(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記新設枠側気密部材は、前記新設枠側長尺状気密部材すなわち第3気密部材が前記第4気密部材に当接することで、前記両枠の四周に亘って連続することを特徴とする請求項5に記載の改装サッシ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
本発明の一実施形態に係る改装サッシは、マンションの壁の開口部に納められた引違い窓タイプの改装サッシである。本実施形態に係る改装サッシは、カバー工法によって形成される。
なお本明細書において、「見付方向」とは、マンションの壁の開口部に納められた引違い窓における障子の面方向(即ち、左右方向)を意味し、「見込方向」とは、屋内外方向(即ち、奥行き方向)を意味する。また、左右方向は、屋内側から見た左右方向を意味する。また、共通する構成については、同一の規則性に従った符号を付す。
【0020】
図1は、本実施形態に係る改装サッシ1を室内側から見た正面図である。より詳しくは、内障子20及び外障子30を閉鎖したときの改装サッシ1を、室内側から見た正面図である。
図1に示すように、改装サッシ1は、いずれも長尺状の上横枠100、下横枠200、左縦枠300及び右縦枠400により矩形に枠組みされた窓枠10と、該窓枠10内に開閉可能に嵌め込まれた内障子20及び外障子30と、を備える。
【0021】
内障子20は、いずれも長尺状の上横框21、下横框22、左縦框(召内框)23及び右縦框(戸先框)24により矩形に枠組みされた框体25と、框体25内に嵌め込まれて固定されたガラス26と、を含んで構成される。
外障子30は、いずれも長尺状の上横框31、下横框32、左縦框(戸先框)33及び右縦框(召外框)34により矩形に枠組みされた框体35と、框体35内に嵌め込まれて固定されたガラス36と、を含んで構成される。
【0022】
内障子20と外障子30の召合わせには、戸締り用のクレセント錠40が設けられている。これら内障子20及び外障子30は、いずれも引き戸であり、これらを見付方向にスライドさせることで、開口部が閉鎖又は開放される。
【0023】
図2は、本実施形態に係る改装サッシ1の縦断面図である。
図2に示すように、ガラス26,36は、それぞれ、屋外側の板ガラス261a,361aと、屋内側の板ガラス262a,362aと、これら2枚の板ガラスで挟持されたスペーサ263,363と、を備える複層ガラスであり、優れた断熱性を有する。
【0024】
上枠100は、既設枠110と、新設枠120と、第1取付部材130と、ライナー140と、第2取付部材150と、額縁部材160と、を含んで構成される。なお、ライナー140を除いて、これら及びこれらを構成する部分はいずれも、見付方向に延びて通しで設けられている。
【0025】
既設枠110は、既設の木製額縁112にねじ7Aによりねじ止めされた連結金具111に連結されている。既設枠110は、屋内側から屋外側に向かって順に、それぞれ下方に垂設された、屋内側部110Aと、既設ガイドレール110B,110Cと、屋外側部110Dと、を備える。
屋内側部110Aは、その屋外側面に後述する第1取付部材130が当接するとともに、その屋内側面に後述する第2取付部材150が連結される。
既設ガイドレール110B,110Cは、改装前に使用されていた障子用のガイドレールである。
屋外側部110Dは、その屋内側面に後述する第1取付部材130が当接するとともに、その屋外側面に後述する新設枠120に取り付けられたカバー材120Eが当接する。
【0026】
新設枠120は、第1取付部材130及びライナー140を介して、既設枠110の下部に取り付けられる。
第1取付部材130は、既設枠110に新設枠120を取り付けるための部材である。第1取付部材130は、略平板状であり、その上面に既設ガイドレール110B,110Cの先端が当接する。見込方向の略中央に形成された凸部において、第1取付部材130はねじ7Bにより既設枠110にねじ止めされる。
第1取付部材130は、その屋内側端部に、上方に立設され且つその先端が屋内側に屈曲して既設枠110の屋内側部110Aに当接する屋内側係合部130Aを備える。また、第1取付部材130は、その屋外側端部に、上方に立設されて既設枠110の屋外側部110Dの屋内側面に当接する屋外側係合部130Bを備える。これら屋内側係合部130Aと屋外側係合部130Bにより、第1取付部材130は既設枠110に係合する。
【0027】
ライナー140は、既設枠110と新設枠120との隙間を埋める部材である。ライナー140は、本実施形態では4枚積層されているが、ライナー140の枚数は適宜調整される。このライナー140は、見付方向に所定間隔を設けて配置される。具体的には、ライナー140は、既設枠110に固定された第1取付部材130に新設枠120をねじ止めする、後述のねじ7C,7Dのピッチごとに配置される。
【0028】
新設枠120は、その屋内側において、後述する額縁部材160とともにライナー140を介して、既設枠110にねじ止めされた第1取付部材130にねじ7Cによりねじ止めされる。また、新設枠120は、その屋外側において、ライナー140を介して、既設枠110にねじ止めされた第1取付部材130にねじ7Dによりねじ止めされる。
【0029】
新設枠120は、屋内側から屋外側に向かって順に、それぞれ下方に垂設された、屋内側部120Aと、新設ガイドレール120B,120Cと、屋外側部120Dと、を備える。
屋内側部120Aには、額縁部材160が取り付けられるとともに、その屋内側面には、第2取付部材150が第3気密部材3Aを介して当接する。
新設ガイドレール120Bは、内障子20用のガイドレールであり、新設ガイドレール120Cは、外障子用ガイドレールである。これら新設ガイドレール120B,120Cには、後述する内障子20又は外障子30の上端部に取り付けられた上部振れ止め部材51,52が係合する。これにより、内障子20又は外障子30が窓枠10内を見付方向にスムーズにスライド可能となっている。
屋外側部120Dは、外障子30よりも屋外側に設けられ、外障子30の上端部と上下方向において重複するまで下方に延出することで、外障子30の上端部を覆っている。
【0030】
額縁部材160は、上述の連結金具111を介して木製額縁112にねじ止めされて下方に延出する第1額縁部材161と、第2取付部材150の屋内側で上下方向に延設されて第1額縁部材161に係合する第2額縁部材162と、第2額縁部材162の下端部及び新設枠120屋内側部120Aの下部に取り付けられて屈曲しながら見込方向に延設された第3額縁部材163と、を含んで構成される。
第1額縁部材161と第2額縁部材162は、互いに上下方向に逆向きの折り返し部を有し、これら折り返し部同士が互いに嵌合され且つその嵌合深さが調整可能であることで、新設枠120の上下方向の位置ずれが吸収されて位置調整される。
【0031】
第2取付部材150は、既設枠110と新設枠120とを接合し、当該第2取付部材150に取り付けられた気密部材により、既設枠110と新設枠120との間の隙間を塞ぐ機能を有する。この第2取付部材150については、当該第2取付部材150に取り付けられた気密部材とともに、後段で詳述する。
【0032】
一方、下横枠200は、既設枠210と、新設枠220と、第2取付部材250と、額縁部材260と、を含んで構成される。なお、これらは特に断りの無い限り、いずれも見付方向に延びて通しで設けられている。
【0033】
既設枠210は、既設の木製額縁212にねじ7Fによりねじ止めされた連結金具211に連結されている。既設枠210は、屋内側から屋外側に向かって階段状に下降するように形成されている。また、既設枠210は、屋内側から屋外側に向かって順に、それぞれ上方に立設された、屋内側部210Aと、既設ガイドレール210B,210Cと、屋外側部210Dと、を備える。
屋内側部210Aは、上述の連結金具211を介して既設の木製額縁212に固定されるとともに、その上端部は、後述する第2取付部材250に第1気密部材1Bを介して当接する。
既設ガイドレール210B,210Cは、改装前に使用されていた障子用のガイドレールである。
屋外側部210Dは、その屋内側面に後述する第2取付部材250の階段状部250Cの屋外側端部が当接するとともに、その屋外側面に後述する新設枠220の屋外側で下方に延びる屋外側垂設部220Dが当接する。
【0034】
第2取付部材250は、既設枠210に新設枠220を取り付けるための部材である。第2取付部材250は、既設枠210と同様に、屋内側から屋外側に向かって階段状に下降するように形成されている。また、第2取付部材250は、屋内側に略水平に延出し且つ上述の連結金具を介して木製額縁212にねじ止めされた水平部250Aと、当該水平部250Aの屋外側端部から下方に垂設された垂設部250Bと、当該垂設部250Bから屋外側に向かって階段状に下降する階段状部250Cと、を備える。
水平部250Aは、その上面に後述する額縁部材260が取り付けられ、その下面に上述した既設枠210の屋内側部210Aの上端部が第1気密部材1Bを介して当接する。
垂設部250Bは、その屋外側面に取り付けられた第3気密部材3Bを介して、新設枠220の屋内側部220Aに当接する。
階段状部250Cは、その上面が後述する新設枠220と当接し、新設枠220にねじ7Gによりねじ止めされる。また、階段状部250Cの屋外側端部は、既設枠210の既設ガイドレール210Cと屋外側部210Dとの間に嵌合する。
【0035】
新設枠220は、屋内側から屋外側に向かって順に、それぞれ上方に立設された、屋内側部220Aと、新設ガイドレール220B,220Cと、屋外側垂設部220Dと、を備える。
屋内側部220Aには、額縁部材260が取り付けられるとともに、その屋内側面には、第2取付部材250の垂設部250Bが第3気密部材3Bを介して当接する。
新設ガイドレール220Bは、内障子20用のガイドレールであり、新設ガイドレール220Cは、外障子用ガイドレールである。これら新設ガイドレール220B,220Cには、内障子20又は外障子30の底部に取り付けられた戸車56a,56bが、転動可能に係合する。
屋外側垂設部220Dは、第2取付部材250の階段状部250Cの屋外側端部とともに、既設枠210の屋外側部210Dにねじ7Hによりねじ止めされる。
【0036】
額縁部材260は、屋内側に配置され且つ第2取付部材250の水平部250A上に取り付けられた第1額縁部材261と、当該第1額縁部材261の屋外側に取り付けられた第2額縁部材262と、を含んで構成される。
【0037】
なお、第2取付部材250に取り付けられた気密部材については、後段で詳述する。
【0038】
内障子20の上横框21は、外障子30の上横框31と略同一の構成であり、内障子20の下横框22は、外障子30の下横框32と略同一の構成である。これらの框はいずれも、見付方向に延びて通しで設けられている。従って、以下では、内障子20の上横框21及び下横框22についてのみ説明する。
【0039】
上横框21は、中空部を有するホロー構造の上横框本体21aと、上横框本体21aの下面の屋外側で下方に垂設された上横框垂設部21bと、上横框本体21aの屋内側で上横框本体21aの上端から上横框垂設部21bの位置まで延出する上横框屋内側部21cと、を備える。
上横框本体21aの上部に形成された開口には上部振れ止め部材51が設けられ、この上部振れ止め部材51に上述の新設ガイドレール120Bが係合する。
上横框垂設部21bと上横框屋内側部21cの下端部とにより、緩衝部材55aを介してガラス26の上端部が挟持される。
【0040】
下横框22は、中空部を有するホロー構造の下横框本体22aと、下横框本体22aの上面の屋外側に立設された下横框立設部22bと、下横框本体22aの屋内側で下横框本体22aの下端から下横框立設部22bの位置まで延出する下横框屋内側部22cと、を備える。
下横框立設部22bと下横框屋内側部22cの上端部とにより、緩衝部材55aを介してガラス26の下端部が挟持される。
【0041】
下横框本体22aの中空部内には下部振れ止め部材53が設けられる。下部振れ止め部材53の下端が、下横框本体22aの下面に形成された開口から下方に突出し、新設ガイドレール220Bに係合する。また、中空部内に設けられた戸車56aが、下横框本体22aの下面に形成された開口から下方に突出し、新設ガイドレール220Bに転動可能に係合する。これにより、内障子20が新設ガイドレール220Bに沿ってスライド移動する際に、下部振れ止め部材53によって内障子の20の見込方向のがたつきが抑制される。
【0042】
図3は、本実施形態に係る改装サッシ1の横断面図である。なお、左縦枠300と右縦枠400は同一の構成であるため、以下では左縦枠300についてのみ説明する。同様に、外障子30の左縦框(戸先框)33と内障子20の右縦框(戸先框)24は同一の構成であるため、以下では外障子30の左縦框33についてのみ説明する。
【0043】
図3に示すように、左縦枠300は、既設枠310と、新設枠320と、第1取付部材330と、ライナー340と、第2取付部材350と、額縁部材360と、を含んで構成される。なお、ライナー340を除いて、これら及びこれらを構成する部分はいずれも、上下方向に延びて通しで設けられている。
【0044】
既設枠310は、既設の木製額縁312にねじ7Iによりねじ止めされた連結金具311に連結されている。既設枠310は、屋内側から屋外側に向かって順に、それぞれ障子側(右側)に延出する、屋内側部310Aと、リブ310Bと、屋外側部310Cと、を備える。
屋内側部310Aは、その屋外側面に後述する第1取付部材330が当接するとともに、その屋内側面に後述する第2取付部材350が連結される。
リブ310Bは、改装前に使用されていた障子のガイドであり、その屋外側面に後述する第1取付部材330が当接する。
屋外側部310Cは、その屋内側面に第1取付部材330が当接するとともに、その屋外側面に後述する新設枠320に取り付けられたカバー材320Eが当接する。
【0045】
新設枠320は、第1取付部材330及びライナー340を介して、既設枠310の障子側に取り付けられる。
第1取付部材330は、既設枠310に新設枠320を取り付けるための部材である。第1取付部材330は、略平板状であり、見込方向の略中央に形成された凸部において、第1取付部材330は既設枠310にねじ7Jによりねじ止めされる。
第1取付部材330は、その屋内側端部において、既設枠310側(左側)に延出して既設枠310に当接する屋内側係合部330Aを備える。また、第1取付部材330は、その屋外側端部に、既設枠310側に延出して既設枠310の屋外側部310Cの屋内側面に当接する屋外側係合部330Bを備える。これら屋内側係合部330Aと屋外側係合部330Bにより、第1取付部材330は既設枠310に係合する。
【0046】
ライナー340は、既設枠310と新設枠320との隙間を埋める部材である。ライナー340は、本実施形態では4枚積層されているが、ライナー340の枚数は適宜調整される。このライナー340は、上下方向に所定間隔を設けて配置される。具体的には、ライナー340は、既設枠310に固定された第1取付部材330に新設枠320をねじ止めするねじ7K,7Lのピッチごとに配置される。
【0047】
新設枠320は、その屋内側において、後述する額縁部材360とともにライナー340を介して、既設枠310にねじ止めされた第1取付部材330にねじ7Kによりねじ止めされる。また、新設枠320は、その屋外側において、ライナー340を介して、既設枠310にねじ止めされた第1取付部材330にねじ7Lによりねじ止めされる。
【0048】
新設枠320は、見込方向に延びて設けられ、屋内側から屋外側に向かって順に、それぞれ障子側に延出する、屋内側部320Aと、リブ320Bと、屋外側部320Cと、を備える。
屋内側部320Aには、後述する額縁部材360が取り付けられるとともに、その屋内側面には、後述する第2取付部材350が第3気密部材3Cを介して当接する。
リブ320Bは、後述する左縦框(戸先框)33の戸先側に取り付けられた中間振れ止め部材62に当接する。
屋外側部320Cは、外障子30よりも屋外側に設けられ、閉じた状態の外障子30の左端部と左右方向において重複するまで障子側に延出することで、外障子30の左端部を覆っている。
【0049】
また、新設枠320の障子側には、新設枠320の障子側面を覆って保護するための新設枠保護部材320Dが上下方向に延設されている。
また、新設枠保護部材320Dの内障子20側の下部には、排水孔61aを備える内障子ストッパー61が設けられる。この内障子ストッパー61により、内障子20の開放時に、クレセント錠40が左縦枠300に衝突するのが回避され、左縦枠300やクレセント錠40の破損が回避される。
【0050】
額縁部材360は、上述の連結金具311を介して木製額縁312にねじ止めされて見付方向に延出する第1額縁部材361と、新設枠320の屋内側部320Aに取り付けられて見込方向に延出した後、見付け方向の既設枠310側に屈曲して延出し、第1額縁部材361に係合する第2額縁部材362と、を含んで構成される。
第1額縁部材361と第2額縁部材362は、互いに見付方向に逆向きの折り返し部を有し、これら折り返し部同士が見付方向に移動可能に係合することで、新設枠320の見付方向の位置ずれが吸収されて位置調整される。
【0051】
第2取付部材350は、既設枠310と新設枠320とを接合し、当該第2取付部材350に取り付けられた気密部材により、既設枠310と新設枠320との間の隙間を塞ぐ機能を有する。この第2取付部材350及び当該第2取付部材350に取り付けられた気密部材については、後段で詳述する。
【0052】
外障子30の左縦框(戸先框)33は、中空部を有するホロー構造の左縦框本体33aと、左縦框本体33aの障子側面の屋外側で障子側に延出する左縦框延出部33bと、左縦框本体33aの屋内側で左縦框本体33aの左縦枠300側の端部から左縦框延出部33bの位置まで延出する左縦框屋内側部33cと、を備える。
左縦框本体33aの左縦枠300側に形成された開口には中間振れ止め部材62が設けられ、この中間振れ止め部材62に上述のリブ320Bが係合する。
左縦框延出部33bと左縦框屋内側部33cの障子側端部とにより、緩衝部材63aを介してガラス36の左縦框側(戸先側)端部が挟持される。
【0053】
外障子30の右縦框(召外框)34は、中空部を有するホロー構造の右縦框本体34aにより構成される。右縦框本体34aの左縦枠300側に形成された開口には、ガラス36の右縦框側端部が挿入され、その開口縁によりガラス36の右縦框側端部が緩衝部材64aを介して挟持される。
【0054】
右縦框34の屋内側には、後述する内障子20の左縦框(召内框)23に設けられたクレセント錠40のクレセント金具41が係合するクレセント受け金具45が設けられる。また、右縦框34の屋内側には、内障子20の左縦框23に設けられた後述の溝部23bに係合する係合部34bが設けられる。
【0055】
内障子20の左縦框23は、見込方向に連なる2つの中空部を有するホロー構造の左縦框本体23aにより構成される。
左縦框本体23aの内障子側に形成された開口には、ガラス26の左縦框側端部が挿入され、その開口縁によりガラス26の左縦框側端部が緩衝部材65aを介して挟持される。
【0056】
また、左縦框本体23aの屋外側には、見付方向に延び、上述の係合部34bが係合する溝部23bが設けられる。
また、左縦框本体23aの屋内側の全面を覆って保護するための左縦框保護部材23cが上下方向に延設されている。
【0057】
左縦框保護部材23cの外障子30側の見込面には、戸締まり用のクレセント錠40が設けられる。なお、左縦框保護部材23cの屋内側面には、その全面を覆う意匠部材23dが設けられる。
クレセント錠40は、左縦框保護部材23cの外障子30側の見込面に取り付けられた基部43と、操作用レバー42と、操作用レバー42に連動して回転し、上述のクレセント受け金具45に係合するクレセント金具41と、基部43に設けられたサブロック44と、を備える。
【0058】
次に、本実施形態に係る改装サッシ1の気密部材について、詳しく説明する。
図4は、
図2に示す改装サッシ1の上横枠100部分の拡大図である。
図4に示すように、第2取付部材150は、略水平に延びる水平部151と、水平部151から垂直に上方に延びる垂直部152と、を含んで構成される。
【0059】
水平部151の屋外側端部には、第3気密部材3Aが取り付けられており、第2取付部材150は、この第3気密部材3Aを介して新設枠120の屋内側部120Aに当接している。第3気密部材3Aは、中空部を有する軟質樹脂製の気密パッキンであり、当該中空部が押し潰されることで、高い気密性が得られる。この第3気密部材3Aは、枠の延設方向に延びて通しで設けられている。
【0060】
また、垂直部152は、既設枠110の屋内側部110Aの真下に配置されている。垂直部152の上端部には第1気密部材1Aが取り付けられており、第2取付部材150は、この第1気密部材1Aを介して既設枠110の屋内側部110Aの下部に当接している。第1気密部材1Aは、軟質樹脂製の平板状の気密パッキンであり、既設枠110と第2取付部材150との間に配置されることで、高い気密性が得られる。この第1気密部材1Aは、枠の延設方向に延びて通しで設けられている。
【0061】
また、第2取付部材150の垂直部152の上端部には、垂直部152よりも屋内側にずれてさらに垂直に上方に延びる延出部153が設けられている。この延出部153は、既設枠110の屋内側部110Aに第1取付部材130とともにねじ止めされている。
ここで、延出部153の基端部と先端部には、既設枠110の屋内側部110Aに向かって延びるリブ153A,153Bが設けられており、先端部のリブ153Bは、基端部のリブ153Aよりも長く延出している。そのため、延出部153が既設枠110の屋内側部110Aにねじ止めされると、延出部153及び垂直部152を介して、水平部151の屋外側端部に取り付けられた第3気密部材3Aを、新設枠120の屋内側部120Aに強く押圧する力が作用する。その結果、第3気密部材3Aの中空部が強く押し潰されることで、より高い気密性が確保されるようになっている。
【0062】
また、リブ153A,153Bが、既設枠110の屋内側部110Aに当接することで形成された隙間により、切粉ポケット153Cが設けられている。ここで、既設枠110には、第2取付部材150をねじ止めするためのねじ孔は予め形成されてはいない。そのため、延出部153を既設枠110の屋内側部110Aにねじ止めする際に生じる切粉を、この切粉ポケット153C内に収容可能となっている。この切粉ポケット153Cは、本実施形態のように第2取付部材150を新設枠120とは別体で設け、当該第2取付部材150を既設枠110にねじ止めする場合に有効である。
【0063】
図5は、
図2に示す改装サッシ1の下横枠200部分の拡大図である。上述したように、第2取付部材250の水平部250Aの下面には、第1気密部材1Bが取り付けられている。既設枠210の屋内側部210Aの上端部が、この第1気密部材1Bを介して第2取付部材250の水平部250Aの下面に当接することで、既設枠110と第2取付部材250との隙間が塞がれ、高い気密性が得られる。この第1気密部材1Bは、上述の第1気密部材1Aと同一の構造を有する気密パッキンである。
【0064】
また、第2取付部材250の垂設部250Bの屋外側面には、第3気密部材3Bが取り付けられている。垂設部250Bが、この第3気密部材3Bを介して新設枠220の屋内側部220Aに当接することで、新設枠220と第2取付部材250との隙間が塞がれ、高い気密性が得られる。この第3気密部材3Bは、上述の第3気密部材3Aと同一の構造を有する気密パッキンである。
【0065】
なお上述したように、第2取付部材250では、階段状部250Cの屋外側端部が、既設枠210の屋外側部210D及び新設枠220の屋外側垂設部220Dと、ねじ7Hによりねじ止めされる。すると、階段状部250Cを介して、垂設部250Bの屋外側面に取り付けられた第3気密部材3Bを、新設枠220の屋内側部220Aに強く押圧する力が作用する。その結果、第3気密部材3Bの中空部が強く押し潰されることで、より高い気密性が確保されるようになっている。
【0066】
図6は、
図3に示す改装サッシ1の左縦枠300部分の拡大図である。
図6に示すように、第2取付部材350は、見込方向に延設された見込部351と、見込部351の屋内側端部から見付方向に延設された見付部352と、を含んで構成される。
【0067】
見込部351の屋外側端部には、第3気密部材3Cが取り付けられている。第2取付部材350は、この第3気密部材3Cを介して新設枠320の屋内側部320Aに当接することで、高い気密性が得られる。この第3気密部材3Cは、上述の第3気密部材3A,3Bと同一の構造を有する気密パッキンである。
【0068】
また、見付部352は、既設枠310の屋内側部310Aと見込方向の位置が同一の位置に配置されている。見付部352の左側端部には第1気密部材1Cが取り付けられている。第2取付部材350は、この第1気密部材1Cを介して既設枠310の屋内側部310Aの右側端部に当接することで、高い気密性が得られる。この第1気密部材1Cは、上述の第1気密部材1A,1Bと同一の構造を有する気密パッキンである。
【0069】
また、第2取付部材350の見付部352の左側端部には、見付部352よりも屋内側にずれてさらに左側に延びる延出部353が設けられている。この延出部153は、既設枠310の屋内側部310Aに第1取付部材330とともにねじ止めされている。
ここで、延出部353の基端部と先端部には、既設枠310の屋内側部310Aに向かって延びるリブ353A,353Bが設けられており、先端部のリブ353Bは、基端部のリブ353Aよりも長く延出している。そのため、延出部353が既設枠310の屋内側部310Aにねじ止めされると、延出部353及び見付部352を介して、見込部351の屋外側端部に取り付けられた第3気密部材3Cを、新設枠320の屋内側部320Aに強く押圧する力が作用する。その結果、第3気密部材3Cの中空部が強く押し潰されることで、より高い気密性が確保されるようになっている。
【0070】
また、リブ353A,353Bが、既設枠310の屋内側部310Aに当接することで形成された隙間により、切粉ポケット353Cが設けられている。ここで、既設枠310には、第2取付部材350をねじ止めするためのねじ孔は予め形成されてはいない。そのため、延出部353を既設枠310の屋内側部310Aにねじ止めする際に生じる切粉を、この切粉ポケット353C内に収容可能となっている。
【0071】
以上まとめると、本実施形態に係る改装サッシ1の第2取付部材150〜450は、既設枠110〜410との間の隙間を塞ぐ既設枠側気密部材として、4つの第1気密部材1A〜1Dを備えている。これら4つの第1気密部材1A〜1Dは、上下横枠100,200及び左右縦枠300,400のそれぞれに沿って通しで延設された、長尺平板状の気密パッキンで構成される。
【0072】
また、本実施形態に係る改装サッシ1の第2取付部材150〜450は、新設枠120〜420との間の隙間を塞ぐ新設枠側気密部材として、4つの第3気密部材3A〜3Dを備えている。これら4つの第3気密部材3A〜3Dは、上下横枠100,200及び左右縦枠300,400のそれぞれに沿って通しで延設された、中空部を有する長尺状の気密パッキンで構成される。
【0073】
ここで、本実施形態に係る改装サッシ1は、既設枠側気密部材が、窓枠10の四周に亘って連続して設けられていることを特徴としている。そのため、本実施形態に係る改装サッシ1は、上述の4つの第1気密部材1A〜1Dを互いに連結する目的で、既設枠側気密部材としての4つの第2気密部材2A〜2Dを、窓枠10の四隅に備えている。即ち、4つの第1気密部材1A〜1Dは、窓枠10の四隅において、それぞれ第2気密部材2A〜2Dに当接して圧着することで、互いに連結される。
【0074】
同様に、本実施形態に係る改装サッシ1は、新設枠側気密部材が、窓枠10の四周に亘って連続して設けられていることを特徴としている。そのため、本実施形態に係る改装サッシ1は、上述の4つの第3気密部材3A〜3Dを互いに連結する目的で、新設枠側気密部材としての4つの第2気密部材2A〜2Dを、窓枠10の四隅に備えている。即ち、4つの第3気密部材3A〜3Dは、窓枠10の四隅において、それぞれ第2気密部材2A〜2Dに当接して圧着することで、互いに連結される。
【0075】
上述の通り本実施形態では、4つの第2気密部材2A〜2Dを、既設枠側気密部材として用いるとともに、新設枠側気密部材としても併用している。従って、4つの第2気密部材2A〜2Dは、第1気密部材1A〜1Dを互いに連結することで既設枠側気密部材を窓枠10の四周に亘って連続させるとともに、第3気密部材3A〜3Dを互いに連結させることで新設枠側気密部材を窓枠10の四周に亘って連続させる。
ただし、新設枠側気密部材として、第2気密部材2A〜2Dとは別の第4気密部材を四隅に設けてもよい。
【0076】
本実施形態の気密部材の配置について、
図7〜
図11を参照して説明する。
図7及び
図8は、本実施形態に係る改装サッシ1の第2気密部材の配置を示す縦断面図である。
図9及び
図10は、本実施形態に係る改装サッシ1の第2気密部材の配置を示す斜視図である。
図11は、本実施形態に係る改装サッシ1の気密部材の配置を模式的に示す正面図である。
なお、
図7及び
図8では、新設枠や各障子等の記載を省略して示しており、
図9及び
図10では、新設枠の記載を省略して示している。
【0077】
図7では、屋内側から見て上側の隅に設けられた第2気密部材2A(2B)と第2取付部材150(第1気密部材1A及び第3気密部材3Aを含む)との位置関係と、下側の隅に設けられた第2気密部材2C(2D)と第2取付部材250(第1気密部材1B及び第3気密部材3Bを含む)との位置関係を模式的に示している。
図8では、左下の隅に設けられた第2気密部材2Cと第2取付部材350(第1気密部材1C及び第3気密部材3Cを含む)との位置関係と、右下の隅に設けられた第2気密部材2Dと第2取付部材450(第1気密部材1D及び第3気密部材3Dを含む)との位置関係を示している。
また
図9では、屋内側から見て左上の隅に設けられた第2気密部材2Aを示している。
図10では、屋内側から見て右下の隅に設けられた第2気密部材2Dを示している。
【0078】
ここで、上側の隅に設けられた第2気密部材2A,2Bは互いに同一の構造であり、下側の隅に設けられた第2気密部材2C,2Dは互いに同一の構造である。また、上側の隅に設けられた第2気密部材2A(2B)と、下側の隅に設けられた第2気密部材2C(2D)とは、異なる構造となっている。なお、これら第2気密部材2A〜2Dは、いずれも軟質樹脂製のスポンジ状の気密パッキンで構成される。
【0079】
図7〜
図11に示すように、上側に設けられた第2気密部材2A(2B)は、横長の直方体状の下側部201A(201B)と、下側部201A(201B)上に設けられた縦長の直方体状の上側部202A(202B)とで構成される。縦断面視において、第1気密部材1Aは、第2気密部材2A(2B)の上側部202A(202B)と重複しており(
図7参照)、第1気密部材1Aの延設方向の両末端は、第2気密部材2A(2B)の上側部202A(202B)に当接して圧着されていることが分かる(
図11参照)。
第3気密部材3Aは、縦断面視で第2気密部材2A(2B)の下側部201A(201B)上に位置しており(
図7参照)、第3気密部材3Aの延設方向の両末端は、第2気密部材2Bの下側部201B上に配置されていることが分かる(
図11参照)。
【0080】
また、下側の隅に設けられた第2気密部材2C,2Dは、平板状に形成され、左右の縦枠300,400の障子側の形状に沿った形状を有している。第1気密部材1Bは、縦断面視で第2気密部材2Cの下側に位置しており(
図7参照)、第1気密部材1Bの延設方向の両末端は、第2気密部材2Cの下側に配置されていることが分かる(
図11参照)。
第3気密部材3Bは、縦断面視で第2気密部材2Cと重複しており(
図7参照)、第3気密部材3Bの延設方向の両末端は、第2気密部材2Cに当接して圧着していることが分かる(
図11参照)。
【0081】
また、第1気密部材1Cは、横断面視で第2気密部材2C上に位置しており(
図8参照)、第1気密部材1Cの延設方向の両末端は、第2気密部材2A,2Cに当接して圧着されていることが分かる。
第3気密部材3Cは、横断面視で第2気密部材2C上に位置しており(
図8参照)、第3気密部材3Cの延設方向の両末端は、第2気密部材2A,2Cに当接して圧着されていることが分かる。
なお、第1気密部材1Dは第1気密部材1Cと同様であり、第3気密部材3Dは第3気密部材3Cと同様である。
【0082】
以上より、既設枠側気密部材としての4つの第1気密部材1A〜1Dは、窓枠10の四隅において、それぞれ第2気密部材2A〜2Dに当接して圧着されることで、互いに連結されていることが分かる。即ち、既設枠側気密部材は窓枠10の四周に亘って連続して設けられている。
同様に、新設枠側気密部材としての4つの第3気密部材3A〜3Dは、窓枠10の四隅において、それぞれ第2気密部材2A〜2Dに当接して圧着されることで、互いに連結されていることが分かる。即ち、新設枠側気密部材は窓枠10の四周に亘って連続して設けられている。
【0083】
次に、本実施形態に係る改装サッシ1の施工方法について、上横枠100を施工する場合を例に挙げて説明する。
図12は、本実施形態に係る改装サッシ1の施工手順を示す図である。具体的には、改装サッシ1の上枠100部分の拡大図である。
図12に示すように、本実施形態に係る改装サッシ1の施工方法は、新設枠取付工程と、ライナー挿入工程と、接合工程と、を有する。
【0084】
先ず、
図12(a)は、既設枠110から障子を取り外し、既設枠110が露出した状態を示している。
【0085】
図12(a)〜(b)は、新設枠取付工程を示している。即ち、新設枠取付工程では、既設枠110に第1取付部材130をねじ7Bでねじ止めすることで、既設枠110の内周面に第1取付部材130を取り付ける。その後、新設枠120を第1取付部材130の内周面側に配置する。
【0086】
次いで、
図12(b)〜(c)は、ライナー挿入工程を示している。即ち、ライナー挿入工程では、第1取付部材130と新設枠120との間に形成された隙間に、屋内側からライナー140(4枚の積層体)を挿入する。ライナー140を挿入後、ライナー140を介して新設枠120を第1取付部材130にねじ7Dによりねじ止めする。
【0087】
次いで、
図12(c)〜(d)は、接合工程を示している。即ち、接合工程では、第2取付部材150により、既設枠110の屋内側部110Aと新設枠120の屋内側部120Aを接合する。
具体的には、第1気密部材1Aを介して第2取付部材150を下方から、既設枠110の屋内側部110Aの下端部に押し当てる。このとき、上側の隅に設けられた第2気密部材2A,2Bを圧縮して押し潰しながら、第3気密部材3Aをケンドン式に嵌め込む。これにより、嵌め込んだ後も第2気密部材2A,2Bの反発力が確保され、高い気密性が得られるようになる。
【0088】
次いで、この状態で、屋内側から第2取付部材150を既設枠110にねじ7Eによりねじ止めする。このとき、第2取付部材150の延出部153の先端部に設けられたリブ153Bが基端部に設けられたリブ153Aよりも長いことに起因して、垂直部152及び水平部151を介して、その屋外側端部に取り付けられた第3気密部材3Aを、新設枠120の屋内側部120Aに強く押圧する力が作用する。これにより、第3気密部材3Aの中空部が強く押し潰される結果、高い気密性が確保される。
【0089】
なお、本実施形態に係る改装サッシ1の施工方法では、上横枠100及び左右の縦枠300,400において新設枠120,320,420を取り付ける前に、下横枠200の新設枠220を先に取り付けることが好ましい。これは、取付時において、各新設枠は第3気密部材3A〜3Dの反発力によって屋外側に逃げようとするところ、下横枠200の新設枠220を先に取り付けることにより、上横枠100及び左右の縦枠300,400における第3気密部材3A,3C,3Dの反発力が作用せず、施工性が向上するからである。
【0090】
本実施形態によれば以下の効果が奏される。
本実施形態に係る改装サッシ1では、既設枠(110,210,310,410)の屋内側部(110A,210A,310A,410A)と新設枠(120,220,320,420)の屋内側部(120A,220A,320A,420A)とに跨って両枠の延設方向に延び、両屋内側部を接合するための第2取付部材(150,250,350,450)を設けた。
また、既設枠(110,210,310,410)と第2取付部材(150,250,350,450)との接合部には、当該接合部の隙間を塞ぐ第1気密部材(1A,1B,1C,1D)を設けるとともに、新設枠(120,220,320,420)と第2取付部材(150,250,350,450)との接合部には、当該接合部の隙間を塞ぐ第3気密部材(3A,3B,3C,3D)を設けた。そして、第1気密部材(1A,1B,1C,1D)及び第3気密部材(3A,3B,3C,3D)のいずれか一方又は両方は、両枠の四周に亘って連続して設けた。
【0091】
本実施形態によれば、既設枠と第2取付部材との接合部の隙間を塞ぐ第1気密部材と、新設枠と第2取付部材との接合部の隙間を塞ぐ第3気密部材のいずれか一方又は両方を、両枠の四周に亘って連続して設けたことにより、気密ラインが両枠の四周に亘って連続する。そのため、本実施形態によれば、従来よりも高い気密性が得られる。
また、本実施形態によれば、このような簡単な構造で高い気密性が得られ、製造コストを削減できる。さらには、上記気密部材により、既設枠の変形や新設枠取り付け時の施工誤差等による隙間の発生を防止でき、施工精度のバラツキを抑制できるため、施工性を向上できる。
また、屋外側に気密パッキンを設けた場合には、塗装吹き付け等により表面が荒れて高い気密性が得られないところ、本実施形態では屋内側に第1気密部材及び第3気密部材を設けたため、そのような不具合を回避できる。
【0092】
ところで、従来の改装サッシでは、新設枠と既設枠の間の隙間を塞ぐために、新設枠に取り付けた屋外側の気密パッキンを既設枠に当てて水を切り、既設枠に通しで固定した取付補助材と新設枠を屋内側で重なり部を設けてねじ固定することで隙間を塞ぐ構造としていた。この構造では、新設枠固定時のライナー(調整スペーサ)を使用する際に取付補助材にライナーを通すための切り欠き加工が必要であり、開いた切り欠きを塞ぐ処置が必要となる等、コストや手間がかかることが課題であった。
これに対して本実施形態によれば、新設枠とは別体の第2取付部材を用いるため、ライナー挿入のための切り欠き加工が不要であり、上述のような不具合を回避でき、コストや手間を削減できる。
【0093】
また本実施形態では、既設枠側気密部材を、第2取付部材(150,250,350,450)の延設方向に沿って延びる長尺状の4つの第1気密部材(1A,1B,1C,1D)と、両枠の四隅に設けられた4つの第2気密部材(2A,2B,2C,2D)を含んで構成するとともに、第1気密部材(1A,1B,1C,1D)と第2気密部材(2A,2B,2C,2D)を当接させた。
また本実施形態では、新設枠側気密部材は、第2取付部材(150,250,350,450)の延設方向に沿って延びる長尺状の4つの第3気密部材(3A,3B,3C,3D)と、両枠の四隅に設けられた4つの第2気密部材(2A,2B,2C,2D)を含んで構成するとともに、第3気密部材(3A,3B,3C,3D)と第2気密部材(2A,2B,2C,2D)を当接させた。
これにより、既設枠側気密部材及び新設枠側気密部材が両枠の四周に亘って連続するため、上記効果がより確実に発揮される。また、両枠の四隅において、第1〜第3気密部材間の隙間を目視で確認でき、現場での不具合の発生を回避できる。
【0094】
また本実施形態では、既設枠の内周面に新設枠を取り付ける新設枠取付工程と、既設枠と新設枠との間に形成された隙間に、屋内側からライナー(140,340,440)を挿入するライナー挿入工程と、第2取付部材により、既設枠の屋内側部と新設枠の屋内側部を接合する接合工程と、を有し、接合工程は、既設枠側気密部材(例えば、後述の第1気密部材1A,1B,1C,1D)を介して前記取付部材を既設枠に押し当てた状態で、屋内側から取付部材を既設枠に締結することで、前記新設枠側気密部材(例えば、後述の第3気密部材3A,3B,3C,3D)を新設枠に押し当てることを特徴とする改装サッシの施工方法を提供する。
この施工方法によれば、簡易な方法により、高い気密性を有する改装サッシが得られる。
【0095】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。