(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1アバットメント要素(71)と前記第2アバットメント要素(72)はアバットメント要素であるピンの組を含んでそれぞれ成り、前記少なくとも1つの回転要素(81)は前記ピン(71、72)と相互作用する回転要素であるホイール(81)を含んでそれぞれ成る、請求項1に記載のヒンジ。
前記少なくとも1つのピボット(20)の前記カム手段(70)は凸形状端部(75、76)間に設置された凹形状部(24)を含んでおり、前記第1アバットメント要素(71)と前記第2アバットメント要素(72)は前記少なくとも1つのピボット(20)の前記凸形状端部(75、76)の少なくとも1つの領域を含んでそれぞれ成る、請求項1又は2に記載のヒンジ。
前記少なくとも1つのピボット(20)は、第1半部分(21’)と第2半部分(21”)とが互いに組み合わせられて形成され、一旦組み合わされた該第1半部分(21’)と該第2半部分(21”)の結合のための部材手段(22、23’、23”)は、それらを相互に一体的にするように利用される、請求項1から4のいずれかに記載のヒンジ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記の図に関して説明すれば、ヒンジ1は、知られた方法で壁、床、枠体などの静止支持構造体(固定された支持構造体)に係留できる扉およびシャッタなどの少なくとも1つの閉要素の回転動作を制止するのに有利に使用される。
【0022】
非限定例として、ヒンジ1は、ガラス扉、並びに、木材、アルミまたはPVC製の屋内扉、およびシャワーシャッタあるいは冷房室の扉に利用できる。
【0023】
添付図面において、閉要素および静止支持構造体は知られたものであるために図示されてはいない。これら両要素は「特許請求の範囲」において請求されている発明の一部ではない。
【0024】
従って、ヒンジ1は静止支持構造体と閉要素の片方に係留可能なボックス型ヒンジ本体10と、静止支持構造体と閉要素の他方に係留可能なピボット20とを含むことができる。
【0025】
添付図面に示される全ての実施例において、ボックス型ヒンジ本体10は静止支持構造体に係留されており、ピボット20は閉要素に係留固定されている。従って、ボックス型ヒンジ本体10は固定状態であり、ピボット20は回転可能な状態にある。
【0026】
しかしながら特許請求項のスコープ(範囲)から逸脱せずに、ボックス型ヒンジ本体10を閉要素に係留することができ、ピボット20を静止支持構造体に係留することもできる。
【0027】
好適には、ピボット(旋回軸)20とボックス型ヒンジ本体10は、例えば実質的に垂直であるX軸の周囲で回転するように相互に結合されている。
【0028】
有利には、X軸は閉要素の回転軸を画定することもできる。
【0029】
ヒンジ1は、例えば実質的に水平であり、X軸に実質的に垂直なY軸を画定する作動チャンバ40も含んでいる。ボックス型ヒンジ本体10の内部に収容できる作動チャンバ40内で、プランジャ部材50がY軸に沿ってスライドでき、その上に弾性反作用(反発)手段60が作用できる。
【0030】
このように、プランジャ部材50は、作動チャンバ40の底壁45の手前位置と、そこから遠方の遠方位置との間でY軸に沿ってスライドすることができる。本発明の説明のみを目的とし、その限定は意図しない図面で示す実施例においては、手前位置は開状態の閉要素の位置に対応し、遠方位置は閉状態の閉要素の位置に対応する。
【0031】
一方、手前位置は弾性反作用手段60の最大圧縮状態に対応でき、遠方位置はその最大伸張状態に対応できる。
【0032】
弾性反作用手段60の設計形態に応じて、ヒンジ1は閉ヒンジでもチェックヒンジでもよい。
【0033】
事実、弾性反作用手段60は、閉位置の閉要素が開位置から、あるいはその逆に戻ることが可能な1以上のスラストスプリングを含むか、またはプランジャ部材50の元の位置を取り戻すが、閉位置の閉要素を開位置から、あるいはその逆に戻すことはできないリターン(戻り)スプリングを含むことができる。
【0034】
好適であるが排他的ではない1実施例においては、プランジャ部材50は、好適には作動チャンバ40内に封止的に挿入された筒体100を含むことができる。
【0035】
ピボット(旋回軸)20とプランジャ部材50は相互に係合でき、ピボットのX軸の周囲の回転は、プランジャ部材の手前位置(近接した位置)と遠方位置(離間した位置)との間のY軸に沿ったスライドに対応し、その逆に、プランジャ部材の手前位置と遠方位置との間のY軸に沿ったスライドはX軸の周囲のピボットの回転に対応する。
【0036】
その目的のため、ピボット20はプランジャ部材50を遠方位置から手前位置に戻すためにX軸の周囲を回転するカム手段70を含むことができる。
【0037】
一方、カム従動子手段80は、例えばシャフト30を介して、手前位置と遠方位置との間でY軸に沿ってスライドするよう、カム手段60と相互作用し、プランジャ部材50と一体的に結合するように提供できる。
【0038】
好適には、弾性反作用手段60はプランジャ部材50に作用して、それを手前位置から遠方位置に戻すことができる。
【0039】
好適ではあるが排他的ではない1実施例においては、カム従動子手段80はX軸に実質的に平行で離れているX’軸の周囲で回転する回転要素81を含むことができる。
【0040】
有利には、回転要素81は筒形状を有することができる。例えば、それはホイール(車輪)で構成でき、相互に重なって結合する雄部材82’と雌部材82”を利用できる。この設計形態によって、カム手段70との相互作用で得られる作動力は雄部材82’と雌部材82”との間で同等に配分され、ヒンジ1の継時的な耐久性に明確に貢献する。
【0041】
好適には、ホイール(回転要素)81は、X’軸の周囲で回転するようにシャフト30の端部31の座部(シート)内に回転可能に収容できる。
【0042】
この目的でホイール81は、座部31内に挿入が可能な中央筒部83と、カム手段70との接触係合が可能な中央部よりも大きな直径の2つのディスク形状上部84’とディスク形状下部84”とを有することができる。
【0043】
有利には、ホイール81はブッシング85上でX’軸の周囲を回転でき、摩擦を最少化することができる。
【0044】
カム手段70は、ホイール81との接触係合が可能な第1のアバットメント(当接)要素71および第2のアバットメント72を含むことができる。
【0045】
一方、特許請求項のスコープを逸脱せずにホイール81は1つのディスク形状部を含むことができる。しかし、2つの重なり合ったディスク形状部のホイール81が作動力の最良の配分を確実にし、それによって一般的にヒンジ1の平均使用寿命を非常に長くできることが理解されよう。
【0046】
有利なことに、第1のアバットメント要素71と第2のアバットメント要素72は両方とも少なくとも1つの湾曲部をそれぞれ有することができる。
【0047】
例えば、
図1から
図3bにおいて示す実施例においては、それらは、ホイール81と選択的に相互作用が可能なX軸に実質的に平行で、Y軸に実質的に垂直であるX””軸とX”’軸とをそれぞれ画定する。
【0048】
特に、ピン(アバットメント要素)71と72は、ホイール81の上部84’と下部84”の周縁部85’と85”との接触係合を許す側壁73、74をそれぞれ有することができる。
【0049】
一方、
図4から
図6bに示す実施例では、第1アバットメント要素71および第2アバットメント要素72は、凹形状部24に提供されたカム要素70の端部の凸形状湾曲部75、76の少なくとも1つの領域によってそれぞれ画定できる。
【0050】
端部の凸形状湾曲部75、76のその領域はホイール81の上部84’と下部84”の周縁部85’、85”との1以上の接触点によって画定できる。他方、その領域は、端部の凸形状湾曲部75、76の少々延伸した連続部分によって画定できる。
【0051】
この場合においても、端部の凸形状湾曲部75、76の領域はX軸に実質的に平行でY軸に実質的に垂直なX”軸とX”’軸をそれぞれ画定し、ホイール81の上部84’と下部84”の周縁部85’、85”との接触係合が可能であろう。
【0052】
このように、閉要素の開閉によって、すなわちX軸の周囲でのカム手段70の回転によって、特に2つのアバットメント要素(abutment element)71、72の回転によって、それはX’軸の周囲のホイール81の回転およびY軸に沿ったその平行移動に対応する。
【0053】
特に、閉要素の開閉によって、すなわちX軸の周囲でのピボット20の回転によって、X”軸とX”’軸は、例えば、
図3a、
図5aおよび
図6aに示され、X”軸とX”’軸の2軸がY軸から等距離で離れている閉じた閉要素の位置を画定している休止位置と、例えば、
図3b、
図5b、
図6bに示され、X”軸とX”’軸の2軸がY軸と整列している開いた閉要素の位置を画定する作用位置との間でX軸自身に対して偏心的に回転する。
【0054】
ここに示す実施例において、ヒンジ1は、閉要素が、
図3a、
図5aおよび
図6aの実施例で示す閉位置と、閉位置に対して互いに対面し、その1つが
図3b、
図5b、
図6bで実施例として示されている2つの開位置との間で回転するように設計形態化されている。
【0055】
図面には、閉要素が閉位置に存在するときにはホイール81が両方のアバットメント要素(迫台)71、72と接触係合状態で、その上に安定的に配置されており、それが開位置のそれぞれに存在するときにはアバットメント要素71または72のみと選択的に接触状態となることが明示されている。
【0056】
同時に、閉要素の開閉によって、すなわちX軸の周囲のピボット20の回転によって、それは、X’軸が、例えば、
図3a、
図5aおよび
図6aに示されている、プランジャ部材50の遠方位置と、閉じた閉要素の位置の両方と一致するX軸の手前に存在する手前位置と、
図3b、
図5bおよび
図6bで示されている、プランジャ部材50の手前位置と、開いた閉要素の位置の両方と一致するX軸の遠方位置との間で、Y軸に沿ったホイール81によって画定されたX’軸の平行移動に対応する。
【0057】
X’軸の周囲のホイール81の回転が、本質的にはホイール81およびアバットメント要素71、72である接触係合している部品間の摩擦を最小化し、ヒンジ1の耐久性を最大化することは自明であろう。
【0058】
加えて、接触係合する部品間の摩擦の最小化は弾性反作用手段60のスラストを最大化させることもする。事実、後者であるヒンジ1は従来技術のヒンジのスラストよりも大幅に大きなスラストを発生させる。
【0059】
摩擦をさらに小さくするため、アバットメント要素(支台)71、72とホイール81との間の接触係合を相互接触点P’、P”、P”’で行うことができる。これで接触が1点で行われることが確実になる。
【0060】
特に、接触点P’とP”は、
図3bと
図5bに示すようにアバットメント要素71、72と閉じた閉要素の位置にあるホイール81との間の接触点である。一方、接触点P”’は
図3bと
図5bに示すようにアバットメント要素72と開いた閉要素の位置の1つにあるホイール81との間の接触点である。
【0061】
ホイール81の回転によって、接触点P”’は接触点P’およびP”’の両方とは異なることが理解されよう。
【0062】
開いた閉要素の他の位置では、
図3bに示すものとは逆に、ホイール81はさらなる1つの接触点でアバットメント要素71と接触状態にあることが理解されよう。
【0063】
好適ではあるが排他的ではない1実施例においては、アバットメント要素71、72は、X”軸とX”’軸がそれぞれ、X軸とX’軸に実質的に平行でY軸に実質的に垂直である平面πを画定するように相対的に配置されている。
【0064】
また好適には、接触点P’、P”は、X軸に実質的に平行であり、Y軸に実質的に垂直である平面π’を画定することができる。X’軸が手前位置にあるとき、すなわち
図3aと
図5aに示すようにプランジャ部材50が遠方位置にあるときには、平面πとπ’は相互に平行でよい。
【0065】
ヒンジ1は機械式または油圧式(流体圧式)のものでよい。
【0066】
油圧ヒンジの場合には、作動チャンバ(作動室)40は、作用に対抗するプランジャ部材50に作用する作動液(流体)、一般的にはオイルを含むことができ、よって、閉要素の閉動作または開動作を油圧式に制動する。
【0067】
筒状体100は第1可変容積コンパートメント41および第2可変容積コンパートメント42への作動チャンバ40の分割要素として作用する。相互に通流するこれら両方のコンパートメントは好適には隣接している。
【0068】
好適には、第1可変容積コンパートメント41と第2可変容積コンパートメント42は、閉要素の閉位置に対応してそれぞれ最大容積および最小容積を有するように設計形態化できる。その目的で、弾性反作用手段60は第1コンパートメント41内に配置できる。
【0069】
好適には、筒状体100は作動チャンバ40内に密封式に挿入できる。
【0070】
本明細書においては、“密封式に挿入された筒状体”および類似する表現は、筒状体100が最小の遊びを有して作動チャンバ内に挿入され、その中でスライドするが、容器内を筒状体の表面と作動チャンバの内面との間で通る作動液の通過は阻止されることを意味する。
【0071】
好適であるが排他的ではない1実施例においては、少なくとも1つの閉要素の開閉の一方において、第1コンパートメント41と第2コンパートメント42との間で作動液を通過させるように、筒状体100は少なくとも1つの第1通路101を有することができる。
【0072】
その少なくとも1つの閉要素の開閉の他方において、第1コンパートメント41と第2コンパートメント42との間で作動液を通過させるため、ヒンジ本体10を通過する油圧回路が提供できる。
【0073】
添付の図面で示す好適ではあるが排他的ではない実施例においては、閉要素を開くことで作動液が第1コンパートメント41から第2コンパートメント42へと開口部101を通って流入し、閉要素を閉じることで作動液が第2コンパートメント42から第1コンパートメント41へと油圧回路を通って流入する。
【0074】
しかし、請求項において定義されているスコープから逸脱せずに、閉要素を開くことで作動液を第1コンパートメント41から第2コンパートメント42へと油圧回路を通って流入させ、閉要素を閉じることで作動液を第2コンパートメント42から第1コンパートメント41へと開口部101を通って流入させることが可能であることは理解されよう。
【0075】
請求の範囲から逸脱せずに、閉要素を開くことで作動液を第2コンパートメント42から第1コンパートメント41へと油圧回路と少なくとも1つの開口部101の一方を通って流入させ、閉要素を閉じることで作動液を第1コンパートメント41から第2コンパートメント42へと油圧回路と少なくとも1つの開口部101の他方を通って流入させることもできる。
【0076】
作動液の戻り速度を調節すべく油圧回路の通路断面積を調節する調節ネジ115を利用することもできる。
【0077】
これで油圧回路を通過する作動液の流れは簡単迅速に調節でき、閉動作及び/又は開動作中の閉要素の振舞いの継時的な不変性が最大限保証される。
【0078】
調節ネジ115の特定設計形態のさらなる詳細は、参照に供する出願人のイタリア出願VI2013A000195に示されている。
【0079】
加えて、有利には、筒状体100はさらに、閉要素が閉じたときに作動液の通過を選択的に防止し、油圧回路を通るように作動液の通過を強制するため、貫通穴101と相互作用する逆止弁105を含むことができるバルブ手段を含むことができる。
【0080】
逆止弁105はさらに、閉要素が開くと選択的に作動液を貫通穴101に通すように設計形態化できる。
【0081】
好適であるが排他的ではない1実施例においては、逆止弁105は出願人の国際出願PCT/IB2015/052674で教示される小型バネによって閉じられると作動するストッパを提供できる。
【0082】
好適であるが排他的ではない1実施例では、シャフト30がネジ32によって筒状体100に接続できる。
【0083】
これら要素の設計形態のさらなる詳細、特に貫通穴101、逆止弁105、および筒状体100、シャフト30およびインターフェース(繋ぎ)要素107間の機械的接続の設計形態に関わるさらなる詳細は、本出願人の国際出願PCT/IB2012/051006において示されている。
【0084】
好適であるが排他的ではない別実施例においては、シャフト30は、本出願人の国際出願PCT/IB2015/052674で教示されているネジ溝および対応ネジ溝を介して筒状体100に直接的に接続できる。
【0085】
これらの特徴によって、第1コンパートメント41および第2コンパートメント42間で両方向の作動液の流れを効果的に制止することが可能である。
【0086】
例えば
図4から
図6bで示されている好適ではあるが排他的ではない1実施例においては、ピボット20は組み立てられた2体の半部分21’、21”で構成できる。
【0087】
この目的で、一旦組み立てられると、それらを結合する手段が、例えば、ネジ22および対状態の回転抵抗ピン23’と23”が提供される。このように、2つの半部分21’と21”は相互一体化される。
【0088】
これで任意の形態のカム要素70を得ることができ、特に、
図4から
図6bで示すものが得られる。この場合には、実際に、一体的なピボットでは、端部75、76の凸形状湾曲部間に配置される凹形状部24を製造することは非常に困難になるであろう。
【0089】
2つの半部分21’と21”で構成されるピボット20は、一体型ピボットよりもさらに頑丈でさらに長使用寿命となり、プランジャ部材50との相互作用時に発生する作用力をさらに良好に配分する。
【0090】
請求の範囲を逸脱せずに、ヒンジ1が一体型ピボット20を備えて製造でき、あるいは2つの半部分21’と21”によって製造できることは理解されよう。
【0091】
特に、
図4から
図6bに示す端部75、76の凸形状湾曲部間に配置されている凹形状部24を有したピボット20は、請求の範囲を逸脱せずに一体的に2つの半部分21’と21”で製造できる。
【0092】
図4から
図6bに示す好適であるが排他的ではない1実施例においては、ピボット20が挿入されるヒンジ本体10の座部11と、それに面した後者の部分25との間に、例えば、ポリマー材料、例えばテフロン(登録商標)製の少なくとも1つのブッシング26を配置できる。例えば、ブッシング26はIGUSが販売する高技術のプラスチック材料製のブッシングでよい。
【0093】
ブッシング26は、ヒンジ本体10の実質的に筒状である座部11に相互的に対面した外面28’と、ピボット20の部分25に相互的に対面した内面28”とを含むことができる。
【0094】
有利には、ブッシング26の外面28’の領域26’、26”、26”’に作用する制動手段が、ピボット20の部分25に対してブッシング26の内面28’を局部的に押し付けるように提供できる。
【0095】
図7で示す好適ではあるが排他的ではない1実施例においては、制動手段は、ブッシング26の外面28’の領域26’、26”、26”’に対して作用できるヒンジ本体10の実質的に筒状である座部11の、例えば平坦である形状部11’、11”、11”’を含み、それらでそれぞれ構成できる。
【0096】
好適には、形状部11’、11”、11”’は、その中心を軸Xに有し、形状部11’、11”、11”’と対応していない実質的に筒状の座部11の半径と一致する半径rを有する周囲Cの内部に配置できる。例えば、半径rは2つの連続する形状部11’と11”の間に採用できる。
【0097】
従って、形状部11’、11”、11”’の1つと対応する半径r’は、形状部11’、11”、11”’に対応していない半径rよりも小さい。
【0098】
このように、軸Xの周囲で後者の回転運動を制動し、続いて閉要素の回転を制動することで局部的に変形したブッシング26はピボット20の部分25に押し付けられる。
【0099】
ヒンジ1は、請求の範囲から逸脱せずに任意の数の形状部11’、11”、11”’を、例えば、1つ、2つ、あるいはそれ以上の形状部を含むことができることは理解されよう。
【0100】
別な好適ではあるが排他的ではない実施例では、制動手段はヒンジ本体10を通過し、X軸およびY軸の両方に平行な平面に対して対面側に置かれる対形態の調節ネジ27を含むことができる。
【0101】
調節ネジ27のそれぞれは、局部的に内面28”をピボット20の部分25に押し付けるために、ユーザが外部から到達できる操作部29’と、ブッシング26の外面28’の領域26’、26”、26”’と接触係合できる作動部29”を有することができる。
【0102】
このように、ユーザはX軸の周囲でピボット20の回転動作を調節的に制動できる。閉要素の開方向/閉方向である2方向において異なる形態で制動効果を調節することが可能である。
【0103】
請求の範囲を逸脱せずに、ヒンジ1が調節ネジ27の1つだけ、あるいはそれ以上を含むこともできることは理解されよう。
【0104】
請求の範囲を逸脱せずに、ヒンジ1が上記の両方の制動手段を含むことができることは理解されよう。
【0105】
上述から、本発明のヒンジが意図する目的を達成するであろうことは明白である。
【0106】
本発明によるヒンジには多数の改良および変更が可能であり、それらは全て請求項に表明された発明概念の範囲内である。全ての特徴部は他の技術的に均等な要素で置換が可能であり、使用材料は発明の範囲内で必要に応じて変更できる。
【0107】
ヒンジは添付の図面への特定の参照符号で示されているが、説明文および請求項で使用されている参照符号は本発明の理解を容易にするために使用されており、請求されている保護範囲を限定するものではない。