【文献】
Chem. Commun. (Camb),2011年 9月 7日,Vol.47, No.33,p.9396-9398
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比してMDM2またはMDMXへの向上した結合親和性を有する、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビトロでのp53陽性腫瘍細胞株に対する抗腫瘍有効性を有する、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビトロでのp53陽性腫瘍細胞株におけるアポトーシスの誘導を示す、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビボでのp53陽性腫瘍に対する抗腫瘍有効性を有する、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビボでのp53陽性腫瘍におけるアポトーシスの誘導を有する、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した細胞透過性を有する、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した可溶性を有する、請求項1に記載のペプチドミメティック大環状化合物または医薬的に許容できる塩。
【発明を実施するための形態】
【0067】
[0031] 本明細書で用いられる際、用語“大環状化合物(macrocycle)”は、少なくとも9個の共有結合した原子により形成されるリングまたは環が含まれる化学構造を有する分子を指す。
【0068】
[0032] 本明細書で用いられる際、用語“ペプチドミメティック大環状化合物”または“架橋したポリペプチド”は、複数のペプチド結合ならびに同じ分子内の第1の天然存在または非天然存在アミノ酸残基(またはアナログ)および第2の天然存在または非天然存在アミノ酸残基(またはアナログ)の間で大員環を形成する少なくとも1つの大員環形成リンカーにより連結された複数のアミノ酸残基を含む化合物を指す。ペプチドミメティック大環状化合物には、大員環形成リンカーが第1アミノ酸残基(またはアナログ)のα炭素を第2アミノ酸残基(またはアナログ)のα炭素に連結している態様が含まれる。そのペプチドミメティック大環状化合物には場合により1個以上のアミノ酸残基および/またはアミノ酸アナログ残基間に1個以上の非ペプチド結合が含まれ、場合により大員環を形成するいずれかに加えて1個以上の非天然存在アミノ酸残基またはアミノ酸アナログ残基が含まれる。“対応する架橋していないポリペプチド”は、ペプチドミメティック大環状化合物の文脈において言及される場合、その大環状化合物と同じ長さの、その大環状化合物に対応する野生型配列の同等の天然アミノ酸を含むポリペプチドに関するものと理解される。
【0069】
[0033] 本明細書で用いられる際、用語“安定性”は、円二色性、NMRもしくは別の生物物理学的測定法により測定した際のペプチドミメティック大環状化合物による溶液中での定められた二次構造の維持、またはインビトロもしくはインビボでのタンパク質分解性の分解への抵抗性を指す。本発明で考慮される二次構造の限定ではない例は、α−ヘリックス、3
10ヘリックス、β−ターン、およびβ−プリーツシート(β−pleated sheet)である。
【0070】
[0034] 本明細書で用いられる際、用語“ヘリックス安定性”は、円二色性またはNMRにより測定した際のペプチドミメティック大環状化合物によるαヘリックス構造の維持を指す。例えば、一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は、円二色性により決定した際のα−ヘリックス性において、対応する架橋していない大環状化合物と比較して少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍または2倍の増大を示す。
【0071】
[0035] 用語“アミノ酸”は、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。適切なアミノ酸には、限定ではなく、天然存在アミノ酸ならびに有機合成または他の代謝経路により調製された非天然存在アミノ酸のD−およびL−異性体両方が含まれる。アミノ酸という用語には、本明細書で用いられる際、限定ではなく、α−アミノ酸、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、およびアミノ酸アナログが含まれる。
【0072】
[0036] 用語“α−アミノ酸”は、α−炭素として指定される炭素に結合したアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。
【0073】
[0037] 用語“β−アミノ酸”は、アミノ基およびカルボキシル基両方をβ配置で含有する分子を指す。
【0074】
[0038] 用語“天然存在アミノ酸”は、天然において合成されるペプチド中に一般的にあり、1文字略号A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVにより知られる20種類のアミノ酸のいずれか1つを指す。
【0075】
[0039] 下記の表は天然アミノ酸の特性の要約を示す。
【0077】
[0040] “疎水性アミノ酸”には、限定ではなく、小疎水性アミノ酸(small hydrophobic amino acids)および大疎水性アミノ酸(large hydrophobic amino acids)が含まれる。“小疎水性アミノ酸”は、グリシン、アラニン、プロリン、およびそのアナログである。“大疎水性アミノ酸”は、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、およびそのアナログである。“極性アミノ酸”は、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、チロシン、およびそのアナログである。“荷電アミノ酸”は、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびそのアナログである。
【0078】
[0041] 用語“アミノ酸アナログ”は、構造的にアミノ酸に類似し、ペプチドミメティック大環状化合物の形成においてアミノ酸の代わりに使用することができる分子を指す。アミノ酸アナログには、限定ではなく、β−アミノ酸、およびアミノ基またはカルボキシル基が同様に反応性の基により置換されたアミノ酸(例えば、第一級アミンの第二級もしくは第三級アミンによる置換、またはカルボキシ基のエステルによる置換)が含まれる。
【0079】
[0042] 用語“非天然アミノ酸”は、天然において合成されるペプチド中に一般的にあり1文字略号A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVにより知られる20種類のアミノ酸の1つではないアミノ酸を指す。非天然アミノ酸またはアミノ酸アナログには、限定ではなく、下記に従う構造が含まれる。
【0084】
[0043] アミノ酸アナログにはβ−アミノ酸アナログが含まれる。β−アミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:環状β−アミノ酸アナログ;β−アラニン;(R)−β−フェニルアラニン;(R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−酢酸;(R)−3−アミノ−4−(1−ナフチル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−フリル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−ナフチル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−チエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−ベンゾチエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−ピリジル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−チエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ヨードフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ピリジル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−ペンタフルオロ−フェニル酪酸;(R)−3−アミノ−5−ヘキセン酸;(R)−3−アミノ−5−ヘキシン酸;(R)−3−アミノ−5−フェニルペンタン酸;(R)−3−アミノ−6−フェニル−5−ヘキセン酸;(S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−酢酸;(S)−3−アミノ−4−(1−ナフチル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−フリル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−ナフチル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−チエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;
(S)−3−アミノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−ベンゾチエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−ピリジル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−チエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ヨードフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ピリジル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−ペンタフルオロ−フェニル酪酸;(S)−3−アミノ−5−ヘキセン酸;(S)−3−アミノ−5−ヘキシン酸;(S)−3−アミノ−5−フェニルペンタン酸;(S)−3−アミノ−6−フェニル−5−ヘキセン酸;1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸;1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボン酸;3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(2−チエニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(3−ブロモフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−酪酸;3−アミノアジピン酸;D−β−フェニルアラニン;β−ロイシン;L−β−ホモアラニン;L−β−ホモアスパラギン酸 γ−ベンジルエステル;L−β−ホモグルタミン酸 δ−ベンジルエステル;L−β−ホモイソロイシン;L−β−ホモロイシン;L−β−ホモメチオニン;L−β−ホモフェニルアラニン;L−β−ホモプロリン;L−β−ホモトリプトファン;L−β−ホモバリン;L−Nω−ベンジルオキシカルボニル−β−ホモリジン;Nω−L−β−ホモアルギニン;O−ベンジル−L−β−ホモヒドロキシプロリン;O−ベンジル−L−β−ホモセリン;O−ベンジル−L−β−ホモトレオニン;O−ベンジル−L−β−ホモチロシン;γ−トリチル−L−β−ホモアスパラギン;(R)−β−フェニルアラニン;L−β−ホモアスパラギン酸 γ−t−ブチルエステル;L−β−ホモグルタミン酸 δ−t−ブチルエステル;L−Nω−β−ホモリジン;Nδ−トリチル−L−β−ホモグルタミン;Nω−2,2,4,6,7−ペンタメチル−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル−L−β−ホモアルギニン;O−t−ブチル−L−β−ホモヒドロキシ−プロリン;O−t−ブチル−L−β−ホモセリン;O−t−ブチル−L−β−ホモトレオニン;O−t−ブチル−L−β−ホモチロシン;2−アミノシクロペンタンカルボン酸;および2−アミノシクロヘキサンカルボン酸。
【0085】
[0044] アミノ酸アナログには、アラニン、バリン、グリシンまたはロイシンのアナログが含まれる。アラニン、バリン、グリシン、およびロイシンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:α−メトキシグリシン;α−アリル−L−アラニン;α−アミノイソ酪酸;α−メチル−ロイシン;β−(1−ナフチル)−D−アラニン;β−(1−ナフチル)−L−アラニン;β−(2−ナフチル)−D−アラニン;β−(2−ナフチル)−L−アラニン;β−(2−ピリジル)−D−アラニン;β−(2−ピリジル)−L−アラニン;β−(2−チエニル)−D−アラニン;β−(2−チエニル)−L−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−D−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−L−アラニン;β−(3−ピリジル)−D−アラニン;β−(3−ピリジル)−L−アラニン;β−(4−ピリジル)−D−アラニン;β−(4−ピリジル)−L−アラニン;β−クロロ−L−アラニン;β−シアノ−L−アラニン;β−シクロヘキシル−D−アラニン;β−シクロヘキシル−L−アラニン;β−シクロペンテン−1−イル−アラニン;β−シクロペンチル−アラニン;β−シクロプロピル−L−Ala−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;β−t−ブチル−D−アラニン;β−t−ブチル−L−アラニン;γ−アミノ酪酸;L−α,β−ジアミノプロピオン酸;2,4−ジニトロ−フェニルグリシン;2,5−ジヒドロ−D−フェニルグリシン;2−アミノ−4,4,4−トリフルオロ酪酸;2−フルオロ−フェニルグリシン;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−酪酸;3−フルオロ−バリン;4,4,4−トリフルオロ−バリン;4,5−デヒドロ−L−leu−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;4−フルオロ−D−フェニルグリシン;4−フルオロ−L−フェニルグリシン;4−ヒドロキシ−D−フェニルグリシン;5,5,5−トリフルオロ−ロイシン;6−アミノヘキサン酸;シクロペンチル−D−Gly−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;シクロペンチル−Gly−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D−α,β−ジアミノプロピオン酸;D−α−アミノ酪酸;D−α−t−ブチルグリシン;D−(2−チエニル)グリシン;D−(3−チエニル)グリシン;D−2−アミノカプロン酸;D−2−インダニルグリシン;D−アリルグリシン・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D−シクロヘキシルグリシン;D−ノルバリン;D−フェニルグリシン;β−アミノ酪酸;β−アミノイソ酪酸;(2−ブロモフェニル)グリシン;(2−メトキシフェニル)グリシン;(2−メチルフェニル)グリシン;(2−チアゾイル)グリシン;(2−チエニル)グリシン;2−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−プロピオン酸;L−α,β−ジアミノプロピオン酸;L−α−アミノ酪酸;L−α−t−ブチルグリシン;L−(3−チエニル)グリシン;L−2−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−プロピオン酸;L−2−アミノカプロン酸 ジシクロヘキシル−アンモニウム塩;L−2−インダニルグリシン;L−アリルグリシン・ジシクロヘキシル アンモニウム塩;L−シクロヘキシルグリシン;L−フェニルグリシン;L−プロパルギルグリシン;L−ノルバリン;N−α−アミノメチル−L−アラニン;D−α,γ−ジアミノ酪酸;L−α,γ−ジアミノ酪酸;β−シクロプロピル−L−アラニン;(N−β−(2,4−ジニトロフェニル))−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−4−メチルトリチル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−アリルオキシカルボニル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−γ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−4−メチルトリチル)−D−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−4−メチルトリチル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−アリルオキシカルボニル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;D−α,γ−ジアミノ酪酸;4,5−デヒドロ−L−ロイシン;シクロペンチル−D−Gly−OH;シクロペンチル−Gly−OH;D−アリルグリシン;D−ホモシクロヘキシルアラニン;L−1−ピレニルアラニン;L−2−アミノカプロン酸;L−アリルグリシン;L−ホモシクロヘキシルアラニン;およびN−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−Bzl)−Gly−OH。
【0086】
[0045] アミノ酸アナログにはさらにアルギニンまたはリジンのアナログが含まれる。アルギニンおよびリジンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:シトルリン;L−2−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸;L−2−アミノ−3−ウレイドプロピオン酸;L−シトルリン;Lys(Me)
2−OH;Lys(N
3)−OH;Nδ−ベンジルオキシカルボニル−L−オルニチン;Nω−ニトロ−D−アルギニン;Nω−ニトロ−L−アルギニン;α−メチル−オルニチン;2,6−ジアミノヘプタン二酸;L−オルニチン;(Nδ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−オルニチン;(Nδ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−オルニチン;(Nδ−4−メチルトリチル)−D−オルニチン;(Nδ−4−メチルトリチル)−L−オルニチン;D−オルニチン;L−オルニチン;Arg(Me)(Pbf)−OH;Arg(Me)
2−OH(非対称);Arg(Me)
2−OH(対称);Lys(ivDde)−OH;Lys(Me)
2−OH・HCl;Lys(Me
3)−OHクロリド;Nω−ニトロ−D−アルギニン;およびNω−ニトロ−L−アルギニン。
【0087】
[0046] アミノ酸アナログには、アスパラギン酸またはグルタミン酸のアナログが含まれる。アスパラギン酸およびグルタミン酸のアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:α−メチル−D−アスパラギン酸;α−メチル−グルタミン酸;α−メチル−L−アスパラギン酸;γ−メチレン−グルタミン酸;(N−γ−エチル)−L−グルタミン;[N−α−(4−アミノベンゾイル)]−L−グルタミン酸;2,6−ジアミノピメリン酸;L−α−アミノスベリン酸;D−2−アミノアジピン酸;D−α−アミノスベリン酸;α−アミノピメリン酸;イミノ二酢酸;L−2−アミノアジピン酸;トレオ−β−メチル−アスパラギン酸;γ−カルボキシ−D−グルタミン酸 γ,γ−ジ−t−ブチルエステル;γ−カルボキシ−L−グルタミン酸 γ,γ−ジ−t−ブチルエステル;Glu(OAll)−OH;L−Asu(OtBu)−OH;およびピログルタミン酸。
【0088】
[0047] アミノ酸アナログには、システインおよびメチオニンのアナログが含まれる。システインおよびメチオニンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:Cys(ファルネシル)−OH、Cys(ファルネシル)−OMe、α−メチル−メチオニン、Cys(2−ヒドロキシエチル)−OH、Cys(3−アミノプロピル)−OH、2−アミノ−4−(エチルチオ)酪酸、ブチオニン、ブチオニンスルホキシイミン、エチオニン、メチオニン メチルスルホニウムクロリド、セレノメチオニン、システイン酸、[2−(4−ピリジル)エチル]−DL−ペニシラミン、[2−(4−ピリジル)エチル]−L−システイン、4−メトキシベンジル−D−ペニシラミン、4−メトキシベンジル−L−ペニシラミン、4−メチルベンジル−D−ペニシラミン、4−メチルベンジル−L−ペニシラミン、ベンジル−D−システイン、ベンジル−L−システイン、ベンジル−DL−ホモシステイン、カルバモイル−L−システイン、カルボキシエチル−L−システイン、カルボキシメチル−L−システイン、ジフェニルメチル−L−システイン、エチル−L−システイン、メチル−L−システイン、t−ブチル−D−システイン、トリチル−L−ホモシステイン、トリチル−D−ペニシラミン、シスタチオニン、ホモシスチン、L−ホモシスチン、(2−アミノエチル)−L−システイン、セレノ−L−シスチン、シスタチオニン、Cys(StBu)−OH、およびアセトアミドメチル−D−ペニシラミン。
【0089】
[0048] アミノ酸アナログには、フェニルアラニンおよびチロシンのアナログが含まれる。フェニルアラニンおよびチロシンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれる:β−メチル−フェニルアラニン、β−ヒドロキシフェニルアラニン、α−メチル−3−メトキシ−DL−フェニルアラニン、α−メチル−D−フェニルアラニン、α−メチル−L−フェニルアラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、2,4−ジクロロ−フェニルアラニン、2−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、2−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、2−ブロモ−D−フェニルアラニン、2−ブロモ−L−フェニルアラニン、2−クロロ−D−フェニルアラニン、2−クロロ−L−フェニルアラニン、2−シアノ−D−フェニルアラニン、2−シアノ−L−フェニルアラニン、2−フルオロ−D−フェニルアラニン、2−フルオロ−L−フェニルアラニン、2−メチル−D−フェニルアラニン、2−メチル−L−フェニルアラニン、2−ニトロ−D−フェニルアラニン、2−ニトロ−L−フェニルアラニン、2;4;5−トリヒドロキシ−フェニルアラニン、3,4,5−トリフルオロ−D−フェニルアラニン、3,4,5−トリフルオロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−D−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−D−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン、3,4−ジメトキシ−L−フェニルアラニン、3,5,3’−トリヨード−L−チロニン、3,5−ジヨード−D−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロニン、3−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、3−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、3−アミノ−L−チロシン、3−ブロモ−D−フェニルアラニン、3−ブロモ−L−フェニルアラニン、3−クロロ−D−フェニルアラニン、3−クロロ−L−フェニルアラニン、3−クロロ−L−チロシン、3−シアノ−D−フェニルアラニン、3−シアノ−L−フェニルアラニン、3−フルオロ−D−フェニルアラニン、3−フルオロ−L−フェニルアラニン、3−フルオロ−チロシン、3−ヨード−D−フェニルアラニン、3−ヨード−L−フェニルアラニン、3−ヨード−L−チロシン、3−メトキシ−L−チロシン、3−メチル−D−フェニルアラニン、3−メチル−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−D−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−チロシン、4−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、4−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、4−アミノ−D−フェニルアラニン、4−アミノ−L−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−D−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、4−ビス(2−クロロエチル)アミノ−L−フェニルアラニン、4−ブロモ−D−フェニルアラニン、4−ブロモ−L−フェニルアラニン、4−クロロ−D−フェニルアラニン、4−クロロ−L−フェニルアラニン、4−シアノ−D−フェニルアラニン、4−シアノ−L−フェニルアラニン、4−フルオロ−D−フェニルアラニン、4−フルオロ−L−フェニルアラニン、4−ヨード−D−フェニルアラニン、4−ヨード−L−フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、チロキシン、3,3−ジフェニルアラニン、チロニン、エチル−チロシン、およびメチル−チロシン。
【0090】
[0049] アミノ酸アナログには、プロリンのアナログが含まれる。プロリンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:3,4−デヒドロ−プロリン、4−フルオロ−プロリン、cis−4−ヒドロキシ−プロリン、チアゾリジン−2−カルボン酸、およびtrans−4−フルオロ−プロリン。
【0091】
[0050] アミノ酸アナログには、セリンおよびトレオニンのアナログが含まれる。セリンおよびトレオニンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−アミノ−3−エトキシブタン酸、2−アミノ−3−メトキシブタン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸、2−アミノ−3−ベンジルオキシプロピオン酸、2−アミノ−3−ベンジルオキシプロピオン酸、2−アミノ−3−エトキシプロピオン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸、およびα−メチルセリン。
【0092】
[0051] アミノ酸アナログには、トリプトファンのアナログが含まれる。トリプトファンのアミノ酸アナログの例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:α−メチル−トリプトファン;β−(3−ベンゾチエニル)−D−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−L−アラニン;1−メチル−トリプトファン;4−メチル−トリプトファン;5−ベンジルオキシ−トリプトファン;5−ブロモ−トリプトファン;5−クロロ−トリプトファン;5−フルオロ−トリプトファン;5−ヒドロキシ−トリプトファン;5−ヒドロキシ−L−トリプトファン;5−メトキシ−トリプトファン;5−メトキシ−L−トリプトファン;5−メチル−トリプトファン;6−ブロモ−トリプトファン;6−クロロ−D−トリプトファン;6−クロロ−トリプトファン;6−フルオロ−トリプトファン;6−メチル−トリプトファン;7−ベンジルオキシ−トリプトファン;7−ブロモ−トリプトファン;7−メチル−トリプトファン;D−1,2,3,4−テトラヒドロ−ノルハルマン−3−カルボン酸;6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロノルハルマン−1−カルボン酸;7−アザトリプトファン;L−1,2,3,4−テトラヒドロ−ノルハルマン−3−カルボン酸;5−メトキシ−2−メチル−トリプトファン;および6−クロロ−L−トリプトファン。
【0093】
[0052] 一部の態様において、アミノ酸アナログはラセミ体である。一部の態様において、アミノ酸アナログのD異性体が用いられる。一部の態様において、アミノ酸アナログのL異性体が用いられる。他の態様において、アミノ酸アナログはRまたはS立体配置であるキラル中心を含む。さらに他の態様において、β−アミノ酸アナログのアミノ基(単数または複数)を、保護基、例えばtert−ブチルオキシカルボニル(BOC基)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、トシル等で置換する。さらに他の態様において、β−アミノ酸アナログのカルボン酸官能基を、例えばそのエステル誘導体として保護する。一部の態様において、アミノ酸アナログの塩が用いられる。
【0094】
[0053] “非必須”アミノ酸残基は、本明細書で用いられる際、ポリペプチドの本質的な生物学的または生化学的活性(例えば受容体の結合または活性化)を消失させる、または実質的に変化させることなく変化させることができる、ポリペプチドの野生型配列中に存在するアミノ酸残基である。
【0095】
[0054] “必須”アミノ酸残基は、本明細書で用いられる際、変化させた場合に結果としてポリペプチドの本質的な生物学的または生化学的活性(例えば受容体の結合または活性化)の消失または実質的な消失をもたらす、ポリペプチドの野生型配列中に存在するアミノ酸残基である。
【0096】
[0055] “保存的アミノ酸置換”は、アミノ酸残基を類似の側鎖を有する異なるアミノ酸残基で置き換えるアミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当技術分野で定められている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、K、R、H)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、D、E)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、G、N、Q、S、T、Y、C)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、A、V、L、I、P、F、M、W)、ベータ−分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、T、V、I)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、Y、F、W、H)が含まれる。従って、例えばポリペプチド中の予測される非必須アミノ酸残基を、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置き換える。許容可能な置換の他の例は、等配電子的(isosteric)考慮(例えば、メチオニンの代わりにノルロイシン)または他の特性(例えば、フェニルアラニンの代わりに2−チエニルアラニン、またはトリプトファンの代わりに6−Cl−トリプトファン)に基づく置換である。
【0097】
[0056] 用語“キャッピング基”は、主題ペプチドミメティック大環状化合物のポリペプチド鎖のカルボキシ末端またはアミノ末端のどちらかに存在する化学的部分を指す。カルボキシ末端のキャッピング基には、非修飾カルボン酸(すなわち−COOH)、または置換基を有するカルボン酸が含まれる。例えば、カルボキシ末端をアミノ基で置換して、C末端においてカルボキサミドを生成することができる。多様な置換基には、第一級および第二級アミン(ペグ化第二級アミンが含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。C末端に関する代表的な第二級アミンキャッピング基には下記のものが含まれる。
【0099】
[0057] アミノ末端のキャッピング基には、非修飾アミン(すなわち−NH
2)、または置換基を有するアミンが含まれる。例えば、アミノ末端をアシル基で置換して、N末端においてカルボキサミドを生成することができる。多様な置換基には、置換されたアシル基(C
1〜C
6カルボニル、C
7〜C
30カルボニルが含まれる)およびペグ化カルバメートが含まれるが、これらに限定されない。N末端に関する代表的なキャッピング基には下記のものが含まれる。
【0101】
[0058] 用語“員(member)”は、本明細書で大環状化合物または大員環形成リンカーと合わせて用いられる際、大員環を形成している、または形成することができる原子を指し、置換基または側鎖原子を除外する。類似により、シクロデカン、1,2−ジフルオロ−デカンおよび1,3−ジメチルシクロデカンは、水素もしくはフルオロ置換基またはメチル側鎖は大員環の形成に参加しないため、全て10員の大環状化合物とみなされる。
【0104】
”は、分子構造の一部として用いられる場合、単結合またはtransもしくはcis二重結合を指す。
【0105】
[0060] 用語“アミノ酸側鎖”は、アミノ酸中のα−炭素(または別の主鎖原子)に結合した部分を指す。例えば、アラニンに関するアミノ酸側鎖はメチルであり、フェニルアラニンに関するアミノ酸側鎖はフェニルメチルであり、システインに関するアミノ酸側鎖はチオメチルであり、アスパラギン酸に関するアミノ酸側鎖はカルボキシメチルであり、チロシンに関するアミノ酸側鎖は4−ヒドロキシフェニルメチルである、等。他の非天然存在アミノ酸側鎖、例えば天然において生じるアミノ酸側鎖(例えば、アミノ酸代謝産物)または合成により作られるアミノ酸側鎖(例えば、α,αジ置換アミノ酸)も含まれる。
【0106】
[0061] 用語“α,αジ置換アミノ酸”は、2つの天然または非天然アミノ酸側鎖に結合している炭素(α−炭素)に結合したアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子または部分を指す。
【0107】
[0062] 用語“ポリペプチド”は、共有結合(例えば、アミド結合)により連結された2個以上の天然または非天然存在アミノ酸を包含する。本明細書で記載されるようなポリペプチドには、完全長タンパク質(例えば、完全にプロセシングされたタンパク質)ならびにより短いアミノ酸配列(例えば、天然存在タンパク質の断片または合成ポリペプチド断片)が含まれる。
【0108】
[0063] 用語“大環状化試薬(macrocyclization reagent)”または“大員環形成試薬”は、本明細書で用いられる際、2つの反応性基の間の反応を媒介することによりペプチドミメティック大環状化合物を調製するために用いることができるあらゆる試薬を指す。反応性基は、例えばアジドおよびアルキンであることができ、その場合、大環状化試薬には、限定ではなく、Cu試薬、例えば反応性Cu(I)種を供給する試薬、例えばCuBr、CuIまたはCuOTf、ならびに還元剤、例えばアスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムの添加によりその場で活性なCu(I)試薬に変換することができるCu(II)塩、例えばCu(CO
2CH
3)
2、CuSO
4、およびCuCl
2が含まれる。大環状化試薬には、さらに例えば、反応性Ru(II)を供給することができる当技術分野で既知のRu試薬、例えばCp
*RuCl(PPh
3)
2、[Cp
*RuCl]
4または他のRu試薬が含まれ得る。他の場合において、その反応性基は末端オレフィンである。そのような態様において、その大環状化試薬または大員環形成試薬はメタセシス触媒であり、これには安定化された後周期遷移金属カルベン錯体触媒、例えばVIII属遷移金属カルベン触媒が含まれるが、これらに限定されない。例えば、そのような触媒は、+2酸化状態、16の電子数を有し、5配位した、RuおよびOs金属中心である。他の例では、触媒はWまたはMo中心を有する。多様な触媒が下記の文献で開示されている:Grubbs et al., “Ring Closing Metathesis and Related Processes in Organic Synthesis” Acc. Chem. Res. 1995, 28, 446-452、米国特許第5,811,515号;米国特許第7,932,397号;米国特許出願公開第2011/0065915号;米国特許出願公開第2011/0245477号;Yu et al., “Synthesis of Macrocyclic Natural Products by Catalyst-Controlled Stereoselective Ring-Closing Metathesis”, Nature 2011, 479, 88;およびPeryshkov et al., “Z-Selective Olefin Metathesis Reactions Promoted by Tungsten Oxo Alkylidene Complexes”, J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 20754。さらに他の場合において、その反応性基はチオール基である。そのような態様において、その大環状化試薬は、例えば2つのチオール反応性基、例えばハロゲン基で官能化されたリンカーである。
【0109】
[0064] 用語“ハロ”または“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、またはそのラジカルを指す。
【0110】
[0065] 用語“アルキル”は、示された数の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖である炭化水素鎖を指す。例えば、C
1〜C
10はその基が1個から10個まで(1個および10個を含む)の炭素原子をその中に有することを示す。数値表記が一切ない場合、“アルキル”は1〜20個(1個および20個を含む)の炭素原子をその中に有する鎖(直鎖または分枝鎖)である。
【0111】
[0066] 用語“アルキレン”は、二価アルキル(すなわち、−R−)を指す。
【0112】
[0067] 用語“アルケニル”は、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖である炭化水素鎖を指す。アルケニル部分は、示された数の炭素原子を含有する。例えば、C
2〜C
10はその基が2個から10個まで(2個および10個を含む)の炭素原子をその中に有することを示す。用語“低級アルケニル”は、C
2〜C
6アルケニル鎖を指す。数値表記が一切ない場合、“アルケニル”は2〜20個(2個および20個を含む)の炭素原子をその中に有する鎖(直鎖または分枝鎖)である。
【0113】
[0068] 用語“アルキニル”は、1個以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖である炭化水素鎖を指す。アルキニル部分は、示された数の炭素原子を含有する。例えば、C
2〜C
10はその基が2個から10個まで(2個および10個を含む)の炭素原子をその中に有することを示す。用語“低級アルキニル”は、C
2〜C
6アルキニル鎖を指す。数値表記が一切ない場合、“アルキニル”は2〜20個(2個および20個を含む)の炭素原子をその中に有する鎖(直鎖または分枝鎖)である。
【0114】
[0069] 用語“アリール”は6炭素単環式または10炭素二環式の芳香族環系を指し、ここで各環の0、1、2、3または4個の原子が置換基により置換されている。アリール基の例にはフェニル、ナフチル等が含まれる。用語“アリールアルコキシ”は、アリールで置換されたアルコキシを指す。
【0115】
[0070] “アリールアルキル”は、上記で定義したようなアリール基であって、そのアリール基の水素原子の1個が上記で定義したようなC
1〜C
5アルキル基で置き換えられているアリール基を指す。アリールアルキル基の代表例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニル、4−プロピルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニル、4−ブチルフェニル、2−ペンチルフェニル、3−ペンチルフェニル、4−ペンチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、2−イソブチルフェニル、3−イソブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、2−sec−ブチルフェニル、3−sec−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、2−t−ブチルフェニル、3−t−ブチルフェニルおよび4−t−ブチルフェニル。
【0116】
[0071] “アリールアミド”は、上記で定義したようなアリール基であって、そのアリール基の水素原子の1個が1個以上の−C(O)NH
2基で置き換えられているアリール基を指す。アリールアミド基の代表例には、2−C(O)NH
2−フェニル、3−C(O)NH
2−フェニル、4−C(O)NH
2−フェニル、2−C(O)NH
2−ピリジル、3−C(O)NH
2−ピリジル、および4−C(O)NH
2−ピリジルが含まれる。
【0117】
[0072] “アルキル複素環”は、上記で定義したようなC
1〜C
5アルキル基であって、そのC
1〜C
5アルキル基の水素原子の1個が複素環で置き換えられているC
1〜C
5アルキル基を指す。アルキル複素環基の代表例には、−CH
2CH
2−モルホリン、−CH
2CH
2−ピペリジン、−CH
2CH
2CH
2−モルホリン、および−CH
2CH
2CH
2−イミダゾールが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
[0073] “アルキルアミド”は、上記で定義したようなC
1〜C
5アルキル基であって、そのC
1〜C
5アルキル基の水素原子の1個が−C(O)NH
2基で置き換えられているC
1〜C
5アルキル基を指す。アルキルアミド基の代表例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:−CH
2−C(O)NH
2、−CH
2CH
2−C(O)NH
2、−CH
2CH
2CH
2C(O)NH
2、−CH
2CH
2CH
2CH
2C(O)NH
2、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2C(O)NH
2、−CH
2CH(C(O)NH
2)CH
3、−CH
2CH(C(O)NH
2)CH
2CH
3、−CH(C(O)NH
2)CH
2CH
3、−C(CH
3)
2CH
2C(O)NH
2、−CH
2−CH
2−NH−C(O)−CH
3、−CH
2−CH
2−NH−C(O)−CH
3−CH
3、および−CH
2−CH
2−NH−C(O)−CH=CH
2。
【0119】
[0074] “アルカノール”は、上記で定義したようなC
1〜C
5アルキル基であって、そのC
1〜C
5アルキル基の水素原子の1個がヒドロキシル基で置き換えられているC
1〜C
5アルキル基を指す。アルカノール基の代表例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2CH
2CH
2OH、−CH
2CH
2CH
2CH
2OH、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3、−CH
2CH(OH)CH
2CH
3、−CH(OH)CH
3および−C(CH
3)
2CH
2OH。
【0120】
[0075] “アルキルカルボキシ”は、上記で定義したようなC
1〜C
5アルキル基であって、そのC
1〜C
5アルキル基の水素原子の1個が−COOH基で置き換えられているC
1〜C
5アルキル基を指す。アルキルカルボキシ基の代表例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:−CH
2COOH、−CH
2CH
2COOH、−CH
2CH
2CH
2COOH、−CH
2CH
2CH
2CH
2COOH、−CH
2CH(COOH)CH
3、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2COOH、−CH
2CH(COOH)CH
2CH
3、−CH(COOH)CH
2CH
3および−C(CH
3)
2CH
2COOH。
【0121】
[0076] 用語“シクロアルキル”には、本明細書で用いられる際、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、より好ましくは3〜6個の炭素を有する飽和および部分不飽和環状炭化水素基が含まれ、ここでそのシクロアルキル基はさらに場合により置換されている。いくつかのシクロアルキル基には、限定ではなく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。
【0122】
[0077] 用語“ヘテロアリール”は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、芳香族の5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式の環系を指し、前記のヘテロ原子はO、NまたはSから選択され(例えば、炭素原子、および単環式、二環式または三環式の場合それぞれ1〜3、1〜6または1〜9個のO、NまたはSのヘテロ原子)、ここで各環の0、1、2、3または4個の原子が置換基により置換されている。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリル等が含まれる。
【0123】
[0078] 用語“ヘテロアリールアルキル”または用語“ヘテロアラルキル”は、ヘテロアリールで置換されたアルキルを指す。用語“ヘテロアリールアルコキシ”は、ヘテロアリールで置換されたアルコキシを指す。
【0124】
[0079] 用語“ヘテロアリールアルキル”または用語“ヘテロアラルキル”は、ヘテロアリールで置換されたアルキルを指す。用語“ヘテロアリールアルコキシ”は、ヘテロアリールで置換されたアルコキシを指す。
【0125】
[0080] 用語“ヘテロシクリル”は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、非芳香族の5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式の環系を指し、前記のヘテロ原子はO、NまたはSから選択され(例えば、炭素原子、および単環式、二環式または三環式の場合それぞれ1〜3、1〜6または1〜9個のO、NまたはSのヘテロ原子)、ここで各環の0、1、2または3個の原子が置換基により置換されている。ヘテロシクリル基の例には、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル等が含まれる。
【0126】
[0081] 用語“置換基”は、あらゆる分子、化合物または部分上の第2の原子または基、例えば水素原子に置き換わる基を指す。適切な置換基には、限定ではなく、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルカリール(alkaryl)、アリール、アラルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、およびシアノ基が含まれる。
【0127】
[0082] 一部の態様において、1種類以上の本明細書で開示される化合物は1個以上の不斉中心を含有し、従ってラセミ体およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として存在する。1態様において、別途明記しない限り、これらの化合物の異性型は本発明に含まれる。一部の態様において、1種類以上の本明細書で開示される化合物は多数の互変異性型でも表され、そのような場合、その1種類以上の化合物には本明細書で記載される化合物の全ての互変異性型が含まれる(例えば、環系のアルキル化が結果として多数の部位におけるアルキル化をもたらす場合、その1種類以上の化合物には全てのそのような反応生成物が含まれる)。別途明記しない限り、そのような化合物の全てのそのような異性型が本発明に含まれる。別途明記しない限り、本明細書で記載される化合物の全ての結晶形態が本発明に含まれる。
【0128】
[0083] 本明細書で用いられる際、用語“増大させる”および“減少させる”は、それぞれ少なくとも5%の統計的に有意な(すなわち、p<0.1)増大または減少を引き起こすことを意味する。
【0129】
[0084] 本明細書で用いられる際、変数に関する数値範囲の列挙は、本発明はその範囲内の値のいずれかと等しい変数を用いて実施することができることを伝えることを意図している。従って、本質的に不連続である変数に関して、その変数はその数値範囲(その範囲の終点を含む)内のいずれかの整数値に等しい。同様に、本質的に連続的である変数に関して、その変数はその数値範囲(その範囲の終点を含む)内のいずれかの実数値に等しい。一例として、限定ではなく、0〜2の値を有すると記載されている変数は、その変数が本質的に不連続である場合は0、1または2の値をとり、その変数が本質的に連続的である場合は0.0、0.1、0.01、0.001の値、または≧0かつ≦2であるあらゆる他の実数値をとる。
【0130】
[0085] 本明細書で用いられる際、別途具体的に示さない限り、語“または”は包含的な“および/または”の意味で用いられており、排他的な“どちらか/または”の意味では用いられていない。
【0131】
[0086] 用語“平均して”は、各データ点に関して少なくとも3つの独立した反復(replicates)を実施することから得られた平均値を表す。
【0132】
[0087] 用語“生物活性”は、大環状化合物の構造的および機能的特性を包含する。生物活性は、例えば構造安定性、アルファ−ヘリックス性、標的に関する親和性、タンパク質分解性の分解に対する抵抗性、細胞透過性、細胞内安定性、インビボ安定性、またはそれらのあらゆる組み合わせである。
【0133】
[0088] 用語“結合親和性”は、例えばペプチドミメティック大環状化合物および標的の間の結合相互作用の強さを指す。結合親和性は、例えば平衡解離定数(“K
D”)として表すことができ、それは濃度の尺度である単位(例えばM、mM、μM、nM等)で表される。数値的には、結合親和性およびK
D値は、より低い結合親和性がより高いK
D値に対応し、一方でより高い結合親和性がより低いK
D値に対応するように、逆に変動する。高い結合親和性が望ましい場合、“向上した”結合親和性はより高い結合親和性、従ってより低いK
D値を指す。
【0134】
[0089] 用語“結合親和性の比率”は、第1の結合相互作用の解離定数(K
D値)(分子)対第2の結合相互作用の解離定数(分母)の比率を指す。従って、標的1対標的2に対する“低減した結合親和性の比率”は、K
D(標的1)/K
D(標的2)として表される比率に関するより低い値を指す。この概念は、標的1対標的2に関する“向上した選択性”として特性付けることもでき、それは標的1に関するK
D値における減少または標的2に関するK
D値に関する値における増大のどちらによることもできる。
【0135】
[0090] 用語“インビトロ有効性”は、被験化合物、例えばペプチドミメティック大環状化合物がインビトロの試験系またはアッセイにおいて有益な結果をもたらす程度を指す。インビトロ有効性は、例えば“IC
50”または“EC
50”の値として測定することができ、それはその試験系における最大の作用の50%をもたらすその被験化合物の濃度を表す。
【0136】
[0091] 用語“インビトロ有効性の比率”または“インビトロ有効性比率”は、第1のアッセイからのIC
50またはEC
50値(分子)対第2のアッセイからのIC
50またはEC
50値(分母)の比率を指す。従って、向上したアッセイ1対アッセイ2に関するインビトロ有効性比率は、IC
50(アッセイ1)/IC
50(アッセイ2)として、あるいはEC
50(アッセイ1)/EC
50(アッセイ2)として表される比率に関するより低い値を指す。この概念はアッセイ1対アッセイ2における“向上した選択性”として特性付けることもでき、それは標的1に関するIC
50もしくはEC
50値における減少または標的2に関するIC
50もしくはEC
50値に関する値における増大のどちらによることもできる。
【0137】
[0092] 本発明の1以上の特定の態様の詳細を添付の図面および以下の記載において述べる。本発明の他の特徴、目的、および利点は、その記載および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0138】
ペプチドミメティック大環状化合物
[0093] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は式(I)を有する:
【0140】
[式中:
それぞれのA、C、D、およびEは独立してアミノ酸であり;
Bはアミノ酸、
【0142】
、[−NH−L
3−CO−]、[−NH−L
3−SO
2−]、または[−NH−L
3−]であり;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【0144】
;
L
1、L
2およびL
3は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
3は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKは独立してO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
7は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
8は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vおよびwは独立して1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
uは1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり;
x、yおよびzは独立して0〜10の整数であり、例えばx+y+zの和は2、3、または6であり;そして
nは1〜5の整数である]。
【0145】
[0094] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は次式を有する:
【0147】
[式中:
それぞれのA、C、D、およびEは独立してアミノ酸であり;
Bはアミノ酸、
【0149】
、[−NH−L
4−CO−]、[−NH−L
4−SO
2−]、または[−NH−L
4−]であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
L
1、L
2、L
3およびL
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vおよびwは独立して1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
uは1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり;
x、yおよびzは独立して0〜10の整数であり、例えばx+y+zの和は2、3、または6であり;そして
nは1〜5の整数である]。
【0150】
[0095] 一部の態様において、vおよびwは1〜30の整数である。一部の態様において、wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である。
【0151】
[0096] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、u=1かつw=2である場合、Eにより表される最初のC末端アミノ酸はアルギニン(R)ではなく、および/またはEにより表される2番目のC末端アミノ酸はトレオニン(T)ではないという条件付きで特許請求される。例えば、u=1かつw=2である場合、Eにより表される最初のC末端アミノ酸および/または2番目のC末端アミノ酸は正に荷電した側鎖も極性非荷電側鎖も含まない。一部の態様において、u=1かつw=2である場合、Eにより表される最初のC末端アミノ酸および/または2番目のC末端アミノ酸は疎水性側鎖を含む。例えば、w=2である場合、Eにより表される最初のC末端アミノ酸および/または2番目のN末端アミノ酸は疎水性側鎖、例えば大きい疎水性側鎖を含む。
【0152】
[0097] 一部の態様において、wは3〜1000である。例えば、Eにより表される3番目のアミノ酸は大きい疎水性側鎖を含む。
【0153】
[0098] 式Iのペプチドミメティック大環状化合物の一部の態様において、L
1およびL
2は、単独または組み合わせのどちらにおいても、全炭化水素鎖もチオエーテルも形成しない。式IIのペプチドミメティック大環状化合物の他の態様において、L
1およびL
2は、単独または組み合わせのどちらにおいても、全炭化水素鎖もトリアゾールも形成しない。
【0154】
[0099] 1例において、R
1およびR
2の少なくとも1つはアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。別の例において、R
1およびR
2の両方が独立してアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。一部の態様において、R
1およびR
2の少なくとも1つはメチルである。他の態様において、R
1およびR
2はメチルである。
【0155】
[00100] 一部の態様において、x+y+zは少なくとも3である。他の態様において、x+y+zは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一部の態様において、x+y+zの和は3または6である。一部の態様において、x+y+zの和は3である。他の態様において、x+y+zの和は6である。大環状化合物または大環状化合物前駆体中のA、B、C、DまたはEのそれぞれの存在は独立して選択される。例えば、xが3である場合の式[A]
xにより表される配列は、アミノ酸が同一ではない態様(例えばGln−Asp−Ala)ならびにアミノ酸が同一である態様(例えばGln−Gln−Gln)を包含する。これは示した範囲中のx、y、またはzのあらゆる値に当てはまる。同様に、uが1より大きい場合、それぞれの化合物は同じまたは異なるペプチドミメティック大環状化合物を包含することができる。例えば、化合物は異なるリンカーの長さまたは化学組成を含むペプチドミメティック大環状化合物を含むことができる。
【0156】
[00101] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物はα−ヘリックスである二次構造を含み、R
8は−Hであり、これはヘリックス内水素結合を可能にする。一部の態様において、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つはα,α−ジ置換アミノ酸である。1例において、Bはα,α−ジ置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは2−アミノイソ酪酸である。他の態様において、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは
【0159】
[00102] 他の態様において、第1のCαから第2のCαまで測定した場合の大員環形成リンカーLの長さは、所望の二次ペプチド構造、例えば第1のCα〜第2のCαの残基が含まれるが必ずしもこれに限定されないそのペプチドミメティック大環状化合物の残基により形成されるα−ヘリックスを安定化するように選択される。
【0160】
[00103] 次式のペプチドミメティック大環状化合物も提供される:
【0162】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−His
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10−X
11−Ser
12(配列番号:1)の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【0164】
;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
3は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKは独立してO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
7は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
8は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
【0165】
[00104] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は次式を有する:
【0167】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−Glu
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10/Cba
10−X
11−Ala
12(配列番号:2)の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【0169】
;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
【0170】
[00105] 次式のペプチドミメティック大環状化合物も提供される:
【0172】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−His
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10−X
11−Ser
12(配列番号:1)の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
L
1、L
2、L
3およびL
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
【0173】
[00106] 次式のペプチドミメティック大環状化合物も提供される:
【0175】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−Glu
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10/Cba
10−X
11−Ala
12(配列番号:2)の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
L
1、L
2、L
3およびL
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
【0176】
[00107] 1態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は下記のものであり:
【0178】
式中、それぞれのR
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。
【0179】
[00108] 関連する態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は下記のものであり:
【0181】
式中、R
1’およびR
2’は独立してアミノ酸である。
【0182】
[00109] 他の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は下記に示す式のいずれかの化合物であり:
【0186】
式中、“AA”はいずれかの天然または非天然アミノ酸側鎖を表し、“
【0188】
”は上記で定義したような[D]
v、[E]
wであり、nは0〜20、50、100、200、300、400または500の整数である。一部の態様において、nは0である。他の態様において、nは50未満である。
【0189】
[00110] 式Iのペプチドミメティック大環状化合物に関する大員環形成リンカーLの典型的な態様を下記に示す。
【0193】
[00111] 他の態様において、式IまたはIIの化合物中のDおよび/またはEは細胞による取込みを促進するためにさらに修飾されている。一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物の脂質付加またはPEG化は細胞による取込みを促進し、生物学的利用能を増大させ、血液循環を増大させ、薬物動態を変化させ、免疫原性を減少させ、および/または必要とされる投与頻度を減少させる。
【0194】
[00112] 他の態様において、式IまたはIIの化合物中の[D]および[E]の少なくとも1つは追加の大員環形成リンカーを含む部分を表し、従ってそのペプチドミメティック大環状化合物は少なくとも2つの大員環形成リンカーを含む。特定の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は2つの大員環形成リンカーを含む。1態様において、uは2である。
【0195】
[00113] 一部の態様において、本明細書で記載される大員環形成リンカーのいずれかを、表4、4a、4b、6、および6aにおいて示される配列のいずれかとのあらゆる組み合わせで用いることができ、本明細書で示されるR−置換基のいずれかとのあらゆる組み合わせでも用いることができる。
【0196】
[00114] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は少なくとも1つのα−ヘリックスモチーフを含む。例えば、式IまたはIIの化合物中のA、Bおよび/またはCには1つ以上のα−ヘリックスが含まれる。一般的な事柄として、α−ヘリックスにはターンあたり3〜4個のアミノ酸残基が含まれる。一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物のα−ヘリックスには1〜5ターンが含まれ、従って3〜20個のアミノ酸残基が含まれる。特定の態様において、そのα−ヘリックスには1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンが含まれる。一部の態様において、その大員環形成リンカーはそのペプチドミメティック大環状化合物内に含まれるα−ヘリックスモチーフを安定化する。従って、一部の態様において、第1のCαから第2のCαまでの大員環形成リンカーLの長さは、α−ヘリックスの安定性を増大させるように選択される。一部の態様において、その大員環形成リンカーはそのα−ヘリックスの1ターンから5ターンまでに及ぶ。一部の態様において、その大員環形成リンカーはそのα−ヘリックスのおおよそ1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンに及ぶ。一部の態様において、その大員環形成リンカーの長さはそのα−ヘリックスのターンあたりおおよそ5Å〜9Å、またはそのα−ヘリックスのターンあたりおおよそ6Å〜8Åである。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ1ターンに及ぶ場合、その長さはおおよそ5個の炭素−炭素結合〜13個の炭素−炭素結合、おおよそ7個の炭素−炭素結合〜11個の炭素−炭素結合、またはおおよそ9個の炭素−炭素結合に等しい。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ2ターンに及ぶ場合、その長さはおおよそ8個の炭素−炭素結合〜16個の炭素−炭素結合、おおよそ10個の炭素−炭素結合〜14個の炭素−炭素結合、またはおおよそ12個の炭素−炭素結合に等しい。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ3ターンに及ぶ場合、その長さはおおよそ14個の炭素−炭素結合〜22個の炭素−炭素結合、おおよそ16個の炭素−炭素結合〜20個の炭素−炭素結合、またはおおよそ18個の炭素−炭素結合に等しい。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ4ターンに及ぶ場合、その長さはおおよそ20個の炭素−炭素結合〜28個の炭素−炭素結合、おおよそ22個の炭素−炭素結合〜26個の炭素−炭素結合、またはおおよそ24個の炭素−炭素結合に等しい。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ5ターンに及ぶ場合、その長さはおおよそ26個の炭素−炭素結合〜34個の炭素−炭素結合、おおよそ28個の炭素−炭素結合〜32個の炭素−炭素結合、またはおおよそ30個の炭素−炭素結合に等しい。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ1ターンに及ぶ場合、その連結はおおよそ4原子〜12原子、おおよそ6原子〜10原子、またはおおよそ8原子を含有する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ2ターンに及ぶ場合、その連結はおおよそ7原子〜15原子、おおよそ9原子〜13原子、またはおおよそ11原子を含有する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ3ターンに及ぶ場合、その連結はおおよそ13原子〜21原子、おおよそ15原子〜19原子、またはおおよそ17原子を含有する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ4ターンに及ぶ場合、その連結はおおよそ19原子〜27原子、おおよそ21原子〜25原子、またはおおよそ23原子を含有する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ5ターンに及ぶ場合、その連結はおおよそ25原子〜33原子、おおよそ27原子〜31原子、またはおおよそ29原子を含有する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ1ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状化合物はおおよそ17員〜25員、おおよそ19員〜23員、またはおおよそ21員を含有する環を形成する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ2ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状化合物はおおよそ29員〜37員、おおよそ31員〜35員、またはおおよそ33員を含有する環を形成する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ3ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状化合物はおおよそ44員〜52員、おおよそ46員〜50員、またはおおよそ48員を含有する環を形成する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ4ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状化合物はおおよそ59員〜67員、おおよそ61員〜65員、またはおおよそ63員を含有する環を形成する。その大員環形成リンカーがα−ヘリックスのおおよそ5ターンに及ぶ場合、結果として生じる大環状化合物はおおよそ74員〜82員、おおよそ76員〜80員、またはおおよそ78員を含有する環を形成する。
【0197】
[00115] 別途記載しない限り、あらゆる化合物(ペプチドミメティック大環状化合物、大環状化合物前駆体、および他の組成物が含まれる)は1個以上の同位体濃縮された原子の存在においてのみ異なる化合物を包含することも意味している。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置き換え、または
13C−もしくは
14C−濃縮された炭素による炭素の置き換えを除いて記載された構造を有する化合物は、本明細書において意図されている。
【0198】
[00116] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比してMDM2またはMDMXへの向上した結合親和性を有する。他の例において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して低減したMDMX対MDM2への結合親和性の比率を有する。さらに他の例において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビトロでのp53陽性腫瘍細胞株に対する抗腫瘍有効性を有する。一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビトロでのp53陽性腫瘍細胞株におけるアポトーシスの誘導を示す。他の例において、請求項1のペプチドミメティック大環状化合物であって、ここでそのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したp53陽性対p53陰性または変異体腫瘍細胞株に関するインビトロ抗腫瘍有効性比率を有する。さらに他の例において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビボでのp53陽性腫瘍に対する抗腫瘍有効性を有する。さらに他の例において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビボでのp53陽性腫瘍におけるアポトーシスの誘導を有する。一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した細胞透過性を有する。他の場合において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した可溶性を有する。
【0199】
[00117] 一部の態様において、Xaa
5はGluまたはそのアミノ酸アナログである。一部の態様において、Xaa
5はGluまたはそのアミノ酸アナログであり、ここでそのペプチドミメティック大環状化合物は、Xaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した特性、例えば向上した結合親和性、向上した可溶性、向上した細胞有効性、向上した細胞透過性、向上したインビボもしくはインビトロ抗腫瘍有効性、または向上したアポトーシスの誘導を有する。
【0200】
[00118] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、Xaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したMDM2またはMDMXに対する結合親和性を有する。他の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、Xaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して低減したMDMX対MDM2に対する結合親和性の比率を有する。一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物はXaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した可溶性を有し、またはそのペプチドミメティック大環状化合物はXaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した細胞有効性を有する。
【0201】
[00119] 一部の態様において、Xaa
5はGluまたはそのアミノ酸アナログであり、ここでそのペプチドミメティック大環状化合物は、Xaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した生物学的活性、例えば向上した結合親和性、向上した可溶性、向上した細胞有効性、向上したヘリックス性、向上した細胞透過性、向上したインビボもしくはインビトロ抗腫瘍有効性、または向上したアポトーシスの誘導を有する。
【0202】
[00120] 1態様において、本明細書で開示される化合物は、そのような化合物を構成する1個以上の原子において、非天然の割合の原子の同位元素を含有することができる。例えば、その化合物は、例えばトリチウム(
3H)、ヨウ素−125(
125I)または炭素−14(
14C)のような放射性同位元素を用いて放射標識することができる。別の態様において、本明細書で開示される化合物は、ケイ素原子と置き換えられた1個以上の炭素原子を有することができる。本明細書で開示される化合物の全ての同位体的バリエーションは、放射性であろうとなかろうと、本明細書において意図されている。
【0203】
ペプチドミメティック大環状化合物の調製
[00121] 式IおよびIIのペプチドミメティック大環状化合物は、当技術分野で既知の多様な方法のいずれかにより調製することができる。例えば、表4、表4aまたは表4b中の“$4rn6”または“$4a5”により示される残基を有する式Iの大環状化合物は、同じ分子中の第2の残基とクロスリンカーを形成することができる残基またはそのような残基の前駆体で置換することができる。
【0204】
[00122] 一部の態様において、これらのペプチドミメティック大環状化合物の合成は、アジド部分およびアルキン部分を含有するペプチドミメティック前駆体を合成し;続いてそのペプチドミメティック前駆体を大環状化試薬と接触させてトリアゾールで連結されたペプチドミメティック大環状化合物を生成することを特徴とする多工程プロセスを含む。そのようなプロセスは、例えば2008年2月25日に出願された米国特許出願公開第12/037,041号において記載されている。大環状化合物または大環状化合物前駆体は、例えば液相または固相法により合成され、天然存在および非天然存在アミノ酸の両方を含有することができる。例えば、
Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids(G.C. Barrettによる編集、Chapman and Hall、1985)中のHunt,“The Non-Protein Amino Acids”を参照。
【0205】
[00123] 式Iの大環状化合物の一部の態様において、アジドがある残基のα炭素に連結されており、アルキンが別の残基のα炭素に結合している。一部の態様において、そのアジド部分はアミノ酸L−リジン、D−リジン、アルファ−メチル−L−リジン、アルファ−メチル−D−リジン、L−オルニチン、D−オルニチン、アルファ−メチル−L−オルニチンまたはアルファ−メチル−D−オルニチンのアジドアナログである。別の態様において、そのアルキン部分はL−プロパルギルグリシンである。さらに他の態様において、そのアルキン部分はL−プロパルギルグリシン、D−プロパルギルグリシン、(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸および(R)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸からなる群から選択されるアミノ酸である。
【0206】
[00124] 一部の態様において、本明細書において式Iのペプチドミメティック大環状化合物を合成するための方法が提供され、その方法は次式のペプチドミメティック前駆体を大環状化試薬と接触させる工程を含み:
【0208】
式中、v、w、x、y、z、A、B、C、D、E、R
1、R
2、R
7、R
8、L
1およびL
2は上記で定義した通りであり;その大環状化試薬がCu試薬である場合、R
12は−Hであり、その大環状化試薬がRu試薬である場合、R
12は−Hまたはアルキルであり;そしてさらにここで、前記の接触工程は結果としてその前駆体中のアルキンおよびアジド部分の間の共有結合の形成をもたらす。例えば、その大環状化試薬がRu試薬である場合、R
12はメチルであってよい。
【0209】
[00125] 一部の態様において、本明細書において式IIのペプチドミメティック大環状化合物を合成するための方法が提供され、その方法は次式のペプチドミメティック前駆体を式X−L
2−Yの化合物と接触させる工程を含み:
【0211】
式中、v、w、x、y、z、A、B、C、D、E、R
1、R
2、R
7、R
8、L
1およびL
2は式IIの化合物に関して定義した通りであり;そしてXおよびYはそれぞれ独立してチオール基と反応することができる反応性基であり;
そしてさらにここで、前記の接触工程は結果として式III中の2個のチオール基の間の共有結合の形成をもたらす。
【0212】
[00126] 本明細書で開示されるペプチドミメティック大環状化合物において、R
1およびR
2の少なくとも1つはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。一部の態様において、R
1およびR
2は両方とも独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。一部の態様において、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つはα,α−ジ置換アミノ酸である。1例において、Bはα,α−ジ置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは2−アミノイソ酪酸である。
【0213】
[00127] 例えば、R
1およびR
2の少なくとも1つはアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。別の例において、R
1およびR
2は両方とも独立してアルキルであり、置換されていないか、またはハロ−で置換されている。一部の態様において、R
1およびR
2の少なくとも1つはメチルである。他の態様において、R
1およびR
2はメチルである。その大環状化試薬はCu試薬またはRu試薬であることができる。
【0214】
[00128] 一部の態様において、そのペプチドミメティック前駆体はその接触工程の前に精製される。他の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物はその接触工程の後に精製される。さらに他の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物はその接触工程の後にリフォールディングされる。その方法は溶液中で実施することができ、あるいはその方法は固体支持体上で実施することができる。
【0215】
[00129] 本明細書で開示される方法を、そのペプチドミメティック前駆体またはペプチドミメティック大環状化合物に結合する標的高分子の存在下において前記の結合に有利な条件下で実施することも、本明細書において予想されている。一部の態様において、その方法は、そのペプチドミメティック前駆体またはペプチドミメティック大環状化合物に優先的に結合する標的高分子の存在下において前記の結合に有利な条件下で実施される。その方法は、ペプチドミメティック大環状化合物のライブラリーを合成するために適用することもできる。
【0216】
[00130] 一部の態様において、式Iの化合物を作るためのペプチドミメティック前駆体のアルキン部分は、L−プロパルギルグリシン、D−プロパルギルグリシン、(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−5−ヘキシン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(R)−2−アミノ−2−メチル−7−オクチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸、および(R)−2−アミノ−2−メチル−8−ノニン酸からなる群から選択されるアミノ酸の側鎖である。他の態様において、式Iの化合物を作るためのペプチドミメティック前駆体のアジド部分は、ε−アジド−L−リジン、ε−アジド−D−リジン、ε−アジド−α−メチル−L−リジン、ε−アジド−α−メチル−D−リジン、δ−アジド−α−メチル−L−オルニチン、およびδ−アジド−α−メチル−D−オルニチンからなる群から選択されるアミノ酸の側鎖である。
【0217】
[00131] 一部の態様において、式IIの化合物を作るためのペプチドミメティック前駆体のチオール基は、L−システイン、D−システイン、L−N−メチルシステイン、D−N−メチルシステイン、L−ホモシステイン、D−ホモシステイン、L−N−メチルホモシステイン、D−N−メチルホモシステイン、α−メチル−L−システイン、α−メチル−D−システイン、α−メチル−L−ホモシステイン、α−メチル−D−ホモシステイン、L−ペニシラミン、D−ペニシラミン、L−N−メチルペニシラミン、D−N−メチルペニシラミンからなる群から選択されるアミノ酸の側鎖であり、全ての形態は液相または固相ペプチド合成のために適切に保護される。
【0218】
[00132] 一部の態様において、x+y+zは3であり、A、BおよびCは独立して天然または非天然アミノ酸である。他の態様において、x+y+zは6であり、A、BおよびCは独立して天然または非天然アミノ酸である。
【0219】
[00133] 一部の態様において、その接触工程は、プロトン性溶媒、水性溶媒、有機溶媒、およびそれらの混合物からなる群から選択される溶媒中で実施される。例えば、その溶媒は、H
2O、THF、THF/H
2O、tBuOH/H
2O、DMF、DIPEA、CH
3CNもしくはCH
2Cl
2、ClCH
2CH
2Clまたはそれらの混合物からなる群から選択することができる。その溶媒はヘリックス形成を有利にする溶媒であることができる。
【0220】
[00134] 代わりの、しかし同等の保護基、脱離基または試薬が代わりに用いられ、その合成工程のいくつかは、所望の化合物を生成するために代わりの順序または順番で実施される。本明細書で記載される化合物の合成において有用な合成化学変換および保護基の方法論(保護および脱保護)には、例えば下記の文献で記載されているようなものが含まれる:Larock,
Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); Greene and Wuts,
Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版, John Wiley and Sons (1991); Fieser and Fieser,
Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);およびPaquette, ed.,
Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、ならびにその続版。
【0221】
[00135] 本明細書で開示されるペプチドミメティック大環状化合物は、例えば、Fields et al.,
Synthetic Peptides: A User's Guide中の第3章, ed. Grant, W. H. Freeman & Co., New York, N. Y., 1992, p. 77において記載されているような化学合成法により作製される。従って、例えば、ペプチドは自動化されたメリフィールド(Merrifield)固相合成技法を用いて、アミンをtBocまたはFmoc化学のどちらかにより保護して、側鎖が保護されたアミノ酸を用いて、例えば自動ペプチド合成装置(例えば、Applied Biosystems(カリフォルニア州フォスターシティー)、モデル430A、431、または433)上で合成される。
【0222】
[00136] 本明細書で記載されるペプチドミメティック前駆体およびペプチドミメティック大環状化合物を生成する1つの方法は、固相ペプチド合成(SPPS)を用いる。C末端アミノ酸を架橋ポリスチレン樹脂にリンカー分子との酸不安定性結合により付着させる。この樹脂は合成のために用いられる溶媒中で不溶性であり、これは過剰な試薬および副産物を洗い流すのを比較的簡単かつ迅速にする。N末端はFmoc基で保護され、それは酸中では安定であるが、塩基により除去することができる。側鎖官能基は必要に応じて塩基安定性、酸不安定性の基で保護される。
【0223】
[00137] より長いペプチドミメティック前駆体は、例えばネイティブケミカルライゲーション(native chemical ligation)を用いて個々の合成ペプチドを連結する(conjoining)ことにより生成される。あるいは、より長い合成ペプチドは、周知の組換えDNAおよびタンパク質発現技法により生合成される。そのような技法は周知の標準的なマニュアルにおいて詳細なプロトコルと共に提供されている。本明細書で開示されるペプチドミメティック前駆体をコードする遺伝子を構築するために、そのアミノ酸配列を逆翻訳して、そのアミノ酸配列をコードする核酸配列を、好ましくはその遺伝子を発現させるべき生物に関して最適であるコドンを用いて得る。次に、合成遺伝子を、典型的にはそのペプチドおよび必要であればいずれかの調節エレメントをコードするオリゴヌクレオチドを合成することにより作製する。その合成遺伝子を適切なクローニングベクターに挿入し、宿主細胞中にトランスフェクションする。次いでそのペプチドを選択された発現系および宿主に適した適切な条件下で発現させる。そのペプチドを標準的な方法により精製し、特性付ける。
【0224】
[00138] ペプチドミメティック前駆体は、例えばハイスループット、コンビナトリアル様式で、例えばハイスループット多チャンネル(polychannel)コンビナトリアル合成装置(例えば、CreoSalus(ケンタッキー州ルイビル)からのThuramed TETRASマルチチャンネルペプチド合成装置、またはAAPPTEC,Inc.(ケンタッキー州ルイビル)からのModel Apex 396マルチチャネルペプチド合成装置)を用いて作製される。
【0225】
[00139] 以下の合成スキームは本発明を説明するためだけに提供されており、本明細書で記述されるような本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0226】
[00140] 合成スキーム1〜5は式Iのペプチドミメティック大環状化合物の調製を記述している。その図を単純化するため、その説明的なスキームは、アジドアミノ酸アナログであるε−アジド−α−メチル−L−リジンおよびε−アジド−α−メチル−D−リジン、ならびにアルキンアミノ酸アナログであるL−プロパルギルグリシン、(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、および(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸を示している。従って、下記の合成スキームにおいて、それぞれのR
1、R
2、R
7およびR
8は−Hであり;それぞれのL
1は−(CH
2)
4−であり;そしてそれぞれのL
2は−(CH
2)−である。しかし、上記の詳細な記述全体を通して特筆したように、多くの他のアミノ酸アナログを用いることができ、ここでR
1、R
2、R
7、R
8、L
1およびL
2は本明細書で開示される様々な構造から独立して選択することができる。
【0229】
[00142] 合成スキーム1は、本明細書で開示されるような式Iの化合物を調製するために有用ないくつかの化合物の調製を記載する。キラル補助剤(S)−2−[N−(N’−ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノン(BPB)およびアミノ酸(例えばグリシンまたはアラニン)から誘導されたシッフ塩基のNi(II)錯体を、Belokon et al. (1998), Tetrahedron Asymm. 9:4249-4252において記載されているように調製する。得られた錯体を続いてアジドまたはアルキニル部分を含むアルキル化試薬と反応させると、鏡像異性体富化された本明細書で開示される化合物が得られる。所望であれば、得られた化合物をペプチド合成での使用のために保護することができる。
【0232】
[00144] 合成スキーム2に示す式Iのペプチドミメティック大環状化合物の合成のための一般法において、そのペプチドミメティック前駆体はアジド部分およびアルキン部分を含有し、溶液相または固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシン、ならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リジンおよびN−メチル−ε−アジド−D−リジンのN−α−Fmoc保護形態を用いて合成される。次いで、そのペプチドミメティック前駆体を、標準的な条件(例えば、95%TFAのような強酸)により脱保護し、固相樹脂から切断する。そのペプチドミメティック前駆体を粗製混合物として、または反応前に精製した後、有機溶液または水溶液中で大環状化試薬、例えばCu(I)と反応させる(Rostovtsev et al. (2002), Angew. Chem. Int. Ed. 41:2596-2599; Tornoe et al. (2002), J. Org. Chem. 67:3057-3064; Deiters et al. (2003), J. Am. Chem. Soc. 125:11782-11783; Punna et al. (2005), Angew. Chem. Int. Ed. 44:2215-2220)。1態様において、そのトリアゾール形成反応はα−ヘリックス形成を有利にする条件下で実施される。1態様において、その大環状化工程はH
2O、THF、CH
3CN、DMF、DIPEA、tBuOH、またはその混合物からなる群から選択される溶媒中で実施される。別の態様において、その大環状化工程はDMF中で実施される。一部の態様において、その大環状化工程は緩衝された水性または部分的に水性の溶媒中で実施される。
【0235】
[00146] 合成スキーム3に示す式Iのペプチドミメティック大環状化合物の合成のための一般法において、そのペプチドミメティック前駆体はアジド部分およびアルキン部分を含有し、固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシン、ならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リジンおよびN−メチル−ε−アジド−D−リジンのN−α−Fmoc保護形態を用いて合成される。そのペプチドミメティック前駆体を、樹脂上で粗製混合物として大環状化試薬、例えばCu(I)試薬と反応させる(Rostovtsev et al. (2002), Angew. Chem. Int. Ed. 41:2596-2599; Tornoe et al. (2002), J. Org. Chem. 67:3057-3064; Deiters et al. (2003), J. Am. Chem. Soc. 125:11782-11783; Punna et al. (2005), Angew. Chem. Int. Ed. 44:2215-2220)。次いで、得られたトリアゾール含有ペプチドミメティック大環状化合物を、標準的な条件(例えば、95%TFAのような強酸)により脱保護し、固相樹脂から切断する。一部の態様において、その大環状化工程はCH
2Cl
2、ClCH
2CH
2Cl、DMF、THF、NMP、DIPEA、2,6−ルチジン、ピリジン、DMSO、H
2O、またはそれらの混合物からなる群から選択される溶媒中で実施される。一部の態様において、その大環状化工程は緩衝された水性または部分的に水性の溶媒中で実施される。
【0238】
[00148] 合成スキーム4に示す式Iのペプチドミメティック大環状化合物の合成のための一般法において、そのペプチドミメティック前駆体はアジド部分およびアルキン部分を含有し、溶液相または固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシン、ならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リジンおよびN−メチル−ε−アジド−D−リジンのN−α−Fmoc保護形態を用いて合成される。次いで、そのペプチドミメティック前駆体を、標準的な条件(例えば、95%TFAのような強酸)により脱保護し、固相樹脂から切断する。そのペプチドミメティック前駆体を粗製混合物として、または反応前に精製した後、大環状化試薬、例えばRu(II)試薬、例えばCp
*RuCl(PPh
3)
2または[Cp
*RuCl]
4(Rasmussen et al. (2007), Org. Lett. 9:5337-5339; Zhang et al. (2005), J. Am. Chem. Soc. 127:15998-15999)と反応させる。一部の態様において、その大環状化工程はDMF、CH
3CNおよびTHFからなる群から選択される溶媒中で実施される。
【0241】
[00150] 合成スキーム5に示す式Iのペプチドミメティック大環状化合物の合成のための一般法において、そのペプチドミメティック前駆体はアジド部分およびアルキン部分を含有し、固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なアミノ酸N−α−Fmoc−L−プロパルギルグリシン、ならびにアミノ酸(S)−2−アミノ−2−メチル−4−ペンチン酸、(S)−2−アミノ−6−ヘプチン酸、(S)−2−アミノ−2−メチル−6−ヘプチン酸、N−メチル−ε−アジド−L−リジンおよびN−メチル−ε−アジド−D−リジンのN−α−Fmoc保護形態を用いて合成される。そのペプチドミメティック前駆体を樹脂上で粗製混合物として大環状化試薬、例えばRu(II)試薬と反応させる。例えば、その試薬はCp
*RuCl(PPh
3)
2または[Cp
*RuCl]
4であることができる(Rasmussen et al. (2007), Org. Lett. 9:5337-5339; Zhang et al. (2005), J. Am. Chem. Soc. 127:15998-15999)。一部の態様において、その大環状化工程はCH
2Cl
2、ClCH
2CH
2Cl、CH
3CN、DMF、およびTHFからなる群から選択される溶媒中で実施される。
【0242】
[00151] 一部の態様において、式Iのペプチドミメティック大環状化合物はトリアゾール部分上のハロゲン基置換、例えばヨード置換を含む。そのようなペプチドミメティック大環状化合物は、部分的な構造を有する前駆体から、本明細書で教示される架橋法を用いて調製することができる。そのような置換を含む本明細書で記載されるようなあらゆる長さのクロスリンカーを調製することができる。1態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は下記に示すスキームに従って調製される。その反応は、例えば、CuIおよびアミン配位子、例えばTEAまたはTTTAの存在下で実施される。例えば、Hein et al. Angew. Chem., Int. Ed. 2009, 48, 8018-8021を参照。
【0245】
[00153] 他の態様において、ヨード置換されたトリアゾールが下記に示すスキームに従って生成される。例えば、下記の反応スキーム中の第2工程は、例えばCuIおよびN−ブロモスクシンイミド(NBS)を用いて、THFの存在下で実施される(例えば、Zhang et al., J. Org. Chem. 2008, 73, 3630-3633を参照)。他の態様において、下記に示す反応スキーム中の第2工程は、例えばCuIおよびヨウ素化剤、例えばIClを用いて実施される(例えば、Wu et al., Synthesis 2005, 1314-1318を参照)。
【0247】
[00154] 一部の態様において、ヨード置換されたトリアゾール部分をクロスカップリング反応、例えば鈴木カップリングまたは薗頭カップリングにおいて用いて、置換されたクロスリンカーを含むペプチドミメティック大環状化合物が得られる。下記に示すようなアルキンを用いる薗頭カップリングを、例えばパラジウム触媒、例えばPd(PPh
3)
2Cl
2、CuIの存在下で、かつ塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で実施することができる。下記に示すようなアリールボロン酸または置換アルケニルボロン酸を用いる鈴木カップリングを、触媒、例えばPd(PPh
3)
4の存在下で、かつ塩基、例えばK
2CO
3の存在下で実施することができる。
【0249】
[00155] ヨード置換トリアゾールと反応するあらゆる適切なトリアゾール置換基を、本明細書で記載される鈴木カップリングにおいて用いることができる。鈴木カップリングにおける使用のためのトリアゾール置換基の例を下記に示し:
【0251】
ここで“Cyc”は適切なアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、置換されていないか、または場合により下記に記載するようなR
aもしくはR
b基で置換されている。
【0252】
[00156] 一部の態様において、その置換基は下記のものである:
【0254】
[00157] ヨード置換トリアゾールと反応するあらゆる適切な置換基を、本明細書で記載される薗頭カップリングにおいて用いることができる。薗頭カップリングにおける使用のためのトリアゾール置換基の例を下記に示し:
【0256】
ここで“Cyc”は適切なアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、置換されていないか、または場合により下記に記載するようなR
aもしくはR
b基で置換されている。
【0257】
[00158] 一部の態様において、そのトリアゾール置換基は下記のものである:
【0259】
[00159] 一部の態様において、上記で示したCyc基はさらに少なくとも1個のR
aまたはR
b置換基により置換されている。一部の態様において、R
aおよびR
bの少なくとも1つは独立して下記のものである:
【0261】
[00160] 他の態様において、そのトリアゾール置換基は
【0263】
であり、R
aおよびR
bの少なくとも1つはアルキル(水素、メチル、またはエチルが含まれる)または下記のものである:
【0265】
[00161] 本発明は、本明細書で記載される式Iのペプチドミメティック大環状化合物の合成において、非天然存在アミノ酸およびアミノ酸アナログの使用を意図している。安定なトリアゾール含有ペプチドミメティック大環状化合物の合成のために用いられる合成法に受け入れられるあらゆるアミノ酸またはアミノ酸アナログを、本発明において用いることができる。例えば、L−プロパルギルグリシンは本発明における有用なアミノ酸として意図される。しかし、異なるアミノ酸側鎖を含有する他のアルキン含有アミノ酸も本発明において有用である。例えば、L−プロパルギルグリシンはアミノ酸のα−炭素およびアミノ酸側鎖のアルキンの間に1つのメチレン単位を含有する。本発明は、α−炭素およびアルキンの間に複数のメチレン単位を含むアミノ酸の使用も意図している。アミノ酸L−リジン、D−リジン、アルファ−メチル−L−リジン、およびアルファ−メチル−D−リジンのアジドアナログも、本発明における有用なアミノ酸として意図される。しかし、異なるアミノ酸側鎖を含有する他の末端アジドアミノ酸も本発明において有用である。例えば、L−リジンのアジドアナログは、そのアミノ酸のα−炭素およびアミノ酸側鎖の末端アジドの間に4つのメチレン単位を含有する。本発明は、α−炭素および末端アジドの間に4つより少ない、または4つより多いメチレン単位を含むアミノ酸の使用も意図している。下記の表1は、本明細書で開示されるペプチドミメティック大環状化合物の調製において有用ないくつかのアミノ酸を示す。
【0267】
[00162] 一部の態様において、そのアミノ酸およびアミノ酸アナログはD−立体配置のものである。他の態様において、それらはL−立体配置のものである。一部の態様において、そのペプチドミメティック中に含有されるアミノ酸およびアミノ酸アナログの一部はD−立体配置のものであり、一方でそのアミノ酸およびアミノ酸アナログの一部はL−立体配置のものである。一部の態様において、そのアミノ酸アナログはα,α−ジ置換されており、例えばα−メチル−L−プロパルギルグリシン、α−メチル−D−プロパルギルグリシン、ε−アジド−アルファ−メチル−L−リジン、およびε−アジド−アルファ−メチル−D−リジンである。一部の態様において、そのアミノ酸アナログはN−アルキル化されており、例えばN−メチル−L−プロパルギルグリシン、N−メチル−D−プロパルギルグリシン、N−メチル−ε−アジド−L−リジン、およびN−メチル−ε−アジド−D−リジンである。
【0268】
[00163] 式IIの大環状化合物の調製は、例えば2007年12月17日に出願された米国特許出願公開第11/957,325号において記載されており、それを本明細書に援用する。合成スキーム6〜9は、そのような式IIの化合物の調製を記載している。その図を単純化するため、その説明的なスキームはL−またはD−システインから誘導されたアミノ酸アナログを示しており、ここでL
1およびL
3は両方とも−(CH
2)−である。しかし、上記の詳細な記述全体を通して特筆したように、多くの他のアミノ酸アナログを用いることができ、ここでL
1およびL
3は独立して本明細書で開示される様々な構造から選択することができる。記号“[AA]
m”、“[AA]
n”、“[AA]
o”は、アミド結合で連結された部分、例えば天然または非天然アミノ酸の配列を表す。前に記載したように、それぞれの“AA”の存在はあらゆる他の“AA”の存在から独立しており、“[AA]
m”のような式は、例えば同一でないアミノ酸の配列ならびに同一のアミノ酸の配列を包含する。
【0271】
[00164] スキーム6において、そのペプチドミメティック前駆体は2つの−SH部分を含有し、固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なN−α−Fmocアミノ酸、例えばN−α−Fmoc−S−トリチル−L−システインまたはN−α−Fmoc−S−トリチル−D−システインを用いて合成される。D−システインまたはL−システインのアルファ−メチル化されたバージョンを既知の方法(Seebach et al. (1996), Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:2708-2748、およびその中の参考文献)により生成し、次いでそれを既知の方法(“
Bioorganic Chemistry: Peptides and Proteins”, Oxford UniversityPress, New York: 1998、その全内容を本明細書に援用する)により適切に保護されたN−α−Fmoc−S−トリチル単量体へと変換する。次いで、その前駆体ペプチドミメティックを、標準的な条件(例えば、95%TFAのような強酸)により脱保護し、固相樹脂から切断する。その前駆体ペプチドミメティックを粗製混合物として、または反応前に精製した後、有機溶液または水溶液中でX−L
2−Yと反応させる。一部の態様において、そのアルキル化反応は、大環状化を有利にするため、かつ重合を避けるため、希薄な条件(すなわち0.15mmol/L)下で実施される。一部の態様において、そのアルキル化反応は、有機溶液、例えば液体NH
3(Mosberg et al. (1985), J. Am.Chem. Soc. 107:2986-2987; Szewczuk et al. (1992), Int. J. Peptide Protein Res. 40 :233-242)、NH
3/MeOH、またはNH
3/DMF(Or et al. (1991), J. Org. Chem. 56:3146-3149)中で実施される。他の態様において、そのアルキル化は水溶液、例えば6MグアニジウムHCL、pH8中で実施される(Brunel et al. (2005), Chem. Commun. (20):2552-2554)。他の態様において、アルキル化反応のために用いられる溶媒はDMFまたはジクロロエタンである。
【0274】
[00165] スキーム7において、その前駆体ペプチドミメティックは2つ以上の−SH部分を含有し、その内の2つはそれらの選択的な脱保護およびそれに続く大員環形成のためのアルキル化を可能にするように特別に保護されている。その前駆体ペプチドミメティックは、固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なN−α−Fmocアミノ酸、例えばN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−L−システインまたはN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−D−システインを用いて合成される。D−システインまたはL−システインのアルファ−メチル化されたバージョンを既知の方法(Seebach et al. (1996), Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:2708-2748、およびその中の参考文献)により生成し、次いでそれを既知の方法(
Bioorganic Chemistry: Peptides and Proteins, Oxford University Press, New York: 1998、その全内容を本明細書に援用する)により適切に保護されたN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル単量体へと変換する。次いで、そのペプチドミメティック前駆体のMmt保護基を標準的な条件(例えば穏やかな酸、例えばDCM中1%TFA)により選択的に切断する。次いでその前駆体ペプチドミメティックを、樹脂上で有機溶液中でX−L
2−Yと反応させる。例えば、その反応は立体障害塩基(hindered base)、例えばジイソプロピルエチルアミンの存在下で行われる。一部の態様において、そのアルキル化反応は、有機溶液、例えば液体NH
3(Mosberg et al. (1985), J. Am.Chem. Soc. 107:2986-2987; Szewczuk et al. (1992), Int. J. Peptide Protein Res. 40 :233-242)、NH
3/MeOH、またはNH
3/DMF(Or et al. (1991), J. Org. Chem. 56:3146-3149)中で実施される。他の態様において、そのアルキル化反応はDMFまたはジクロロエタン中で実施される。次いでそのペプチドミメティック大環状化合物を標準的な条件(例えば、95%TFAのような強酸)により脱保護し、固相樹脂から切断する。
【0277】
[00166] スキーム8において、そのペプチドミメティック前駆体は2つ以上の−SH部分を含有し、その内の2つはそれらの選択的な脱保護およびそれに続く大員環形成のためのアルキル化を可能にするように特別に保護されている。そのペプチドミメティック前駆体は、固相ペプチド合成(SPPS)により、商業的に入手可能なN−α−Fmocアミノ酸、例えばN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−L−システイン、N−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチル−D−システイン、N−α−Fmoc−S−S−t−ブチル−L−システイン、およびN−α−Fmoc−S−S−t−ブチル−D−システインを用いて合成される。D−システインまたはL−システインのアルファ−メチル化されたバージョンを既知の方法(Seebach et al. (1996), Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:2708-2748、およびその中の参考文献)により生成し、次いでそれを既知の方法(
Bioorganic Chemistry: Peptides and Proteins, Oxford University Press, New York: 1998、その全内容を本明細書に援用する)により適切に保護されたN−α−Fmoc−S−p−メトキシトリチルまたはN−α−Fmoc−S−S−t−ブチル単量体へと変換する。そのペプチドミメティック前駆体のS−S−tブチル保護基を既知の条件(例えばDMF中20% 2−メルカプトエタノール、参考文献:Galande et al. (2005), J. Comb. Chem. 7:174-177)により選択的に切断する。次いでその前駆体ペプチドミメティックを、樹脂上で有機溶液中でモル過剰量のX−L
2−Yと反応させる。例えば、その反応は立体障害塩基、例えばジイソプロピルエチルアミンの存在下で行われる。次いで、そのペプチドミメティック前駆体のMmt保護基を標準的な条件(例えば穏やかな酸、例えばDCM中1%TFA)により選択的に切断する。次いでそのペプチドミメティック前駆体を、樹脂上で有機溶液中で立体障害塩基を用いた処理により環化させる。一部の態様において、そのアルキル化反応は、有機溶液、例えばNH
3/MeOHまたはNH
3/DMF(Or et al. (1991), J. Org. Chem. 56:3146-3149)中で実施される。次いで、そのペプチドミメティック大環状化合物を標準的な条件(例えば、95%TFAのような強酸)により脱保護し、固相樹脂から切断する。
【0280】
[00167] スキーム9において、そのペプチドミメティック前駆体は2つのL−システイン部分を含有する。そのペプチドミメティック前駆体は、生きた細胞における既知の生物学的発現系により、または既知のインビトロの無細胞発現法により合成される。その前駆体ペプチドミメティックを、粗製混合物として、または反応前に精製した後、有機溶液または水溶液中でX−L
2−Yと反応させる。一部の態様において、そのアルキル化反応は、大環状化を有利にするため、かつ重合を避けるため、希薄な条件(すなわち0.15mmol/L)下で実施される。一部の態様において、そのアルキル化反応は、有機溶液、例えば液体NH
3(Mosberg et al. (1985), J. Am.Chem. Soc. 107:2986-2987; Szewczuk et al. (1992), Int. J. Peptide Protein Res. 40 :233-242)、NH
3/MeOH、またはNH
3/DMF(Or et al. (1991), J. Org. Chem. 56:3146-3149)中で実施される。他の態様において、そのアルキル化は水溶液、例えば6MグアニジウムHCL、pH8中で実施される(Brunel et al. (2005), Chem. Commun. (20):2552-2554)。他の態様において、そのアルキル化はDMFまたはジクロロエタン中で実施される。別の態様において、そのアルキル化は非変性水溶液中で実施され、さらに別の態様において、そのアルキル化はα−ヘリックス構造の形成を有利にする条件下で実施される。さらに別の態様において、そのアルキル化は、そのアルキル化の間に結合したα−ヘリックス立体構造の形成を誘導するため、その前駆体ペプチドミメティックの別のタンパク質への結合を有利にする条件下で実施される。
【0281】
[00168] チオール基との反応に適しているXおよびYに関する様々な態様が予想されている。一般に、それぞれのXまたはYは独立して表2に示される一般的なカテゴリーから選択される。例えば、XおよびYはハライド、例えば−Cl、−Brまたは−Iである。本明細書で記載される大員環形成リンカーのいずれかを、示した配列のいずれかとのあらゆる組み合わせで、そして本明細書で示されるR−置換基のいずれかとのあらゆる組み合わせでも用いることができる。
【0283】
[00169] 本発明は、式IIのペプチドミメティック大環状化合物の合成における天然存在および非天然存在アミノ酸およびアミノ酸アナログの両方の使用を意図している。安定なビス−スルフヒドリルを含有するペプチドミメティック大環状化合物の合成のために用いられる合成法に受け入れられるあらゆるアミノ酸またはアミノ酸アナログを、本発明において用いることができる。例えば、システインは本発明における有用なアミノ酸として意図される。しかし、異なるアミノ酸側鎖を含有するシステイン以外の硫黄含有アミノ酸も有用である。例えば、システインはアミノ酸のα−炭素およびアミノ酸側鎖の末端−SHの間に1つのメチレン単位を含有する。本発明は、α−炭素および末端の−SHの間に複数のメチレン単位を含むアミノ酸の使用も意図している。限定的でない例には、α−メチル−L−ホモシステインおよびα−メチル−D−ホモシステインが含まれる。一部の態様において、そのアミノ酸およびアミノ酸アナログはD−立体配置のものである。他の態様において、それらはL−立体配置のものである。一部の態様において、そのペプチドミメティック中に含有されるアミノ酸およびアミノ酸アナログの一部はD−立体配置のものであり、一方でそのアミノ酸およびアミノ酸アナログの一部はL−立体配置のものである。一部の態様において、そのアミノ酸アナログはα,α−ジ置換されており、例えばα−メチル−L−システインおよびα−メチル−D−システインである。
【0284】
[00170] 本発明には、大員環形成リンカーがそのペプチドミメティック前駆体中の2個以上の−SH部分を連結して本明細書で開示されるペプチドミメティック大環状化合物を形成するために用いられている大環状化合物が含まれる。上記で記載したように、その大員環形成リンカーは立体構造の硬性、増大した代謝安定性および/または増大した細胞透過性を与える。さらに、一部の態様において、その大員環を形成する連結は、そのペプチドミメティック大環状化合物のα−ヘリックス二次構造を安定化する。上記で定義したように、その大員環形成リンカーは式X−L
2−Yのものであり、ここでXおよびYは両方とも同じまたは異なる部分である。XおよびYは両方とも、1つの大員環形成リンカー−L
2−がビス−スルフヒドリルを含有するペプチドミメティック大環状化合物をビスアルキル化することを可能にする化学特性を有する。上記で定義したように、そのリンカー−L
2−にはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、もしくはヘテロシクロアリーレン、または−R
4−K−R
4−が含まれ、その全てが場合により上記で定義したようなR
5基で置換されていることができる。さらに、その大員環形成リンカー−L
2−内の、そのスルフヒドリル含有アミノ酸の−SHに結合した炭素以外の1〜3個の炭素原子は、場合によりヘテロ原子、例えばN、SまたはOで置換されている。
【0285】
[00171] その大員環形成リンカーX−L
2−YのL
2構成要素は、とりわけそのペプチドミメティック大環状化合物を形成するために用いられる2個のアミノ酸アナログの位置の間の距離に応じて、長さを変動させることができる。さらに、その大員環形成リンカーのL
1および/またはL
3構成要素の長さは変動するため、安定なペプチドミメティック大環状化合物を形成するための適切な全体の長さのリンカーを作り出すためにL
2の長さも変動させることができる。例えば、用いられるアミノ酸アナログをL
1およびL
3のそれぞれに追加のメチレン単位を追加することにより変更する場合、L
1およびL
3の増大した長さを相殺するために、L
2の長さをおおよそ2個のメチレン単位に相当する長さだけ減少させる。
【0286】
[00172] 一部の態様において、L
2は式−(CH
2)
n−のアルキレン基であり、ここでnは約1〜約15の整数である。例えば、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。他の態様において、L
2はアルケニレン基である。さらに他の態様において、L
2はアリール基である。
【0287】
[00173] 表3はX−L
2−Y基の追加の態様を示す。
【0289】
[00174] 適切であると予想されるペプチドミメティック大環状化合物を形成する追加の方法には、Mustapa, M. Firouz Mohd et al., J. Org. Chem (2003), 68, pp. 8193-8198; Yang, Bin et al. Bioorg Med. Chem. Lett. (2004), 14, pp. 1403-1406;米国特許第5,364,851号;米国特許第5,446,128号;米国特許第5,824,483号;米国特許第6,713,280号;および米国特許第7,202,332号により開示された方法が含まれる。そのような態様において、アルファ位において追加の置換基R−を含有するアミノ酸前駆体が用いられる。そのようなアミノ酸をその大環状化合物前駆体中に所望の位置において組み込み、それはそのクロスリンカーが置換される位置、あるいはその大環状化合物前駆体の配列中の他の箇所であることができる。次いで示された方法に従って前駆体の環化をもたらす。
【0290】
[00175] 一部の態様において、そのアミノ酸の−NH部分は、−Fmocおよび−Bocが含まれるがそれらに限定されない保護基を用いて保護される。他の態様において、そのアミノ酸はそのペプチドミメティック大環状化合物の合成の前に保護されない。
【0291】
アッセイ
[00176] ペプチドミメティック大環状化合物の特性を、例えば下記に記載する方法を用いることによりアッセイする。一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は、本明細書で記載される置換基を欠いた対応するポリペプチドと対比して向上した生物学的特性を有する。
【0292】
α−ヘリックス性を決定するためのアッセイ
[00177] 溶液中では、α−ヘリックスドメインを有するポリペプチドの二次構造はランダムコイル構造およびα−ヘリックス構造の間で動的平衡に達すると考えられ、これはしばしば“ヘリックス性パーセント”として表される。従って、例えば、アルファ−ヘリックスドメインは溶液中で主にランダムコイルであり、α−ヘリックス含量は通常は25%より下である。一方で、最適化されたリンカーを有するペプチドミメティック大環状化合物は、例えば対応する非架橋ポリペプチドのアルファ−ヘリックス性よりも少なくとも2倍大きいアルファ−ヘリックス性を有する。一部の態様において、大環状化合物は50%より大きいアルファ−ヘリックス性を有するであろう。ペプチドミメティック大環状化合物のヘリックス性をアッセイするために、その化合物を水溶液中で溶解させる(例えば、pH7の50mMリン酸カリウム溶液、または蒸留したH
2O、25〜50μMの濃度にする)。円二色性(CD)スペクトルを、分光偏光計(例えば、Jasco J−710)上で、標準的な測定パラメーター(例えば、温度20℃;波長190〜260nm;ステップ解像度0.5nm;速度20nm/秒;蓄積(accumulations)10;応答1秒;バンド幅1nm;経路長(path length)0.1cm)を用いて得る。各ペプチドのα−ヘリックス含量を、平均残基楕円率(mean residue ellipticity)(例えば[Φ]222obs)をモデルのヘリックス性デカペプチドに関する報告された値で割ることにより計算する(Yang et al. (1986), Methods Enzymol. 130:208)。
【0293】
融解温度(Tm)を決定するためのアッセイ
[00178] α−ヘリックスのような二次構造を含むペプチドミメティック大環状化合物は、例えば対応する非架橋ポリペプチドよりも高い融解温度を示す。典型的には、ペプチドミメティック大環状化合物は60℃より高いTmを示し、これは水溶液中での高度に安定な構造を表す。大員環形成の融解温度への作用をアッセイするため、ペプチドミメティック大環状化合物または非修飾ペプチドを蒸留H
2O中で(例えば50μMの終温度で)溶解させ、ある温度範囲(例えば4〜95℃)にわたって分光偏光計(例えばJasco J−710)上で標準的なパラメーター(例えば、波長222nm;ステップ解像度0.5nm;速度20nm/秒;蓄積10;応答1秒;バンド幅1nm;温度上昇速度:1℃/分;経路長0.1cm)を用いて楕円率における変化を測定することによりTmを決定する。
【0294】
プロテアーゼ抵抗性アッセイ
[00179] ペプチド主鎖のアミド結合はプロテアーゼによる加水分解を受けやすく、それによりペプチド系化合物をインビボでの急速な分解に弱くする。しかし、ペプチドヘリックス形成は典型的にはアミド主鎖を埋没させ、従ってそれをタンパク質分解性の切断から遮閉することができる。ペプチドミメティック大環状化合物にインビトロでトリプシンタンパク質分解を施して、対応する非架橋ポリペプチドと比較した分解速度におけるあらゆる変化を評価することができる。例えば、そのペプチドミメティック大環状化合物および対応する非架橋ポリペプチドをトリプシンアガロースと共にインキュベートし、その反応を様々な時点で遠心分離により停止し、続いてHPLCに注入して280nmにおける紫外吸収により残留基質を定量化する。簡潔には、そのペプチドミメティック大環状化合物およびペプチドミメティック前駆体(5mcg)をトリプシンアガロース(Pierce)(S/E 約125)と共に0、10、20、90、および180分間インキュベートする。反応を高速での卓上遠心分離により停止し;分離した上清中の残留基質を280nmにおけるHPLCに基づくピーク検出により定量化する。タンパク質分解反応は一次速度論を示し、速度定数kをln[S]対時間のプロットから決定する(k=−1×勾配)。
【0295】
エクスビボ安定性アッセイ
[00180] 最適化されたリンカーを有するペプチドミメティック大環状化合物は、例えば対応する非架橋ポリペプチドのエクスビボ半減期よりも少なくとも2倍長いエクスビボ半減期を有し、12時間以上のエクスビボ半減期を有する。エクスビボ血清安定性試験のために、多様なアッセイを用いることができる。例えば、ペプチドミメティック大環状化合物および対応する非架橋ポリペプチド(2mcg)を、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒトの血清(2mL)と共に37℃で0、1、2、4、8、および24時間インキュベートする。未変化の化合物のレベルを決定するために、下記の手順を用いることができる:100μlの血清を2mlの遠心チューブに移し、続いて10μLの50%ギ酸および500μLのアセトニトリルを添加し、14,000RPMで4±2℃において10分間遠心分離することにより、試料を抽出する。次いで上清を新しい2mlチューブに移し、Turbovap上でN
2<10psi、37℃の下で蒸発させる。その試料を100μLの50:50 アセトニトリル:水中で再構成し、LC−MS/MS分析を行なう。
【0296】
インビトロ結合アッセイ
[00181] 受容体タンパク質に対するペプチドミメティック大環状化合物およびペプチドミメティック前駆体の結合および親和性を評価するために、例えば蛍光偏光アッセイ(FPA)が用いられる。FPA技法は、偏光および蛍光トレーサーを用いて分子の配向および運動性を測定する。偏光により励起されると、高い見掛け分子量を有する分子に付着した蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きいタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さな分子に付着した蛍光トレーサー(例えば、溶液中で遊離しているFITC標識ペプチド)と比較してそれらの回転速度がより遅いため、より高いレベルの偏光蛍光を発する。
【0297】
[00182] 例えば、蛍光標識したペプチドミメティック大環状化合物(25nM)を受容体タンパク質(25〜1000nM)と共に結合用緩衝液(140mM NaCl、50mM Tris−HCL、pH7.4)中で室温において30分間インキュベートする。結合活性を、例えばルミネセンス分光光度計(例えば、Perkin−Elmer LS50B)上で蛍光偏光により測定する。Kd値は、例えばGraphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.,カリフォルニア州サンディエゴ)を用いる非線形回帰分析により決定することができる。ペプチドミメティック大環状化合物は、一部の態様において、対応する非架橋ポリペプチドと類似の、またはより低いKdを示す。
【0298】
ペプチド−タンパク質相互作用のアンタゴニストを特性付けるためのインビトロ置換アッセイ
[00183] ペプチドおよび受容体タンパク質の間の相互作用に拮抗する化合物の結合および親和性を評価するために、例えばペプチドミメティック前駆体配列に由来する蛍光標識したペプチドミメティック大環状化合物を利用する蛍光偏光アッセイ(FPA)が用いられる。そのFPA技法は、偏光および蛍光トレーサーを用いて分子の配向および運動性を測定する。偏光により励起されると、高い見掛け分子量を有する分子に付着した蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きいタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、より小さな分子に付着した蛍光トレーサー(例えば、溶液中で遊離しているFITC標識ペプチド)と比較してそれらの回転速度がより遅いため、より高いレベルの偏光蛍光を発する。蛍光標識したペプチドミメティック大環状化合物および受容体タンパク質の間の相互作用に拮抗する化合物は、競合結合FPA実験で検出されるであろう。
【0299】
[00184] 例えば、推定アンタゴニスト化合物(1nM〜1mM)および蛍光標識したペプチドミメティック大環状化合物(25nM)を受容体タンパク質(50nM)と共に結合緩衝液(140mM NaCl、50mM Tris−HCL、pH7.4)中で室温において30分間インキュベートする。アンタゴニスト結合活性を、例えば発光分光光度計(例えば、Perkin−Elmer LS50B)上で蛍光偏光により測定する。Kd値は、例えばGraphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.,カリフォルニア州サンディエゴ)を用いる非線形回帰分析により決定することができる。
【0300】
[00185] あらゆるクラスの分子、例えば小さい有機分子、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはタンパク質を、このアッセイで推定アンタゴニストとして調べることができる。
【0301】
親和性選択−質量分析によるタンパク質−リガンド結合に関するアッセイ
[00186] タンパク質に関する被験化合物の結合および親和性を評価するために、例えば親和性選択質量分析アッセイが用いられる。タンパク質−リガンド結合実験は、システムワイド制御実験(system−wide control experiment)に関して概説される下記の代表的な手順に従って、1μMのペプチドミメティック大環状化合物+5μMのhMDM2を用いて実施される。ペプチドミメティック大環状化合物の40μMストック溶液の1μL DMSOアリコートを、19μLのPBS(リン酸緩衝化生理食塩水:150mMのNaClを含有する50mM、pH7.5のリン酸緩衝液)中で溶解させる。得られた溶液を反復ピペッティングにより混合し、10000gで10分間の遠心分離により清澄にする。得られた上清の4μLアリコートに、4μLのPBS中10μMのhMDM2を添加する。従って、それぞれ8.0μLの実験試料は、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)+1μMペプチドミメティック大環状化合物および2.5%DMSOを含有する。各濃度点に関してこうして調製した二重(Duplicate)試料を室温で60分間インキュベートし、次いで4℃に冷却した後、5.0μL注入液のサイズ排除クロマトグラフィー−LC−MS分析を実施する。標的タンパク質、タンパク質−リガンド複合体、および結合していない化合物を含有する試料をSECカラム上に注入し、ここでその複合体は迅速SEC工程により結合していない構成要素から分離される。SECカラム溶離液をUV検出器を用いてモニターして、SECカラムのボイド容量中に溶離する早期溶離タンパク質画分がカラム上に保持されている結合していない構成要素から十分に分離されていることを確認する。タンパク質およびタンパク質−リガンド複合体を含有するピークが一次UV検出器から溶離した後、それは試料ループに入り、そこでそれはSECステージからの流動流(flow stream)から切り離されて、バルブ機構(valving mechanism)によりLC−MSに直接移される。そのペプチドミメティック大環状化合物の(M+3H)
3+イオンがESI−MSにより予想されたm/zにおいて観察され、そのタンパク質−リガンド複合体の検出が確証される。
【0302】
タンパク質−リガンドのKd滴定実験に関するアッセイ
[00187] タンパク質に関する被験化合物の結合および親和性を評価するために、例えばタンパク質−リガンドのKd滴定実験が実施される。タンパク質−リガンドのK
d滴定実験は下記の通りに実施される:系列希釈した滴定剤ペプチドミメティック大環状化合物のストック溶液(5、2.5、...、0.098mM)の2μL DMSOアリコートを調製し、次いで38μLのPBS中で溶解させる。得られた溶液を反復ピペッティングにより混合し、10000gで10分間の遠心分離により清澄にする。得られた上清の4.0μLアリコートに、4.0μLのPBS中10μMのhMDM2を添加する。従って、それぞれ8.0μLの実験試料は、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)、変動濃度(125、62.5、...、0.24μM)の滴定剤ペプチド、および2.5%のDMSOを含有する。各濃度点に関してこうして調製した二重試料を室温で30分間インキュベートし、次いで4℃に冷却した後、2.0μL注入液のSEC−LC−MS分析を実施する。(M+H)
1+、(M+2H)
2+、(M+3H)
3+、および/または(M+Na)
1+イオンをESI−MSにより観察し;抽出されたイオンクロマトグラムを定量化し、次いで“A General Technique to Rank Protein-Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs. Direct Binding Site Competition in Compound Mixtures.” Annis, D. A.; Nazef, N.; Chuang, C. C.; Scott, M. P.; Nash, H. M. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 15495-15503において、また、“ALIS: An Affinity Selection-Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein-Ligand Interactions” D. A. Annis, C.-C. Chuang, and N. Nazef. In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry. Wanner K, Hoefner Gによる編集: Wiley-VCH; 2007:121-184. Mannhold R, Kubinyi H, Folkers G (シリーズの編者): Methods and Principles in Medicinal Chemistryにおいても記述されているように、方程式に当てはめて結合親和性K
dを得る。
【0303】
親和性選択−質量分析による競合結合実験に関するアッセイ
[00188] 被験化合物がタンパク質に競合結合する能力を決定するために、例えば親和性選択質量分析アッセイを実施する。3種類の化合物のそれぞれの400μMストックの2μLアリコートを14μLのDMSOと組み合わせることにより、構成要素あたり40μMのリガンドの混合物を調製する。次いで、この構成要素あたり40μMの混合物の1μLアリコートを、滴定剤ペプチドミメティック大環状化合物の系列希釈ストック溶液(10、5、2.5、...、0.078mM)の1μL DMSOアリコートと組み合わせる。これらの2μLの試料を38μLのPBS中で溶解させる。得られた溶液を反復ピペッティングにより混合し、10000gで10分間の遠心分離により清澄にする。得られた上清の4.0μLアリコートに、4.0μLのPBS中10μMのhMDM2タンパク質を添加する。従って、それぞれ8.0μLの実験試料は、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)+0.5μMのリガンド、2.5%のDMSO、および変動濃度(125、62.5、...、0.98μM)の滴定剤ペプチドミメティック大環状化合物を含有する。各濃度点に関してこうして調製した二重試料を室温で60分間インキュベートし、次いで4℃に冷却した後、2.0μL注入液のSEC−LC−MS分析を実施する。これらおよび他の方法に関する追加の詳細が“A General Technique to Rank Protein-Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs. Direct Binding Site Competition in Compound Mixtures.” Annis, D. A.; Nazef, N.; Chuang, C. C.; Scott, M. P.; Nash, H. M. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 15495-15503において、また、“ALIS: An Affinity Selection-Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein-Ligand Interactions” D. A. Annis, C.-C. Chuang, and N. Nazef. In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry. Wanner K, Hoefner Gによる編集: Wiley-VCH; 2007:121-184. Mannhold R, Kubinyi H, Folkers G (シリーズの編者): Methods and Principles in Medicinal Chemistryにおいても提供されている。
【0304】
無傷細胞における結合アッセイ
[00189] ペプチドまたはペプチドミメティック大環状化合物の、無傷細胞におけるそれらの天然の受容体に対する結合を、免疫沈降実験により測定することができる。例えば、無傷細胞を蛍光標識した(FITC標識した)化合物と共に血清の非存在下で4時間インキュベートし、続いて血清交換および4〜18時間にわたるさらなるインキュベーションを行なう。次いで細胞をペレット化し、溶解用緩衝液(50mM Tris[pH7.6]、150mM NaCl、1% CHAPSおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル)中で4℃において10分間インキュベートする。抽出液を14,000rpmで15分間遠心分離し、上清を収集し、10μlのヤギ抗FITC抗体と共に4℃で回転させながら2時間インキュベートし、続いてプロテインA/G Sepharose(50μlの50%ビーズスラリー)と共に4℃でさらに2時間インキュベートする。迅速な遠心分離の後、そのペレットを増大する塩濃度(例えば、150、300、500mM)を含有する溶解用緩衝液中で洗浄する。次いでそのビーズを150mM NaClで再平衡化した後、SDSを含有する試料用緩衝液を添加して煮沸する。遠心分離後、上清を場合により4%〜12%勾配ビス−Trisゲルを用いて電気泳動し、続いてImmobilon−P膜に転写する。ブロッキング後、ブロットを場合によりFITCを検出する抗体と、そしてペプチドミメティック大環状化合物に結合するタンパク質を検出する1種類以上の抗体ともインキュベートする。
【0305】
細胞透過性アッセイ
[00190] ペプチドミメティック大環状化合物は、例えば対応する非架橋大環状化合物と比較してより細胞透過性である。最適化されたリンカーを有するペプチドミメティック大環状化合物は、例えば対応する非架橋大環状化合物よりも少なくとも2倍大きい細胞透過性を有し、しばしば適用されるペプチドミメティック大環状化合物の20%以上が4時間後に細胞に透過していることが観察されるであろう。ペプチドミメティック大環状化合物および対応する非架橋大環状化合物の細胞透過性を測定するために、無傷細胞を、蛍光標識した(fluorescently−labeled)(例えば蛍光標識した(fluoresceinated))ペプチドミメティック大環状化合物または対応する非架橋大環状化合物(10μM)と共に、無血清培地中で37℃において4時間インキュベートし、培地で2回洗浄し、トリプシン(0.25%)と共に37℃で10分間インキュベートする。細胞を再度洗浄し、PBS中で再懸濁する。細胞の蛍光を、例えばFACSCaliburフローサイトメーターまたはCellomicsのKineticScan(登録商標)HCS Readerのどちらかを用いることにより分析する。
【0306】
細胞有効性アッセイ
[00191] 特定のペプチドミメティック大環状化合物の有効性を、例えば様々な腫瘍原性および非腫瘍原性細胞株ならびにヒトまたはマウス細胞集団に由来する初代細胞を用いる細胞に基づく殺作用アッセイにおいて決定する。細胞生存度を、例えばペプチドミメティック大環状化合物(0.5〜50μM)と共にインキュベートする24〜96時間にわたってモニターして、10μM未満のEC
50で殺すペプチドミメティック大環状化合物を同定する。細胞生存度を測定するいくつかの標準的なアッセイが商業的に利用可能であり、それらは場合によりそのペプチドミメティック大環状化合物の有効性を評価するために用いられる。加えて、場合によりアネキシンVおよびカスパーゼの活性化を測定するアッセイを用いて、そのペプチドミメティック大環状化合物がアポトーシス機構を活性化することにより細胞を殺すかどうかを評価する。例えば、細胞生存度を細胞内ATP濃度の関数として決定するCell Titer−gloアッセイを用いる。
【0307】
インビボ安定性アッセイ
[00192] ペプチドミメティック大環状化合物のインビボ安定性を調べるために、その化合物を例えばマウスおよび/またはラットにIV、IP、POまたは吸入経路により0.1から50mg/kgまでの範囲の濃度で投与し、注射後0分、5分、15分、30分、1時間、4時間、8時間、および24時間の時点で血液標本を採取する。次いで25μLの新鮮な血清中の未変化の化合物のレベルを、上記のようにLC−MS/MSにより測定する。
【0308】
動物モデルにおけるインビボ有効性
[00193] インビボでのペプチドミメティック大環状化合物の抗発癌活性を決定するために、その化合物を例えば単独で(IP、IV、PO、吸入または経鼻経路により)、または最適以下の用量の関連する化学療法(例えばシクロフォスファミド、ドキソルビシン、エトポシド)との組み合わせで与える。1例において、ルシフェラーゼを安定発現する5×10
6個のRS4;11細胞(急性リンパ芽球性白血病を有する患者の骨髄から確立された)を、NOD−SCIDマウスにおいて、それらに全身照射を施した3時間後に尾静脈により注射する。未処置のままにする場合、この形態の白血病はこのモデルにおいて3週間で致死的である。その白血病は、例えばそのマウスにD−ルシフェリン(60mg/kg)を注射し、麻酔した動物を画像化する(imaging)(例えば、Xenogen In Vivo Imaging System、Caliper Life Sciences、マサチューセッツ州ホプキントン)ことにより容易にモニターされる。全身生物発光を、Living Image Software(Caliper Life Sciences、マサチューセッツ州ホプキントン)による光子束(光子/秒)の積算により定量化する。単独または最適以下の用量の関連する化学療法剤との組み合わせでのペプチドミメティック大環状化合物を、例えば、白血病マウスに(注射の10日後/実験の1日目、14〜16の生物発光範囲で)尾静脈またはIP経路により、0.1mg/kgから50mg/kgまでの範囲の用量で7〜21日間投与する。場合により、そのマウスを実験全体を通して1日おきに画像化し、実験の期間の間毎日生存をモニターする。満了したマウスに場合により実験の終了時に剖検を行う。別の動物モデルは、ルシフェラーゼを安定発現する、ヒト濾胞性リンパ腫に由来する細胞株であるDoHH2のNOD−SCIDマウス中への移植である。これらのインビボ試験は、場合により予備的な薬物動態学的、薬力学的および毒物学データをもたらす。
【0309】
臨床試験
[00194] ヒトの処置に関するペプチドミメティック大環状化合物の適合性を決定するために、臨床試験を実施する。例えば、癌を有すると診断され、処置を必要とする患者を選択し、処置群および1以上の対照群に分けることができ、ここでその処置群にはペプチドミメティック大環状化合物を投与し、一方で対照群にはプラセボまたは既知の抗癌薬を与える。このように、ペプチドミメティック大環状化合物の処置の安全性および有効性を、生存率および生活の質のような要因に関して患者群の比較を実施することにより評価することができる。この例では、ペプチドミメティック大環状化合物で処置した患者群はプラセボで処置した患者対照群と比較して向上した長期生存率を示し得る。
【0310】
医薬組成物および投与経路
[00195] 本明細書で開示される医薬組成物には、ペプチドミメティック大環状化合物およびその医薬的に許容できる誘導体またはプロドラッグが含まれる。“医薬的に許容できる誘導体”は、レシピエントに投与した際に本明細書で開示される化合物を(直接または間接的に)供給することができる、本明細書で開示される化合物のあらゆる医薬的に許容できる塩、エステル、エステルの塩、プロドラッグまたは他の誘導体を意味する。特に好ましい医薬的に許容できる誘導体は、哺乳類に投与した際に親化合物種と対比してその化合物の生物学的利用能を(例えば、経口投与した化合物の血中への吸収を増大させることにより)増大させる、または活性な化合物の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を増大させる誘導体である。一部の医薬的に許容できる誘導体には、水溶性または胃腸粘膜を越える能動輸送を増大させる化学基が含まれる。
【0311】
[00196] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は、選択的な生物学的特性を増強するための適切な官能基を共有結合的に、または非共有結合的に連結することにより修飾される。そのような修飾には、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)中への生物学的透過を増大させる、経口による利用能を増大させる、溶解性を増大させて注射による投与を可能にする、代謝を変化させる、および排出速度を変化させる修飾が含まれる。
【0312】
[00197] 本明細書で開示される化合物の医薬的に許容できる塩類には、医薬的に許容できる無機および有機の酸および塩基から誘導される塩類が含まれる。適切な酸塩の例には下記のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩(palmoate)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩。適切な塩基から誘導される塩類には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩、およびN−(アルキル)
4+塩が含まれる。
【0313】
[00198] 本明細書で提供される化合物からの医薬組成物の調製に関して、医薬的に許容できるキャリヤーには固体または液体キャリヤーのいずれも含まれる。固形製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が含まれる。固体キャリヤーは、希釈剤、矯味矯臭剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、または封入材料の役目も果たす1種類以上の物質であることができる。配合および投与に関する技法の詳細は、科学文献および特許文献において十分に記載されており、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Maack Publishing Co,ペンシルベニア州イーストンの最新版を参照。
【0314】
[00199] 散剤において、キャリヤーは微粉砕された固体であり、それは微粉砕された有効構成要素との混合状態にある。錠剤において、有効構成要素は必要な結合特性を有するキャリヤーと適切な割合で混合され、所望の形状および大きさに圧縮される。
【0315】
[00200] 適切な固体賦形剤は炭水化物またはタンパク質増量剤であり、下記のものが含まれるが、これらに限定されない:乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールが含まれる糖類;トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモ、または他の植物からのデンプン;セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム;ならびにアラビアガムおよびトラガントガムが含まれるガム;ならびにタンパク質、例えばゼラチンおよびコラーゲン。所望である場合、崩壊剤または可溶化剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムが添加される。
【0316】
[00201] 液状製剤には、限定ではなく、液剤、懸濁液剤および乳剤、例えば水溶液または水/プロピレングリコール溶液が含まれる。非経口注射のために、液体製剤を水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液状に配合することができる。
【0317】
[00202] 医薬製剤は単位剤形であることができる。そのような形態では、製剤は適量の有効構成要素を含有する単位用量に小分割される。単位剤形は包装された製剤であることができ、包装は個別の量の製剤を収容している;例えば、パケットされた(packeted)錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤。単位剤形はカプセル剤、錠剤、カシェ剤もしくはトローチ剤そのものであることもでき、またはそれは適切な数のこれらのいずれかが包装された形態であることができる。
【0318】
[00203] 本明細書で開示される1種類以上の組成物がペプチドミメティック大環状化合物および1種類以上の追加の療法剤または予防剤の組合わせを含む場合、その化合物および追加の薬剤は両方とも、単剤療法計画で通常投与される投与量の約1〜100%、より好ましくは約5〜95%の投与レベルで存在すべきである。一部の態様において、その追加の薬剤は本明細書で開示される1種類以上の化合物とは別に、多剤投与計画の一部として投与される。あるいは、それらの薬剤は単一の剤形の一部であり、本明細書で開示される1種類以上の化合物と一緒に単一の組成物中に混合される。
【0319】
使用方法
[00204] 1観点において、本明細書において新規のペプチドミメティック大環状化合物が提供され、それはそのペプチドミメティック大環状化合物がモデルとしているタンパク質またはペプチドの天然のリガンド(単数または複数)に結合する薬剤を同定するための競合結合アッセイにおいて有用である。例えば、p53/MDMX系において、標識したp53に基づくペプチドミメティック大環状化合物を、MDMXに競合結合する小分子と共にMDMX結合アッセイにおいて用いることができる。競合結合試験は、p53/MDMX系に特異的な薬物候補の迅速なインビトロでの評価および決定を可能にする。そのような結合試験は、本明細書で開示されるペプチドミメティック大環状化合物のいずれかおよびそれらの結合パートナーを用いて実施することができる。
【0320】
[00205] そのペプチドミメティック大環状化合物に対する抗体の生成が本明細書において提供される。一部の態様において、これらの抗体はそのペプチドミメティック大環状化合物およびそのペプチドミメティック大環状化合物が関連する前駆体ペプチド、例えばp53の両方に特異的に結合する。例えばそのような抗体は、例えばp53およびMDMXの間で結合する天然のタンパク質間相互作用を撹乱する。
【0321】
[00206] 他の観点において、本明細書において、p53、MDM2またはMDMXが含まれる分子の異常な(例えば不十分または過剰な)発現または活性と関係する障害の危険にさらされている(またはそれにかかりやすい)、またはその障害を有する対象を処置する予防的および療法的方法の両方を提供する。
【0322】
[00207] 別の態様において、障害は少なくとも部分的にはp53もしくはMDM2もしくはMDMXの異常なレベル(例えば過剰発現または過小発現)により、または異常な活性を示すp53もしくはMDM2もしくはMDMXの存在により引き起こされる。従って、53に由来するペプチドミメティック大環状化合物によるp53もしくはMDM2もしくはMDMXのレベルおよび/または活性の低減、またはp53もしくはMDM2もしくはMDMXのレベルおよび/または活性の増進が、例えばその障害の有害な症状を改善または低減するために用いられる。
【0323】
[00208] 別の観点において、本明細書において、過剰増殖性疾患および炎症性障害が含まれる疾患を、結合パートナー間の、例えばp53およびMDM2またはp53およびMDMXの間の相互作用または結合を妨げることにより処置または予防するための方法を提供する。これらの方法は、有効量の化合物をヒトが含まれる温血動物に投与することを含む。一部の態様において、本明細書で開示される1種類以上の化合物の投与は、細胞増殖停止またはアポトーシスを誘導する。
【0324】
[00209] 本明細書で用いられる際、用語“処置”は、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を治療する、治癒させる、軽減する、緩和する、変化させる、治す、改善する、向上させる、またはそれに影響を及ぼす目的での、療法剤の疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を有する患者への適用もしくは投与、または療法剤の患者から分離された組織もしくは細胞株への適用もしくは投与として定義されている。
【0325】
[00210] 一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、癌および新生物性の病気を処置、予防、および/または診断するために用いることができる。本明細書で用いられる際、用語“癌”、“過剰増殖性”および“新生物性”は、自律的増殖に関する能力を有する細胞、すなわち急速に増殖する細胞増殖を特徴とする異常な状態または病気を指す。過剰増殖性および新生物性疾患状態は、病的、すなわち疾患状態を特徴とする、もしくは構成することとして分類することができ、または非病的、すなわち正常から逸脱しているが疾患状態とは関係していないこととして分類することができる。その用語は、全てのタイプの癌性増殖または発癌プロセス、転移性組織または悪性形質転換した細胞、組織、もしくは器官を、組織病理学的タイプまたは浸潤性の病期にかかわらず含むことを意味している。転移性腫瘍は、乳房、肺、肝臓、結腸および卵巣由来の腫瘍が含まれるがこれらに限定されない多数の原発腫瘍のタイプから生じ得る。“病的過剰増殖性”細胞は、悪性腫瘍増殖を特徴とする疾患状態において生じる。非病的過剰増殖性細胞の例には、創傷修復と関係する細胞の増殖が含まれる。細胞増殖性および/または分化性障害の例には、癌、例えば癌腫、肉腫、または転移性障害が含まれる。一部の態様において、そのペプチドミメティック大環状化合物は、乳癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、そのような癌の転移等を制御するための新規の療法剤である。
【0326】
[00211] 癌または新生物性の病気の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食道癌、直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭頚部の癌、皮膚癌、脳癌、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、またはカポジ肉腫。
【0327】
[00212] 増殖性障害の例には、造血性新生物性障害が含まれる。本明細書で用いられる際、用語“造血性新生物性障害”には、例えば骨髄、リンパもしくは赤血球系列、またはその前駆細胞に起因する、造血系由来の過形成性/新生物性細胞を含む疾患が含まれる。その疾患は、未分化型(poorly differentiated)急性白血病、例えば赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病に起因し得る。追加の典型的な骨髄性障害には下記のものが含まれるが、これらに限定されず:急性前骨髄性(promyeloid)白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性(CML)骨髄性白血病(Vaickus (1991), Crit Rev. Oncol./Hemotol. 11:267-97において総説されている);リンパ性悪性腫瘍には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:B−系列ALLおよびT−系列ALLが含まれる急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)およびワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症(WM)。悪性リンパ腫の追加の形態には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:非ホジキンリンパ腫およびその変種、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ球性白血病(LGF)、ホジキン病およびリード・スタンバーグ病(Reed−Stemberg disease)。
【0328】
[00213] 乳房の細胞増殖性および/または分化性障害の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:例えば上皮過形成、硬化性乳管増生症、および小管乳頭腫(small duct papillomas)が含まれる増殖性乳房疾患;腫瘍、例えば間質腫瘍、例えば線維腺腫、葉状腫瘍、および肉腫、ならびに上皮性腫瘍、例えば大管乳頭腫(large duct papillomas);乳管上皮内癌(ページェット病が含まれる)および上皮内小葉癌が含まれる上皮内(非浸潤性)癌、ならびに浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、髄様癌、膠様(粘液)癌、管状癌、および浸潤性乳頭状癌が含まれるがこれらに限定されない浸潤癌(浸潤する癌)が含まれる乳房の癌、ならびに種々の悪性新生物。男性の乳房における障害には女性化乳房および癌腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0329】
[00214] 皮膚の細胞増殖性および/または分化性障害の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:増殖性皮膚疾患、例えば、粘膜黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、黒子(例えば悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、または末端黒子型黒色腫)、メラニン欠乏性黒色腫、線維形成性黒色腫、スピッツ母斑の特徴を有する黒色腫、小型母斑様細胞を有する黒色腫、ポリープ状黒色腫、および軟組織黒色腫が含まれる黒色腫;小結節性基底細胞癌、表在性基底細胞癌、結節性基底細胞癌(侵食性潰瘍)、嚢胞性基底細胞癌、瘢痕性基底細胞癌、色素性基底細胞癌、異常(aberrant)基底細胞癌、浸潤性基底細胞癌、母斑性基底細胞癌症候群、ポリープ状基底細胞癌、細孔様(pore−like)基底細胞癌、およびPinkus型線維上皮腫が含まれる基底細胞癌;棘細胞腫(大細胞棘細胞腫)、腺様扁平上皮癌、類基底扁平上皮癌、明細胞扁平上皮癌、印環細胞扁平上皮癌、紡錘細胞扁平上皮癌、マルジョラン潰瘍、ケーラー紅色肥厚症、およびボーエン病が含まれる扁平上皮癌(squamus cell carcinomas);または他の皮膚もしくは皮下腫瘍。
【0330】
[00215] 肺の細胞増殖性および/または分化性障害の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:腫瘍随伴症候群、細気管支肺胞癌、神経内分泌腫瘍、例えば気管支カルチノイド、種々の腫瘍、および転移性腫瘍が含まれる気管支原性癌;炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸、ならびに孤在性線維性腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫が含まれる胸膜腫瘍が含まれる胸膜の病態。
【0331】
[00216] 結腸の細胞増殖性および/または分化性障害の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:非新生物性ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌現象、結腸直腸癌、およびカルチノイド腫瘍。
【0332】
[00217] 肝臓の細胞増殖性および/または分化性障害の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:結節性過形成、腺腫、ならびに肝臓の原発癌および転移性腫瘍が含まれる悪性腫瘍。
【0333】
[00218] 卵巣の細胞増殖性および/または分化性障害の例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:卵巣腫瘍、例えば体腔上皮の腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、子宮内膜性腫瘍、明細胞腺癌、嚢胞腺線維腫、ブレンナー腫瘍、表面上皮腫瘍;生殖細胞腫瘍、例えば成熟(良性)奇形腫、単胚葉性奇形腫(monodermal teratomas)、未熟悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌;性索−間質腫瘍(sex cord−stomal tumors)、例えば顆粒膜−莢膜細胞腫、卵胞膜細胞腫線維腫(thecomafibromas)、男性胚細胞腫、ヒル細胞腫(hill cell tumors)、および生殖腺芽細胞腫;ならびに転移性腫瘍、例えばクルーケンベルグ腫瘍。
【0334】
[00219] 本発明の好ましい態様を本明細書において示し、記載してきたが、そのような態様は例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。ここで、当業者には数多くの変形、変更および置換が本発明から逸脱することなく思い浮かぶであろう。本明細書で記載される態様に対する様々な代替案を本発明の実施において用いることができることは理解されるべきである。下記の特許請求の範囲がその範囲を定めており、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物はそれに含まれることが意図されている。
【実施例】
【0335】
実施例1:6−クロロトリプトファン Fmocアミノ酸の合成
【0336】
【化62】
【0337】
[00220] tert−ブチル 6−クロロ−3−ホルミル−1H−インドール−1−カルボキシレート、1。乾燥DMF(12mL)の攪拌溶液に、POCl
3(3.92mL、43mmol、1.3等量)を0℃においてアルゴンの下で滴加した。その溶液を同じ温度で20分間攪拌した後、6−クロロインドール(5.0g、33mmol、1等量)の乾燥DMF(30mL)中における溶液を滴加した。得られた混合物を室温まで温まらせ、さらに2.5時間攪拌した。水(50mL)を添加し、その溶液を4M水性NaOH(pH約8)で中和した。結果として生じた固体を濾別し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。この物質をそれ以上精製せずに次の工程において直接用いた。粗製のホルミルインドール(33mmol、1等量)のTHF(150mL)中における攪拌溶液に、Boc
2O(7.91g、36.3mmol、1.1等量)およびDMAP(0.4g、3.3mmol、0.1等量)を室温においてN
2下で連続的に添加した。得られた混合物を室温で1.5時間攪拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。その残留物をEtOAc中で溶解させ、1N HClで洗浄し、乾燥させ、濃縮すると、ホルミルインドール1(9g、2工程にわたって98%)が白色固体として得られた。
1H NMR (CDCl
3) δ: 1.70 (s, Boc, 9H); 7.35 (dd, 1H); 8.21 (m, 3H); 10.07 (s, 1H)。
【0338】
[00221] tert−ブチル 6−クロロ−3−(ヒドロキシメチル)−1H−インドール−1−カルボキシレート、2。化合物1(8.86g、32mmol、1等量)のエタノール(150mL)中における溶液に、NaBH
4(2.4g、63mmol、2等量)を添加した。その反応を室温で3時間攪拌した。その反応混合物を濃縮し、その残留物をジエチルエーテルおよび水の中に注いだ。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると白色固体が得られた(8.7g、98%)。この物質をそれ以上精製せずに次の工程において直接用いた。
1H NMR (CDCl
3) δ: 1.65 (s, Boc, 9H); 4.80 (s, 2H, CH2); 7.21 (dd, 1H); 7.53 (m, 2H); 8.16 (bs, 1H)。
【0339】
[00222] tert−ブチル 3−(ブロモメチル)−6−クロロ−1H−インドール−1−カルボキシレート、3。化合物2(4.1g、14.6mmol、1等量)のジクロロメタン(50mL)中におけるアルゴン下の溶液に、トリフェニルホスフィン(4.59g、17.5mmol、1.2等量)のジクロロメタン(50mL)中における溶液を−40℃において添加した。その反応溶液を40℃でさらに30分間攪拌した。次いでNBS(3.38g、19mmol、1.3等量)を添加した。得られた混合物を室温まで温まらせ、一夜攪拌した。ジクロロメタンを蒸発させ、4塩化炭素(100mL)を添加し、その混合物を1時間攪拌し、濾過した。その濾液を濃縮し、シリカのプラグに装填し、ヘキサン類中25%EtOAcで迅速に溶離させた。その溶液を濃縮すると、白色の泡状物質が得られた(3.84g、77%)。
1H NMR (CDCl
3) δ: 1.66 (s, Boc, 9H); 4.63 (s, 2H, CH
2); 7.28 (dd, 1H); 7.57 (d, 1H); 7.64 (bs, 1H); 8.18 (bs, 1H)。
【0340】
[00223] αMe−6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、4。S−Ala−Ni−S−BPB(2.66g、5.2mmol、1等量)およびKO−tBu(0.87g、7.8mmol、1.5等量)に、アルゴン下で50mLのDMFを添加した。DMFの溶液(5.0mL)中の臭化物誘導体化合物3(2.68g、7.8mmol、1.5等量)を注射器により添加した。その反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。次いでその溶液を5%水性酢酸で停止し(quenched)、水で希釈した。所望の生成物をジクロロメタン中で抽出し、乾燥させ、濃縮した。油性の生成物4を順相上でのフラッシュクロマトグラフィー(固体装填)によりEtOAcおよびヘキサン類を溶離液として用いて精製すると、赤色固体が得られた(1.78g、収率45%)。αMe−6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、4: M+H 計算値 775.21、M+H 実測値 775.26;
1H NMR (CDCl
3) δ: 1.23 (s, 3H, αMe); 1.56 (m, 11H, Boc + CH
2); 1.82-2.20 (m, 4H, 2CH
2); 3.03 (m, 1H, CH
α); 3.24 (m, 2H, CH
2); 3.57および4.29 (AB系, 2H, CH
2 (ベンジル), J= 12.8Hz); 6.62 (d, 2H); 6.98 (d, 1H); 7.14 (m, 2H); 7.23 (m, 1H); 7.32-7.36 (m, 5H); 7.50 (m, 2H); 7.67 (bs, 1H); 7.98 (d, 2H); 8.27 (m, 2H)。
【0341】
[00224] Fmoc−αMe−6Cl−Trp(Boc)−OH、6。3N HCl/MeOH(1/3、15mL)の50℃の溶液に、化合物4(1.75g、2.3mmol、1等量)のMeOH(5ml)中における溶液を滴加した。その出発物質は3〜4時間以内に見えなくなった。次いでその酸性溶液を氷浴で0℃に冷却し、Na
2CO
3(1.21g、11.5mmol、5等量)の水溶液で停止した。メタノールを除去し、さらに8等量のNa
2CO
3(1.95g、18.4mmol)をその懸濁液に添加した。次いでニッケルを捕捉する(scavenging)EDTA二ナトリウム塩二水和物(1.68g、4.5mmol、2等量)を添加し、その懸濁液を2時間攪拌した。Fmoc−OSu(0.84g、2.5mmol、1.1等量)のアセトン(50mL)中における溶液を添加し、その反応を一夜攪拌した。その後、その反応をジエチルエーテルおよび1N HClで希釈した。次いで有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。所望の生成物6を順相上でアセトンおよびジクロロメタンを溶離液として用いて精製すると、白色の泡状物質が得られた(0.9g、収率70%)。Fmoc−αMe−6Cl−Trp(Boc)−OH、6: M+H 計算値 575.19、M+H 実測値 575.37;
1H NMR (CDCl
3) 1.59 (s, 9H, Boc); 1.68 (s, 3H, Me); 3.48 (bs, 2H, CH
2); 4.22 (m, 1H, CH); 4.39 (bs, 2H, CH
2); 5.47 (s, 1H, NH); 7.10 (m, 1H); 7.18 (m, 2H); 7.27 (m, 2H); 7.39 (m, 2H); 7.50 (m, 2H); 7.75 (d, 2H); 8.12 (bs, 1H)。
【0342】
[00225] 6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、5。Gly−Ni−S−BPB(4.6g、9.2mmol、1等量)およびKO−tBu(1.14g、10.1mmol、1.1等量)に、アルゴン下で95mLのDMFを添加した。DMFの溶液(10mL)中の臭化物誘導体化合物3(3.5g、4.6mmol、1.1等量)を注射器により添加した。その反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。次いでその溶液を5%水性酢酸で停止し(quenched)、水で希釈した。所望の生成物をジクロロメタン中で抽出し、乾燥させ、濃縮した。油性の生成物5を順相上でのフラッシュクロマトグラフィー(固体装填)によりEtOAcおよびヘキサン類を溶離液として用いて精製すると、赤色固体が得られた(5g、収率71%)。6Cl−Trp(Boc)−Ni−S−BPB、5: M+H 計算値 761.20、M+H 実測値 761.34;
1H NMR (CDCl
3) δ: 1.58 (m, 11H, Boc + CH
2); 1.84 (m, 1H); 1.96 (m, 1H); 2.24 (m, 2H, CH
2); 3.00 (m, 1H, CH
α); 3.22 (m, 2H, CH
2); 3.45および4.25 (AB系, 2H, CH
2 (ベンジル), J= 12.8Hz); 4.27 (m, 1H, CH
α); 6.65 (d, 2H); 6.88 (d, 1H); 7.07 (m, 2H); 7.14 (m, 2H); 7.28 (m, 3H); 7.35-7.39 (m, 2H); 7.52 (m, 2H); 7.96 (d, 2H); 8.28 (m, 2H)。
【0343】
[00226] Fmoc−6Cl−Trp(Boc)−OH、7。3N HCl/MeOH(1/3、44mL)の50℃の溶液に、化合物5(5g、6.6mmol、1等量)のMeOH(10ml)中における溶液を滴加した。その出発物質は3〜4時間以内に見えなくなった。次いでその酸性溶液を氷浴で0℃に冷却し、Na
2CO
3(3.48g、33mmol、5等量)の水溶液で停止した。メタノールを除去し、さらに8等量のNa
2CO
3(5.57g、52mmol)をその懸濁液に添加した。ニッケルを捕捉するEDTA二ナトリウム塩二水和物(4.89g、13.1mmol、2等量)およびその懸濁液を2時間攪拌した。Fmoc−OSu(2.21g、6.55mmol、1.1等量)のアセトン(100mL)中における溶液を添加し、その反応を一夜攪拌した。その後、その反応をジエチルエーテルおよび1N HClで希釈した。次いで有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。所望の生成物7を順相上でアセトンおよびジクロロメタンを溶離液として用いて精製すると、白色の泡状物質が得られた(2.6g、収率69%)。Fmoc−6Cl−Trp(Boc)−OH、7: M+H 計算値 561.17、M+H 実測値 561.37;
1H NMR (CDCl
3) 1.63 (s, 9H, Boc); 3.26 (m, 2H, CH
2); 4.19 (m, 1H, CH); 4.39 (m, 2H, CH
2); 4.76 (m, 1H); 5.35 (d, 1H, NH); 7.18 (m, 2H); 7.28 (m, 2H); 7.39 (m, 3H); 7.50 (m, 2H); 7.75 (d, 2H); 8.14 (bs, 1H)。
【0344】
実施例1a:式Iの化合物の合成における使用のためのアルキン化合物の合成
【0345】
【化63】
【0346】
[00227] (5−ヨードペンタ−1−イニル)ベンゼンの合成。反応フラスコ中に、THF(200mL)の溶液に、(5−クロロペンタ−1−イニル)ベンゼンフェニルアセチレン(10g、97.91mmol)を添加した。次いで、その反応混合物をドライアイス浴中で−78℃に冷却した。nBuLi(95.95mmol、38.39mL)を滴加し、−78℃で0.5時間反応させた。−78℃において1−ブロモ−3−クロロプロパンを添加した。5時間攪拌し、その間にその反応を室温まで温まらせた。次いで反応を90℃で3時間還流した。その溶媒を蒸留して除き、次いで水(150mL)およびエーテル(150mL)を添加した。その粗生成物を抽出し、エーテルを蒸留して除き、得られた粗製の混合物をアセトン中で溶解させた。ヨウ化ナトリウム(22.92mmol、3.44g)をその溶液中に添加した。その反応混合物に還流凝縮器を取り付け、70℃に2日間加熱した。短経路蒸留装置を用いてアセトンを蒸留して除いた。エーテル(150mL)および水(150mL)を添加し、抽出を行った。次いでエーテルを硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸留して除くと、5.00gの生成物が得られた(収率98%)。それ以上の生成は行わなかった。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) 2.072 (m, 2H, CH
2); 2.605 (t, 2H, CH
2); 3.697 (m, 2H, CH
2); 7.276 (m, 2H, フェニル); 7.389 (m, 2H, フェニル); 7.484 (m, 1H, フェニル)。
【0347】
【化64】
【0348】
[00228] MeS5−フェニルアルキン−Ni−S−BPBの合成。S−Ala−Ni−SBPB(18.17mmol、9.30g)およびKO−tBu(27.26mmol、3.05g)に、200mLのDMFをアルゴン下で添加した。DMF(50mL)に溶解した(5−ヨードペンタ−1−イニル)ベンゼン(27.26mmol、7.36g)を注射器により添加した。その反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。次いでその溶液を酢酸(27.26mmol、1.58mL)で停止し、水(100mL)で希釈した。その生成物をジクロロメタン(100mL)で抽出し、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。その粗生成物を、順相上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、アセトンおよびジクロロメタンを溶離液として用いて精製すると、所望の生成物が赤色固体として得られた(9.48g、79.8%)。M+H 計算値 654.22, M+H 実測値 654.4;
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) 1.17 (s, 3H, Me ( Me-Phe)); 1.57 (m, 1H, CH
2); 1.67 (m, 1H, CH
2); 1.89 (m, 1H, CH
2); 2.06 (m, 1H, CH
2); 2.24 (m, 2H, CH
2); 3.05 (m, 1H); 3.18 (s, 2H); 3.26 (m, 1H); 3.56および4.31 (ABシステム, 2H, CH
2(ベンジル), J= 12.8Hz); 6.64 (m, 2H); 6.94 (d, 1H); 7.12 (m, 1H); 7.20 (m, 1H); 7.20-7.40 (m, 10H); 7.43 (m, 2H); 8.01 (d, 2H); 8.13 (m, 1H)。
【0349】
[00229] (S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−2−メチル−7−フェニルヘプタ−6−イン酸の合成。3N HCl/MeOH(1/1、23mL)の70℃における溶液に、MeS5−フェニルアルキン−Ni−S−BPB(14.5mmol、9.48g)のMeOH(70ml)中における溶液を滴加した。その出発物質は10〜20分以内に消失した。次いでその緑色の反応混合物を真空中で濃縮した。水を添加し(100mL)、結果として生じた沈殿(S−BPB HCl塩)を濾別した。炭酸ナトリウム(116mmol、12.29g)およびEDTA(29mmol、10.79g)をその母液に添加した。その混合物を室温で3時間攪拌して遊離のニッケルを捕捉した。50mLのアセトンの添加後、その反応を氷浴で0℃に冷却した。アセトン(50ml)中で溶解させたFmoc−OSu(16.68mmol、5.62g)を添加し、その反応を一夜攪拌しながら周囲温度まで温まらせた。その後、その反応を酢酸エチル(300mL)で希釈した。次いで有機層を分離した。その水層を濃HClで酸性化した。所望の生成物をジクロロメタン(400mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。その粗生成物を、順相上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、10%MBTE/DCMを溶離液として用いて精製すると、所望の生成物が白色固体として得られた(6.05g、51%)。M+H 計算値 454.53, M+H 実測値 454.2;
1H NMR (CDCl
3) 1.50 (bs, 2H, CH
2); 1.60 (bs, 3H, CH
3); 2.05 (bs, 1H, CH
2); 2.30 (bs, 1H, CH
2); 2.42 (bs, 2H, CH
2); 4.20 (m, 1H, CH); 4.40 (bs, 2H, CH
2); 5.58 (s, 1H, NH); 7.26 (m, 3H); 7.32 (m, 2H); 7.37 (m, 4H); 7.58 (d, 2H); 7.76 (d, 2H)。
【0350】
【化65】
【0351】
[00230] 6−ヨードヘキサ−2−インの合成。反応フラスコ中に、THF(250mL)の溶液に、5−クロロ−1−ペンチン(48.7mmol、5.0g)を添加した。次いで、その反応混合物をドライアイス浴中で−78℃に冷却した。nBuLi(51.1mmol、20.44mL)を滴加し、−78℃で0.5時間反応させ、室温まで温まらせた。次いでヨウ化メチル(54.5mmol、3.39mL)をその反応混合物に添加した。その反応を5時間攪拌した。水を添加し(1.5mL)、THFを蒸留して除いた。その粗生成物をペンタン(100mL)および水(100mL)を用いて抽出した。ペンタンを蒸留して除き、得られた粗製の混合物をアセトン(300mL)中で溶解させた。ヨウ化ナトリウム(172.9mmol、25.92g)をその溶液中に添加した。その反応混合物に還流凝縮器を取り付け、70℃に2日間加熱した。短経路蒸留装置を用いてアセトンを蒸留して除いた。エーテル(100mL)および水(100mL)を添加し、抽出を行った。次いでエーテルを硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸留して除くと、8.35gの生成物が得られた(収率83%)。それ以上の精製は行わなかった。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 1.762 (t, 3H, CH
3); 1.941 (m, 2H, CH
2); 2.245 (m, 2H, CH
2); 3.286 (m, 2H, CH
2)。
【0352】
【化66】
【0353】
[00231] MeS5−メチルアルキン−Ni−S−BPBの合成。S−Ala−Ni−SBPB(19.53mmol、10g)およびKO−tBu(29.29mmol、3.28g)に、200mLのDMFをアルゴン下で添加した。DMF(50mL)に溶解した6−ヨードヘキサ−2−イン(29.29mmol、6.09g)を注射器により添加した。その反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。次いでその溶液を酢酸(29.29mmol、1.69mL)で停止し、水(100mL)で希釈した。その生成物を、ジクロロメタン(300mL)で抽出し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その粗生成物を、順相上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、アセトンおよびジクロロメタンを溶離液として用いて精製すると、所望の生成物が赤色固体として得られた(8.10g、70%)。M+H 計算値 592.2, M+H 実測値 592.4;
1H NMR (500 Mz, CDCl
3) δ 1.17 (s, 3H, CH
3 (αMe-Phe)); 1.57 (m, 1H, CH
2); 1.67 (m, 1H, CH
2); 1.89 (m, 1H, CH
2); 2.06 (m, 1H, CH
2); 2.24 (m, 2H, CH
2); 3.05 (m, 1H); 3.18 (s, 2H); 3.26 (m, 1H); 3.56および4.31 (ABシステム, 2H, CH
2 (ベンジル), J= 12.8Hz); 6.64 (m, 2H); 6.94 (d, 1H); 7.12 (m, 1H); 7.20 (m, 1H); 7.20-7.40 (m, 10H); 7.43 (m, 2H); 8.01 (d, 2H); 8.13 (m, 1H)。
【0354】
[00232] (S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−2−メチルオクタ−6−イン酸の合成。3N HCl/MeOH(1/1、23mL)の70℃における溶液に、MeS5−メチルアルキン−Ni−S−BPB(13.70mmol、8.10g))のメタノール(70ml)中における溶液を滴加した。その出発物質は10〜20分以内に消失した。次いでその緑色の反応混合物を真空中で濃縮した。水(150mL)を添加し、結果として生じた沈殿(S−BPB HCl塩)を濾別した。炭酸ナトリウム(116mmol、12.29g)、EDTA(29mmol、10.79g)をその母液に添加した。その混合物を室温で3時間攪拌して遊離のニッケルを捕捉した。75mLのアセトンの添加後、その反応を氷浴で0℃に冷却した。アセトン(75ml)中で溶解させたFmoc−OSu(15.76mmol、5.31g)を添加し、その反応を一夜攪拌しながら周囲温度まで温まらせた。その後、その反応を酢酸エチル(200mL)で希釈した。次いで有機層を分離した。その水層を濃HClで酸性化した。所望の生成物をジクロロメタン(200mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。その粗生成物を、順相上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、10%MBTE/DCMを溶離液として用いて精製すると、所望の生成物が白色固体として得られた(2.40g、45%)。M+H 計算値 392.18, M+H 実測値 392.3;
1H NMR (500 Mz, CDCl
3) δ 1.38 (bs, 1H, CH
2); 1.50 (bs, 1H, CH
2); 1.60 (bs, 2H, CH
2); 1.75 (s, 3H, CH
3); 1.95 (bs, 2H, CH
2); 2.10 (bs, 3H, CH
3); 4.20 (m, 1H, CH); 4.40 (bs, 2H, CH
2); 5.58 (s, 1H, NH); 7.32 (m, 2H); 7.42 (m, 2H); 7.59 (d, 2H); 7.78 (d, 2H)。
【0355】
実施例2:式Iのペプチドミメティック大環状化合物。
【0356】
[00233] ペプチドミメティック大環状化合物を、本明細書に記載されるように、および本明細書にそのまま援用する2008年2月25日に出願された係属中の米国特許出願第12/037,041号におけるように調製する。2個以上の天然存在アミノ酸を対応する合成アミノ酸で置き換えることにより、ペプチドミメティック大環状化合物をデザインする。iおよびi+4、ならびにiおよびi+7の位置において置換を行なう。ペプチド合成を、手動または自動ペプチド合成装置(Applied Biosystems、モデル433A)上のどちらかで、固相条件、rink amide AM樹脂(Novabiochem)、およびFmoc主鎖保護基化学を用いて実施する。天然のFmoc保護されたアミノ酸(Novabiochem)のカップリングに関して、10当量のアミノ酸および1:1:2のモル比のカップリング試薬HBTU/HOBt(Novabiochem)/DIEAを用いる。非天然アミノ酸(4当量)を1:1:2のモル比のHATU(Applied Biosystems)/HOBt/DIEAを用いてカップリングさせる。その合成ペプチドのN末端をアセチル化し、一方でC末端をアミド化する。
【0357】
[00234] 一般に、完全に(ully)保護された樹脂に結合したペプチドを、PEG−PS樹脂上で(装填0.45mmol/g)0.5mmolスケールで合成した。一時的なFmoc基の脱保護を、その樹脂に結合したペプチドのDMF中20%(v/v)ピペリジンによる3×10分間の処理により達成した。NMP(3回)、ジクロロメタン(3回)およびNMP(3回)による洗浄後、それぞれの連続するアミノ酸のカップリングを、適切な予め活性化したFmoc−アミノ酸誘導体と共に1×60分間インキュベートすることにより達成した。全ての保護されたアミノ酸(1.0mmol)をNMP中で溶解させ、HCTU(1.0mmol)、Cl−HOBt(1.0mmol)およびDIEA(2.0mmol)で活性化した後、そのカップリング溶液を脱保護された樹脂に結合したペプチドに移した。カップリングが完了した後、その樹脂を次の脱保護/カップリングサイクルに備えて洗浄した。アミノ末端のアセチル化をNMP中無水酢酸/DIEAの存在下で実施した。それぞれのカップリングの完了を検証するために、完全に組み立てた樹脂に結合したペプチドのアリコートから得た切断および脱保護した試料のLC−MS分析を成し遂げた。
【0358】
[00235] 1,4−トリアゾール基を含むペプチドミメティック大環状化合物(例えばSP153)の調製に関する典型的な例では、DMF中20%(v/v)2,6−ルチジンを40mlガラスバイアル中でペプチド樹脂(0.5mmol)に添加し、10分間振盪した。次いでアスコルビン酸ナトリウム(0.25g、1.25mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.22ml、1.25mmol)を添加し、続いてヨウ化銅(I)(0.24g、1.25mmol)を添加し、得られた反応混合物を機械的に周囲温度で16時間振盪した。
【0359】
[00236] 1,5−トリアゾール基を含むペプチドミメティック大環状化合物(SP932、SP933)の調製に関する典型的な例では、ペプチド樹脂(0.25mmol)を無水DCMで洗浄した。樹脂をマイクロ波バイアル中に装填した。容器を排気し、窒素でパージした。クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、10%装填、(Strem 44−0117)を添加した。無水トルエンをその反応容器に添加した。次いでその反応物をマイクロ波中に装填し、90℃で10分間維持した。反応は完了のために時間を延長する(be pushed a subsequent time)必要がある可能性がある。他の場合では、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(“Cp
*RuCl(cod)”)を、例えば室温においてトルエンを含む溶媒中で用いることができる。
【0360】
[00237] ヨード置換トリアゾール基を含むペプチドミメティック大環状化合物(例えばSP457)の調製に関する典型的な例では、THF(2ml)を40mlガラスバイアル中でペプチド樹脂(0.05mmol)に添加し、10分間振盪した。次いでN−ブロモスクシンイミド(0.04g、0.25mmol)、ヨウ化銅(I)(0.05g、0.25mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.04ml、0.25mmol)を添加し、得られた反応混合物を機械的に周囲温度で16時間振盪した。ヨード−トリアゾールクロスリンカーをさらに、例えばボロン酸とのカップリング反応により置換して、SP465のようなペプチドミメティック大環状化合物をもたらすことができる。典型的な例では、DMF(3ml)を40mlガラスバイアル中でヨード−トリアゾールペプチド樹脂(0.1mmol)に添加し、10分間振盪した。次いでフェニルボロン酸(0.04g、0.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.006g、0.005mmol)および炭酸カリウム(0.083g、0.6mmol)を添加し、得られた反応混合物を機械的に70℃で16時間振盪した。ヨード−トリアゾールクロスリンカーをさらに、例えば末端アルキンとのカップリング反応(例えば薗頭カップリング)により置換して、SP468のようなペプチドミメティック大環状化合物をもたらすこともできる。典型的な例では、2:1 THF:トリエチルアミン(3ml)を40mlガラスバイアル中でヨード−トリアゾールペプチド樹脂(0.1mmol)に添加し、10分間振盪した。N−BOC−4−ペンチン−1−アミン(0.04g、0.2mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(0.014g、0.02mmol)を添加し、5分間振盪した。次いでヨウ化銅(I)(0.004g、0.02mmol)を添加し、得られた反応混合物を機械的に70℃で16時間振盪した。
【0361】
[00238] そのトリアゾール環化した樹脂に結合したペプチドをTFA/H
2O/TIS(95/5/5 v/v)を用いた室温で2.5時間の処理により脱保護し、固体支持体から切断した。その樹脂の濾過後、そのTFA溶液を冷ジエチルエーテル中で沈殿させ、遠心分離すると、所望の生成物が固体として得られた。その粗生成物を分取HPLCにより精製した。例えば、架橋した化合物の精製は逆相C18カラム(Varian)上での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Varian ProStar)により達成され、純粋な化合物が得られる。その純粋な化合物の化学組成を、LC/MS質量分析(Agilent 1100 HPLCシステムとインターフェースで接続されたMicromass LCT)およびアミノ酸分析(Applied Biosystems、モデル420A)により確認した。
【0362】
[00239] 表4は式Iのペプチドミメティック大環状化合物のリストを示す。
【0363】
【表5-1】
【0364】
【表5-2】
【0365】
【表5-3】
【0366】
【表5-4】
【0367】
【表5-5】
【0368】
【表5-6】
【0369】
【表5-7】
【0370】
【表5-8】
【0371】
【表5-9】
【0372】
【表6】
【0373】
[00240] 上記および他の箇所で示される配列において、下記の略号を用いる:“Nle”はノルロイシンを表し、“Aib”は2−アミノイソ酪酸を表し、“Ac”はアセチルを表し、そして“Pr”はプロピオニルを表す。“$”として表されるアミノ酸は、1個の二重結合を含む全炭素クロスリンカーにより連結されたアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“$r5”として表されるアミノ酸は、1個の二重結合を含む全炭素により連結されたアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“$s8”として表されるアミノ酸は、1個の二重結合を含む全炭素クロスリンカーにより連結されたアルファ−Me S8−オクテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“$r8”として表されるアミノ酸は、1個の二重結合を含む全炭素クロスリンカーにより連結されたアルファ−Me R8−オクテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“Ahx”はアミノシクロヘキシルリンカーを表す。そのクロスリンカーは、それぞれのアミノ酸のアルファ炭素の間に8個または11個の炭素原子を含む線状全炭素クロスリンカーである。“$/”として表されるアミノ酸は、クロスリンカーにより一切連結されていないアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“$/r5”として表されるアミノ酸は、クロスリンカーにより一切連結されていないアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“$/s8”として表されるアミノ酸は、クロスリンカーにより一切連結されていないアルファ−Me S8−オクテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“$/r8”として表されるアミノ酸は、クロスリンカーにより一切連結されていないアルファ−Me R8−オクテニル−アラニン オレフィンアミノ酸である。“Amw”として表されるアミノ酸は、アルファ−Me トリプトファンアミノ酸である。“Aml”として表されるアミノ酸は、アルファ−Me ロイシンアミノ酸である。“Amf”として表されるアミノ酸は、アルファ−Me フェニルアラニンアミノ酸である。“2ff”として表されるアミノ酸は、2−フルオロ−フェニルアラニンアミノ酸である。“3ff”として表されるアミノ酸は、3−フルオロ−フェニルアラニンアミノ酸である。“St”として表されるアミノ酸は、2個のペンテニル−アラニン オレフィン側鎖を含むアミノ酸であり、そのそれぞれが示したような別のアミノ酸に架橋されている。“St//”として表されるアミノ酸は、2個の架橋されていないペンテニル−アラニン オレフィン側鎖を含むアミノ酸である。“%St”として表されるアミノ酸は、2個のペンテニル−アラニン オレフィン側鎖を含むアミノ酸であり、そのそれぞれが示したような別のアミノ酸に完全飽和炭化水素架橋により架橋されている。“Ba”として表されるアミノ酸はベータ−アラニンである。架橋されたアミノ酸の表記(例えば“$er8”または“$zr8”)内の小文字の“e”または“z”は、二重結合の立体配置(それぞれ(re ectively)EまたはZ)を表す。他の文脈において、“a”または“f”のような小文字は、Dアミノ酸(例えばそれぞれD−アラニン、またはD−フェニルアラニン)を表す。“NmW”として表記されるアミノ酸はN−メチルトリプトファンを表す。“NmY”として表記されるアミノ酸はN−メチルチロシンを表す。“NmA”として表記されるアミノ酸はN−メチルアラニンを表す。“Sar”として表記されるアミノ酸はサルコシンを表す。“Cha”として表記されるアミノ酸はシクロヘキシルアラニンを表す。“Cpg”として表記されるアミノ酸はシクロペンチルグリシンを表す。“Chg”として表記されるアミノ酸はシクロヘキシルグリシンを表す。“Cba”として表記されるアミノ酸はシクロブチルアラニンを表す。“F4I”として表記されるアミノ酸は4−ヨードフェニルアラニンを表す。“F3Cl”として表記されるアミノ酸は3−クロロフェニルアラニンを表す。“F4cooh”として表記されるアミノ酸は4−カルボキシフェニルアラニンを表す。“F34F2”として表記されるアミノ酸は3,4−ジフルオロフェニルアラニンを表す。“6clW”として表記されるアミノ酸は6−クロロトリプトファンを表す。表記“iso1”または“iso2”は、ペプチドミメティック大環状化合物が単一異性体であることを示す。“Ac3c”はアミノシクロプロパンカルボン酸残基を表す。
【0374】
[00241] “Cou4”、“Cou6”、“Cou7”および“Cou8”として表記されるアミノ酸は、それぞれ下記の構造を表す:
【0375】
【化67】
【0376】
[00242] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は、例えばそのクロスリンカーの構造内の二重結合の立体配置(E対Z)のため、1種類より多くの異性体で得られる。そのような異性体は従来のクロマトグラフィー法により分離することができ、または分離することができない。一部の態様において、一方の異性体は他方の異性体と対比して向上した生物学的特性を有する。1態様において、ペプチドミメティック大環状化合物のEクロスリンカーオレフィン異性体はそのZカウンターパートと対比してより良好な可溶性、より良好な標的親和性、より良好なインビボもしくはインビトロ有効性、より高いヘリックス性、または向上した細胞透過性を有する。別の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物のZクロスリンカーオレフィン異性体はそのEカウンターパートと対比してより良好な可溶性、より良好な標的親和性、より良好なインビボもしくはインビトロ有効性、より高いヘリックス性、または向上した細胞透過性を有する。
【0377】
[00243] クロスリンカーを形成するアミノ酸は、下記に示す凡例に従って表される。
【0378】
[00244] 各アミノ酸のアルファ位の立体化学は、別途示さない限りSである。“4Me”と標記したアミノ酸は、メチル置換されたアルキン(内部アルキン)を含むアミノ酸を用いて、結果として4位にメチル基を含むトリアゾール基をもたらして調製した。“4Ph”と標記したアミノ酸は、フェニル置換されたアルキン(内部アルキン)を含むアミノ酸を用いて、結果として4位にフェニル基を含むトリアゾール基をもたらして調製した。アジドアミノ酸に関して、示した炭素原子の数はアルファ炭素および末端アジドの間のメチレン単位の数を指す。アルキンアミノ酸に関して、示した炭素原子の数はアルファ位およびトリアゾール部分の間のメチレン単位の数+アルキンに由来するトリアゾール基内の2つの炭素原子である。
【0379】
$5n3 アルファ−Me アジド 1,5 トリアゾール(3炭素)
#5n3 アルファ−H アジド 1,5 トリアゾール(3炭素)
$4a5 アルファ−Me アルキン 1,4 トリアゾール(5炭素)
$4a6 アルファ−Me アルキン 1,4 トリアゾール(6炭素)
$5a5 アルファ−Me アルキン 1,5 トリアゾール(5炭素)
$5a6 アルファ−Me アルキン 1,5 トリアゾール(6炭素)
#4a5 アルファ−H アルキン 1,4 トリアゾール(5炭素)
#5a5 アルファ−H アルキン 1,5 トリアゾール(5炭素)
$5n5 アルファ−Me アジド 1,5 トリアゾール(5炭素)
$5n6 アルファ−Me アジド 1,5 トリアゾール(6炭素)
$4n5 アルファ−Me アジド 1,4 トリアゾール(5炭素)
$4n6 アルファ−Me アジド 1,4 トリアゾール(6炭素)
$4ra5 アルファ−Me R−アルキン 1,4 トリアゾール(5炭素)
$4ra6 アルファ−Me R−アルキン 1,4 トリアゾール(6炭素)
$4rn4 アルファ−Me R−アジド 1,4 トリアゾール(4炭素)
$4rn5 アルファ−Me R−アジド 1,4 トリアゾール(5炭素)
$4rn6 アルファ−Me R−アジド 1,4 トリアゾール(6炭素)
$5rn5 アルファ−Me R−アジド 1,5 トリアゾール(5炭素)
$5ra5 アルファ−Me R−アルキン 1,5 トリアゾール(5炭素)
$5ra6 アルファ−Me R−アルキン 1,5 トリアゾール(6炭素)
$5rn6 アルファ−Me R−アジド 1,5 トリアゾール(6炭素)
#5rn6 アルファ−H R−アジド 1,5 トリアゾール(6炭素)
$4rn5 アルファ−Me R−アジド 1,4 トリアゾール(5炭素)
#4rn5 アルファ−H R−アジド 1,4 トリアゾール(5炭素)
4Me$5rn6 アルファ−Me R−アジド 1,5 トリアゾール(6炭素);4−Me置換トリアゾール
4Me$5a5 アルファ−Me アルキン 1,5 トリアゾール(5炭素);4−Me置換トリアゾール
4Ph$5a5 アルファ−Me アルキン 1,5 トリアゾール(5炭素);4−フェニル置換トリアゾール
[00245] “5I”、“5penNH2”、“5BnzNH2”、“5prpOMe”、“5Ph”、および“5prp”として表記されるアミノ酸は、下記の式Iの典型的なペプチドミメティック大環状化合物において示されるタイプの架橋したアミノ酸を指す:
【0380】
【化68】
【0381】
[00246] 上記の構造において、Xは例えば下記の置換基の1つであり:
【0382】
【化69】
【0383】
ここで“Cyc”は適切なアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、置換されていないか、または場合により上記で記載したようなR
aもしくはR
b基で置換されている。
【0384】
[00247] 一部の態様において、そのトリアゾール置換基は下記のものからなる群から選択される:
【0385】
【化70】
【0386】
[00248] 表4は式Iの典型的なペプチドミメティック大環状化合物を示す:
【0387】
【表7-1】
【0388】
【表7-2】
【0389】
Chemical Formula:化学式
Exact Mass:厳密な質量
Molecular Weight:分子量
[00249] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表5において示されるペプチドミメティック大環状化合物を除外する:
【0390】
【表8】
【0391】
[00250] 示したペプチドはN末端キャッピング基、例えばアセチル、またはそのキャッピング基およびそのペプチド配列の開始点の間に追加のリンカー、例えばベータ−アラニンを含むことができる。
【0392】
[00251] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表5において示されるようなペプチドミメティック大員環構造を含まない。
【0393】
実施例3:式IIのペプチドミメティック大環状化合物。
【0394】
[00252] ペプチドミメティック大環状化合物を、2個以上の天然存在アミノ酸を対応する合成アミノ酸で置き換えることによりデザインした。iおよびi+4、ならびにiおよびi+7の位置において置換を行った。大環状化合物を、固相ペプチド合成、続いてそのペプチドのチオール含有側鎖による架橋により生成した。ペプチド合成を、手動または自動ペプチド合成装置(Applied Biosystems、モデル433A)上のどちらかで、固相条件、rink amide AM樹脂(Novabiochem)、およびFmoc主鎖保護基化学を用いて実施する。その合成ペプチドのN末端をアセチル化し、一方でC末端をアミド化する。
【0395】
[00253] 完全に保護された樹脂に結合したペプチドを、RinkアミドMBHA樹脂(装填0.62mmol/g)で0.1mmolスケールで合成する。一時的なFmoc基の脱保護を、その樹脂に結合したペプチドのNMP中25%(v/v)ピペリジンによる2×20分間の処理により達成する。NMPおよびジクロロメタンを大規模に(extensive)流して洗浄した後、それぞれの連続するアミノ酸のカップリングを、適切
な予め活性化したFmoc−アミノ酸誘導体と共に1×60分間インキュベートすることにより達成した。全ての保護されたアミノ酸(1mmol)をNMP中で溶解させ、HCTU(1mmol)およびDIEA(1mmol)で活性化した後、そのカップリング溶液を脱保護された樹脂に結合したペプチドに移した。カップリングが完了した後、その樹脂を次の脱保護/カップリングサイクルに備えて大規模に流して洗浄した。アミノ末端のアセチル化をNMP/NMM中無水酢酸/DIEAの存在下で実施した。それぞれのカップリングの完了を検証するために、完全に組み立てた樹脂に結合したペプチドのアリコートから得た切断および脱保護した試料のLC−MS分析を成し遂げた。
【0396】
[00254] 架橋した化合物の精製は逆相C18カラム(Varian)上での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Varian ProStar)により達成され、純粋な化合物が得られる。その純粋な化合物の化学組成を、LC/MS質量分析(Agilent 1100 HPLCシステムとインターフェースで接続されたMicromass LCT)およびアミノ酸分析(Applied Biosystems、モデル420A)により確認した。
【0397】
[00255] 典型的な例では、ペプチド樹脂(0.1mmol)をDCMで洗浄した。一時的なMmt基の脱保護を、その樹脂に結合したペプチドの2% TFA/DCM 5%
TIPSによる3×3分間の処理、次いで濾液中にオレンジ色が観察されなくなるまでの30分間の処理により達成した。処理の間にその樹脂をDCMを大規模に流して洗浄した。Mmtを完全に除去した後、その樹脂を5% DIEA/NMP溶液で3回洗浄し、ビスチオエーテルカップリングの準備ができたと考えられた。樹脂を反応バイアル中に装填した。DCM/DMF 1/1をその反応バイアルに添加し、続いてDIEA(2.4等量)を添加した。5分間十分に混合した後、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル(1.05等量)(TCI America B1921)を添加した。次いでその反応を機械的に室温で一夜攪拌した。必要である場合、完了に達するようにその反応を延長した。類似の手順を、5−メチレン、6−メチレンまたは7−メチレンクロスリンカー(“%c7”、“%c6”、または“%c5”)の調製において用いることができる。
【0398】
[00256] そのビスチオエーテル樹脂結合ペプチドを、TFA/H
2O/TIS(94/3/3 v/v)を用いた室温で3時間の処理により脱保護し、固体支持体から切断した。その樹脂の濾過後、そのTFA溶液を冷ジエチルエーテル中で沈殿させ、遠心分離すると、所望の生成物が固体として得られた。その粗生成物を分取HPLCにより精製した。
【0399】
[00257] 表6はペプチドミメティック大環状化合物のリストを示す。
【0400】
【表9-1】
【0401】
【表9-2】
【0402】
【表9-3】
【0403】
【表9-4】
【0404】
【表9-5】
【0405】
【表9-6】
【0406】
【表9-7】
【0407】
【表9-8】
【0408】
【表9-9】
【0409】
表6aは代表的なペプチドミメティック大環状化合物を示す:
【0410】
【表10】
【0411】
[00258] 選択された典型的なペプチドミメティック大環状化合物の部分構造を下記に示す:
【0412】
【化71】
【0413】
[00259] 典型的なペプチドミメティック大環状化合物の構造を下記に示す:
【0414】
【化72】
【0415】
[00260] 典型的なペプチドミメティック大環状化合物の別の構造を下記に示す:
【0416】
【化73】
【0417】
[00261] “#cs5”として表されるアミノ酸は、iからi+7への5メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−システインである。“#c
5”として表されるアミノ酸は、iからi+7への5メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−システインである。“#cs6”として表されるアミノ酸は、iからi+7への6メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−システインである。“#c6”として表されるアミノ酸は、iからi+7への6メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−システインである。“#cs7”として表されるアミノ酸は、iからi+7への7メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−システインである。“#c7”として表されるアミノ酸は、iからi+7への7メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−システインである。“#cs8”として表されるアミノ酸は、iからi+7への8メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−システインである。“#c8”として表されるアミノ酸は、iからi+7への8メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−システインである。“%cs7”として表されるアミノ酸は、iからi+7への7メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−D−システインである。“%c7”として表されるアミノ酸は、iからi+7への7メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−L−システインである。“%cs8”として表されるアミノ酸は、iからi+7への8メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−D−システインである。“%c8”として表されるアミノ酸は、iからi+7への8メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−L−システインである。“%cs9”として表されるアミノ酸は、iからi+7への9メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−D−システインである。“%c9”として表されるアミノ酸は、iからi+7への9メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−L−システインである。“%cs10”として表されるアミノ酸は、iからi+7への10メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−D−システインである。“%c10”として表されるアミノ酸は、iからi+7への10メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−L−システインである。“pen8”として表されるアミノ酸は、iからi+7への8メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−ペニシラミンである。“Pen8”として表されるアミノ酸は、iからi+7への8メチレンクロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−ペニシラミンである。“#csBph”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBph(4,4’−ビスメチル−ビフェニル)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−システインである。“#cBph”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBph(4,4’−ビスメチル−ビフェニル)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−システインである。“%csBph”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBph(4,4’−ビスメチル−ビフェニル)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−D−システインである。“%cBph”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBph(4,4’−ビスメチル−ビフェニル)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−L−システインである。“#csBpy”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBpy(6,6’−ビスメチル−[3,3’]ビピリジン)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたD−システインである。“#cBpy”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBpy(6,6’−ビスメチル−[3,3’]ビピリジン)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたL−システインである。“%csBpy”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBpy(6,6’−ビスメチル−[3,3’]ビピリジン)クロスリンカーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−D−システインである。“%cBpy”として表されるアミノ酸は、iからi+7へのBpy(6,6’−ビスメチル−[3,3’]ビピリジン)クロスリンカ
ーにより別のチオール含有アミノ酸に連結されたアルファ−メチル−L−システインである。上記で示したメチレン単位の数は、そのクロスリンカーの2個のチオール基の間のメチレン単位の数を指す。
【0418】
[00262] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は、例えばそのクロスリンカーの構造内の二重結合の立体配置(E対Z)のため、1種類より多くの異性体で得られる。そのような異性体は従来のクロマトグラフィー法により分離することができ、または分離することができない。一部の態様において、一方の異性体は他方の異性体と対比して向上した生物学的特性を有する。1態様において、ペプチドミメティック大環状化合物のEクロスリンカーオレフィン異性体はそのZカウンターパートと対比してより良好な可溶性、より良好な標的親和性、より良好なインビボもしくはインビトロ有効性、より高いヘリックス性、または向上した細胞透過性を有する。別の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物のZクロスリンカーオレフィン異性体はそのEカウンターパートと対比してより良好な可溶性、より良好な標的親和性、より良好なインビボもしくはインビトロ有効性、より高いヘリックス性、または向上した細胞透過性を有する。
【0419】
[00263] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表7において示されるペプチドミメティック大環状化合物を除外する:
【0420】
【表11】
【0421】
[00264] 示したペプチドは、N末端キャッピング基、例えばアセチル、またはそのキャッピング基およびそのペプチド配列の開始点の間に追加のリンカー、例えばベータ−アラニンを含むことができる。
【0422】
[00265] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表7において示されるようなペプチドミメティック大員環構造を含まない。
【0423】
[00266] 他の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表7aにおいて示されるペプチドミメティック大環状化合物を除外する:
【0424】
【表12】
【0425】
[00267] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表7aにおいて示されるようなペプチドミメティック大員環構造を含まない。
【0426】
[00268] 他の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は、表7bにおいて示され、Muppidi et al., Chem. Commun. (2011) DOI: 10.1039/c1cc13320aにおいて開示されているペプチドミメティック大環状化合物を除外し:
【0427】
【表13】
【0428】
ここで表7b中のCはL−システインを意味し、cはD−システインを意味し;そして#cBph、#cBpy、#csBph、および#csBpyは本明細書において定義されている通りである。
【0429】
[00269] 一部の態様において、ペプチドミメティック大環状化合物は表7bにおいて示されるようなペプチドミメティック大員環構造を含まない。
【0430】
実施例4:アルファ−ヘリックス性の円二色性(CD)分析
[00270] ペプチド溶液を、Jasco J−815分光偏光計(Jasco Inc.、メリーランド州イーストン)をJasco Spectra Manager Ver.2システムソフトウェアと共に用いてCD分光法により分析する。ペルチェ温度制御装置を用いて光学セルの温度制御を維持する。結果は等式[θ]=θobs・MRW/10
*l
*cから計算されるような平均モル楕円率[θ](deg cm2 dmol−1)として表され、ここでθobsはミリ度での観察された楕円率であり、MRWはペプチドの平均残基重量(ペプチド分子量/残基数)であり、lはセンチメートルでのそのセルの光路長であり、そしてcはmg/mlでのペプチド濃度である。ペプチド濃度はアミノ酸分析により決定する。ペプチドのストック溶液を穏和な(benign)CD緩衝液(20mMリン酸、pH2)中で調製する。そのストックを用いて、10mm経路長セルでの分析のために、穏和なCD緩衝液または50%トリフルオロエタノール(TFE)を含むCD緩衝液のどちらかにおける0.05mg/mlのペプチド溶液を調製する。ペプチド溶液の可変波長測定を、4℃において195から250nmまで、0.2nmのきざみ幅で、そして走査速度50nm/分で走査する。6回の走査の平均を報告する。
【0431】
実施例5:蛍光偏光(FP)を用いたMDM2の直接結合アッセイ
[00271] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
1. MDM2(組織内、41kD)をFP緩衝液(高塩濃度緩衝液−200mM NaCl、5mM CHAPS、pH 7.5)中に希釈して、10μMの使用ストック溶液を作る。
【0432】
2. 30μlの10μMのタンパク質ストック溶液を96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)のA1およびB1ウェルの中に入れる。
【0433】
3. 30μlのFP緩衝液を縦列A2〜A12、B2〜B12、C1〜C12、およびD1〜D12中に満たす。
【0434】
4. A1、B1からA2、B2中に;A2、B2からA3、B3に;...のタンパク質ストックの2または3倍系列希釈を、最後の希釈点において1桁nM濃度に達するように行う。
【0435】
5. (100%DMSO中)1mMのFAM標識した線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(1:10希釈)。次いで、水により100μMから10μMに希釈し(1:10希釈)、次いでFP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(1:250希釈)。これが使用溶液であり、それはウェル中で10nMの濃度であろう(1:4希釈)。その希釈したFAM標識ペプチドを暗所で使用まで保存する。
【0436】
6. 10μlの10nMのFAM標識ペプチドをそれぞれのウェル中に添加してインキュベートし、異なる時点で読み取る。5−FAM−BaLTFEHYWAQLTS−NH
2(配列番号:1012)に関するKdは約13.38nMである。
【0437】
実施例6:MDM2に関する競合蛍光偏光アッセイ
[00272] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
1. MDM2(組織内、41kD)をFP緩衝液(高塩濃度緩衝液−200mM NaCl、5mM CHAPS、pH 7.5)中に希釈して、84nM(2×)の使用ストック溶液を作る。
【0438】
2. 20μlの84nM(2×)のタンパク質ストック溶液を96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)のそれぞれのウェルの中に入れる。
【0439】
3. (100%DMSO中)1mMのFAM標識した線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(1:10希釈)。次いで、水により100μMから10μMに希釈し(1:10希釈)、次いでFP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(1:250希釈)。これが使用溶液であり、それはウェル中で10nMの濃度であろう(1:4希釈)。その希釈したFAM標識ペプチドを暗所で使用まで保存する。
【0440】
4. 未標識のペプチド用量プレートを1μM(終濃度)のペプチドを用いて出発してFP緩衝液を用いて作り、以下の希釈スキームを用いて6点に関する5倍系列希釈を作る。
【0441】
(100%DMSO中)10mMをDMSOで希釈して5mMにする(1:2希釈)。次いで、H
2Oで5mMから500μMに希釈し(1:10希釈)、次いでFP緩衝液で500μMから20μMに希釈する(1:25希釈)。4μM(4×)から6点に関して5倍系列希釈を作る。
【0442】
5. 10μlの系列希釈された未標識ペプチドを、20μlの84nMのタンパク質で満たされたそれぞれのウェルに移す。
【0443】
6. 10μlの10nM(4×)のFAM標識ペプチドをそれぞれのウェル中に添加し、3時間インキュベートして読み取る。
【0444】
実施例7:蛍光偏光(FP)を用いたMDMXの直接結合アッセイ
[00273] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
1. MDMX(組織内、40kD)をFP緩衝液(高塩濃度緩衝液−200mM NaCl、5mM CHAPS、pH 7.5)中に希釈して、10μMの使用ストック溶液を作る。
【0445】
2. 30μlの10μMのタンパク質ストック溶液を96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)のA1およびB1ウェルの中に入れる。
【0446】
3. 30μlのFP緩衝液を縦列A2〜A12、B2〜B12、C1〜C12、およびD1〜D12中に満たす。
【0447】
4. A1、B1からA2、B2中に;A2、B2からA3、B3に;...のタンパク質ストックの2または3倍系列希釈を、最後の希釈点において1桁nM濃度に達するように行う。
【0448】
5. (100%DMSO中)1mMのFAM標識した線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(1:10希釈)。次いで、水により100μMから10μMに希釈し(1:10希釈)、次いでFP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(1:250希釈)。これが使用溶液であり、それはウェル中で10nMの濃度であろう(1:4希釈)。その希釈したFAM標識ペプチドを暗所で使用まで保存する。
【0449】
6. 10μlの10nMのFAM標識ペプチドをそれぞれのウェル中に添加してイン
キュベートし、異なる時点で読み取る。
【0450】
5−FAM−BaLTFEHYWAQLTS−NH
2(配列番号:1012)に関するKdは約51nMである。
【0451】
実施例8:MDMXに関する競合蛍光偏光アッセイ
[00274] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
1. MDMX(組織内、40kD)をFP緩衝液(高塩濃度緩衝液−200mM NaCl、5mM CHAPS、pH 7.5)中に希釈して、300nM(2×)の使用ストック溶液を作る。
【0452】
2. 20μlの300nM(2×)のタンパク質ストック溶液を96ウェル黒色HEマイクロプレート(Molecular Devices)のそれぞれのウェルの中に入れる。
【0453】
3. (100%DMSO中)1mMのFAM標識した線状ペプチドをDMSOで100μMに希釈する(1:10希釈)。次いで、水により100μMから10μMに希釈し(1:10希釈)、次いでFP緩衝液で10μMから40nMに希釈する(1:250希釈)。これが使用溶液であり、それはウェル中で10nMの濃度であろう(1:4希釈)。その希釈したFAM標識ペプチドを暗所で使用まで保存する。
【0454】
4. 未標識のペプチド用量プレートを5μM(終濃度)のペプチドを用いて出発してFP緩衝液を用いて作り、以下の希釈スキームを用いて6点に関する5倍系列希釈を作る。
【0455】
5. (100%DMSO中)10mMをDMSOで希釈して5mMにする(1:2希釈)。次いで、H
2Oで5mMから500μMに希釈し(1:10希釈)、次いでFP緩衝液で500μMから20μMに希釈する(1:25希釈)。20μM(4×)から6点に関して5倍系列希釈を作る。
【0456】
6. 10μlの系列希釈された未標識ペプチドをそれぞれのウェルに移し、それを20μlの300nMのタンパク質で満たす。
【0457】
7. 10μlの10nM(4×)のFAM標識ペプチドをそれぞれのウェル中に添加し、3時間インキュベートして読み取る。
【0458】
[00275] 実施例4〜7からの結果を表8において示す。IC50およびKi値に関して下記の尺度を用いる:“+”は1000nMより大きい値を表し、“++”は100nMより大きく1000nM以下の値を表し、“+++”は10nMより大きく100nM以下の値を表し、そして“++++”は10nM以下の値を表す。細胞生存度アッセイの結果(実施例9におけるように実施される)も表8に含まれており、下記の尺度を用いる:“+”は30μMより大きい値を表し、“++”は15μMより大きく30μM以下の値を表し、“+++”は5μMより大きく15μM以下の値を表し、そして“++++”は5μM以下の値を表す。“IC50比”は、p53−/−細胞における平均IC50と対比したp53+/+細胞における平均IC50の比率を表す。
【0459】
【表14】
【0460】
実施例9:競合結合ELISA(MDM2&MDMX)
[00276] p53−His6タンパク質
(配列番号:1013として開示される“His6”)(30nM/ウェル)を室温で96ウェルImmulonプレートのウェル中で一夜コートする。その実験の日に、プレートを自動化されたELISAプレート洗浄機を用いて1×PBS−Tween 20(0.05%)で洗浄し、ELISA Micro well Blockingを用いて室温で30分間ブロッキングし;過剰なブロッキング剤を、プレートを1×PBS−Tween 20(0.05%)で洗浄することにより洗い落とす。ペプチドを10mM DMSOストックから滅菌水中で500μM使用ストックに希釈し、さらなる希釈はDMSOの濃度を試料にわたって一定に保つために0.5% DMSO中で行う。そのペプチドをウェルに50μl体積中で2×所望濃度で入れ、続いて希釈したGST−MDM2またはGST−HMDXタンパク質(終濃度:10nM)を添加する。試料を室温で2時間インキュベートし、プレートをPBS−Tween 20(0.05%)で洗浄した後、HRP安定化緩衝液中で0.5μg/mlに希釈した100μlのHRPコンジュゲート抗GST抗体[Hypromatrix、INC]を添加する。検出抗体と共に30分間インキュベートした後、プレートを洗浄し、ウェルあたり100μlのTMB−E基質溶液と共に30分間までインキュベートし;反応を1M HCLを用いて停止し、マイクロプレートリーダー上で450nmにおいて吸光度を測定する。データをGraph Pad PRISMソフトウェアを用いて分析する。
【0461】
実施例10:細胞生存度アッセイ
[00277] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
細胞を蒔く:アッセイの前日に、細胞をトリプシン処理し、計数し、予め決められた密度で96ウェルプレートに蒔く。下記の細胞密度を使用するそれぞれの細胞株に関して用いる:
・SJSA−1:7500細胞/ウェル
・RKO:5000細胞/ウェル
・RKO−E6:5000細胞/ウェル
・HCT−116:5000細胞/ウェル
・SW−480:2000細胞/ウェル
・MCF−7:5000細胞/ウェル
[00278] 試験の日に、培地を室温において11%FBSを含む新しい培地(アッセイ培地)と取り替える。ウェルあたり180μLのアッセイ培地を添加する。細胞を含まない対照ウェルには200μlの培地を入れる。
【0462】
[00279] ペプチドの希釈:全ての希釈は室温で行われ、室温で細胞に添加される。
【0463】
・DMSO中でペプチドの10mMストックを調製する。そのストックを1:3希釈スキームを用いてDMSOを希釈液として用いて系列希釈して、10、3.3、1.1、0.33、0.11、0.03、0.01mM溶液を得る。その系列DMSO希釈したペプチドを、滅菌水を用いて33.3倍希釈する。これはある範囲の10×使用ストックを与える。また、対照ウェルに関してDMSO/滅菌水(3%DMSO)混合物も調製する。
【0464】
・従って、その使用ストック濃度範囲のμMは300、100、30、10、3、1、0.3および0μMであろう。それぞれの希釈工程において、マルチチャンネル(multichannel)を用いてウェルを混合する。
【0465】
・横列Hは対照を有する。H1〜H3には20ulのアッセイ培地を入れるであろう。H4〜H9には20ulの3%DMSO−水ビヒクルを入れるであろう。H10〜H12は細胞を含まない培地のみの対照を有するであろう。
【0466】
・陽性対照:MDM2小分子阻害剤であるNutlin−3a(10mM)を陽性対照として用いる。Nutlinはペプチドと同じ希釈スキームを用いて希釈された。
【0467】
[00280] 使用溶液の細胞への添加:
・20μlの10×所望濃度を適切なウェルに添加して、ウェル中で合計200μlの体積中で終濃度を達成する。(20μlの300μMペプチド+180μlの培地中の細胞=ウェル中で200μlの体積中で30μMの終濃度)。ピペットを用いて穏やかに数回混合する。従って、用いられる終濃度範囲は30、10、3、1、0.3、0.1、0.03および0μMであろう(強力なペプチドに関してはさらなる希釈が含まれる)。
【0468】
・対照には、ペプチドを与えられないがペプチドを含有するウェルと同じ濃度のDMSOを含有するウェル、および細胞を含有しないウェルが含まれる。
【0469】
・加湿した5%CO
2の雰囲気中で37℃で72時間インキュベートする。
【0470】
・細胞の生存度をPromegaからのMTT試薬を用いて決定する。SJSA−1、RKO、RKO−E6、HCT−116細胞の生存度を3日目に決定し、MCF−7細胞の生存度を5日目に決定し、SW−480細胞の生存度を6日目に決定する。指定されたインキュベーション時間の終了時に、プレートを室温に至らせる。それぞれのウェルから80μlのアッセイ培地を取り出す。15μlの解凍したMTT試薬をそれぞれのウェルに添加する。
【0471】
・プレートを加湿した5%CO
2の雰囲気中で37℃で2時間インキュベートしておき、100μlの可溶化試薬を製造業者のプロトコル通りに添加する。攪拌しながら室温で1時間インキュベートし、Synergy Biotekマルチプレートリーダー上で570nmの吸光度に関して読み取る。
【0472】
・GraphPad PRISM分析ツールを用いて、細胞生存度をDMSO対照に対して分析する。
【0473】
[00281] 試薬:
・Invitrogen細胞培養培地
i.Falcon 96ウェル透明細胞培養処理プレート(Nunc 353072)
・DMSO(Sigma D 2650)
・RPMI 1640(Invitrogen 72400)
・MTT(Promega G4000)
[00282] 機器:吸光度の読み取りのためのマルチプレートリーダー(Synergy
2)。
【0474】
[00283] 結果は表8において示されている。
【0475】
実施例11:P21 ELISAアッセイ
[00284] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
細胞を蒔く:
・アッセイの前日に、SJSA1細胞をトリプシン処理し、計数し、96ウェルプレートにおいて7500細胞/100μl/ウェルの密度で蒔く。
【0476】
・試験の日に、培地を新しいRPMI−11%FBS(アッセイ培地)と取り替える。ウェルあたり90μLのアッセイ培地を添加する。細胞を含まない対照ウェルには100μlの培地を入れる。
【0477】
[00285] ペプチドの希釈:
・DMSO中でペプチドの10mMストックを調製する。そのストックを1:3希釈スキームを用いてDMSOを希釈液として用いて系列希釈して、10、3.3、1.1、0.33、0.11、0.03、0.01mM溶液を得る。その系列DMSO希釈したペプチドを、滅菌水を用いて33.3倍希釈する。これはある範囲の10×使用ストックを与える。また、対照ウェルに関してDMSO/滅菌水(3%DMSO)混合物も調製する。
【0478】
・従って、その使用ストック濃度範囲のμMは300、100、30、10、3、1、0.3および0μMであろう。それぞれの希釈工程において、マルチチャンネルを用いてウェルを混合する。
【0479】
・横列Hは対照を有する。H1〜H3には10ulのアッセイ培地を入れるであろう。H4〜H9には10ulの3%DMSO−水ビヒクルを入れるであろう。H10〜H12は細胞を含まない培地のみの対照を有するであろう。
【0480】
・陽性対照:MDM2小分子阻害剤であるNutlin−3a(10mM)を陽性対照として用いる。Nutlinはペプチドと同じ希釈スキームを用いて希釈された。
【0481】
[00286] 使用ストックの細胞への添加:
・10μlの10×所望濃度を適切なウェルに添加して、ウェル中で合計100μlの体積中で終濃度を達成する。(10μlの300μMペプチド+90μlの培地中の細胞=ウェル中で100μlの体積中で30μMの終濃度)。従って、用いられる終濃度範囲は30、10、3、1、0.3および0μMであろう。
【0482】
・対照には、ペプチドを与えられないがペプチドを含有するウェルと同じ濃度のDMSOを含有するウェル、および細胞を含有しないウェルが含まれるであろう。
【0483】
・20時間インキュベートした後、培地を吸引し;細胞を1×PBS(Ca
++/Mg
++を含まない)で洗浄し、60μlの1×細胞溶解用緩衝液(Cell Signaling technologiesの10×緩衝液を1×に希釈し、プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を補ったもの)中で氷上で30分間溶解させる。
【0484】
・プレートを4℃において5000rpmの速度で8分間遠心分離し;透明な上清を集め、さらなる使用まで−80℃で凍結させる。
【0485】
[00287] タンパク質の推定:
・その溶解物の総タンパク質含有量を、ThermofisherからのBCAタンパク質検出キットおよびBSA標準を用いて測定する。典型的には、ウェルあたり約6〜7μgのタンパク質が予想される。
【0486】
・ウェルあたり50μlのその溶解液を用いて、p21 ELISAを構成する。
【0487】
[00288] ヒト総p21 ELISA:そのELISAアッセイのプロトコルは、製造業者の説明書通りに従う。50μlの溶解物をそれぞれのウェルに関して用いて、それぞれのウェルを3重(triplicate)で構成する。
【0488】
[00289] 試薬:
・Cell−Based Assay (−)−Nutlin−3(10mM):Cayman Chemicals、カタログ番号600034
・OptiMEM、Invitrogen カタログ番号51985
・Cell Signaling溶解用緩衝液(10X)、Cell signaling technology、カタログ番号9803
・プロテアーゼ阻害剤カクテル錠(ミニ)、Roche Chemicals、カタログ番号04693124001
・ホスファターゼ阻害剤カクテル錠、Roche Chemicals、カタログ番号04906837001
・ヒト総p21 ELISAキット、R&D Systems、DYC1047−5
・停止溶液(1M HCL)、Cell Signaling Technologies、カタログ番号7002
[00290] 機器:微量遠心機−Eppendorf 5415Dおよび吸光度の読み取りのためのマイクロプレートリーダー(Synergy 2)。
【0489】
実施例12:カスパーゼ3検出アッセイ:
[00291] そのアッセイは下記の一般的なプロトコルに従って実施される:
細胞を蒔く:アッセイの前日に、SJSA1細胞をトリプシン処理し、計数し、96ウェルプレートにおいて7500細胞/100μl/ウェルの密度で蒔く。試験の日に、培地を新しいRPMI−11%FBS(アッセイ培地)と取り替える。ウェルあたり180μLのアッセイ培地を添加する。細胞を含まない対照ウェルには200μlの培地を入れる。
【0490】
[00292] ペプチドの希釈:
・DMSO中でペプチドの10mMストックを調製する。そのストックを1:3希釈スキームを用いてDMSOを希釈液として用いて系列希釈して、10、3.3、1.1、0.33、0.11、0.03、0.01mM溶液を得る。その系列DMSO希釈したペプチドを、滅菌水を用いて33.3倍希釈する。これはある範囲の10×使用ストックを与える。また、対照ウェルに関してDMSO/滅菌水(3%DMSO)混合物も調製する。
【0491】
・従って、その使用ストック濃度範囲のμMは300、100、30、10、3、1、0.3および0μMであろう。それぞれの希釈工程において、マルチチャンネルを用いてウェルを混合する。20ulの10×使用ストックを適切なウェルに添加する。
【0492】
・横列Hは対照を有する。H1〜H3には20ulのアッセイ培地を入れるであろう。H4〜H9には20ulの3%DMSO−水ビヒクルを入れるであろう。H10〜H12は細胞を含まない培地のみの対照を有するであろう。
【0493】
・陽性対照:MDM2小分子阻害剤であるNutlin−3a(10mM)を陽性対照として用いる。Nutlinはペプチドと同じ希釈スキームを用いて希釈された。
【0494】
[00293] 使用ストックの細胞への添加:
・10μlの10×所望濃度を適切なウェルに添加して、ウェル中で合計100μlの体積中で終濃度を達成する。(10μlの300μMペプチド+90μlの培地中の細胞=ウェル中で100μlの体積中で30μMの終濃度)。従って、用いられる終濃度範囲は30、10、3、1、0.3および0μMであろう。
【0495】
・対照には、ペプチドを与えられないがペプチドを含有するウェルと同じ濃度のDMSOを含有するウェル、および細胞を含有しないウェルが含まれるであろう。
【0496】
・48時間インキュベートした後、80μlの培地をそれぞれのウェルから吸引し;ウェルあたり100μlのカスパーゼ3/7Gloアッセイ試薬(Promega カスパーゼ3/7 gloアッセイシステム、G8092)を添加し、穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
【0497】
・Synergy Biotekマルチプレートリーダー上で蛍光に関して読み取る。
【0498】
・データをDMSO処理した細胞と比較したカスパーゼ3の活性化として分析する。
【0499】
実施例13.ペプチドミメティック大環状化合物による細胞溶解
[00294] SJSA−1細胞を1日前に透明な平底プレート(Costar、カタログ番号353072)中に7500細胞/ウェルで100ul/ウェルの増殖培地と共に蒔き、横列Hの縦列10〜12は培地単独のために空のままにする。アッセイの日に、培地をRPMI 1% FBS培地、ウェルあたり90uLの培地と交換する。
【0500】
[00295] ペプチドミメティック大環状化合物の10mMストック溶液を100%DMSO中で調製する。次いでペプチドミメティック大環状化合物を100%DMSO中で系
列希釈し、次いで滅菌水中でさらに20倍希釈して、それぞれのペプチドミメティック大環状化合物の5%DMSO/水中の使用ストック溶液を500uMから62.5uMまでの範囲の濃度で調製した。
【0501】
[00296] 10uLのそれぞれの化合物を90uLのSJSA−1細胞に添加して、0.5% DMSOを含有する培地中で50uM〜6.25uMの終濃度を得る。陰性対照(非溶解性)試料は0.5% DMSOのみであり、陽性対照(溶解性)試料には10uM Melittinおよび1% Triton X−100が含まれる。
【0502】
[00297] 細胞プレートを37℃で1時間インキュベートする。1時間のインキュベーション後、その細胞の形態を顕微鏡により調べ、次いでそのプレートを室温において1200rpmで5分間遠心分離した。それぞれのペプチドミメティック大環状化合物および対照試料に関する40uLの上清を透明なアッセイプレートに移す。LDHの放出をCaymenからのLDH細胞毒性アッセイキット(カタログ番号1000882)を用いて測定する。
【0503】
実施例14:p53 GRIPアッセイ
[00298] Thermo Scientific
* BioImage p53−MDM2再分布アッセイは、薬物化合物または他の刺激に反応したMDM2とのタンパク質相互作用およびGFPタグ化p53の細胞内転位置(cellular translocation)をモニターする。組み換えCHO−hIR細胞は増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)のC末端に融合したヒトp53(1−312)ならびにPDE4A4およびMDM2(1−124)の間の融合タンパク質であるPDE4A4−MDM2(1−124)を安定発現する。それらは実験条件のp53およびMDM2の相互作用への作用を測定するためのすぐに使えるアッセイ系を提供する。画像化および分析はHCSプラットフォームを用いて実施する。
【0504】
[00299] CHO−hIR細胞を、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、0.5mg/ml Geneticin、1mg/ml Zeocinおよび10% FBSを補ったHam’s F12培地中で定期的に維持する。細胞を、アッセイを行う18〜24時間前に培地を用いてウェルあたり7000細胞/100μlの密度で96ウェルプレート中に蒔く。次の日に、培地を新しくして、PD177を3μMの終濃度になるように細胞に添加してフォーカス形成を活性化する。対照ウェルはPD−177溶液なしのままにする。PD177による刺激の24時間後、細胞をOpti−MEM培地で1回洗浄し、50μLのPD−177(6μM)を補ったOpti−MEM培地を細胞に添加する。ペプチドを10mM DMSOストックから滅菌水中で500μMの使用ストックに希釈し、さらなる希釈はDMSOの濃度を試料にわたって一定に保つために0.5% DMSO中で行う。最終的な最も高いDMSO濃度は0.5%であり、それを陰性対照として用いる。Cayman ChemicalsのCell−Based Assay (−)−Nutlin−3(10mM)を陽性対照として用いる。Nutlinをペプチドと同じ希釈スキームを用いて希釈する。50μlの2×所望濃度を適切なウェルに添加して、最終的な所望濃度を達成する。次いで細胞をペプチドと共に、加湿した5%CO
2雰囲気中で37℃において6時間インキュベートする。インキュベーション期間の後、細胞を、培地を穏やかに吸引して除き、ウェルあたり150μlの固定溶液を室温で20分間添加することにより固定する。固定された細胞を各回ウェルあたり200μlのPBSで4回洗浄する。最後の洗浄の終了時に、100μlの1μM Hoechst染色溶液を添加する。密封したプレートを暗所で少なくとも30分間インキュベートし、PBSで洗浄して過剰な染色液を除去し、PBSをそれぞれのウェルに添加する。プレートを4℃において暗所で3日間まで保管することができる。p53/MDM2の転位置を、Cellomics Arrayscan機器上で分子転位置モジュールを用いて、10×対物レンズ、XF−100フィルターセットを用いて、HoechstおよびGFPに関して画像化する。出力パラメーターはMean−CircRINGAveIntenRatio(核および細胞質の平均蛍光強度の比率(ウェル平均))であった。画像分析のために用いられたウェルあたりの最小許容可能細胞数は500細胞に設定した。
【0505】
実施例15:ペプチドミメティック大環状化合物に関する可溶性の決定
[00300] ペプチドミメティック大環状化合物をまずニート(neat)N,N−ジメチルアセトアミド(DMA、Sigma−Aldrich、38840−1L−F)中で溶解させて20〜140mg/mLの濃度範囲にわたる20×ストック溶液を作る。そのDMAストック溶液を2% Solutol−HS−15、25mMヒスチジン、45mg/mLマンニトールを含有する水性ビヒクル中で20倍希釈して、5% DMA、2% Solutol−HS−15、25mMヒスチジン、45mg/mLマンニトール中1〜7mg/mLのペプチドミメティック大環状化合物の終濃度を得る。その最終溶液をピペッティングまたは軽いボルテックスを繰り返すことにより穏やかに混合し、次いでその最終溶液を室温において超音波水浴中で10分間超音波処理する。次いでフードライト(hood light)の下で7×視覚拡大鏡を用いて注意深い目視観測を実施して、沈殿が底の上に、または懸濁液として存在するかどうかを決定する。追加の濃度範囲を必要に応じて試験して、それぞれのペプチドミメティック大環状化合物に関する最大溶解限度を決定する。
本明細書は以下の発明の開示を包含する:
[1]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-1】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−His
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10−X
11−Ser
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【化74-2】
;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
3は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKは独立してO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
7は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
8は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[2]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-3】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−His
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10−X
11−Ser
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLまたはL’は独立して式−L
1−L
2−の大員環形成リンカーであり;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
L
1、L
2、およびL
3は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[3]表4、4a、または4b中のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含むペプチドミメティック大環状化合物であって、該ペプチドミメティック大環状化合物が次式を有する、前記ペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-4】
[式中:
それぞれのA、C、D、およびEは独立してアミノ酸であり;
Bはアミノ酸、
【化74-5】
、[−NH−L
3−CO−]、[−NH−L
3−SO
2−]、または[−NH−L
3−]であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【化74-6】
;
L
1、L
2およびL
3は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
3は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKは独立してO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
7は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
8は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vおよびwは独立して1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
uは1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり;
x、yおよびzは独立して0〜10の整数であり、例えばx+y+zの和は2、3、または6であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[4]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-7】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−Glu
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10/Cba
10−X
11−Ala
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【化74-8】
;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[5]表6または6a中のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含むペプチドミメティック大環状化合物であって、該ペプチドミメティック大環状化合物が次式を有し:
【化74-9】
[式中:
それぞれのA、C、D、およびEは独立してアミノ酸であり;
Bはアミノ酸、
【化74-10】
、[−NH−L
4−CO−]、[−NH−L
4−SO
2−]、または[−NH−L
4−]であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
L
1、L
2、L
3およびL
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vおよびwは独立して1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
uは1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり;
x、yおよびzは独立して0〜10の整数であり、例えばx+y+zの和は2、3、または6であり;そして
nは1〜5の整数である]、
ここで該ペプチドミメティック大環状化合物は表7、表7aまたは表7bのペプチドミメティック大環状化合物ではない、前記ペプチドミメティック大環状化合物。
[6]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-11】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−Glu
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10/Cba
10−X
11−Ala
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
L
1、L
2、およびL
3は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[7]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-12】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−His
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10−X
11−Ser
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【化74-13】
;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
3は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKは独立してO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
7は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
8は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
9は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、置換されていないか、または場合によりR
aおよび/またはR
bで置換されており;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[8]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-14】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−Glu
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10/Cba
10−X
11−Ala
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【化74-15】
;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
9は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、置換されていないか、または場合によりR
aおよび/またはR
bで置換されており;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[9]表4、4a、または4b中のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含むペプチドミメティック大環状化合物であって、該ペプチドミメティック大環状化合物が次式を有する、前記ペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-16】
[式中:
それぞれのA、C、D、およびEは独立してアミノ酸であり;
Bはアミノ酸、
【化74-17】
、[−NH−L
3−CO−]、[−NH−L
3−SO
2−]、または[−NH−L
3−]であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLおよびL’は独立して次式の大員環形成リンカーであり:
【化74-18】
;
L
1、L
2およびL
3は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
3は独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
それぞれのR
4は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのKは独立してO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
7は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
8は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
それぞれのR
9は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、置換されていないか、または場合によりR
aおよび/またはR
bで置換されており;
vおよびwは独立して1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
uは1〜10、例えば1〜5、1〜3または1〜2の整数であり;
x、yおよびzは独立して0〜10の整数であり、例えばx+y+zの和は2、3、または6であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[10]それぞれのLおよびL’が独立して次式:
【化74-19】
の大員環形成リンカーである、[7]、[8]または[9]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[11]次式のペプチドミメティック大環状化合物:
【化74-20】
[式中:
Xaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10のそれぞれは個々にアミノ酸であり、ここでXaa
3、Xaa
5、Xaa
6、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、およびXaa
10の少なくとも3つは配列Phe
3−X
4−His
5−Tyr
6−Trp
7−Ala
8−Gln
9−Leu
10−X
11−Ser
12の対応する位置におけるアミノ酸と同じアミノ酸であり、ここでそれぞれのXはアミノ酸であり;
それぞれのDおよびEは独立してアミノ酸であり;
R
1およびR
2は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり、置換されていないか、もしくはハロ−で置換されており;またはR
1およびR
2の少なくとも1つは前記のDもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に連結された大員環形成リンカーL’を形成しており;
それぞれのLまたはL’は独立して式−L
1−L
2−の大員環形成リンカーであり;
L
1およびL
2は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは場合によりR
5で置換されており;
R
3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており;
L
1、L
2、およびL
3は独立してアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレンまたは[−R
4−K−R
4−]
nであり、それぞれは置換されていないか、またはR
5で置換されており;
それぞれのKはO、S、SO、SO
2、CO、CO
2、またはCONR
3であり;
それぞれのR
4はアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり;
それぞれのR
5は独立してハロゲン、アルキル、−OR
6、−N(R
6)
2、−SR
6、−SOR
6、−SO
2R
6、−CO
2R
6、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
それぞれのR
6は独立して−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または療法薬であり;
R
7は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはD残基と共に環状構造の一部であり;
R
8は−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、もしくはヘテロシクロアリールであり、場合によりR
5で置換されており、またはE残基と共に環状構造の一部であり;
vは1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり;
wは3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数であり;そして
nは1〜5の整数である]。
[12]Xaa
5がGluまたはそのアミノ酸アナログである、[1]、[2]、[4]、[6]、[7]、[8]、または[11]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[13][12]に記載のペプチドミメティック大環状化合物であって、Xaa
5がGluまたはそのアミノ酸アナログであり、該ペプチドミメティック大環状化合物がXaa
5がAlaである対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した特性、例えば向上した結合親和性、向上した可溶性、向上した細胞有効性、向上したヘリックス性、向上した細胞透過性、向上したインビボもしくはインビトロ抗腫瘍有効性、または向上したアポトーシスの誘導を有する、前記ペプチドミメティック大環状化合物。
[14]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比してMDM2またはMDMXへの向上した結合親和性を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[15]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して低減したMDMX対MDM2への結合親和性の比率を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[16]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビトロでのp53陽性腫瘍細胞株に対する抗腫瘍有効性を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[17]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビトロでのp53陽性腫瘍細胞株におけるアポトーシスの誘導を示す、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[18]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したp53陽性対p53陰性または変異体腫瘍細胞株に関するインビトロ抗腫瘍有効性比率を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[19]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビボでのp53陽性腫瘍に対する抗腫瘍有効性を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[20]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上したインビボでのp53陽性腫瘍におけるアポトーシスの誘導を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[21]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した細胞透過性を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[22]ペプチドミメティック大環状化合物が、wが0、1または2である対応するペプチドミメティック大環状化合物と対比して向上した可溶性を有する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[23]それぞれのEが独立してAla(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である、[1]〜[22]のいずれかに記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[24][D]
vが−Leu
1−Thr
2である、[1]〜[23]のいずれかに記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[25]wが3〜10である、[12]〜[24]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[26]wが3〜6である、[25]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[27]wが6〜10である、[25]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[28]wが6である、[27]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[29]vが1〜10である、[12]〜[24]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[30]vが2〜10である、[24]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[31]vが2〜5である、[25]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[32]vが2である、[26]に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[33]wが3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10である、[1]〜[24]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[34]ペプチドミメティック大環状化合物が表5、表7、表7a、または表7bの大環状化合物ではない、[1]〜[33]のいずれかに記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[35]それぞれのEがSerもしくはAlaまたはそのアナログである、[1]〜[34]のいずれかに記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[36]アミノ酸アナログである少なくとも1個のアミノ酸を含む、[1]〜[24]のいずれか[1]〜[24]のに記載のペプチドミメティック大環状化合物。
[37]対象に[1]〜[36]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物を投与することを含む、対象において癌を処置する方法。
[38]対象においてp53および/またはMDM2および/またはMDMXの活性を調節する方法であって、該対象に[1]〜[24]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物を投与することを含む、前記方法。
[39]対象においてp53およびMDM2の間の、および/またはp53およびMDMXタンパク質の間の相互作用に拮抗する方法であって、該対象に[1]〜[24]のいずれか1項に記載のペプチドミメティック大環状化合物を投与することを含む、前記方法。