(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ガス流路は前記第1ガス流路よりも前記セルスタック側に設けられており、前記第1ガス流路を流れるガスが、前記酸素含有ガスであり、前記第2ガス流路を流れるガスが、前記排ガスであることを特徴とする請求項2記載の燃料電池モジュール。
前記蓋体には、前記酸素含有ガスを外部から導入するとともに、前記第1ガス流路と連通する導入部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池モジュール。
前記セルスタックよりも前記箱体の底面側に配設され、前記酸素含有ガスを前記底面に沿って流過させ、流過した前記酸素含有ガスを前記セルスタックに供給する酸素含有ガス導入口を有する酸素含有ガス導入板をさらに備えることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
前記第1ガス流路と前記酸素含有ガス導入板とを接続する第3ガス流路をさらに備え、前記第1ガス流路を流過した前記酸素含有ガスが、前記第3ガス流路を流過して前記酸素含有ガス導入板に流入することを特徴とする請求項8記載の燃料電池モジュール。
前記第3ガス流路が、前記燃料電池セルの長手方向における一端側に設けられており、前記第3ガス流路が前記第1ガス流路の下流側の一端と、前記酸素含有ガス導入板の上流側の一端とを連通しており、前記導入部および前記酸素含有ガス導入口が、前記燃料電池セルの長手方向における他端側に設けられていることを特徴とする請求項5を引用する請求項9に記載の燃料電池モジュール。
前記第3ガス流路は、前記第1ガス流路から前記酸素含有ガス導入板までを接続する主流路部分と、前記酸素含有ガス導入板と前記主流路部分とが接続する位置よりも前記箱体の底面側に延びる延設部分とを有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
前記第1ガス流路は、前記酸素含有ガス導入板へと流れる前記酸素含有ガスを、前記酸素含有ガス導入板を介さずに前記セルスタックに供給する分流部を有することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
請求項1〜19のうちいずれか1つに記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを作動させるための補機と、前記燃料電池モジュールおよび前記補機を収容する外装ケースとを備える燃料電池装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の燃料電池モジュールは、収納容器内部の収納室内に、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう複数の燃料電池セルが、互いに電気的に接続されてなるセルスタックを収納して構成されている。
【0009】
図1は、本実施形態の一例を示す燃料電池モジュール1の断面図であり、
図2は、燃料電池モジュール1の分解斜視図である。
【0010】
図1,2に示すセルスタック装置10は、内部を燃料ガスが一端から他端に流通するガス流路を有する中空平板型の柱状の燃料電池セル3を立設させた状態で一列に配列し、配列方向に隣接する燃料電池セル3間が導電部材を介して電気的に直列に接続されている。燃料電池セル3の下端は絶縁性接着材でマニホールド9に固定してなる一列のセルスタック4が配設されている。なお、燃料電池セル3としては、柱状のものであればよく、例えば円筒型や横縞型にも適用できる。
【0011】
セルスタック4の上方には、燃料電池セル3に供給する燃料ガスを生成するための改質器18が配置されてセルスタック装置10とされ、収納容器2内に収納されている。
【0012】
改質器18は、原燃料供給管を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成する。なお、改質器18は、改質効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造であってもよい。改質器18は、水を気化させるための気化部18aと、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒が配置された改質部18bとを備えている。
【0013】
収納容器2は、一面が開口した箱体21と、箱体21の開口21aを塞ぐ蓋体22とからなる。本実施形態では、箱体21は、直方体形状であり、直方体の6面のうち、最も面積の大きな一対の面の一方の面が開口している。開口21aに対向する他方の面21bが、箱体21の底面21bであり、その他の4つの面が箱体21の側面である。
【0014】
燃料電池モジュール1は、その動作時において、
図2に示すように、セルスタック4の下方にマニホールド9が位置し、セルスタック4の上方に改質器18が位置する。セルスタック4の燃料電池セル3の配列方向側から見たとき、箱体21の開口21aと底面21bとは、それぞれ左右方向、すなわち側方に位置する。また、蓋体22は、開口21aを塞ぐので、動作時には、蓋体22と底面21bとが、それぞれ側方に位置することになる。
【0015】
本実施形態の燃料電池モジュール1においては、改質器18とセルスタック4(燃料電池セル3)との間に燃焼部20が設けられている。燃料電池セル3において発電に使用されなかった燃料ガスを燃焼部20で燃焼させることにより、改質器18の温度、収納容器2内の温度を効率よく上昇させることができる。
【0016】
燃料電池モジュール1における酸素含有ガスおよび排ガスの流れについて、それぞれの流路の構成とともに説明する。本実施形態では、酸素含有ガスは、燃料電池モジュール1の外部に存在する空気である。この空気を外部から燃料電池モジュール内へと供給するための管状の導入部23が蓋体22の外表面に設けられている。
【0017】
蓋体22は、酸素含有ガスおよび収納室11より排出される排ガスのうちいずれか一方のガスが流れる第1ガス流路24を備えている。また本実施形態においては、さらに第1ガス流路24と隣接して配設され、酸素含有ガスおよび排ガスのうちいずれか他方のガスが流れる第2ガス流路25を備えている。なお、後述する第2断熱材41を第1ガス流路24と隙間を空けて配置することで、第2ガス流路25に代えて該隙間を酸素含有ガスおよび排ガスのうちいずれか他方のガスが流れる第5ガス流路とすることもできる。なお、本実施形態においては、外方側に設けられるガス流路を第1ガス流路24とし、第1ガス流路24には、酸素含有ガスである空気が流れる。また、内方側、すなわち箱体21側に設けられるガス流路を第2ガス流路25とし、第2ガス流路25には、排ガスが流れる。なお、図において、蓋体22の外側(外面側)に第1ガス流路24、内側(箱体21側)に第2ガス流路25を設けた例を示しているが、第1ガス流路と第2ガス流路とを蓋体22の外側(外面側)または、蓋体22の内側(箱体21側)に設けた構成とすることもできる。
【0018】
本実施形態において、蓋体22は、箱体21の開口21aを塞ぐための平板状の蓋体本体22aと、蓋体本体22aの、外方に臨む外面側に設けられ、第1ガス流路24を規定する第1流路部材24aと、箱体21に臨む内面側に設けられ、第2ガス流路25を規定する第2流路部材25aと、によって構成されている。第1流路部材24aおよび第2流路部材25aは、いずれも略矩形板状の部材であり、4辺において、第1流路部材24aの第1面(一方の主面)24aa側および第2流路部材25aの第1面(一方の主面)25aa側に流路幅分だけ立設する部分が設けられている。立設する4辺部分を蓋体本体22aの内面または外面に接合することにより、蓋体本体22aと第1流路部材24aとの間隙が第1ガス流路24となり、蓋体本体22aと第2流路部材25aとの間隙が第2ガス流路25となる。つまり本実施形態において、蓋体本体22aが第1ガス流路24と第2ガス流路25とを区画する流路区画部である。
【0019】
本実施形態の燃料電池モジュール1では、平板状の蓋体本体22aに、第1流路部材24aと第2流路部材25aを、間隙を設けるように重ね合わせて接合することにより、容易に空気の流路と排ガスの流路とを形成することができる。また、蓋体22に、ガス流路を設けたことにより、箱体21に設けられるガス流路を少なくすることができ、箱体21の構成を簡単な構成とすることができる。
【0020】
本実施形態では、空気を導入するための導入部23は、第1ガス流路24に連通されている。導入部23は、例えば、蓋体22の下方端部に設けられ、導入部23から導入された空気は、第1ガス流路24を下方から上方に向かって流れる。なお、第1ガス流路24を蛇行流路にすることもできる。そして、第1ガス流路24の上方端部において、収納容器2の内部、すなわち蓋体22よりも内方に空気を流入させるために、蓋体本体22aの上方端部には、厚み方向(左右方向)に貫通する孔、スリットなどの流入口22bが設けられる。本実施形態においては、流入口22bとして、セルスタック4の燃料電池セル3の配列方向に沿って並列に配置された複数の貫通孔が設けられている。複数の貫通孔を設けた構成とすることによって、機械的強度の低下を抑制し、十分な量の空気を蓋体22よりも内方に流入させることができる。
【0021】
流入口22bから収納容器2の内部に流入した空気は、改質器18の上方において、箱体21内に形成された第3ガス流路26を介して、改質器18、セルスタック4を越えて箱体21の底面側へと流れる。なお、第3ガス流路26は、箱体21の内側面のうち、改質器18に対向する内側面、すなわち動作時に上部に位置する内側面に平行な板状部材からなる第3流路部材26aによって規定される。
【0022】
第3ガス流路26は、流れ方向下流側であって、改質器18およびセルスタック4と底面21bとの間の位置において、酸素含有ガス導入板27に接続される。酸素含有ガス導入板27は、例えば、2つの板状部材を、隙間を空けて外周を接合したものであって、第3ガス流路26と連通する部分とセルスタック4に対して酸素含有ガスである空気を供給するための酸素含有ガス導入口27aのみが開放され、それ以外は閉塞されている。
【0023】
第3ガス流路26は、燃料電池セル3の長手方向一端側である上方側に設けられており、導入部23および酸素含有ガス導入口27aは、燃料電池セル3の長手方向他端側である下方側に設けられている。
【0024】
酸素含有ガス導入板27は、第3流路部材26aに設けられた連通孔26bにおいて、第3ガス流路26と接続され、第3ガス流路26を流れる空気が連通孔26bを通って、酸素含有ガス導入板27内に流入する。
【0025】
本実施形態では、第3ガス流路26は、第1ガス流路24から酸素含有ガス導入板27までを接続する主流路部分26cと、酸素含有ガス導入板27と主流路部分26cとが接続する位置からさらに箱体21の底面21b側へと延びる延設部分26dとを有している。なお、延設部分26dを設けずに、第3ガス流路26が、主流路部分26cのみで構成されるようにしてもよい。
【0026】
酸素含有ガス導入板27に流入した空気は、箱体21の底面21bに沿って下方に向かって流れ、流れ方向下流端部に設けられた酸素含有ガス導入口27aから吐出され、セルスタック4の燃料電池セル3間に供給される。酸素含有ガス導入板27の下端は、マニホールド9にまで延設されており、酸素含有ガス導入口27aから吐出された空気は、セルスタック4の、マニホールド9に固定された下方端部付近に供給される。酸素含有ガス導入板27の下端が、マニホールド9にまで延設されていることで、酸素含有ガス導入板27が熱により変形したとしても、マニホールド9に当接するためそれ以上の変形を抑制することができる。さらに、酸素含有ガス導入板27の下端は、あらかじめマニホールド9の縁部に当接させるように構成してもよい。これにより、熱等に起因する酸素含有ガス導入板27の変形や移動をより抑制できるとともに、当接するマニホールド9の位置を、より確実に固定することができるようになる。したがって、本実施形態の燃料電池モジュール1は、輸送等を行っても、セルスタック装置10がしっかり固定され、振動や揺れ等による移動が防止されている。
【0027】
燃料電池セル3間に供給された空気は、燃料電池セル3において、改質器18からマニホールド9を介して供給される燃料ガスとともに発電反応に供され、各燃料電池セル3において発電される。
【0028】
発電反応で使用されなかった燃料ガスと空気とは、セルスタック4と改質器18との間の燃焼部20において、例えば、着火ヒータなどの着火装置によって着火して燃焼され、高温の排ガスを生じる。排ガスは、第2流路部材25aの上方に設けられた連通孔25bを介して第2ガス流路25に流入し、蓋体本体22aに沿って下方に流れる。前述のように、外部から流入した空気は、第1ガス流路24を上方に向かって流れ、排ガスは、第1ガス流路24に隣接する第2ガス流路25を下方に向かって流れ、この間に蓋体本体22aを挟んで比較的低温の空気と比較的高温の排ガスとの間で熱交換され、空気が暖められるとともに排ガスが冷却される。
【0029】
熱交換された排ガスは、第2ガス流路25の下流端部である下方側端部において、第1ガス流路24の流れ方向に直交するように第1ガス流路24を横切る排出部31を介して第1ガス流路24の外方へと排出される。
【0030】
排出部31から排出された排ガスは、熱交換器に供給される。熱交換器では、外部より供給される水とで熱交換を行い、加熱された湯水は例えば給湯装置に利用され、排ガスを熱交換することにより生じる凝縮水は、その後改質器18での水蒸気改質に再利用される。なお、本実施形態では、第1ガス流路24のさらに外方に第4ガス流路32が設けられており、排出部31から排出された排ガスは、第4ガス流路32に流入し、第4ガス流路32に沿って上方に流れる。第4ガス流路32には、例えば、燃焼部20でも燃焼されなかった未燃焼ガスを燃焼させるための燃焼触媒を配置し、未燃焼ガスが燃料電池モジュール1から外部へと排出されないようにすることもできる。第4ガス流路32は、第1ガス流路24、第2ガス流路25と同様に、第4流路部材32aによって規定される。
【0031】
第4ガス流路32に沿って上方に流れた排ガスは、第4ガス流路32の下流側端部である上方側端部において、熱交換器との接続管33と連通し、接続管33を介して熱交換器に供給される。
【0032】
また収納容器2内には、燃料電池モジュール1内の熱が極端に放散され、燃料電池セル3の温度が低下して発電量が低減しないよう、燃料電池モジュール1内の温度を高温に維持するための断熱材が適宜設けられている。
【0033】
第1断熱材40は、箱体21の底面21bと酸素含有ガス導入板27との間に、底面21b全体を覆うように設けられる。第2断熱材41は、セルスタック4と第2ガス流路25の第2流路部材25aとの間に設けられる。第3断熱材42は、動作時にマニホールド9の下方側となる位置に設けられる。
図1に示すように、セルスタック4は、動作時に左右側および下方側となる位置に設けられた第1断熱材40、第2断熱材41および第3断熱材42によって三方を囲まれ、さらに、上方には、燃焼部20が設けられるので、熱の放散による燃料電池セル3の温度低下が抑制される。
【0034】
さらに、酸素含有ガス導入板27とセルスタック4との間には、セルスタック4の配列方向に沿って延びる帯状の第4断熱材43aが、上下に間隔を空けて2本平行に配置されている。酸素含有ガス導入板27のセルスタック4に対向する面には、第4断熱材43aを固定するための断熱材固定部材27bが取り付けられており、第4断熱材43aはこの断熱材固定部材27bにより、高さ位置が位置決めされている。また、第2断熱材41とセルスタック4との間にも、帯状の第4断熱材43bが、上下に間隔を空けて2本平行に配置されている。第2断熱材41のセルスタック4に対向する面には、溝状凹部41aが設けられており、第4断熱材43bはこの溝状凹部41aに嵌入されて、高さ位置が位置決めされている。これにより、第4断熱材43a,43bは、輸送状態もしくは稼動状態において、セルスタック装置10を、適切な位置で支持できるようになっている。
【0035】
本実施形態では、箱体21は、開口21aにおいて外方に延びる外フランジ部21cを有している。外フランジ部21cは、矩形状の開口21aの四辺全体から外方に延びていてもよく、対向する2つの辺から互いに逆方向に外方に延びていてもよく、1つの辺から、または3つの辺から外方にそれぞれ延びていてもよい。
【0036】
蓋体本体22aの外形は、開口21aとほぼ同じか、開口21aよりも大きく、かつ開口21aを含んで外フランジ部21cの外形と同じか、外フランジ部21cの外形よりも小さい。外フランジ部21cと蓋体本体22aの外周部とを例えば、ボルトなどによって締結させる他、溶接することで容易にかつ強固に箱体21と蓋体22とを固定することができる。
【0037】
図3は、他の実施形態の燃料電池モジュール1Aの断面図である。上記では、酸素含有ガス導入板27に流入した空気は、流れ方向下流端部に設けられた酸素含有ガス導入口27aのみから吐出され、セルスタック4の燃料電池セル3間に供給される構成であるが、本実施形態では、たとえば、第1ガス流路24の途中において、酸素含有ガス導入板27に流れる空気を分流する分流部34を設け、酸素含有ガス導入板27を介さずに、酸素含有ガス導入口27a以外からもセルスタック4の燃料電池セル3間に空気を供給するように構成される。分流部34以外の構成については、
図1に示した実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0038】
分流部34は、第2ガス流路25および第2断熱材41を左右方向に貫通するように設けられる。また、分流部34が設けられる高さ位置は、燃料電池セル3の高さの1/2となる位置よりも高い位置であってもよい。このような高さ位置とすることで、セルスタック4の上部側に、酸素含有ガス導入口27aから吐出される空気よりも相対的に低温の空気が供給される。それにより、比較的高温の燃料電池セル3の上部から中間部にかけての温度を低下させることができ、燃料電池セル3およびセルスタック4において、上下方向に温度分布を均一化することができる。
【0039】
図4は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Bの断面図である。上記のように燃料電池モジュール1は、収納容器2の内部に断熱材を設けているが、本実施形態では、さらに収納容器2の外表面に断熱材を設ける。外表面に断熱材を設けることで、収納容器2の外表面からの熱の放散が抑制される。外表面に設けた断熱材以外の構成については、
図1に示した実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0040】
収納容器2の外表面に設けられる断熱材は、外フランジ部21cに沿って箱体21の外側面を覆う外側断熱材を含む。外側断熱材には、箱体21の外フランジ部21cに沿って設けられる箱外側断熱材44と、蓋体22の外周に沿って設けられる蓋外側断熱材45とが含まれる。箱体21の外フランジ部21cは箱外側断熱材44と蓋外側断熱材45とによって両側から挟まれており、外フランジ部21cの先端には、断熱材を設けていない。
【0041】
燃料電池モジュール1Bの動作時には、収納容器2の内部は、500〜800℃程度となり、収納容器2についても加熱され、熱膨張が生じる。外フランジ部21cは、外方に向かってさらに延びるように熱膨張することになるので、例えば外フランジ部21cの先端に断熱材を設けていると、熱膨張した外フランジ部21cによって断熱材が破損してしまう。
【0042】
本実施形態では、箱外側断熱材44と蓋外側断熱材45とが、外フランジ部21cを両側から挟み込むように配置しているので、外フランジ部21cが熱膨張しても断熱材が破損することを抑制することができる。なお、箱外側断熱材44と蓋外側断熱材45とは、外フランジ部21cが熱膨張できる空間を有していれば、その厚みは外フランジ部21cの高さ方向よりも厚くてもよい。
【0043】
外側断熱材は、外フランジ部21cに沿って配置されるもの以外に、箱体21の底面を覆うように設けられる底面外側断熱材46をさらに含んでいてもよい。
【0044】
また、本実施形態の変形例として、燃料電池モジュール1Bは、外側断熱材と箱体21との間にさらに副断熱材を備えていてもよい。副断熱材は、外側断熱材よりも耐熱性に優れた材料で構成されており、このように副断熱材を用いることで外側断熱材には比較的耐熱温度の低い材料を用いることができる。外側断熱材は、例えば、グラスウールやロックウールなどで構成されていてもよく、副断熱材は、例えば、アルミナ・シリカを主成分としたセラミックファイバーなどで構成されていてもよい。
【0045】
図5は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Cの断面図である。上記の実施形態では、第2ガス流路25は、蓋体本体22aの内方側、すなわち蓋体本体22aの箱体21側に設けられ、第1ガス流路24は、外方側に設けられる構成であるが、本実施形態では、第1ガス流路24および第2ガス流路25のいずれも蓋体本体22aの内方側、すなわち箱体21側に設けられている。なお、本実施形態においては、第1流路部材24aが流路区画部である。第1ガス流路24および第2ガス流路25以外の構成については、
図1に示した実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0046】
第1ガス流路24および第2ガス流路25をこのような構成とすることで、第1ガス流路24と第2ガス流路25とは、蓋体本体22aに対して同じ側から溶接されることになるので、作業性を向上させることができる。ここで、第1ガス流路24および第2ガス流路25の双方を、蓋体本体22aの外方側、すなわち第4ガス流路32側に設けても同様の効果を得ることができるが、本実施形態のように第1ガス流路24および第2ガス流路25を蓋体本体22aの内方側に設けた場合、第1ガス流路24を流れる酸素含有ガスは収納容器2内にて熱交換されることになるので、収納容器2外部への放熱を抑えることができるため、セルスタック4へ供給する空気の温度をより上昇させることができる。
【0047】
図6は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Dの上部拡大断面図である。本実施形態は、上記の実施形態とは、第3ガス流路26の構成が異なっており、以下では第3ガス流路26について説明し、その他の部分については、説明を省略する。
図6における実施形態では、流入口22bは、第1ガス流路24を規定する蓋体本体22aの上方端部に設けられた第1貫通孔22cと、第3流路部材26aのうち第1貫通孔と対向する部分に設けられた第2貫通孔26gとを含む。また、蓋体本体22aの上方端部と第3流路部材26aとが当接することで、第1ガス流路24と第3ガス流路26との間、すなわち蓋体22と箱体21とのシール性を担保している。そして、第3ガス流路26のうち、特に主流路部分26cの上流側の端部26e、すなわち、第1ガス流路24と接続する側の端部において、下流側の端部よりも流路断面積を大きくしている。この構成により、流入口22bの周囲、本実施形態では流入口22bの上下方向において、蓋体本体22aと第3流路部材26aとが当接する領域を大きく確保できるためシール性を向上することができる。さらに、流入口22bが、複数の貫通孔である場合、いくつかの貫通孔をリベットが挿通する挿通孔とすることにより、蓋体本体22aと第1流路部材24a、第3流路部材26a等とを大きな当接力で固定することができ、シール性をさらに向上させることができる。
【0048】
第3ガス流路26の主流路部分26cを構成する複数の第3ガス流路壁である上部側面21d及び第3流路部材26aが、流路内に向かって其々凸となり当接する当接部26fが設けられていてもよい。この構成により、第3ガス流路の剛性が上がり、第3ガス流路26が変形することを抑制できる。
【0049】
さらに、当接部26fは、改質器18の中心軸Sを通り前記第3ガス流路26に向かって垂直に延びる面に対しずれていてもよい。この構成により、高温の改質器18と最も近接し改質器が持つ熱の影響を受けやすい位置である中心軸Sを通り前記第3ガス流路26に向かって垂直に延びる面に対しずれているので、当接部26fが熱変形するリスクを減らし、第3ガス流路26の耐久性をさらに向上できる。すなわち、当接部26fが熱変形し、流路幅が狭くなることを抑制できる。
【0050】
当接部26fは、紙面に直交する方向に沿って、複数が並んで設けられていてもよい。また、当接部26fは、紙面に平行な方向(左右方向)に複数が並んで設けられていてもよい。
【0051】
図7は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Eの断面図である。本実施形態は、上記の実施形態とは、第2流路部材25aの代わりに、第2断熱材41と蓋体本体22aとの間に排ガスが流れる第5ガス流路を備えており、さらに第2断熱材41は、第5ガス流路を流れる排ガスの流れを蛇行させる整流部を備えている点で異なる。なお、他の部位については、上記の実施形態と同じ参照符号を付して説明は省略する。例えば、第2断熱材41に、蓋体本体22aに当接する整流部41bを設けることにより整流部41bと、蓋体本体22aと、第2断熱材41とで囲まれた空間が、第5ガス流路となる。なお、
図7で示すように、整流部41bは第2断熱材41から蓋部本体側に突出した凸形状の部分であってもよい。
【0052】
上記の実施形態では、第2流路部材25aを蓋体本体22aに接合するための組み立て工程が必要となる。これに対して、本実施形態では、予め整流部41bが形成された第2断熱材41を準備しておけば、第2断熱材41を配置する工程自体は変わらないので、上方から下方に流れる排ガス流路の組み立て工程を削減することができ、燃料電池モジュール1Eを容易に組み立て、製造することができる。
【0053】
図8は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Fの断面図である。本実施形態は、上記の実施形態とは、第1流路部材24aおよび第2流路部材25aの形状が異なっており、他の部位については、上記の実施形態と同じ参照符号を付して説明は省略する。
【0054】
図8で示すように、流路区画部である第1流路部材24aが第1ガス流路24内部に向かって凸となる凸部(第1凸部24c)を有する。この構成により、例えば本実施形態のように、第1ガス流路24と第2ガス流路25を隔てる流路区画部の表面積を大きくできるため、熱伝導による排ガスと酸素含有ガスの熱交換をより効率良く行うことができる。なお、流路区画部が第2流路部材25aに向かって凸となっていてもよい。
【0055】
さらに、第1凸部24cが蓋体本体22aに当接していてもよい。この構成により、蓋体本体22aと流路区画部である第1流路部材24aとが接触することで熱伝導により排ガスと酸素含有ガスの熱交換をより効率良く行うことができる。
【0056】
また、本実施形態では、第2流路部材25aが第2ガス流路25内部に向かって凸となる凸部(第2凸部25c)を有する。
【0057】
さらに、
図8で示すように、第1ガス流路24および第2ガス流路25は、凸部(第1凸部24c、第2凸部25c)に沿って蓋体本体22aの箱体21に臨む面を左右方向に蛇行する蛇行流路とすることができる。具体的には、第1流路部材24aには、第1ガス流路24が蛇行流路となるように、蛇行する第1凸部24cが形成されている。第2流路部材25aには、第2ガス流路25が蛇行流路となるように、蛇行する第2凸部25cが形成されている。なお、第1凸部24cは、第1ガス流路24内部方向の蓋体本体22aに向かって凸であり、第2凸部25cは、第2ガス流路25内部方向の第1流路部材24aに向かって凸である。また、第1凸部24cと第2凸部25cとは、同じ位置には形成されておらず互いに上下方向にずれた位置に形成されている。具体的には、第1凸部24cは、蓋体本体22aに当接し、第2凸部25cは、第1流路部材24aの第1凸部24cが形成されていない平坦部分に当接する。言い換えれば、第1ガス流路24と第2ガス流路25のうち対向している部分の流路の上下方向がずれている。
【0058】
第1ガス流路24および第2ガス流路25は、それぞれ、上方側流路と下方側流路とに分けることもできる。上方側流路の流路断面積をSuとし、下方側流路の流路断面積をSdとすると、その大小関係は、Sd>Suとなっている。すなわち、第2ガス流路25の最も下方側であり下流側の流路25における流路断面積Sdが、上方側流路25における流路断面積Suより大きい。この構成により、排ガスが流れる第2ガス流路25の最も下流の流路断面積を大きくすることができるため、排ガスの滞留を抑制できる。さらに、第1ガス流路24の最も下方側であり上流側の流路24における流路断面積Sdが、上方側流路24における流路断面積Suより大きい。この構成により、第1ガス流路24内部に酸素含有ガスが滞留しやすくなり、効率的に排ガスと酸素含有ガスとで熱交換を行うことができる。
【0059】
図9は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Gの断面図である。本実施形態は、上記の実施形態とは、箱体21のフランジ部の形状が異なっており、他の部位については、上記の実施形態と同じ参照符号を付して説明は省略する。箱体21は、開口21aにおいて内方に延びる内フランジ部21eを有しており、蓋体22は、内フランジ部21eに、ねじ、ボルト−ナット、リベットなどの固定部材で固定される。なお、内フランジ部21eの大きさが、第3ガス流路26を塞いでしまうような場合は、内フランジ部21eにも、流入口22bを設ければよい。
【0060】
上記のように外フランジ部21cは、熱膨張によって伸縮してしまうので箱外側断熱材44と蓋外側断熱材45とを両側から挟み込むように配置している。この場合、外フランジ部21cからの放熱を効果的に抑制することが難しい。本実施形態のように、内フランジ部21eとすることで、フランジ部からの放熱を抑制して燃料電池モジュール1Gの温度低下を抑制することができる。
【0061】
上記各実施形態の変形例として、第1ガス流路24の上流側に、結露水を貯める貯水部24dが設けられていてもよい。導入部23を第1ガス流路24の上流側端部でなく、上流側端部よりも少し下流側に接続することにより、上流側端部において、袋小路状の貯水部24dを設けることができる。燃料電池モジュールのシャットダウン等の停止時において、収納容器内のガスが第1ガス流路24を逆流するおそれがある。この場合に、収納容器内のガスには水分が含まれており、収納容器内のガスが第1ガス流路24を逆流する間に、このガスの温度が低下し、結露が生じる可能性がある。結露水が導入部23をさらに逆流すると、その上流側にある空気ブロワやセンサ類等の外部装置の故障の原因となる。貯水部24dは、第1ガス流路24において、鉛直方向下方端部に位置しており、生じた結露水が、自重によって貯水部24dに流れ込み、さらに重力に反して結露水が、貯水部24dから第1ガス流路24を逆流することもないので、結露水が外部装置へと進入することを抑制することができる。
【0062】
図10は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Hの断面図である。
図11は、さらに他の実施形態の燃料電池モジュール1Hの一部を抜粋して示す側面図である。本実施形態は、上記の実施形態とは、第4ガス流路32が、内部に排ガス中の未燃焼成分を燃焼させるための燃焼触媒35が配置された、排ガス処理室とされている点で異なる。以下では第4ガス流路32について説明し、その他の部分については、説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、第4ガス流路32は、第1流路部材24aの外方に臨む外面に設けられ、第4ガス流路32を規定する第4流路部材32aによって構成されている。第4流路部材32aは、略矩形形状の部材であり、4辺において、第1面(一方の主面)32aa側に第4ガス流路32の流路幅分だけ立設する部分が設けられている。第4流路部材32aは、立設する4辺部分を第1流路部材24aの外方に臨む外面に接合する。第4流路部材32aは、燃料電池モジュール1Hの外方側の開口を覆っている。これにより、第1流路部材24aと第4流路部材32aとの間隙が第4ガス流路32となる。すなわち、酸素含有ガスが流れる第1ガス流路24は、比較的温度の高い排ガスが流れる第4ガス流路32と第2ガス流路25との間に設けられていることから、酸素含有ガスと排ガスとで効率良く熱交換を行うことができる。また、排出部31の、燃料電池モジュール1Hの外方側の開口が、排ガス処理室である第4ガス流路32の排ガス流入口36となる。
【0064】
第4ガス流路32の内部には、排ガス中の未燃焼成分を燃焼させるための燃焼触媒が配置されている。燃焼触媒35としては、たとえばγ−アルミナやα−アルミナやコージェライト等の多孔質担体に白金やパラジウム等の貴金属類等の触媒を担持させたものを使用することができる。第4ガス流路32内に流入した排ガスは、燃焼触媒35によって未燃焼成分が燃焼されて浄化される。排ガスは、燃焼触媒35によって燃焼された後、第4ガス流路32の下流側端部に設けられた接続管33を介して、第4ガス流路32の外部に排出される。接続管33の、燃料電池モジュール1Hの内方側の開口が、排ガス処理室である第4ガス流路32の排ガス流出口37となる。
【0065】
本実施形態の燃料電池モジュール1Hでは、第4ガス流路32は、第4ガス流路32における排ガスの流れ方向の上流側に配設されるヒータ38を備える。燃焼触媒35は、ヒータ38よりも、第4ガス流路32における排ガスの流れ方向の下流側に配設されている。このような構成によれば、ヒータ38によって昇温された排ガスが燃焼触媒35を通過するので、燃焼触媒35を均一に加熱することができる。これにより、燃焼触媒35の活性を高めることができる。ひいては、排ガスと酸素含有ガスとの熱交換効率をさらに向上させることができる。また、ヒータ38が燃焼触媒35に直接に接触していないので、燃焼触媒の過加熱を抑制し、燃焼触媒35の劣化や破損を抑制することができる。なお、ヒータ38は設けない構成とすることもできる。
【0066】
図10に示すように、燃料電池モジュール1Hでは、対向する第1流路部材24aの第1面24aaと第4流路部材32aの第1面32aaとの間に、仕切部材39が設けられている。仕切部材39は、第4ガス流路32を、排ガス流入口36を含む第1流路部分32bと、排ガス流出口37を含む第2流路部分32cとに分割している。仕切部材39には、排ガス流通部39aが設けられている。第1流路部分32bと第2流路部分32cとは、排ガス流通部39aを介してのみ連通している。
【0067】
図11に示すように、第4ガス流路32は、側面視したときに、排ガス流入口36および排ガス流出口37が、燃料電池モジュール1Hの高さ方向に延びる、第4ガス流路32の第1の中心線(
図11のA−A線、以下Aと略す。)に対して、同じ側に位置し、排ガス流通部39aが、第1の中心線Aに対して、排ガス流入口36および排ガス流出口37とは異なる側に位置している。これにより、排ガス流入口36から、排ガス流通部39aを介して、排ガス流出口37に至る排ガス流を蛇行させ、排ガス流の長さを長くすることができるので、第4ガス流路32を流れる排ガスと第1ガス流路24を流れる酸素含有ガスとの熱交換を行うことが可能な領域を増やすことができる。
【0068】
ここで、改質器18の気化部18aにおける水の気化は吸熱反応であるので、気化部18aで水を気化させることにより、気化部18aの周囲の温度、特に気化部18aの下方に位置する燃料電池セル3の温度が低下するおそれがある。それに伴い、燃料電池セル3の配列方向におけるセルスタック4の温度分布が不均一になり、ひいてはセルスタック4の発電量が低下する、あるいはセルスタック4が破損するおそれがある。
【0069】
本実施形態の燃料電池モジュール1Hでは、
図11に示すように、排ガス流通部39aおよびヒータ38は、第1の中心線Aに対して、排ガス流入口36および排ガス流出口37よりも、改質器18の気化部18aに近接する位置に設けられている。ここで、第2流路部分32cの、排ガス流通部39aの近傍に位置する領域は、燃焼触媒35による排ガスの燃焼が活発に進行するため、温度が高くなる。それゆえ、排ガス流通部39aを気化部18aに近接して配設することにより、気化部18aの周囲を温めることができる。それによって、燃料電池セル3の配列方向におけるセルスタック4の温度分布を均一に近づけることができる。さらに、気化部18aに近接して配設されたヒータ38によって、気化部18aの周囲を温めることができるので、燃料電池セル3の配列方向におけるセルスタック4の温度分布を均一に近づけることができる。なお、燃焼触媒35の配置は、排ガス流通部39aを通過した排ガスのすべてが燃焼触媒35を流過するように配置することがよい。
【0070】
仕切部材39の構成は、
図10,11に示した、第1流路部材24aの外方に臨む外面、および第4流路部材32aの第1流路部材24aに臨む内面に対して垂直に立設する構成に限定されるものではない。仕切部材39は、第1流路部材24aの外方に臨む外面、および第4流路部材32aの内方に臨む内面の少なくとも一方に対して傾斜している構成であってもよい。
【0071】
図11に示した第4ガス流路32では、ヒータ38は、第1流路部分32bに配設されているが、ヒータ38は、第4ガス流路32における排ガスの流れ方向において、燃焼触媒35よりも上流に配設され、かつ第1の中心線Aに対して、排ガス流入口36および排ガス流出口37よりも気化部18aに近接して配設されてさえいればよい。ヒータ38は、たとえば第2流路部分32cに配設されていてもよく、第1流路部分32bと第2流路部分32cとにわたって配設されていてもよい。
【0072】
また、燃料電池モジュール1Hでは、
図11に示すように、排ガス流出口37の開口面積を、排ガス流入口36の開口面積よりも大きくしている。これにより、第4ガス流路32における圧力損失を低減し、第4ガス流路32における排ガス流量を増大させることができる。ひいては、第4ガス流路32を流れる排ガスと第1ガス流路24を流れる酸素含有ガスとの熱交換効率を向上させることができる。排ガス流入口36および排ガス流出口37は、排ガス流出口37の開口面積が排ガス流入口36の開口面積よりも大きければよく、排ガス流入口36および排ガス流出口37の開口形状は、
図11に示した正方形状に限定されるものではない。排ガス流入口36および排ガス流出口37の開口形状は、たとえば、円形状、矩形状であってもよく、その他の形状であってもよい。なお、排ガス流通部39aの開口面積は、少なくとも排ガス流入口36の開口面積よりも大きいことがよい。
【0073】
図12は、本実施形態の変形例の一部を抜粋して示す側面図である。燃料電池モジュール1Hは、
図12に示すように、排ガス流入口36および排ガス流出口37が、第1の中心線Aと直交し、燃料電池セル3の配列方向に延びる、第4ガス流路32の第2の中心線(
図12のB−B線、以下Bと略す。)に対して、同じ側に位置し、排ガス流通部39aが、第2の中心線Bに対して、排ガス流入口36および排ガス流出口37とは異なる側に位置している構成であってもよい。このような構成であっても、排ガス流入口36から、排ガス流通部39aを介して、排ガス流出口37に至る排ガス流を蛇行させ、排ガス流の長さを長くすることができるので、第4ガス流路32を流れる排ガスと第1ガス流路24を流れる酸素含有ガスとの熱交換を行うことが可能な領域を増やすことができる。また、気化部18aに近接して配置されたヒータ38によって、気化部18aの周囲を温めることができるので、燃料電池セル3の配列方向におけるセルスタック4の温度分布を均一に近づけることができる。なお、本実施形態において排ガス流出口37と接続する接続管33は、第2の中心線Bに対して、排ガス流入口36および排ガス流出口37とは異なる側まで延びて熱交換器と接続していてもよい。
【0074】
図13Aは、本実施形態の他の変形例の一部を抜粋して示す断面図である。
図13Bは、本実施形態の他の変形例の一部を抜粋して示す側面図である。
図13Cは、本実施形態の他の変形例の一部を抜粋して示す、
図13Bとは異なる視点の側面図である。本変形例の燃料電池モジュール1Hでは、
図13Aに示すように、第4ガス流路32の内部に粒状の燃焼触媒35、第1網状部材47、および第2網状部材48が設けられている。
図13Bは、燃料電池モジュール1Hの一部を外方側から見た側面図である。
図13Cは、燃料電池モジュール1Hの内方側から第4流路部材32a、燃焼触媒35、第1網状部材47、および第2網状部材48を見た側面図である。
【0075】
本変形例では、第4流路部材32aは、縦長の略矩形形状の部材であり、4辺において、第1面32aa側に第4ガス流路32の流路幅分だけ立設する部分が設けられている。この立設する部分には、外方に延びる外周フランジ部32abが設けられている。外周フランジ部32abを第1流路部材24aの外方に臨む外面に接合することにより、第1流路部材24aと第4流路部材32aとの間隙が第4ガス流路32となる。外周フランジ部32abと第1流路部材24aとは、例えば溶接によって接合されていてもよい。
【0076】
第4ガス流路32の内部には、網目状の第1網状部材47が配設されている。第4ガス流路32は、第1網状部材47によって、排ガス流入口36を含む第1流路部分32bと、排ガス流出口37を含み、第1流路部分32bの上方に位置している第2流路部分32cとに分割されている。
【0077】
第1網状部材47は、
図13Aに示すように、第4流路部材32aの第1面32aaに沿って延びる第1部分47aと、第1流路部材24aと第4流路部材32aとの間に延びる第2部分47bとを有している。第1部分47aは、例えば溶接等によって第4流路部材32aの第1面32aaに接合されている。第2部分47bは、第1流路部材24a側の端部が第1流路部材24aに当接している。
【0078】
第2流路部分32cには、
図13Aに示すように、粒状の燃焼触媒35が、排ガス流出口37の上端よりも上方の高さ位置まで充填されていてもよい。第1網状部材47の網目は、第2流路部分32cに充填された粒状の燃焼触媒35が、第1網状部材47を通過し、第1流路部分32bに向かって落下しない程度の径であればよい。第1網状部材47を構成する材料としては、例えば、耐熱性を有するステンレス等の金属材料を用いることができる。
【0079】
第4流路部材32aの第1面32aaには、網目状の第2網状部材48が、排ガス流出口37を覆うように配設されている。これにより、粒状の燃焼触媒35が、排ガス流出口37から外部に向かって移動することを抑制することができる。第2網状部材48は、第4流路部材32aの内面に溶接されていてもよい。また、第2網状部材48の網目は、第2流路部分32cに充填された粒状の燃焼触媒35が、第2網状部材48を通過しない程度の径であればよい。第2網状部材48を構成する材料としては、例えば、耐熱性を有するステンレス等の金属材料を用いることができる。
【0080】
本変形例によれば、排ガス流入口36から第4流路32に流入した排ガスは、第4流路32内を均等に流れ排ガス流出口37へと向かう。排ガスは第2流路部分32cに充填された、粒状の燃焼触媒35の全体を通過するため、燃焼触媒35全体を効率よく利用することができる。また、燃焼触媒35は、第1網状部材47によって保持、および位置決めされるので、第4ガス流路32内に、燃焼触媒35を収容する触媒ケースを設ける必要がない。これにより、第4ガス流路32の構造が簡素化され、燃料電池モジュール1Hの組立性が向上する。
【0081】
図14は、外装ケース内に燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機とを収納してなる本実施形態の燃料電池装置の一例を示す透過斜視図である。なお、
図14においては一部構成を省略して示している。
【0082】
燃料電池装置53は、支柱54と外装板55から構成される外装ケース内を仕切板56により上下に区画し、その上側を上述の燃料電池モジュール1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1Hを収納するモジュール収納室57とし、下側を燃料電池モジュール1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1Hを動作させるための補機を収納する補機収納室58として構成されている。なお補機収納室58に収納する補機を省略して示している。
【0083】
また、仕切板56には補機収納室58の空気をモジュール収納室57側に流すための空気流通口59が設けられており、モジュール収納室57を構成する外装板55の一部にモジュール収納室57内の空気を排気するための排気口60が設けられている。
【0084】
以上、本開示について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、改良等が可能である。