特許第6448892号(P6448892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6448892
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】液晶表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20181220BHJP
【FI】
   G02F1/13357
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-146014(P2013-146014)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-18141(P2015-18141A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治
(72)【発明者】
【氏名】戸木田 雅利
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 順次
【審査官】 磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/083513(WO,A1)
【文献】 特開2010−015133(JP,A)
【文献】 特開2002−341343(JP,A)
【文献】 特開2009−047802(JP,A)
【文献】 特開平02−089017(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0296019(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、前記液晶パネルに光を照射するバックライトユニットとから構成される液晶表示装置であって、
前記バックライトユニットは、
前記液晶パネルに対向して設けられ、それぞれ光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズと、
前記複数の光源と前記複数のレンズとの間に設けられ、特定の振動方向の光のみを透過させるとともに、透過しない光を反射させる第1偏光板と、
前記第1偏光板で反射された光および前記複数の光源から出射された光を前記液晶パネル側に反射させる反射板と、を備え、
前記液晶パネルは、
前記バックライトユニット側の面に設けられて、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板を備え、
前記第1偏光板の透過軸方向と前記第2偏光板の透過軸方向とが、互いに一致しており、
前記第1偏光板は、前記複数の光源のそれぞれに対応して、複数設けられている
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1偏光板は、反射性の偏光板である
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記反射性の偏光板は、ワイヤグリッド偏光板である
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1偏光板は、吸収型の偏光板である
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記吸収型の偏光板は、
吸収型偏光板と、
前記吸収型偏光板の光源側に設けられた偏光性光学フィルムとから構成され、
前記吸収型偏光板の透過軸方向と前記偏光性光学フィルムの透過軸方向とが、互いに一致している
請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記反射板は、前記複数の光源の、前記液晶パネルとは反対側に設けられ、前記第1偏光板で反射された光を前記液晶パネル側に反射させる
請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記複数のレンズは、それぞれ一軸配向した液晶材料で構成され、前記液晶材料のより高い屈折率を有する光軸が、前記第1偏光板および前記第2偏光板の透過軸方向と、互いに一致している
請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
液晶パネルと、前記液晶パネルに光を照射するバックライトユニットとから構成される液晶表示装置の製造方法であって、
前記バックライトユニットについて、それぞれ光を出射する複数の光源と前記複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズとの間であって、基板の一方の面に、特定の振動方向の光のみを透過させるとともに、透過しない光を反射させる第1偏光板を形成するステップと、
前記第1偏光板で反射された光および前記複数の光源から出射された光を前記液晶パネル側に反射させる反射板を構築するステップと、を有し、
前記液晶パネルの前記バックライトユニット側面に、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板を形成するステップであって、前記第1偏光板の透過軸方向と前記第2偏光板の透過軸方向とが互いに一致するように、前記第2偏光板を形成するステップを有し、
前記第1偏光板は、前記複数の光源のそれぞれに対応して、複数設けられている
液晶表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直下型バックライトユニットを用いた液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示装置に適用されるバックライトユニットとして、光源を導光板のエッジに配置し、導光板を介して、光源から出射された光を液晶パネルに入射させるエッジライト型バックライトユニットが知られている。
【0003】
しかしながら、エッジライト型バックライトユニットでは、導光板を用いるため、特に大型の液晶ディスプレイでは重量が重くなるといった問題や、光源を導光板のエッジに配置することから、液晶パネル周囲の額縁部分を広くとる必要があり、デザイン性が低下するといった問題があった。
【0004】
一方、上記のエッジライト型バックライトユニットに対し、光源を液晶パネルの裏面に配置し、光源から出射された光を各種光学フィルム(拡散シート、プリズムシート、レンズシート等)の組み合わせにより拡散、集光して、液晶パネルに入射させる直下型バックライトユニットが知られている。
【0005】
また、直下型バックライトユニットとして、複数の光源と光源に対応する複数の光学レンズとを備え、光学レンズのそれぞれが、凸形状を有する中心レンズ部と、凹形状を有して中心レンズ部の外側に形成された周辺レンズ部と、周辺レンズ部から延長された導光部とを含むバックライトアセンブリが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4959971号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、直下型バックライトには、光源を液晶パネルの裏面に配置するため、ディスプレイの厚みが厚くなるという課題がある。また、液晶ディスプレイ共通の課題として、光源から出射された光の多くが、液晶パネルの入射面(バックライトユニット側の面)に設けられた偏光板で吸収されるので、光の利用効率が低いという問題がある。
【0008】
直下型バックライトの厚みを薄くする手段として、高屈折率のレンズ材料を用いる手法が提案されているが、一般的な高屈折率材料は、屈折率が1.7程度であり、これ以上の改善を求める際には、高価な特殊材料を用いる必要がある。
【0009】
一方、液晶ディスプレイの光の利用効率を高めるために、液晶パネルの入射側偏光板(バックライト側の面に設けられた偏光板)の前面に設置された直交する軸方向で反射成分と透過成分の分離能力を有する光学フィルム(偏光性光学フィルム)と、前記の光学フィルムを透過しなかった光や光源から出射された光を前記フィルム側に反射させる反射板とからなる光リサイクル構造を適用する手法が広く用いられている。前記フィルムの代表例としては、屈折率の異なる多層薄膜からなるDBEF(DUAL BRIGHTNESS ENHANCEMENT FILM)があげられる。しかしながら、DBEFのサイズは、液晶パネルのサイズとほぼ同等のサイズが必要であり、また、DBEFは、多層膜で形成されているため、特に大画面化した場合において、コストが高くなるという問題がある。また、DBEFにおけるS波からP波への変換効率が100%ではないので、低コストで更なる光利用効率を達成するには、新たなブレークスルーが必要な状況にある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、低コストで、薄型化、光の利用効率の向上、低消費電力化を実現できる直下型バックライトユニットを用いた液晶表示装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、液晶パネルに光を照射するバックライトユニットとから構成される液晶表示装置であって、バックライトユニットは、液晶パネルに対向して設けられ、それぞれ光を出射する複数の光源と、複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズと、複数の光源と複数のレンズとの間に設けられ、特定の振動方向の光のみを透過させるとともに、透過しない光を反射させる第1偏光板と、第1偏光板で反射された光および複数の光源から出射された光を液晶パネル側に反射させる反射板と、を備え、液晶パネルは、バックライトユニット側の面に設けられて、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板を備え、第1偏光板の透過軸方向と第2偏光板の透過軸方向とが、互いに一致しており、第1偏光板は、複数の光源のそれぞれに対応して、複数設けられているものである。
【0012】
また、この発明に係る液晶表示装置の製造方法は、液晶パネルと、液晶パネルに光を照射するバックライトユニットとから構成される液晶表示装置の製造方法であって、バックライトユニットについて、それぞれ光を出射する複数の光源と複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズとの間であって、基板の一方の面に、特定の振動方向の光のみを透過させるとともに、透過しない光を反射させる第1偏光板を形成するステップと、第1偏光板で反射された光および複数の光源から出射された光を液晶パネル側に反射させる反射板を構築するステップとを有し、液晶パネルのバックライトユニット側面に、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板を形成するステップであって、第1偏光板の透過軸方向と第2偏光板の透過軸方向とが互いに一致するように、第2偏光板を形成するステップを有し、第1偏光板は、複数の光源のそれぞれに対応して、複数設けられているものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る液晶表示装置およびその製造方法によれば、それぞれ光を出射する複数の光源と複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズとの間に設けられ、特定の振動方向の光のみを透過させるとともに、透過しない光を反射させる第1偏光板と、第1偏光板で反射された光を液晶パネル側に反射させるリサイクル構造と、液晶パネルのバックライトユニット側の面に設けられて、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板と、を備え、第1偏光板の透過軸方向と第2偏光板の透過軸方向とが、互いに一致している。
ここで、光リサイクル構造と第1偏光板とを設けることにより、光源からの光が第2偏光板(液晶パネルのバックライトユニット側の面に設けられた偏光板)を理想的には100%透過することができる。
そのため、低コストで、薄型化、光の利用効率の向上、低消費電力化を実現できる直下型バックライトユニットを用いた液晶表示装置およびその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置を示す模式断面図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の要部を示す拡大断面図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の要部を示す別の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明に係る液晶表示装置およびその製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1を示す模式断面図である。図1において、この液晶表示装置1は、液晶パネル10と、液晶パネル10に光を照射するバックライトユニット20とから構成されている。
【0017】
また、バックライトユニット20は、液晶パネル10に対向して設けられ、それぞれ光を出射する複数の光源と、複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズとを備えている。すなわち、バックライトユニット20は、直下型バックライトユニットを構成している。
【0018】
ここで、光源としては、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)やCCFL(冷陰極蛍光管:Cold Cathode Fluorescent Lamp)、半導体レーザー等が用いられる。ここでは、光源がLEDの場合について説明するが、CCFLであっても同様のことが言える。
【0019】
図2は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1の要部を示す拡大断面図である。図2において、液晶パネル10は、液晶層11と、液晶層11のバックライトユニット20側の面に設けられ、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板12とを有している。なお、液晶パネル10は、複数の基板や第2偏光板12とは別の偏光板も有しているが、ここでは、これらの図示を省略する。
【0020】
バックライトユニット20は、基板21と、レンズ22と、第1偏光板23と、LED24と、反射板25とを有している。レンズ22は、基板21の液晶パネル10側に形成されている。なお、レンズ22の詳細な構成については、後述する。
【0021】
第1偏光板23は、レンズ22とLED24との間であって、基板21の液晶パネル10とは反対側の面に形成され、特定の振動方向の光のみを透過させる。なお、第1偏光板23は、基板21の液晶パネル10側の面に形成されてもよい。このとき、レンズ22は、第1偏光板23上に形成されることになる。なお、基板21の役割を第1偏光板23に兼用させることも可能である。その場合、第1偏光板23の液晶パネル10側の面にレンズ22を、反対側の面にLED24を形成する。
【0022】
また、第1偏光板23は、反射性の偏光板であり、望ましくは、ワイヤグリッド偏光板である。ワイヤグリッド偏光板は、金属配線が例えば50〜100nmピッチで並べられた偏光板であって、金属配線と垂直方向に振動する光を透過するとともに、金属配線と平行な方向に振動する光を反射する。また、耐熱性が高く、高温にさらされるLEDの近傍での使用には適している。
【0023】
また、第1偏光板23は、バックライトユニット20に設けられた複数のLED24のそれぞれに対応して、複数設けられている。具体的には、第1偏光板23は、LED24の個数分だけ、レンズ22やLED24の大きさに合わせて設けられる。すなわち、第1偏光板23は、基板21の一部に設けられるものであって、全面には設けられない。
【0024】
LED24は、第1偏光板23のレンズ22とは反対側の面に、樹脂によって固定されている。樹脂中にはLED24の波長を変換するための、蛍光体や量子ドット(QD:Quantum Dot)等を混合してもよい。反射板25は、第1偏光板23上に、LED24を覆うように形成され、第1偏光板23で反射された光やLED24から出射された光を、液晶パネル10側に反射させる。なお、反射板25の周囲に、LED24で発生した熱を放熱するための放熱板(図示せず)等を設けてもよい。
【0025】
このとき、第1偏光板23および反射板25は、光リサイクル構造を構成する。なお、上述した従来の直下型バックライトユニットにおける光リサイクル構造では、液晶パネルのサイズとほぼ同等のサイズのDBEF、および反射板を用いることから、コストが高くなるのに対して、この発明の実施の形態1では、第1偏光板23をレンズ22やLED24の大きさに合わせて設けることで、コストを削減することができる。
【0026】
ここで、図2において、第1偏光板23の透過軸方向と、第2偏光板12の透過軸方向とは、互いに一致している。このような液晶表示装置1において、LED24から出射された光のうち、第1偏光板23で反射された光は、反射板25で反射して偏光状態が変化するので、反射を繰り返すことにより、100%に近い効率で第1偏光板23を透過することになる。
【0027】
また、第1偏光板23の透過軸方向と、第2偏光板12の透過軸方向とが、互いに一致しているので、第1偏光板23を透過した光は、すべて第2偏光板12を透過する。すなわち、第1偏光板23を設けることにより、第2偏光板12で吸収される光を大幅に低減することができる。そのため、光の利用効率を高めるとともに、消費電力を低減することができる。
【0028】
続いて、レンズ22の詳細な構成について説明する。直下型バックライトユニットでは、複数のLED24を液晶パネル10の下部に配置するので、LED数が多くなる。また、LED数を削減するためには、LED24から出射される光を拡散させるために、LED24から液晶パネル10までの間に、一定の距離をとる必要があり、エッジライト型バックライトユニットを用いた場合と比較して、液晶表示装置1の厚みが厚くなる。
【0029】
そこで、LED数を削減するとともに、液晶表示装置1を薄型化するために、屈折率の高いレンズ22を用いることが考えられる。しかしながら、一般的な高屈折率材料は、屈折率が1.7程度であり、これ以上の改善を求める際には、高価な材料を用いる必要がある。そこで、比較的低コストで高屈折率なレンズを形成するために、この発明の実施の形態1に係る複数のレンズ22は、それぞれ一軸配向した液晶材料、例えば、ビス−ビフェニル−ジアセチレン系材料、またはジナフチル−ジアセチレン系材料等で構成してもよい。
【0030】
また、レンズ22を構成する液晶材料の一軸配向は、ラビング法、光配向法、ズリ(せん断)を与える方法、または磁場配向による方法の何れかによって実現されている。また、一軸配向した液晶材料に代えて、一軸配向した結晶を用いることも考えられる。
【0031】
上述した液晶材料を用いたレンズ22は、液晶の長手方向の屈折率neと短手方向の屈折率noとの差Δnが0.4程度と大きく、屈折率neは、2.0程度の高い値を示す。そのため、液晶材料の長手方向の屈折率neを利用することにより、比較的低コストで高屈折率なレンズを作成することができ、LED数を削減するとともに、液晶表示装置1を薄型化することができる。
【0032】
ここで、図2において、レンズ22を構成する液晶材料のより高い屈折率を有する光軸(屈折率neを示す方向)が、第1偏光板23および第2偏光板12の透過軸方向と、互いに一致している。このような液晶表示装置1において、第1偏光板23を透過した光は、屈折率neを示す方向と平行に入射するので、屈折率neで屈折されて、第2偏光板12を透過する。
【0033】
すなわち、レンズ22を構成する液晶材料の屈折率neを示す方向と、第1偏光板23および第2偏光板12の透過軸方向とを互いに一致させることにより、高い屈折率を活用することができ、比較的低コストで高屈折率なレンズを作成することができ、LED数を削減するとともに、液晶表示装置1を薄型化することができる。
【0034】
また、薄型化と共に、直下型バックライトユニットでは、光源を液晶パネルの裏面に配置するため、エッジライト型バックライトユニットのように液晶パネルの周辺にLEDを配置するためのスペースを確保する必要はなく、更に、直下型バックライトユニットでは、導光板が存在しないため、高温や吸湿による導光板の膨張を考慮する必要がなく、超狭額縁化が容易に実現でき、デザイン性を向上することができる。
【0035】
以上のように、実施の形態1によれば、それぞれ光を出射する複数の光源と複数の光源から出射された光を屈折させる複数のレンズとの間に設けられ、特定の振動方向の光のみを透過させる第1偏光板の透過軸方向と、液晶パネルのバックライトユニット側の面に設けられて、特定の振動方向の光のみを透過させる第2偏光板の透過軸方向とが、互いに一致している。
ここで、第1偏光板は光リサイクル構造を有する反射型偏光板であり、第1偏光板を設けることにより、第2偏光板(液晶パネルのバックライトユニット側の面に設けられた偏光板)で吸収される光を低減することができる。
そのため、低コストで光の利用効率を大幅に高めるとともに、消費電力を低減することができる直下型バックライトユニットを用いた液晶表示装置およびその製造方法を得ることができる。
【0036】
また、複数のレンズは、それぞれ一軸配向した液晶材料で構成され、レンズのより高い屈折率を有する光軸が、第1偏光板および第2偏光板の透過軸と、互いに一致している。
そのため、比較的低コストで高い屈折率を有するレンズを形成でき、光源の数を削減するとともに、液晶表示装置を薄型化することができる。
【0037】
なお、上記実施の形態1では、図2を参照して、第1偏光板23が反射型の偏光板である場合について説明したが、第1偏光板は、吸収型の偏光板であってもよい。以下、図3を参照しながら、第1偏光板が吸収型の偏光板である場合について説明する。
【0038】
図3は、この発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1の要部を示す別の拡大断面図である。図3において、第1偏光板は、吸収型の偏光板であり、吸収型偏光板26と、吸収型偏光板26のLED24側に設けられた偏光性光学フィルム27とから構成されている。偏光性光学フィルム27は、例えばDBEF等の屈折率の異なる多層薄膜構造を有するフィルムである。
【0039】
ここで、吸収型偏光板26の透過軸方向と、偏光性光学フィルム27の透過軸方向とは、互いに一致している。このような第1偏光板では、偏光性光学フィルム27を透過した光は、吸収されることなくすべて吸収型偏光板26を透過するので、図2に示した第1偏光板23と同様の機能を有する。
【符号の説明】
【0040】
1 液晶表示装置、10 液晶パネル、11 液晶層、12 第2偏光板、20 バックライトユニット、21 基板、22 レンズ、23 第1偏光板、24 LED、25 反射板、26 吸収型偏光板、27 偏光性光学フィルム。
図1
図2
図3