(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
調理容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱量を調節する加熱量調節手段と、回転操作により加熱量調節指令を指令する加熱量調節指令手段と、前記加熱手段の燃焼開始指令および燃焼停止指令を指令する点消火指令手段と、前記加熱手段の燃焼を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段が、前記点消火指令手段の前記燃焼開始指令に基づいて、前記加熱手段の燃焼を開始し、かつ、前記燃焼停止指令に基づいて、前記加熱手段の燃焼を停止させる燃焼制御を実行するとともに、
前記運転制御手段が、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて、前記加熱手段の加熱量を、設定最大加熱量、設定最小加熱量、および、前記設定最大加熱量と前記設定最小加熱量との間に設定された複数段階の中間加熱量に調節することができるように前記加熱量調節手段を作動させる加熱量調節制御を実行することにより、前記中間加熱量の段数を、複数種類の段数に設定できるように構成された加熱調理器であって、
前記加熱量調節指令手段の角速度を検出する角速度検出手段を備え、
前記運転制御手段が、前記角速度の絶対値の大小に応じて前記中間加熱量の段数を設定するように構成されているとともに、
前記角速度の絶対値を大きくすると、前記角速度の絶対値を大きくする前よりも前記中間加熱量の段数が少なく設定され、前記角速度の絶対値を小さくすると、前記角速度の絶対値を小さくする前よりも前記中間加熱量の段数が多く設定されるように構成されていること
を特徴とする加熱調理器。
前記中間加熱量の段数が最も少なく設定された、中間段数最小設定時における、前記設定最大加熱量、前記設定最小加熱量、および前記中間加熱量を含む前記加熱手段の加熱量の各段数に対応して前記加熱量を表示する発光式の加熱量表示手段を備えており、
前記中間段数最小設定時より前記中間加熱量の段数が多く設定されたときに、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量が前記各段数と一致しない場合、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量より大きい側で直近の前記加熱手段の加熱量に対応する前記加熱量表示手段の点滅もしくは点灯、および、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量より小さい側で直近の前記加熱手段の加熱量に対応する前記加熱量表示手段の点滅もしくは点灯を行うことによって、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量を表示するように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の加熱調理器(ガスコンロ)のように、押し操作される火力調節キーによって加熱量の調節を行う場合、火力調節キーが長押しか長押しでないかによって加熱量の調節段数を変更することが可能であるが、火力調節キーの押し操作は、操作性が悪く、加熱量の調節段数を変更しにくいという問題点がある。
【0007】
また、特許文献2の加熱調理器(ガスコンロ)のように、加熱量調節用操作具と連動するロータリーエンコーダの出力パルスによって加熱手段の加熱量を調節する場合は、ロータリーエンコーダに対する操作に関し、長押しを行うか、長押しを行わないかという概念が存在しないため、ロータリーエンコーダとは別に、エコモード指令スイッチのような加熱量調節段数変更用のスイッチを設けることが必要になり、製造コストが上昇するという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、ロータリーエンコーダを用いた加熱量調節指令手段とは別に加熱量調節段数変更用のスイッチを設けることを必要とせず、コストの増大を抑制することが可能で、かつ、回転操作により加熱量の調節段数を変更することが可能な、操作性に優れた加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、
調理容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱量を調節する加熱量調節手段と、回転操作により加熱量調節指令を指令する加熱量調節指令手段と、前記加熱手段の燃焼開始指令および燃焼停止指令を指令する点消火指令手段と、前記加熱手段の燃焼を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段が、前記点消火指令手段の前記燃焼開始指令に基づいて、前記加熱手段の燃焼を開始し、かつ、前記燃焼停止指令に基づいて、前記加熱手段の燃焼を停止させる燃焼制御を実行するとともに、
前記運転制御手段が、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて、前記加熱手段の加熱量を、設定最大加熱量、設定最小加熱量、および、前記設定最大加熱量と前記設定最小加熱量との間に設定された複数段階の中間加熱量に調節することができるように前記加熱量調節手段を作動させる加熱量調節制御を実行することにより、前記中間加熱量の段数を、複数種類の段数に設定できるように構成された加熱調理器であって、
前記加熱量調節指令手段の角速度を検出する角速度検出手段を備え、
前記運転制御手段が、前記角速度の絶対値の大小に応じて前記中間加熱量の段数を設定するように構成されている
とともに、
前記角速度の絶対値を大きくすると、前記角速度の絶対値を大きくする前よりも前記中間加熱量の段数が少なく設定され、前記角速度の絶対値を小さくすると、前記角速度の絶対値を小さくする前よりも前記中間加熱量の段数が多く設定されるように構成されていること
を特徴としている。
【0010】
また、本発明の加熱調理器においては、
前記中間加熱量の段数が最も少なく設定された、中間段数最小設定時における、前記設定最大加熱量、前記設定最小加熱量、および前記中間加熱量を含む前記加熱手段の加熱量の各段数に対応して前記加熱量を表示する発光式の加熱量表示手段を備えており、
前記中間段数最小設定時より前記中間加熱量の段数が多く設定されたときに、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量が前記各段数と一致しない場合、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量より大きい側で直近の前記加熱手段の加熱量に対応する前記加熱量表示手段の点滅もしくは点灯、および、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量より小さい側で直近の前記加熱手段の加熱量に対応する前記加熱量表示手段の点滅もしくは点灯を行うことによって、前記加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された前記加熱手段の加熱量を表示するように構成されていること
が好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の加熱調理器は、上述のように、回転操作により加熱量調節指令を指令する加熱量調節指令手段の角速度を検出する角速度検出手段を備えているとともに、運転制御手段が、角速度の絶対値の大小に応じて中間加熱量の段数を設定するように構成されているので、加熱量の調節段数を変更するために、回転操作により加熱量調節指令を指令する加熱量調節指令手段(例えば、ロータリーエンコーダを用いた加熱量調節指令手段)とは別に加熱量調節段数変更用のスイッチを設けることが不要になる。
【0012】
したがって、ロータリーエンコーダなどにより構成される加熱量調節指令手段とは別に加熱量調節段数変更用のスイッチを設けることを必要とせず、コストの増大を抑制することが可能で、かつ、回転操作により加熱量の調節段数を変更することが可能な、操作性に優れた加熱調理器を提供することが可能になる。
【0013】
また、角速度の絶対値を大きくすると、角速度の絶対値を大きくする前よりも中間加熱量の段数が少なく設定され、角速度の絶対値を小さくすると、角速度の絶対値を小さくする前よりも中間加熱量の段数が多く設定されるように構成
しているので、加熱量調節指令手段をゆっくりと(遅く)操作することで中間加熱量の段数を多くして、加熱量の微妙な調整行うことが可能になり、操作性、使用感をさらに向上させることが可能になる。
【0014】
また、中間段数最小設定時における、設定最大加熱量、設定最小加熱量、および中間加熱量を含む加熱手段の加熱量の各段数に対応して加熱量を表示する発光式の加熱量表示手段を設けるとともに、中間段数最小設定時より中間加熱量の段数が多く設定されたときに、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量が各段数と一致しない場合、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より大きい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する加熱量表示手段の点滅もしくは点灯、および、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より小さい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する加熱量表示手段の点滅もしくは点灯を行うことによって、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量を表示するように構成した場合、加熱量表示手段の段数(すなわち、発光式の加熱量表示手段(例えばLEDなど)の配設個数)を、中間段数最小設定時における段の数(段数)に対応させておけばよいため、製造コストの増大を抑制することができる。
【0015】
なお、火力の微調節を行う場合には、調理容器の内容物の沸騰状態などを観察しながら行うことになるので、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より大きい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する加熱量表示手段の点滅もしくは点灯、および、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より小さい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する加熱量表示手段の点滅もしくは点灯によって、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量を表示するようにした場合にも、操作性や使い勝手が悪くなるようなことはほとんどないものと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0018】
<本発明の実施形態にかかる加熱調理器の基本構成>
本発明の実施形態にかかる加熱調理器は、
図1に示すように、グリル付きガスコンロであり、鍋などの調理容器を加熱する加熱手段であるバーナ1((標準バーナ1a、高火力バーナ1b、および小バーナ1cの3つのバーナ)を備えており、トッププレート上には、各バーナ1により加熱されることになる調理容器を受け止め、支持するための五徳51を備えている。
【0019】
また、この加熱調理器は、魚などの被調理物を載置するためのグリル部4を備えており、グリル部4内にはグリルバーナ(図示せず)が配設されている。
【0020】
また、標準バーナ1(1a)には、調理容器に接触してその温度を検出するための温度センサ(鍋底温度センサ)9が配設されている。なお、高火力バーナ1b、および小バーナ1cにも、同様に温度センサを設けるように構成することも可能である。
【0021】
ガスコンロの前側面には、上述のバーナ1と、グリル部4内に設けられたグリルバーナ(図示せず)の点火および消火、火力調節と各種の設定とを手動により指令するための、加熱量調節指令手段(バーナ操作部)21(標準バーナ操作部21a、高火力バーナ操作部21b、小バーナ操作部21c)と、グリルバーナの点火および消火、火力調節と各種の設定とを手動により指令するためのグリルバーナ操作部22が配設されている。
【0022】
この実施形態の加熱調理器においては、上述の加熱量調節指令手段(バーナ操作部)21,22が、加熱手段(バーナ)の燃焼開始指令および燃焼停止指令を指令する点消火指令手段としても機能するように構成されている。
なお、ガスコンロの前側面には、電源スイッチ24、電源スイッチ24がONになったことを知らせる電源ランプ25を備えている。
【0023】
また、各加熱量調節指令手段(バーナ操作部)21(21標準バーナ操作部21a、高火力バーナ操作部21b、小バーナ操作部21c)の周縁近傍には、加熱量(火力)表示手段23として5個の燃焼表示ランプL1,L2,L3,L4,L5が配設されている(
図3参照)。なお、この実施形態の加熱調理器においては、上記燃焼表示ランプとしてLEDが用いられている。
【0024】
また、この加熱調理器は、上述の加熱量調節指令手段(バーナ操作部)21からの指令に基づいて、加熱手段(バーナ1)の加熱量(火力)を調節する加熱量調節手段(図示せず)とを備えている。
【0025】
また、この加熱調理器は、加熱手段(バーナ1)の燃焼を制御する制御部(運転制御手段)を備えており、この運転制御手段が、燃焼開始指令に基づいて加熱手段の燃焼を開始し、かつ、燃焼停止指令に基づいて加熱手段(バーナ1)の燃焼を停止させる燃焼制御を実行するように構成されている。
【0026】
そして、この加熱調理器において、上述の加熱量調節指令手段(バーナ操作部)21は、回転操作によりバーナ1の加熱量調節指令を指令することが可能なロータリーエンコーダを用いて構成されている。
【0027】
そして、ロータリーエンコーダを用いた加熱量調節指令手段(バーナ操作部)21の加熱量調節指令に基づいて、加熱手段(バーナ)1の加熱量が、設定最大加熱量、設定最小加熱量、および、設定最大加熱量と設定最小加熱量との間に設定された複数段階の中間加熱量に調節されるように、加熱量調節手段(図示せず)を作動させる加熱量調節制御を実行するように構成されている。
なお、上記の中間加熱量の段数は、複数種類の段数に設定することができるように構成されている。
【0028】
次に、この実施形態にかかる加熱調理器の特徴的な構成について説明する。なお、ここでは標準バーナ1aについて詳しく説明する。ただし、高火力バーナ1bも同様に構成されている。
【0029】
<加熱量調節指令手段(ロータリーエンコーダ)について>
この実施形態の加熱調理器は、バーナ操作部である加熱量調節指令手段(標準バーナ操作部)21aに用いられているロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の角速度ωを検出する角速度検出手段(図示せず)を備えている。
具体的には、制御部(運転制御手段)が、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)から出力されるパルス信号の周波数fを用いて、角速度ωを演算し、角速度ωの絶対値の大小に応じて中間加熱量の段数を設定するように構成されている。
【0030】
この実施形態において、加熱量調節指令手段21aとして用いられているロータリーエンコーダは、
図2(a),(b)に示すように、正方向(時計回り)への回転操作に伴って、2相のパルス信号のうちの一方(A相)のパルス信号が他方(B相)のパルス信号より位相が進み、逆方向(反時計回り)への回転操作に伴って他方(B相)のパルス信号が一方(A相)のパルス信号より位相が進む状態で、ロータリーエンコーダの回転操作に伴って互いに異なる位相の2相のパルス信号を出力するように構成されている。
【0031】
また、この実施形態において、ロータリーエンコーダは、一周(360度)回転させたときに、A相およびB相のそれぞれにおいて24個のパルスを発生するように構成されている。
【0032】
また、この実施形態では、制御部(運転制御手段)において、A相から出力されるパルスの立ち上がりエッジst(
図2(a),(b))を検出する回数によって、ロータリーエンコーダの回転操作量が判別されるように構成されている。例えば、制御部(運転制御手段)において、A相から出力されるパルスの立ち上がりエッジstをn回検出したときには、標準バーナの火力をn段変更する指令がなされたと判断する。なお、パルスの立ち上がりエッジstから、次のパルスの立ち上がりエッジstまでが周期Tとなる。
【0033】
また、本実施形態では、制御部(運転制御手段)において、A相から出力されるパルスの立ち上がりエッジstを検出したときのB相が高レベルであるか低レベルであるかを検出し、その状態によって、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)が正方向(時計回り)に回転操作された標準バーナの火力増加指令であるのか、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)が逆方向(反時計回り)に回転操作された標準バーナの火力減少指令であるのかを判断する。
【0034】
具体的には、制御部(運転制御手段)は、
図2(a)に示すように、A相から出力されるパルスの立ち上がりエッジstを検出したときのB相が低レベルであるときには、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)が正方向(時計回り)に回転操作された、標準バーナの火力増加指令であると判断し、
図2(b)に示すように、A相から出力されるパルスの立ち上がりエッジstを検出したときのB相が高レベルであるときには、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)が逆方向(反時計回り)に回転操作された、標準バーナの火力減少指令であると判断する。
【0035】
また、A相から出力されるパルスの立ち上がりエッジstを検出し、立ち上がりエッジstを検出する周期Tによって、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)のA相から出力されるパルス信号の周波数fが、次式によって求められる。
f=1/T
【0036】
したがって、角速度ωは、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)のA相から出力されるパルス信号の周期Tを用いて次式によって求めることができる。
ω=(π/12)/T
【0037】
<ωの絶対値とパルス信号の周期Tの関係、および、標準バーナの加熱量の調節可能な段数について>
【0038】
この実施形態における加熱量表示手段23による表示は、
図1,
図3に示すように標準バーナ操作部21(21a)の上方に所定の間隔をおいて円弧状に配設された、燃焼表示ランプ(LED)L1,L2,L3,L4,L5による表示であるが、以下の説明においては、加熱量表示手段23を構成する燃焼表示ランプL1,L2,L3,L4,L5が、
図4に示すように標準バーナ操作部21(21a)の上方に直線状に配設された発光式の燃焼表示ランプL1,L2,L3,L4,L5による表示である態様であると仮定して説明する。
【0039】
この実施形態の加熱調理器においては、角速度ωの絶対値がx(例えばπ/12[rad/s])以上のとき、中間加熱量の段数は3段に設定され、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めて標準バーナの加熱量の調節可能な段数が5段に設定される(
図5参照)。
【0040】
この場合、Q1からQ17までの17段の加熱量のうち、Q1、Q5、Q9、Q13、Q17の5段のいずれかの加熱量となるように調節される。そして、この状態が、中間段数最小設定時に相当する。
【0041】
また、この中間段数最小設定時に調節可能な加熱量(の段階)Q1、Q5、Q9、Q13、Q17のそれぞれに対応した加熱量表示手段23として、5個の燃焼表示ランプ(LED)L1〜L5を備えており、加熱量がQ1に調節されたときには燃焼表示ランプL1が点灯し(
図5(b)(1))、加熱量がQ5に調節されたときには燃焼表示ランプL2が点灯し(
図5(b)(2))、加熱量がQ9に調節されたときには燃焼表示ランプL3が点灯し(
図5(b)(3))、特に図示しないが、さらに、加熱量がQ13に調節されたときには燃焼表示ランプL4が点灯し、加熱量がQ17に調節されたときには燃焼表示ランプL5が点灯して、Q1、Q5、Q9、Q13、Q17のいずれの加熱量に調節されたことが表示される。
【0042】
また、角速度ωの絶対値がx(例えばπ/12[rad/s])より小さく、y(例えばπ/24[rad/s])より大きいとき、中間加熱量の段数は7段に設定され、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めて標準バーナの加熱量の調節可能な段数が9段に設定される(
図6(a)参照)。
この場合、Q1からQ17までの17段の加熱量のうち、Q1、Q3、Q5、Q7、Q9、Q11、Q13、Q15、Q17の9段階のいずれかの加熱量に調節される。
【0043】
また、このときに調節可能な9段の加熱量Q1、Q3、Q5、Q7、Q9、Q11、Q13、Q15、Q17のうち、中間段数最小設定時のQ1、Q5、Q9、Q13、Q17のそれぞれに対応した加熱量表示手段として、5個の燃焼表示ランプL1〜L5を備えているが、中間段数最小設定時より中間加熱量の段数が多く設定されており、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量が、Q1、Q5、Q9、Q13、Q17の各段と一致しない場合がある。
【0044】
例えば、加熱量がQ1の状態(
図6(b)(1))から、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて加熱量がQ3に調節された場合、加熱量Q3より大きい側で直近の加熱手段の加熱量Q5に対応する燃焼表示ランプL2の点滅および、加熱量Q3より小さい側で直近の加熱手段の加熱量Q1に対応する燃焼表示ランプL1の点滅によって、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量の段階、すなわちQ3を表示する(
図6(b)(2)参照)。
なお、
図6(b)(3)は、上述の
図6(b)(2)の場合と同様の考え方で、加熱量がQ7に調節された場合の、表示の状態を示している。
【0045】
一方、燃焼表示ランプが5個で、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めた標準バーナの加熱量の調節可能な段数が9段に設定された場合であっても、加熱量が、Q1、Q3、Q5、Q7、Q9、Q11、Q13、Q15、Q17のうち、Q1、Q5、Q9、Q13、Q17の加熱量に調節されたときは、それぞれの加熱量に対応した5個の燃焼表示ランプL1〜L5のいずれかを点灯して調節された加熱量を表示する。
【0046】
例えば、加熱量がQ1に調節されたときには、
図6(b)(1)に示すようにL1が点灯する。また、特に図示しないが、加熱量がQ5に調節されたときには、燃焼表示ランプL2が点灯し、加熱量がQ9に調節されたときには燃焼表示ランプL3が点灯し、加熱量がQ13に調節されたときには燃焼表示ランプL4が点灯し、加熱量がQ17に調節されたときには燃焼表示ランプL5が点灯して、調節された加熱量を表示する。
【0047】
また、角速度ωの絶対値がy(例えばπ/24[rad/s])以下のとき、中間加熱量の段階の数は15段階に設定され、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めて標準バーナの加熱量の調節可能な段数が17段に設定される(
図7参照)。
この場合、Q1からQ17までの全ての加熱量のうちのいずれかの加熱量に調節される(
図7参照)。
【0048】
また、このときに調節可能な加熱量Q1からQ17までの全ての加熱量のうち、中間段数最小設定時のQ1、Q5、Q9、Q13、Q17のそれぞれに対応した5個の燃焼表示ランプL1〜L5を備えるものの、中間段数最小設定時より中間加熱量の段数が多く設定されており、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量がQ1〜Q17の各段と一致しない場合がある。
【0049】
例えば、加熱量がQ1の状態(
図7(b)(1))から、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて加熱量がQ3に調節された場合、加熱量Q3より大きい側で直近の加熱手段の加熱量Q5に対応する燃焼表示ランプL2の点滅および、加熱量Q3より小さい側で直近の加熱手段の加熱量Q1に対応する燃焼表示ランプL1の点滅によって、加熱量調節指令手段の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量Q3を表示する(
図7(b)(2)参照。)
なお、
図7(b)(3)は、上述の
図7(b)(2)の場合と同様の考え方で、加熱量がQ6からQ8のうちのいずれかに調節された場合における加熱手段の加熱量を図示する。
【0050】
一方、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めて標準バーナの加熱量の調節可能な段数が17段に設定された場合であっても、加熱量が、Q1からQ17の加熱量のうち、Q1、Q5、Q9、Q13、Q17の5段の加熱量に調節されたときは、それぞれの加熱量に対応した燃焼表示ランプL1〜L5のいずれかを点灯して調節された加熱量を表示する。
【0051】
例えば、加熱量がQ1に調節されたときには、
図7(b)(1)に示すようにL1が点灯する。また、特に図示しないが、加熱量がQ5に調節されたときにはL2が点灯し、加熱量がQ9に調節されたときにはL3が点灯し、加熱量がQ13に調節されたときにはL4が点灯し、加熱量がQ17に調節されたときにはL5が点灯して、調節された加熱量を表示する。
【0052】
上述の実施形態のように構成することにより、回転操作により加熱量調節指令を指令するロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)(バーナ操作部21a)の角速度ωの絶対値の大小に応じて中間加熱量の段数を設定することが可能になる。
【0053】
その結果、加熱量の調節段数を変更するために、加熱量調節指令手段を構成するロータリーエンコーダとは別に、加熱量調節段数変更用のスイッチを設けることを必要とせず、製造コストの増大を抑制することが可能で、かつ、回転操作により加熱量の調節段数を変更することが可能な、操作性に優れた加熱調理器を提供することが可能になる。
【0054】
また、この実施形態の加熱調理器においては、角速度ωの絶対値を大きくすると、角速度ωの絶対値を大きくする前よりも中間加熱量の段数が少なく設定され、角速度ωの絶対値を小さくすると、角速度ωの絶対値を小さくする前よりも中間加熱量の段数が多く設定されるように構成されているため、加熱量調節指令手段(バーナ操作部)を遅く操作することで加熱量の微調整が可能になり、操作性の良好な加熱調理器を提供することができる。
【0055】
また、この実施形態の加熱調理器のように構成することで、加熱量表示手段23を構成する燃焼表示ランプの配設数(すなわち、加熱量表示手段の段数)が、中間段数最小設定時における段数(本実施形態では5段)に対応していればよいため、製造コストの増大を抑制することができる。
【0056】
なお、火力の微調節を行う場合は、調理容器の内容物の沸騰状態などを観察しながら行うことになるので、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より大きい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する燃焼表示ランプの点滅、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より小さい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する燃焼表示ランプの点滅によって、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量を表示しても、使い勝手が特に悪くなることはない。
【0057】
<変形例>
(1)上記実施形態では、中間加熱量の段数が最も少なく設定された、中間段数最小設定時における火力の調節可能な段数を、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めて5段とした場合を例にとって説明したが、中間段数最小設定時における火力の段数を、5段以外の複数段とすることも可能である。
また、上記実施形態では、中間加熱量の段数と、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めた段数を9段、17段とした場合を例にとって説明したが、9段、17段以外の複数段とすることも可能である。
【0058】
(2)また、上記実施形態では、ロータリーエンコーダは、一周(360度)回転させたときに、24パルスを発生するように構成されているが、エンコーダを一周(360度)回転させたときに生じるパルス数は、24パルスに限られるものではなく、変更することが可能である。
【0059】
(3)また、上記実施形態では、角速度ωの絶対値が大きいときには、角速度ωの絶対値が小さいときより中間加熱量の段数が少なく設定されるように構成されているが、角速度ωの絶対値が小さいときに、角速度ωの絶対値が大きいときより中間加熱量の段数が多く設定されるように構成することも可能である。
【0060】
(4)さらに、上記実施形態では、中間加熱量の段数が最も少なく設定された、中間段数最小設定時における、設定最大加熱量および設定最小加熱量および中間加熱量を含む加熱手段の加熱量の各段数に対応して、加熱量を表示する加熱量表示手段として5個の燃焼表示ランプ(LED)を備えるようにしたが、加熱量を表示する加熱量表示手段を、中間加熱量の段数が最も多く設定された、中間段数最大設定時における、設定最大加熱量および設定最小加熱量および中間加熱量を含む加熱手段の加熱量の各段数に対応する数の燃焼表示ランプ(LED)を備えた構成とすることも可能である。
なお、上記実施形態では、燃焼表示ランプとしてLEDを用いたが、他の発光式の加熱量表示手段を用いることも可能である。
【0061】
(5)また、上記実施形態では、中間加熱量の段数が最も少なく設定された、中間段数最小設定時における、設定最大加熱量および設定最小加熱量および中間加熱量を含む加熱手段の加熱量の各段数に対応して、加熱量を表示する燃焼表示ランプ(LED)を5個備え、中間段数最小設定時より中間加熱量の段数が多く設定されたときに、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量が各段数(5段)と一致しない場合には、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より大きい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する燃焼表示ランプの「点滅」および、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量より小さい側で直近の加熱手段の加熱量に対応する燃焼表示ランプの「点滅」によって、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量を表示するように構成したが、上述の加熱量表示手段を構成する燃焼表示ランプの「点滅」に代えて、
図8に示すように、燃焼表示ランプL1〜L5の「点灯」によって、ロータリーエンコーダ(加熱量調節指令手段)の加熱量調節指令に基づいて調節された加熱手段の加熱量を表示するように構成することも可能である。
【0062】
なお、
図8は、中間加熱量の段数が7段に設定され、設定最大加熱量と設定最小加熱量を含めて標準バーナの加熱量の調節可能な段数が9段に設定された
図6に対応するものである。
図8において
図6と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示す。
【0063】
なお、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。