特許第6449270号(P6449270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6449270磁石キャリアアセンブリ、および、磁石キャリアアセンブリを軸に組み付ける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6449270
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】磁石キャリアアセンブリ、および、磁石キャリアアセンブリを軸に組み付ける方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20181220BHJP
【FI】
   F16K37/00 D
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-524584(P2016-524584)
(86)(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公表番号】特表2016-535210(P2016-535210A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】US2014061718
(87)【国際公開番号】WO2015061413
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2017年7月12日
(31)【優先権主張番号】61/894,618
(32)【優先日】2013年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/520,005
(32)【優先日】2014年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス−オリバー,サルヴァドール
(72)【発明者】
【氏名】アルヴァ,スラジュ ケイ.
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−203682(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00504046(EP,A1)
【文献】 特開平11−022884(JP,A)
【文献】 特開2003−113978(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0044655(US,A1)
【文献】 実開平02−029379(JP,U)
【文献】 特開2006−300127(JP,A)
【文献】 米国特許第03896280(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16B 7/00−7/22
F16B 21/00−21/20
F16L 29/00−35/00
G01D 5/00−5/252
G01D 5/39−5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁アセンブリの軸(7、8)に磁石(2)を取り付けるためのキャリアアセンブリ(1)であって、
磁石ホルダ部(41)、軸ホルダ部(42)、および前記軸ホルダ部(42)から延びる複数のフィンガ(5)を有するハウジング(4)と、
ロッキングカラー(3)とを含み、
前記ロッキングカラー(3)が前記ハウジング(4)上に装着され、開位置から閉位置へ動いて、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)に係合させ、前記ロッキングカラー(3)がロック位置へさらに動いて、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)にロックするとともに、
前記複数のフィンガ(5)の各々が、固定端(71)と自由端(72)とを含み、前記フィンガの各々が、前記自由端(72)から内方へ延びるラッチ(73)をさらに含み、かつ、
前記軸(7、8)が、前記複数のフィンガ(5)の各々の前記ラッチ(73)に係合して、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)に対して保持する保持機構(77)を含むとともに、
前記ロッキングカラー(3)が、前端(31)、後端(32)、内面(33)、外面(34)、および前記前端(31)から前記後端(32)へ中心軸(30)に沿って長手方向に延びるチャネルを有する円筒であり、前記前端(31)に隣接して周方向に延びる1つまたは複数のアーム(37)をさらに含む、
キャリアアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ロッキングカラー(3)が、回転運動を使用して前記閉位置から前記ロック位置へ動く、請求項1に記載のキャリアアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記軸ホルダ部(42)が、前端(21)、後端(22)、内面(23)、および外面(24)を有し、前記外面(24)に1つまたは複数の凹部領域(26)をさらに含む、請求項1に記載のキャリアアセンブリ(1)
【請求項4】
前記軸ホルダ部(42)が、前記外面(24)に沿って前記凹部領域(26)から遠位端へ周方向に延びる1つまたは複数の溝(28)をさらに含み、前記1つまたは複数の溝(28)の各々が、前記遠位端にラッチ開口部(29)を有する、請求項3に記載のキャリアアセンブリ(1)
【請求項5】
前記外面(34)から長手方向に延びる突起(6)をさらに含む、請求項に記載のキャリアアセンブリ(1)
【請求項6】
前記アーム(37)が固定端(38)と自由端(39)とを含み、ラッチ(51)が前記自由端(39)から内方へ延びる、請求項に記載のキャリアアセンブリ(1)
【請求項7】
前記内面(33)から内方へ延びる複数の突起(55)をさらに含む、請求項に記載のキャリアアセンブリ(1)
【請求項8】
弁アセンブリの軸(7、8)に磁石(2)を取り付けるためのキャリアアセンブリ(1)であって、
磁石ホルダ部(41)、軸ホルダ部(42)、および前記軸ホルダ部(42)から延びる複数のフィンガ(5)を有するハウジング(4)と、
ロッキングカラー(3)とを含み、
前記ロッキングカラー(3)が前記ハウジング(4)上に装着され、開位置から閉位置へ動いて、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)に係合させ、前記ロッキングカラー(3)がロック位置へさらに動いて、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)にロックするとともに、
前記複数のフィンガ(5)の各々が、固定端(71)と自由端(72)とを含み、前記フィンガの各々が、前記自由端(72)から内方へ延びるラッチ(73)をさらに含み、かつ、
前記軸(7、8)が、前記複数のフィンガ(5)の各々の前記ラッチ(73)に係合して、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)に対して保持する保持機構(77)を含むとともに、
前記ロック位置で、前記ハウジング(4)の窓(25)が前記ロッキングカラー(3)の窓(35)に位置合わせされて、前記軸が完全に装填されたことの目視確認を与える、キャリアアセンブリ(1)。
【請求項9】
弁アセンブリの軸(7、8)に磁石(2)を取り付けるためのキャリアアセンブリ(1)であって、
磁石ホルダ部(41)、軸ホルダ部(42)、および前記軸ホルダ部(42)から延びる複数のフィンガ(5)を有するハウジング(4)と、
ロッキングカラー(3)とを含み、
前記ロッキングカラー(3)が前記ハウジング(4)上に装着され、開位置から閉位置へ動いて、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)に係合させ、前記ロッキングカラー(3)がロック位置へさらに動いて、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)にロックするとともに、
前記軸ホルダ部(42)が、外面(24)、前記外面(24)の1つまたは複数の凹部領域(26)、および前記外面(24)に沿って前記凹部領域(26)から遠位端へ周方向に延びる1つまたは複数の溝(28)を有する円筒を含み、前記1つまたは複数の溝(28)の各々が、前記遠位端にラッチ開口部(29)を有し、
前記ロッキングカラー(3)が、前端(31)、後端(32)、および前記前端(31)に隣接して周方向に延びる1つまたは複数のアーム(37)を含み、前記1つまたは複数のアーム(37)の各々が、固定端(38)、自由端(39)、および前記自由端(39)から内方へ延びるラッチ(51)を有し、
前記軸ホルダ部(42)から長手方向に延びる前記複数のフィンガ(5)の各々が、前記軸ホルダ部(42)に隣接する固定端(71)と自由端(72)とを含み、前記フィンガの各々が、前記自由端(72)から内方へ延びるラッチ(73)をさらに含み、
前記ロッキングカラーのラッチ(51)が、前記軸ホルダ部(42)の前記ラッチ開口部(29)に係合して、前記ロッキングカラー(3)を前記ハウジング(4)上にロックし、
前記複数のフィンガ(5)の各々の前記ラッチ(73)が、前記軸(7、8)に係合して、前記キャリアアセンブリ(1)を前記軸(7、8)に対して保持する、キャリアアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記ロッキングカラーが、内面(34)と、前記内面(34)から内方へ延びる複数の突起(55)とをさらに含み、前記ロッキングカラーがロック位置に回転し、前記突起(55)が前記軸ホルダ部(42)の前記フィンガ(5)に位置合わせされて、前記フィンガ(5)を前記軸(7、8)にロックする、請求項に記載のキャリアアセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項1に記載の磁石キャリアアセンブリ(1)を軸に組み付ける方法であって、
前記方法は、
前記ロッキングカラー(3)を前記フィンガ(5)および前記軸ホルダ部(42)上に後端(22)から取り付けて、前記ロッキングカラー(3)の前記中心軸(30)が前記ハウジング(4)の中心軸(20)に位置合わせされるようにするステップと、
前記ロッキングカラー(3)を前記軸ホルダ部(42)の前記後端(22)から前端(21)へ向かって開位置まで長手方向に後退させて、前記フィンガ(5)が外方へ撓むことができるようにするステップと、
前記軸(7、8)を前記フィンガ(5)間の開口部(70)に挿入するステップと、
前記ロッキングカラー(3)を前記前端(21)から前記後端(22)へ閉位置まで長手方向に戻して、前記フィンガ(5)を前記軸(7、8)の前記保持機構(77)に係合させるステップと、
前記ロッキングカラー(3)をロック位置に回転させて、前記ロッキングカラー(3)が前記ハウジング(4)にロックされ、前記フィンガ(5)が前記軸(7)にロックされ、かつ前記軸(7)が前記キャリアアセンブリ(1)内にロックされるようにするステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、磁石と弁本体とを連結するためのコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の現在の自動車用途においては、磁石を使用して弁または他の部品の位置を検出する。1つのそのようなシステムであるトランスミッションシステムでは、磁石を弁に連結して弁の位置を検出する。一部の現在のシステムは、弁に直接オーバモールドされた磁石を有する。他の現在のシステムは、弁に機械的に固定された磁石を有することができる。例えば、そのようなシステムでは、磁石を磁石キャリアに入れた後に、磁石キャリアを弁に機械的に連結することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁石キャリアを使用する現在の機械的インタフェースは、弁に対する磁石の取付部を組立ておよび分解するための専用の工具を必要とすることがある。加えて、現在のシステムは、弁軸にねじ付開口部を必要とするボルトなどの機械的インタフェースを使用することがある。ねじ付開口部を作るために、追加の、または専用の機械加工が必要となることがある。軸の大きさが小さくなると、必要な接続強度および部品に必要な機械加工を達成する能力により、現在のシステムがより複雑で費用の掛かるものになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載の弁アセンブリの軸(7、8)に磁石(2)を取り付けるためのキャリアアセンブリ(1)によって、解決法がもたらされる。
キャリアアセンブリ(1)は、磁石ホルダ部(41)、軸ホルダ部(42)、および軸ホルダ部(42)から延びる複数のフィンガ(5)を有するハウジング(4)と、を含む。キャリアアセンブリ(1)はロッキングカラー(3)を含み、ロッキングカラー(3)はハウジング(4)上に装着され、開位置から閉位置へ動いて、キャリアアセンブリ(1)を軸に係合させる。ロッキングカラーはロック位置へさらに動いて、キャリアアセンブリ(1)を軸(7、8)にロックする。複数のフィンガ(5)の各々は、固定端(71)と自由端(72)とを含む。フィンガの各々が、自由端(72)から内方へ延びるラッチ(73)をさらに含み、かつ、軸(7、8)が、複数のフィンガ(5)の各々のラッチ(73)に係合して、キャリアアセンブリ(1)を軸(7、8)に対して保持する保持機構(77)を含む。そして、ロッキングカラー(3)は、前端(31)、後端(32)、内面(33)、外面(34)、および前端(31)から後端(32)へ中心軸(30)に沿って長手方向に延びるチャネルを有する円筒であり、前端(31)に隣接して周方向に延びる1つまたは複数のアーム(37)をさらに含む。
【0005】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明について例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】現在の磁石キャリアアセンブリおよび軸の分解斜視図である。
図2】組み立てられた図1の磁石キャリアアセンブリの横断面図である。
図3A】例示的な実施形態による磁石キャリアアセンブリの正面斜視図である。
図3B】例示的な実施形態による磁石キャリアアセンブリの後面斜視図である。
図4図3Aおよび図3Bに示す磁石キャリアアセンブリの分解斜視図である。
図5A図4に示す磁石キャリアアセンブリのハウジングの例示的な実施形態の正面斜視図である。
図5B図5Aに示すハウジングの後面斜視図である。
図6】磁石キャリアアセンブリのロッキングカラーの例示的な実施形態の正面斜視図である。
図7】磁石キャリアアセンブリと共に使用する軸の例示的な実施形態の正面斜視図である。
図8】例示的な実施形態による、図4に示す磁石キャリアアセンブリと図7に示す軸とを組み立てる方法を示す図である。
図9】例示的な実施形態による、軸に取り付けられた磁石キャリアアセンブリの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、現在の磁石キャリアアセンブリ100および軸105の分解斜視図である。現在の設計は、留め具を使用して磁石103を弁軸105に取り付ける。これらの留め具の設計は、必要な機能をもたらすために追加の部品および追加の製造を必要とする。図1に示す例では、既存の磁石キャリアアセンブリ100は、ボルト101、磁石102、ソケット103、ハウジング104、および特別に修正された弁軸105を含む。ボルト101は、規定の定格荷重を必要とする非鉄ボルトである。ソケット103は、ハウジング104をボルト101に取り付けるための六角ソケットである。弁軸105は、ねじ切開口部106を含む。開口部106は、ボルト101を受けて固定するように機械加工されなければならない。この機械加工により、アセンブリ100に、さらなる複雑さ、製造性の問題、および関連する費用が加わる。
【0008】
図2は、組み立てられた図1の現在の磁石キャリアアセンブリの横断面図である。この設計は、磁石を弁軸に機械的に取り付けるが、複雑な製造および組立てを必要とする。
図2に示すように、最初に磁石102がハウジング104内でオーバモールドされる。ソケット103がハウジング104内に挿入される。ソケット103は、ハウジング104の内面の溝または戻り止めなどの特定の機能に係合する。ソケット103は、ハウジング104内でボルト101と軸105との間に組み付けられて、ハウジング104に係合し、ボルト101をハウジング104に連結する。ボルト101は、軸105の開口部106にねじ込まれる。ボルト101は、ボルト101のヘッドがソケット103の前面に当接するまで、軸105に挿入される。ボルト101のヘッドがソケット103の前面に当接すると、ソケット103の後面が軸105の端面に当接する。ボルト101が完全に挿入されると、ソケット103は、磁石102およびハウジング104により、ボルト101および軸105に係合する。軸105が回転すると、磁石102は軸105の外周に沿って動く。これにより、磁石102を使用して、弁軸105の位置、およびしたがって、弁の位置を検出することができる。しかしながら、軸105の大きさが小さくなると、開口部106を機械加工する複雑さが増し、必要な特徴を有するボルト101を設ける能力が低下する。
【0009】
図3Aは、例示的な実施形態による磁石キャリアアセンブリ1の正面斜視図である。図3Bは、磁石キャリアアセンブリ1の後面斜視図である。図4は、磁石キャリアアセンブリ1の分解斜視図である。キャリアアセンブリ1は、磁石キャリアアセンブリ100(図1に示す)などと比べて、必要な空間が小さく、機械加工が複雑でなく、組立てが容易である。加えて、キャリアアセンブリ1は、一体のアセンブリ、確実なロッキング機能、特別な組立工具または分解工具を必要としない設計をもたらし、かつ空間の制限を有する適用の場合に、より小さい外囲(smaller envelope)をもたらす。
【0010】
図3A図3B、および図4に示すように、キャリアアセンブリ1は、磁石2、ハウジング4、およびロッキングカラー3を含む。以下でより詳細に論じるように、ハウジング4は磁石2を収容する。ハウジング4は複数の可撓性フィンガ5も含む。ロッキングカラー3は、第1の位置でハウジング4上に保持される。ロッキングカラー3を開位置へ動かすことにより、フィンガ5が撓んで開くことができ、磁石キャリアアセンブリ1の複数のフィンガ5により画定された開口部に軸7を挿入することができる。ロッキングカラー3はフィンガ5上に閉位置へ動いて、フィンガ5が軸7を収容して保持するようにする。ロッキングカラー3は、ロック位置へさらに動いて、フィンガ5を軸7の周りにロックすることにより、磁石キャリアアセンブリ1を軸7にロックする。
【0011】
図5Aおよび図5Bは、磁石キャリアアセンブリ1のハウジング4の正面斜視図および後面斜視図をそれぞれ示す。ハウジング4は、前部40、後部50、磁石ホルダ部41、軸ホルダ部42、および軸ホルダ部42から延びる複数のフィンガ5を含む。ハウジング4は、プラスチックまたは樹脂などの誘電材料であってよく、射出成形などの成形によって作製されてよい。例示的な実施形態では、磁石ホルダ部41および軸ホルダ部42は全体として円筒形である。しかしながら、様々な異なる磁石を収容するために、他の形状が磁石ホルダ部41および/または軸ホルダ部42に適していることがある。
例示的な実施形態では、磁石ホルダ部41および軸ホルダ部42は、中心軸20に沿って長手方向に延びるチャネルを有する円筒形である。磁石ホルダ部41は前部40に隣接し、前縁44、後縁45、内面46、および外面47を含む。磁石ホルダ部41は、前縁44の開口部48および後縁45の開口部(図示せず)を含む。キャビティ49は、前縁44と後縁45との間で内面46によって画定される。磁石2はキャビティ49内に収容される。例示的な実施形態では、磁石2がハウジング4内でオーバモールドされるが、代替実施形態では、他のプロセスにより磁石2をハウジング4に挿入してもよい。
【0012】
図5Aおよび図5Bに示すように、軸ホルダ部42は磁石ホルダ部41の後縁45から延びる。例示的な実施形態では、軸ホルダ部42の直径は磁石ホルダ部41の直径から段落ちしている。軸ホルダ部42は、前端21、後端22、内面23、および外面24を含む。軸ホルダ部は、軸ホルダ部を通って半径方向に延びる1つまたは複数の窓25を含む。磁石キャリアアセンブリ1と軸7とが組み立てられると、窓25は、軸7の適切な位置の視覚インジケータをもたらす。軸ホルダ部42は、前端21から後端22へ延びる外面24に、1つまたは複数の凹部領域26を含む。各凹部領域26は、1つまたは複数の位置合わせ突起27を含む。各凹部領域26は、ロッキングカラー3の突出ラッチ51(図6に示す)を受けて、ロッキングカラー3をハウジング4上に保持し、軸20に沿ったロッキングカラー3の長手方向への動きを可能にして、ロッキングカラー3が1つの位置から別の位置(例えば、閉鎖位置から間隙位置)へ動くことができるようにする。
溝28は、後端22に隣接する外面24に沿って凹部領域26から遠位端へ周方向に延びる。溝28は、ロッキングカラー3の回転運動を可能にして、ロッキングカラー3が1つの位置から別の位置(例えば、ロック解除位置からロック位置)へ動くことができるようにする。溝28は、凹部領域26と反対の遠位端にラッチ開口部29を含む。ラッチ開口部29は、ロッキングカラー3のラッチ51(図6参照)を受けて保持する。
【0013】
図5Aおよび図5Bに示すように、複数の可撓性フィンガ5が、軸ホルダ部42の後端22から長手方向に延びる。例示的な実施形態では、フィンガ5は、内面23と外面24との間で後端22から概ね均一な離間間隔で延び、中心軸20に沿った開口部70の周りにリングを形成する。例示的な実施形態では、5つのフィンガ5が示されるが、様々な実施形態ではフィンガ5の総計を他の数とすることが可能である。各フィンガ5は、軸ホルダ部分42に隣接する固定端71と遠位自由端72とを含む。ラッチ73は、フィンガ5の自由端72から開口部70に向かって内方へ延びる。ラッチ73は傾斜面74と停止面75とを含む。ラッチ73は軸7の保持機構77(例えば、図7および図9参照)に嵌合する。
【0014】
図6は、磁石キャリアアセンブリ1のロッキングカラー3の正面斜視図である。ロッキングカラー3は、前端31、後端32、内面33、および外面34を有する円筒形である。ロッキングカラー3は、前端31から後端32へ中心軸30に沿って長手方向に延びるチャネルを含む。ロッキングカラー3は、プラスチックまたは樹脂などの誘電材料であってよく、射出成形などの成形によって作製されてよい。ロッキングカラー3は、ロッキングカラー3を通って半径方向に延びる1つまたは複数の窓35を含む。組み立てられると、窓35は軸ホルダ部42の窓25と位置合わせされ、軸7の適切な位置の視覚インジケータをもたらす。ロッキングカラー3は、外面34から長手方向に延びる1つまたは複数の突起36を含む。例示的な実施形態では、カラー3が6つの突起36を含むが、他の実施形態はより少ないまたは多い突起36を有してよい。突起36は、ロッキングカラー3を手で回転させるための把持機能をもたらす。
【0015】
図6に示すように、ロッキングカラー3は、前端31に隣接して周方向に延びる1つまたは複数の可撓性アーム37を含む。アーム37は各々、固定端38と自由端39とを有する。ラッチ51は、自由端39からチャネルに向かって内方へ延びる。ラッチ51は傾斜面52と停止面53とを含む。ロッキングカラー3のロック位置では、ラッチ51がラッチ開口部29(図5Aに示す)内に収容されて、軸7をキャリアアセンブリ1内にロックする。図3Bによりよく示すように、ロッキングカラー3は、内面33から内方へ延びる複数の突起55を含む。例示的な実施形態では、突起55は、後端32から概ね均一な離間間隔で長手方向に延びる丸いノブである。ロッキングカラー3の突起55は、内面33上でチャネルの外周に沿って離間して、ハウジング4のフィンガ5の間隔と位置合わせされる。以下でより詳細に説明するように、ロッキングカラー3のロック位置で、突起55はフィンガ5と位置合わせされて、フィンガ5の動きを防止し、軸7を磁石キャリアアセンブリ1内でロックする。
【0016】
図7は、磁石キャリアアセンブリ1(図4に示す)と共に使用する軸7の正面斜視図である。代替実施形態として軸8が図9に示される。軸7は保持部79と接続部78とを含む。接続部78は弁(図示せず)から延びる。保持部79は磁石キャリアアセンブリ1内に保持されて、磁石キャリアアセンブリ1を軸7に機械的に係合させる。軸7はリップなどの保持機構77を含む。図7に示すように、リップ77は、保持部79と接続部78との間の段落ち面によって画定される。図7に示す実施形態では、保持部79は、接続部78の円筒よりも大きい直径を有する円筒である。組み立てられると、1つまたは複数のフィンガ5のラッチ73(図5Bに示す)が軸7の保持機構77と位置合わせされる。停止面75(図5Bに示す)がリップ77に当接して、軸7を磁石キャリアアセンブリ1内に収容する。図9の実施形態に示すように、リップ77は、保持部79と接続部78との間に形成された周方向チャネルによって画定される。
【0017】
図8は、磁石キャリアアセンブリ1と軸7とを組み立てる方法を示す。磁石キャリア1および軸7の正面図および側面図が、組立て方法の各ステップについて示される。
【0018】
ステップ200は、静止位置にある磁石キャリアアセンブリ1を示す。静止位置では、ロッキングカラー3がハウジング4に係合している。ロッキングカラー3は、後端22からフィンガ5および軸ホルダ部42上に取り付けられて、ロッキングカラー3の中心軸30がハウジング4の中心軸20に位置合わせされるようにする。ロッキングカラー3のラッチ51は、ハウジング4の凹部領域26と位置合わせされて、ロッキングカラー3をハウジング4の軸ホルダ部42上で保持できるようにする。
【0019】
ステップ201は、軸7を受けるために備えたロッキングカラー3の動きを示す。ロッキングカラー3は、軸ホルダ部42の後端22から前端21へ方向Aに開位置まで長手方向に動き、または後退する。ステップ201に示すように、これにより、ロッキングカラー3がフィンガ5の外方への偏向のための間隙または余裕を与える間隙位置にあるため、フィンガ5は外方へ撓むことができる。
【0020】
ステップ202は、フィンガ5間の開口部70への軸7の位置決めおよび挿入を示す。フィンガ5が外方へ偏向すると、軸7の大径の保持部79が開口部に入ることができる。
【0021】
ステップ203は、磁石キャリアアセンブリ1に完全に挿入された軸7を示す。フィンガ5の停止面75が軸7の保持機構77の後方に位置決めされる。
【0022】
ステップ204では、ロッキングカラー3が、前端21から後端22へ方向Bに閉位置まで長手方向に戻る。閉位置では、ロッキングカラー3がフィンガの外方への撓みを防止して、磁石キャリアアセンブリ1を軸7に対して保持する。ステップ202、203、204に示すように、ロッキングカラー3の突起55が、ハウジング4のフィンガ5からずれる。この位置で、突起55は、フィンガ5間の空間内に延びる。
【0023】
ステップ205に示すように、ロッキングカラー3をロック位置に回転させて、ロッキングカラー3がハウジング4にロックされるようにする。ロック位置では、突起55がフィンガ5と位置合わせされて、フィンガ5の外方への動きを防止し、これにより、軸7を磁石キャリアアセンブリ1内にロックする。フィンガ5の停止面75が軸7の保持機構77の後方に位置決めされることにより、フィンガ5が軸7にロックされ、軸7が磁石キャリアアセンブリ1内にロックされる。ロック位置では、ハウジング4のラッチ開口部29内にロックされたロッキングカラー3のラッチ51により、ロッキングカラー3がハウジング4にロックされる。ラッチ51がラッチ開口部29に係合すると、触覚クリックまたは可聴クリックを与えて、適切なロッキングを確保することができる。ロック位置では、軸保持機構77にロックされたフィンガ5のラッチ73によって、フィンガ5が軸7にロックされる。ロック位置では、ハウジング4の窓25がロッキングカラー3の窓35と位置合わせされて、軸7が完全に装填されたことの目視確認を与える。
【0024】
図9は、例示的な実施形態により形成された、軸8に取り付けられた磁石キャリアアセンブリ1の横断面図である。ハウジング4およびロッキングカラー3が軸8に取り付けられる。磁石2がハウジング4内に収容される。軸8は保持部79と接続部78とを含む。チャネル80は保持部79と接続部78との間に位置する。チャネル80は、保持部79の後端に保持機構77を画定する。ハウジング4のフィンガ5は、保持機構77で軸8にロックされる。前述したように、フィンガ5は、ロッキングカラー3によりその位置にロックされる。
【0025】
磁石キャリアアセンブリ1は、現在の設計を超える多くの利点をもたらす。磁石キャリアアセンブリ1の設計は、取付中に小さい挿入力を必要とするだけであり、装填およびロッキング後に大きい保持力をもたらす。ロッキングばね機能、および視覚的、触覚的に示されることにより、軸への磁石キャリアアセンブリ1の適切な配置が確認される。
【0026】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、前記実施形態(および/またはその態様)を互いに組み合わせて使用してもよい。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるように多くの修正を行ってもよい。本明細書に記載された寸法、材料の種類、様々な部品の向き、および様々な部品の数および位置は、ある実施形態のパラメータを定義するものであり、決して限定するものではなく、例示的な実施形態に過ぎない。特許請求の範囲の精神および範囲内の多くの他の実施形態および修正が、上記説明を検討することにより当業者に明らかになろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9