特許第6449536号(P6449536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 楊 泰和の特許一覧

<>
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000002
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000003
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000004
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000005
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000006
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000007
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000008
  • 特許6449536-2方向入力・定方向出力のギアセット 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6449536
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】2方向入力・定方向出力のギアセット
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/10 20060101AFI20181220BHJP
   F16H 3/48 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
   F16H3/10
   F16H3/48
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-249149(P2013-249149)
(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公開番号】特開2014-114956(P2014-114956A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】13/706,567
(32)【優先日】2012年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599075531
【氏名又は名称】楊 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】楊 泰和
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3189540(JP,U)
【文献】 特開2011−158093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/10
F16H 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力、エンジン、電動モータ、または流体モータにより駆動される動力システムへ適用される2方向入力・定方向出力のギアセットであって、
第一駆動回転方向入力ギアセットと第一駆動回転方向および第二駆動回転方向に回転可能な入力軸との間、第一駆動回転方向出力ギアセットと一方向に回転可能な出力軸との間、及び前記出力軸と前記入力軸との間に設けられる一方向性伝動装置を備え、
第二駆動回転方向により駆動すると同時に、第一駆動回転方向の伝動ユニットを引き動かすことによって、減衰追従を避け
遊星ギアセットによって構成され、前記入力軸と前記出力軸とは同軸に設けられ、
前記入力軸(2000)の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル(500)に貫設され、
前記入力軸(2000)の他端は、第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)を貫通し、
前記出力軸(3000)と前記伝動ギアセットのシェル(500)との間には、軸受けが設けられ、
前記伝動ギアセットのシェル(500)は、相対的に静止している構造体である本体(600)に結合し、逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品が設置され、
前記入力軸(2000)と太陽歯車(202)との間には、第3の一方向性伝動装置(303)が設置され、
外環状輪(204)と前記太陽歯車(202)との間には、遊星歯車(203)が設けられ、
前記遊星歯車(203)の中心は、遊星歯車軸(201)とともに回転し、
前記遊星歯車軸(201)の一端は、前記伝動ギアセットのシェル(500)に固定され、
前記外環状輪(204)の環状構造体と前記出力軸(3000)との間には、第1の一方向性伝動装置(301)が設けられ、
前記太陽歯車(202)、前記遊星歯車(203)、および、前記外環状輪(204)は、歯車又は摩擦車によって構成され、
第一駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第一伝動ギアセットにより、前記第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)が駆動されて第一駆動回転方向へ出力し、
第二駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第二伝動ギアセットにより、前記第3の一方向性伝動装置(303)を経て前記太陽歯車(202)が駆動され、更に前記遊星歯車(203)および前記外環状輪(204)が駆動され、前記外環状輪(204)の前記環状構造体および前記第1の一方向性伝動装置(301)を経て、前記出力軸(3000)が駆動されて、第一駆動回転方向と同じ回転方向へ出力し、
前記入力軸(2000)が第一駆動回転方向に駆動されるとき、前記第1の一方向性伝動装置(301)及び前記第3の一方向性伝動装置(303)は空転し、
前記入力軸(2000)が第二駆動回転方向に駆動されるとき、前記第2の一方向性伝動装置(302)は空転することを特徴とする2方向入力・定方向出力のギアセット。
【請求項2】
人力、エンジン、電動モータ、または流体モータにより駆動される動力システムへ適用される2方向入力・定方向出力のギアセットであって、
第一駆動回転方向入力ギアセットと第一駆動回転方向および第二駆動回転方向に回転可能な入力軸との間、第一駆動回転方向出力ギアセットと一方向に回転可能な出力軸との間、及び前記出力軸と前記入力軸との間に設けられる一方向性伝動装置を備え、
第二駆動回転方向により駆動すると同時に、第一駆動回転方向の伝動ユニットを引き動かすことによって、減衰追従を避け
遊星ギアシステムによって構成され、前記入力軸と前記出力軸とは同軸に設けられ、
前記入力軸(2000)の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル(500)に貫設され、
前記入力軸(2000)の他端は、第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)を貫通し、
前記出力軸(3000)と前記伝動ギアセットのシェル(500)との間には、軸受けが設けられ、
前記伝動ギアセットのシェル(500)は、相対的に静止している構造体である本体(600)に結合し、逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品が設置され、
前記入力軸(2000)と内傘歯車(402)との間には、第3の一方向性伝動装置(303)が設置され、
外傘歯車(404)と内傘歯車(402)との間には、遊星ギア(403)が設けられ、
前記遊星ギア(403)の中心は、遊星ギア軸(401)とともに回転し、
前記遊星ギア軸(401)の一端は、前記伝動ギアセットのシェル(500)に固定される遊星ギアのサポートラック(400)に結合し、
外傘歯車(404)と前記出力軸(3000)との間には、第1の一方向性伝動装置(301)が設けられ、
前記内傘歯車(402)、前記遊星ギア(403)、および、前記外傘歯車(404)は、歯車又は摩擦車によって構成され、
前記内傘歯車(402)により駆動される前記遊星ギア(403)の伝動比の関係は、加速、減速又は等速であって、
前記遊星ギア(403)により駆動される前記外傘歯車(404)の伝動比の関係は、加速、減速又は等速であって、
第一駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第一伝動ギアセットにより、前記第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)が駆動されて第一駆動回転方向へ出力し、
第二駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第二伝動ギアセットにより、前記第3の一方向性伝動装置(303)を経て前記内傘歯車(402)が駆動され、更に前記遊星ギア(403)および前記外傘歯車(404)が駆動され、前記外傘歯車(404)および前記第1の一方向性伝動装置(301)が駆動されて前記出力軸(3000)が駆動されて、第一駆動回転方向と同じ回転方向へ出力し、
前記入力軸(2000)が第一駆動回転方向に駆動されるとき、前記第1の一方向性伝動装置(301)及び前記第3の一方向性伝動装置(303)は空転し、
前記入力軸(2000)が第二駆動回転方向に駆動されるとき、前記第2の一方向性伝動装置(302)は空転することを特徴とする2方向入力・定方向出力のギアセット。
【請求項3】
人力、エンジン、電動モータ、または流体モータにより駆動される動力システムへ適用される2方向入力・定方向出力のギアセットであって、
第一駆動回転方向入力ギアセットと第一駆動回転方向および第二駆動回転方向に回転可能な入力軸との間、第一駆動回転方向出力ギアセットと一方向に回転可能な出力軸との間、及び前記出力軸と前記入力軸との間に設けられる一方向性伝動装置を備え、
第二駆動回転方向により駆動すると同時に、第一駆動回転方向の伝動ユニットを引き動かすことによって、減衰追従を避け、
前記入力軸と前記出力軸とは、同軸に設けられ、
前記入力軸(2000)の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル(500)に貫設され、
前記入力軸(2000)の他端は、第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)を貫通し、
前記出力軸(3000)と前記伝動ギアセットのシェル(500)との間には、第1の軸受けが設けられ、
前記伝動ギアセットのシェル(500)は、相対的に静止している構造体である本体(600)に結合し、逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品が設置され、
前記入力軸(2000)は、第1の伝動ギア(602)を貫通し、
前記入力軸(2000)と前記第1の伝動ギア(602)との間には、第3の一方向性伝動装置(303)が設けられ、
前記第1の伝動ギア(602)と第2の伝動ギア(603)とは、違う方向に回転して伝動し、
前記第2の伝動ギア(603)と第3の伝動ギア(606)とは、共に回転軸(604)に結合し、
前記回転軸(604)と前記伝動ギアセットのシェル(500)との間には、第2の軸受けが設けられ、
前記第1の伝動ギア(602)、および、前記第2の伝動ギア(603)は、歯車又は摩擦車によって構成され、
前記第3の伝動ギア(606)、および、第4の伝動ギア(605)は、プーリ又はスプロケットによって構成され、
前記第3の伝動ギア(606)および前記第4の伝動ギア(605)は、伝動ベルト(607)を通して伝動するプーリ、スプロケット又は同じ回転方向へ伝動するギアセットの内ギアセットによって構成され、
前記第4の伝動ギア(605)と前記出力軸(3000)との間には、第1の一方向性伝動装置(301)を設置され、
違う回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速又は等速であって、
同じ回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速又は等速であって、
同じ回転方向へ伝動するギアセットは、フラットベルト、V型ベルト、歯形チェーン或いはスチールベルトのプーリ、又はチェーンを配置するスプロケットによって構成される前記伝動ベルト(607)を含み、
第一駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第一伝動ギアセットにより、前記第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)が駆動されて第一駆動回転方向へ出力し、
第二駆動回転方向により前記入力軸(2000)が駆動されると、第二伝動ギアセットにより、前記第3の一方向性伝動装置(303)を経て前記第1の伝動ギア(602)が駆動され、前記第1の伝動ギア(602)により前記第2の伝動ギア(603)及び前記第3の伝動ギア(606)が駆動され、前記第3の伝動ギア(606)により前記第4の伝動ギア(605)が駆動されて、前記第1の一方向性伝動装置(301)を経て前記出力軸(3000)が駆動されて、第一駆動回転方向へ出力し、
前記入力軸(2000)が第一駆動回転方向に駆動されるとき、前記第1の一方向性伝動装置(301)及び前記第3の一方向性伝動装置(303)は空転し、
前記入力軸(2000)が第二駆動回転方向に駆動されるとき、前記第2の一方向性伝動装置(302)は空転することを特徴とする2方向入力・定方向出力のギアセット。
【請求項4】
人力、エンジン、電動モータ、または流体モータにより駆動される動力システムへ適用される2方向入力・定方向出力のギアセットであって、
第一駆動回転方向入力ギアセットと第一駆動回転方向および第二駆動回転方向に回転可能な入力軸との間、第一駆動回転方向出力ギアセットと一方向に回転可能な出力軸との間、及び前記出力軸と前記入力軸との間に設けられる一方向性伝動装置を備え、
第二駆動回転方向により駆動すると同時に、第一駆動回転方向の伝動ユニットを引き動かすことによって、減衰追従を避け
前記入力軸と前記出力軸とは、同軸に設けられ、
前記入力軸(2000)の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル(500)に貫設され、
前記入力軸(2000)の他端は、第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)を貫通し、
前記出力軸(3000)と前記伝動ギアセットのシェル(500)との間には、第1の軸受けが設けられ、
前記伝動ギアセットのシェル(500)は、相対的に静止している構造体である本体(600)に結合され、逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品が設置され、
前記入力軸(2000)は、第1の伝動ギア(602)を貫通し、
前記入力軸(2000)と前記第1の伝動ギア(602)との間には、第3の一方向性伝動装置(303)が設けられ、
前記第1の伝動ギア(602)と第2の伝動ギア(603)とは、違う方向に回転して伝動し、
前記第2の伝動ギア(603)と第3の伝動ギア(616)とは、共に第1の回転軸(604)に結合し、
前記第1の回転軸(604)と前記伝動ギアセットのシェル(500)の間には、第2の軸受けが設けられ、
前記第3の伝動ギア(616)は、第2の回転軸(618)とともに回転する第4の伝動ギア(617)を経て、第5の伝動ギア(615)を駆動し、同じ回転方向へ伝動するギアセットを構成し、
前記第2の回転軸(618)は、前記伝動ギアセットのシェル(500)に結合し、
前記第4の伝動ギア(617)は、前記第2の回転軸(618)とともに回転し、又
前記第2の回転軸(618)と前記伝動ギアセットのシェル(500)との間には、第3の軸受けが設けられ、
前記第5の伝動ギア(615)は、前記出力軸(3000)と同軸に設けられ、
前記第5の伝動ギア(615)と前記出力軸(3000)との間には、第1の一方向性伝動装置(301)が設置され、
前記伝動ギア(602、603、615、616、617)は、歯車又は摩擦車によって構成され、
違う回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速、又は等速であって、
同じ回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速、又は等速であって、
同じ回転方向へ伝動するギアセットは、内ギアセット又は内摩擦ギアセットによって構成され、
第一駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第一伝動ギアセットにより、前記第2の一方向性伝動装置(302)を経て前記出力軸(3000)が駆動されて第一駆動回転方向へ出力し、
第二駆動回転方向に前記入力軸(2000)が駆動されると、第二伝動ギアセットにより、前記第3の一方向性伝動装置(303)を経て前記第1の伝動ギア(602)が駆動され、前記第1の伝動ギア(602)により前記第2の伝動ギア(603)及び前記第3の伝動ギア(616)が駆動され、前記第3の伝動ギア(616)により前記第4の伝動ギア(617)を経て、前記第5の伝動ギア(615)が駆動され、前記第5の伝動ギア(615)により前記第1の一方向性伝動装置(301)を経て前記出力軸(3000)が駆動されて、第一駆動回転方向へ出力し、
前記入力軸(2000)が第一駆動回転方向に駆動されるとき、前記第1の一方向性伝動装置(301)及び前記第3の一方向性伝動装置(303)は空転し、
前記入力軸(2000)が第二駆動回転方向に駆動されるとき、前記第2の一方向性伝動装置(302)は空転することを特徴とする2方向入力・定方向出力のギアセット。
【請求項5】
前記出力軸(3000)と回転負荷(3001)との間にクラッチ装置(CL100)を設置することによって、出力に対してクラッチ制御を行うことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の2方向入力・定方向出力のギアセット。
【請求項6】
前記クラッチ装置(CL100)は、人力、機械力、トルク、遠心力、電磁力、又は流体によって結合することによって前記出力軸(3000)と前記回転負荷(3001)とを連結して伝動し、離脱することによって前記出力軸(3000)と前記回転負荷(3001)との間の伝動関係を切断することを特徴とする請求項に記載の2方向入力・定方向出力のギアセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2方向入力・定方向出力のギアセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の2方向入力・定方向出力の伝動ギアセットは、2つの入力回転方向の一方が作動するとき、他方のギアセットが駆動されるために、一部のギアセットは、空転減衰追従の無効負荷になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−190788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、2方向入力・定方向出力の伝動ギアセットの改良であって、第二駆動回転方向により駆動すると同時に、第一駆動回転方向の伝動ユニットを引き動かすことによって、減衰追従を避ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
入力軸の回転方向を変えることによって、減衰追従を防止する本発明の2方向入力・定方向出力のギアセットは、違う方向に回転して入力するとき、同速比又は異速比の出力を形成する。その主な特徴は、第一駆動回転方向入力ギアセットと第一駆動回転方向および第二駆動回転方向に回転可能入力軸との間、第一駆動回転方向出力ギアセットと一方向に回転される出力軸との間、及び、出力軸と入力軸との間に一方向性伝動装置を設置し、第二駆動回転方向により駆動すると同時に、第一駆動回転方向の伝動ユニットを引き動かすことによって、減衰追従を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の第1実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットを示す模式図である。
図2】本発明の第2実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットを示す模式図である。
図3】本発明の第3実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットを示す模式図である。
図4】本発明の第4実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットを示す模式図である。
図5】本発明の第5実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットであって、第1実施形態の出力軸と回転負荷との間に増設するクラッチ装置を示す模式図である。
図6】本発明の第6実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットであって、第2実施形態の出力軸と回転負荷との間に増設するクラッチ装置示す模式図である。
図7】本発明の第7実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットであって、第3実施形態の出力軸と回転負荷との間に増設されるクラッチ装置を示す模式図である。
図8】本発明の第8実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットであって、第4実施形態の出力軸と回転負荷との間に増設されるクラッチ装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明による2方向入力・定方向出力のギアセットを図面に基づいて説明する。
なお、以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態による逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセッを示す。
図1に示すように、2方向入力・定方向出力のギアセットは、遊星ギアセットによって構成され、入力軸と出力軸とを同軸に設けられることを示す。その主な構成は下記を含む。
【0008】
入力軸2000の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル500に貫設される。入力軸2000他端は、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000を貫通する。出力軸3000と伝動ギアセットのシェル500との間には、軸受けが設けられる。
【0009】
伝動ギアセットのシェル500は、本体600に結合し、伝動ギアセットのシェル500に逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品を設置する。
本体600は、相対的に静止している構造体である。
入力軸2000と太陽歯車202との間には、一方向性伝動装置303が設置される。
【0010】
外環状輪204と太陽歯車202との間に遊星歯車203を設ける。遊星歯車203の中心は、遊星歯車軸201とともに回転する。遊星歯車軸201の一端は、伝動ギアセットのシェル500に固定される。
外環状輪204の環状構造体と出力軸3000との間には、一方向性伝動装置301が設けられる。
太陽歯車202、遊星歯車203、および、外環状輪204は、歯車又は摩擦車によって構成することができる。
【0011】
前記構造では、第一駆動回転方向に入力軸2000が駆動されると、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000が駆動されることによって、第一駆動回転方向へ出力する。これにより、第一伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置301、および、一方向性伝動装置303は、空転する。
【0012】
また、前記構造では、第二駆動回転方向に入力軸2000が駆動されると、一方向性伝動装置303を経て太陽歯車202が駆動される。更に、遊星歯車203および外環状輪204が駆動され、外環状輪204の環状構造体及び一方向性伝動装置301を経て、出力軸3000が駆動されることによって、第一駆動回転方向と同じ回転方向へ出力する。これにより、第二伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置302は空転する。
本実施形態では、一方向性伝動装置301が「第1の一方向性伝動装置」に対応し、一方向性伝動装置302が「第2の一方向性伝動装置」に対応し、一方向性伝動装置303が「第3の一方向性伝動装置」に対応する。後述の実施形態についても同様である。
【0013】
(第2実施形態)
図2に本発明の第2実施形態による逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットを示す。
図2に示すように、2方向入力・定方向出力のギアセットは、遊星ギアシステムによって構成され、また入力軸及び出力軸を同軸に設けられることを示す。その主な構成は下記を含む。
【0014】
入力軸2000の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル500に貫設される。入力軸2000他端は、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000を貫通する。出力軸3000と伝動ギアセットのシェル500との間には、軸受けが設けられる。
【0015】
伝動ギアセットのシェル500は、本体600に結合し、伝動ギアセットのシェル500に逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品を設置する。
本体600は、相対的に静止している構造体である。
入力軸2000と内傘歯車402との間に、一方向性伝動装置303を設置する。
【0016】
外傘歯車404と内傘歯車402との間に遊星ギア403を設ける。遊星ギア403の中心は、遊星ギア軸401とともに回転する。遊星ギア軸401の一端は、遊星ギアのサポートラック400に結合する。遊星ギアのサポートラック400は、伝動ギアセットのシェル500に固定される。
【0017】
外傘歯車404と出力軸3000との間には、一方向性伝動装置301が設けられる。
内傘歯車402、遊星ギア403、および、外傘歯車404は、歯車又は摩擦車によって構成することができる。
内傘歯車402により駆動される遊星ギア403の伝動比の関係は、加速、減速又は等速である。
遊星ギア403により駆動される外傘歯車404の伝動比の関係は、加速、減速又は等速である。
【0018】
前記構造では、第一駆動回転方向に入力軸2000が駆動され、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000を駆動することによって、第一駆動回転方向へ出力する。これにより、第一伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置301、および、一方向性伝動装置303は空転する。
【0019】
前記構造では、第二駆動回転方向により入力軸2000が駆動され、一方向性伝動装置303を経て内傘歯車402が駆動される。更に、遊星ギア403および外傘歯車404が駆動され、外傘歯車404および一方向性伝動装置301が駆動されることによって、出力軸3000が駆動され、第一駆動回転方向と同じ回転方向へ出力する。これにより、第二伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置302は空転する。
【0020】
(第3実施形態)
図3に本発明の第3実施形態による逆回転ギアセットの減衰追従を防止する22方向入力・定方向出力のギアセットを示す。
図3に示すように、2方向入力・定方向出力のギアセットは、違う方向に回転して伝動する伝動装置の同一構造によって構成され、入力軸及び出力軸を同軸に設けられることを示す。その主な構成は下記を含む。
【0021】
入力軸2000の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル500に貫設される。入力軸2000他端は、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000を貫通する。出力軸3000と伝動ギアセットのシェル500との間には、第1の軸受けが設けられる。
【0022】
伝動ギアセットのシェル500は、本体600に結合し、伝動ギアセットのシェル500に逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品を設置する。
本体600は、相対的に静止している構造体である。
入力軸2000は、伝動ギア602を貫通し、入力軸2000と伝動ギア602との間には、一方向性伝動装置303が設けられる。
【0023】
伝動ギア602と伝動ギア603とは、違う回転方向へ伝動する。伝動ギア603および伝動ギア606は、共に回転軸604に結合する。回転軸604と伝動ギアセットのシェル500との間には、第2の軸受けが設けられる。
【0024】
伝動ギア602、603は、歯車又は摩擦車によって構成される。
伝動ギア605、606は、プーリ又はスプロケットによって構成される。
伝動ギア606、605は、伝動ベルト607を通して伝動するプーリ、スプロケット又は同じ回転方向へ伝動するギアセットの内ギアセットによって構成される。
伝動ギア605と出力軸3000との間には、一方向性伝動装置301が設置される。
【0025】
違う回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速又は等速である。
同じ回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速又は等速である。
同じ回転方向へ伝動するギアセットは、伝動ベルト607の配置を含む。伝動ベルト607は、フラットベルト、V型ベルト、歯形チェーン或いはスチールベルトのプーリ、又はチェーンを配置するスプロケットによって構成される。
【0026】
前記構造では、第一駆動回転方向に入力軸2000が駆動されると、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000が駆動され、第一駆動回転方向へ出力する。これにより、第一伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置301及び一方向性伝動装置303は空転する。
【0027】
また、前記構造では、第二駆動回転方向に入力軸2000が駆動されると、一方向性伝動装置303を経て伝動ギア602が駆動され、また伝動ギア602により伝動ギア603及び伝動ギア606が駆動される。更に、伝動ギア606により伝動ギア605が駆動されることによって、一方向性伝動装置301を経て出力軸3000が駆動されることによって、第一駆動回転方向へ出力する。これにより、第二伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置302は空転する。
本実施形態では、伝動ギア602が「第1の伝動ギア」に対応し、伝動ギア603が「第2の伝動ギア」に対応し、伝動ギア606が「第3の伝動ギア」に対応し、伝動ギア605が「第4の伝動ギア」に対応する。
【0028】
(第4実施形態)
図4に本発明の第4実施形態による逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットを示す。
図4に示すように、2方向入力・定方向出力のギアセットは、違う方向に回転して伝動するギアセット又は摩擦ギアセットは同一構造によって構成され、入力軸及び出力軸を同軸に設けられることを示す。その主な構成は下記を含む。
【0029】
入力軸2000の一端は、軸受け構造を経て、伝動ギアセットのシェル500に貫設される。入力軸2000他端は、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000を貫通する。出力軸3000と伝動ギアセットのシェル500との間には、第1の軸受けが設けられる。
【0030】
伝動ギアセットのシェル500は、本体600に結合し、伝動ギアセットのシェル500に逆回転ギアセットの減衰追従を防止する2方向入力・定方向出力のギアセットの部品を設置する。
本体600は、相対的に静止している構造体である。
入力軸2000は、伝動ギア602を貫通し、入力軸2000と伝動ギア602との間には、一方向性伝動装置303が設けられる。
【0031】
伝動ギア602と伝動ギア603とは、違う方向に回転して伝動する。伝動ギア603および伝動ギア616は、共に回転軸604に結合する。回転軸604と伝動ギアセットのシェル500との間には、第2の軸受けが設けられる。
【0032】
伝動ギア616は、回転軸618と共に回転する伝動ギア617を経て、伝動ギア615を駆動し、同じ回転方向へ伝動するギアセットを構成する。
【0033】
回転軸618は、伝動ギアセットのシェル500に結合する。伝動ギア617は、回転軸618と共に回転する。又は、伝動ギア617により回転軸618に結合し、伝動ギア617と回転軸618とが共に回転する。また、回転軸618とシェル500と間に第3の軸受けが設けられる。
伝動ギア615は、出力軸3000と同軸に設けられ、伝動ギア615と出力軸3000との間には、一方向性伝動装置301が設置される。
【0034】
伝動ギア602、603、615、616、617は、歯車又は摩擦車によって構成される。
違う方向に回転して伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速、又は等速である。
同じ回転方向へ伝動するギアセット間の伝動比の関係は、加速、減速、又は等速である。
同じ回転方向へ伝動するギアセットは、内ギアセット又は内摩擦ギアセットによって構成される。
【0035】
前記構造では、第一駆動回転方向に入力軸2000が駆動されると、一方向性伝動装置302を経て出力軸3000が駆動され、第一駆動回転方向へ出力する。これにより、第一伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置301及び一方向性伝動装置303は空転する。
【0036】
また、前記構造では、第二駆動回転方向に入力軸2000が駆動されると、一方向性伝動装置303を経て伝動ギア602が駆動され、また伝動ギア602により伝動ギア603及び伝動ギア616が駆動される。更に、伝動ギア616により伝動ギア617を経て、伝動ギア615が駆動される。また、伝動ギア615により一方向性伝動装置301を経て出力軸3000が駆動されることによって、第一駆動回転方向へ出力する。これにより、第二伝動ギアセットを構成する。このとき、一方向性伝動装置302は空転する。
【0037】
本実施形態では、伝動ギア602が「第1の伝動ギア」に対応し、伝動ギア603が「第2の伝動ギア」に対応し、伝動ギア616が「第3の伝動ギア」に対応し、伝動ギア617が「第4の伝動ギア」に対応し、伝動ギア605が「第5の伝動ギア」に対応する。
また、回転軸604が「第1の回転軸」に対応し、回転軸618が「第2の回転軸」に対応する。
【0038】
(第5実施形態〜第8実施形態)
図5図8に示すように、本発明の第5実施形態〜第8実施形態による2方向入力・定方向出力のギアセットは、第1実施形態〜第4実施形態を更に一歩進ませ、出力軸3000と回転負荷3001との間にクラッチ装置CL100を設置することによって、出力に対してクラッチ制御を行う。
図5に示す第5実施形態では、図1に示す第1実施形態の出力軸3000と回転負荷3001との間にクラッチ装置CL100を増設する。
図6に示す第6実施形態では、図2に示す第2実施形態の出力軸3000と回転負荷3001との間にクラッチ装置CL100を増設する。
【0039】
図7に示す第7実施形態では、図3に示す第3実施形態の出力軸3000と回転負荷3001との間にクラッチ装置CL100を増設する。
図8に示す第8実施形態では、図4に示す第4実施形態の出力軸3000と回転負荷3001との間にクラッチ装置CL100を増設する
【0040】
第5実施形態〜第8実施形態のクラッチ装置CL100は、人力、機械力、トルク、遠心力、電磁力、又は流体によって結合することによって出力軸3000と回転負荷3001とを連結して伝動し、離脱することによって出力軸3000と回転負荷3001間の伝動関係を切断することを含む。
【符号の説明】
【0041】
201:遊星歯車軸
202:太陽歯車
203:遊星歯車
204:外環状輪
301:一方向性伝動装置(第1の一方向性伝動装置)
302:一方向性伝動装置(第2の一方向性伝動装置)
303:一方向性伝動装置(第3の一方向性伝動装置)
400:遊星ギアのサポートラック
401:遊星ギア軸
402:内傘歯車
403:遊星ギア
404:外傘歯車
500:伝動ギアセットのシェル
600:本体
602:伝動ギア(第1の伝動ギア)
603:伝動ギア(第2の伝動ギア)
605:伝動ギア(第4の伝動ギア)
606:伝動ギア(第3の伝動ギア)
615:伝動ギア(第5の伝動ギア)
616:伝動ギア(第3の伝動ギア)
617:伝動ギア(第4の伝動ギア)
604:回転軸(第1の回転軸)
618:回転軸(第2の回転軸)
607:伝動ベルト
2000:入力軸
3000:出力軸
3001:回転負荷
CL100:クラッチ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8