【実施例】
【0027】
図1は、外装1と、アームバンドと、前記外装に取り付けられたボタンと、表示画面2と、制御回路とを有する虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器を示す。外装1は、左右両側のアームバンドと、それぞれ接続するための2つのアームバンドプラグホール3とを備える。
【0028】
図2に示すように、ガス進路構造4は、外装1内に備えられる。前記ガス進路構造4は、左ガスポンプ41、右ガスポンプ42、左電磁弁44、右電磁弁45、および開放弁48にそれぞれ接続される5進路装置43を有する。左電磁弁44は、左圧力センサー491を挟んで、左アームバンドホルダー46に接続される。右電磁弁45は、右圧力センサー492を挟んで、右アームバンドホルダー47に接続される。左アームバンドホルダー46と右アームバンドホルダー47とは、それぞれ、外装1の両側に各々設けられたアームバンドプラグホール3に接続される。
【0029】
前記ガス進路構造は、短時間で、アームバンドエアバッグの圧力を、迅速に所定の圧力値にできる。先行技術に記載の既知の虚血プレコンディショニング治療機器は、そのほとんどが血圧計の改良により得られ、血圧測定の精度を得るために、ガスポンプの動力に一定の制限を設けるものもあり、その結果、プレコンディショニングトレーニング機能を有するにもかかわらず、有効なプレコンディショニングトレーニング効果を得られないものがある。
【0030】
図3に示すように、前記制御回路は、マイクロプロセッサと、A/D変換チップと、時計/カレンダーチップと、メモリーチップと、電源供給回路とを有する。前記マイクロプロセッサは、さらに、GPRSモジュールに接続される。
【0031】
具体的に、前記GPRSモジュールは、GPRS送受信チップと、SIMカードスロットと、電力増幅チップと、アンテナとを有する。前記GPRS送受信チップは、RxDポートとTxDポートとを備え、前記RxDポートおよび前記TxDポートを介して前記マイクロプロセッサに接続される。前記GPRS送受信チップは、それぞれ、前記SIMカードスロットおよび前記電力増幅チップにも接続される。前記電力増幅チップは、前記アンテナに接続される。
【0032】
前記GPRS送受信チップは、前記RxDポートと前記TxDポートを備える。前記GPRS送受信チップは、前記RxDポートおよび前記TxDポートを介して前記マイクロプロセッサのシリアル通信インターフェースに接続され、前記メモリーチップからデータを読み取り、トレーニングまたは血圧測定が完了する度に、前記データをバックグラウンドサーバーに返送する。前記送受信データの損失を避けるため、前記データ信号は、まず前記電力増幅回路によって増幅されてから送信され、前記アンテナ装置を介して受信される、そして、最後のシャットダウン前のデータは、前記送受信データの比較認証を行うために、起動の度に繰り返し送信される。
【0033】
前記統合GPRSモジュールは、前記測定データ、前記トレーニングデータおよび前記故障データを、無線でサーバーデータベースにリアルタイム転送できる。トレーニングにおける長時間の持続性に左右され、長時間のデータ収集に依拠する、プレコンディショニングトレーニングの臨床効果として、前記GPRSモジュールは、データ損失または無効の確率を低減することにより、虚血プレコンディショニングトレーニングの有効性および成功率を向上させる。さらに、医師が、GPRSモジュールを用いて患者に情報を送り、前記患者に、より良いトレーニングおよび治療を指導することもできる。
【0034】
血管の健康状態を判断するために、前記虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器を使用する。
【0035】
前記虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器を用いて血管の健康状態を判断する方法は、
(1)2つのアームバンドを、それぞれ、使用者の左右の腕に着用させ、前記2つのアームバンドのプラグホールを、それぞれ、左アームバンドホルダー46および右アームバンドホルダー47に接続する工程と、
(2)まず第1に、前記左腕に加圧して第1の血圧測定を開始し、前記左腕から測定した収縮期圧、拡張期圧および脈を、オシログラフィの原理に従って計算し、前記測定の完了後、前記第1の測定の結果を自動的に記憶して保存する工程であって、
前記測定中の会話、動作、および前記アームバンドの異常は、異常な測定結果を招き、前記異常なデータは記憶されず、正確な測定結果が得られるまで、前記測定を再開することになる
前記虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器を始動する工程と、
(3)前記右腕の第1の血圧測定を自動的に行い、前記
右腕から測定した収縮期圧、拡張期圧および脈を計算し、前記測定の完了後、前記第1の測定の結果を自動的に記憶して保存する工程と、
(4)有効な測定を三回繰り返した後、前記両腕間の前記収縮期圧の平均値の差分値と前記拡張期圧の平均値の差分値とを、画面に表示する工程と、
(5)前記工程(4)で測定した前記差分値に従って、血管の健康状態を判断する工程と
を有する。
【0036】
研究データによると、健常人の両腕間の収縮期圧の差分値および拡張期圧の差分値は、どちらも10mmHg未満であると一般的に考えられている。上腕間血圧差異(IAD)が10mmHgに達する場合、その使用者は末梢血管疾患があるかもしれない。
【0037】
前記内容を考慮すると、本発明は、虚血プレコンディショニングトレーニングの臨床要件を満たす、左右の腕の別々の虚血プレコンディショニングトレーニングと両腕同時の虚血プレコンディショニングトレーニングとの任意スイッチングができるだけでなく、血管の健康状態を判断する機能も有する。
【0038】
前記虚血プレコンディショニング治療機器を用いて血圧測定を行う方法は、以下の方法を有する。
【0039】
(1)左腕の血圧を測定する場合、まず第1に、左腕にアームバンドを着用し、左ガスポンプ41が空気の注入を開始し、左電磁弁44を開いて左アームエアバッグに空気を注入すると同時に、右電磁弁45で前記右アームバンドガス進路を閉じ、使用者の血圧を、オシログラフィ法に従ってリアルタイムで測定する際は、開放弁48によってガスを均一に排出し、左圧力センサー491によって、前記アームバンドにおける前記ガスの圧力振動波をリアルタイム検出し、前記圧力振動波を電気信号に変換してフィルターにかけ、前記制御回路によって、収縮期圧、拡張期圧および脈を計算し、前記測定が完了した後、開放弁48を開いて前記ガスを排出することによって、前記左腕の血圧測定を完了する。
【0040】
(2)右腕の血圧を測定する場合、
右ガスポンプ42が空気の注入を開始し、右電磁弁45を開いて右アームエアバッグに空気を注入すると同時に、左電磁弁44で前記左アームバンドガス進路を閉じ、使用者の血圧をオシログラフィ法に従ってリアルタイム測定する際は、開放弁48によって前記ガスを均一に排出し、右圧力センサー492によって、前記アームバンドにおける前記ガスの圧力振動波をリアルタイム検出し、前記圧力振動波を電気信号に変換してフィルターにかけ、前記制御回路によって、収縮期圧、拡張期圧および脈を計算し、前記測定が完了した後、開放弁48を開いてガスを排出することによって、前記右腕の血圧測定を完了する。
【0041】
虚血プレコンディショニングトレーニングのメカニズムは、心血管・脳血管疾患の予防および治療、高山病の緩和、記憶の促進、および睡眠の質の改善のために、間隔をおいて患者の上肢の血流を繰り返し塞ぐことにより、体組織細胞の能力を刺激して、虚血に抵抗/許容させ、体、臓器または組織の能力を駆使して酸素欠乏状態を切り抜けて機能させることにある。具体的に、前記虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器によってプレコンディショニングトレーニングを行う方法は、以下の工程を含む。
【0042】
(1)左腕をプレコンディショニングトレーニングに供する場合、左ガスポンプ41および右ガスポンプ42を同時に始動し、右電磁弁45を閉じて前記右アームガス進路を塞ぎ、開放弁48を閉じ、左電磁弁44を開いて、前記左腕のアームバンドエアバッグに迅速に空気を注入して加圧し、左圧力センサー491によって、圧力信号をリアルタイム検出し、前記圧力信号を前記制御回路にフィードバックし、前記アームバンドにおける前記圧力が所定の圧力値に達した後、前記制御回路によって左ガスポンプ41および右ガスポンプ42を同時に閉じる。
【0043】
前記空気注入の過程において、前記制御回路は、前記所定の圧力に達するのに要する時間を計算する。前記虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器の空気注入時間が、前記所定の圧力に達するのに要する時間を超える場合、開放弁48が自動的にガスを排出して圧力をゼロにする間、左ガスポンプ41および右ガスポンプ42は空気の注入を停止し、その後、前記ガスポンプは空気の注入を再開する。トレーニングの間、前記エアバッグ内の圧力が虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器の下限値まで低下すると、前記制御回路は、左ガスポンプ41を始動してガス圧力を補う。左圧力センサー491は、適応調整するために、全トレーニング過程における前記ガス進路の圧力変化を監視し、前記制御回路に遅延なくフィードバックを行う。前記制御回路は、所定のプログラムに応じて、加圧時間、解放時間およびトレーニング時間を制御する。
【0044】
(2)右腕をプレコンディショニングトレーニングに供する場合、左ガスポンプ41および右ガスポンプ42を同時に始動し、左電磁弁44を閉じて前記左アームガス進路を塞ぎ、開放弁48を閉じ、右電磁弁45を開いて、前記右腕のアームバンドエアバッグに迅速に空気を注入して加圧し、右圧力センサー492によって、圧力信号をリアルタイム検出し、前記圧力信号を前記制御回路にフィードバックし、前記アームバンドにおける前記圧力が所定の圧力値に達した後、前記制御回路によって左ガスポンプ41および右ガスポンプ42を同時に閉じる。
【0045】
前記空気注入の過程において、前記制御回路は、前記所定の圧力に達するのに要する時間を計算する。前記虚血プレコンディショニング治療機器の空気注入時間が、前記所定の圧力に達するのに要する時間を超える場合、開放弁48が自動的にガスを排出して圧力をゼロにする間、左ガスポンプ41および右ガスポンプ42は空気の注入を停止し、その後、前記ガスポンプは空気の注入を再開する。トレーニングの間、前記エアバッグ内の圧力が虚血プレコンディショニングトレーニング治療機器の下限値まで低下すると、前記制御回路は左ガスポンプ41を始動してガス圧力を補う。右圧力センサー492は、適応調整するために、全トレーニング過程における前記ガス進路の圧力変化を監視し、前記制御回路に遅延なくフィードバックを行う。前記制御回路は、所定のプログラムに応じて、加圧時間、解放時間およびトレーニング時間を制御する。
【0046】
(3)両腕を同時にプレコンディショニングトレーニングに供する場合、左ガスポンプ41および右ガスポンプ42を同時に始動し、左電磁弁44および右電磁弁45を同時に開き、開放弁48を閉じ、前記ガス進路を閉じる。両腕の前記アームバンドエアバッグに迅速に空気を注入して加圧し、前記アームバンドにおける前記圧力が所定の圧力値に達すると、前記制御回路によって左ガスポンプ41および右ガスポンプ42を同時に閉じる。一定の圧力を3〜5分間保った後、前記アームバンドエアバッグは前記ガスを自動的に排出して3〜5分間休憩し、その後、再び空気を注入して加圧される。前記操作を5回繰り返し、プレコンディショニングトレーニングを完了する。
【0047】
前述は、本発明の好ましい実施形態にすぎない。なお、当業者は、本発明の原理から逸脱することなく、様々な改良および改変を行うことができ、それらの改良および改変も本発明の保護の範囲内にあると考えられる。