(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変更部は、前記出力された一覧から前記複数の工程に含まれる第1の工程と第2の工程とを選択する操作に応じて、前記2つの顔画像の一方の一部を、前記生成された複数の顔画像のうち前記第1の工程までの化粧のシミュレーションに応じた顔画像の一部に変更し、前記2つの顔画像の他方の一部を、前記生成された複数の顔画像のうち前記第2の工程までの化粧のシミュレーションに応じた顔画像の一部に変更する
請求項1に記載の画像処理装置。
前記複数の工程は、前記化粧が前記顔画像に含まれる複数の領域に対して施される場合において、前記化粧が施される領域に基づいて区切られ、又は前記化粧の色が複数回重ねて塗られる場合において、前記化粧の色が塗られた回に基づいて区切られる
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
前記生成部は、前記ユーザにより選択された化粧道具によって、前記化粧の色の濃度、前記濃度の均一度、前記化粧が施される範囲、又は前記色の境界部分をぼかす範囲を変更する
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
構成
図1は、本実施形態に係る購入支援システム1の構成の一例を示す図である。購入支援システム1では、化粧品の購入を支援するために、ユーザの顔画像を用いた化粧のシミュレーションが行われる。購入支援システム1は、サーバ10とユーザ端末20(画像処理装置の一例)とを備える。サーバ10とユーザ端末20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えばインターネットである。ただし、ネットワーク2は、インターネットに限定されず、他の通信回線であってもよい。
【0010】
サーバ10は、予め登録された化粧品の商品情報を格納する。この化粧品の商品情報には、例えば化粧品の名称、ブランド名、価格、化粧品を表す画像データが含まれる。サーバ10は、シミュレーションが行われた化粧に対応する化粧品の商品情報をユーザ端末20に提供する。
【0011】
ユーザ端末20は、ユーザにより使用される。ユーザは、ユーザ端末20を使用して化粧のシミュレーションを行う。また、ユーザは、ユーザ端末20を使用してサーバ10から提供された化粧品の商品情報を閲覧する。
【0012】
図2は、ユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、タブレット端末、携帯端末、パーソナルコンピュータ等のコンピュータである。ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、通信インタフェース23と、入力部24と、表示部25と、撮像部26と、記憶部27とを備える。
【0013】
プロセッサ21は、メモリ22に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する。プロセッサ21としては、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられる。メモリ22は、プロセッサ21により実行されるプログラムを記憶する。メモリ22としては、例えばRAM(Random Access Memory)が用いられる。通信インタフェース23は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2を介して通信を行う。
【0014】
入力部24は、ユーザ端末20の操作に用いられ、操作に応じた情報をユーザ端末20に入力する。入力部24としては、例えばタッチパネル又はボタンが用いられる。表示部25は、各種の情報を表示する。表示部25としては、例えば液晶ディスプレイが用いられる。撮像部26は、画像を撮影する。撮像部26としては、例えばカメラが用いられる。記憶部27は、各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶部27としては、例えばフラッシュメモリ又はハードディスクドライブが用いられる。
【0015】
図3は、ユーザ端末20の機能構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、取得部201、生成部202、合成部203、及び出力部204として機能する。これらの機能は、1以上のプロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0016】
取得部201は、ユーザの顔画像を取得する。例えば取得部201は、撮像部26により撮影されたユーザの顔画像を取得する。他の例として、ユーザの顔画像が予め記憶部27に記憶されている場合には、取得部201は、記憶部27からユーザの顔画像を取得してもよい。
【0017】
生成部202は、取得部201により取得された顔画像を用いて、化粧が施された少なくとも1の顔画像を生成する。化粧を施す工程が複数の工程を含む場合、生成部202は、各工程までの化粧が施された複数の顔画像を生成してもよい。なお、この「工程までの化粧」という用語には、対象の工程で施された化粧と、対象の工程より前の工程で施された化粧とが両方とも含まれる。
【0018】
合成部203は、取得部201により取得された顔画像又は生成部202により生成された少なくとも1の顔画像を含む複数の顔画像の一部を合成して合成画像を生成する。この複数の顔画像は、例えば第1の顔画像と第2の顔画像の2個の顔画像である。第1の顔画像は、取得部201により取得された顔画像、すなわち化粧を施す前の顔画像であってもよいし、複数の工程のうち第1の工程までの化粧が施された顔画像であってもよい。第2の顔画像は、複数の全ての工程の化粧が施された顔画像であってもよいし、複数の工程のうち第2の工程までの化粧が施された顔画像であってもよい。なお、第1の工程と第2の工程とは、異なる工程である。
【0019】
出力部204は、合成部203により生成された合成画像を含む各種の画像を出力する。例えば出力部204は、合成画像を表示部25に表示する。他の例として、出力部204は、通信インタフェース23を介して合成画像を外部装置に送信してもよい。他の例として、ユーザ端末20がプリンタを備える場合には、合成画像をプリントしてもよい。
【0020】
動作
図4は、本実施形態に係るユーザ端末20の動作の一例を示すフローチャートである。この動作では、ユーザの顔画像を用いて化粧のシミュレーションが行われる。そして、シミュレーションが行われた化粧に対応する化粧品がユーザにレコメンドされる。
【0021】
ステップS11において、化粧のシミュレーション処理が行われる。具体的には、まずユーザは、撮像部26を用いて自分の顔画像261を撮影する。取得部201は、撮像部26により撮影された顔画像261を取得する。顔画像261が撮影されると、出力部204は、化粧を施す部位(以下、「対象部位」という。)の選択を受け付ける画面251を表示部25に表示する。
【0022】
図5は、画面251の一例を示す図である。画面251には、化粧が施される前の顔画像261が含まれる。また、画面251には、対象部位の選択に用いられるボタン511〜514が含まれる。この対象部位には、顔全体、目、頬、口等の顔の部位が含まれる。なお、ここでいう「目」とは、瞼の間の眼球部分ではなく、アイホールのことをいう。ここでは、ユーザが最初に顔画像261の顔全体の領域にファンデーションの色を塗る場合を想定する。この場合、ユーザは、入力部24を用いてボタン511を押す。これにより、対象部位として顔全体が選択される。
【0023】
他の例として、画面251に表示されたカーソルを用いて対象部位が選択されてもよい。この場合、ユーザは、入力部24を用いて、カーソルを所望の対象部位の位置に移動させ、この対象部位を選択する操作を行う。このような操作により、対象部位が選択されてもよい。
【0024】
対象部位として顔全体が選択されると、出力部204は、ファンデーションの色の選択を受け付ける画面252を表示部25に表示する。
図6は、画面252の一例を示す図である。画面252には、ファンデーションの色の選択に用いられる複数の色見本521が含まれる。これらの色見本521には、色の種類が異なる色見本521だけでなく、色の濃度や質感が異なる色見本521が含まれていてもよい。この質感は、例えばパールの量、ラメの量、又は透明度によって変化する。なお、色見本521の色は、実際に販売されている商品の色であってもよいし、実際に販売されている商品の色とは無関係の色であってもよい。ユーザは、入力部24を用いて、色見本521の中から所望のファンデーションの色を表す色見本521を選択する操作を行う。これにより、ファンデーションの色が選択される。
【0025】
ファンデーションの色が選択されると、生成部202は、顔画像261に含まれる顔全体の領域に、選択されたファンデーションの色を塗る。具体的には、生成部202は、画像認識により顔画像261から顔全体の領域を抽出する。この抽出には、例えば目、鼻、口等の特徴点の位置関係を用いた周知の顔認識技術が用いられてもよい。続いて生成部202は、新たなレイヤ61を生成し、このレイヤ61において、抽出された領域に対応する範囲に、選択されたファンデーションの色を塗る。
【0026】
図7は、レイヤ61の一例を示す図である。レイヤ61には、顔全体の領域に塗られたファンデーションの色部分を表すレイヤ画像611が含まれる。レイヤ61が生成されると、
図6に示す顔画像261の上にレイヤ61が重ねられる。これにより、ファンデーションの色が塗られた顔画像262が表示される。
【0027】
また、画面252は、ファンデーションを塗るときに使用される化粧道具の選択を受け付ける。画面252には、スポンジやブラシ等の化粧道具の選択に用いられる複数のアイコン522が含まれる。各アイコン522には、化粧道具を表す画像が含まれる。なお、この画像は、実際に販売されている商品を表す画像であってもよいし、化粧道具を表すイラストであってもよい。ユーザは、入力部24を用いて、複数のアイコン522の中から、所望の化粧道具を表すアイコン522を選択する操作を行う。これにより、化粧道具が選択される。なお、化粧道具は、必ずしも選択されなくてもよい。
【0028】
化粧道具が選択された場合、生成部202は、選択された化粧道具に応じた濃度又は濃度の均一度で、ファンデーションの色を塗る。例えば、ブラシが選択された場合、ファンデーションの色は、基準の濃度よりも低い濃度であるとともに、基準の濃度の均一度より高い均一度で塗られてもよい。一方、スポンジが選択された場合、ファンデーションの色は、基準の濃度よりも高い濃度であるとともに、基準の濃度の均一度より低い均一度で塗られてもよい。このように、ユーザによって選択された化粧道具によって、化粧の色の濃度又は濃度の均一度が変更される。
【0029】
続いて、ユーザが目の領域にアイシャドウの色を塗る場合を想定する。この場合、ユーザは、入力部24を用いて
図6に示すボタン512を押す。これにより、対象部位として目が選択される。対象部位として目が選択されると、出力部204は、アイシャドウの色の選択を受け付ける画面253を表示部25に表示する。
【0030】
図8は、画面253の一例を示す図である。画面253には、アイシャドウの色の選択に用いられる複数の色見本531が含まれる。なお、色見本531の色は、実際に販売されている商品の色であってもよいし、実際に販売されている商品の色とは無関係の色であってもよい。ユーザは、入力部24を用いて、複数の色見本531の中から所望のアイシャドウの色を表す色見本531を選択する操作を行う。これにより、アイシャドウの色が選択される。
【0031】
アイシャドウの色が選択されると、生成部202は、顔画像262に含まれる目の領域に、選択されたアイシャドウの色を塗る。具体的には、生成部202は、画像認識により顔画像261から目の領域を抽出する。続いて生成部202は、新たなレイヤ62‐1を生成し、このレイヤ62‐1において、抽出した領域に対応する範囲に、選択されたアイシャドウの色を塗る。
【0032】
図9は、レイヤ62‐1の一例を示す図である。レイヤ62‐1には、目の領域に塗られたアイシャドウの色部分を表すレイヤ画像621が含まれる。レイヤ62‐1が生成されると、
図8に示す顔画像262にレイヤ62‐1が重ねられる。これにより、ファンデーションの色が塗られた上に、アイシャドウの色が塗られた顔画像263が表示される。
【0033】
また、画面253は、アイシャドウを塗るときに使用される化粧道具の選択を受け付ける。画面253には、チップやブラシ等の化粧道具の選択に用いられる複数のアイコン532が含まれる。各アイコン532には、化粧道具を表す画像が含まれる。なお、この画像は、実際に販売されている商品を表す画像であってもよいし、化粧道具のイラストであってもよい。ユーザは、入力部24を用いて、複数のアイコン532の中から、所望の化粧道具を表すアイコン532を選択する操作を行う。これにより、化粧道具が選択される。なお、化粧道具は、必ずしも選択されなくてもよい。
【0034】
化粧道具が選択された場合、生成部202は、選択された化粧道具に応じた濃度で、又はこの化粧道具に応じた範囲にアイシャドウの色を塗ってもよい。また、生成部202は、選択された化粧道具に応じた範囲だけ、アイシャドウの色の境界部分をぼかしてもよい。例えば、チップが選択された場合、アイシャドウの色は、基準の濃度よりも高い濃度で、基準の範囲よりも小さい範囲に塗られてもよい。一方、ブラシが選択された場合、アイシャドウの色は、基準の濃度よりも低い濃度で、基準の範囲よりも大きい範囲に塗られるとともに、その境界部分が基準の範囲よりも大きい範囲でぼかされてもよい。このように、ユーザにより選択された化粧道具によって、化粧の色の濃度、化粧が施される範囲、又は化粧の色の境界部分をぼかす範囲が変更される。
【0035】
また、ユーザは、アイシャドウの色を複数回重ねて塗ってもよい。この場合、ユーザは、アイシャドウの色が1回目に塗られた後、入力部24を用いて、再び
図8に示す複数の色見本531の中から所望のアイシャドウの色を表す色見本531を選択する操作を行う。これにより、2回目に塗るアイシャドウの色が選択される。
【0036】
1回目に塗られたアイシャドウの色と同一の色が選択された場合には、アイシャドウの色を重ねて塗ることにより、アイシャドウの色が濃くなる。このように、同一の化粧の色が重ねて塗られる場合には、重ねて塗る回数が増えるほど、化粧の色の濃度は高くなる。一方、1回目に塗られたアイシャドウの色と異なる色が選択された場合には、アイシャドウの色を重ねて塗ることにより、アイシャドウの色が変更される。具体的には、アイシャドウの色は、1回目に塗られたアイシャドウの色と2回目に塗られたアイシャドウの色とを合わせた色に変更される。このように、異なる化粧の色が重ねて塗られる場合には、化粧の色は、重ねられた全ての化粧の色を合わせた色に変更される。
【0037】
また、アイシャドウの色が複数回重ねて塗られる場合、アイシャドウの色が1回塗られる度に、異なるレイヤが生成されてもよい。例えば、1回目にアイシャドウの色が塗られた場合には、
図9に示すレイヤ62‐1が生成される。2回目にアイシャドウの色が塗られた場合には、新たなレイヤ62−2が生成される。
【0038】
図10は、レイヤ62‐2の一例を示す図である。レイヤ62‐2には、レイヤ画像621と同様に、目の領域に塗られたアイシャドウの色部分を表すレイヤ画像622が含まれる。レイヤ62−2が生成されると、
図8に示す顔画像263の上にレイヤ62−2が重ねられる。これにより、ファンデーションの色が塗られた上に、アイシャドウの色が2回重ねて塗られた顔画像264が表示される。
【0039】
このようにして、複数の工程によりユーザの顔画像261に化粧が施されていく。この複数の工程は、前後の順番が決められた一連の工程である。
図11は、化粧を施す工程の一例を示す図である。この例では、化粧を施す工程には、工程1、2‐1、2‐2、3、及び4が含まれる。これらの工程は、工程1、2‐1、2‐2、3、及び4という順番で行われる。
【0040】
工程1においては、顔全体の領域にファンデーションの色が塗られる。工程1では、
図7に示すレイヤ61が生成される。続いて、工程2‐1においては、目の領域にアイシャドウの色が塗られる(1回目)。この工程2‐1では、
図9に示すレイヤ62‐1が生成される。続いて、工程2‐2においては、目の領域にアイシャドウの色が重ねて塗られる(2回目)。工程2‐2では、
図10に示すレイヤ62‐2が生成される。続いて、工程3においては、頬の領域にチークの色が塗られる。工程3では、頬の領域に塗られたチークの色部分を表すレイヤ画像を含むレイヤが生成される。続いて、工程4においては、口の領域に口紅が塗られる。工程4では、口の領域に塗られた口紅の色部分を表すレイヤ画像を含むレイヤが生成される。
【0041】
これらの工程のうち、工程1、3、及び4は、化粧が施される領域に基づいて区切られた工程である。一方、工程2‐1及び2‐2は、化粧が塗られた回に基づいて区切られた工程である。なお、
図11に示す例では、アイシャドウの色を塗る工程が工程2‐1及び2‐1に分けられているが、これらの工程が1つの工程として扱われてもよい。
【0042】
生成部202は、
図11に示す工程毎に、その工程までの化粧が施された顔画像を生成する。例えば、工程1については、化粧が施される前の顔画像261の上に
図7に示すレイヤ61を重ねることにより、工程1で化粧が施された後の顔画像262が生成される。工程2‐1については、この顔画像262の上に、
図9に示すレイヤ62‐1を重ねることにより、工程1及び2‐1で化粧が施された後の顔画像263が生成される。工程2‐2については、この顔画像263の上に、
図10に示す62‐2を重ねることにより、工程1、2‐1、及び2‐2で化粧が施された後の顔画像264が生成される。他の工程についても同様に、化粧が施される前の顔画像261の上に、その工程以前の工程で生成された全てのレイヤを順番に重ねることにより、顔画像が生成される。
【0043】
ここで、各工程で施された化粧の内容は、後から変更されてもよい。
図5、6、及び8に示すように、このシミュレーション処理において表示される画面には、いずれも戻るボタン515が含まれる。化粧の内容を変更したい場合、ユーザは、入力部24を用いて、戻るボタン515を押す。戻るボタン515が押されると、出力部204は、化粧を施す工程の一覧254を表示部25に表示する。この工程の一覧254は、既に表示部25に表示されている画面の一部に含まれてもよいし、この画面の上にポップアップ形式で表示されてもよい。
【0044】
図12は、化粧を施す工程の一覧254の一例を示す図である。この工程の一覧254には、各工程の選択に用いられるアイコン541〜546が含まれる。アイコン541〜546にはそれぞれ、対応する工程までの化粧が施された顔画像のサムネイルが含まれる。例えば、アイコン541は、化粧前の状態の選択に用いられる。アイコン541には、化粧が施される前の顔画像261のサムネイルが含まれる。アイコン542は、工程1の選択に用いられる。アイコン542には、工程1で化粧が施された後の顔画像262のサムネイルが含まれる。アイコン543は、工程2‐1の選択に用いられる。アイコン543には、工程2‐1で化粧が施された後の顔画像263のサムネイルが含まれる。
【0045】
ここでは、工程4が終了した後、工程1(対象の工程の一例)で塗られたファンデーションの色を変更する場合を想定する。この場合、ユーザは、入力部24を用いて、アイコン542を選択する操作を行う。アイコン542が選択されると、出力部204は、
図6に示す画面252を再び表示部25に表示する。ユーザは、入力部24を用いて、複数の色見本521の中から別のファンデーションの色を表す色見本521を選択する操作を行う。これにより、別のファンデーションの色が選択される。
【0046】
別のファンデーションの色が選択されると、生成部202は、工程1で顔全体の領域に塗られたファンデーションの色を選択された別の色に変更する。このファンデーションの色の変更は、工程1の化粧が施された全ての顔画像に反映される。具体的には、生成部202は、
図7に示すレイヤ61に含まれるレイヤ画像611の色を選択された別の色に変更する。これにより、このレイヤ61を含む全ての顔画像、すなわち工程1以降の工程について生成された全ての顔画像において、ファンデーションの色が別の色に変更される。
【0047】
他の例として、生成部202は、新たなレイヤを生成し、このレイヤにおいて、顔全体の領域に対応する範囲に、別のファンデーションの色を塗ってもよい。この場合、レイヤ61に代えて、この新たなレイヤが用いられる。
【0048】
また、複数の工程に含まれる少なくとも1の工程が後から削除されてもよい。例えば、工程4が完了した後、1回目に塗られたアイシャドウの色が不要な場合には、工程2‐1(対象の工程の一例)が削除されてもよい。この場合、ユーザは、入力部24を用いて、
図12に示すアイコン543を選択して削除する操作を行う。これにより、工程2‐1が削除される。
【0049】
工程2‐1が削除されると、生成部202は、工程2‐1において生成されたレイヤ62‐1を削除する。これにより、レイヤ62‐1を含む全ての顔画像、すなわち工程2‐1以降の工程について生成された全ての顔画像から、1回目に塗られたアイシャドウの色部分が削除される。
【0050】
図5、6、及び8に示すように、シミュレーション処理において表示される画面には、いずれも終了ボタン516が含まれる。化粧のシミュレーションを終了する場合、ユーザは、入力部24を用いて終了ボタン516を押す。終了ボタン516が押されると、処理は
図4に示すステップS12に進む。
【0051】
ステップS12において、合成部203は、化粧を施す前の顔画像261(第1の顔画像の一例)の左半分と全ての工程の化粧が施された顔画像(第2の顔画像の一例)の右半分とを合成して、合成画像551を生成する。この全ての工程の化粧が施された顔画像とは、例えば
図11に示すように工程1、2‐1、2‐2、3、及び4により化粧が施された場合には、これらの工程で化粧が施された後の顔画像である。具体的には、合成部203は、まず顔画像261から左半分を切り出す。続いて、合成部203は、全ての工程の化粧が施されたユーザの顔画像から右半分を切り出す。そして、合成部203は、これらの部分を合成して合成画像551を生成する。出力部204は、この合成画像551を含む画面255を表示部25に表示する。
【0052】
図13は、画面255の一例を示す図である。この画面255には、合成画像551が含まれる。合成画像551の左半分は、化粧を施す前のユーザの顔画像であり、右半分は、全ての工程の化粧が施された後のユーザの顔画像である。また、画面255には、
図12に示す工程の一覧254が含まれる。ユーザは、所望の工程を選択することにより、合成画像551の左半分又は右半分を自由に変更することができる。
【0053】
ここでは、合成画像551の左半分を工程2‐1(第1の工程の一例)までの化粧が施された顔画像263(第1の顔画像の一例)に変更し、合成画像551の右半分を工程2‐2(第2の工程の一例)までの化粧が施された顔画像264(第2の顔画像の一例)に変更する場合を想定する。この場合、ユーザは、入力部24を用いて、アイコン543及び544を選択する操作を行う。この場合、合成部203は、顔画像263から左半分を切り出す。また、合成部203は、顔画像264から右半分を切り出す。そして、合成部203は、これらの部分を合成して合成画像552を生成する。合成画像552が生成されると、合成画像551に代えて合成画像552が表示される。
【0054】
画面255には、決定ボタン553が含まれる。シミュレーションが行われた化粧を気に入った場合、ユーザは、入力部24を用いて決定ボタン553を押す。決定ボタン553が押されると、処理は
図4に示すステップS13に進む。
【0055】
ステップS13において、出力部204は、購入画面256を表示部25に表示する。この購入画面256には、シミュレーションが行われた化粧に用いられる化粧品の商品情報が含まれる。この化粧品の商品情報は、サーバ10から提供される。具体的には、出力部204は、シミュレーションが行われた化粧を示す情報をサーバ10に送信する。この情報には、化粧の色を示す情報が含まれる。サーバ10は、ユーザ端末20から受信した情報に基づいて、シミュレーションが行われた化粧に対応する化粧品を決定する。例えば、シミュレーションが行われた化粧の色が、実際に販売されている化粧品を用いた化粧の色である場合には、この化粧品が決定されてもよい。一方、シミュレーションが行われた化粧が、実際に販売されている化粧品を用いた化粧の色ではない場合には、シミュレーションが行われた化粧の色と類似する色の化粧に用いられる化粧品が決定されてもよい。ここでは、ファンデーションA、アイシャドウB、チークC、及び口紅Dが決定された場合を想定する。サーバ10は、決定した化粧品の商品情報をユーザ端末20に送信する。
【0056】
図14は、購入画面256の一例を示す図である。この購入画面256には、ファンデーションAの商品情報、アイシャドウBの商品情報、チークCの商品情報、及び口紅Dの商品情報が含まれる。また、購入画面256には、購入ボタン561〜564が含まれる。購入ボタン561〜564はそれぞれ、ファンデーションA、アイシャドウB、チークC、口紅Dの購入を実行する操作に用いられる。例えば、ユーザは、アイシャドウBを購入する場合には、入力部24を用いて購入ボタン562を押す。購入ボタン562が押されると、電子商取引によりアイシャドウBを購入する手続きが行われる。これにより、アイシャドウBの購入が完了する。
【0057】
本実施形態によれば、化粧が施される前後の顔画像又はある工程の化粧が施される前後の顔画像を、1つの顔画像の中で見比べることができる。これにより、化粧のシミュレーションにおいて、化粧の効果が認識し易くなる。
【0058】
変形例
本発明は上述した実施形態に限定されない。実施形態は、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0059】
変形例1
上述した実施形態において、ユーザが所有する化粧品又は化粧道具を用いて化粧のシミュレーションが行われてもよい。この場合、ユーザ端末20の記憶部27には、予めユーザが所有する化粧品又は化粧道具を示す情報が格納される。上述したシミュレーション処理で表示される各画面には、呼び出しボタンが含まれる。ユーザが入力部24を用いてこの呼び出しボタンを押すと、記憶部27に記憶された情報に基づいて、ユーザが所有する化粧品又は化粧道具の一覧が生成される。出力部204は、この化粧品又は化粧道具の一覧を表示部25に表示する。この化粧品又は化粧道具の一覧は、既に表示部25に表示されている画面の一部に含まれてもよいし、この画面の上にポップアップ形式で表示されてもよい。
【0060】
化粧品又は化粧道具の一覧が表示されると、ユーザは、入力部24を用いて、化粧品又は化粧道具の一覧から所望の化粧品又は化粧道具を選択する。生成部202は、選択された化粧品又は化粧道具に応じた化粧が施された顔画像を生成する。例えば生成部202は、選択された化粧品に応じた化粧の色を顔画像の対象部位に塗る。
【0061】
この変形例によれば、ユーザは、自分が所有する化粧品又は化粧道具を用いて、化粧のシミュレーションを行うことができる。そのため、例えば自分が所有する化粧品の色に合う化粧に用いられる化粧品を購入することができる。
【0062】
また、表示部25の特性により、表示部25に表示された化粧の色が実際の化粧の色と異なる場合がある。しかし、自分が所有する化粧品を用いて化粧のシミュレーションを行うことにより、実際の化粧の色と表示部25に表示された化粧の色との違いを認識することができる。さらに、この違いを考慮することにより、表示部25に表示された化粧の色から実際の化粧の色を推測することができる。これにより、化粧のシミュレーションを行ったときに表示部25に表示された化粧の色と実際に購入した化粧の色とが異なる場合にも、これに起因するユーザの不満を減らすことができる。
【0063】
変形例2
上述した実施形態において、シーンに応じた背景又は光のエフェクトが合成画像に追加されてもよい。このシーンとは、昼の屋外、昼のオフィス、夜のレストラン等、時間又は場所に応じた場面をいう。これらのシーンでは、光の強度、色、方向、光源の位置等、ユーザを照らす光の具合が異なる。光のエフェクトは、各シーンでユーザに照らされる光を模した画像である。
【0064】
ここでは、ユーザが入力部24を用いて、夜のレストランのシーンを選択した場合を想定する。この場合、合成部203は、例えば
図13に示す合成画像551の背景に夜のレストランの店内を表す典型的な画像を追加してもよい。また、合成部203は、合成画像551に夜のレストランで典型的に使用される照明を模した光のエフェクトを追加してもよい。この場合、ユーザの顔の凹凸に応じて、合成画像551に影が付加されてもよい。このユーザの顔の凹凸は、予め設定されてもよい。他の例として、3次元の合成画像が生成され、この合成画像に影が付加されてもよい。この3次元の合成画像は、例えばユーザが撮像部26で360度の全方向から自分の頭部を撮影することにより生成されてもよい。
【0065】
また、ユーザにより選択されたシーンに合わせた音が出力されてもよい。この場合、ユーザ端末20は、音を出力するスピーカを備える。例えば、上述したように夜のレストランのシーンが選択された場合には、夜のレストランで流されるような落ち着いた雰囲気の音楽が出力されてもよい。
【0066】
変形例3
上述したシミュレーション処理において、化粧が施されてから時間が経過した後の顔画像が表示されてもよい。実際にユーザの顔に化粧を施した場合、時間が経過するにつれて化粧が崩れてくる。この化粧が崩れた状態には、例えば化粧の色が取れた状態、化粧の色がくすんだ状態、汗と皮脂により光沢が増した状態、又は化粧の色が他の領域に広がった状態が含まれる。生成部202は、この化粧が崩れた状態をシミュレーションするために、化粧を施してから所定の時間が経過した後の顔画像を生成する。具体的には、生成部202は、化粧直後の顔画像から、化粧の色、顔画像の色、又は化粧が施された領域を変化させることにより、所定の時間が経過した後の顔画像を生成する。
【0067】
例えば、所定の時間が経過した後の顔画像は、化粧直後の顔画像に比べて、化粧の色の濃度又は彩度が低くてもよい。また、所定の時間が経過した後の顔画像は、化粧直後の顔画像に比べて、光沢度が部分的に高くてもよい。さらに、所定の時間が経過した後の顔画像は、化粧直後の顔画像に比べて、化粧の色が塗られた領域が拡大されてもよい。この場合、合成部203は、化粧直後の顔画像の左半分と、所定の時間が経過した後の顔画像の右半分とを合成して合成画像を生成してもよい。
【0068】
他の例として、化粧品によって、化粧が崩れる度合いが異なる場合がある。この場合に、化粧に用いられる化粧品の選択を受け付け、選択された化粧品によって、上述した色の変化量又は領域の変化量を変更してもよい。この場合、合成部203は、或る化粧品を用いて化粧が施された後、所定の時間が経過した後の顔画像の左半分と、別の化粧品を用いて化粧が施された後、所定の時間が経過した後の顔画像の右半分とを合成して合成画像を生成してもよい。
【0069】
変形例4
合成画像の生成の仕方は、実施形態で説明した方法に限定されない。例えば、或る顔画像の上半分と他の顔画像の下半分とが合成されてもよい。他の例として、或る顔画像の特定の領域の半分と他の顔画像の特定の領域の半分以外の部分とが合成されてもよい。例えば、或る顔画像の口の領域の右半分と、他の顔画像のこれ以外の領域、すなわち口の領域の左半分と口以外の領域とが合成されてもよい。また、3個以上の顔画像の一部が合成されてもよい。
【0070】
変形例5
上述した実施形態において、合成画像が生成された後に、合成画像を構成する複数の顔画像の比率が変更されてもよい。
図13に示すように、画面255には、合成画像を構成する複数の顔画像の境界を示す分割線554が含まれる。ユーザは、入力部24を用いて、分割線554を移動する操作を行う。ここでは、合成画像551上の分割線554が移動された場合を想定する。分割線554が移動されると、合成部203は、移動後の分割線554の位置に対応する比率に従って、合成画像551を構成する2個の顔画像を合成し直す。これにより、例えば合成画像551上の分割線554が画面255に向かって右方向に移動された場合には、合成画像551の右半分を構成する顔画像の部分が減り、左半分を構成する顔画像の部分が増える。反対に、この分割線554が画面255に向かって左方向に移動された場合、合成画像551の左半分を構成する顔画像の部分が減り、右半分を構成する顔画像の部分が増える。
【0071】
変形例6
上述した実施形態では、複数の顔画像の一部が合成されて表示されていた。しかし、これらの顔画像が合成されずに交互に表示されてもよい。他の例として、合成画像において、対象の工程以前に行われた複数の工程までの化粧が施された複数の顔画像の右半分又は左半分が順番に表示されてもよい。例えば、
図13に示す合成画像551の右半分を構成する顔画像は、工程1、2‐1、2‐2、3、及び4の化粧が施された後の顔画像である。この場合、合成画像551の右半分において、これらの各工程までの化粧が施された複数の顔画像の右半分が順番に表示されてもよい。各顔画像の表示時間を短くした場合には、ユーザの顔画像の右半分に順番に各工程の化粧が施されていく様子が動画のように表示される。
【0072】
変形例7
上述した実施形態において、購入画面256には、化粧のシミュレーションで用いられた化粧道具の商品情報が含まれていてもよい。この場合、サーバ10には、予め登録された化粧道具の商品情報が格納される。ユーザ端末20は、化粧のシミュレーションで用いられた化粧道具を示す情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、ユーザ端末20から受信した化粧道具を示す情報に基づいて、化粧のシミュレーションで用いられた化粧道具に対応する化粧道具を決定し、その化粧道具の商品情報をユーザ端末20に送信する。このとき、サーバ10で決定される化粧道具は、例えば化粧のシミュレーションで用いられた化粧道具と同一又は類似の化粧道具であってもよいし、同様の機能を有する化粧道具であってもよい。
【0073】
変形例8
上述した化粧のシミュレーション処理は、ユーザが使用するユーザ端末20と、ユーザ端末20とは異なる端末とにより行われてもよい。
【0074】
図15は、変形例に係る購入支援システム3(画像処理システムの一例)の一例を示す図である。購入支援システム3は、
図1に示すサーバ10及びユーザ端末20の他に、端末30を備える。ユーザ端末20及び端末30は、ネットワーク2を介して接続される。端末30は、ユーザ端末20と同様に、タブレット端末、携帯端末、パーソナルコンピュータ等のコンピュータである。端末30は、例えばプロフェッショナルのメイクアップアーティストにより使用される。
【0075】
この場合、ユーザ端末20は、撮像部26により撮影されたユーザの顔画像を端末30に送信する。端末30は、ユーザ端末20から受信した顔画像に化粧を施して、化粧後の顔画像を生成する。この場合、端末30が上述した生成部202の機能を有する。化粧が完了すると、端末30は、化粧後の顔画像をユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、化粧前の顔画像の一部と化粧後の顔画像の一部とを合成して合成画像を生成し、出力する。ユーザは、この合成画像を見ることにより、自分の顔に合った化粧を学ぶことができる。
【0076】
変形例9
購入支援システム1において行われる処理のステップは、上述した実施形態で説明した例に限定されない。この処理のステップは、矛盾のない限り、入れ替えられてもよい。また、本発明は、購入支援システム1又はユーザ端末20において行われる処理のステップを備える方法として提供されてもよい。
【0077】
変形例10
本発明は、ユーザ端末20において実行されるプログラムとして提供されてもよい。このプログラムは、インターネット等のネットワーク2を介してダウンロードされてもよい。また、これらのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。