(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口は、前記ハウジングの円錐状部分の狭端部に配置されており、前記色センサは、前記ハウジングの前記円錐状部分の広端部に配置されており、前記1つ以上の発光部は、環境光から前記色センサを実質的に遮蔽するように、前記ハウジングの前記円錐状部分において前記色センサと前記開口との間に配置されている、請求項1に記載のセンサ装置。
前記開口は、前記ハウジングの円錐状部分の狭端部に配置され、前記色センサは、前記ハウジングの前記円錐状部分の広端部に配置され、前記1つ以上の発光部は、環境光から前記色センサを実質的に遮蔽するように、前記ハウジングの前記円錐状部分において前記色センサと前記開口との間に配置される、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に
図1A〜
図1Cに移ると、実質的に任意の種類の既製の化学試験片からの結果を自動的かつ正確に測定、解釈、補間、及び/又は定量化するための多用途で拡張性のある技術的解決策を提供することができるセンサ装置10が示されている。センサ装置10は、任意の幾何学的形状で又は任意の材料で形成されてよいハウジング12aを含む。例えば、ハウジング12aは、後述される円錐状部分を含んでもよいし、かつ/又は、金属材料、合金材料、ポリマー材料、セラミック材料等で形成されてもよい。発光部14(14a及び14b)が、ハウジング12a内に配置され、ハウジング12aから分離可能である構造(図示せず)に面する。構造は、化合物(例えば、被分析物、標的、反応物質等)を有する流体と接触したときに、化合物の濃度に基づいて色を変化させて発現する色合い(例えば、検知される色合い)を形成するように意図されている1つ以上の色領域を形成するように化学コーティングされている、紙ベースの試験片等の試験構造を含み得る。構造はまた、流体と接触して色を変化させるようには意図されておらず、発現した色合いに基づいて化学パラメータ(例えば、pH等)の値を決定するために、発現した色合いと比較されるように意図されている基準色合いを含む1つ以上の色領域を含む、印刷された色基準(例えば、色合いチャート)等の基準構造を含み得る。
【0008】
一例において、発光部14は、ハウジング12aの開口16(例えば、正方形形状、円形形状等を含む任意の形状を有する)を通る白色光を発して、構造の色領域を照射する。加えて、色センサ18が、ハウジング12a内に配置され、色領域の色合い(色合い(例えば、発現した色合い、基準色合い等)の色強度(例えば、色の濃さ)等)を測定するために開口16に面する。例えば、色合いは、発光部14からの光が、開口16を通って戻るように色領域で反射され色センサ18に達したときに測定され得る。以下で詳細に説明されるように、色センサ18は、反射光を初期デジタル色空間に変換し、後に、初期デジタル色空間が、色合い、化学パラメータの定性的な値、化学パラメータの定量的な値等を決定するために使用され得る。したがって、色合いを測定することは、光を捕捉すること、光を初期デジタル色空間に変換すること、及び/又は、色を決定することを含み得る。
【0009】
レンズ20が、ハウジング12a内に、発光部14と色センサ18との間に配置され、色センサ18の視野を開口16の視野に実質的に制限することができる。加えて、ハウジング12aは、ロジックモジュール22(例えば、プリント回路基板(PCB))を含む。以下で詳細に説明されるように、ロジックモジュール22は、結果を解釈、補間、及び/又は定量化するためのロジックを含み得る。例えば、ロジックモジュール22は、コマンドモジュール、タイマーモジュール、境界画定(demarcation)モジュール、基準生成モジュール、正規化モジュール、基準取得モジュール、色空間変換モジュール、照合モジュール、及び/又は値記憶モジュールを含み得る。
【0010】
図示される例において、ロジックモジュール22は、ハウジング12aの外部のコンピューティングプラットフォームにデータを無線で転送するための通信モジュール26と結合する通信インタフェース24を含む。コンピューティングプラットフォームは、例えば、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンバーチブルタブレット、携帯情報端末(PDA)、モバイルインターネットデバイス(MID)、メディアプレーヤ、スマートフォン、スマートテレビジョン(TV)、ラジオ等、又はこれらの任意の組合せを含み得る。図示される例において、コンピューティングプラットフォームは、モバイルコンピューティングプラットフォーム30a(例えば、スマートフォン)を含み、無線技術は、Bluetooth(登録商標)(例えば、電気電子技術者協会/IEEE802.15.1−2005、無線パーソナルエリアネットワーク)を含む。
【0011】
ロジックモジュール22は、例えば、色合い(例えば、黒色、白色、他の色)を解釈したり、(必要な場合には)色合いを補間したり、値(例えば、定量的、定性的)を定量化したり、結果を表示したり、結果を記憶したりするために、通信モジュール26を介して、初期デジタル色空間を、コンピューティングプラットフォームにおけるアプリケーションに転送することができる。ロジックモジュール22は、例えば、色合いを解釈したり、(必要な場合には)色合いを補間したり、値を定量化したり、結果の表示、結果の記憶等のために、通信モジュール26を介してセンサデータをアプリケーションに送信したりすることができる。したがって、センサ装置10は、カスタマイズされ的を絞った試験片測定専用組み込みデバイスに必ずしもパッケージ化(例えば、一体化)される必要がない非集約型センサであってよく、特定の製造業者からの特定の測定デバイスとは無関係に実現され得る。
【0012】
図示される例において、開口16は、ハウジング12aの円錐状部分28の狭端部に配置されている。加えて、色センサ18は、ハウジング12aの円錐状部分28の広端部に配置されている。さらに、発光部14は、ハウジング12aの円錐状部分28において、色センサ18と開口16との間に配置されている。したがって、センサ装置10は、(例えば、円錐の幾何学的形状、コンポーネントの位置等によって)環境光から色センサ18を実質的に遮蔽する。例えば、色センサ18によって捕捉される光は、開口16を通って戻るように色領域で反射される光を実質的に含み、環境光を実質的に含まない。加えて、反射光は、フォーカスされた視野を介する環境光から色センサ18を遮蔽するのをさらに助けるための、円錐状部分28において色センサ18と発光部14との間に配置されているレンズ20(例えば、集束レンズ)を通過することができる。
【0013】
注目すべきことに、色合いは、色領域の寸法(例えば、サイズ、形状等)とは無関係に測定され得る。例えば、構造の色領域に対して開口16を押し付けることは、色領域のサイズ(例えば、周長)、色領域の形状(例えば、幾何学的形状)等とは無関係に、色センサ18に色合いを測定させることができる。したがって、センサ装置10は、何らかの特定の種類の試験片に限定されず、実質的に全ての種類の試験片について色領域/色合いを測定するために使用することができる。加えて、センサ装置10は、色領域の数、2つ以上の色領域の間の間隔、構造の寸法(例えば、周長、幾何学的形状等)、構造の製造業者等とは無関係に、複数の色合いを測定するために使用することができる。色センサ18は、例えば、装置10を構造の表面に沿わせるピックアンドプレース操作、装置10を構造の表面に沿わせるスライド操作等により、開口16が複数の色領域の各色領域上に順次に配置されたときに、複数の色合いを順次に測定することができる。このように、色領域で反射され開口16を通って色センサ18に達した反射光が、色領域の予め定められた(例えば、必要とされる)寸法、2つ以上の色領域の間の間隔、色領域の数、構造の寸法、及び/又は構造の製造業者とは無関係に、捕捉され得る。
【0014】
センサ装置10はまた、色の望ましくない変化が生じる前に、試験片における化学反応から生じる複数の発現した色合いの比較的迅速な測定を提供することができる。加えて、センサ装置10は、試験片の色領域の寸法、試験片の色領域の数、試験片の寸法、及び/又は試験片の製造業者とは無関係に、発現した色合いを測定することができる。センサ装置10はまた、印刷された色基準の色領域の寸法、印刷された色基準の色領域の数、印刷された色基準の寸法、及び/又は印刷された色基準の製造業者とは無関係に、複数の基準色合いを比較的迅速に測定して、デジタル化された基準色合いチャートを生成することができる。
【0015】
図2は、センサ装置10をモバイルコンピューティングプラットフォーム30b(例えば、スマートフォン)等のコンピューティングプラットフォームと一体化できることを示している。図示される例において、センサ装置10は、モバイルコンピューティングプラットフォーム30bと共有されるハウジング12bを含む。開口16が、円錐状部分28の狭端部に配置され、色センサ18が、円錐状部分28の広端部に配置され、発光部14a、14bが、円錐状部分28において色センサ18と開口16との間にかつ色センサ18の両側に配置されている。図示される例において、色センサ18は、(例えば、円錐の幾何学的形状、コンポーネントの位置等によって)環境光から遮蔽される。
【0016】
スリット32が、開口16に隣接して配置され、スリット32を通る構造のスワイプ(swipe)を受け入れるように円錐状部分28に結合されている。スリット32は、色センサ18の視野や、発光部14a、14bによって発せられる光の方向等に対して垂直な任意の軸に沿った(例えば、色合いを測定するための)1つの方向への構造の挿入を受け入れるように配置され得る。例えば、ユーザは、色領域の色合いを測定するための軸(例えば、z軸)に沿った1つの方向に試験片全体又は印刷された色基準(例えば、その行、その列等)をスワイプすることができる。スリット32はまた、所定の距離までのスワイプ及び/又は挿入を受け入れるための障壁(例えば、挿入のベクトルに対して垂直な側壁)を含み得る。
【0017】
スリット32は、ハウジング12bと一体化されてもよいし、ハウジング12bから機械的に分離可能であってもよい。例えば、スリット32は、ハウジング12bにモールド成形されてもよいし、ハウジング12bに別のやり方で固定(例えば、はんだ付け、接着、ボルト留め等)されてもよい。スリット32はまた、磁石、クリップ等といった固定具によってハウジング12bに取り付けられてもよい。同様に、スリット32は、上述したハウジング12a(
図1A〜
図1C)と一体化されてもよいし、ハウジング12a(
図1A〜
図1C)から機械的に分離可能であってもよい。加えて、円錐状部分28は、ハウジング12a、12bと一体化(例えば、モールド成形、固定等)されてもよいし、(例えば、固定具によって)ハウジング12a、12bから機械的に分離可能であってもよい。さらに、円錐状部分28は、スリット32から機械的に分離可能であってよく、この場合、円錐状部分28は、必要に応じて、スリット32に結合され、スリット32から取り外され得る。したがって、センサ装置10(及び/又はそのコンポーネント)は、任意のコンピューティングプラットフォームから機械的に分離可能であってよい。1つの特定の例において、センサ装置10は、電話ジャック通信インタフェース、バス通信インタフェース(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、PCBインタフェース等)等によってモバイルコンピューティングデバイスから機械的に分離可能である。
【0018】
スリット32を通るように構造をスワイプすることは、開口16の前方に色領域を位置させることができ、色領域のサイズ(例えば、周長)、色領域の形状(例えば、幾何学的形状)等とは無関係に、色センサ18に色合いを測定させることができる。この点において、色領域は、必ずしも開口16と接触する必要はないが、スリット32は、接触を容易にするように選択及び/又は調整されてもよい。したがって、センサ装置10は、何らかの特定の種類の試験片に限定されず、実質的に全ての種類の試験片について、色領域を測定するために使用することができる。さらに、センサ装置10は、色領域の数、2つ以上の色領域の間の間隔、構造の寸法(例えば、周長、幾何学的形状等)、及び/又は構造の製造業者とは無関係に、複数の色合いを測定することができる。加えて、試薬又は溶液の活性化は、必ずしも必要とされず、センサ装置10は、特別なトレーニングを必要とすることなく、比較的安価な、出先及びポイントオブユースでの流体試験を提供することができる。
【0019】
次に
図3に移ると、一実施形態に従った、色センサからの出力34が示されている。色センサは、上述したセンサ装置10(
図1A〜
図1C、
図2、
図3)に収容され得る。色センサは、環境光からの遮蔽のために円錐状部分に収容され得る、赤−青−緑(RGB)色トランスデューサ等の色トランスデューサを含み得る。加えて、円錐状部分の内部に取り付けられた1対の発光部(例えば、白色LED)を使用して、各色領域について色合いを測定するために試験片及び/又は色合いチャートの表面を照射することができる。円錐状部分の狭端部における開口は、試験片及び/又は色チャートの表面で反射された光が円錐状部分に入ることを可能にし得る。反射光は、RGB色トランスデューサの視野を開口の視野に制限するために使用されるレンズを通過することができる。次いで、反射光は、RGB色トランスデューサに当たり、RGB色トランスデューサは、反射光を、アナログ−デジタル(A/D)変換器によってデジタル化される別々のRGB成分に変換する。このようにして、色センサは、強度(例えば、色)の変化を検出し、この変化をデジタルRGB色空間にマッピングすることができる。後述されるように、デジタルRGB色空間は、色合いに基づいて化学パラメータの定量的な値及び/又は定性的な値を決定するために、後で使用され得る。
【0020】
図示される例において、色センサは、複数の色合いに遭遇するかつ/あるいは複数の色合いを測定するときに、時間に関して変化する電圧レベルを提供することができる。例えば、試験片及び/又は色合いチャートの白色背景は、相対的に大量の光をセンサ装置に戻るように反射させ、色センサからの相対的に高い電圧レベルをもたらし得る。例えば、この反射光を使用して、例えば、スリット内に構造が存在することを検出したり、センサ装置が構造に対して押し付けられていることを検出したりすることができる。あるいは、黒色背景は、相対的に少量の光をセンサ装置に戻るように反射させ、色センサからの相対的に低い電圧レベルをもたらし得る。例えば、この反射光を使用して、スリット内に構造が存在しないことを検出することができる。
【0021】
したがって、時間T0〜T1の間の電圧レベル及び時間T12における電圧レベルを使用して、色合いに遭遇していないかつ/あるいは色合いを測定していないこと(例えば、試験片がスリットに挿入されていない等と解釈されること)を示すことができる。同様に、時間T1〜T2の間の電圧レベル、時間T3〜T4の間の電圧レベル、時間T5〜T6の間の電圧レベル、時間T7〜T8の間の電圧レベル、時間T9〜T10の間の電圧レベル、及び時間T11〜T12の間の電圧レベルも、色領域に遭遇していないかつ/あるいは色領域を測定していないこと(例えば、色領域の間の白色間隔と解釈されること)を示すことができる。このように、構造が色センサの視野を横切って移動するときに、色センサに当たる光の強度の変化を用いて、試験片及び/又は基準色チャート上の異なる色領域の間のギャップ(又は、間隔)を識別し、いつ測定を開始するか又はいつ測定を終了するかを伝えることができる。加えて、時間T2〜T3の間の電圧レベル、時間T4〜T5の間の電圧レベル、時間T6〜T7の間の電圧レベル、時間T8〜T9の間の電圧レベル、及び時間T10〜T11の間の電圧レベルを使用して、それぞれ、第1の色合い、第2の色合い、第3の色合い、第4の色合い、及び第5の色合いに遭遇しているかつ/あるいは第1の色合い、第2の色合い、第3の色合い、第4の色合い、及び第5の色合いを測定していることを示すことができる。
【0022】
電圧レベルを使用して、発現した色合い(例えば、検知された色合い)に基づいて化学パラメータの定性的な値を決定することもできる。例えば、ユーザは、流体中に被分析物が存在しないこと(例えば、飲料水中にヒ素が存在しないこと)を確認したいと望むことがあるが、微量レベルは許容可能なことがある。ヒ素パラメータについての色合いの変化に応じた電圧レベルの変化(例えば、閾値からの、最小値(例えば0)からの、最大値(例えば1)からの、等)は、ユーザに定性的な値を提供することができる(例えば、ヒ素=ΔV=イエス、存在する、等)。別の例において、ユーザは、飲料水中の所定のヒ素レベルが許容可能であると知ることができ、ヒ素パラメータについての色合いの変化に応じた電圧レベルの大きさが、ヒ素パラメータについての定量的な値にマッピングされ得る(例えば、ヒ素=.5V=10ppb)。化学パラメータ値は、相互に排他的なものではなく、例えば、一緒に表現されることもあるし、ハイブリッド値(hybrid value)として表現されることもある(例えば、ヒ素=安全)。
【0023】
図4は、結果をユーザに表示することができる、コンピューティングプラットフォーム上のアプリケーション36を示している。アプリケーション36は、設定可能なオプションをユーザに提供することができる。例えば、ユーザは、表示する化学パラメータ、表示する定量的な値、表示する定性的な値、各値についてのオプション(例えば、単位、相対インジケータ等)等を設定することができる。図示される例において、アプリケーション36は、一式のパラメータ38(38a〜38d)とともに、対応する一式の定量的な値40(40a〜40d)及び対応する一式の定性的な値42(42a〜42d)を表示する。
【0024】
例えば、アプリケーション36は、化学パラメータ38a(水の硬度)とともに、被分析物(例えば、ミネラル)の濃度についての425.0mg/Lという対応する定量的な値40a、及び、化学パラメータが安全範囲外の値を有することを示す、インジケータにおける「赤色」という対応する定性的な値42aを表示する。アプリケーション36はまた、例えば、化学パラメータ38d(pH)とともに、被分析物(例えば、水素イオン、水酸化物イオン)の濃度についての8という対応する定量的な値40d、及び、化学パラメータが安全範囲内の値を有することを示す、インジケータにおける「緑色」という対応する定性的な値42dを表示する。アプリケーション36によって表示される結果は、上述されたように、センサ装置10(
図1A〜
図1C、
図2、
図3)を使用し、上述した電圧レベルを使用して、かつ/又は、以下で詳細に説明される、試験片及び印刷された色合いチャートのデジタル表現を使用して、生成され得る。
【0025】
次に
図5に移ると、色領域46(46a〜46d)において化学コーティングされている、既製の試験片44等の試験構造が示されている。色領域46の各々は、化合物(例えば、被分析物、標的、反応物質等)を有する流体と接触したときに、化合物の濃度に基づいて色を変化させて発現する色合い(例えば、検知される色合い)を形成するように意図されている。図示される例において、試験片44は、水に沈められて取り出されており、色領域46aは、化学パラメータ(pH)について、水素又は水酸化物の濃度に基づいて色を変化させ、発現した色合いDS1を形成している。加えて、色領域46bは、化学パラメータ(アルカリ度)について、炭酸塩及び/又は重炭酸塩の濃度に基づいて色を変化させ、発現した色合いDS2を形成している。さらに、色領域46cは、化学パラメータ(総塩素)について、塩素の濃度に基づいて色を変化させ、発現した色合いDS3を形成している。加えて、色領域46dは、化学パラメータ(水の硬度)について、ミネラル(例えば、カルシウム、マグネシウム)の濃度に基づいて色を変化させ、発現した色合いDS4を形成している。
【0026】
発現した色合いは、上述したセンサ装置10(
図1A〜
図1C、
図2、
図3)によって測定され得るが、実質的に任意の流体についての実質的に任意の化学パラメータが、実質的に任意の試験片を使用して評価され得る。例えば、評価は、摂取可能な流体(例えば、牛乳、油、薬剤等)、産業流体(例えば、廃水、例えば、半導体製造、自動車部品製造等において使用される化学処理流体等)、ガソリン類、洗浄流体(例えば、洗剤)、生物学的流体(例えば、尿サンプル、血液サンプル、唾液サンプル等)等について実現され得る。したがって、水中の化合物(例えば、硝酸塩、塩素、pH、炭酸塩等)を測定することは、水が安全であるかどうかを判断するのに役立つことができ、尿中の化合物(例えば、尿素、窒素、たんぱく質、グルコース、ケトン、ビリルビン)を測定することは、予防及び/又は治療のために健康状態を判断するのに役立つことができ、土壌ろ過液中の化合物(例えば、窒素、リン、カリウム)又は他の条件(例えば、pH、アルカリ度、硝酸塩)を測定することは、作物又は家畜の最適な生産のために肥料散布レベル又は他の農業に関する考慮事項を推進させることができる。加えて、水質試験が提供され得る(例えば、クラウドソーシングを使用して、世界中の様々な場所の水質マップを作成する、品質格付けを水のサプライヤ/レストランに割り当てる、等)。
【0027】
印刷された色基準48(例えば、色合いチャート)等の基準構造は、流体と接触して色を変化させるようには意図されておらず、各発現した色合いに基づいて化学パラメータの値を決定するために色領域46a〜46dの発現した色合いと比較されるように意図されている基準色合いを含む色領域50(50a〜50d)を含む。例えば、色領域50aは、定量的な値(数値によるpH値)にマッピングされた、化学パラメータ(pH)についての複数の基準色合いRS1〜RS8を含む。加えて、色領域50bは、定量的な値(数値によるアルカリ度値)にマッピングされた、化学パラメータ(アルカリ度)についての複数の基準色合いRS1〜RS7を含む。さらに、色領域50cは、定量的な値(数値による塩素値)にマッピングされた、化学パラメータ(総塩素)についての複数の基準色合いRS1〜RS5を含む。加えて、色領域50dは、定量的な値(数値による硬度値)及び定性的な値(例えば、軟、硬、超硬という相対値)にマッピングされた、化学パラメータ(水の硬度)についての複数の基準色合いRS1〜RS6を含む。試験片44が、測定され、印刷された色基準48のデジタル表現と比較されて、色領域46の色合いに基づいて化学パラメータの定性的な値及び/又は定量的な値が決定され得る。例えば、DS1が、色センサにより測定されて、DS1についてのデジタル色空間値が生成され、この値が、50aのRS1〜RS8についてのデジタル色空間値と比較されて、流体についての定量的なpH値2.0、4.0等が決定され得る。特に、例えば2.0〜4.0の間のpH値はまた、後述のように決定され得る。
【0028】
図6は、一実施形態に従った、印刷された色基準のデジタル表現を生成する方法52を示している。方法52は、例えばすでに説明しているセンサ装置10(
図1A〜
図1C、
図2、
図3)等のセンサ装置を使用して実行され得る。方法52は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能なROM(PROM)、ファームウェア、フラッシュメモリ等といったマシン読み取り可能な記憶媒体若しくはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたロジック命令のセット、例えばプログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)等の設定可能なロジック、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)、若しくはトランジスタ−トランジスタロジック(TTL)技術等の回路技術を用いた固定機能ハードウェアロジック、又は、これらの任意の組合せにおける1つ以上のモジュールとして実装され得る。
【0029】
図示される処理ブロック54は、例えば、上述した印刷された色基準48(
図5)に関連付けられる識別データを設定することを提供する。例えば、新たなデジタル化される基準色合いチャートの名前、ラベル、及び/又はカテゴリを含む識別データを入力するために、スマートフォンアプリケーションが起動され得る。加えて、処理ブロック54は、例えば、上述した試験片44(
図5)に関連付けられる識別データを設定することを提供する。例えば、試験片の製造業者、試験片のカタログ番号、試験片のシリアル番号、試験片の名前等の、試験片の詳細を含む識別データを入力するために、スマートフォンアプリケーションが起動され得る。識別データは、例えば、自動的に入力されてもよいし、プロンプトに応じてメニューを介してユーザによって入力されてもよい。
【0030】
処理ブロック56は、試験片によって測定される化学パラメータの数を入力することを提供する。例えば、上述した試験片44(
図5)について、数は4(N=4)である。処理ブロック58は、各化学パラメータの名前(例えば、pH、アルカリ度、塩素、硬度)、及び、各化学パラメータについての(例えば、i=1〜Nについての)基準色合いの数(例えば、pHについてはM=8)を入力することを提供する。処理ブロック60は、各基準色合いについての(例えば、j=1〜Mについての)各化学パラメータの定量的な値(例えば、pHについては2.0、4.0、5.0、6.5、8.5、9.5、10.5、12.0)を入力することを提供する。処理ブロック60はまた、各基準色合いのついての各化学パラメータの定性的な値(例えば、酸性、中性、アルカリ性)を入力することを提供する。
【0031】
処理ブロック62は、初期デジタル色空間(例えば、RGB値/成分)を決定するために各パラメータ(例えば、i番目のパラメータ)について各色領域の各基準色合い(例えば、j番目の色合い)を測定することを提供する。この点において、センサ装置が、構造(例えば、印刷された色基準)の複数の色領域の各色領域上に順次にピックアンドプレースされたときや、センサ装置が、複数の色領域を含む構造の表面を横切るようにスワイプされた(例えば、スライドされた)ときや、複数の色領域を含む構造が、色センサに結合されたスリットを通るようにスワイプされた(例えば、スライドされた、挿入された等)とき等に、複数の色合いが順次に測定され得る。測定は、色領域の寸法、2つ以上の色領域の間の間隔、色領域の数、構造の寸法、及び/又は構造の製造業者とは無関係に、達成され得る。加えて、測定は、比較的迅速であり得る。
【0032】
例えば、センサ装置は、コンピューティングプラットフォーム(例えば、スマートフォン、タブレット等)に存在する上述したアプリケーション36(
図4)と連動する無線アクセサリデバイスであってよい。ユーザは、(例えば、印刷された色基準の)各色領域上にセンサ装置を順次に配置し、センサ装置上のボタンをクリックすることができる。例えば、ユーザは、(例えば、どのパラメータが検知されているのかをアプリケーションが認識できるように)試験片上の各色領域上に予め定められた順番で色センサを配置し、色センサ又はアプリケーション上のボタンをクリックすることによって、発現した色合いを測定することができる。各クリックにより、色センサは、色合い(例えば、基準色合い)を測定する。このようにして、スイッチを調整するユーザコマンドが検出されて、色領域の色合いが測定され得る。
【0033】
別の例において、色トランスデューサ(例えば、色センサ)、発光部(例えば、LED)、及びハウジング(例えば、円錐状部分)が、印刷された色基準を受け入れるためのスリットを片側に有するコンピューティングプラットフォーム(例えば、スマートフォン)と一体化されてもよい。印刷された色基準が、スリットを通るように色センサの前方(例えば、ハウジングの開口の前方)をスワイプされたとき、色センサは、反射光の強度及び/又は色の変化によって、印刷された色基準の存在を検出する。加えて、スワイプは、(例えば、どのパラメータが検知されているのかをアプリケーションが認識できるように)予め定められた方向におけるものであり得る。さらに、タイマーの満了(例えば、センサをピックアンドプレースするための時間、スリットを通るように色合いチャートをスワイプするための時間、ある色領域が隣接する色領域で置き換えられるために要する時間等に基づいて設定されたタイマーの満了)が検出されて、色領域の色合いが測定され得る。加えて、境界画定間隔が検出されて(例えば、測定の休止、測定の準備等のために色領域の間の白色間隔の存在が判別されて)、色領域の色合いが測定され得る。
【0034】
処理ブロック64は、初期デジタル色空間値(例えば、RGB値/座標)を記憶することを提供する。例えば、RGB値は、例えば、センサ装置のメモリにローカルに記憶されてもよいし、モバイルコンピューティングプラットフォームにリモートに記憶されてもよい。この方法は、必要に応じて、例えば処理ブロック50、処理ブロック60等に反復的にループバックすることができる。記憶されたRGB値が、さらなる処理のために取得され得る。加えて、色センサは、RGB値を記憶することなく、さらなる処理のためにRGB値を提供することができる。処理ブロック66は、初期デジタル色空間の一式の値を正規化し、正規化された一式の値を記憶することを提供する。一例において、一式のRGB値が、2次元行列として、正規化され記憶され得る。例えば、初期デジタル色空間の一式の値(例えば、RGB値)が、定性的な値及び/又は定量的な値(例えば、[R(i)(j),G(i)(j),B(i)(j)]を記憶するために、第1の次元における一式の色空間値(例えば、RGB)及び第2の次元における一式の化学パラメータ−基準色合い(例えば、(i)(j))を含む2次元行列に記憶され得る。
【0035】
したがって、2次元行列は、例えば、試験片の製造業者によって、ポイントオブユースでリアルタイムに試験片のユーザによって、生成され得る。加えて、2次元行列は、同じ試験片の後のユーザによって、デジタル化された基準色合いチャートとして記憶され使用され得る。デジタル化された基準色合いチャートは、例えば、クラウドコンピューティング環境に存在してもよいし、例えばユーザが試験片を購入したときに、試験片の製造業者のウェブサイトからコンピューティングデバイスにダウンロードされてもよい。例えば、デジタル化された基準色合いチャートをダウンロードするために、クイックレスポンス(QR)コード(登録商標)がスキャンされてもよいし、かつ/あるいは、ハイパーテキストプロトコルリンク(例えば、HTTPリンク)が選択されてもよい。さらに、RGB値が、異なる色空間にリアルタイムに変換されてもよいし、かつ/あるいは、最終デジタル色空間の値が、同じ試験片の後のユーザによってアクセス可能なデジタル化された基準色合いチャートとして記憶されてもよい。
【0036】
次に
図7に移ると、一実施形態に従った、試験構造(例えば、試験片)によって発現した色を検知し、発現した色をデジタル化された基準色合いチャートと照合する方法70が示されている。方法70は、例えばすでに説明しているセンサ装置10(
図1A〜
図1C、
図2、
図3)等のセンサ装置を使用して実行され得る。方法70は、RAM、ROM、PROM、ファームウェア、フラッシュメモリ等といったマシン読み取り可能な記憶媒体若しくはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたロジック命令のセット、例えばPLA、FPGA、CPLD等の設定可能なロジック、例えばASIC、CMOS、若しくはTTL技術等の回路技術を用いた固定機能ハードウェアロジック、又は、これらの任意の組合せにおける1つ以上のモジュールとして実装され得る。
【0037】
図示される処理ブロック72は、試験片の名前等の試験片の詳細を選択することを提供する。試験片の詳細は、例えば、自動的に入力されてもよいし、プロンプトに応じてメニューを介してユーザによって入力されてもよい。例えば、試験片は、上述したアプリケーション36(
図4)を使用して、試験片のカテゴリ(例えば、摂取可能な流体)から試験片の名前を特定するカスケーディングドロップダウンメニューから選択され得る。試験片はまた、例えばQRコード(登録商標)又は予め定められた設定(例えば、1日のうちの時間、ユーザの位置等に基づく)を使用して自動的に特定され得る。処理ブロック74は、試験片の基準色合いチャートを読み出すかつ/又は取得することを提供する。例えば、上述した方法52(
図6)の1つ以上の処理ブロックが、試験片の特定に応じて実行され得る。
【0038】
処理ブロック76は、記憶され得る初期デジタル色空間値及び/又は最終色空間値等の色空間値を特定することを提供する。一例において、ユーザは、発現した色合いの全て又は一部を選択することができ、特定される初期デジタル色空間値(例えば、RGB値/座標)は、この選択に基づいて限定され得る。別の例において、ユーザが試験片によって検知される化学パラメータの全てに関心があるかどうかにかかわらず、デジタル化された色チャートの全ての記憶されている色空間値が、自動的に特定され得る。処理ブロック78は、デジタル化された基準色合いチャートについての初期デジタル色空間(例えば、一式のRGB値を含むRGB色空間)を、後述される中間デジタル色空間(例えば、一式のXYZ値を含む国際照明委員会(CIE) XYZ色空間)に変換することを提供する。処理ブロック80は、デジタル化された基準色合いチャートについての中間デジタル色空間(例えば、一式のCIE XYZ値を含むCIE色空間)を、後述される最終デジタル色空間(例えば、一式のL、a、b値を含むLab色空間)に変換することを提供する。
【0039】
処理ブロック82は、発現した色合いを測定することを提供する。例えば、各パラメータについての各色領域の各発現した色合いが測定されて、初期デジタル色空間が決定され得る(例えば、RGB値/成分が検知され得る)。この点において、センサ装置が、構造(例えば、試験片)の複数の色領域の各色領域上に順次にピックアンドプレースされたときや、センサ装置が、複数の色領域を含む構造の表面を横切るようにスワイプされた(例えば、スライドされた)ときや、複数の色領域を含む構造が、色センサに結合されたスリットを通るようにスワイプされた(例えば、スライドされた、挿入された等)とき等に、複数の色合いが順次に測定され得る。測定は、色領域の寸法、2つ以上の色領域の間の間隔、色領域の数、構造の寸法、及び/又は構造の製造業者とは無関係に、達成され得る。加えて、測定は、発現した色合いが色を変化させる前等、比較的迅速であり得る。
【0040】
例えば、センサ装置は、コンピューティングプラットフォーム(例えば、スマートフォン、タブレット等)に存在する上述したアプリケーション36(
図4)と連動する無線アクセサリデバイスであってよい。ユーザは、試験対象の溶液に試験片を浸し、試験片を取り出し、試験対象の溶液に基づいて色領域が発現する色合いを生成することを可能にする(例えば、試験対象の溶液についての製造業者のプロトコルに基づいて予め定められた時間だけ待機する)ことができる。例えば、試験片上の化学コーティングされた領域(各領域は化学パラメータに対応する)は、検知される化学パラメータの濃度/大きさに比例した色合いを発現させることができる。ユーザは、(例えば、試験片の)各色領域上にセンサ装置を順次に配置し、センサ装置上のボタンをクリックすることができる。例えば、ユーザは、(例えば、どのパラメータが検知されているのかをアプリケーションが認識できるように)試験片上の各色領域上に予め定められた順番で色センサを配置し、色センサ又はアプリケーション上のボタンをクリックすることによって、発現した色合いを測定することができる。各クリックにより、色センサは、色合い(例えば、発現した色合い)を測定する。このようにして、スイッチを調整するユーザコマンドが検出されて、色領域の色合いが測定され得る。
【0041】
別の例において、色トランスデューサ(例えば、色センサ)、発光部(例えば、LED)、及びハウジング(例えば、円錐状部分)が、試験片を受け入れるためのスリットを片側に有するコンピューティングプラットフォーム(例えば、スマートフォン)と一体化されてもよい。試験片が、スリットを通るように色センサの前方をスワイプされたとき、色センサは、反射光の強度及び/又は色の変化によって、試験片の存在を検出する。加えて、スワイプは、(例えば、どのパラメータが検知されているのかをアプリケーションが認識できるように)予め定められた方向におけるものであり得る。さらに、タイマーの満了(例えば、センサをピックアンドプレースするための時間、スリットを通るように試験片をスワイプするための時間、ある色領域が隣接する色領域で置き換えられるために要する時間等に基づいて設定されたタイマーの満了)が検出されて、色領域の色合いが測定され得る。加えて、境界画定間隔が検出されて(例えば、測定の休止、測定の準備等のために色領域の間の白色間隔の存在が判別されて)、色領域の色合いが測定され得る。
【0042】
処理ブロック84は、初期デジタル色空間の一式の値を正規化することを提供する。(例えば、試験片の色領域の発現した色合いからの)一式の初期デジタル色空間値は、以下のように正規化され得る。
【0043】
センサは、Rx、Gx、Bx(例えば、センサからのRGB値)を提供する。受信された値が、0〜255に正規化される(Mr、Cr、Mg、Cg、Mb、及びCbはそれぞれ、一次方程式(y=mx+c)の傾き及びY切片である)。我々は、色センサを較正している間に、これらの値を、黒色較正基準及び白色較正基準に対して正規化する。我々は、黒色シート及び白色シートそれぞれがセンサの前方に保持されたときに、黒色を0、0、0とみなし、白色を255、255、255とみなす。
Ry=Mr*Rx+Cr
Gy=Mg*Gx+Cg
By=Mb*Bx+Cb
【0044】
処理ブロック86は、例えば試験片についての初期デジタル色空間(例えば、一式のRGB値を含むRGB色空間)を中間デジタル色空間(例えば、一式のXYZ値を含むCIE XYZ色空間)に変換することを提供する。初期デジタル色空間は、以下のように中間デジタル色空間に変換され得る。
【0045】
RGB値がCIE XYZ値に変換される。CIE XYZ色空間への変換は、RGB色空間をLAB色空間に変換することにおける中間ステップであり得る。
var_R=(Ry/255)
var_G=(Gy/255)
var_B=(By/255)
if(var_R>0.04045)var_R=((var_R+0.055)/1.055)^2.4
else var_R=var_R/12.92
if(var_G>0.04045)var_G=((var_G+0.055)/1.055)^2.4
else var_G=var_G/12.92
if(var_B>0.04045)var_B=((var_B+0.055)/1.055)^2.4
else var_B=var_B/12.92
var_R=var_R*100
var_G=var_G*100
var_B=var_B*100
X=var_R*0.4124+var_G*0.3576+var_B*0.1805
Y=var_R*0.2126+var_G*0.7152+var_B*0.0722
Z=var_R*0.0193+var_G*0.1192+var_B*0.9505
【0046】
処理ブロック88は、例えば試験片についての中間デジタル色空間(例えば、一式のCIE XYZ値を含むCIE XYZ色空間)を最終デジタル色空間(例えば、一式のL、a、b値を含むLab色空間)に変換することを提供する。そのような変換は、ユーザの視覚をより厳密に模擬することができる、かつ/又は、視覚的比較に対してより信頼できる結果を提供することができる。
【0047】
XYZ色空間がLab空間(国際照明委員会/CIE 1994)に変換される。
var_X=X/ref_X //ref_X=95.047
var_Y=Y/ref_Y //ref_Y=100.000
var_Z=Z/ref_Z //ref_Z=108.883
if(var_X>0.008856) var_X=var_X^(1/3)
else var_X=(7.787*var_X)+(16/116)
if(var_Y>0.008856) var_Y=var_Y^(1/3)
else var_Y=(7.787*var_Y)+(16/116)
if(var_Z>0.008856) var_Z=var_Z^(1/3)
else var_Z=(7.787*var_Z)+(16/116)
L=(116*var_Y)−16
A=500*(var_X−var_Y)
B=200*(var_Y−var_Z)
【0048】
色解釈及び/又は比較の信頼性を相対的に向上させるために、処理ブロック90は、発現した色合いについての最終デジタル色空間の一式の値を、基準色合いについての最終デジタル色空間の一式の値と比較することを提供する。例えば、発現した色合いの一式のL、a、b値の、基準色合いの一式の基準L、a、b値からの最小距離を示すデルタE値(delta-E value)が決定され得る。発現した色合いについての最終デジタル色空間の一式の値が、以下のように、基準色合いについての最終デジタル色空間の一式の値と比較され得る。
【0049】
デルタEが算出される。デルタEは、測定された色合いの、化学パラメータについての(デジタル)基準色チャートにおける複数の色合いからの最小距離である。
L,A,B(上記から)
L(i),A(i),B(i)(これらは基準色合いのLAB値である)
xC1=sqrt((A^2)+(B^2))
xC2=sqrt((A(i)^2)+(B(i)^2))
xDL=L(i)−L
xDC=xC2−xC1
xDE=sqrt(((L−L(i))*(L−L(i)))
+((A−A(i))*(A−A(i)))
+((B−B(i))*(B−B(i))))
if(sqrt(xDE)>(sqrt(abs(xDL))+sqrt(abs(xDC)))){
xDH=sqrt((xDE*xDE)−(xDL*xDL)−(xDC*xDC))
}
else{
xDH=0
}
xSC=1+(0.045*xC1)
xSH=1+(0.015*xC1)
xDL/=1
xDC/=1*xSC
xDH/=1*xSH
Delta E
94=sqrt(xDL^2+xDC^2+xDH^2)
【0050】
このように、色が、対応する色合いチャートと自動的に(例えば、色が測定されるたびに)比較されて、予め記憶されている基準色合いチャートにおける色合いの中から(色空間において)最も近い合致が見つけられ得る。例えば、試験片上に発現した各色が、メモリ(例えば、スマートフォンのメモリ)に記憶されているデジタル化された基準色合いチャートにおける対応する一連の色合いと照合され得る。加えて、色照合は、人間の視覚をより厳密に模擬するために、RGB色空間ではなくCIE XYZ色空間を利用することができる。その後、デルタE色照合値を算出する前に知覚の一様性をさらに向上させるために、XYZ色空間座標が、Lab(明度、a、b)座標に変換され得る。2つの色の間のデルタE値が小さいほど、色はより合致している。このように、比較的単純な電圧レベルの照合プロセス又はRGB色空間だけを色照合に使用するのではなく、試験片によって発現した色を基準色合いチャートの色合いと照合するために、色照合が、RGBよりも人間の視覚に近い色空間において達成され得る。
【0051】
合致が見つけられるかどうかの判定が、図示されるブロック92において行われる。例えば、デルタE色照合値は、発現した色合いの色が、特定の記憶されている基準色合いについての色の許容範囲内にあることを示すことができる。デルタE色照合値が特定の記憶されている基準色合いについての許容可能な色の範囲内にあるかどうかを判定するために、例えばゼロから上限境界値までの範囲が設定されチェックされ得る。合致が見つけられた場合、発現した色合いについての化学パラメータの定量的な値及び/又は定性的な値が、例えば、合致が見つけられた基準色合いに関連付けられた定性的な値及び/又は定量的な値を特定することによって決定され、処理ブロック98において記憶される。合致が見つけられなかった場合、処理ブロック94及び96は、隣接する色合いの間を補間することによって、色照合精度を高めることができる。
【0052】
詳細には、処理ブロック94は、合致が見つけられなかった場合に、発現した色合いに最も近い2つの基準色合いを示す2つの最小デルタE値を特定することを提供する。例えば、処理ブロック94は、発現した色合いに最も近い、基準色合いチャートにおける2つの基準色合いを決定するために、2つの最小デルタE値を特定する。加えて、処理ブロック94は、最も近い2つの基準色合いに関連付けられた定性的な値及び/又は定量的な値を特定することができる。一般に、製造業者によって提供される色基準(例えば、基準色合いチャート)は、発現した色との比較のために、数個の基準色合い(例えば、2〜8個の値に対応する約2〜8個の色合い)しか有していない可能性がある。この点において、化学パラメータは、2〜8個の色合いの精度で視覚的に測定され得る。しかしながら、今回の照合プロセスは、色領域の数に限定されることはなく、必要に応じて、正確な値を決定するために、例えば特定された最も近い2つの基準色合いを使用して、色合い(並びに/又は、対応する定量的な値及び定量的な値)を補間することができる。
【0053】
処理ブロック96は、最も近い2つの基準色合い(例えば、2つの隣接する基準色合い)の間に基準色合いを補間すること、及び/又は、補間された基準色合いに関連付けられるパラメータ値を補間することを提供する。補間は、任意の所望の粒度(granularity)で達成され得る。例えば、粒度は、最も近い2つの基準色合いの間の強度の分画群(fractions)(例えば、明るい緑色と暗い緑色との間の緑色の強度の分画群)、最も近い2つの基準色合いの間の定性的な値の分画群(例えば、「低」という値と「高」という値との間の「中」の分画群)、最も近い2つの基準色合いの間の定量的な値の分画群(例えば、1mg/Lという値と2mg/Lという値との間の.1mg/Lの分画群)等に基づき得る。
【0054】
例えば、最も近い2つの基準色合いの間の色合いの補間は、補間された色合いについての関連付けられるパラメータ値の補間の前に、まず達成され得る。この点において、関連付けられるパラメータ値の補間の前の発現した色合いとの比較は、合致する補間された色合いを特定でき、リソースを不必要に浪費することなく、特定の合致する補間された色合いの特定の関連付けられるパラメータ値についての算出を容易にすることができる。別の例において、発現した色合いとの比較の前に、全ての色合い及び全ての関連付けられるパラメータ値が補間されてもよい。さらに別の例において、例えば最も近い2つの基準色合いの間の色合いの補間は、次の間隔に進む前に、発現した色合いとの比較と交互に行われてもよい。したがって、試験片上に発現した色が、例えばデジタル化された基準色合いチャート上の最も近い2つの色合いの間にある場合、試験片上に発現した色(例えば、最も近い2つの色合いの間にある場合)との正確な照合を用いて、パラメータの中間値(補間された値)(例えば、数値)の決定を容易にすることができる。この方法は、必要に応じて、例えば処理ブロック82等に反復的にループバックすることができる。処理ブロック100は、定量的な結果及び/又は定性的な結果をユーザに表示することを提供する。一例において、結果は、上述したアプリケーション36(
図4)に転送され得る。
【0055】
照合プロセスは、本明細書で説明された任意の他のプロセスを含んでもよいことを理解されたい。したがって、照合プロセスは、概して、発現した色合いについての一式の値を基準色合いについての一式の値と比較することを含み得る。一例において、試験片の発現した色合いに対応する電圧レベルが、同じものについての印刷された色基準に対応する既知の被分析物量を使用して決定された対照試験片の発現した色合いに対応する電圧レベルと比較され得る、等である。別の例において、照合プロセスは、発現した色合いについてのRGB色空間等のデジタル色空間の一式の値を、基準色合いについてのRGB色空間等のデジタル色空間と比較することを含み得る。
【0056】
図8は、センサ機能(非集約型センサ)、演算機能(例えば、PDA、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンバーチブルタブレット、デスクトップコンピュータ、クラウドサーバ)、通信機能(例えば、無線スマートフォン、ラジオ)、撮像機能、メディア再生機能(例えば、スマートテレビジョン/TV)、ウェアラブルコンピュータ(例えば、ヘッドウェア、衣類、装身具、眼鏡類等)、又はこれらの任意の組合せ(例えば、MID)を有するデバイスの一部であり得るコンピューティングシステム110を示している。図示される例において、システム110は、プロセッサ112、統合メモリコントローラ(IMC)114、入力出力(IO)モジュール116、システムメモリ118、ネットワークコントローラ120、ディスプレイ122、発光部124、1つ以上のセンサ126(例えば、色センサ、温度センサ、環境光センサ、加速度計)、バッテリ130、及び大容量ストレージ128(例えば、光ディスク、ハードディスクドライブ/HDD、フラッシュメモリ)を含む。
【0057】
プロセッサ112は、1つ以上のプロセッサコア(図示せず)を有するコア領域を含み得る。図示されるIOモジュール116は、チップセットのサウスブリッジ又はサウスコンプレックスと呼ばれることもあり、ホストコントローラとして機能し、例えばセルラ電話機(例えば、広帯域符号分割多元接続/W−CDMA(登録商標)(ユニバーサル移動体通信システム/UMTS)、CDMA2000(IS−856/IS−2000)等)、WiFi(登録商標)(ワイヤレスフィデリティ、例えば電気電子技術者協会/IEEE802.11−2007、無線ローカルエリアネットワーク/LAN媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様)、4G LTE(第4世代ロングタームエボリューション)、Bluetooth(登録商標)、WiMax(登録商標)(例えば、IEEE802.16−2004、LAN/MAN ブロードバンド無線LAN)、全地球測位システム(GPS)、拡散スペクトル(例えば、900MHz)、及び他の無線周波数(RF)電話の目的等の多種多様な目的のためのオフプラットフォーム通信機能を提供することができるネットワークコントローラ120と通信する。他の規格及び/又は技術も、ネットワークコントローラ120において実装可能である。
【0058】
したがって、ネットワークコントローラ120は、上述したアプリケーション36(
図4)とデータ(例えば、色空間値、定量的な値、定性的な値等)を交換することができる。IOモジュール116はまた、そのような無線機能及び他の信号処理機能をサポートするための1つ以上のハードウェア回路ブロック(例えば、スマート増幅器、アナログ−デジタル変換、統合センサハブ)を含み得る。
【0059】
プロセッサ112及びIOモジュール116は、別個のブロックとして図示されているが、プロセッサ112及びIOモジュール116は、同じ半導体ダイ上のシステムオンチップ(SoC)として実装されてもよい。システムメモリ118は、例えば、ダブルデータレート(DDR)シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM、例えばDDR3 SDRAM JEDEC規格 JESD79−3C、2008年4月)モジュールを含み得る。システムメモリ118のモジュールは、シングルインラインメモリモジュール(SIMM)、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、スモールアウトラインDIMM(SODIMM)等に組み込まれ得る。
【0060】
図示されるプロセッサ112は、例えば色領域の色合いを測定するためにスイッチを調整するユーザコマンドを検出するためのコマンドモジュール132a、色領域の色合いを測定するためのタイマーの満了を検出するためのタイマーモジュール132b、及び色領域の色合いを測定するための境界画定間隔を検出するための境界画定モジュール132cを含むロジック132(132a〜132q、例えば、ロジック命令、設定可能なロジック、固定機能ハードウェアロジック等、又はこれらの任意の組合せ)を含む。プロセッサ112は、1つ以上のデジタル化された基準色合いチャートを生成するための基準生成モジュール132dを含む。プロセッサ112は、(例えば、印刷された色基準の)識別データを設定するための識別モジュール132e、試験片に関連付けられる化学パラメータの数、各化学パラメータの名前、各化学パラメータについての基準色合いの数、及び各基準色合いについての各化学パラメータの値(例えば、定量的な値、定性的な値)のうちの1つ以上を設定するためのパラメータモジュール132fと、初期デジタル色空間の一式の値を(例えば、大容量ストレージ、システムメモリ等に)記憶するための色空間記憶モジュール132gと、を含む。プロセッサ112は、初期デジタル色空間の一式の値を正規化するための正規化モジュール132hと、データ記憶部(例えば、メモリ、システムメモリ、クラウドコンピューティング環境、外部モバイルコンピューティングデバイス等)から、デジタル化された色基準を取得するための基準取得モジュール132iと、を含む。
【0061】
プロセッサ112は、1つのデジタル色空間を1つ以上の他のデジタル色空間に変換するための色空間変換モジュール132jを含む。プロセッサ112は、一式の赤−青−緑値を含む赤−青−緑色空間を、一式のXYZ値を含む国際照明委員会(CIE) XYZ色空間に変換するためのCIEモジュール132kと、一式のCIE XYZ値を含むCIE色空間を、一式のL、a、b値を含むLab色空間に変換するためのLabモジュール132lと、を含む。プロセッサ112は、デジタル化された色基準の最終デジタル色空間を、デジタル化された試験片の最終デジタル色空間と照合する(かつ/又は、電圧値、RGB値等の他の値を照合する)ための照合モジュール132mを含み、照合モジュール132mは、発現した色合いの一式のL、a、b値の、基準色合いの一式の基準L、a、b値からの最小距離を示すデルタE値を決定することができる。
【0062】
プロセッサ112は、決定(例えば、デルタE値)に基づいて、発現した色合いと基準色合いとの間に合致が見つけられた場合に、発現した色合いについての化学パラメータの値(例えば、定量的な値、定性的な値)を特定するための値特定モジュール132nを含む。プロセッサ112は、合致が見つけられなかった場合に、発現した色合いに最も近い2つの基準色合いを示す2つの最小デルタE値を特定するための近接モジュール132oを含む。プロセッサ112は、発現した色合いとの合致が見つけられるまで、最も近い2つの基準色合いの間に基準色合いを補間し、合致に基づいて、発現した色合いについての化学パラメータの値(例えば、定量的な値、定性的な値)を(例えば、発現した色合いと合致する補間された基準色合いに関連付けられるパラメータの値を補間することによって)算出するための補間モジュール132pを含む。プロセッサ112は、定量的な値及び/又は定性的な値を記憶するための値記憶モジュール132qを含む。
【0063】
図示されるロジック132が、プロセッサ112上に実装されるものとして示されているが、ロジック132の1つ以上の態様は、状況に応じて、コンピューティングシステム110の外部のモバイルコンピューティングプラットフォーム、色センサ126等、別の場所に実装されてもよい。加えて、ロジック132の1つ以上の態様は、1つ以上のモジュールに組み合わされてもよい。例えば、基準生成モジュール132dは、識別モジュール132e、パラメータモジュール132f、及び/又は色空間記憶モジュール132gを含んでもよい。別の例において、色空間変換モジュール132jは、CIEモジュール132k及び/又はLabモジュール132lを含んでもよい。さらなる例において、照合モジュール132mは、値特定モジュール132n、近接モジュール132o、及び/又は補間モジュール132pを含んでもよい。
【0064】
さらなる注記及び例:
例1は、化学パラメータの値を決定するためのセンサ装置であって、ハウジングと、ハウジングの開口を通る光を発するためにハウジング内に配置されている1つ以上の発光部であって、発せられる光は、ハウジングから分離可能である構造の色領域を照射する、1つ以上の発光部と、開口を通って反射される光を捕捉し、反射される光を、色領域の色合いを決定するために使用可能な初期デジタル色空間に変換するために、ハウジング内に配置されている色センサであって、反射される光は、少なくとも色領域の寸法とは無関係に捕捉される、色センサと、を備えている、センサ装置を含み得る。
【0065】
例2は、例1のセンサ装置であって、色センサが、2つ以上の色領域の間の間隔、色領域の数、構造の寸法、及び構造の製造業者とは無関係に、色領域の色合いを測定する、センサ装置を含み得る。
【0066】
例3は、例1又は例2のセンサ装置であって、開口が、ハウジングの円錐状部分の狭端部に配置されており、色センサが、ハウジングの円錐状部分の広端部に配置されており、1つ以上の発光部が、環境光から色センサを実質的に遮蔽するように、ハウジングの円錐状部分において色センサと開口との間に配置されている、センサ装置を含み得る。
【0067】
例4は、例1〜例3のいずれか1つのセンサ装置であって、色センサの視野を開口の視野に実質的に制限するために、ハウジングの円錐状部分において色センサと開口との間に配置されているレンズをさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0068】
例5は、例1〜例4のいずれか1つのセンサ装置であって、ハウジングの外部のモバイルコンピューティングプラットフォームにデータを転送するための通信モジュールをさらに備えており、センサ装置が、非集約型センサである、センサ装置を含み得る。
【0069】
例6は、例1〜例5のいずれか1つのセンサ装置であって、開口に隣接して配置されているスリットであって、スリットを通る構造のスワイプを受け入れるようにハウジングの円錐状部分に結合されているスリットをさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0070】
例7は、例1〜例6のいずれか1つのセンサ装置であって、色領域の色合いを測定するためにスイッチを調整するユーザコマンドを検出するためのコマンドモジュールと、色領域の色合いを測定するためのタイマーの満了を検出するためのタイマーモジュールと、色領域の色合いを測定するための境界画定間隔を検出するための境界画定モジュールと、をさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0071】
例8は、例1〜例7のいずれか1つのセンサ装置であって、構造が、印刷された色基準を含み、各色領域が、基準色合いを含み、本センサ装置が、印刷された色基準の識別データを設定するための基準識別モジュールと、試験片に関連付けられる化学パラメータの数、各化学パラメータの名前、各化学パラメータについての基準色合いの数、及び各基準色合いについての各化学パラメータの値のうちの1つ以上を設定するためのパラメータモジュールと、初期デジタル色空間の一式の値を記憶するための色空間記憶モジュールと、を含む基準生成モジュールをさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0072】
例9は、例1〜例8のいずれか1つのセンサ装置であって、初期デジタル色空間の一式の値が、第1の次元における一式の色空間値と、第2の次元における一式の化学パラメータ−基準色合いと、を含む2次元行列に記憶される、センサ装置を含み得る。
【0073】
例10は、例1〜例9のいずれか1つのセンサ装置であって、初期デジタル色空間の一式の値を正規化するための正規化モジュールをさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0074】
例11は、例1〜例10のいずれか1つのセンサ装置であって、データ記憶部から、デジタル化された色基準を取得するための基準取得モジュールをさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0075】
例12は、例1〜例11のいずれか1つのセンサ装置であって、初期デジタル色空間を最終デジタル色空間に変換するための色空間変換モジュールをさらに備えており、色空間変換モジュールが、一式の赤−青−緑値を含む赤−青−緑色空間を、一式のXYZ値を含む国際照明委員会(CIE) XYZ色空間に変換するためのCIEモジュールと、一式のCIE XYZ値を含むCIE空間を、一式のL、a、b値を含むLab色空間に変換するためのLabモジュールと、を含む、センサ装置を含み得る。
【0076】
例13は、例1〜例12のいずれか1つのセンサ装置であって、構造が、試験片を含み、各色領域が、試験片の発現した色合いを含み、本センサ装置が、デジタル化された色基準の最終デジタル色空間を、デジタル化された試験片の最終デジタル色空間と照合するための照合モジュールであって、発現した色合いの一式のL、a、b値の、基準色合いの一式の基準L、a、b値からの最小距離を示すデルタE値を決定するための照合モジュールと、決定に基づいて、発現した色合いと基準色合いとの間に合致が見つけられた場合に、発現した色合いについての化学パラメータの値を特定するための値特定モジュールと、値を記憶するための値記憶モジュールと、をさらに備えている、センサ装置を含み得る。
【0077】
例14は、例1〜例13のいずれか1つのセンサ装置であって、照合モジュールが、合致が見つけられなかった場合に、発現した色合いに最も近い2つの基準色合いを示す2つの最小デルタE値を特定するための近接モジュールと、発現した色合いとの合致が見つけられるまで、最も近い2つの基準色合いの間に基準色合いを補間し、合致に基づいて、発現した色合いについての化学パラメータの値を算出するための補間モジュールと、を含む、センサ装置を含み得る。
【0078】
例15は、化学パラメータの値を決定するための方法であって、ハウジングの開口を通る光を発するためにハウジング内に配置される1つ以上の発光部を設けるステップであって、発せられる光は、ハウジングから分離可能である構造の色領域を照射する、ステップと、開口を通って反射される光を捕捉し、反射される光を、色領域の色合いを決定するために使用可能な初期デジタル色空間に変換するために、ハウジング内に配置される色センサを設けるステップであって、反射される光は、少なくとも色領域の寸法とは無関係に捕捉される、ステップと、を含む、方法を含み得る。
【0079】
例16は、例15の方法であって、2つ以上の色領域の間の間隔、色領域の数、構造の寸法、及び構造の製造業者とは無関係に、色領域の色合いを測定するステップをさらに含む、方法を含み得る。
【0080】
例17は、例15又は例16の方法であって、開口が、ハウジングの円錐状部分の狭端部に配置され、色センサが、ハウジングの円錐状部分の広端部に配置され、1つ以上の発光部が、環境光から色センサを実質的に遮蔽するように、ハウジングの円錐状部分において色センサと開口との間に配置される、方法を含み得る。
【0081】
例18は、例15〜例17のいずれか1つの方法であって、レンズが、色センサの視野を開口の視野に実質的に制限するために、ハウジングの円錐状部分において色センサと開口との間に配置される、方法を含み得る。
【0082】
例19は、例15〜例18のいずれか1つの方法であって、ハウジングの外部のモバイルコンピューティングプラットフォームにデータを転送するステップをさらに含み、色センサが、非集約型センサとして実現される、方法を含み得る。
【0083】
例20は、例15〜例19のいずれか1つの方法であって、スリットが、開口に隣接して配置され、スリットを通る構造のスワイプを受け入れるようにハウジングの円錐状部分に結合される、方法を含み得る。
【0084】
例21は、例15〜例20のいずれか1つの方法であって、色領域の色合いを測定するためにスイッチを調整するユーザコマンドを検出するステップと、色領域の色合いを測定するためのタイマーの満了を検出するステップと、色領域の色合いを測定するための境界画定間隔を検出するステップと、をさらに含む、方法を含み得る。
【0085】
例22は、例15〜例21のいずれか1つの方法であって、構造が、印刷された色基準を含み、各色領域が、基準色合いを含み、本方法が、印刷された色基準の識別データを設定するステップと、試験片に関連付けられる化学パラメータの数、各化学パラメータの名前、各化学パラメータについての基準色合いの数、及び各基準色合いについての各化学パラメータの値のうちの1つ以上を設定するステップと、初期デジタル色空間の一式の値を記憶するステップと、をさらに含む、方法を含み得る。
【0086】
例23は、例15〜例22のいずれか1つの方法であって、初期デジタル色空間の一式の値が、第1の次元における一式の色空間値と、第2の次元における一式の化学パラメータ−基準色合いと、を含む2次元行列に記憶される、方法を含み得る。
【0087】
例24は、例15〜例23のいずれか1つの方法であって、初期デジタル色空間の一式の値を正規化するステップをさらに含む、方法を含み得る。
【0088】
例25は、例15〜例24のいずれか1つの方法であって、データ記憶部から、デジタル化された色基準を取得するステップをさらに含む、方法を含み得る。
【0089】
例26は、例15〜例25のいずれか1つの方法であって、初期デジタル色空間を最終デジタル色空間に変換するステップをさらに含み、本方法が、一式の赤−青−緑値を含む赤−青−緑色空間を、一式のXYZ値を含む国際照明委員会(CIE) XYZ色空間に変換するステップと、一式のCIE XYZ値を含むCIE空間を、一式のL、a、b値を含むLab色空間に変換するステップと、をさらに含む、方法を含み得る。
【0090】
例27は、例15〜例26のいずれか1つの方法であって、構造が、試験片を含み、各色領域が、試験片の発現した色合いを含み、本方法が、デジタル化された色基準の最終デジタル色空間を、デジタル化された試験片の最終デジタル色空間と照合するステップであって、照合モジュールが、発現した色合いの一式のL、a、b値の、基準色合いの一式の基準L、a、b値からの最小距離を示すデルタE値を決定する、ステップと、決定に基づいて、発現した色合いと基準色合いとの間に合致が見つけられた場合に、発現した色合いについての化学パラメータの値を特定するステップと、値を記憶するステップと、をさらに含む、方法を含み得る。
【0091】
例28は、例15〜例27のいずれか1つの方法であって、合致が見つけられなかった場合に、発現した色合いに最も近い2つの基準色合いを示す2つの最小デルタE値を特定するステップと、発現した色合いとの合致が見つけられるまで、最も近い2つの基準色合いの間に基準色合いを補間するステップと、合致に基づいて、発現した色合いについての化学パラメータの値を算出するステップと、をさらに含む、方法を含み得る。
【0092】
例29は、1つ以上の命令を含む少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイス上で実行されたときに、1つ以上の命令は、コンピューティングデバイスに、ハウジングの開口を通る光を発するステップであって、発せられる光は、ハウジングから分離可能である構造の色領域を照射する、ステップと、開口を通って反射される光を捕捉し、反射される光を、色領域の色合いを決定するために使用可能な初期デジタル色空間に変換するステップであって、反射される光は、少なくとも色領域の寸法とは無関係に捕捉される、ステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0093】
例30は、例29の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、2つ以上の色領域の間の間隔、色領域の数、構造の寸法、及び構造の製造業者とは無関係に、色領域の色合いを測定するステップを実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0094】
例31は、例29又は例30の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、開口が、ハウジングの円錐状部分の狭端部に配置されており、色センサが、ハウジングの円錐状部分の広端部に配置されており、1つ以上の発光部が、環境光から色センサを実質的に遮蔽するように、ハウジングの円錐状部分において色センサと開口との間に配置されている、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0095】
例32は、例29〜例31のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、レンズが、色センサの視野を開口の視野に実質的に制限するために、ハウジングの円錐状部分において色センサと開口との間に配置されている、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0096】
例33は、例29〜例32のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、ハウジングの外部のモバイルコンピューティングプラットフォームにデータを転送するステップを実行させ、色センサが、非集約型センサとして実現されている、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0097】
例34は、例29〜例33のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、スリットが、開口に隣接して配置されており、スリットを通る構造のスワイプを受け入れるようにハウジングの円錐状部分に結合されている、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0098】
例35は、例29〜例34のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、色領域の色合いを測定するためにスイッチを調整するユーザコマンドを検出するステップと、色領域の色合いを測定するためのタイマーの満了を検出するステップと、色領域の色合いを測定するための境界画定間隔を検出するステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0099】
例36は、例29〜例35のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、構造が、印刷された色基準を含み、各色領域が、基準色合いを含み、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、印刷された色基準の識別データを設定するステップと、試験片に関連付けられる化学パラメータの数、各化学パラメータの名前、各化学パラメータについての基準色合いの数、及び各基準色合いについての各化学パラメータの値のうちの1つ以上を設定するステップと、初期デジタル色空間の一式の値を記憶するステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0100】
例37は、例29〜例36のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、初期デジタル色空間の一式の値が、第1の次元における一式の色空間値と、第2の次元における一式の化学パラメータ−基準色合いと、を含む2次元行列に記憶される、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0101】
例38は、例29〜例37のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、初期デジタル色空間の一式の値を正規化するステップを実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0102】
例39は、例29〜例38のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、データ記憶部から、デジタル化された色基準を取得するステップを実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0103】
例40は、例29〜例39のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、一式の赤−青−緑値を含む赤−青−緑色空間の、一式のXYZ値を含む国際照明委員会(CIE) XYZ色空間への変換と、一式のCIE XYZ値を含むCIE空間の、一式のL、a、b値を含むLab色空間への変換と、によって、初期デジタル色空間を最終デジタル色空間に変換するステップを実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0104】
例41は、例29〜例40のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、構造が、試験片を含み、各色領域が、試験片の発現した色合いを含み、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、デジタル化された色基準の最終デジタル色空間を、デジタル化された試験片の最終デジタル色空間と照合するステップであって、照合は、発現した色合いの一式のL、a、b値の、基準色合いの一式の基準L、a、b値からの最小距離を示すデルタE値を決定する、ステップと、決定に基づいて、発現した色合いと基準色合いとの間に合致が見つけられた場合に、発現した色合いについての化学パラメータの値を特定するステップと、値を記憶するステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0105】
例42は、例29〜例41のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が実行されたときに、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイスに、合致が見つけられなかった場合に、発現した色合いに最も近い2つの基準色合いを示す2つの最小デルタE値を特定するステップと、発現した色合いとの合致が見つけられるまで、最も近い2つの基準色合いの間に基準色合いを補間するステップと、合致に基づいて、発現した色合いについての化学パラメータの値を算出するステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0106】
例43は、化学パラメータの値を決定するためのセンサ装置システムであって、例15〜例28のいずれか1つの方法を実行する手段を備えている、センサ装置システムを含み得る。
【0107】
例44は、化学パラメータの値を決定するためのセンサ装置であって、ハウジングと、ハウジングの開口を通るように発せられる光で構造の色領域を照射するために、ハウジング内に配置されており、ハウジングから分離可能である構造に面している1つ以上の発光部と、少なくとも色領域の寸法とは無関係に色領域の色合いを測定するために、ハウジング内に配置されており開口に面している色センサであって、開口を通って戻るように色領域で反射された光は、色センサによって捕捉され、色領域の色合いを決定するために使用される初期デジタル色空間に変換される、色センサと、を備えている、センサ装置を含み得る。
【0108】
例45は、例44のセンサ装置であって、例1〜例14のいずれか1つのセンサ装置をさらに含む、センサ装置を含み得る。
【0109】
例46は、化学パラメータの値を決定するための方法であって、ハウジング内に配置されており構造に面している1つ以上の発光部によって、ハウジングから分離可能である構造の色領域を、ハウジングの開口を通るように照射するステップと、ハウジング内に配置されており開口に面している色センサによって、少なくとも色領域の寸法とは無関係に色領域の色合いを測定するステップであって、開口を通って戻るように色領域で反射された光は、色センサによって捕捉され、色領域の色合いを決定するために使用される初期デジタル色空間に変換される、ステップと、を含む方法を含み得る。
【0110】
例47は、例46の方法であって、例15〜例28のいずれか1つの方法をさらに含む、方法を含み得る。
【0111】
例48は、1つ以上の命令を含む少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上の命令が、コンピューティングデバイス上で実行されたときに、1つ以上の命令は、コンピューティングデバイスに、ハウジング内に配置されており構造に面している1つ以上の発光部によって、ハウジングから分離可能である構造の色領域を、ハウジングの開口を通るように照射するステップと、ハウジング内に配置されており開口に面している色センサによって、少なくとも色領域の寸法とは無関係に色領域の色合いを測定するステップであって、開口を通って戻るように色領域で反射された光は、色センサによって捕捉され、色領域の色合いを決定するために使用される初期デジタル色空間に変換される、ステップと、を実行させる、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0112】
例49は、例48の少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、例29〜例42のいずれか1つの少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに含む、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。
【0113】
例50は、化学パラメータの値を決定するためのセンサ装置システムであって、例44又は例45の方法を実行する手段を備えている、センサ装置システムを含み得る。
【0114】
このように、センサ装置及び技術は、実質的に任意の製造業者からの実質的に全ての種類の既製の紙試験片について実現することができる。本装置及び技術は、どの化学パラメータが色領域に対応するかにかかわらずに、実質的に任意のサイズ/形状/寸法の試験片、試験片の任意の数の色領域、及び色領域間の任意の種類の順番又は間隔、並びに/又は、任意の種類の色合い及び色領域ごとの任意の数の色合いをもって機能する。加えて、実質的に任意の種類の紙ベースの基準色合いチャートをデジタル表現に変換することが可能であり、それによって、自動的な色照合を可能にする。さらに、環境光によって実質的に影響されることがなく、かつ/又は、例えば試験片上の色領域を照射して検知するために自身の固有の制御される光源を提供することができる非集約型色センサが利用され得る。非集約性は、試験片のサイズや形状にかかわらず、かつ色領域の数又は色領域の間の間隔等にかかわらず、任意の種類の既製の試験片を測定するために、色センサを各色領域上に移動させて配置することを可能にする。したがって、センサ装置は、試験片の挿入のための予め設計されたスリットサイズ及び/又はカスタマイズされた測定デバイスの内部にしっかりと一体化された予め定められた間隔の予め設計された数の光学センサ、を必要としなくてよく、したがって、特定の製造業者からの適合する試験片だけを測定することに限定されるものではない。
【0115】
実施形態は、全ての種類の半導体集積回路(「IC」)チップとの使用に適用可能である。これらのICチップの例は、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ、システムオンチップ(SoC)、SSD/NANDコントローラASIC等を含むが、これらに限定されるものではない。加えて、図面のうちのいくつかにおいて、信号導体線が、線で表されている。いくつかは、より多くの構成信号パスを示すために異なり、構成信号パスの数を示すために数字ラベルを有し、かつ/又は、主たる情報フロー方向を示すために1つ以上の端部に矢印を有し得る。しかしながら、これは、限定的に解釈されるべきではない。そうではなく、そのような追加の詳細は、回路のより容易な理解を促進するために、1つ以上の例示的な実施形態に関連して使用され得る。表されるあらゆる信号線は、追加の情報を有しているか否かにかかわらず、実際には、複数の方向に移動可能である1つ以上の信号であって、例えば、差動ペア、光ファイバ線、及び/又はシングルエンド線で実装されるデジタル線又はアナログ線といった任意の適切な種類の信号スキームで実装され得る1つ以上の信号を含み得る。
【0116】
サイズ/モデル/値/範囲の例が提示されているかもしれないが、実施形態はそれらに限定されるものではない。製造技術(例えば、フォトリソグラフィ)が時間とともに成熟するにつれて、より小さなサイズのデバイスを製造できると予想される。加えて、ICチップ及び他のコンポーネントへの周知の電源/接地接続は、図示及び説明を単純にするとともに、実施形態の所定の態様を不明瞭にしてしまうことがないように、図面において示されていることもあるし示されていないこともある。さらに、実施形態を不明瞭にしてしまうことがないようにするとともに、ブロック図の構成の実装に関する詳細が、実施形態が実装されるプラットフォームに高く依存すること、すなわち、そのような詳細が充分に当業者の視野内にあることに鑑みて、構成が、そのようなブロック図の形態で示されていることがある。具体的な詳細(例えば、回路)が、例示的な実施形態を説明するために記載されている場合、それらの具体的な詳細なく、又は、それらの具体的な詳細の変形をもって、実施形態を実施することができることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本説明は、限定ではなく、例示と考えられるべきである。
【0117】
「結合される、結合された、結合されている」という用語は、本明細書において、該当のコンポーネント間の直接的又は間接的な任意の種類の関係を指すために使用され、電気的接続、機械的接続、流体的接続、光学的接続、電磁気的接続、電気機械的接続、又は他の接続に適用され得る。加えて、「第1の」、「第2の」等といった用語は、本明細書において、説明を容易にするために使用されているにすぎないことがあり、別途示されない限り、いかなる特定の時間的又は時系列的意味も有さない。
【0118】
本出願及び請求項において使用されるとき、「・・・のうちの1つ以上」又は「・・・のうちの少なくとも1つ」という用語によって結び付けられたアイテムのリストは、リストされたアイテムの任意の組合せを意味し得る。例えば、「A、B、又はCのうちの1つ以上」という語句は、A、B、C;A及びB;A及びC;B及びC;又は、A、B、及びC、を意味し得る。
【0119】
上記の説明から、実施形態の広範な技術が様々な形態で実施できることが、当業者には理解されよう。したがって、実施形態が、実施形態の特定の例に関連して説明されているが、実施形態の真の範囲は、図面、明細書、及び特許請求の範囲を検討することによって他の変更が当業者に明らかになるため、そのように限定されるべきではない。