のID、ユーザのクレジットカード番号、支払金額(ここでは「第1支払金額」と呼ぶ。)を指定した第1支払情報を報酬支払GW12へ登録する(S133)。報酬支払企業Aは、ユーザに対して報酬受取が可能である旨を連絡する(S134)。
【0152】
同様にユーザは、自身が所持するクレジットカード番号(ここではS132と同じ番号)を報酬支払企業Bへ連絡する(S135)。ユーザに対する報酬支払タイミングに至ると、企業端末200bは、自社のID、ユーザのクレジットカード番号、支払金額(ここでは「第2支払金額」と呼ぶ。)を指定した第2支払情報を報酬支払GW12へ登録する(S136)。報酬支払企業Bは、ユーザに対して報酬受取が可能である旨を連絡する(S137)。
【0153】
以下のS138〜S142は、
図17のS116〜S120と同じであるため説明を省略する。ユーザのクレジットカード番号が有効であれば、金銭支払部228は、ユーザのクレジットカード番号をキーとして、支払情報保持部218に登録された複数の支払情報を検索する。ここでは、上記の第1支払情報と第2支払情報を特定する。金銭支払部228は、第1支払情報が示す第1支払金額を報酬支払企業Aのプール口座から引き落とし、第2支払情報が示す第2支払金額を報酬支払企業Bのプール口座から引き落とす。金銭支払部228は、第1支払金額と第2支払金額の合計額の出金をATM20aへ指示する(S143)。ATM20aの出金制御部50は、報酬支払GW12の指示にしたがって上記合計額の出金処理を実行する(S144)。
【0154】
報酬支払GW12には、報酬支払企業ごとにプール口座が設けられる。そのため、第2実施形態等と同様に、第1のユーザが報酬を受け取る場合と、第1のユーザとは異なる第2のユーザが報酬を受け取る場合のいずれにおいても、実質的に同じ処理(例えば
図17のS111〜S122、
図18のS132〜S144)が実行される。報酬支払GW12は、第1のユーザへの報酬支払と第2のユーザへの報酬支払が報酬支払企業Aにより登録されていれば、第1のユーザへの報酬額と第2のユーザへの報酬額のそれぞれを報酬支払企業Aの同じプール口座から引き落とす。
【0155】
第5実施形態の報酬支払支援システム10においても、報酬支払企業は、多くの個人へ支払うべき金銭を一括してプール口座へ預け入れればよく、報酬支払に係る業務を効率化することができる。また、報酬受取人であるユーザは、単一の報酬支払企業から複数回の報酬支払が行われた場合、または、複数の報酬支払企業から複数回の報酬支払が行われた場合において、ユーザは個々の報酬支払を意識する必要がなく、異なるタイミングで複数回に亘って支払われた報酬を一括して取得できる。ユーザは、複数の報酬のそれぞれに対する手続き、例えば報酬ごとに異なるIDをATM20へ入力することが不要になり、ユーザの利便性を向上できる。
【0156】
変形例を説明する。上記第5実施形態ではクレジットカードで報酬を取得する構成を提案したが、第1実施形態のようにキャッシュカードで報酬を取得する構成であってもよく、第2〜第4実施形態のように個人番号カードで報酬を取得する構成であってもよい。例えば、第5実施形態の金銭支払部228の構成を、第1〜第4実施形態の報酬支払GW12へ適用することにより、キャッシュカードまたは個人番号カードによって、複数回に亘り支払われた報酬を一括して取得することを実現できる。なお、ユーザは、ATM20に対してキャッシュカードを挿入して報酬の受取メニューを選択後、クレジットカード番号を入力する構成であってもよい。この場合、クレジットカード番号が有効であることが確認された場合に、複数回に亘って支払われた報酬を、キャッシュカードが示すユーザの口座に一括して振り込む構成であってもよい。また、第4実施形態で示したように、報酬支払企業のプール口座は、報酬支払GW12とは別の金融機関(銀行等)の装置が管理してもよい。
【0157】
別の変形例を説明する。上記第5実施形態では言及していないが、ユーザはATM20に対して個人番号カードを挿入し、ATM20は、個人番号カードからユーザのマイナンバーを含むID情報を読み取って報酬支払GW12へ送信してもよい。例えば、
図8のS36〜S37に示す処理を実行してもよい。報酬支払GW12は、ATM20から送信されたID情報(マイナンバー)を使用して、法定調書(例えば源泉徴収票)を自動で作成し、その法定調書をユーザおよび報酬支払企業へ提供してもよい。例えば
図8のS38〜S48の処理を実行してもよい。なお、複数の支払情報が示す支払金額の合計額を一括してユーザへ提供する場合であっても、個々の支払情報ごとに金銭支払の事実を示す法定調書を作成してもよく、言い換えれば、複数の支払情報に対応する複数の法定調書を作成してもよい。
【0158】
さらに別の変形例を説明する。第5実施形態で説明したクレジットカードで報酬を受け取る構成が、第1〜第4実施形態に組み込まれてもよい。すなわち、第1〜第4実施形態において、ユーザは、キャッシュカードまたは個人番号カードに代えてクレジットカードをATM20へ挿入してもよい。報酬支払GW12は、ATM20から通知されたクレジットカード番号の有効性が確認された場合に報酬をATM20から出金させてもよい。
【0159】
(第6実施形態)
上記の第2〜第5実施形態と同様に、第6実施形態の報酬支払支援システム10も、金銭の支払主体が複数の個人に対して支払うべき金銭が一括して預け入れられるマネープールから、個人への金銭の支払を支援する情報処理システムである。
図19は、第6実施形態の報酬支払支援システム10の構成を示す。
図19に示す構成要素のうち、上記実施形態で説明済の構成要素と同一または対応する構成要素には同一の符号を付している。以下、上記実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。
【0160】
報酬支払支援システム10は、複数のユーザのそれぞれが所持する携帯端末204(携帯端末204a、携帯端末204b、携帯端末204c)を備える。携帯端末204a、携帯端末204b、携帯端末204cのそれぞれは、例えばスマートフォンまたはタブレット端末であり、インターネット等の通信網を介して報酬支払GW12に接続される。携帯端末204は、操作者が正当なユーザ本人か否かを確認する機能を備え、例えば指紋認証の機能および/またはパターン認証の機能を備える。
【0161】
携帯端末204には、インターネット上のデジタルコンテンツ配信サイトにおいて提供される報酬受取用アプリケーション(以下「報酬受取App」とも呼ぶ。)が予めインストールされる。報酬受取Appは次の4つの機能を備える。(1)報酬受取のためのID(以下「受取ID」と呼ぶ。)を発行し、画面に表示する機能。(2)携帯端末204の識別情報(端末ごとにユニークなIDであればよく、以下「端末ID」と呼ぶ。)と公開鍵とを報酬支払GW12に登録する機能。(3)受取IDを携帯端末204の秘密鍵で暗号化し、その暗号化データと端末IDとを報酬支払GW12へ送信する機能。(4)報酬支払GW12からワンタイムパスワードを取得し、画面に表示する機能。
【0162】
図20は、
図19の報酬支払GW12の機能構成を示すブロック図である。記憶部212は、マネープール保持部216、支払情報保持部218、公開鍵保持部230、OTP保持部231を含む。制御部210は、マネープール管理部220、支払情報取得部222、ID情報取得部224、金銭支払部228、ID復号部232、OTP生成部234、OTP通知部236、OTP取得部238、OTP照合部240を含む。以下、第5実施形態(
図16)と異なる点を説明する。
【0163】
公開鍵保持部230は、複数の携帯端末204のそれぞれから登録された端末IDと公開鍵とを対応づけて記憶する。OTP保持部231は、ワンタイムパスワードそのもの、ワンタイムパスワードの有効期間、携帯端末204から通知された受取IDを対応付けて記憶する。
【0164】
支払情報取得部222は、企業端末200aおよび企業端末200bから支払情報の登録要求を受け付け、登録要求で指定された報酬支払企業のID、報酬支払先個人のID、個人への支払額を含む支払情報を支払情報保持部218へ格納する。本実施形態における個人のIDは、報酬受取Appが発行した受取IDである。
【0165】
ID情報取得部224は、ユーザ個人のIDとして、携帯端末204から送信された受取IDの暗号化データと端末IDを取得する。ID復号部232は、携帯端末204から送信された暗号化データを、公開鍵保持部230で端末IDと対応づけられた公開鍵で復号し、オリジナルの受取IDを取得する。
【0166】
OTP生成部234は、ID復号部232による復号処理が成功した場合にワンタイムパスワードを生成する。このワンタイムパスワードは、生成から所定時間(例えば5分間)だけ有効なものとして扱われる文字列であってもよい。OTP生成部234は、生成したワンタイムパスワードと、その有効期間と、ID復号部232により復号された受取IDとを対応付けてOTP保持部231に格納する。
【0167】
OTP通知部236は、OTP生成部234により生成されたワンタイムパスワードのデータを、受取ID送信元の携帯端末204へ送信する。OTP取得部238は、ユーザがATM20へ入力したワンタイムパスワードを取得する。
【0168】
OTP照合部240は、OTP取得部238により取得されたワンタイムパスワードと、OTP保持部231に格納されたワンタイムパスワードを照合する。OTP照合部240は、OTP取得部238により取得されたワンタイムパスワードがOTP保持部231に存在し、かつ、そのワンタイムパスワードに対応付けられた有効期間内であれば照合成功と判定する。
【0169】
金銭支払部228は、OTP照合部240がワンタイムパスワードの照合に成功した場合、そのワンタイムパスワードに対応づけて保持された受取IDをキーとして支払情報保持部218に格納された複数の支払情報を検索し、当該受取IDを指定する支払情報(すなわち報酬支払企業のIDと支払金額)を特定する。金銭支払部228は、特定した報酬支払企業のプール口座から、特定した支払金額を引き落とす。それとともに金銭支払部228は、特定した支払金額の出金を指示するデータをATM20へ送信する。
【0170】
以上の構成による報酬支払支援システム10の動作を説明する。
図21は、第6実施形態の報酬支払支援システム10の動作を示すシーケンス図である。同図には不図示だが、携帯端末204には報酬受取Appがインストールされ、報酬受取Appは、自端末の公開鍵と自端末固有の端末IDを報酬支払GW12へ予め登録する。報酬支払企業(ここでは報酬支払企業Aとする)は、支払専用のプール口座を報酬支払GW12に開設する(S150)。
【0171】
ユーザは、携帯端末204で報酬受取Appを起動し、受取ID発行のメニューを選択する。携帯端末204の報酬受取Appは、ユニークな受取IDを発行し、受取IDをディスプレイに表示させる(S151)。ユーザは、オンラインまたはオフラインにて報酬支払企業の担当者へ受取IDを申告する(S152)。ユーザに対する報酬支払タイミングに至ると、企業端末200aは、自社のID、ユーザから申告された受取ID、支払金額を指定した支払情報を報酬支払GW12へ登録する(S153)。報酬支払企業Aは、ユーザに対して報酬受取が可能である旨を連絡する(S154)。
【0172】
ユーザは、携帯端末204にて報酬受取Appを起動し、報酬受取メニューを選択する(S155)。携帯端末204の報酬受取Appは、S151で発行した受取IDを自端末の秘密鍵で暗号化した暗号化データを端末IDとともに報酬支払GW12へ送信する(S156)。報酬支払GW12のID復号部232は、携帯端末204から送信された暗号化データを、携帯端末204から送信された端末IDに対応づけられた携帯端末204の公開鍵で復号する(S157)。復号に成功した場合(例えば復号により正しい形式の受取IDが得られた場合)、OTP生成部234はワンタイムパスワードを生成し、OTP通知部236はワンタイムパスワードを携帯端末204へ送信する(S158)。携帯端末204の報酬受取Appは、報酬支払GW12から送信されたワンタイムパスワードをディスプレイに表示させる(S159)。
【0173】
ユーザは、ATM20のメニュー画面(例えば
図5の(a))で報酬受取を選択し(S160)、携帯端末204に表示されたワンタイムパスワードをATM20へ入力する(S161)。ATM20は、ユーザにより入力されたワンタイムパスワードを報酬支払GW12へ送信する(S162)。報酬支払GW12のOTP照合部240は、ATM20から送信されたワンタイムパスワードが、OTP生成部234により生成されたワンタイムパスワードと合致するか否かを確認する(S163)。両者が合致する場合、金銭支払部228は、S157で得られた受取IDを指定する支払情報を抽出し、その支払情報が示す支払金額を報酬支払企業Aのプール口座から引き落とし、その支払金額の出金をATM20aへ指示する(S164)。ATM20aの出金制御部50は、報酬支払GW12の指示にしたがって上記支払金額の出金処理を実行する(S165)。
【0174】
第6実施形態の報酬支払支援システム10によると、携帯端末204が指紋認証等によってユーザを認証することを前提として、正当なユーザ本人が報酬受取を要求していることを確認できる。これにより、第三者が正当なユーザになりすまし、正当なユーザが受け取るべき報酬を取得してしまうことを防止できる。
【0175】
変形例として、第6実施形態の構成においてワンタイムパスワードの発行を省略し、ユーザは、
図21のS51で提示された受取IDをATM20へ入力してもよい。報酬支払GW12は、ATM20から送信された受取IDを指定する支払情報に基づいて報酬支払処理を実行してもよい。この変形例においても、
図21のS157等により、ユーザが使用する携帯端末204は正当なものであり、ユーザがその携帯端末204による認証に成功したことが確認できるため、なりすましを排除しやすくなる。
【0176】
別の変形例として、携帯端末204の報酬受取Appは、自端末の公開鍵を報酬支払GW12に登録する際に、受取ID(平文)を登録してもよい。報酬支払GW12は、S157で受取IDを復号した場合に復号結果の受取IDを予め登録された受取IDと比較し、両者が一致すれば照合に成功したと判定してS158以降の処理へ進んでもよい。
【0177】
さらに別の変形例として、第6実施形態の構成を他の実施形態の構成と組み合わせることもできる。例えば、
図21のS151〜S159の処理を実行後、ユーザは、キャッシュカード、個人番号カード、またはクレジットカードをATM20へ挿入し、カードのPINと、S159で提示されたワンタイムパスワードの両方をATM20へ入力してもよい。報酬支払GW12は、ワンタイムパスワードの照合に成功した場合に、各実施形態に記載の報酬支払処理を実行してもよい。
【0178】
さらに別の変形例として、GPS、iBeacon(商標または登録商標)、Bluetooth(商標または登録商標)Low Energy、NFCタグ等の技術を用いて携帯端末204の位置認証をさらに実行する構成でもよい。例えば、携帯端末204の報酬受取Appは、上記技術のうち少なくとも1つを用いて自端末の現在位置を取得し、現在位置を示すデータを報酬支払GW12へ送信してもよい。報酬支払GW12は、携帯端末204の現在位置が所定の条件を満たす場合に認証成功と判定し、認証成功の場合に以降の報酬支払処理(例えばワンタイムパスワードの発行等)を実行してもよい。所定の条件は、例えば、ATM20が設置された場所から所定距離内であることでもよく、ユーザが居住する地域(例えば国)の中、もしくは近傍であることでもよい。
【0179】
なお、端末の位置によりユーザの正当性を判定する技術として日本国特許4755865号があり、日本国特許4755865号の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
さらに別の変形例として、ユーザが携帯端末204に表示されたワンタイムパスワードをATM20へ入力する以外の方法で、携帯端末204の所持者が正当なユーザであることを判定をしてもよい。例えば、携帯端末204の電話番号が報酬支払GW12に予め登録される場合、ユーザは、ATM20に携帯端末204の電話番号を入力してもよい。報酬支払GW12は、ATM20で入力された電話番号が予め登録された電話番号に一致する場合、金銭支払処理を実行してもよい。
【0181】
ATM20を利用して、携帯端末204の所持者が正当なユーザであることを判定する方法としてはさらに別の方法も考えられる。例えば、携帯端末204とATM20がNFC(Near Field Communication)をサポートする場合、携帯端末204をATM20の所定部位に接触もしくは近づけることにより、携帯端末204が記憶するデータ(例えばワンタイムパスワード、電話番号等)が携帯端末204からATM20へ入力されてもよい。また、QRコード(登録商標)を携帯端末204に表示させて、それを携帯端末204が読み取ってもよい。また、上記変形例で携帯端末204の位置を確認する場合、ユーザが携帯端末204の電話番号をATM20へ入力してもよい。その電話番号を受け付けた報酬支払GW12は、携帯端末204宛にプッシュ通知を送り、携帯端末204は、プッシュ通知に基づく画面を表示させてもよい。ユーザがその画面に対して所定操作(所定ボタンの選択等)を入力すると、当該画面のプログラムは携帯端末204の位置情報を取得して報酬支払GW12へ送信してもよい。報酬支払GW12は、上記変形例と同様に、携帯端末204から受け付けた位置情報に応じて報酬支払処理を実行してもよい。
【0182】
上記の第1〜第6実施形態では、報酬の支払を例示し、また支払主体を企業としたが、各実施形態の技術思想はこれに制限されない。各実施形態の技術思想は、企業と個人を含む種々の支払主体から、個人へ金銭を移動させるべき場合に広く適用可能である。例えば、通信販売等において代引きで購入した商品を返品した際の、販売者から購入者への返金処理にも適用可能である。また、C to C(Consumer to Consumer)の取引において、個人から個人への金銭支払にも適用可能である。
【0183】
以上、本発明を第1〜第6の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0184】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。