(54)【発明の名称】ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物、その生産方法、およびそれを含む化粧用または皮膚科用組成物
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステップa)の前記アルコール溶媒は、1個から4個までの炭素原子を含む一価アルコールであることを特徴とする、請求項1に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
ステップa)の前記アルコール溶媒はエタノールであることを特徴とする、請求項1または2に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
ステップa)の前記抽出は、2から6時間の間の時間にわたって、40℃から60℃の間の温度で実行されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
前記地上部は、花、葉、茎およびその混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
ステップb)の前記インキュベーションは、12時間から30時間の間の時間にわたって、2℃から10℃の間の温度で実行されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
ステップc)およびd)の間に、c)で得られた前記ろ液を漂白するステップを追加することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
漂白が活性炭に吸着させることにより行われ、続いて脱色されたろ液をろ過するステップが行われる、請求項7に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
ステップd)の前記除去は蒸発によって行われ、次いで、最終希釈が1,3−プロパンジオールで実行されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
請求項1から10のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、老化による皮膚の変化を予防および/または軽減するための薬剤。
請求項1から10のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、脱色素剤。
請求項1から10のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、皮膚の微小循環を改善するための薬剤。
請求項1から10のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、抗酸化剤。
化粧品としてまたは薬学的に許容されるビヒクル中に、請求項1から10のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、化粧用または皮膚科用組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用いる原料は、ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部からなる。
【0011】
ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)はキク科(Asteraceae)の黄色い花の植物であり、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏で特に見られる。ソリダゴ属(Solidago)はキク科(Asteraceae)の一部を形成する。一般にアキノキリンソウ(ソリダゴ(solidago)、ゴールデンロッド(goldenrod)またはゴールデンロッド(golden rod))と呼ばれるソリダゴ・ウィルガウレア種(Solidago virgaurea L)を含む156から377種までを含む。スモールソリダゴ(Small Solidago)、スモールゴールデンロッド(Small Goldenrod)、またはアルパインゴールデンロッド(Alpine Goldenrod)と呼ばれるソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)(Waldst. & Kit)グレムリ(Gremli)亜種は、ソリダゴ・アルペストリス(Solidago alpestris Waldst. & Kit)という異名をもつ。
直線状で紫色の花茎をもつ、耐寒性草本植物である。葉は、多少毛で覆われ、縁が鋸刃のようになり、単一、互生、卵形および皮針形である。黄色い花は、順番に一つにかたまって配置された6から12個の花をもつ頭状花序で集合している。7月から9月までに開花する。果実は黄色く円筒形の痩果である。
アルペストリス(alpestris)亜種は、サイズが小さいこと(1mに対して5から30cm)、頭状花数が少なく、さらに少し大きいこと、および高地に生育するという事実が、主要なソリダゴ・ウィルガウレア(Solidago virgaurea)種とは異なる。亜種のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)は季節の最後に、がれおよび石の斜面に出現する。北ヨーロッパの山岳地帯の、標高1400から2800メートルの間に生育する。
【0012】
本発明に記載の目的の亜種とは異なる他の亜種がある。特に、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. asiatica Kitam. ex Hara)があり、アキノキリンソウ((Solidago japonica var. japonica)および(Solidago japonica Kitam.))の異名をもつ。この亜種アキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. asiatica Kitam. ex Hara)は35から85cmあり、8月から11月に開花する。それは、日本、韓国、ロシア、中国およびフィリピンに分布する。
【0013】
本発明に従って用いるソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部は、一般的に花、葉、茎およびその混合物から選択される。好ましくは、用いられる地上部は、ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の花、葉および茎の混合物である。好ましくは、これらの地上部をまず乾燥し、次いで通常の方法ですりつぶし、または粉砕する。
ステップa)において、地上部は、例えば、
− C
1〜C
4一価アルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノール、および
− ジオール、例えばプロピレングリコール、1,3−プロパンジオールまたはジプロピレングリコール、から選択される
1種または複数のアルコール溶媒による抽出にかける。
好ましくは、アルコール溶媒は、2個から4個までの炭素原子を含む一価アルコールであり、より好ましくは、エタノールである。
抽出は、一般に地上部を、1種または複数種の前述の溶媒に、例えば室温から80℃までの範囲の温度で、約30分から8時間、浸漬または穏やかに撹拌することによって実行される。好ましくは、ステップa)の抽出は2から6時間の間の時間にわたって、40℃から60℃の間の温度で実行される。
【0014】
ステップa)で得られた混合物を、次いで少なくとも10時間インキュベートする。すなわち、これがステップb)である。好ましくは、ステップb)のインキュベーションは、12時間から30時間の間の時間にわたって、2℃から10℃の間の温度で実行される。より好ましくは、インキュベーションは、12時間から15時間、約4℃の温度で実行される。
【0015】
ステップb)の最後に得られた、インキュベートされた混合物を、次いでろ過し、不溶性物質を除去する。すなわち、これがステップc)である。好ましくは、b)で得られた抽出物のろ過は、100μmの膜で実行される。液体のろ液が得られる。
【0016】
最終的に、液体のろ液中に存在する溶媒を除去し、次いでろ液残留物を他のアルコール溶媒で希釈する。すなわち、これがステップd)である。ステップa)で用いられるアルコール溶媒と異なるため、ステップd)で用いられるアルコール溶媒は、「他のアルコール溶媒」と呼ばれる。この制限を考慮に入れ、アルコール溶媒は、一般的にステップa)と同一の群、すなわちC
1〜C
4一価アルコールおよびジオールから選択される。
好ましくは、ステップd)の溶媒の除去は、蒸発によって行われる。好ましくは、最終希釈はジオール中であり、好ましくは、1,3−プロパンジオールである。
【0017】
好ましくは、ステップc)およびd)の間に、c)で得られたろ液を漂白するステップを追加する。漂白は、ろ液中に存在する色素を活性炭に吸着させることによって行ってよい。この漂白ステップに続いて、得られた脱色されたろ液の、特に20μm膜での、ろ過のステップを行ってよい。
【0018】
好ましくは、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物は、以下のステップ、
a)予め乾燥させてすりつぶした、ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の花、葉および茎の混合物を40℃から60℃の間の温度で、2時間から5時間、エタノールで抽出するステップと、
b)a)で得られた混合物を少なくとも12時間、2℃から6℃の間の温度でインキュベートするステップと、
c)b)で得られたインキュベートされた混合物をろ過して、ろ液を得るステップと、
− c)で得られたろ液を活性炭に吸着させることにより漂白するステップと、次いで
− 脱色されたろ液を20μm膜でろ過するステップと、
d)得られたろ液から蒸発によってエタノールを除去し、次いで1,3−プロパンジオールに最終希釈するステップと
を含む、方法によって得ることができる。
【0019】
有利には、本発明に従って用いる抽出物は透明色である。
さらに、前記抽出物は、エマルションの形の化粧用または皮膚科用組成物において、活性を得るために必要な濃度で通常直面する製剤問題の原因となることなく、および高濃度の場合に通常の方法によって得られた植物抽出物と対照的に暗色にはならずに、使用可能なほど十分に高濃度である。
したがって、本発明に記載の抽出物は、化粧用または皮膚科用組成物を調製するために、直接用いてよい。
【0020】
さらなる態様によると、本発明は、抗酸化物質、および/または脱色素剤、および/または皮膚の微小循環を改善するため、および/または老化による皮膚の変化を予防および/または軽減するための薬剤としての、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用に関する。
【0021】
実際に、有利なことに、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物は、特に老化による皮膚の変化に関連する、予防または修復の生理的機構に関していくつかの重要な活性をもつ、ということがわかった。
【0022】
したがって、本発明は、より詳細には、メラニン合成を阻害する薬剤としての、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用に関する。
【0023】
本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物は、角化細胞によるVEGFおよびサイトカインIL1αの分泌に関して有利な活性をもつので有利であることもわかった。皮膚において、VEGFまたは血管内皮細胞増殖因子は、皮膚血管新生における主要な因子である。上皮は、増殖する角化細胞によって大量に分泌されたVEGFの重要な供給源である。VEGFのmRNAは、正常な角化細胞によって、組織内のその場および細胞培養の両方で発現される。高齢者においてでさえ、VEGFは内皮細胞の恒常性および血管新生刺激に反応する能力を維持することが示された(Watanabe Y. et al., 1997, Oncogene 14:2025-2032頁)。さらに、紫外線放射への曝露後、VEGFの減少が観察された(Photochem. Photobiol., 1999; 70(4):674-9頁)。
【0024】
本発明は、VEGFの分泌を活性化するための薬剤として、および/または角化細胞によるIL1αの分泌を阻害するための薬剤としての、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の使用にも関する。
【0025】
本発明は、より詳細には、特にメタロプロテアーゼ、特にMMP3およびMMP9への阻害作用によって、老化による皮膚の変化を予防および/または軽減するための、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用にも関する。したがって、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物をマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の活性を阻害するための薬剤として用いてもよい。マトリックスメタロプロテアーゼは、皮膚の生理的リモデリングに関連して細胞外マトリックスを分解する酵素であるが、年齢および紫外線放射への曝露は、特定のMMP、特にMMP3およびMMP9の活性を高める効果をもつ。その結果、細胞外マトリックスの分解が進み、皮膚組織がたるみ、しわが形成される(Ageing Res. Rev., 2002, 1(4):705-20頁、J. Invest. Dermatol, 2001, 117(5):1218-24頁)。
【0026】
さらなる態様によれば、本発明は、化粧品としてまたは薬学的に許容されるビヒクル中に、本発明に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、化粧用または皮膚科用組成物にも関する。好ましくは、前記抽出物は、化粧用または皮膚科用組成物中に、組成物の総重量の0.001から10%の割合で、組成物の総重量の特に0.01から10%、好ましくは、0.1から10%の割合で存在する。前記化粧用または皮膚科用組成物は、局所経路による施用に特に適していてもよい。
【0027】
有利には、前記化粧用または皮膚科用組成物は、粉末、エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション、懸濁液、溶液、ローション、クリーム、水性ゲルまたは水性アルコールゲル、ムース、セラム、エアロゾル用の溶液または分散液、または脂質小胞の分散液の形態であってよい。
【0028】
エマルションの場合、油中水型または水中油型エマルションであってよい。
【0029】
本発明に記載の化粧用または皮膚科用組成物は、さまざまな成分および投与方法に応じて選択される溶媒を含んでもよい。
【0030】
例として、水(好ましくは脱塩水)、エタノールなどのアルコール、またはエトキシジグリコールまたはジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのジエチレングリコールエーテルを挙げることができる。
【0031】
前記化粧品組成物は、この分野で普通の少なくとも1つの添加物、例えば皮膚軟化剤または保湿剤、ゲル化剤および/または増粘剤、界面活性剤、油、活性剤、染料、防腐剤、抗酸化物質、活性剤、有機または無機粉末、日焼け止め剤および香料から選択される少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【0032】
特に、前記組成物は以下を含んでよい。
− 例えばグリセリン、グリコール、KF6011(Shin Etsu)という名称で販売されているような水可溶性シリコーン、およびResplantaホホバ(Res pharma)という名称で販売されているような水可溶性ホホバから選択することができる、1つまたは複数の皮膚軟化剤または保湿剤。
前記皮膚軟化剤または保湿剤は、組成物の総重量に対して0から30重量%、好ましくは2から10重量%程度の含有量で、組成物中に存在することができる。
− 例えば、セルロース誘導体、植物由来のゴム(グアー、イナゴマメ、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン)、微生物由来のゴム(キサンタン)、粘土(Laponite)、INCI名「アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/vpコポリマー」および「アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25コポリマー」で識別される原料(例えばClariantによってAristoflex AVCおよびHMBという名称で販売されている)から選択される、1つまたは複数のゲル化剤および/または水相の増粘剤。
【0033】
前記ゲル化剤および/または増粘剤は、組成物の総重量に対して0から10重量%程度の含有量で、組成物中に存在してよい。
− 好ましくは非イオン性の、組成物の総重量に対して0から8%、好ましくは0.5から3重量%程度の含有量で存在する、1つまたは複数の界面活性剤。
− 室温で液体であり、一般に油と呼ばれる、揮発性または非揮発性、炭化水素含有またはシリコーン含有、直鎖状、環状または分岐状である、例えばイソドデカン、シクロペンタジメチルシロキサン、ジメチコン、イソノナン酸イソノニルまたはテトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、組成物の総重量に対して、好ましくは0から約10重量%、好ましくは0.5から5重量%の割合である、1つまたは複数の脂質。
− 生物活性をもち、例えばビタミン、微量元素、アラントイン、植物性タンパク質および植物性抽出物から選択される、天然または合成由来の、1つまたは複数の活性剤。
− 例えば、ポンソーのジナトリウム塩、アリザリングリーンのジナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスのトリナトリウム塩、タルトラジンのジナトリウム塩、ローダミンのモノナトリウム塩、フクシンのジナトリウム塩、またはキサントフィルなどの、好ましくは、組成物の総重量に対して0から約2重量%の割合である、1つまたは複数の水可溶性染料。
【0034】
化粧品で通常用いられる他の添加物、特に本技術分野で周知の防腐剤、抗酸化物質または香料は、本発明に記載の組成物中に存在してもよい。
【0035】
当業者は、これらすべての可能性のある添加物から、組成物に添加することになる添加物の特質および量の両者を、組成物がその特性のすべてを保持するように選択することができる。
【0036】
本発明は、以下の実施例によって示されるが、それに限定されるものではない。
【実施例1】
【0037】
本発明によるソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の調製
本発明によるソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を、以下のステップ、
a)乾燥してすりつぶしたソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部(花、葉および茎)を50℃の温度で3時間、エタノールで抽出するステップと、
b)a)で得られた混合物を、一晩、4℃でインキュベートするステップと、
c)b)で得られた抽出物を、100μm膜でろ過するステップと、
− c)で得られた液体ろ液を活性炭(乾燥した植物の2%に相当する量で存在する)への色素の吸着によって漂白し、次いで、
− 脱色されたろ液を20μm膜でろ過するステップと、
d)蒸発によってエタノールを除去し、次いで1,3−プロパンジオールに最終希釈する(溶媒の90%)ステップと
を含む、方法によって調製する。
【0038】
このようにして得られた抽出物を、以下の実施例2から6において、「ゴールデンロッド(Goldenrod)」と呼ぶ。
【実施例2】
【0039】
正常なヒト角化細胞およびメラニン細胞におけるゴールデンロッドの細胞毒性試験
プロトコール
若いドナーから得られた正常なヒト表皮角化細胞およびメラニン細胞(PromoCell)を、96ウェルプレートで24時間、添加培養培地(それぞれKGM2およびMGM2培地+SupplementMix、PromoCell)中で、37℃、5%CO
2で培養した。次いで、細胞を、異なる濃度のゴールデンロッドと共に、基本培地(添加物なし)中で24時間(角化細胞)、または添加培地中で5日間(メラニン細胞)、インキュベートした。細胞毒性を、生細胞が無色/黄色のテトラゾリウム塩を暗褐色のホルマザン誘導体へ還元する能力に基づいた、Cell Titer96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega)を用いて評価した。細胞をテトラゾリウムと共に37℃で30分間インキュベートし、形成されたホルマザンの吸光度を490nmで読み取った。
【0040】
結果
ゴールデンロッドの細胞毒性を0.1から0.0125%の間の異なる濃度で評価した(以下の表1)。
【0041】
【表1】
【0042】
ゴールデンロッドは、角化細胞に対して試験したすべての濃度で非毒性であったが、メラニン細胞に対しては0.1%で毒性があった。
【実施例3】
【0043】
ゴールデンロッドの抗酸化活性の評価
プロトコール
ゴールデンロッドがフリーラジカル(ヒドロキシル、ハロゲン化誘導体、ペルオキシ亜硝酸およびスーパーオキシドラジカル)を捕捉する能力、すなわち抗酸化能力を判定するために、製造業社の取扱説明書に従って、ホラシンに依存する化学発光試験ABEL(登録商標)1を用いた(Knight Scientific Limited)。簡潔に言えば、さまざまな濃度の成分を、フリーラジカルと結合すると光を発する、周知の発光タンパク質であるホラシンとインキュベートした。抽出物がヒドロキシルラジカル、ハロゲン化誘導体ラジカル、ペルオキシ亜硝酸、およびスーパーオキシドのそれぞれを捕捉する能力を判定するための陽性対照として、D−マンニトール、アルブミン、ビタミンEおよびL−アスコルビン酸を用いた。
すべての定量を5回反復し、平均値を決定した。成分の抗酸化能力を、未処理対照を0%として表し、活性成分の存在および非存在でのアッセイの間に観察されたホラシンの発光ピークの減少の割合±SDで表した。
【0044】
結果
得られた結果を以下の表2に示す。
試験したすべての濃度で、ゴールデンロッドは、ヒドロキシルラジカル、ハロゲン化ラジカルおよびペルオキシ亜硝酸に対して、陽性対照として用いた化合物の試験した最も高い濃度に相当する、かなりの抗酸化活性をもつ。スーパーオキシドを捕獲する活性の割合の用量依存的な減少が、ゴールデンロッドの濃度の減少と共に観察された。
【0045】
【表2】
【実施例4】
【0046】
細胞外マトリックスのメタロプロテイナーゼ3および9の活性に及ぼすゴールデンロッドの効果の蛍光アッセイによる判定
プロトコール
MMP3およびMMP9の活性に及ぼすゴールデンロッドの効果を評価するために、酵素(それぞれBiomol SE−109およびSE−244)を異なる濃度のゴールデンロッドと、各濃度5連でインキュベートした。DMSO(Bachem H−2300、M−2055)に溶解した各MMP酵素に特異的な蛍光基質を添加することによって、酵素反応を誘導した。酵素反応を分光光度法によって1時間監視し、MMP3は360/460nmの波長で、またはMMP9は320/405nmの波長で励起/放射させた後、蛍光を測定した。結果を反復の平均±SDで表し、100%を示す未処理の対照に対するMMPの活性の割合で示した。対照として、MMPの活性を阻害するために、EDTAを用いた。
【0047】
結果
MMP酵素は、細胞外マトリックスの分解に関与することが知られ、したがって皮膚の力学特性に加齢の影響を及ぼす。
こうして、本発明人は、ゴールデンロッドがMMP3およびMMP9の活性を阻害する能力を判定した。
表3に示すデータは、試験した最も高い濃度である0.1%で、ゴールデンロッドがMMP3およびMMP9の活性の両方を阻害すること示す。
【0048】
これらの結果は、ゴールデンロッドが細胞外マトリックスの分解を制限し、したがって皮膚の健全性を保存し得ることを示す。
【0049】
【表3】
【実施例5】
【0050】
培養下の正常なヒト角化細胞によるVEGFおよびIL1αの分泌に及ぼすゴールデンロッドの効果のELISAアッセイによる評価
プロトコール
24時間、基本培地中でさまざまな濃度のゴールデンロッドで処理する前に、角化細胞を6ウェルプレートで24時間、添加培地(KGM2基本培地+SupplementMix、PromoCell)で培養した。角化細胞によって培養培地に分泌されたVEGFおよびIL1αのレベルを、製造業社の取扱説明書に従い、従来のサンドイッチELISAアッセイ(Quantikine、R&D Systems)によって決定した。活性成分の存在または非存在下で培養した少なくとも2種類の角化細胞ドナーについて、標的タンパク質の分泌レベルを評価した。VEGFおよびIL1αのレベルをそれぞれ増加させることが知られたTGFβおよびUVBを、陽性対照として用いた。
示した結果は、生物学的3連の平均値±SDであり、対照(100%を示す)に対する割合で示した。
【0051】
結果
2種類の特定の生物学的標的、
− 皮膚の炎症および老化に関与する周知のサイトカイン、IL1α、および
− 微小血管新生を促進し、したがって皮膚の栄養および酸素の供給を改善する増殖因子、VEGF
の角化細胞の分泌レベルに及ぼすゴールデンロッドの効果を評価した。
【0052】
ゴールデンロッド抽出物は、用量依存的にIL1αの分泌を阻害し、0.0125%の濃度において最大効果が観察され(54.1±14.6%)、UVBは未処理細胞(100%)に対してIL1αを促進する(166±20.6%)。
0.1%のゴールデンロッドで処理した角化細胞の評価は、未処理細胞(100%)に対してVEGFの分泌の増加(205.4±20.3%)を示した。1種類のドナーから得られた、示した結果は、それでも試験した両ドナーを代表するものである。
【0053】
したがって、ゴールデンロッドは、炎症誘発性IL1αを阻害するために効果的な成分であり、一方VEGFを刺激し、皮膚の栄養および酸素供給を提供し、このことは皮膚の老化を抑制する可能性がある、と結論づけることができる。
【実施例6】
【0054】
培養下の正常なヒトメラニン細胞におけるメラニン量に及ぼすゴールデンロッドの効果の判定
プロトコール
高いフォトタイプの2種類のドナーから得られた正常なヒト表皮メラニン細胞(PromoCell)を、96ウェルプレートで、添加培地(MGM2基本培地+SupplementMix、PromoCell)で培養した。細胞を、さまざまな濃度のゴールデンロッド(0.05から0.0625%)を含む増殖培地で5日間インキュベートした。
その後、培養培地を除去し、細胞をPBS(Gibco/Invitrogen)で洗浄した。細胞内メラニンの抽出のため、細胞を1M NaOHに溶解し、毎分12000回転で5分間遠心分離し、透明な上清の吸光度を490nmで測定した。595nmの、ウェルあたりの総タンパク質に対して、メラニン量を正規化した(Biorad Protein Assay、Biorad)。
100%に固定された未処理対照の割合として、結果を示す。
【0055】
結果
メラニンは、ヒト皮膚の発色団であり、上皮のメラニン細胞によって合成され、皮膚の色の主な原因となる。皮膚の色素沈着に及ぼすゴールデンロッドの可能性のある効果を、処理および未処理細胞におけるメラニンの化学的定量によって評価した。
0.1%の濃度のゴールデンロッドは、メラニン細胞のメラニン量を、未処理細胞に比して21.9±1.9%阻害する。
【0056】
本試験から、ゴールデンロッドは培養された正常なヒトメラニン細胞のメラニン量を調節し、したがって皮膚の色素沈着のレベルを減少させ得る(したがって脱色素剤として作用する)ことがわかる。
【実施例7】
【0057】
初代ヒト線維芽細胞(HDF)の複製寿命に及ぼすゴールデンロッドの効果の判定
プロトコール
Evercyte(Vienna、Austria)によって供給された、49歳、58歳および65歳の3人の異なる女性ドナーの腹壁形成術から、初代ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)を単離した。4mM L−グルタミンおよび10% ウシ胎仔血清を添加した、Biochrome(Berlin、Germany)のDMEM培地F12/Ham(1:1)で、37℃および7%CO
2で細胞を培養した。連続継代のために、細胞を1×PBSで2回洗浄し、0.1%トリプシン/0.02% EDTAと共に、5〜8分インキュベートした。遊離した細胞をゴールデンロッドを含む培地に再懸濁し、培地中で0.00625%の最終濃度に達するようにした。細胞懸濁液1ml中の生細胞数を、Vi−CELL XR(Beckman Coulter)を用いて自動的に決定した。
【0058】
結果
ゴールデンロッドの存在下で、HDFの連続継代による連続培養は、細胞の複製寿命を10.8%延長した(データは示さない)。
【実施例8】
【0059】
ゴールデンロッドによるHDF細胞の連続処理の、乳頭層線維芽細胞の網状層線維芽細胞への移行(PRT)に及ぼす効果の判定
プロトコール
実施例7に記載したように、HDFを連続して継代し、光学顕微鏡での細胞形態の視覚的検査、および乳頭層表現型(PDPN)および網状層表現型(TGM2)のマーカーの定量によって、PRTについて分析した。次に、製造業社の取扱説明書に従って、TRI Reagent(Sigma)を用いて、RNAを単離した。単離したRNAを、NanoDrop ND−1000分光光度計(Thermo Scientific)で定量し、NCode VILO miRNA cDNA Synthesis Kit(Life Technologies)を用いて、300ngをcDNAへ転写した。Solis BioDyne(Tartu、Estonia)のHOT FIREPol EvaGreen qPCR Mix Plus(NO ROX)を用いて、リアルタイム定量的PCR(qPCR)をRotorGene−6000 Thermocycler(Qiagen)で行った。mRNAの発現をGAPDHの発現に対して正規化した。用いたマーカーおよびプライマーは、以下である。
TGM2:fwd−GGCGAACCACCTGAACAAAC(配列番号1)およびrev−AGGATGCAAAGAGGAACGCT(配列番号2)、
PDPN:fwd−GCATCGAGGATCTGCCAACT(配列番号3)およびrev−CCCTTCAGCTCTTTAGGGCG(配列番号4)、
GAPDH(対照):fwd−CGACCACTTTGTCAAGCTCA(配列番号5)およびrev−TGTGAGGAGGGGAGATTCAG(配列番号6)。
【0060】
結果
ゴールデンロッドの非存在下でHDF細胞の連続継代による連続培養は、HDFの乳頭層形態の減少を導き、一方、ゴールデンロッドの存在下では維持された(データは示さない)。
このことは、ゴールデンロッドの存在下で細胞を培養すると、未処理細胞に対して、マーカーTGM2(網状層マーカー)の発現は低く、一方、マーカーPDPN(乳頭層マーカー)の発現は高い(データは示さない)という事実によって確認される。
ゴールデンロッドは、HDFの乳頭層表現型から網状層表現型への移行を遅らせると結論づけられる。
若い皮膚はより多数の乳頭層HDFを含むので、このことは、ゴールデンロッドが、皮膚の若い表現型を維持することを助ける場合があることを再度示唆する。
【実施例9】
【0061】
ゴールデンロッドによるHDF細胞の連続処理の老化マーカーに及ぼす効果の判定
プロトコール
実施例7に記載したように、HDFを連続して継代し、β−ガラクトシダーゼ(β−SA−gal)と組み合わせた標識によって、老化を試験した。次に、細胞を1×PBSで2回洗浄し、2% ホルムアルデヒド/0.2% グルタルアルデヒドで10分間固定した。細胞を1×PBSで2回、染色緩衝液(100mM クエン酸/200mM Na
2HPO
4、pH6.0)で1回洗浄し、染色溶液(5mM フェリシアン化カリウム、5mM フェロシアン化カリウム、2mM MgCl
2、1mg/ml X−Gal、染色緩衝液に希釈した)で37℃で、24時間インキュベートした。各ウェルについて、10枚の写真をウェルの無作為の位置で撮影し、1実験からの画像を無作為化し、1人の技師が盲検下で数えた。さらに、実施例9のように、以下の老化マーカー(P21)および若い細胞(SNEV)のプライマー、
p21
Cip1/
WAF1(CDKN1A):fwd−GGCGGCAGACCAGCATGACAGATT(配列番号7)およびrev−GCAGGGGGCGGCCAGGGTAT(配列番号8)、
SNEV
hPrp19/hPso4(PRPF19):fwd−AACCACGGAGCGCAAGAAG(配列番号9)およびrev−CGGGGGAAGCAGAAAACAC(配列番号10)
を用いてqPCRを実行し、GAPDHのmRNAレベルに対して再正規化した。
【0062】
結果
ゴールデンロッドの存在下でHDFの連続継代による連続培養は、細胞の連続継代の間で試験したすべての時間で、老化した細胞の約50%の減少を導く(データは示さない)。このことは、老化した細胞のマーカーとしてのp21のmRNAレベルの降下、および若い細胞のマーカーとしてのSNEVのmRNAレベルの増加に反映される(Voglauer et al., 2006)。
このことは、細胞が複製老化へ入ることを遅らせる、ゴールデンロッドの活性を再度確認する。
【実施例10】
【0063】
ストレスの影響下での早老のHDF(HDF SIPS)における老化マーカーに及ぼすゴールデンロッドでの急性処理の効果の判定
プロトコール
0日目に細胞を3500個/cm
2で播き、1〜4日目および7〜11日目に、100μM H
2O
2で1日あたり1時間処理し、次いで通常の増殖培地に回収した。0日目に静止対照細胞を同一密度で播き、培地を1週間に2回交換した。11日目の最後のH
2O
2処理の直後に、ゴールデンロッドでの処理を行った。
【0064】
実施例10のように、β−ガラクトシダーゼ(SA−β−gal)と組み合わせた標識によって、HDF SIPSを老化について試験した。実施例10のようにqPCRを行った。さらに、製造業社の取扱説明書に従って、RNA 6000 Nano Kitを用いてBioanalyzer 2100(Agilent Technologies)で単離されたRNAの品質を管理した後、Illumina HiSeq 2500を用いて、GATC Biotech(Constance、Gennany)によって次世代シーケンシング(NGS)を行った。
【0065】
結果
ゴールデンロッドでの急性処理は、HDF SIPSのSA−βGal陽性を、4日目に約44%および11日目に80%減少する(データは示さない)。このことは、p21のmRNAの減少、ならびにSNEVのmRNAの陽性調節に付随して起こる。実際に、ゴールデンロッドで処理した静止細胞およびSIPSの全ゲノムのmRNA転写プロファイルの主成分分析(PCA)の原理は、未処理細胞に対して、ゴールデンロッドがトランスクリプトームプロファイルを、静止細胞プロファイルへ変換する効果をもつことを示す。より正確には、マトリックスを分解する、炎症誘発性老化関連分泌表現型(SASP)のいくつかの因子のmRNAの転写は、IL−11、CXCL8(IL8)、IFI30(GILT)、およびCCL2の例によって示されるように、減少する。
総合すると、これらの結果は、細胞老化へ入る間に生じ皮膚老化の原因となる重要な機能変化を、ゴールデンロッドが再変換できることを示唆する。
【実施例11】
【0066】
HDF SIPS細胞の長期生存に及ぼすゴールデンロッドによる急性処理の効果の判定
プロトコール
0日目に細胞を3500個/cm
2でT75培養フラスコに播き、1〜4日目および7〜11日目に、100μM H
2O
2で1日あたり1時間処理し、その後通常の増殖培地に回収した。0日目に静止対照細胞を同一密度で播き、培地を1週間に2回交換した。11日目の最後のH
2O
2処理の直後に、ゴールデンロッドでの処理を行った。実施例7に記載したように、細胞数を決定した。
【0067】
結果
HDF SIPSのゴールデンロッドへの4日間の曝露は、細胞毒性効果を示さない(データは示さない)。しかし、ゴールデンロッドへの35日以上の曝露は、30%程度の老化した細胞(SESC)の選択的除去の活性をもたらし、一方静止細胞(対照)は有意な量の細胞死を示さない。
このことは、ゴールデンロッドの長期使用は、老化した細胞の数を選択的に減少させる可能性があることを示す。
【実施例12】
【0068】
HDF SIPSの長期生存に及ぼすゴールデンロッドによる急性処理の効果の判定
プロトコール
個人ドナーの新生児包皮由来の初代ヒト角化細胞(KC)を、CellSystems(Troisdorf、Germany)から購入し、0.1ng/ml 組換えヒトEGF、5μg/ml インスリン、0.5μg/ml ヒドロコルチゾン、0.4% ウシ下垂体抽出物、50μg/ml ゲンタマイシンおよび50ng/ml アンフォテリシンBを添加したKC増殖培地(KGM、Clonetics、Gaithersburg、USA)で培養した。RNAをRNeasy 96システム(Invitrogen)を用いて単離し、全RNAの900ngをiScript cDNA Synthesis Kit(Biorad)で逆転写した。qPCRは、LightCycler 480およびLightCycler 480 SYBR Green I Master(Roche、Basle、Switzerland)を用いて行った。標的遺伝子の発現を、β−2ミクログロブリンの発現に対して正規化した。プライマーの配列は、以下である(5’−3’)。
B2Mf atgagtatgcctgccgtgtg(配列番号11);B2Mr:caatccaaatgcggcatct(配列番号12);
p16ink4Af:caacgcaccgaatagttacg(配列番号13);p16ink4Ar:accagcgtgtccaggaag(配列番号14);
MMP1_524f:ggtctctgagggtcaagcag(配列番号15);MMP1_720r:ccgcaacacgatgtaagttg(配列番号16)。
ストレス実験のために、0日目に細胞を1500個/cm
2で播き、2、5および6日目にパラコート(PQ)(80pm)で24時間処理した。1日目および4日目に、ゴールデンロッド処理を、未処理細胞またはパラコート処理細胞に実行した。
【0069】
結果
初代KCを培養皿に播き、PQ、またはゴールデンロッド、または両方で処理した。培養皿あたり合計37500細胞を0日目に播き、処理3および7日目に細胞計数を得た。対照細胞に対して計数し、細胞分裂因子を補正した、細胞数の平均値は、
− 未処理対照細胞では、3日目に720,000、7日目に8,295,000、
− PQで処理した細胞では、3日目に405,000、7日目に546,666、
− ゴールデンロッドで処理した細胞では、3日目に825,000、7日目に8,400,000、および
− PQおよびゴールデンロッドで処理した細胞では、3日目に510,000、7日目に1,245,000細胞であった。
このことは、ゴールデンロッドが酸化的ストレスの影響下で、細胞増殖の減少を防止しないことを示す。
細胞老化のよく記載された誘導剤であるパラコートでの処理は、MMP1およびp16INK4aの発現を誘導する。
P16INK4aは、細胞老化のマーカー遺伝子であり、その発現は、細胞周期が停止した場合、正に調節される。
MMP1は、多くの場合老化した細胞によって分泌されるマトリックスメタロプロテアーゼである。
パラコートに加えてゴールデンロッドが与えられた場合、mRNAの発現レベルは、対照遺伝子(β−2−ミクログロブリン)に対して減少する。このことは、細胞周期の停止および老化に関連する遺伝子の発現に及ぼすパラコートの効果を、ゴールデンロッドが中和することを示す。
【実施例13】
【0070】
化粧品組成物
7A−油/水クリームゲルエマルション
【0071】
【表4】
【0072】
7b−油/水クリームエマルション
【0073】
【表5】
【0074】
これらの組成物を、毎日、朝および/または夜、皮膚に施用してよい。
また、本発明は以下を提供する。[1] 以下のステップ、
a)ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部を少なくとも1種類のアルコール溶媒で抽出するステップと、
b)a)で得られた前記混合物を少なくとも10時間インキュベートするステップと、
c)b)で得られた前記インキュベートされた混合物をろ過するステップと、
d)得られた前記ろ液から前記溶媒を除去し、次いで他のアルコール溶媒に最終希釈するステップと
を含む、方法によって入手可能なソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[2] ステップa)の前記アルコール溶媒は、1個から4個までの炭素原子を含む一価アルコール、好ましくはエタノールであることを特徴とする、[1]に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[3] ステップa)の前記抽出は、2から6時間の間の時間にわたって、40℃から60℃の間の温度で実行されることを特徴とする、[1]または[2]に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[4] 前記地上部は、花、葉、茎およびその混合物から選択されることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[5] ステップb)の前記インキュベーションは、12時間から30時間の間の時間にわたって、2℃から10℃の間の温度で実行されることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[6] ステップc)およびd)の間に、好ましくは活性炭に吸着させることにより、c)で得られた前記ろ液を漂白するステップ、続いて脱色されたろ液をろ過するステップを追加することを特徴とする、[1]から[5]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[7] ステップd)の前記除去は蒸発によって行われ、次いで、最終希釈が1,3−プロパンジオールで実行されることを特徴とする、[1]から[6]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[8] 以下のステップ、
a)予め乾燥させてすりつぶした、ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の花、葉および茎の混合物を40℃から60℃の間の温度で、2時間から5時間、エタノールで抽出するステップと、
b)a)で得られた前記混合物を少なくとも12時間、2℃から6℃の間の温度でインキュベートするステップと、
c)b)で得られた前記インキュベートされた混合物をろ過して、ろ液を得るステップと、
− c)で得られた前記ろ液を活性炭に吸着させることにより漂白するステップと、次いで
− 前記脱色されたろ液を20μm膜でろ過するステップと、
d)得られた前記ろ液から蒸発によって前記エタノールを除去し、次いで1,3−プロパンジオールに最終希釈するステップと
を含む、方法によって得ることができることを特徴とする、[1]から[7]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物。
[9] 以下のステップ、
a)ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部を少なくとも1種類のアルコール溶媒で抽出するステップと、
b)a)で得られた混合物を少なくとも10時間インキュベートするステップと、
c)b)で得られたインキュベートされた混合物をろ過するステップと、
d)c)で得られた混合物から溶媒を除去し、次いで他のアルコール溶媒に最終希釈するステップと
を含む、ソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部を抽出する方法。
[10] 老化による皮膚の変化を予防および/または軽減するための、[1]から[8]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用。
[11] 脱色素剤としての、[1]から[8]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用。
[12] 皮膚の微小循環を改善するための薬剤、および/または上皮を再生するため、皮膚の色および/または輝きおよび/または血色の均一性を改善するため、くすんだおよび/または輝きのない皮膚の外観を予防し、皮膚に滑らかで輝きのある血色を与えるための薬剤としての、[1]から[8]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用。
[13] 抗酸化物質としての、[1]から[8]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物の化粧品としての使用。
[14] 化粧品としてまたは薬学的に許容されるビヒクル中に、[1]から[8]のいずれか一項に記載のソリダゴ・ウィルガウレア亜種アルペストリス(Solidago virgaurea subsp. alpestris)の地上部のアルコール抽出物を含む、化粧用または皮膚科用組成物。
[15] 局所経路による施用に適していることを特徴とする、[14]に記載の化粧用または皮膚科用組成物。