(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来の自動二輪車には、乗り心地等の見地からサスペンションが備えられている。
図7は、従来の自動二輪車の後輪側に備えられるサスペンション200の縦断面を示す図である。
【0003】
従来のサスペンション200は、
図7に示すように、車体側に取り付けられるシリンダ210と、車軸側に取り付けられ、シリンダ210の油室216に摺動自在に挿入されたピストンロッド220とを備える。さらに、サスペンション200は、シリンダ210とピストンロッド220の外周に設けられた懸架バネ230を備える。
【0004】
シリンダ210は、外筒210aと内筒210bからなる2重管構造を有し、外筒210aの上部には、車体側取付部材211を備える。ピストンロッド220の上部側には、ナット221で固定されたピストン222を備え、下部側には、車軸側取付部材223を備える。
【0005】
シリンダ210の外周には、バネ荷重調整用ナット231が設置され、バネ荷重調整用ナット231が支えるバネ受232を備える。車軸側取付部材223の上部側には、バネ受234を備える。このバネ受234の外側部には、バネ受ガイド233が備えられている。懸架バネ230は、バネ受232とバネ受ガイド233との間に設けられている。
【0006】
シリンダ210の下部は開口され、その開口部には、
図7に示すように、ピストンロッド220が貫通するロッドガイド212が備えられている。このロッドガイド212は、環状形状を有し、シリンダ210の内径部に液密に設けられている。ロッドガイド212の内径部には、オイルシール213を備え、ピストンロッド220を液密に摺動自在にしている。
【0007】
また、ロッドガイド212の下部となるシリンダ210の開口部には、エンドプレート214が備えられている。エンドプレート214の上端面は、ロッドガイド212に当接している。エンドプレート214は、環状形状を有し、シリンダ210の内径部に液密に設けられている。エンドプレート214の内径部には、ダストシール215を備え、ダストの浸入を防止している。
【0008】
車体側取付部材211が形成された、外筒210aの上部には、減衰力発生装置240と、この減衰力発生装置240に連通するリザーバ241とが並設されている。減衰力発生装置240は、シリンダ210内における、ピストン側油室216a及びロッド側油室216bに連通している。この減衰力発生装置240は、圧側減衰力と伸側減衰力を調整する。リザーバ241は、シリンダ210の油室に進退するピストンロッド220の容積(オイルの温度膨張分の容積を含む)を補償する。
【0009】
上記した構成の従来のサスペンション200では、ピストン222がシリンダ210内の油室を進退することで、車走行時に路面から入力される振動を吸収して減衰する。また、懸架バネ230のバネ力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収し、振動の車体へ伝播を緩和する。
【0010】
上記した従来のサスペンション200では、懸架バネ230におけるバネ定数が一定であるため、反力を変更するためには、異なるバネ定数の懸架バネ230と取り替える必要がある。また、懸架バネ230を取り替える際、サスペンション200を車体(図示しない)から取り外さなければならず、作業が煩雑である。
【0011】
ここで、サスペンションの構造として、シリンダの一部及びピストンロッド220の周囲にダイヤフラムを備えてエア室を構成し、エア室内の空気の圧力を利用して反力を発生するエアバネ構造がある。
【0012】
懸架バネ構造とエアバネ構造とを比較すると、懸架バネ230の荷重がエア室を構成する部材よりも重いため、サスペンションに作用する慣性力及び曲げ荷重は、懸架バネ構造の方がエアバネ構造よりも大きい。そのため、懸架バネ構造は、エアバネ構造よりも、ストロークの作動性が悪い。したがって、反力調整を容易に行い、ストロークの作動性を向上させるためには、懸架バネ構造よりもエアバネ構造の方が好適である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、実施の形態のサスペンション10の縦断面を示す図である。
図2は、実施の形態のサスペンション10のダンパ本体20の縦断面を示す図である。
図3は、実施の形態のサスペンション10のダイヤフラムユニット40の縦断面を示す図である。なお、
図1及び
図2では、サスペンション10が最も伸びた状態が示されている。
【0022】
サスペンション10は、
図1に示すように、ダンパ本体20と、ダイヤフラムユニット40とを備える。このサスペンション10は、いわゆるエアバネ付きダンパである。ダイヤフラムユニット40は、ダンパ本体20に着脱可能に取り付けられている。
【0023】
まず、ダンパ本体20の構成について説明する。
【0024】
ダンパ本体20は、
図1及び
図2に示すように、シリンダ21と、このシリンダ21内に挿入されるピストンロッド22と、このピストンロッド22を支持するロッドガイド23を備える。
【0025】
シリンダ21は、
図2に示すように、例えば、外筒21aと内筒21bとからなる二重管で構成される。外筒21aの上端部(軸方向上端部)は、閉鎖され、外筒21aの下端部(軸方向下端部)は、開口されている。なお、外筒21aの上端部には、後述する減衰力発生装置70に連通する連通孔(図示しない)が形成されている。シリンダ21は、例えば、上部(軸方向上部)に車体側取付部材30を一体的に備える。ここで、なお、軸方向とは、同一軸である、シリンダ21やピストンロッド22の中心軸の方向をいう(以下、同じ。)。
【0026】
内筒21bの上端部及び下端部は、開口されている。内筒21bの上端部は、例えば、外筒21aの上端内面に当接し、内筒21bの下端部は、ロッドガイド23の上端内周の段部に当接している。
【0027】
ピストンロッド22は、上部側(一端側)にピストン24を備え、シリンダ21から外側に突き出ている下部側(他端側)に車軸側取付部材31を備える。ピストン24は、例えば、ナット25によって固定され、シリンダ21の内筒21b内に摺動可能に挿入される。このピストン24によって、内筒21b内の油室Sは、ピストン側油室S1とロッド側油室S2とに区画される。
【0028】
車軸側取付部材31は、
図1に示すように、例えば、螺着などによって、ピストンロッド22の下端に着脱可能に取り付けられている。例えば、車体側取付部材30を車両の車体側に連結し、車軸側取付部材31を車両の車軸側に連結することで、サスペンション10は、車体と車輪に取り付けられたスイングアームとの間に介装される。そして、シリンダ21とピストンロッド22の軸方向の相対移動、つまり、伸縮によってダンパ本体20が減衰力を発揮して車体振動を抑制する。
【0029】
ロッドガイド23は、
図2に示すように、例えば、外筒21aの下端部の開口部の内周に液密に固定されている。ロッドガイド23は、例えば、上部が大径筒部23a、下部が小径筒部23bからなる。小径筒部23bは底部を有している。このように、ロッドガイド23は、例えば、有底筒状の形状を有している。また、小径筒部23bの底部には、ピストンロッド22を挿通するための挿通口を有している。
【0030】
なお、大径筒部23aの中心軸と小径筒部23bの中心軸は、同一軸上にある。また、ロッドガイド23の小径筒部23bの内径部には、オイルシール26が備えられ、ピストンロッド22を液密に摺動自在にしている。また、ロッドガイド23の大径筒部23a内に、例えば、内筒21bの下端部が嵌合している。
【0031】
ダンパ本体20は、ピストンロッド22の周囲で、かつピストン24とロッドガイド23との間に、伸側ストロークを規制するリバウンドスプリング27を備える。
【0032】
ここで、車体側取付部材30が形成された外筒21aの上部には、減衰力発生装置70と、この減衰力発生装置70に連通するリザーバ80とが並設されている。減衰力発生装置70は、シリンダ21内における、ピストン側油室S1及びロッド側油室S2に連通している。そのため、リザーバ80は、減衰力発生装置70を介して、ピストン側油室S1及びロッド側油室S2に連通している。この減衰力発生装置70は、圧側減衰力と伸側減衰力を調整する。リザーバ80は、シリンダ21の油室Sに進退するピストンロッド22の容積(オイルの温度膨張分の容積を含む)を補償する。
【0033】
次に、ダイヤフラムユニット40について説明する。
【0034】
ダイヤフラムユニット40は、
図1及び
図3に示すように、エンド部材41と、ロッド側部材42と、ダイヤフラム43と、バンプラバー44とを備える。これらのエンド部材41、ロッド側部材42、ダイヤフラム43及びバンプラバー44は、一つのユニットとして形成されている。このユニットは、単体としてのダイヤフラムユニット40を構成する。そのため、ダイヤフラムユニット40単体として、ダンパ本体20への取り付け、ダンパ本体20からの取り外しが可能である。
【0035】
エンド部材41は、
図1に示すように、シリンダ21の外筒21aの開口部を覆うように、外筒21aの外周に着脱可能に嵌合される。
【0036】
このエンド部材41は、
図3に示すように、有底円筒状の形状を有している。エンド部材41は、例えば、開口部側(軸方向の上部)の外径が大きく構成されている。すなわち、エンド部材41は、小径筒部41aと大径筒部41bからなり、いずれも内径は同じである。そのため、小径筒部41aと大径筒部41bとの境には、半径方向の外側に段部41cが形成される。なお、小径筒部41aの中心軸と大径筒部41bの中心軸は、同一軸上にある。
【0037】
大径筒部41bの内径部には、周方向に溝部41dが形成されている。この溝部41dには、エアシール45が嵌合されている。このエアシール45によって、外筒21aの外周に気密にエンド部材41が嵌合する。小径筒部41aの底部には、ピストンロッド22が貫通する開口部を有している。この開口部の内径部には、周方向に溝部41eが形成されている。この溝部41eには、エアシール46が嵌合されている。このエアシール46によって、ピストンロッド22を気密に摺動自在にしている。そのため、後述するエア室50からエンド部材41内部へのエアの流入が防止される。
【0038】
ここで、エンド部材41が外筒21aに嵌合した際、
図1に示すように、エンド部材41の内底部とロッドガイド23の外底部との間に空隙部90が形成される。サスペンション10においては、後述するエア室50のエアの温度が変化すると反力特性に影響を及ぼす。しかしながら、この空隙部90は、例えば、シリンダ21のオイルの熱量が、後述するエア室50内のエアに伝わるのを抑制する。すなわち、この空隙部90は、断熱部としても機能する。そのため、シリンダ21内のオイルの温度によるエア室50の空気の温度の変化を抑制することができる。
【0039】
また、エンド部材41が外筒21aに嵌合した際、外筒21aの下端部は、例えば、エンド部材41の下端内面の段部41fに当接される。例えば、この段部41fの軸方向の高さを調整することで、空隙部90の空間体積が調整される。
【0040】
ロッド側部材42は、ピストンロッド22の下部側となる位置に設けられる。このロッド側部材42は、下部が小径筒部42aと、上部が大径筒部42bとからなる有底円筒状の形状を有している。小径筒部42aの底部には、ピストンロッド22の下部側を貫通させるとともに支持する開口部が形成されている。なお、ピストンロッド22の下端は、小径筒部42aの開口部を介して車軸側取付部材31に固定されている。また、小径筒部42aの中心軸と大径筒部42bの中心軸は、同軸上にある。
【0041】
ロッド側部材42には、後述するエア室50の内部圧力を調整する圧力調整部(図示しない)が設けられている。この圧力調整部を介して、例えば、サスペンション10の外部の空気源からエア室50に空気が充填される。
【0042】
ダイヤフラム43は、筒状の弾性部材で構成される。弾性部材として、ゴム等が使用される。ダイヤフラム43の上端(一端)43aは、例えば、エンド部材41の大径筒部41b側の小径筒部41aの外周面に固定される。すなわち、ダイヤフラム43の上端43aは、段部41c側の小径筒部41aの外周面に固定される。これにより、この固定部の軸方向上方側への移動が防止される。
【0043】
なお、エンド部材41の側面は、大径筒部41b及び小径筒部41aを備えない、一つの有底円筒体で構成することもできる。この場合には、ダイヤフラム43の上端43aは、エンド部材41の開口部側(上部側)の外側面に固定される。
【0044】
ダイヤフラム43の下端(他端)43bは、ロッド側部材42の大径筒部42bの外周面に固定される。ダイヤフラム43の下端43bを固定する大径筒部42bの外周面には、例えば、周方向に溝部42cが形成されている。この溝部42cの幅は、後述する加締バンド47bの幅に対応して設定される。溝部42cを備えることで、固定部の位置決めを容易に行うことができるとともに、固定部の上下方向(軸方向)への移動が防止される。
【0045】
ここで、ダイヤフラムユニット40において、ダイヤフラム43の上端43aが固定されるエンド部材41の小径筒部41aの取着径に比して、ダイヤフラム43の下端43bが固定されるロッド側部材42の大径筒部42bの取着径を大きくしている。この取着径の差を利用して、取着径が小さくなるエンド部材41の上部側(軸方向上部側)の周囲には、環状の空間が形成される。この環状の空間は、逆U字状の空間を、シリンダ21及びピストンロッド22の中心軸を中心として回転させたときに形成される環状形状を有する。
【0046】
なお、ダイヤフラム43は、例えば、金属製の加締バンド47a、47bを外周側から巻き付け、加締め固定することで、エンド部材41又はロッド側部材42に固定される。なお、加締バンド47a、47bは、例えば、C字リング状でも、円環状でもよい。
【0047】
このようにダイヤフラム43を備えることで、シリンダ21(エンド部材41)及びピストンロッド22の周囲にエア室50が形成される。このエア室50は、空気が充填されて密封されている。ダイヤフラム43は、ダンパ本体20の伸縮に伴って、エンド部材41の大径筒部41b及びシリンダ21の外筒21aの外周をローリングする。ここで、所定の圧力の空気が充填されたエア室50は、ダンパ本体20を伸長方向に弾発するエアバネを構成する。そのため、ダンパ本体20の伸縮に伴うエア室50の容積変化に応じてバネ力が発生する。
【0048】
バンプラバー44は、圧側ストロークを規制する。このバンプラバー44は、筒状の形状を有し、ロッド側部材42内で、かつピストンロッド22の周囲に設けられる。バンプラバー44の中央には、貫通口が形成されている。バンプラバー44の下端部は、ロッド側部材42の小径筒部42aに形成された環状の凹部42dに嵌合される。バンプラバー44は、例えば、ウレタン、発泡ウレタン、ゴム等で形成される。
【0049】
なお、圧側工程において、例えば、エンド部材41とロッド側部材42との接触を防止するために、エンド部材41の小径筒部41aの外径は、ロッド側部材42の大径筒部42bの内径よりも小さく構成されている。
【0050】
また、ダイヤフラムユニット40は、
図3に示すように、ダイヤフラム43の外周を覆う筒状のカバー48を備えてもよい。このカバー48の下端(他端)は、例えば、ロッド側部材42の大径筒部42bに固定される。カバー48の上端(一端)は、例えば、開口し、
図1に示したサスペンション10が最も伸びた状態において、ダイヤフラム43の上部側の端部を過ぎるまで延設されている。このカバー48は、例えば、金属材料、樹脂材料等で形成される。このように、ダイヤフラム43の外周をカバー48で覆うことで、ダストや石等によるダイヤフラム43の損傷や摩耗等を防止することができる。
【0051】
次に、実施の形態のサスペンション10におけるダイヤフラムユニット40の取り付け方法について説明する。
【0052】
図4は、実施の形態のサスペンション10の分解縦断面を示す図である。なお、
図4では、サスペンション10が最も伸びた状態が示されている。
【0053】
図4に示すように、ダイヤフラムユニット40のエンド部材41の底部の開口部に、ピストンロッド22の下部側の端部を挿入する。ダイヤフラムユニット40を軸方向の上部側(
図4の矢印方向)に移動し、ピストンロッド22の下部側の端部をバンプラバー44の中央の貫通口に挿入する。
【0054】
ダイヤフラムユニット40をさらに軸方向の上部側に移動し、シリンダ21の外筒21aの開口部を覆うように、外筒21aの周囲にエンド部材41を嵌合する。この際、ピストンロッド22の下部側の端部は、バンプラバー44及びロッド側部材42の底部の開口部を貫通し、ロッド側部材42の外部に延出する。
【0055】
続いて、ロッド側部材42の外部に延出したピストンロッド22の下部側の端部に、車軸側取付部材31を螺着する。これによって、ダイヤフラムユニット40は、ダンパ本体20に取り付けられ、
図1に示した構成となる。
【0056】
このようにダイヤフラムユニット40がダンパ本体20に取り付けられると、シリンダ21(エンド部材41)及びピストンロッド22の周囲にエア室50が形成される。このエア室50には、ロッド側部材42の圧力調整部(図示しない)からエアが充填される。このエア室50内の圧力を調整することで、反力が調整できる。
【0057】
なお、ダイヤフラムユニット40をダンパ本体20から取り外す場合には、上記した取り付け方法と逆の工程を行う。
【0058】
次に、実施の形態のサスペンション10の作用について説明する。
【0059】
実施の形態のサスペンション10における、ダンパ本体20、減衰力発生装置70、リザーバ80における作用は、例えば、懸架バネ、ダンパ本体、減衰力発生装置、リザーバを備える従来のサスペンションの作用と同様である。そのため、ここでは主に、ダイヤフラムユニット40の作用について説明する。
図5は、実施の形態のサスペンション10の縦断面を示す図である。なお、
図5では、サスペンション10が最も縮んだ状態が示されている。
【0060】
圧側工程において、
図1に示すサスペンション10が最も伸びた状態からサスペンション10(ダンパ本体20)が縮んで行くと、ダイヤフラムユニット40のダイヤフラム43は、シリンダ21の外筒21aの側面に沿って上部側にローリングする。この際、ダンパ本体20の縮みに伴うエア室50の容積変化を生じる。この容積変化によって、反力が変化する。
【0061】
そして、サスペンション10が最も縮んだ状態において、
図5に示すように、エア室50は、シリンダ21の外筒21a及びカバー48との間に形成される環状の空間となる。
【0062】
一方、この最も縮んだ状態からサスペンション10が伸びて行く際においても、ダイヤフラム43は、シリンダ21の外筒21aの側面に沿って下部側にローリングする。この際、エア室50において、上記した容積変化と同様の容積変化が生じる。そして、サスペンション10が最も伸びた状態になる(
図1参照)。
【0063】
なお、車両に搭載されたサスペンション10においては、例えば不規則に伸縮を繰り返しているため、最も伸びた状態から最も縮んだ状態に連続的に変化することは少ない。しかしながら、車両に搭載されたサスペンション10においても、最も伸びた状態と最も縮んだ状態との間のいずれかの状態にある。
【0064】
上記したように、実施の形態のダイヤフラムユニット40によれば、ダンパ本体20に着脱可能に構成されている。そのため、例えば既存の懸架バネを備えるサスペンションにおいて、例えば、ダンパ本体から、ダストシールを備えたエンドプレートを取り外すことで、実施の形態のダイヤフラムユニット40をダンパ本体に装着することができる。このように、既存の懸架バネ構造のサスペンションから、エアバネ構造のサスペンションに容易に変更することができる。
【0065】
このエアバネ構造を有する実施の形態のサスペンション10においては、懸架バネ構造のサスペンションに比べて、荷重が軽く、慣性力及び曲げ荷重が小さいため、ストロークの作動性に優れる。また、エアバネ構造では、エア室50内の圧力を調整することで、容易に反力の調整が可能となる。
【0066】
また、実施の形態のサスペンション10によれば、エンド部材41の内底部とロッドガイド23の外底部との間に空隙部90を備えることで、エア室50の空気は、シリンダ21内のオイルの温度の影響を受け難くなる。これによって、エア室50のエアの温度変化に伴う反力特性の変化を抑制することができる。
【0067】
ここで、上記した実施の形態では、ロッドガイド23が、外筒21aの下端部の開口部の内周に液密に固定された一例を示したが、この構成に限られるものではない。
【0068】
図6は、実施の形態のサスペンション10における、エンド部材41との嵌合部の縦断面を拡大して示す図である。
図6に示すように、ロッドガイド23の外周部に、環状の溝部26cを有し、この溝部26cにシリンダ21の外筒21aを液密に嵌合させてもよい。溝部26cは、U字状の空間を、シリンダ21及びピストンロッド22の中心軸を中心として回転させたときに形成される環状形状を有する。
【0069】
この場合、エンド部材41は、
図6に示すように、ロッドガイド23を覆うように、ロッドガイドの外周に着脱可能に嵌合される。エンド部材41の小径筒部41aの内径部には、周方向に溝部41gが形成されている。この溝部41gには、エアシール49が嵌合されている。このエアシール49によって、ロッドガイド23の外周に気密にエンド部材41が嵌合する。なお、ダイヤフラム43の上端43aは、例えば、
図1に示した構成と同様に、段部41c側の小径筒部41aの外周面に固定される。
【0070】
このようなダイヤフラムユニット40のエンド部材41を、ロッドガイドの外周に着脱可能に嵌合させる構成においても、
図3に示すダイヤフラムユニット40、
図1に示すサスペンション10における作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0071】
ここで、本実施の形態のダイヤフラムユニット40及びこのダイヤフラムユニット40を備えたサスペンション10は、例えば、自動二輪車のリアサスペンション(リアクッション)に適用することができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、サスペンションとして、減衰力発生装置やリザーバがダンパ本体の外部に設けられている一例を示したが、本実施の形態の構成は、減衰力発生装置やリザーバがダンパ本体の内部に設けられているサスペンションにも適用することができる。この場合、減衰力発生装置においてオイルの流れを減衰させる際、オイルの温度が上昇する。そのため、減衰力発生装置やリザーバがダンパ本体の外部に設けられているサスペンションよりも、例えば、シリンダ21内のオイルの温度は上昇する。しかしながら、シリンダ21内のオイルの温度が上昇しても、エンド部材41の内底部とロッドガイド23の外底部との間の空隙部90による断熱効果によって、シリンダ21内のオイルの温度によるエア室50の空気の温度の変化を抑制することができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。