特許第6449761号(P6449761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6449761
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】歯科用ハンドピースのノズル
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/08 20060101AFI20181220BHJP
【FI】
   A61C1/08 F
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-504365(P2015-504365)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(86)【国際出願番号】JP2014055657
(87)【国際公開番号】WO2014136847
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】特願2013-45879(P2013-45879)
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000150327
【氏名又は名称】株式会社ナカニシ
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】山根 千尋
(72)【発明者】
【氏名】高森 昭一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹二
(72)【発明者】
【氏名】川久保 潔
【審査官】 家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/004505(WO,A1)
【文献】 米国特許第4276880(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0117517(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/154718(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0167233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/08
A61C 3/025
A61C 17/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピース本体に接続されて、ハンドピース本体を通じて供給される空気とパウダーとの混合物を水とともに噴出する歯科用ハンドピースのノズルであって、ハンドピース本体に接続される接続部と、前記接続部から延びて、正面、背面、両側面、及び先端を有するノズル本体とからなり、前記ノズル本体には、前記先端付近に前記正面から両側面にかけて断面略矩形の切欠きが形成されて上流面と下流面とをなし、前記ノズルは、前記混合物を通すための通路及びその噴出口と、前記水を通すための通路及びその噴出口とを別個に備え、前記混合物の通路は、前記接続部から前記ノズル本体内部を前記正面に沿って前記先端付近まで延在し、前記混合物の噴出口が前記上流面に開口し、前記混合物の噴出口から噴出される混合物を受けて前記切欠きの外部に向けて案内するためのガイドが、前記下流面に設けられ、
前記ノズル本体の少なくとも一方の側面に、前記切欠きに近接する位置から前記接続部付近まで延在する溝が形成され、
前記切欠きの上流面と下流面とが、ノズル本体の内部から外部に向けて広がるように互いに角度をなす傾斜面をなし、前記上流面は、噴出口から噴出した混合物を前記接続部方向に逃がすためにガイド面をなし、前記下流面は、噴出口から噴出した混合物を前記切欠きの先へ案内するガイド面をなし、また、
前記ノズル本体の側面に形成された溝は、前記上流面の傾斜面とともに、混合物の噴出口から噴出される混合物を前記接続部方向に逃がすためのガイドを果たす、
ことを特徴とする、歯科用ハンドピースのノズル。
【請求項2】
前記水の通路は、前記接続部から前記ノズル本体内部を前記背面に沿って前記先端まで延在し、前記水の噴出口が前記先端に開口する請求項1に記載の歯科用ハンドピースのノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用ハンドピースのノズルに関し、特に、ハンドピース本体のノズル接続口にノズルを取り付けて、空気とパウダーとの混合物を水とともに噴出させる形式の歯科用ハンドピースのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
歯面を研磨又は清掃するためのパウダーを空気と混合し、この混合物を水とともに歯面に吹き付ける歯科用ハンドピースが知られている。この種の歯科用ハンドピースが例えば特許文献1により開示されている。この文献1の歯科用ハンドピースはハンドピース本体とノズルとにより構成される。ハンドピース本体は、パウダーを収納するための容器と、この容器内に空気を供給するための空気供給路と、パウダーと空気の混合物をノズルまで移送するための混合物移送路と、水をノズルまで移送するための水移送路と、ノズルを取り付けるためのヘッド(ノズル接続口)とを備える。ノズルは、混合物と水とを別個に噴出するための通路及び噴出口をそれぞれ別個に有する。ノズルは、ハンドピース本体先端のヘッドに挿着固定されて、ノズルの混合物及び水の各別の通路及び噴出口がハンドピース本体の混合物移送路及び水移送路に連通される。このようにしてハンドピース本体を通じて供給される空気とパウダーとの混合物を水とともにノズルから噴出するようになっている。
【0003】
また、このような空気とパウダーとの混合物を水とともに噴出させるノズルとして、歯肉縁下の治療に使用するノズルが周知であり、例えば特許文献2に開示されている。この文献2に例示されているように、歯肉縁下治療用のノズルは、ハンドピース本体に接続される接続部と、この接続部から先端に向けて漸次細長く略扁平状に延びるノズル本体とからなる。ノズル本体内部には、接続部からノズル本体の先端に向けて、空気とパウダーとの混合物を通すための通路と、水を通すための通路とが別個に設けられ、ノズル本体の先端に、混合物及び水を各別に噴出するための混合物の噴出口及び水の噴出口がそれぞれ開口される。なお、一般の歯科医療機関向けに提供される製品としては、ノズル全体が樹脂製で、先端側の幅方向の寸法が1.62mm、厚さ方向の寸法が0.78mmのものや、ノズル全体が金属製で、先端側の幅方向の寸法が1.95mm、厚さ方向の寸法が0.91mmのものなどがある。
【0004】
これらのノズルは、ハンドピース本体のノズル接続口に対して、差し込み式、ねじ込み式など、各種の固定手段により接続され、歯肉縁下の治療の際に、既述のとおり、ハンドピース本体を通じて供給される空気とパウダーとの混合物及び水を、ノズルの混合物及び水の各別の通路を通して、混合物及び水の各別の噴出口から噴出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−286268公報
【特許文献2】特開2008−149138公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この種の歯肉縁下の治療に用いるノズルは、既述のとおり、細長く扁平状に形成されていて、ノズルの内部に形成された混合物の通路及び水の通路がノズルの先端で開口されて、混合物の噴出口及び水の噴出口になっているため、歯肉縁下の治療の際に、このノズルを歯肉縁下の歯面と歯肉との間の微小な隙間に差し込んで空気とパウダーとの混合物を噴出しようとする場合に、混合物の噴出口を治療部位に向けてねらいが付けにくく、混合物を治療部位に向けて適切に吹き付けることが難しい、という問題がある。
【0007】
また、このようなノズルの場合、ノズル先端の噴出口の周囲が歯肉縁下の歯面と歯肉との間に挟まれるため、噴出口から噴出される混合物が歯肉縁下から逃げにくく、混合物を歯肉縁上に効率良く排出することが難しい、という問題がある。
【0008】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種の歯科用ハンドピースのノズルにおいて、歯肉縁下の治療に際し、ノズルを歯肉縁下の歯面と歯肉との間の微小な隙間に差し込んで空気とパウダーとの混合物を噴出する場合に、混合物を治療部位に向けて適切に吹き付けることができ、また、歯肉縁下で噴出された混合物を歯肉縁上に効率良く排出することができるようにして、歯科治療の作業性の向上を図ること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ハンドピース本体に接続されて、ハンドピース本体を通じて供給される空気とパウダーとの混合物を水とともに噴出する歯科用ハンドピースのノズルであって、ハンドピース本体に接続される接続部と、前記接続部から延びて、正面、背面、両側面、及び先端を有するノズル本体とからなり、前記ノズル本体には、前記先端付近に前記正面から両側面にかけて断面略矩形の切欠きが形成されて上流面と下流面とをなし、前記ノズルは、前記混合物を通すための通路及びその噴出口と、前記水を通すための通路及びその噴出口とを別個に備え、前記混合物の通路は、前記接続部から前記ノズル本体内部を前記正面に沿って前記先端付近まで延在し、前記混合物の噴出口が前記上流面に開口し、前記混合物の噴出口から噴出される混合物を受けて前記切欠きの外部に向けて案内するためのガイドが、前記下流面に設けられ、前記ノズル本体の少なくとも一方の側面に、前記切欠きに近接する位置から前記接続部付近まで延在する溝が形成され、前記切欠きの上流面と下流面とが、ノズル本体の内部から外部に向けて広がるように互いに角度をなす傾斜面をなし、前記上流面は、噴出口から噴出した混合物を前記接続部方向に逃がすためにガイド面をなし、前記下流面は、噴出口から噴出した混合物を前記切欠きの先へ案内するガイド面をなし、また、前記ノズル本体の側面に形成された溝は、前記上流面の傾斜面とともに、混合物の噴出口から噴出される混合物を前記接続部方向に逃がすためのガイドを果たす、ことを要旨とする。
【0011】
また、ノズル本体の少なくとも一方の側面に、前記切欠き若しくは前記切欠きに近接する位置から前記接続部付近まで延在し、混合物の噴出口から噴出される混合物を前記接続部方向に逃がすためのガイドを備えることが好ましい。
【0012】
さらに、水の通路は、接続部からノズル本体内部を背面に沿って先端まで延在し、水の噴出口が先端に開口することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の歯科用ハンドピースのノズルによれば、混合物の噴出口がノズルの上流面に開口し、混合物の噴出口から噴出される混合物を受けて切欠きの外部に向けて案内するためのガイドが、ノズルの下流面に設けられるので、歯肉縁下の治療に際し、ノズルを歯肉縁下の歯面と歯肉との間の微小な隙間に差し込んで空気とパウダーとの混合物を噴出しようとする場合に、混合物の噴出口を治療部位に向けてねらいを付けやすく、混合物を治療部位に向けて適切に吹き付けることができ、歯科治療の作業性の向上を図ることができる。
【0014】
また、このノズルによれば、上流面と下流面とが、ノズル本体の内部から外部に向けて広がるように互いに角度をなす傾斜面をなし、上流面が、噴出口から噴出した混合物を接続部方向に逃がすためのガイド面をなし、さらに、ノズル本体の少なくとも一方の側面に、切欠き若しくは切欠きに近接する位置から接続部付近まで延在し、混合物の噴出口から噴出される混合物を接続部方向に逃がすためのガイドを備えるので、歯肉縁下で噴出された混合物を歯肉縁上に向けて案内して効率良く排出することができ、歯科治療の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における歯科用ハンドピースのノズルをハンドピース本体の要部とともに示す側面図である。
図2図1のノズルの構成をハンドピース本体の要部の構成とともに示す断面側面図である。
図3図1のノズルの各部の構成をハンドピース本体の要部の構成とともに示す分解断面側面図である。
図4図1のノズルの、特に混合物及び水の各噴出口の構成を示す部分拡大斜視図であり、図4(a)はノズルの正面側から見た図、図6(b)はノズルの背面側から見た図である。
図5図1のノズルから噴出される混合物の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。図1図2に示すように、本発明のノズルを接続するハンドピース本体1は、空気とパウダーとの混合物を移送するための混合物移送路11及びその出口110と、水を移送するための水移送路12及びその出口120とを備える。混合物移送路11はハンドピース本体1の軸芯上に配置され、その周囲に水移送路12が配置されて、二重管構造になっている。また、ハンドピース本体1は先端にヘッド13を有する。図3に示すように、ヘッド13は略L字形管からなり、混合物移送路11及び水移送路12に接続するための上流側の接続口14と、ノズルを接続するための下流側のノズル接続口15とを有する。ヘッド13はさらに、中間部分で接続口14、15間を遮断する遮断部16を有する。この遮断部16の略中央には、混合物移送路11に連通する入口171とノズル接続口15に開口する出口110とを有する混合物の通路17が貫通形成され、混合物移送路11の一部をなす。遮断部16にはまた、この混合物の通路17に対して側方にオフセットして、水の通路18が貫通形成され、水移送路12の一部をなす。この水の通路18は、上流側接続口14の内周面に周方向溝として形成される水の通路19と、ノズル接続口15の内周面に周方向溝として形成される水移送路の出口120とを、それぞれ軸方向所定位置で連通させる。上流側接続口14内には、Oリング10が設けられ、ヘッド13が水移送路12に対して水密となっている。
【0017】
図1図2に示すように、本発明の一実施形態に係るノズル2Aは、ハンドピース本体1に接続される接続部201と、接続部201から延びて、正面、背面、両側面、及び先端を有するノズル本体202とからなる。ノズル2Aは、空気とパウダーとの混合物を通すための通路21及びその噴出口210と、水を通すための通路22及びその噴出口220とを別個に備え、ハンドピース本体1に接続されて、ハンドピース本体1を通じて供給される空気とパウダーとの混合物を水とともに噴出するようになっている。
【0018】
このノズル2Aは、歯肉縁下の治療に使用する歯肉縁下治療用で、接続部201がハンドピース本体1のヘッド13先端のノズル接続口15に対応する形状を有し、ノズル本体202が歯面と歯肉縁との間に挿入可能に細長く扁平状に形成される。図3に示すように、接続部201は軸方向凹部を有する略円筒状に形成されて、その凹部底面の略中央に混合物を通すための混合物の入口211が、その周囲に水を通すための水の入口221が、それぞれ形成される。ノズル本体202はその外形の幅、厚みが共に接続部201から漸次縮減されるように細長く扁平状に形成され、この実施形態では、特に横方向に扁平状に形成される。
【0019】
ノズル本体202の先端付近には、正面から両側面にかけて断面略矩形の切欠き23が形成されて、上流面231と下流面232とをなす。図4に示すように、切欠き23の上流面231及び下流面232は、ノズル本体202の内部から外部に向けて広がるように互いに適宜の角度をなす傾斜面として形成される。混合物の通路21は、接続部201に設けた混合物の入口211からノズル本体202内部を正面に沿って先端付近まで軸方向に直線的に延在し、切欠き23内、特に上流面231に出口として噴出口210が開口する。この上流面231は、噴出口210から噴出された混合物を接続部201方向、つまり歯肉縁上に向けて逃すためのガイドとして機能し、下流面232は、噴出口210から噴出された混合物を受け、切欠き23の先へ案内するガイドとして機能する。
【0020】
さらに、図1に示すように、ノズル本体202の少なくとも一方の側面、好ましくは両側面にそれぞれ、切欠き23に近接する位置から接続部201付近まで断面円弧状の溝24が軸方向に形成され、これらの溝24が、噴出口210から噴出された混合物を接続部201方向、つまり歯肉縁上に向けて逃すためのガイドになっている。
【0021】
一方、ノズル本体202の内部背面側には、接続部201に設けた水の入口221から軸方向に延びる水の通路22が形成され、その出口として、ノズル本体202の先端面に噴出口220が開口される。
【0022】
このような構成を有するノズル2Aは、図2に示すように、新規な構造の回転機構3Aを介してハンドピース本体1のノズル接続口15に回転可能に接続される。この回転機構3Aは、図3に示すように、上流端がハンドピース本体1のヘッド13のノズル接続口15内に回転可能に配置され、下流端がノズル2Aの混合物の通路21に固定される管材31と、ノズル接続口15内に固定され、管材31を回転可能に挿通可能な装着部材34と、ノズル2Aの接続部201に固定され、管材31を回転可能に挿通可能なノズル保持部材35とを備える。管材31は、ノズル接続口15内に回転可能に配置され、混合物移送路の出口110に連通して、ノズル接続口15から突出する。装着部材34は、ノズル接続口15内に固定されるリング状の固定部31と、この固定部32に連接して一体的に形成されるリング状のガイド部33とからなる。固定部32は、中央に管材31を回転可能に挿通可能な管材挿通部323が設けられ、その周囲に水移送路の出口120に連通して水を通すための水の通路324が設けられる。ガイド部33はリング状であり、固定部32の水の通路324からの水を案内するための中空部330を有する。このような構成の装着部材34は、固定部32をノズル接続口15に固定することにより、ガイド部33がノズル接続口15外に配置される。また固定部32の管材挿通部323及びガイド部33の中空部330を通して管材31が回転可能に挿通され、固定部32の水の通路324及びガイド部33の中空部330を通して水を通すようになっている。ノズル保持部材35は、上流側が装着部材34のガイド部33内に回転可能に配置され、下流側は、ノズル2Aの接続部201内に嵌合固定される。ノズル保持部材35の中央には、ノズル2Aの混合物の通路21と装着部材34の管材挿通部323とを連通させて管材31を回転可能に挿通する管材挿通部352が設けられ、その周囲にノズル2Aの水の通路22と装着部材34の水の通路324とを連通させる水の通路353が設けられている。
【0023】
このような回転機構3Aにより、ハンドピース本体ヘッド13のノズル接続口15内に固定される装着部材34のガイド部33内に、ノズル2Aに嵌合固定されたノズル保持部材35が嵌め込み配置され、管材31が、装着部材34の管材挿通部323及びノズル保持部材35の管材挿通部352を通して、ノズル2Aの混合物の通路21に連結固定されることにより、ハンドピース本体に対してノズル2Aが回転可能に接続される。
【0024】
このようにしてハンドピース本体ヘッド13のノズル接続口15内で混合物移送路の出口110に連通される管材31は、ノズル接続口15に固定され水移送路の出口120に連通される水の通路324を有する装着部材34を通して回転可能に支持されてノズル接続口15から突出され、ノズル保持部材35を介してノズル2Aの混合物の通路21に連通連結され、ノズル2Aに固定されたノズル保持部材35は装着部材34のガイド部33内に回転可能に配置される。かかる構造により、管材31は混合物をノズル2Aの混合物の通路21に導入する回路をなし、その周囲に通された装着部材34、ノズル保持部材35の各水の通路324、353が水をノズル2Aの水の通路22に導入する回路をなし、混合物の回路と水の回路が独立の回路として構成される。その一方の回路の管材31が回転軸となって、装着部材34のガイド部33とノズル保持部材35との回転方向の案内により、管材31、ノズル保持部材35、ノズル2Aの3点が一体に回転するようになっている。
【0025】
このようにしてノズル2Aはハンドピース本体1のヘッド13に対して独立して回転するようになっている。従って、このノズル2Aを歯面に沿って動かすと、ノズル2Aが回転することにより、歯面に対して適切な角度に調整することができる。
【0026】
この歯科用ハンドピースのノズル2Aでは、ハンドピース本体1の混合物移送路11から供給される空気とパウダーとの混合物は、ヘッド13内で混合物移送路の出口110から管材31、ノズル2Aの混合物の通路21を通じて、ノズル2Aの混合物の噴出口210から噴射される。一方、ハンドピース本体1の水移送路12から供給される水は、ヘッド13内で水移送路の出口120から装着部材34の固定部32の水の通路324、ガイド部33内に配置されるノズル保持部材35の水の通路353、ノズル2Aの水の通路22を通じて、ノズル2Aの水の噴射口220から噴射される。図5に示すように、ノズル2Aの混合物の噴出口210から噴出された混合物は、この噴出口210に対向する切り欠き23の下流側の傾斜面232がガイドになって、切り欠き23の先へ噴射されるので、混合物は治療部位の一定の範囲に確実に吹き付けられる。また、ノズル2Aの混合物の噴出口210から噴出された混合物は、この噴出口210が開口される切り欠き23の上流側の傾斜面231及びノズル2Aの両側面の溝24がガイドになって、歯肉縁上に向けて確実に逃がされる。
【0027】
したがって、歯肉縁下の治療の際に、術者は、ノズル2Aの先端を歯肉縁下に挿入し、ノズル2Aを治療部位の歯面に沿って動かす場合に、ノズル2Aを回転させることにより治療部位の歯面に応じた適切な角度に容易に調整することができ、ノズル2Aから噴出される混合物を治療部位の歯面に確実に吹き付けることができる。さらに、混合物の噴出口210から噴出された混合物を、この噴出口210に対向する下流面232をガイドにして、治療部位の歯面の一定の範囲に確実に吹き付けることができ、また、混合物の噴出口210から噴出された混合物を、この噴出口210が開口される上流面231及びノズル2Aの両側面の溝24をガイドにして、歯肉縁上に向けて確実に逃がすことができる。
【0028】
したがって、このノズル2Aによれば、歯肉縁下の治療の際に、歯肉縁下の歯面と歯肉の間の微小な隙間に差し込んで、空気とパウダーとの混合物を治療部位に向けて適切に吹き付けることができ、また、歯肉縁下で噴出された混合物を歯肉縁上に効率良く排出することができ、歯科治療の作業性の向上を図ることができる。
【0029】
なお、この実施の形態では、ノズル2Aがハンドピース本体1に管材31、装着部材34及びノズル保持部材35からなる回転機構3Aにより回転可能に接続されるものとして例示したが、このノズルはハンドピース本体に他の回転機構を介して接続されてもよく、また、ハンドピース本体に固定されて非回転としてもよく、ハンドピース本体との接続形式は種々に変更可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 ハンドピース本体
10 Oリング
11 混合物移送路
110 混合物移送路の出口
12 水移送路
120 水移送路の出口
13 ヘッド
14 上流側接続口
15 ノズル接続口
16 遮断部
17 混合物の通路
171 入口
18 水の通路
19 水の通路
2A ノズル
201 接続部
202 ノズル本体
21 混合物の通路
210 混合物の噴出口
211 混合物の入口
22 水の通路
220 水の噴出口
221 水の入口
23 切欠き
231 上流側傾斜面
232 下流側傾斜面
24 溝
3A 回転機構
31 管材
32 固定部
323 管材挿通部
324 水の通路
33 ガイド部
330 中空部
34 装着部材
35 ノズル保持部材
352 管材挿通部
353 水の通路
2B ノズル
204 軸方向凹部
図1
図2
図3
図4
図5