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特許6449470N−安息香酸基置換のベンゾピロリン−2−オン誘導体及びその用途
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  • 特許6449470-N−安息香酸基置換のベンゾピロリン−2−オン誘導体及びその用途 図000078
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6449470
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】N−安息香酸基置換のベンゾピロリン−2−オン誘導体及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/34 20060101AFI20181220BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20181220BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20181220BHJP
   A61K 31/60 20060101ALI20181220BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20181220BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
   C07D209/34CSP
   A61K31/404
   A61K31/519
   A61K31/60
   A61K45/00
   A61P1/04
   A61P1/18
   A61P3/10
   A61P7/00
   A61P11/00
   A61P11/06
   A61P11/02
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P19/02
   A61P21/04
   A61P25/00
   A61P27/02
   A61P29/00
   A61P29/00 101
   A61P37/02
   A61P37/06
   A61P37/08
   A61P43/00 111
【請求項の数】14
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2017-540241(P2017-540241)
(86)(22)【出願日】2016年1月22日
(65)【公表番号】特表2018-503665(P2018-503665A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】CN2016071778
(87)【国際公開番号】WO2016119641
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2017年7月27日
(31)【優先権主張番号】201510043379.9
(32)【優先日】2015年1月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516082925
【氏名又は名称】北京韓美薬品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】薛 海
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 涛
(72)【発明者】
【氏名】▲車▼ 美英
(72)【発明者】
【氏名】金 孟燮
【審査官】 吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−001309(JP,A)
【文献】 特表2004−505005(JP,A)
【文献】 特開平06−179652(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/026328(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/042782(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0028936(US,A1)
【文献】 DATABASE REGISTRY [online],[retrieved on 2018.04.26], Retrieved from STN, <URL:https://stnweb-japan.cas.org/>, RN: 1349823-64-8 (Entered STN: 06 Dec 2011), CN: 2H-Indol-2-one, 1-[4-amino-7-(1-methylethyl)-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-5-yl]-1,3-dihydro-3-(phenylmethylene)-, (3E)- (CA INDEX NAME)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(Ic)の構造を有することを特徴とする化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、又は溶媒和物であって、
【化1】
は−C(=O)OH、−C(=O)O−アルキル基、アミド基、5−テトラゾール、HOC(CF、リン酸基、リン酸エステル基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アルキルスルホニル基から選ばれ、
は水素、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、(C1−4)アルキル基又は(C1−4)アルコキシ基又は(C1−3)アルキル基C(=O)O−であり、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
、R、Rは独立に、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基又はアルキルカルボニル基から選ばれ、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基又はカルボニル基から選ばれる、化合物。
【請求項2】
式(Ic)において、
は−C(=O)OH、−C(=O)NH、−C(=O)O−C1−6アルキル基、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R)R(RとRは、C1−6アルキル基から選ばれる)、5−テトラゾール、HOC(CF、リン酸基、リン酸エステル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1−6アルコキシ基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基から選ばれ、
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、メルカプト基、アミノ基から選ばれ、
はハロゲン、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルカルボニル基から選ばれ、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基又はC1−6アルコキシ基から選ばれ、且つ
は水素、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基又はC1−6アルコキシ基から選ばれ、
はハロゲン、トリフルオロメチル基、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基又はC5−10アリール基から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物は(Id)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【化2】
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、アミノ基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(C1−4)アルキル基C(=O)O−から選ばれ、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基又はC5−10アリール基から選ばれ、
、Rは独立に、ハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(C3−4)シクロアルキル基から選ばれる。
【請求項4】
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、アミノ基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(C1−4)アルキル基C(=O)O−から選ばれ、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよく、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基又はC5−10アリール基から選ばれ、
はハロゲンから選ばれ、且つ、
は独立にハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基から選ばれる、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
は水素、ヒドロキシ基又はハロゲンであり、
はフッ素、メチル基、トリフルオロメチル基又はメトキシ基である、請求項3又は4に記載の化合物。
【請求項6】
はヒドロキシ基であり、
はフッ素、メチル基又はメトキシ基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
は塩素である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
はヒドロキシ基であり、
はメチル基であり、
は塩素であり、且つ
はシクロプロピル基、トリフルオロメチル基又は塩素である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物は以下から選択されるものである、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、又は溶媒和物。
【化3】
【化4】
【化5】
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、又は溶媒和物、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
非ステロイド性抗炎症薬、非特異及び特異的なシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、金化合物、コルチコイド、腫瘍壊死因子受容体拮抗薬、サリチル酸エステル又は塩、免疫抑制剤、及びメトトレキサートから選ばれる1種又は複数の種類の抗炎症薬をさらに含む請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
RORγ調整剤としての薬剤の調製における請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、又は溶媒和物の使用。
【請求項13】
自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患であるRORγ介在の疾患を予防又は治療するための薬剤の調製における請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、又は溶媒和物の使用。
【請求項14】
前記疾患が、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、クローン病、喘息、全身性エリテマトーデス、慢性閉塞性肺疾患、組織移植片拒絶反応及び臓器移植拒絶反応、強皮症、紫斑病、自己免疫性溶血性及び血小板減少性症状、過敏性腸症候群、骨関節炎、川崎病、橋本病、粘膜リーシュマニア症、気管支炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、嚢胞性線維症、肺代謝拒絶反応、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、膵炎、自己免疫性糖尿病、自己免疫性眼疾患、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、視神経炎、糖尿病、視神経脊髄炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、ギラン-バレー症候群、乾癬性関節炎、グレーブス病、及び強膜炎から選ばれる、請求項13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチノイン酸関連オーファン受容体ガンマ(RORγ)モジュレーターとして使用可能な化合物、その医薬組成物、製薬中の使用、ならびそれを使用して哺乳動物(特にヒト)のRORγ介在性疾患を治療及び/又は予防する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核内受容体は、リガンド依存性転写因子スーパーファミリーの一種であり、広く生体内で分布し、代謝、発達、生体リズム、炎症及び免疫調節などにおいて役割を果たす。核内受容体のリガンドは、甲状腺ホルモン、ステロイドホルモン、レチノイン酸、脂肪酸、ステロールなどに加えて、今までリガンドを決定されなかった、オーファン核内受容体と呼ばれる核内受容体を含む。レチノイン酸関連オーファン受容体(retinoid−related orphan receptors,RORs)はNF1Rとも呼ばれ、遺伝子配列においてレチノイン酸受容体(retinoic acid receptor,RAR)とレチノイン酸X受容体(retinoid X receptor,RXR)に類似するから命名された。RORSサブファミリーは主にRORα、RORβ、RORγという3つを含み、現在ではRORα、RORγ及びそのリガンド(モジュレーター)に関する研究が比較的多い。RORαは体内の様々な組織や臓器に広く発現し、脳、腎臓、肝臓、睾丸、卵巣、骨格筋、胸腺、皮膚、肺、脂肪組織に存在することができ、その中、脳組織、特に小脳と視床における発現レベルが最も高い。また、最近の研究ではRORαが骨芽細胞促進因子(osteoblast−promoting factors)を刺激して炎症反応を抑制することにより人体の骨芽細胞活性に関与することを示した。RORγは主にRORγ1とRORγt(RORγ2)の2種類のサブタイプを含み、その中、RORγ1は骨格筋、胸腺、睾丸、膵臓、前立腺、心臓、及び肝臓などに分布しており、一方RORγtは免疫細胞のみに発現し、T細胞に特有のRORγサブタイプの一種である。Th17細胞とは、サイトカインIL−17を特異的に産生することができるTh細胞のサブセットで、最近新たに確認されたものである。Th17細胞は、自己免疫疾患の誘導に関与し、強力な炎症促進効果を持ち、種々の自己免疫疾患、例えば多発性硬化症、乾癬、関節炎及び喘息などの発生と進展に関連する。RORγ1は、TH17細胞の分化と調節における重要な駆動要因の1つであるので、自己免疫疾患に対する医薬品開発のための潜在力のある新たなターゲットとなってきている。ROR逆作動薬(アンタゴニスト)はRORγの機能に影響を与えることで、TH17細胞の増殖及び成長を調節して、サイトカインIL−17の産生を抑制することにより、炎症の発生と進展を阻害する。近年では、サイトカインIL−17の産生を抑制するインビトロ実験及びマウス自己免疫疾患モデル(CIAモデル、EAEモデルなど)においてRORγの上記のような重要な生理機能が明らかになったことは多くの研究論文によって示された。(Nature 2011,472,486−490;Nature 2011,472,491−496;ACS Chem.Biol.2012,7,672−677;Bioorg.Med.Chem.Lett.23(2013)532−536;Journal Exp Med.2008;205(5):1063−1075;Immunol Res.2001;23(2−3):99−109;Cell 126,1121−1133,September 22,2006;WO2012158784;WO2012100732;US8389739B1;WO2013160418;WO2013092939;WO2013169704;WO2013178362;ACS Med.Chem.Lett.,2014,5(1),65−68;Bioorg.Med.Chem.2014(22),692−702;J Immunol 2014(192),2564−2575;Immunity 2014(40),477−489)
【0003】
RORγの様々な自己免疫疾患の発生と進展における重要な役割を鑑み、RORγの機能を調節するために一連の新規の化合物を合成することは非常に重要な意義を持っている。これは自己免疫疾患の治療のための基礎を築く。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Nature 2011,472,486−490
【非特許文献2】Nature 2011,472,491−496
【非特許文献3】ACS Chem.Biol.2012,7,672−677
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、レチノイン酸関連オーファン受容体ガンマ(RORγ)モジュレーターとして使用可能な一連の化合物、その医薬組成物、医薬品の製造におけるそれらの使用、ならびそれを使用して哺乳動物(特にヒト)のRORγ介在性疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、構造式(I)のような構造を有する化合物及びその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、その溶媒和物又はプロドラッグが提供される。
【0007】
【化1】
【0008】
ここで、
Aは五員又は六員のアリール基又はヘテロアリール基であり、
はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アミド基、カルボニル基、アルキルアミノカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基から選ばれる1つ又は複数であり、
Bはアリール基又はヘテロアリール基であり、
Qはアリール基又はヘテロアリール基であり、前記アリール基又はヘテロアリール基は独立に、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基又はアルキルカルボニル基から選ばれる1つ又は複数の基で置換されていてもよい。前記アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基は、1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
は独立に、−C(=O)OH、アルキル基−OC(=O)−、アミド基、5−テトラゾール、HOC(CF、リン酸基、リン酸エステル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アルキルスルホニル基から選ばれてもよく、
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、(C1−4)アルキル基又は(C1−4)アルコキシ基又は(Cl−3)アルキル基C(=O)O−であり、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
mは0、1、2、3又は4であり、
前記複素環基又はヘテロアリール基はN、O及びSから選ばれる1つ又は複数のヘテロ原子を有する。
【0009】
ある実施形態によれば、本発明のある化合物は構造式(Ia)の構造を有する。
【0010】
【化2】
【0011】
ここで、
Aは五員又は六員のアリール基又はヘテロアリール基であり、
はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アミド基、カルボニル基、アルキルアミノカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基から選ばれる1つ又は複数であり、
Bはアリール基又はヘテロアリール基であり、
は独立に−C(=O)OH、アルキル基−OC(=O)−、アミド基、5−テトラゾール、HOC(CF、リン酸基、リン酸エステル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アルキルスルホニル基から選ばれてもよく、
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、(C1−4)アルキル基又は(C1−4)アルコキシ基又は(Cl−3)アルキル基C(=O)O−であり、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
、R、Rは独立に、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基又はアルキルカルボニル基から選ばれてもよく、
mは0、1、2、3又は4であり、
nは0、1、2又は3であり、
前記複素環基又はヘテロアリール基はN、O及びSから選ばれる1つ又は複数のヘテロ原子を有する。
【0012】
ある実施形態によれば、本発明のある化合物は構造式(Ib)の構造を有する。
【0013】
【化3】
【0014】
ここで、
Aはフェニル基、ピリジル基、チエニル基、フラニル基又はピリミジニル基であり、
はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アミド基、カルボニル基、アルキルアミノカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基から選ばれる1つ又は複数であり、
は独立に、−C(=O)OH、アルキル基−OC(=O)−、アミド基、5−テトラゾール、HOC(CF、リン酸基、リン酸エステル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アルキルスルホニル基から選ばれてもよく、
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(Cl−3)アルキル基C(=O)O−であり、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよい。
、R、Rは独立に、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基又はアルキルカルボニル基から選ばれてもよく、
mは0、1、2、3又は4であり、
nは0、1、2又は3であり、
前記複素環基又はヘテロアリール基はN、O及びSから選ばれる1つ又は複数のヘテロ原子を有する。
【0015】
ある実施形態によれば、本発明のある化合物は構造式(Ic)の構造を有する。
【0016】
【化4】
【0017】
ここで、
は独立に、−C(=O)OH、アルキル基−OC(=O)−、アミド基(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)NRRが挙げられ、その中、RとRはC1−6アルキルから選ばれる)、5−テトラゾール、HOC(CF、リン酸基、リン酸エステル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノカルボニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アルキルスルホニル基から選ばれてもよく、
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、(C1−4)アルキル基又は(C1−4)アルコキシ基又は(Cl−4)アルキル基C(=O)O−(例えば、(Cl−3)アルキル基C(=O)O−)であり、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
、R、Rは独立に、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基又はアルキルカルボニル基から選ばれてもよく、
はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン、トリフルオロメチル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基、スルホニルアミノ基、アミド基、カルボニル基、アルキルアミノカルボニル基又はジアルキルアミノカルボニル基から選ばれる1つ又は複数であり、
前記複素環基又はヘテロアリール基はN、O及びSから選ばれる1つ又は複数のヘテロ原子を有する。
【0018】
ある実施形態によれば、式(I)、(Ia)、(Ib)及び(Ic)中、mは0又は1であり、mが1である場合、Rはヒドロキシ基である。
【0019】
ある実施形態によれば、式(I)、(Ia)、(Ib)及び(Ic)中、Rは−C(=O)OHである。
【0020】
ある実施形態によれば、式(I)、(Ia)、(Ib)及び(Ic)中、RはC1−4アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基である。
【0021】
ある実施形態によれば、本発明の前記化合物は(Id)で表される。
【0022】
【化5】
【0023】
ここで、
は水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、アミノ基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(C1−4)アルキル基C(=O)O−(例えば、(Cl−3)アルキル基C(=O)O−)から選ばれ、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲンで置換されていてもよく、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基又はC5−10アリール基から選ばれ、
、Rは独立に、ハロゲン(例えば、塩素)、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(C3−4)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基)から選ばれてもよく、
さらなる実施形態によれば、式(Id)中、Rは水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、アミノ基、(C1−4)アルコキシ基又は(C1−4)アルキル基C(=O)O−から選ばれてもよく、前記(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基は1つ又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよく、Rは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基又はC5−10アリール基から選ばれ、Rはハロゲンから選ばれ、且つ、R4は独立に、ハロゲン、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基又は(C3−4)シクロアルキル基から選ばれてもよい。
【0024】
さらなる実施形態によれば、式(Id)中、Rは水素、ヒドロキシ基又はハロゲンであり、Rはフッ素、メチル基、トリフルオロメチル基又はメトキシ基であり、Rはハロゲン(例えば、塩素)から選ばれ、且つ、Rは独立に、ハロゲン(例えば、塩素)、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基)から選ばれてもよい。
【0025】
さらなる実施形態によれば、式(Id)中、Rはヒドロキシ基であり、Rはフッ素、メチル基又はメトキシ基であり、Rはハロゲン(例えば、塩素)から選ばれ、且つ、Rは独立に、ハロゲン(例えば、塩素)、トリフルオロメチル基、(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルコキシ基、(C3−4)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基)から選ばれてもよい。
【0026】
なおさらなる実施形態によれば、式(Id)中、Rはヒドロキシ基であり、Rはメチル基であり、Rは塩素であり、且つRはシクロプロピル基、トリフルオロメチル基又は塩素である。
【0027】
本願の他の態様は1種又は複数の種類の本発明の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグと、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0028】
本願の他の態様は1種又は複数の種類の本願の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグと、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、非特異及び特異的なシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、金化合物、コルチコイド、腫瘍壊死因子受容体拮抗薬、サリチル酸エステル又は塩、免疫抑制剤、及びメトトレキサートから選ばれる1種又は複数の種類の抗炎症薬と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0029】
本願の他の態様はRORγの活性を調節する(例えば、RORγ活性の阻害)、若しくはRORγ介在性疾患を予防又は治療するための本願の化合物、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物又はプロドラッグに関する。
【0030】
本願の他の態様はRORγ活性を調節する(例えば、RORγ活性の阻害)ための薬剤の調製における本願の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグの使用に関する。
【0031】
本願の他の態様はRORγモジュレーター(例えば、RORγ活性阻害剤)としての薬剤の調製における本発明の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグの使用に関する。
【0032】
本願の他の態様はRORγ活性を調節する(例えば、RORγ活性の阻害)ための本願の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグに関する。
【0033】
本願の他の態様はRORγ介在性疾患を予防又は治療するための本発明の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグに関する。
【0034】
本願の他の態様は本発明の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグをRORγに接触させることを含む、RORγを調節する方法に関する。
【0035】
本願の他の態様は、予防又は治療有効量の本願化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグ、若しくは本願の医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むRORγ介在性疾患を治療又は予防する方法に関する。本願の他の態様は、予防又は治療有効量の本願の化合物又はその立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物又はそれらのプロドラッグ、及び1種又は複数の種類の抗炎症薬を、必要とする患者に投与することを含むRORγ介在性疾患を予防又は治療する方法に関する。前記抗炎症薬としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、非特異及び特異的なシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、金化合物、コルチコイド、腫瘍壊死因子受容体拮抗薬、サリチル酸エステル又は塩、免疫抑制剤、及びメトトレキサートから選ばれる1種又は複数の種類の抗炎症薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
一部の実施形態によれば、本発明の前記RORγ介在性疾患は自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患であってもよい。
【0037】
一部の実施形態によれば、前記予防又は治療されるRORγ介在性疾患は多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、クローン病、喘息、全身性エリテマトーデス、慢性閉塞性肺疾患、組織移植片拒絶反応及び臓器移植拒絶反応、強皮症、紫斑病、自己免疫性溶血性及び血小板減少性症状、過敏性腸症候群、骨関節炎、川崎病、橋本病、粘膜リーシュマニア症、気管支炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、嚢胞性線維症、肺代謝拒絶反応(lung metabolism rejection)、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、膵炎、自己免疫性糖尿病、自己免疫性眼疾患、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、視神経炎、糖尿病、視神経脊髄炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、ギラン-バレー症候群、乾癬性関節炎、グレーブス病又は強膜炎から選ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ラット抗関節炎CIAモデルにおける本発明の化合物及び溶媒対照の体内活性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
特別な説明がない限り、本発明の全ての技術及び科学用語は請求項の主題が属する分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0040】
なお、上記の簡単な説明及び以下の詳細な説明は例示的な目的のために利用され、本発明の主題を限定するものではない。
【0041】
特許、特許出願、文章、書籍、操作マニュアル及び論文を含むがこれらに限定されない本願に引用される文献のすべて又はその一部は、何れもその全体として参照によって本明細書に組み込まれている。
【0042】
本明細書で定義される一部の化学基は、それに存在する炭素原子の総数又は環原子の総数が、先頭の簡略化した符号によって表される。例えば、C1−8アルキル基とは、合計1〜8個の炭素原子を有する、以下のように定義されるアルキル基を意味する。C3−8シクロアルキル基とは、合計3〜8個の炭素原子を有する、以下のように定義されるシクロアルキル基を意味する。C5−10アリール基とは、合計5〜10個の炭素原子(若しくは環原子)を有する、以下のように定義されるアリール基を意味する。簡略化した符号中の炭素原子の総数は前記基に存在可能な置換基の炭素原子の数を含まない。以下、「員」とは基の環原子の数を意味し、例えば、「五員アリール基」とはアリール基の環原子の数が5つであることを意味する。
【0043】
前記に加えて、本願の明細書及び特許請求の範囲に用いられる場合、特別な説明がない限り、以下の用語は以下に示すような意味を持つ。
【0044】
本願において、
【0045】
【化6】
【0046】
本願において、C(=O)はアシル基又はカルボニル基を表し、C(=O)OHはカルボキシル基を表し、S(=O)はスルホニル基を表し、S(=O)はスルフィニル基を表し、5−テトラゾールは
【0047】
【化7】
【0048】
を表し、HOC(CF
【0049】
【化8】
【0050】
を表し、−OHはヒドロキシ基を表し、−NHはアミノ基を表し、−CNはシアノ基を表し、−NOはニトロ基を表す。
【0051】
本願において、用語「アルキルスルホニル基」はRS(=O)を意味する。以下に定義されるように、Rはアルキル基を表す。
【0052】
本願において、用語「アミド基」は−C(=O)NH、RC(=O)NH−又はRC(=O)N(R)−を意味し、ここで、RaとRは本明細書で定義されるアルキル基である(例えば、C1−6アルキル基である)。アミド基の例としては、ホルムアミノ基、ホルムアミドメチル基、N−アセトアミド基、N−メチル−N’−アセトアミド基などを含むが、これらに限定されない。
【0053】
本願において、用語「スルホニルアミノ基」とはRS(=O)NH−又はRS(=O)NR−を意味し、ここで、RとRは本明細書で定義されるアルキル基である(例えば、C1−6アルキル基である)。
【0054】
本願において、用語「アミノスルホニル基」とは−S(=O)NH、−S(=O)NHR、−S(=O)NRを意味し、ここで、RとRは本明細書で定義されるアルキル基である(例えば、C1−6アルキル基である)。
【0055】
本願において、用語「リン酸基」とは
【化9】
【0056】
を意味し、用語「リン酸エステル基」とは
【0057】
【化10】
【0058】
を意味し、以下に定義されるように、RとRはアルキル基を表す。
【0059】
本願において、用語「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し、例えば、フッ素又は塩素である。
【0060】
本願において、基又は他の基の一部であるアルキル基として(即ち、単独で又は他の基に結合するアルキル基)、用語「アルキル基」とは、炭素原子と水素原子のみからなり、不飽和結合を含まず単結合により分子における残りの部分に結合する直鎖又は分岐鎖の基を意味する。アルキル基は、例えば1〜18個、1〜8個、1〜6個、1〜4個の炭素原子を有してもよい。アルキル基の例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などを含むが、これらに限定されない。
【0061】
本願において、用語「ハロゲン化アルキル基」とは1つ又は複数のハロゲン原子に置換されたアルキル基を意味し、ここでアルキル基は上記のように定義されるものである。ハロゲン化アルキル基の例として、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、1,2−ジクロロエチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0062】
本願において、用語「アルコキシ基」とは式−ORの基を意味し、ここでRは上述のように定義されたアルキル基である。アルコキシ基の例として、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0063】
本願において、用語「ハロゲン化アルコキシ基」とは1つ又は複数のハロゲン原子に置換されたアルコキシ基を意味し、ここでアルコキシ基は上記のように定義されたものである。
【0064】
本願において、用語「アルキルチオ基」とは式−SRの基を意味し、ここでRは上述のように定義されたアルキル基である。アルキルチオ基の例として、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基などを含むが、これらに限定されない。
【0065】
本願において、用語「アルキルアミノ基」とは式−NHRの基を意味し、ここで、Rは上述のように定義されたアルキル基である。アルキルアミノ基の例として、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基などを含むが、これらに限定されない。
【0066】
本願において、用語「ジアルキルアミノ基」とは−NRの基を意味し、ここで、RとRはそれぞれ独立に上述のように定義されたアルキル基である。ジアルキルアミノ基の例として、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基などを含むが、これらに限定されない。
【0067】
本願において、用語「アルキルカルボニル基」とは−CORの基を意味し、ここで、Rは上述のように定義されたアルキル基である
【0068】
本願において、用語「アルキルアミノカルボニル基」とは−CONHR又は−CONRを意味し、ここでRとRは本明細書で定義されるアルキル基である(例えば、C1−6アルキル基である)。
【0069】
本願において、基又は他の基の一部として、用語「アルケニル基」とは、炭素原子と水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、例えば2〜14個、2〜10個、2〜8個の炭素原子を有し、且つ単結合により分子における残りの部分に結合する直鎖又は分岐鎖の鎖状炭化水素基を意味し、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブタ−1−エニル基、ブタ−2−エニル基、ペンタ−1−エニル基、ペンタ−2−エニル基、ペンタ−1,4−ジエニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0070】
本願において、基又は他の基の一部として、用語「アルキニル基」とは炭素原子と水素原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含むと共に任意に選択された1つ又は複数の二重結合を含み、例えば2〜14個、2〜10個、2〜8個の炭素原子を有し、且つ単結合により分子における残りの部分に結合する直鎖又は分岐鎖の鎖状炭化水素基を意味し、アルキニル基の例として、エチニル基、プロプ−1−イニル基、ペンタ−1−エン−4−イニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0071】
本願において、基又は他の基の一部として、用語「炭素環基」とは炭素原子と水素原子のみからなる、単環式又は多環式の非芳香族炭化水素基を意味し、縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含み得、3〜15個の炭素原子、好ましくは3〜10個の炭素原子、3〜8個の炭素原子、3〜7個の炭素原子を有し、また、それは飽和又は不飽和であり、且つ任意の適切な炭素原子を介して単結合により分子における残りの部分に結合し得る。本明細書において特別な説明がない限り、炭素環基は飽和であってもよく(シクロアルキル基と呼ぶことができる)、不飽和であってもよい(シクロアルケニル基と呼ぶことができる)。シクロアルキル基における炭素原子は酸化されてもよい。炭素環基の例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1H−インデニル基、2,3−ジヒドロインデニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフチル基、8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプテン−6−イル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニル基、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ-ベンゾシクロオクテニル基、フルオレニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクテニル基、ビシクロ[3.2.1]オクテニル基、アダマンチル基、オクタヒドロ−4,7−メチレン−1H−インデニル基、オクタヒドロ−2,5−メチレン−シクロペンタジエニル基などを含むが、これらに限定されない。本願において、基又は他の基の一部として、用語「複素環基」とは、2〜12個の炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子とからなる3〜18員非芳香族環状基を意味する。複素環基は飽和であってもよく、不飽和であってもよい。本明細書において特別な説明がない限り、複素環基は単環、二環、三環又はそれ以上の環系であってもよく、縮合環系又はスピロ環系を含み得る。本願の目的から、複素環基としては、窒素、酸素と硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜12員非芳香族性の単環又は二環基が好ましく、窒素、酸素と硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜8員非芳香族性の単環基がより好ましく、窒素、酸素と硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む5〜6員非芳香族単環基がさらに好ましい。複素環基における窒素、炭素又は硫黄原子は酸化されてもよい。窒素原子は4級化されてもよい。且つ複素環基は部分的に又は完全に飽和してもよい。複素環基は炭素原子又はヘテロ原子を介して単結合により分子における残りの部分に結合し得る。縮合環を含む複素環基において、分子における残りの部分への結合点が非芳香族環原子であれば、1つ又は複数の環はアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。複素環基の例として、ピラニル基、テトラヒドロピラニル基、チオピラニル基、テトラヒドロフラニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、ピペリジニル基、オキサジニル基、ジオキソラニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、デカヒドロイソキノリニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、キノリジニル基、チアゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、イソオキサゾリジニル基、ジヒドロインドリル基、オクタヒドロインドリル基、オクタヒドロイソインドリル基、ピロリジニル基、ピラゾリジニル基、フタルイミド基などを含むが、これらに限定されなく、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基が好ましい。本願において、基又は他の基の一部として、用語「アリール基」とは6〜18個(例えば、6〜10個、5〜10個)の炭素原子及び少なくとも1つの芳香族環を有している体系を意味する。本願について、アリール基は単環、二環、三環又はそれ以上の環系であってもよく、縮合環系又は架橋環系を含むことができる。アリール基と縮合している縮合環は本願で定義される炭素環基、複素環基、アリール基又はヘテロアリール基であってもよい。アリール基は芳香族環原子を介して単結合により分子における残りの部分に結合する。アリール基の例として、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−7−イルなどを含むが、これらに限定されなく、フェニル基が好ましい。
【0072】
本願において、基又は他の基の一部として、用語「ヘテロアリール基」とは、環内に1〜15個(例えば、1〜10個)の炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子と、少なくとも1つの芳香環とを有する5〜16員環の基を意味する。本明細書において特別な説明がない限り、ヘテロアリール基は単環、二環、三環又はそれ以上の環系であってもよく、結合点が芳香族環原子であれば、縮合環系又は架橋環系を含むことができる。ヘテロアリール基における窒素、炭素又は硫黄原子は酸化されてもよい。窒素原子は4級化されてもよい。本願の目的から、ヘテロアリール基として、窒素、酸素と硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜12員芳香族性の単環又は二環基が好ましく、窒素、酸素と硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜8員芳香族性の単環又は二環基がより好ましく、窒素、酸素と硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む5〜6員芳香族性の単環又は二環基がさらに好ましい。ヘテロアリール基の例として、チエニル基、フラニル基、ピロリル基、[1,3,4]オキサジアゾール基、[1,2,4]チアジアゾリル基、[1,3,4]チアジアゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾピラゾリル基、トリアゾイル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル(indolidinyl)基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、イソインダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリル基(quinazolyl)、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、オキサトリアゾリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、フェニルチオ基、インドリジニル基、フェナントロリニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チェニル基、ナフチリジン基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
「立体異性体」とは同じ原子からなり、同一の結合によって結合しているが、異なる三次元構造を有する化合物を意味する。本願は、種々の立体異性体及びそれらの混合物を含む。
【0074】
「互変異性体」とはプロトンが分子における1つの原子から同分子における別の原子へシフトして形成される異性体を意味する。本願に係る化合物の全ての互変異性型は本願の範囲内に含まれる。
【0075】
本明細書に係る用語「薬学的に許容される塩」とは本願化合物の遊離酸又は遊離塩基の生物学的効果を保持し、且つ生物学又は他の点で悪影響がない塩を指す。薬学的に許容される塩は親化合物における塩基性基又は酸性基を塩に変換する形式である。薬学的に許容される塩として、塩基性基の場合例えばアミン(アミノ)基の無機又は有機酸塩類を含むが、これらに限定されない。本願に係る薬学的に許容される塩は親化合物から合成することができ、適切な塩がRemingtong’s Pharmaceutical Scicences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418、及びJournal of Pharmaceutical Science,66, 2(1977)において挙げられる。特別な説明がない限り、本願における塩は有機酸/無機酸から形成される酸性塩であってもよく、及び有機塩基/無機塩基から形成される塩基性塩であってもよい。また、一般式の化合物における塩基性の官能基がピリジン又はイミダゾール(ただし、ピリジン又はイミダゾールに限定されない)であり、酸性の官能基がカルボン酸(ただし、カルボン酸に限定されない)である場合、双性イオン(内塩)となる。内塩は本願における塩に含まれる。
【0076】
荷電性官能基の数とカチオン又はアニオンの価数により、本願における化合物は複数のカチオン又はアニオンを含んでもよい。
【0077】
通常、結晶化作用により本願の化合物の溶媒和物が生じる。本願において、「溶媒和物」とは、1つ又は複数の本願の化合物分子及び1つ又は複数の溶媒分子を含む集合体を指す。これらは、溶媒において反応するか、または溶媒から沈殿として析出したり、結晶化してできたりする。溶媒は水であってもよく、この場合の溶媒和物は水和物である。或いは、溶媒は有機溶媒であってもよい。本願に係る化合物の溶媒和物は、本願の範囲内にある。
【0078】
本願において、用語「プロドラッグ」とは、生理学的条件で、加水分解又は酵素反応により本願に係る生物学的活性を有する化合物に変換可能な化合物を表す。したがって、用語「プロドラッグ」とは、本願の化合物の薬学的に許容される代謝前駆体を指す。しかしながら、プロドラッグは、それを必要とする個体に投与される場合、活性を有しなくてもよいものの、体内で本願に係る活性化合物に変換される。通常、プロドラッグは、例えば血液中で加水分解により、体内で急速に変換されて本願の親化合物となる。プロドラッグ化合物は、通常、哺乳動物において溶解度、組織適合性又は遅延放出という利点を与える。プロドラッグについては、以下の文献を参照することができる。Kevin Beaumont,et al.,Current Drug Metabolism,4(6),461−485,2003;Peter Ettmayer,et al.,Journal of Medicinal Chemistry,47(10),2393−2404,2004;Stella V.J.,Expert Opinion on Therapeutic Patents,14(3),277−280,2004;Jarkko Rautio,et al.,Nature Review Drug Discovery,7(3),255−270,2008。当業者に知られているように、カルボキシル基含有化合物(例えば、本願の化合物)のエステル、例えば薬学的に許容されるエステルは、ヒト又は動物の体内で親酸に分解することができ、本願の化合物のプロドラッグとして用いることができる。
【0079】
本願において、「医薬組成物」とは、本願の化合物と、当分野で一般的に許容される、哺乳動物(例えば、ヒト)に生物活性化合物を送達するための媒体からなる製剤を指す。この媒体は薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0080】
本願において、「薬学的に許容される賦形剤」とは、関連した政府管理部門によって認可された、ヒト又は家畜に使用可能な任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、矯味剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、等張化剤、溶剤又は乳化剤を含むが、これに限定されない。
【0081】
本願において、「予防又は治療有効量」とは、本願の化合物が哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される時に、哺乳動物(例えば、ヒト)の疾患を効果的に予防又は治療するのに十分な本願の化合物の量を意味する。「予防又は治療有効量」となる本願の化合物の量は、使用される特定の化合物、治療される特定の症状、疾患の原因、薬剤のターゲット、疾患の重症度、投与方法及び治療される哺乳動物の年齢、体重、健康状態などに依存するが、一般的に当業者が自分の知識と本願の開示内容によって決定することができる。
【0082】
本明細書に用いられる用語である「予防」とは、疾患又は病症の発生や悪化の可能性を低下させることを含む。
【0083】
本明細書に用いられる用語である「治療」とは以下の意味を含む。
(i)哺乳動物において、特にそのような哺乳動物が疾患又は病症に罹患しやすく、まだこの疾患又は病症に罹患していると診断されていない場合、疾患又は病症の出現を予防する。
(ii)疾患又は病症を阻害し、即ちその進展を抑制する。
(iii)疾患又は病症を軽減し、即ちこの疾患又は病症の状態を減退させる。または、
(iv)当該疾患又は病症による症状を軽減する。
【0084】
本明細書に用いられる用語である「疾患」と「病症」は互換的に使用されるか、または異なる意味を持つ。
【0085】
本願において、用語「RORγ介在性疾患」とは、RORγ、或いはRORγ自身の生成又は活性レベルの変化により、或いは他のモノカイン、例えばIL−17又はIL−23(これらに限定されない)の放出を引き起こすことにより機能する任意の疾患又は他の有害な状態を意味する。
【0086】
本願において、用語「RORγモジュレーター」とは標的RORγとの相互作用があり、且つRORγ機能に影響を与える分子を意味し、このような相互作用は拮抗、作動、逆作動及び他の類似の相互作用を含むが、これに限定されない。
【0087】
本願の化合物又は薬学的に許容される塩は、1つ又は複数のキラル炭素原子を含む可能性があり、各不斉炭素原子がR又はS配置であってもよく、両方とも本発明の範囲内に入る。したがって、化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はそれらの混合物として存在してもよい。上記化合物は、ラセミ体、ジアステレオマー又はエナンチオマーを原料又は中間体として選択することができる。光学活性な異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を用いて調製するか、または、例えばキラルクロマトグラフィー又は分別晶析法といった一般的な技術を使用して分離することができる。
【0088】
個別的な異性体を調製/単離するための一般的な技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、或いは例えばキラル高速液体クロマトグラフィーを用いてラセミ体(または、その塩若しくは誘導体のラセミ体)を解析することを含み、例えばGerald Gubitz and Martin G.Schmid(Eds.),Chiral Separations,Methods and Protocols,Methods in Molecular Biology,Vol.243,2004;A.M.Stalcup,Chiral Separations,Annu.Rev.Anal.Chem.3:341−63,2010;Fumiss et al.(eds.),VOGEL’S ENCYCLOPEDIA OF PRACTICAL ORGANIC CHEMISTRY 5.sup.TH Ed.,Longman Scientific and Technical Ltd.,Essex,1991,809−816;Heller,Acc.Chem.Res.1990,23,128を参照することができる。
【0089】
本願の他の態様は1種又は複数種類の本願式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、溶媒和物又は薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0090】
本願の医薬組成物は、固体、半固体、液体又は気体の形態で製剤化することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、ペースト剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア及びエアゾールが挙げられる。
【0091】
本願の医薬組成物は、製薬分野における公知の方法により調製することができる。例えば、注射により投与しようとする医薬組成物は、本発明の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又はプロドラッグを、滅菌蒸留水と組み合わせることで調製して、液剤を形成する。界面活性剤は、均一な溶液又は懸濁液の形成を促進するために添加することができる。医薬組成物を調製する実践的な方法は、当業者にとって知られているものであり、例えばThe Science and Practice of Pharmacy(製薬科学と実践),20th Edition(Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000)を参照することができる。
【0092】
本願の医薬組成物の投与経路は、経口、局所、経皮、筋肉内、静脈内、吸入、非経口、舌下、直腸、膣及び鼻腔内を含むが、これに限定されない。例えば、経口投与に適する剤型としては、カプセル、錠剤、顆粒剤及びシロップ剤などが挙げられる。これらの製剤に含まれる本願式Iの化合物は、固体粉末又は顆粒、水性若しくは非水性液体中の溶液又は懸濁液、水中油型又は油中水型のエマルジョンなどであってもよい。これらの剤形は、活性化合物と、1種又は複数の種類の担体若しくはアジュバントを用いて一般的な薬剤学方法により製造し得る。前記担体は、活性化合物又は他のアジュバントと相容性を有する必要がある。固形製剤では、一般的な非毒性担体はマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、グルコース、スクロースなどを含むが、これに限定されない。液剤に用いられる担体は水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エチレングリコール、ポリエチレングリコールを含むが、これに限定されない。活性化合物はその担体と溶液又は懸濁液を形成することができる。具体的な投与方法や剤型は、化合物自身の物理化学的性質と適用する疾患の重症度などに依存する。当業者はが上記の要因に応じて、自身の知識と組み合わせて特定の投与経路を決定することができる。例えば、
【0093】
【表1】
【0094】
を参照することができる。
【0095】
本願の化合物又は本願の医薬組成物は1種又は複数の種類の抗炎症薬を併用又は組み合わせて使用することができる。前記抗炎症薬はNSAID、非特異及び特異的なシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、金化合物、コルチコイド、腫瘍壊死因子受容体拮抗薬、サリチル酸エステル又は塩、免疫抑制剤、メトトレキサートを含むが、これに限定されない。
【0096】
本願の医薬組成物は、医学的実践規範に従って製造、定量、投与する。本発明の化合物の「予防又は治療有効量」は治療される特定の症状、治療される個体、疾患の原因、薬剤のターゲット及び投与方法などに依存する。通常、非経口投与量は1−200mg/kgであってもよく、経口投与量は1−1000mg/kgであってもよい。
【0097】
本明細書において提供される有効な投与量範囲は、本願の範囲を限定することを意図するものではなく、好ましい投与量の範囲を表している。しかし、最も好ましい投与量を個別的な個体に応じて調整することが可能であることは、当業者が理解し、また決定することができるものである(例えばBerkowら編著,メルクマニュアル,第16版,Merck社,Rahway,N.J.,1992を参照する)。
【実施例】
【0098】
本願の化合物の調製
本願実施例の化合物は、下記の幾つかのスキームに従って製造することができる。しかしながら、下記の反応スキームは、本願の化合物の調製方法を例示的に説明するものに過ぎない。
【0099】
なお、以下の説明において、置換基の組合わせは、このような組合わせが安定な化合物を生じる場合のみ許容される。
【0100】
なお、後述する方法において、中間体化合物の官能基は適切な保護基を必要とする場合がある。このような官能基はヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基及びカルボン酸を含む。適切なヒドロキシ基の保護基はトリアルキルシリル基又はジアリールアルキルシリル基(例えば、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基又はトリメチルシリル基)、テトラヒドロピラニル基、ベンジル基などを含む。適切なアミノ基、アミジノ基、及びグアニジノ基の保護基はt−ブトキシカボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などを含む。適切なメルカプト基の保護基は−C(O)−R”(ここで、R”はアルキル基、アリール基又はアラルキル基)、p−メトキシベンジル基、トリチル基などを含む。適切なカルボキシ基の保護基はアルキル基、アリール基又はアラルキルエステル類を含む。保護基は、当業者に知られているもの及び本明細書に記載されるような標準的な技術に基づいて導入及び除去することができる。保護基の使用はGreene,T.W.とP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organi Synthesis(有機合成における保護基),(1999),4th Ed.,Wileyに詳述されている。保護基はポリマー樹脂であってもよい。
【0101】
【化11】
【0102】
ここで、Rは、置換基を有する6員芳香族環又は芳香族複素環である。mは0、1、2、3又は4であり、好ましくは0又は1であり、Xは、I、Br、Clであり、好ましくはI又はBrである。その他は前記と同義である。
【0103】
一般式Iの本願に係る化合物は、置換若しくは無置換の芳香族(複素)環縮合ピロリジン−2−オン(aryl− or heteroaryl−fused pyrrolid−2−one)を出発原料として、まず塩基性(炭酸カリウム若しくは炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又は水素化ナトリウムなど)及び金属触媒(銅又はパラジウム触媒、好ましくはヨウ化第一銅)の条件下で、式に示すハロゲン化芳香族炭化水素又はハロゲン化炭化水素(ハロゲンは、好ましくはヨウ素又は臭素である)と反応させて、N−置換の芳香族(複素)環縮合ピロール−2−オン中間体を得て、次いで塩基性(ピペリジン、トリエチルアミン、ナトリウムアルコキシドなど、好ましくはピペリジン)の反応条件下で、置換した(ヘテロ)アリールアルデヒドとの縮合反応により目的化合物を生成することにより合成される(スキーム1を参照する)。前記一般的な合成経路は、多くの実施例における一般的な方法を示すに過ぎなく、特別な置換基を有する化合物の場合、あるステップの反応で当業者に知られている変更を行なうことができる。例えば実施例1の合成において、最後にエステルの加水分解によりカルボキシル基が得られる反応があるべきである(ステップ3)。
【0104】
【化12】
【0105】
ここで、アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウムを指し、溶剤はメタノール、エタノール、テトラヒドロフランを指し、RはC1−4の炭化水素基を表し、その他の基は上記と同義である。
【0106】
前記スキーム1に用いられる出発原料1に置換基がある場合、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基などは鈴木反応により導入することができる(経路A)。
【0107】
【化13】
【0108】
ここで、RはC1−6アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を含む。
【0109】
前記スキーム1に用いられるアルデヒドR−CHOが置換されたベンズアルデヒドである場合、アルキル基、アリール基又はアラルキル基などの置換基は鈴木反応により導入することができる(経路B)。
【0110】
【化14】
【0111】
ここで、RはC1−6アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を含み、好ましくはシクロプロピル基である。
【0112】
前記スキーム1に用いられる出発原料1に置換基がCFである場合(2m)、文献(Tetrahedron Letters,43(50),9175−9178,2002;Synthesis,(1),51−53,1993)に記載の方法を参考にすることができ、以下の合成経路(経路C)により得られる。
【0113】
【化15】
【0114】
【表2】
【0115】
以下の実施例は、本願の範囲内にある化合物の調製及び生物活性の評価を例を挙げて説明する。当業者が本願をより明確に理解して実践できるように、以下の実施例及び調製は提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単にその例示及び代表的なものとされている。
【0116】
本発明において、実験で使用される出発原料は、試薬のサプライヤーから購入されるか、または既知の出発物質から当該技術分野における公知の方法により調製される。特別な説明がない限り、本明細書の実施例は、以下の条件を適用する。
【0117】
温度の単位は摂氏温度(℃)であり、室温が18〜25℃と定義されている。
【0118】
有機溶剤は無水硫酸マグネシウム又は無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥する。減圧昇温条件下で、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を乾燥するまで蒸発させる(例えば、15mmHg、30℃)。
【0119】
カラムクロマトグラフィーによる単離の場合、担体として200〜300メッシュのシリカゲルを使用する。TLCは薄層クロマトグラフィーを表す。
【0120】
通常、反応の進度はTLC又はLC−MSによりモニタリングされる。
【0121】
最終製品の同定は、NMR(Bruker AVANCE 300,300MHz)とLC−MS(Bruker esquine6000,Agilent 1200series)により行われる。
【0122】
実施例1 (トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸
【0123】
【化16】
【0124】
実施例1の化合物は(1−1)を出発原料として合成され、詳しい経路は以下の図に示すようなものである。
【0125】
【化17】
【0126】
(1)ステップ1:4−(4−メチルインドリン−2−オン)−4−ヨードサリチル酸メチル(1−2)の合成
【0127】
【化18】
【0128】
ジオキサン2mlに、4−メチル−2−インドリノン(147mg、1mmol)、4−ヨードサリチル酸メチル(306mg、1.1mmol)を溶解し、次いでヨウ化第一銅(38mg、0.2mmol)、1,10−フェナントロリン(54mg、0.3mmol)、炭酸カリウム(415mg、3mmol)を添加した。125℃のマイクロ波加熱で、120分間反応させた。室温に冷却し、20mlの酢酸エチルで希釈し、濾過し、溶媒を減圧下で留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:200〜300メッシュ、溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて分離することで、4−(4−メチルインドリン−2−オン)−ヨードサリチル酸メチル(70mg,収率23.5%)を黄色固体として得た。
【0129】
(2)ステップ2:4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(1−3)の合成
【0130】
【化19】
【0131】
メタノール(5ml)に4−(4−メチル−2−インドリノン)−ヨードサリチル酸メチル(2,70mg、0.24mmol)、2−クロロ−6−シクロプロピルベンズアルデヒド(85mg、0.48mmol)、ピペリジン(22mg、0.24mmol)を溶解し、窒素雰囲気下で2時間加熱還流した。室温に冷却し、溶媒を減圧下で留去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:200〜300メッシュ、溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により、4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(88mg,収率80%)を得た。
【0132】
(3)ステップ3:4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸(実施例1)の合成
【0133】
【化20】
【0134】
テトラヒドロフラン(10ml)に4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(1−3,88mg,0.19mmol)を溶解し、室温で水酸化リチウム(40mg)の水溶液(1ml)を添加した。室温で終夜攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、残留物を水に溶解し、1mol/Lの塩酸で系内のpH値を5に調整した。酢酸エチルで抽出し、減圧下で濃縮し、prep−HPLC分取高速液体クロマトグラフィーにより精製し、実施例1の淡黄色の粉末(45mg,収率53%)を得た。
【0135】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=446.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.91(d,J=9.0Hz,1H),7.87(s,1H),7.22−7.31(m,3H),6.95−7.03(m,4H),6.81(d,J=7.8Hz,1H),2.64(s,3H),1.89−1.99(m,1H),0.84−0.87(m,2H),0.64−0.70(m,2H)
【0136】
実施例2 ステップ1において原料3aの代わりに表1に示す原料3bを使用した以外は、前記実施例1での調製と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(2A)と(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(2B)を得た。
【0137】
(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(2A)
【0138】
【化21】
【0139】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=430.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.03(d,2H,J=8.7Hz),7.84(s,1H),7.50(d,2H,J=8.7Hz),7.22(m,3H),6.96(q,2H,J=7.8Hz),6.73(d,1H,J=7.8Hz),2.60(s,3H),1.87(m,1H),0.81(m,2H),0.62(m,2H)
【0140】
シス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(2B)
【0141】
【化22】
【0142】
関連するキャラクタリゼーションデータは次のように、ESI−MS:[M+H]=430.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.03(d,2H,J=8.7Hz),7.84(s,1H),7.50(d,2H,J=8.7Hz),7.22(m,3H),6.96(q,2H,J=7.8Hz),6.73(d,1H,J=7.8Hz),2.60(s,3H),1.87(m,1H),0.81(m,2H),0.62(m,2H)
【0143】
実施例3 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す原料1fを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−メトキシ−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0144】
【化23】
【0145】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=436.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.92(dd,J=7.5Hz,J=1.2Hz,1H),7.59(s,1H),7.35(t,J=8.1Hz,1H),7.24(t,J=7.8Hz,1H),6.96−7.11(m,5H),6.80(d,J=8.1Hz,1H)3.77(s,3H),2.59(s,3H)
【0146】
実施例4 ステップ2において原料1aの代わりに表1における原料1bを使用する以外、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ-ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0147】
【化24】
【0148】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=440.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.91(d,1H,J=8.1Hz),7.70(s,1H),7.52(d,2H,J=7.8Hz),7.36−7.42(m,1H),7.27(t,1H,J=7.8Hz),7.03(d,1H,J=7.8Hz),6.93−6.97(m,2H),6.81(d,1H,J=8.1Hz),2.61(s,3H)
【0149】
実施例5 ステップ1において原料3aの代わりに表1に示す原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す原料1bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ-ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0150】
【化25】
【0151】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=424.1
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.19(d,J=8.4Hz,2H),7.57(s,1H),7.55(d,J=8.1Hz,2H),7.36(d,J=7.8Hz,2H),7.21(t,2H),6.98(d,J=7.8Hz,1H),6.83(d,J=7.8Hz,1H),2.69(s,3H)
【0152】
実施例6 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す原料1cを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0153】
【化26】
【0154】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=474.2
H−NMR(300MHz,CDOD−d)δ:ppm 7.95(d,1H,J=8.1Hz),7.69(m,3H),7.46(m,1H),7.21(m,1H),7.00(m,1H),6.86(s,1H),6.77(d,1H,J=7.8Hz),2.59(s,3H)
【0155】
実施例7 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す原料1eを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−ブロモ−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0156】
【化27】
【0157】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=486.1
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 7.98(d,1H,J=8.4Hz),7.58(d,2H,J=5.4Hz),7.45(d,1H,J=8.1Hz),7.14−7.25(m,3H),7.00−7.08(m,2H),6.93(d,1H,J=8.1Hz),2.72(s,3H)
【0158】
実施例8 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2dを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−ブロモ−ベンジリデン)−4−メトキシインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0159】
【化28】
【0160】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=462.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.06(s,1H),7.91(d,J=9.3Hz,1H),7.21−7.36(m,3H),6.89−6.98(m,4H),6.60(d,J=7.8Hz,1H),4.02(s,3H),1.85−1.94(m,1H),0.85−0.88(m,2H),0.58−0.75(m,2H)
【0161】
実施例9 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す原料1gを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0162】
【化29】
【0163】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=424.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.55(s,1H),7.15−7.33(m,4H),7.03−7.06(m,1H),6.94(d,J=7.8Hz,1H),6.80−6.84(m,2H),6.72(d,J=7.8Hz,1H),2.60(s,3H)
【0164】
実施例10 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す原料1hを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−メチル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0165】
【化30】
【0166】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=420.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.89(d,1H,J=8.1Hz),7.77(s,1H),7.22−7.34(m,4H),6.94−7.03(m,3H),6.79(d,1H,J=7.8Hz),2.63(s,3H),2.28(s,3H)
【0167】
実施例11 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2dを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−メトキシインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0168】
【化31】
【0169】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=456.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.85−7.80(m,1H),7.55−7.30(m,5H),6.91−6.78(m,3H),6.57−6.54(m,1H),5.97−5.95(m,1H),4.01(s,3H)
【0170】
実施例12 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2eを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−シクロプロピルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0171】
【化32】
【0172】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=472.2
H−NMR(300MHz,CD3OD−d)δ:ppm 8.35(s,1H),7.98(d,1H,J=9.0Hz),7.24(m,3H),6.91−7.07(m,4H),6.81(d,1H,J=7.8Hz),2.22(m,1H),1.98(m,1H),1.13(m,2H),0.88(m,4H),0.72(m,1H),0.63(m,1H)
【0173】
実施例13 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2fを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フェニルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0174】
【化33】
【0175】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=492.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.18−8.08(m,2H),7.78−7.14(m,10H),7.02−6.87(m,4H),1.54−1.50(m,1H),1.29−1.17(m,2H),0.85−0.75(m,2H)
【0176】
実施例14 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2cを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−クロロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0177】
【化34】
【0178】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=466.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.46−7.94(m,1H),7.79−7.76(m,1H),7.35−7.19(m,4H),7.10−6.79(m,2H),6.76−6.60(m,2H),1.71−1.69(m,1H),1.29−1.23(m,2H),0.88−0.83(m,2H)
【0179】
実施例15 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(15A)と(シス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(15B)を得た。
【0180】
(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(15A)
【0181】
【化35】
【0182】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=427.8
H−NMR(CDCl)δ:ppm 8.21(d,J=8.4Hz,2H),7.78(d,J=1.5Hz,1H),7.57(d,J=8.7Hz,2H),7.39〜7.35(m,2H),7.31〜7.20(m,2H),6.93〜6.87(m,1H),6.78(d,J=7.8Hz,1H)
【0183】
(シス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(15B)
【0184】
【化36】
【0185】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=427.8
H−NMR(CDCl)δ:ppm 8.30(d,J=8.4Hz,2H),7.90(s,1H),7.65(d,J=8.7Hz,2H),7.42〜7.38(m,2H),7.32〜7.29(m,1H),7.25〜7.19(m,1H),7.75〜6.65(m,2H)
【0186】
実施例16 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(16A)と(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(16B)を得た。
【0187】
(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−ヒドロキシ安息香酸(16A)
【0188】
【化37】
【0189】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=433.9
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.20(d,2H,J=8.7Hz),8.04(s,1H),7.56(d,2H,J=8.4Hz),7.27(m,2H),7.19(m,1H),6.90(m,2H),6.79(d,1H,J=7.8Hz),1.92(m,1H),0.88(m,3H),0.61(m,1H)
【0190】
(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(16B)
【0191】
【化38】
【0192】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]+=433.9
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.20(d,2H,J=8.7Hz),8.04(s,1H),7.56(d,2H,J=8.4Hz),7.27(m,2H),7.20(d,1H,J=8.1Hz),6.90(m,2H),6.89(d,1H,J=7.8Hz),1.92(m,1H),0.83(m,3H),0.59(m,1H)
【0193】
実施例17 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1gを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(17A)と(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(17B)を得た。
【0194】
(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(17A)
【0195】
【化39】
【0196】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=411.9
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.30(d,2H,J=8.4Hz),7.88(s,1H),7.62(d,2H,J=8.7Hz),7.21−7.37(m,3H),7.09(t,1H,J=8.7Hz),6.73(d,2H,J=8.1Hz)
【0197】
(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(17B)
【0198】
【化40】
【0199】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=411.9
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.22(d,2H,J=8.4Hz),7.76(s,1H),7.56(d,2H,J=8.4Hz),7.22−7.31(m,3H),7.05(t,1H,J=8.7Hz),6.88(t,1H,J=9.0Hz),6.75(d,1H,J=7.8Hz)
【0200】
実施例18 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1dを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジフルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(18A)と(シス)−4−(3−(2,6−ジフルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(18B)を得た。
【0201】
(トランス)−4−(3−(2,6−ジフルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(18A)
【0202】
【化41】
【0203】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=396.1
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.15−8.08(m,2H),7.68−7.66(m,2H),7.60−7.39(m,3H),7.27−6.87(m,3H),6.78−6.73(m,1H)
【0204】
(シス)−4−(3−(2,6−ジフルオロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(18B)
【0205】
【化42】
【0206】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]+=396.1
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.15−8.08(m,2H),7.69−7.57(m,4H),7.41−6.88(m,4H),6.78−6.73(m,1H)
【0207】
実施例19 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1cを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(19A)と(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(19B)を得た。
【0208】
(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(19A)
【0209】
【化43】
【0210】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=462.1
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 13.11(brs,1H),8.16−8.13(d,2H),7.90−7.79(m,3H),7.64−7.58(t,1H),7.55−7.52(d,1H),7.45−7.40(m,1H),7.13−7.07(t,1H),6.83−6.80(d,1H)
【0211】
(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(19B)
【0212】
【化44】
【0213】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=462.1
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 13.14(brs,1H),8.15−8.13(d,2H),7.93−7.84(m,3H),7.72−7.65(m,3H),7.40−7.33(m,1H),6.83−6.73(m,2H)
【0214】
実施例20 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1iを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−n−プロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(20A)と(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−n−プロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(20B)を得た。
【0215】
(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−n−プロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(20A)
【0216】
【化45】
【0217】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=436.2
H−NMR(CDCl)δ:ppm 8.31(d,J=8.4Hz,2H),8.02(s,1H),7.67(d,J=8.7Hz,2H),7.32〜7.27(m,2H),7.23〜7.15(m,2H),6.74(d,J=7.8Hz,1H),6.68〜6.62(m,1H),2.60(t,2H),1.58(m,2H),0.89(t,3H)
【0218】
(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−n−プロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸(20B)
【0219】
【化46】
【0220】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=436.2
H−NMR(CDCl)δ:ppm 8.20(d,J=8.4Hz,2H),7.94(s,1H),7.56(d,J=9.0Hz,2H),7.30〜7.27(m,2H),7.25〜7.17(m,2H),6.93〜6.88(m,1H),6.79(d,J=7.8Hz,1H),2.63(t,2H),1.60(m,2H),0.91(t,3H)
【0221】
実施例21 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(21A)と(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(21B)を得た。
【0222】
(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(21A)
【0223】
【化47】
【0224】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=450.2
H−NMR(300MHz,CDOD−d)δ:ppm 8.02(m,2H),7.35(m,1H),7.24(m,3H),6.95(m,3H),6.82(d,1H,J=8.1Hz),1.92(m,1H),0.91(m,2H),0.74(m,1H),0.65(m,1H)
【0225】
(シス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(21B)
【0226】
【化48】
【0227】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=450.2
H−NMR(300MHz,CDOD−d)δ:ppm 8.04(d,1H,J=8.4Hz),8.02(s,1H),7.27(m,3H),7.01−7.19(m,3H),6.93(m,1H),6.76(d,1H,J=7.8Hz),6.69(s,1H),1.83(m,1H),0.90(m,2H),0.67(m,2H)
【0228】
実施例22 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(22A)と(シス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(22B)を得た。
【0229】
(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(22A)
【0230】
【化49】
【0231】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=444.1
H−NMR(300MHz,CDOD−d)δ:ppm 8.07(d,1H,J=8.4Hz),7.80(s,1H),7.48(m,2H),7.29−7.41(m,2H),7.10(s,1H),7.05(d,1H,J=8.4Hz),6.69−6.80(m,2H)
【0232】
(シス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−フルオロ−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ−安息香酸(22B)
【0233】
【化50】
【0234】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=444.1
H−NMR(300MHz,CDOD−d)δ:ppm 8.01(d,1H,J=8.4Hz),7.76(s,1H),7.44(m,2H),7.35(m,2H),6.97(m,3H),6.82(d,1H,J=7.8Hz)
【0235】
実施例23 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2cを使用し、原料3aの代わりに原料3bを使用し、ステップ2において原料1aの代わりに原料1bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−クロロ−インドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0236】
【化51】
【0237】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=446.1
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 12.99(brs,1H),8.31−7.78(m,3H),7.70−7.52(m,4H),7.43−7.26(m,3H),6.91−6.81(m,1H)
【0238】
実施例24 ステップ1において原料3aの代わりに表1に示す原料3cを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−クロロ-安息香酸を得た。
【0239】
【化52】
【0240】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=464.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.01−7.79(m,2H),7.64−7.62(m,1H),7.54−7.49(m,1H),7.35−7.22(m,3H),7.05−6.93(m,2H),6.86−6.71(m,1H),1.76−1.71(m,1H),1.26(s,3H),0.87−0.83(m,2H),0.71−0.63(m,2H)
【0241】
実施例25 ステップ1において原料3aの代わりに表1に示す原料3dを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−フルオロ-安息香酸を得た。
【0242】
【化53】
【0243】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=448.9
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 8.03(t,1H,J=8.1Hz),7.89(s,1H),7.38−7.46(m,2H),7.22−7.36(m,3H),7.01(dd,2H,J=7.5,18.3Hz),6.86(d,1H,J=7.8Hz),2.64(s,3H),0.83−0.87(m,3H),0.63−0.70(m,2H)
【0244】
実施例26 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2gを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−ブロモ−ベンジリデン)−4−トリフルオロメチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0245】
【化54】
【0246】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=500.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 11.71(brs,1H),7.98(S,1H),7.90−7.82(m,1H),7.57−7.48(m,2H),7.35−7.25(m,2H),7.19−7.10(m,1H),7.03−6.73(m,3H),5.36(s,1H),1.78−1.73(m,1H),1.49−1.46(m,2H),0.83−0.86(m,2H)
【0247】
実施例27 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2hを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−ブロモ−ベンジリデン)−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0248】
【化55】
【0249】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=432.0
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 7.98−8.09(m,2H),7.31−7.37(m,2H),7.10−7.24(m,3H),6.89−6.99(m,3H),6.82−6.84(m,1H),1.89−2.00(m,1H),0.85−0.94(m,3H),0.64−0.76(m,1H)
【0250】
実施例28 (トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−ブロモ−ベンジリデン)−インドリン−2−オン−1−イル)−2−ピバロイロキシ安息香酸
【0251】
【化56】
【0252】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=530.1
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.18(d,2H,J=8.4Hz),7.81(s,1H),7.43(dd,1H,J=8.7Hz,J=1.8Hz),7.16−7.28(m,5H),6.90−7.00(m,3H),2.69(s,3H),1.90−1.95(m,1H),1.35(s,9H),0.80−0.90(m,3H),0.52−0.60(m,1H)
【0253】
実施例29 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1hを使用し、ステップ3において原料3aの代わりに3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−メチル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0254】
【化57】
【0255】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=404.2
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.19(d,J=8.4Hz,2H),7.72(s,1H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.27〜7.15(m,4H),6.98(d,J=7.8Hz,1H),6.84(d,J=7.5Hz,1H),2.69(s,3H),2.34(s,3H)
【0256】
実施例30 ステップ1において原料2aの代わりに表1に示す出発原料2dを使用し、ステップ3において原料3aの代わりに3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−メチル−ベンジリデン)−4−メトキシインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0257】
【化58】
【0258】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=446.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 13.06(brs,1H),8.08−8.06(m,3H),7.55−7.52(d,2H),7.35−7.21(m,3H),6.94−6.90(s,2H),6.58−6.55(d,1H),4.02(s,3H),1.93−1.87(m,1H),0.90−0.84(m,2H),0.73−0.67(m,1H),0.64−0.58(m,1H)
【0259】
実施例31 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1bを使用し、ステップ3において原料3aの代わりに3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2,6−ジクロロ−ベンジリデン)−4−メトキシインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0260】
【化59】
【0261】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=440.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 12.99(s,1H),8.11(m,2H),7.84(s,1H),7.69−7.51(m,4H),7.33(m,2H),6.93(d,J=8.4Hz,1H),6.56(d,J=7.8Hz,1H),4.03(s,3H)
【0262】
実施例32 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1fを使用し、ステップ3において原料3aの代わりに3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−メトキシ−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0263】
【化60】
【0264】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=420.2
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 8.18(d,J=8.4Hz,2H),8.61(s,1H),7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.24〜7.14(m,2H),7.05(d,J=7.5Hz,1H),6.96(d,J=7.8Hz,1H),6.85〜6.79(m,2H),3.81(s,3H),2.68(s,3H)
【0265】
実施例33 ステップ3において原料3aの代わりに3eを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−メトキシ−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−アミノ安息香酸を得た。
【0266】
【化61】
【0267】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=445.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.85−7.78(m,2H),7.31−7.21(m,3H),7.01−6.96(m,2H),6.79−6.77(m,2H),6.52−6.48(m,1H),2.63(s,3H),1.95−1.89(m,1H),0.87−0.83(m,2H),0.69−0.63(m,2H)
【0268】
実施例34 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1jを使用し、ステップ3において原料3aの代わりに3bを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロブチル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−安息香酸を得た。
【0269】
【化62】
【0270】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=444.2
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 12.94(brs,1H),8.08−8.05(d,2H),7.77(s,1H),7.54−7.51(d,2H),7.34−7.22(m,4H),7.04−7.02(d,1H),6.79−6.76(d,1H),3.65−3.57(m,1H),2.62(s,3H),2.22−1.99(m,4H),1.92−1.70(m,2H)
【0271】
実施例35 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1jを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−シクロブチル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0272】
【化63】
【0273】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=460.3
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ:ppm 7.91−7.89(d,1H),7.76(s,1H),7.32−7.23(m,4H),7.04−6.93(m,3H),6.82−6.80(d,1H),3.62−3.59(m,1H),2.62(s,3H),2.21−1.99(m,4H),1.92−1.70(m,2H)
【0274】
実施例36 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1kを使用した以外、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−イソプロピル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0275】
【化64】
【0276】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=448.3
H−NMR(300MHz,CDCl)δ:ppm 7.96(d,1H,J=8.4Hz),7.75(s,1H),7.16−7.31(m,4H),7.09(s,1H),7.00(d,2H,J=8.4Hz),6.91(d,1H,J=8.4Hz),3.29(m 2H),2.61(s,3H),1.15(t,J=7.5Hz,3H)
【0277】
実施例37 ステップ2において原料1aの代わりに表1に示す出発原料1lを使用した以外は、前記実施例1と類似した方法に従って、本実施例の化合物を調製することができ、(トランス)−4−(3−(2−クロロ−6−エチル−ベンジリデン)−4−メチルインドリン−2−オン−1−イル)−2−ヒドロキシ安息香酸を得た。
【0278】
【化65】
【0279】
関連するキャラクタリゼーションデータは次の通りである。ESI−MS:[M+H]=434.3
H−NMR(300MHz,CD3OD)δ:ppm 7.99(d,1H,J=8.4Hz),7.81(s,1H),7.19−7.27(m,4H),6.99(d,1H,J=8.4Hz),6.89−6.94(m,2H),6.78(d,1H,J=7.8Hz),2.69(s,3H),2.02(s,3H)。
【0280】
本発明の化合物の生体活性試験
1.インビトロにおける生体活性の選別:TR−FRETによる選別
本発明の化合物は、核内受容体RORγの生体活性を調節(阻害)することができ、この調節(阻害)作用の強さがTR−FRET(時間分解−蛍光共鳴エネルギー転移,Time−Resolved Fluorescence Resonance Energy Transfer)選別システムにより評価することができる。核内受容体コファクター(コアクチベーターとコリプレッサー)は核内受容体との相互作用により、標的遺伝子の転写を調節することができる。リガンド(被験化合物)が核内受容体とコファクターとの相互作用に影響を与えると、このようなリガンド(被験化合物)は対応する遺伝子の転写を調節することができる。
【0281】
本方法は、Life Technologies社製のLanthaScreen TR−FRET(時間分解−蛍光共鳴エネルギー転移)技術を採用して、化合物のRORγとそのコアクチベーターとの相互作用への調節能力(作動若しくは逆作動)を測定する。テルビウム(Tb)標識抗GST抗体(Life Technologies#PV3550)はRORγ−LBD(Life Technologies#PV5887)におけるGSTタグに結合することにより、RORγ−LBDを非直接に標識する。リガンドが存在しない場合、RORγは蛍光標識コアクチベーターと継続的に結合することができる。作動薬はRORγと結合すると、RORγと蛍光標識コアクチベーターの相互作用を増強することができる。逆作動薬はRORγと結合すると、RORγと蛍光標識コアクチベーターの相互作用を抑制することができる。蛍光標識コアクチベーターとテルビウム標識抗GST抗体−RORγ−LBD複合体とが互いに一定の距離まで近接すると、エネルギー転移が発生し、TR−FRETシグナルが生成する。本方法に用いるコアクチベーターはD22(Life Technologies#PV4386)などに限定されない。
【0282】
(1)本方法による反応系における最終濃度及び反応条件を下記表に示す。(表2)
【0283】
【表3】
【0284】
(2)試験方法
Complete TR−FRET Coregulator Buffer D(以下、単に「コンプリートバッファ(complete buffer)D」と称する)の調製:TR−FRET Coregulator Buffer D(Life Technologies#PV4420)にDTTの最終濃度が5mMになるようにDTT(Life Technologies#P2325)を加えた。
【0285】
コンプリートバッファDを使用して2X フルオレセイン−D22(0.3μm,その他のコアクチベーターペプチドを使用する場合は表2を参照する。)と2X Tb標識抗GST抗体(4nM)の混合液を調製し、10μL/ウェルで384ウェルプレート(Corning 3376)に加えた。
【0286】
DMSOを使用して、終濃度100Xで、段階希釈された被験化合物を調製し、次いでコンプリートバッファDを使用して被験化合物を4X(DMSO含有量4%)まで希釈し、5μL/ウェルで上記の384ウェルプレートに加え、均一に混合した。陽性対照ウェルに4%DMSO含有コンプリートバッファD(被験化合物なし)を5μL/ウェルで加えた。
【0287】
コンプリートバッファDを使用して4X RORγ−LBD(8nM)を調製し、5μL/ウェルで上記の384ウェルプレートに加え、均一に混合した。陰性対照ウェルにコンプリートバッファDを5μL/ウェルで加えた(RORγ−LBDなし)。384ウェルプレートを恒温振とう器に置き、23℃、遮光で4〜5時間インキュベーションした。
【0288】
Tecan M1000Pro(Tecan製)を使用して、蛍光強度を測定した。(1)励起波長:332/20nm、発光波長:490/10nm、ゲイン値:最適化、フラッシュ:モード2(100Hz)、遅延時間100μs、蓄積時間200μs;(2)励起波長:332/20nm、発光波長:520/20nm、ゲイン値:最適化、フラッシュ:モード2(100Hz)、遅延時間100μs、蓄積時間200μs
【0289】
(3)データ解析
プログラムGraphPad Prismを使用して、TR−FRETの比率であるF520/F490−化合物濃度の対数曲線をプロットし、IC50の値を算出した。この数値が小さいほど、化合物の受容体RORγに対する調節(阻害)作用が強くなることを示す。
【0290】
本発明の化合物のRORγに対する作用に関するIC50値は下記表に示す。(表3)
【0291】
【表4】
【0292】
2.細胞実験:Th17細胞分化阻害実験
5μg/mLのマウスCD3抗体(BDから購入)で96ウェルプレート(37℃、2−6時間)をコートして準備した。CD4+T cell isolation kitII(MACSから購入)でC57マウスリンパ節の初期CD4陽性T細胞を分離し、コート済みの96ウェルプレートに5×10cell/ウェル/100μLで接種した。被験サンプルをRMPI−1640培地(Gibco、22440)を用いて段階希釈し、最終濃度(1μMから、10倍希釈して6つの薬物濃度を設定する)の4倍とした。細胞が接種される実験ウェルに、希釈済みの被験サンプルを1ウェルあたり50μLずつ加えた。陽性対照ウェル及び陰性対照ウェルに、それぞれ、RMPI−1640培地を50μLずつ加えた。実験ウェルと陽性対照ウェルのそれぞれに、さらに、4倍の最終濃度の刺激剤混合液(マウスのCD28に対する抗体(BDから購入)20μg/mL、マウスのIL−4に対する抗体(BDから購入)40μg/mL、マウスのIFNγに対する抗体(BDから購入)40μg/mL、マウスのTGF−β1に対する抗体(R&Dから購入)4ng/mL、マウスのIL−6に対する抗体(R&Dから購入)200ng/mL、マウスのIL−23に対する抗体(R&Dから購入)20ng/mL)を50μLずつ加え、陰性対照ウェルにはRMPI−1640培地を50μL加えた。添加済の96ウェルプレートを37℃、5%COのインキュベーターで66時間インキュベーションした後、さらに各ウェルにPMA(Sigmaから購入、作用濃度50ng/mL)とIonomycin(Sigmaから購入、作用濃度1μg/mL)との混合液を50μL加えて、引き続き37℃で6時間インキュベーションした。インキュベーション終了後、細胞培養上澄み液を採取し、マウスIL−17A ELISAキット(達科為社
【0293】
【表5】
【0294】
から購入)を用いて上澄みのIL−17A含有量を測定し、阻害率及びIC50を算出した。具体的な操作方法はキットの説明(以下のとおり)を参照した。
【0295】
(1)実験ウェル(ブランク及び標準物)の数により必要なプレートの数を決定する。20分前倒しして、Washing buffer(50×)と調製すみ溶液(Ready−to−use solution)をキットから取り出し、室温まで戻す。
(2)サンプルの添加:希釈されたCytokine standardを標準物ウェルに100μL/ウェルで加え、サンプルをサンプルウェルに100μL/ウェルで加える。ブランクウェルを設け、サンプルと標準物の代わりに、Dilution buffer R(1×)を使用する。
(3)検出抗体の添加:希釈されたBiotinylated antibodyを50μL/ウェルで加える。均一に混合した後、プレートシーラーでカバーし、37℃で90分間インキュベーションする。
(4)プレートの洗浄:ウェル内の液体を傾瀉除去し、1×washing bufferを300μL/ウェルで加える。1分間を置いてから、ウェル内の液体を捨てる。4回繰り返して、毎回ろ紙上に乾燥まで傾瀉する。
(5)酵素の添加:希釈されたStreptavidin−HRPを100μL/ウェルで加える。プレートシーラーでカバーし、37℃、30分間インキュベーションする。
(6)プレートの洗浄:工程5を繰り返す。
(7)発色:TMBを100μL/ウェルで加え、37℃、遮光で5−30分間インキュベーションし、ウェル内の色の深さ(濃い青)によって反応停止を判断する。通常、10−20分間発色させると良い効果が得られる。
(8)反応停止:Stop solutionを100μL/ウェルで速やかに加えて、反応を停止させる。
プレートの読み取り:停止から10分間以内に、検出波長(measurement wavelength)である450nmで読み取る。
【0296】
本発明の一部の化合物のTh17細胞分化に対する阻害活性(阻害率)は下記表のとおりである。(表4)
【0297】
【表6】
【0298】
3.ラット抗関節炎モデルCIAインビボ活性実験
被験動物:Wistarラット、メス、1匹あたりの体重は180−220gの範囲にある。
【0299】
実験方法:(1)ウシタイプIIコラーゲン(CII、2mg/ml、Chondrex、20022)と不完全フロイントアジュバント(IFA、sigma−aldrich)とを1:1で同体積混合させ、氷浴条件で両者を十分乳化させて乳剤を形成し、CIIの最終濃度を1mg/mlとした。(2)乳剤200μlを各ラットの尾根部に皮内注射して、初回免疫を行った。初回免疫を行ってから7日目に、100μlの乳剤を各ラットの尾根部に皮内注射して、追加免疫を行った。(3)投与:初回免疫を行ってから12日目から、強制経口投与により被験薬物(本発明の実施例1の化合物と実施例2の化合物2A)をラット体内に投与し、毎日2回で投与した。投与した後、ラット四肢の関節炎の重篤度を観察し、2日毎に1回記録した。溶媒はジメチルスルホキシド/Tween 80/PEG400/脱イオン水=1/5/20/74である。
【0300】
スコア基準:5段階評価法により全身症状の重篤度を評価し、四肢の症状の重篤度によって加算方式で採点し、関節炎指数(severity score)を算出した。基準は以下のとおりである:0点=赤腫なし;1点=足関節又は足根関節に赤腫あり;2点=足関節から足根関節まで、腫脹あり;3点=足関節至中足骨関節まで、腫脹あり;4点、足関節を含む足、関節全体に腫脹である。
【0301】
結論:ラット抗関節炎CIAモデルにおける本発明の化合物と溶媒のインビボ活性は図1に示す。関節炎指数(severity score)の値が低いほど、病症に対する治療と緩和の作用が強くなり、化合物のインビボ活性が良くなると示す。
【0302】
上記発明は、説明と理解のため、例示的な説明及び実施例により詳しく説明される。当業者には明らかなように、添付の請求の範囲内で変更及び改善することができる。そのため、上記の記載は例示的であって限定するものではないと理解されるべきである。従って、本発明の範囲は添付の請求項及び請求項の同等態様を含むすべての範囲を含む。

図1