(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記施術時間管理手段は、施術者の施術の予定時間を示す情報を入力して、当該施術者を示す情報に対応付けて記憶した情報によって示される施術時間と当該予定時間とを比較して、比較結果を記憶する請求項1又は2に記載の施術時間管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歯科医院においては、患者から予約希望があったとき、患者の希望日時、次回の治療内容、チェア(治療ブース)の空き具合、及び歯科医師のスケジュール等に基づいて、次回の治療日時が決められる。その患者にどのくらい時間を割り当てるのかは歯科医師の判断に委ねられる。従って、本来なら30分でできる治療にもかかわらず、とりあえずチェアを60分確保しておくということが起こっている。空いた30分間は誰もチェアを使っていない状態となり、これでは設備の効率的使用ができない。また、歯科医師自身の時間管理及び仕事効率の意識が育たない。
【0005】
歯科医師がどの程度の時間を実際の治療に用いたかを、特許文献1に示されるように歯科医師自身にシステムに入力させて、治療時間を管理することも考えられる。しかしながら、歯科医師自身によるシステムへの入力は手間であり、また、入力された治療時間が正確であるとは限らない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、歯科医師の治療時間等の施術者の施術時間を正確かつ容易に把握することができる施術時間管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る施術時間管理システムは、施術が行われる被施術者が、当該施術が行われる施術場所に位置したことを検知する検知手段と、検知手段による検知が行われた際に、施術場所に応じた位置の撮像を行う撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像から施術を行う施術者を特定する特定手段と、検知手段による検知が行われた時間、又は特定手段によって施術者が特定された画像が撮像手段によって撮像された時間を示す情報を、施術を行った施術時間を示す情報として、特定手段によって特定された施術者を示す情報に対応付けて記憶する施術時間管理手段と、を備える。
【0008】
本発明に係る施術時間管理システムでは、被施術者が施術場所に位置したことが検知されて撮像が行われ、撮像された画像から施術者が特定される。また、検知又は撮像に応じた施術時間を示す情報と特定された施術者を示す情報とが対応付けて記憶される。このように、本発明に係る施術時間管理システムにおける施術者毎の施術時間は、自動的(機械的)に特定されると共に、検知又は撮像に応じた時間という施術時間として適切なものとなっている。これにより、本発明に係る施術時間管理システムによれば、施術時間を正確かつ容易に把握することができる。
【0009】
特定手段は、撮像手段によって撮像された画像から被施術者を特定し、施術時間管理手段は、施術時間を示す情報を特定手段によって特定された施術者及び被施術者を示す情報に対応付けて記憶する、こととしてもよい。この構成によれば、施術者及び被施術者毎の施術時間を把握することができる。
【0010】
施術時間管理手段は、施術者の施術の予定時間を示す情報を入力して、当該施術者を示す情報に対応付けて記憶した情報によって示される施術時間と当該予定時間とを比較して、比較結果を記憶することとしてもよい。この構成によれば、施術者の予定時間と実際の施術時間との比較結果を正確かつ容易に把握することができる。
【0011】
施術場所は、施術用のチェアであり、検知手段は、施術用のチェアに設けられた圧力センサである、こととしてもよい。この構成によれば、適切かつ確実に本発明を実施することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明における施術者毎の施術時間は、自動的(機械的)に特定されると共に、検知又は撮像に応じた時間という施術時間として適切なものとなっている。これにより、本発明によれば、施術時間を正確かつ容易に把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面と共に本発明に係る施術時間管理システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0015】
図1に本実施形態に係る施術時間管理システム1を示す。施術時間管理システム1は、歯科医院において、施術者である歯科医師Dが、被施術者である患者Pに対して施術を行った(施術に費やした)施術時間である稼働時間を把握するためのものである。歯科医院においては通常、患者Pが施術場所である施術用のチェア(歯科用ユニットチェア、治療ブース)100に座った状態で、歯科医師Dはチェア100の傍に立ってあるいは座って患者Pに対する施術を行う。本実施形態における施術は、患者Pがチェア100に座った状態で、歯科医師Dが患者Pに対する診察、治療、及び治療に関する説明等を行うことである。本実施形態における歯科医師Dの稼働時間は、当該施術を行った時間である。本実施形態に係るチェア100としては、従来のチェアを用いることができる。
【0016】
図1に示すように、施術時間管理システム1は、圧力センサ10と、カメラ20と、制御用コンピュータ30と、サーバ40とを備えて構成される。
【0017】
圧力センサ10は、患者Pがチェア100に位置したことを検知する検知手段である。具体的には、圧力センサ10は、患者Pがチェア100に座ったことを検知する。圧力センサ10としては、従来の圧力センサを用いることができる。圧力センサ10は、患者Pが座った際に圧力がかかるチェア100の予め設定された部分に設置される。例えば、
図1に示すように、チェア100のシート110における患者Pが腰掛ける部分の下側(裏側)に設けられる。
【0018】
圧力センサ10は、制御用コンピュータ30と有線で接続されており、制御用コンピュータ30に情報(信号)を送信することができる。圧力センサ10は、継続的に圧力を検出する。圧力センサ10は、例えば、患者P(人)がチェア100に座ったとすることができる予め設定された閾値以上の圧力を検出した場合に制御用コンピュータ30にその旨(即ち、患者Pがチェアに座った旨)の信号を送信する。また、圧力センサ10は、当該閾値以上の圧力を検出しなくなった場合に制御用コンピュータ30にその旨(即ち、患者Pがチェアから降りた旨)の信号を送信する。
【0019】
カメラ20は、圧力センサ10による検知が行われた際に撮像を行う撮像手段である。カメラ20としては、従来のカメラを用いることができる。カメラ20は、チェア100に応じた位置の撮像を行えるように設置される。具体的には、カメラ20は、歯科医師Dが患者Pの施術を行う際に歯科医師D及び患者Pの顔を撮像できる箇所に設置される。例えば、カメラ20は、チェア100の患者Pの口内を照らすライト120を支持する棒状の部材130に歯科医師D及び患者Pに向けて撮像が行えるように固定される。
【0020】
カメラ20は、制御用コンピュータ30と有線で接続されており、制御用コンピュータ30との間で情報(信号)を送受信することができる。カメラ20は、制御用コンピュータ30から撮像のタイミングの制御を受ける。カメラ20は、圧力センサ10による検知をトリガとして制御用コンピュータ30から撮像を開始する旨の信号を受信して撮像を開始する。また、カメラ20は、制御用コンピュータ30から撮像を終了する旨の信号を受信して撮像を終了する。カメラ20は、撮像の開始から終了まで継続的に撮像を行う。例えば、カメラ20は、動画として撮像を行ってもよいし、一定時間毎(例えば、数秒、数十秒毎)に撮像を行ってもよい。カメラ20は、撮像した画像を制御用コンピュータ30に送信する。
【0021】
カメラ20によって撮像された画像は、施術(診察、治療及び説明)の記録のためにサーバ40あるいはその他の記録用の装置に記憶されてもよい。また、施術の記録のため、撮像に加えて、マイク等によって録音も行って、録音したデータも画像とあわせて記憶されてもよい。即ち、施術時間管理システム1は、トリートメントレコーダとしての機能を有していてもよい。
【0022】
制御用コンピュータ30は、情報の中継、及びカメラの制御等を行う装置である。制御用コンピュータ30としては、CPU(Central Processing Unit)、メモリ及び通信モジュール等を備える従来の小型のコンピュータ(例えば、シングルボードコンピュータ)を用いることができる。制御用コンピュータ30の機能は、これらの構成要素がプログラム等により動作することによって発揮される。上述したように制御用コンピュータ30は、圧力センサ10及びカメラ20それぞれと有線で接続されており、それらとの間で情報(信号)を送受信することができる。なお、制御用コンピュータ30と、圧力センサ10及びカメラ20との間は、有線ではなく、近距離無線通信等によって無線で接続されていてもよい。また、制御用コンピュータ30は、サーバ40と無線で接続されており、サーバ40との間で情報(信号)を送受信することができる。なお、制御用コンピュータ30と、サーバ40との間は、無線ではなく、有線で接続されていてもよい。
【0023】
制御用コンピュータ30は、圧力センサ10から、患者Pがチェア100に座った旨の信号を受信する。当該信号を受信すると、制御用コンピュータ30はカメラ20に撮像を開始する旨の信号を送信する。また、制御用コンピュータ30は、圧力センサ10から、患者Pがチェア100から降りた(患者Pがチェア100に座っていない状態となった)旨の信号を受信する。当該信号を受信すると、制御用コンピュータ30はカメラ20に撮像を終了する旨の信号を送信する。
【0024】
なお、圧力センサ10が患者Pのチェアの座った状態を検知するのではなく、圧力センサ10は検出した圧力を示す情報(圧力の数値)を制御用コンピュータ30に送信し、制御用コンピュータ30はその圧力に基づいて、患者Pのチェアの座った状態を検知してもよい。例えば、圧力が上記の閾値以上となった場合には、患者Pがチェア100に座ったと判断し、圧力が上記の閾値以上から閾値未満となった場合には、患者Pがチェア100に座っていない状態になったと判断する。
【0025】
また、制御用コンピュータ30は、圧力センサ10から、患者Pがチェア100に座った旨の信号を受信するとサーバ40にその旨の情報を送信し、圧力センサ10から、患者Pがチェア100から降りた旨の信号を受信するとサーバ40にその旨の情報を送信する。これにより、サーバ40では、患者Pがチェア100に座っている時間を算出(特定)することができる。なお、制御用コンピュータ30が、患者Pがチェア100に座っている時間を算出して、サーバ40に算出した時間を示す情報を送信してもよい。
【0026】
制御用コンピュータ30は、カメラ20から画像を受信する。制御用コンピュータ30は、受信した画像をサーバ40に送信する。歯科医院に複数のチェア100が設けられている場合には、チェア100毎に圧力センサ10、カメラ20及び制御用コンピュータ30が設けられる。その場合、制御用コンピュータ30が画像をサーバ40に送信する場合には、制御用コンピュータ30毎に設定されたIDを画像に付与する等して、どの制御用コンピュータ30(即ち、どのチェア100)から送信された画像であるかを識別できるようにしておく。
【0027】
サーバ40は、歯科医師Dの稼働時間を算出、管理する装置である。サーバ40としては、CPU、メモリ及び通信モジュール等のハードウェアを備える従来のPC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置等を用いることができる。サーバ40の後述する各機能は、これらの構成要素がプログラム等により動作することによって発揮される。なお、サーバ40は、一つのコンピュータで実現されてもよいし、複数のコンピュータがネットワークにより互いに接続されて構成されるコンピュータシステムにより実現されていてもよい。
図1に示すように、サーバ40は、機能的には、受信部41と、特定部42と、施術時間管理部43とを備えて構成される。
【0028】
受信部41は、制御用コンピュータ30から情報を受信する手段である。受信部41は、カメラ20によって撮像された画像を受信する。受信部41は、受信した画像を特定部42に出力する。また、受信部41は、患者Pがチェア100に座っている時間を算出するための情報を受信する。受信部41は、当該情報を施術時間管理部43に出力する。施術時間管理システム1では、撮像された画像と患者Pがチェア100に座っている時間との対応をサーバ40において把握できるようにしておく。例えば、制御用コンピュータ30とサーバ40との間でそれぞれの情報及び画像が、制御用コンピュータ30毎に設定されたIDと共にリアルタイムで送受信されるようにする。
【0029】
特定部42は、カメラ20によって撮像された画像から施術を行う歯科医師Dを特定する特定手段である。また、特定部42は、カメラ20によって撮像された画像から患者Pを特定してもよい。具体的には、特定部42は、以下のように歯科医師D及び患者Pを特定する。
【0030】
特定部42は、受信部41からカメラ20によって撮像された画像を入力する。特定部42は、入力した画像から、歯科医師D及び患者Pの顔認識を行って歯科医師D及び患者Pを特定する。顔認識は、従来の技術によって行うことができる。顔認識のため、特定部42は、認識対象となる歯科医師D及び患者Pの顔の特徴を示す情報を予め記憶しておく。当該情報は、例えば、顔認識以前に予め認識対象となる歯科医師D及び患者Pの顔を撮像して取得される。特定部42は、受信部41から入力した画像に対する顔認識を行って、顔の特徴を示す情報を予め記憶している歯科医師D及び患者Pの中から当該画像に写っている歯科医師D及び患者Pを特定する。特定部42は、特定した歯科医師D及び患者Pを示す情報、例えば、予め設定された歯科医師D及び患者PのIDを施術時間管理部43に出力する。特定部42は、入力した各画像から、歯科医師D及び患者Pの特定ができなかった場合には、その旨を施術時間管理部43に通知する。
【0031】
施術時間管理部43は、歯科医師Dの稼働時間を管理する施術時間管理手段である。施術時間管理部43は、歯科医師Dの稼働時間を算出(特定)して、稼働時間を示す情報を当該稼働時間に係る特定部42によって特定された歯科医師Dを示す情報に対応付けて記憶する。施術時間管理部43は、圧力センサ10による検知が行われた時間、又は特定部42によって歯科医師Dが特定された画像がカメラ20によって撮像された時間を歯科医師Dが施術を行った稼働時間として算出する。特定部42によって患者Pが特定されている場合には、施術時間管理部43は、稼働時間を示す情報を特定された歯科医師D及び患者Pを示す情報に対応付けて記憶する。
【0032】
施術時間管理部43は、歯科医師Dの施術の予定時間も管理する。施術時間管理部43は、歯科医師Dの施術の予定時間を示す情報を入力して、当該歯科医師Dを示す情報に対応付けて記憶した情報によって示される稼働時間と当該予定時間とを比較して、比較結果を記憶する。具体的には、施術時間管理部43は、以下の機能を有する。
【0033】
施術時間管理部43は、受信部41から、患者Pがチェア100に座っている時間を算出するための情報を入力する。施術時間管理部43は、当該情報から患者Pがチェア100に座っている時間を算出して、当該時間を歯科医師Dの稼働時間とする。この際、施術時間管理部43は、稼働時間の時間帯を特定してもよい。なお、上述したように当該算出は、制御用コンピュータ30によって行われてもよい。また、圧力センサ10によって患者Pのチェアの座っている状態が検知されている時間は、カメラ20によって撮像が行われている時間と一致するため、施術時間管理部43は、カメラ20による撮像時間(画像が取得された時間)を稼働時間とすることとしてもよい。
【0034】
施術時間管理部43は、特定部42から画像から特定された歯科医師D及び患者Pを示す情報を入力する。施術時間管理部43は、入力した歯科医師D及び患者Pを示す情報と上記のように特定した歯科医師Dの稼働時間とを対応付けて記憶する。稼働時間に対応付けられる歯科医師Dは、例えば、撮像された画像のうち、予め設定された一定の割合以上の画像から特定された歯科医師Dとする。記憶された情報は、施術時間管理システム1のユーザ(例えば、歯科医師Dの管理者)によって参照される。
【0035】
患者Pがチェア100に座っていても、その時間全てで歯科医師Dが施術を行っているとは限らない。そこで、施術時間管理部43は、特定部42から入力した歯科医師D及び患者Pを示す情報に基づき、歯科医師Dがカメラ20によって撮像された時間(歯科医師Dが特定された画像がカメラ20によって撮像された時間)を歯科医師Dの稼働時間として算出してもよい。例えば、特定部42は、時刻毎の画像から歯科医師D及び患者Pの特定を行う。施術時間管理部43は、歯科医師D及び患者Pの両方の特定が行えた時刻を歯科医師Dの稼働時間とし、歯科医師D及び患者Pの両方の特定が行えなかった時刻を歯科医師Dの稼働時間としない。施術時間管理部43は、これらを集計して稼働時間を算出する。患者Pの特定を行わない場合には、歯科医師Dの特定が行えた時刻を歯科医師Dの稼働時間とすることとしてもよい。
【0036】
施術時間管理部43は、歯科医師D等の入力操作を受け付けて施術の予定時間(稼働時間の予定)を示す情報を入力する。施術の予定時間を示す情報は、例えば、施術を行う時間帯、施術を行うチェア100、施術を行う歯科医師D及び施術を受ける(予約をした)患者Pを示す情報が対応付けられた情報である。予定時間は、例えば、歯科医師D及び日毎にまとめて管理される。予定時間を示す情報の例を
図2の「X先生(予定)」の部分に示す。施術の予定時間を示す情報の入力及び管理は、従来のスケジュール管理のソフトウェアによって行うことができる。
【0037】
施術時間管理部43は、歯科医師D毎に、歯科医師Dの施術の予定時間と、圧力センサ10による検出及びカメラ20による画像に基づいて上記のように特定された当該歯科医師Dの実際の稼働時間とを比較する。実際の稼働時間を示す情報の例を
図2の「X先生(実際)」の部分に示す。施術時間管理部43は、例えば日単位で、歯科医師Dの施術の予定時間の合計と実際の稼働時間の合計とをそれぞれ算出する。施術時間管理部43は、算出した予定時間の合計と実際の稼働時間の合計との比(稼働時間(実際)/稼働時間(予定))を取る。例えば、
図2に示すように稼働時間(予定)の合計が7h30mであり、稼働時間(実際)の合計が6h00mであれば、上記の比は6h00m/7h30mとなる。施術時間管理部43は、比較結果の情報である上記の比の値を、歯科医師Dを示す情報に対応付けて記憶する。記憶された情報は、施術時間管理システム1のユーザ(例えば、歯科医師Dの管理者)によって参照される。
【0038】
上記の比の値は、歯科医師Dの施術の予定に対して、どの程度実際に施術が行われているかを示すものである。比の値が1に近い値であるほど予定と実際の稼働時間とが近いことを示している。比の値が1より小さく0に近い値であるほど実際の稼働時間が予定よりも短いことを示している。比の値が1より大きい値であるほど実際の稼働時間が予定よりも長いことを示している。以上が、本実施形態に係る施術時間管理システム1の構成である。
【0039】
引き続いて、
図3のフローチャートを用いて、本実施形態に係る施術時間管理システム1で実行される処理(施術時間管理システム1が行う動作方法)を説明する。本処理では、まず、圧力センサ10によって、患者Pがチェア100に座ったことが検知される(S01)。圧力センサ10による検知に応じて、カメラ20による撮像が行われる(S02)。撮像された画像は、カメラ20から制御用コンピュータ30を経由してサーバ40に送信される。また、圧力センサ10の検出に基づく、患者Pがチェア100に座っている時間を算出するための情報が制御用コンピュータ30からサーバ40に送信される。
【0040】
サーバ40では、受信部41によって、上記の画像及び情報が受信される。続いて、特定部42によって、画像から歯科医師D及び患者Pが特定される(S03)。一方で、施術時間管理部43によって、患者Pがチェア100に座っている時間を算出するための情報から歯科医師Dの稼働時間が算出される。続いて、施術時間管理部43によって、算出された稼働時間と特定された歯科医師D及び患者Pとが対応付けられて記憶される(S04)。
【0041】
サーバ40では、予め(例えば、S01以前に)施術時間管理部43によって、歯科医師D等の入力操作が受け付けられて歯科医師Dの施術の予定時間が入力されて記憶されている(図示せず)。施術時間管理部43によって、記憶された当該予定時間と上記のように算出された実際の稼働時間とが比較される。施術時間管理部43によって、比較結果が記憶される(S05)。サーバ40に記憶された情報は、施術時間管理システム1のユーザ(例えば、歯科医師Dの管理者)によって歯科医師Dの管理等のために参照される。以上が、本実施形態に係る施術時間管理システム1で実行される処理である。
【0042】
上述したように本実施形態では、患者Pがチェア100に座ったことが検知されて撮像が行われ、撮像された画像から歯科医師Dが特定される。また、検知又は撮像に応じた稼働時間を示す情報と特定された歯科医師Dを示す情報とが対応付けて記憶される。このように、本発明に係る施術時間管理システム1における稼働時間は、自動的(機械的)に特定されると共に、検知又は撮像に応じた時間という稼働時間として適切なものとなっている。これにより、本実施形態によれば、稼働時間を正確かつ容易に把握することができる。
【0043】
また、本実施形態のように、撮像された画像から患者Pも特定して、稼働時間に患者Pを示す情報も対応付けて記憶することとしてもよい。この構成によれば、歯科医師D及び患者P毎の稼働時間を把握することができる。但し、本発明では、必ずしも、患者P及び患者P毎の稼働時間の特定を行う必要はない。
【0044】
また、本実施形態のように施術の予定時間と実際の稼働時間との比較を行うこととしてもよい。この構成によれば、予定時間と実際の稼働時間との比較結果を正確かつ容易に把握することができる。具体的には、上述したように比の値を算出することで、予定時間と実際の稼働時間との相違が数値で明らかになるので、歯科医師D自身の時間管理及び仕事効率の意識が育つ。施術の予定時間は、チェア100が歯科医師Dによって患者Pのために予約されたチェア占有時間であり、他の歯科医師D及び患者Pがチェア100を使用することができない時間である。そのため、予定時間が実際の稼働時間よりも長ければ、チェア100の効率的使用ができていないこととなる。上記のように予定と実際とを比較することで、チェア100が施術に用いられていない、即ち、遊んでいる時間が明確になるのでチェア100の効率的使用が図れる。但し、本発明では、必ずしも、実際の稼働時間を予定時間と比較する必要はない。
【0045】
また、本実施形態のように、施術が行われる施術場所を施術用のチェア100とし、圧力センサ10によって患者Pがチェア100に座ったことを検出する構成としてもよい。この構成によれば、適切かつ確実に本発明を実施することができる。但し、施術場所は、施術用のチェア100以外の何らかの施術が行われる任意の場所としてもよい。また、患者Pが施術場所に位置したことの検出も、施術場所に応じて圧力センサ10以外の装置が用いられて行われてもよい。
【0046】
なお、本実施形態では、施術が行われる被施術者を歯科医院の患者、施術を行う施術者を歯科医師Dであることとしたが、被施術者及び施術者は本実施形態のものに限られない。例えば、施術者を歯科医院の歯科医師D以外のスタッフ(例えば、歯科衛生士等)としてもよい。
【解決手段】 施術時間管理システム1は、施術が行われる被施術者である患者Pが、当該施術が行われる施術場所であるチェア100に座ったことを検知する圧力センサ10と、圧力センサ10による検知が行われた際に、チェア100に応じた位置の撮像を行うカメラ20と、サーバ40とを備える。サーバ40は、撮像された画像から施術を行う施術者である歯科医師Dを特定する特定部42と、圧力センサ10による検知が行われた時間、又は歯科医師Dが特定された画像が撮像された時間である稼働時間(施術時間)を示す情報を、特定された歯科医師Dに対応付けて記憶する施術時間管理部43とを備える。