(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1重畳領域は、前記第1画素電極と前記第3画素電極との間の第1境界領域、前記第2画素電極と前記第3画素電極との間の第2境界領域、及び、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の第3境界領域のうちの少なくとも1つに位置している、請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
前記第2重畳領域は、前記第1画素電極と前記第3画素電極との間の第1境界領域、前記第2画素電極と前記第3画素電極との間の第2境界領域、及び、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の第3境界領域が互いに交差する交差部に位置している、請求項3又は4に記載のカラーフィルタ基板。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0011】
各実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置を開示する。この液晶表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。なお、各実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置DSPの外観の一例を模式的に示す図である。液晶表示装置DSPは、表示パネルPNLと、バックライトユニットBLと、を備えている。
【0013】
表示パネルPNLは、第1基板SU1と、第2基板SU2と、第1基板SU1及び第2基板SU2の間に保持された液晶層(後述する液晶層LQ)と、を備えている。また、表示パネルPNLは、画像を表示するための表示エリアDAを有している。
図1の例において、この表示エリアDAは、第1方向D1に沿う長辺と、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿う短辺とを有する長方形状である。但し、表示エリアDAの形状は、このような長方形状に限られず、他の多角形状や円形状などであっても良い。
【0014】
第1基板SU1は、外部接続用の端子が配列された接続部CNを備えている。この接続部CNには、例えばフレキシブル配線基板やICチップなどの信号供給源が接続される。フレキシブル配線基板は、表示パネルPNLと電子機器側のコントロールボードなどの外部モジュールとを電気的に接続する。
【0015】
バックライトユニットBLは、第1基板SU1の背面側(第2基板SU2との対向面の反対側)に配置され、表示エリアDAと対向している。このようなバックライトユニットBLとしては、種々の形態が適用可能である。一例として、バックライトユニットBLは、第1基板SU1と対向する導光板、この導光板の端部に沿って配置された複数の発光ダイオード(LED)などの光源、導光板の一方の主面側に配置された反射シート、導光板の他方の主面側に積層された各種光学シートなどを備えている。
【0016】
図2は、第1基板SU1の第2基板SU2との対向面を模式的に示す図である。第1基板SU1は、表示エリアDAと重複しない周辺領域に上記の接続部CNと、駆動回路PC1,PC2,PC3と、を備えている。
図2の例においては、駆動回路PC1,PC2がそれぞれ表示エリアDAの長辺に沿って配置され、駆動回路PC3が表示エリアDAの短辺に沿って配置されている。
【0017】
表示エリアDAには、多数の画素が形成されている。
図3は、画素配列の一例を示す図である。なお、画素は、表示エリアDAにおけるカラー画像を表示するための最小単位である。この図においては、2種類の画素PX(PX1,PX2)を示している。画素PX1,PX2は、第1色に対応する副画素PXG1と、第2色に対応する副画素PXR1と、第3色に対応する副画素PXBと、第4色に対応する副画素PXG2と、第5色に対応する副画素PXR2と、第6色に対応する副画素PXWと、を含んでいる。第1実施形態では、一例として、第1色及び第4色が緑色であり、第2色及び第5色が赤色であり、第3色が青色であり、第6色が白色あるいは実質的に透明である場合を想定する。但し、画素PX1,PX2は、緑色、赤色、青色、白色以外の色に対応する副画素を含んでいても良いし、白色の副画素を省略して緑色、赤色、青色の3色に対応する副画素によって構成されていても良い。また、表示エリアDAには、1種類の画素PXのみ(つまり、画素PX1のみ、又は、画素PX2のみ)が配列されても良いし、3種類以上の画素PX(つまり、画素PX1及び画素PX2に加えて、画素PX1及び画素PX2とは異なる構成の画素)が配列されていても良い。
【0018】
本明細書では、一例として、380nm乃至780nmの波長範囲の光を「可視光」として定義する。「青色」は、380nm以上490nm未満の第1波長範囲内に透過率ピークを有する色と定義する。「緑色」は、490nm以上590nm未満の第2波長範囲内に透過率ピークを有する色と定義する。「赤色」は、590nm以上780nm以下の第3波長範囲内に透過率ピークを有する色と定義する。「実質的に透明」とは、無着色である場合に加えて、可視光におけるいずれかの色に薄く着色された場合も包含する。
【0019】
画素PX1は、第1方向D1に沿って連続して配置されている。同様に、画素PX2は、第1方向D1に沿って連続して配置されている。第1方向D1に並ぶ画素PX1の列と、第1方向D1に並ぶ画素PX2の列は、第2方向D2に沿って交互に繰り返している。
【0020】
画素PX1,PX2において、副画素PXG1,PXR1は第1方向D1に隣り合い、同様に、副画素PXG2,PXR2は第1方向D1に隣り合い、副画素PXR1、PXG2も第1方向D1に隣り合う。画素PX1において、副画素PXG1,PXR1は副画素PXBと第2方向D2に隣り合い、副画素PXG2,PXR2は副画素PXWと第2方向D2に隣り合う。一方、画素PX2において、副画素PXG1,PXR1は副画素PXWと第2方向D2に隣り合い、副画素PXG2,PXR2は副画素PXBと第2方向D2に隣り合う。また、画素PX1における副画素PXBは、画素PX2における副画素PXG1,PXR1と第2方向D2に隣り合う。また、画素PX1における副画素PXWは、画素PX2における副画素PXG2,PXR2と第2方向D2に隣り合う。
【0021】
図3の例では、画素PX1,PX2のいずれにおいても、副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2が第1面積を有しており、副画素PXB,PXWが第1面積よりも大きい第2面積を有している。例えば、第2面積は第1面積の約2倍である。
【0022】
副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2,PXB,PXWの形状は特に限定されるものではないが、視覚特性及び画素の配列密度の観点から四角形又はこれに近似する形状(言い換えれば、実質的に四角形)であることが好ましく、平行四辺形或いはこれに近い形状(言い換えれば、実質的に平行四辺形)であればなお好ましい。また、副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2,PXB,PXWの第2方向D2における幅は実質的に同一の関係(例えば、互いの長さ比が0.8倍から1.2倍の範囲に収まる)である。さらに、副画素PXB,PXWの第1方向D1における幅は副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2の第1方向D1における幅よりも長い関係にあり、
図3の例においては約2倍である。
【0023】
人間の網膜上において、青色に対応する錐体細胞は緑色及び赤色に対応する錐体細胞よりも数が少ないため、人間の視覚は青色に対する解像度が緑色及び赤色に比べて低い。
図3に示す画素PX1,PX2は、このような人間の視覚の特徴を利用している。すなわち、青色の副画素PXB及び白色の副画素PXWのサイズを赤色の副画素PXR1,PXR2及び緑色の副画素PXG1,PXG2よりも大きくし、且つその数を少なくしたことで、実効的な解像度を落とすことなく画素PX1,PX2の面積を向上させることが可能となる。
【0024】
なお、上記の画素PX1、PX2において、副画素PXBは、副画素PXWとは異なる面積を有していても良い。また、副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2が互いに異なる面積を有していても良い。
【0025】
図4は、表示パネルPNLの概略的な等価回路の一例を示す図である。表示パネルPNLは、第1方向D1に沿って並ぶ第1信号が供給される第1信号線と、第2方向D2に沿って並ぶ第2信号が供給される第2信号線とを備えている。第1信号及び第2信号は画素に映像を表示させるための信号であり、一般的には一方がゲート信号(走査信号)であり、他方がソース信号(画像信号)である。
図4においては、第1信号線としての複数のゲート配線Gと、第2信号線としての複数のソース配線Sと、を備えている。例えば、第1方向D1におけるいずれかの端部から数えて偶数番目のゲート配線Gは駆動回路PC1に接続され、奇数番目のゲート配線Gは駆動回路PC2に接続されている。各ソース配線Sは、駆動回路PC3に接続されている。
【0026】
複数のゲート配線Gは信号線群Aを構成し、複数のソース配線Sは信号線群Bを構成する。上記の副画素が形成される画素領域は、信号線群Aと信号線群Bとが互いに交わることによって形成される。
【0027】
図4においては、画素PX1の等価回路を示している。この画素PX1において、副画素PXG1は、ゲート配線G1及びソース配線S2と電気的に接続されたスイッチング素子SWG1と、このスイッチング素子SWG1と電気的に接続された画素電極PEG1と、を備えている。副画素PXR1は、ゲート配線G2及びソース配線S1と電気的に接続されたスイッチング素子SWR1と、このスイッチング素子SWR1と電気的に接続された画素電極PER1と、を備えている。副画素PXG2は、ゲート配線G2及びソース配線S2と電気的に接続されたスイッチング素子SWG2と、このスイッチング素子SWG2と電気的に接続された画素電極PEG2と、を備えている。副画素PXR2は、ゲート配線G3及びソース配線S1と電気的に接続されたスイッチング素子SWR2と、このスイッチング素子SWR2と電気的に接続された画素電極PER2と、を備えている。副画素PXBは、ゲート配線G2及びソース配線S3と電気的に接続されたスイッチング素子SWBと、このスイッチング素子SWBと電気的に接続された画素電極PEBと、を備えている。副画素PXWは、ゲート配線G3及びソース配線S3と電気的に接続されたスイッチング素子SWWと、このスイッチング素子SWWと電気的に接続された画素電極PEWと、を備えている。但し、各副画素のスイッチング素子SW(SWG1,SWG2,SWR1,SWR2,SWB,SWW)とゲート配線G及びソース配線Sとの接続関係は、
図4に示すものに限られない。なお、スイッチング素子とは抵抗等の電気的特性を切り替わる素子のことを示し、代表例は電界効果トランジスタに代表されるトランジスタである(
図4においては電界効果トランジスタである)。
【0028】
例えば、各画素電極PE(PEG1,PEG2,PER1,PER2,PEB,PEW)は、共通電極CEと対向している。共通電極CEは、例えば複数の画素PXに亘って設けられ、コモン電圧を供給する給電部VSと電気的に接続されている。
【0029】
駆動回路PC1,PC2は、各ゲート配線Gに対して走査信号を順次供給する。駆動回路PC3は、各ソース配線Sに対して画像信号を選択的に供給する。スイッチング素子SWに走査信号及び画像信号の双方が入力されると、このスイッチング素子SWに接続された画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が生じ、この電界によって第1基板SU1及び第2基板SU2の間に保持された液晶層LQの液晶分子の配向を変えることが出来る。
【0030】
画素PX2の等価回路は、副画素PXBと副画素PXWの位置が入れ替わる点を除き、画素PX1と同様である。
【0031】
以上のような構成の液晶表示装置DSPは、バックライトユニットBLから表示パネルPNLに入射する光を画素PXごとに選択的に透過させて画像を表示エリアDAに表示する、いわゆる透過型の液晶表示装置に相当する。但し、液晶表示装置DSPは、外部から第2基板SU2に向かって入射する光を画素PXごとに選択的に反射させて画像を表示する反射型の液晶表示装置であっても良いし、透過型及び反射型の双方の機能を備えた半透過型の液晶表示装置であっても良い。
【0032】
図5は、画素PX1,PX2に適用可能な構造の一例を示す平面図である。この図においては、画素PX1に含まれる副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2,PXB,PXWと、この画素PX1に隣り合う画素PX2に含まれる副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2と、を示している。
【0033】
図5の例においては、3本のゲート配線G(G1,G2,G3)と、これらゲート配線Gと交差する6本のソース配線S(S1,S2,S3,S4,S5,S6)と、を示している。ゲート配線G1,G2,G3は、第2方向D2に沿って直線状に延び、第1方向D1に沿って等間隔で並んでいる。ソース配線S1,S2,S3,S4,S5,S6は、ゲート配線G1とゲート配線G2との間においては第1方向D1に対して反時計回りに鋭角で傾いて互いに平行かつ直線状に延び、ゲート配線G2とゲート配線G3との間においては第1方向D1に対して時計回りに鈍角で傾いて互いに平行かつ直線状に延びている。これらのソース配線S1,S2,S3,S4,S5,S6は、第2方向D2に沿って並んでいる。さらに、ソース配線S2とソース配線S3、ソース配線S5とソース配線S6は、第2方向D2において、副画素を介さずに隣り合って配置されている。一方で、ソース配線S1とソース配線S2、ソース配線S3とソース配線S4は、第2方向D2において、副画素を介して隣り合って配置されている。
【0034】
画素PX1に含まれる副画素PXG1の画素電極PEG1及び副画素PXR1の画素電極PER1は、ゲート配線G1,G2及びソース配線S1,S2に囲われた領域A1に配置されている。画素PX1に含まれる副画素PXBの画素電極PEBは、ゲート配線G1,G2及びソース配線S3,S4に囲われた領域A2に配置されている。画素PX1に含まれる副画素PXG2の画素電極PEG2及び副画素PXR2の画素電極PER2は、ゲート配線G2,G3及びソース配線S1,S2に囲われた領域A3に配置されている。画素PX1に含まれる副画素PXWの画素電極PEWは、ゲート配線G2,G3及びソース配線S3,S4に囲われた領域A4に配置されている。領域A1と領域A2は第2方向D2に隣り合い、領域A1と領域A3は第1方向D1に隣り合い、領域A2と領域A4は第1方向D1に隣り合い、領域A3と領域A4は第2方向D2に隣り合う。
【0035】
ゲート配線G(G1,G2,G3)を含む信号線群Aと、ソース配線S(S1,S2,S3,S4)を含む信号線群Bとが互いに交わることによって形成される画素領域は、これらの領域A1乃至A4を含む。
【0036】
画素電極PEG1,PER1は第1方向D1に隣り合い、画素電極PEG1及びPER1と画素電極PEBとは第2方向D2に隣り合い、画素電極PEG2,PER2は第1方向D1に隣り合い、画素電極PEG2及びPER2と画素電極PEWとは第2方向D2に隣り合う。画素電極PER1と画素電極PEG2は第1方向D1に隣り合い、画素電極PEBと画素電極PEWは第1方向D1に隣り合う。
【0037】
なお、領域A1はゲート配線G1,G2及びソース配線S1,S3に囲われた領域と、領域A2はゲート配線G1,G2及びソース配線S2,S4に囲われた領域と、領域A3はゲート配線G2,G3及びソース配線S1,S3に囲われた領域と、領域A4はゲート配線G2,G3及びソース配線S2,S4に囲われた領域と、それぞれ定義することもできる。
【0038】
領域A1において、画素電極PEG1はゲート配線G1の側(ゲート配線G1の近傍)に位置し、画素電極PER1はゲート配線G2の側(ゲート配線G2の近傍)に位置している。領域A3において、画素電極PEG2はゲート配線G2の側(ゲート配線G2の近傍)に位置し、画素電極PER2はゲート配線G3の側(ゲート配線G3の近傍)に位置している。
【0039】
画素PX2においても、画素PX1と同様に、画素電極PEG1,PEG2,PER1,PER2,PEB,PEWが領域A1〜A4に配置されている。詳細については、画素PX1と実質的に同様であるので省略する。
【0040】
図5の例において、画素電極PEG1,PEG2,PER1,PER2,PEB,PEWは、いずれもスリットSL1と、このスリットSL1を介して屈曲しながら帯状に延びる2本の櫛歯電極PEaと、を有している。櫛歯電極PEaは、全体として、第1方向D1及び第2方向D2のそれぞれに対して傾いた方向に延びている。なお、画素電極は、一方向に延在した一本の電極であっても良い。
【0041】
スイッチング素子SWG1,SWG2,SWR1,SWR2,SWB,SWWは、いずれも半導体層SCを備えている。
【0042】
画素PX1において、スイッチング素子SWG1の半導体層SCは、一端が接続電極CAL及び接続孔CHA1を介して画素電極PEG1と電気的に接続されるとともに他端が接続孔CHB1を介してソース配線S2と電気的に接続されている。
【0043】
スイッチング素子SWR1の半導体層SCも、上述のスイッチングSWG1の半導体層SCと同様である。この場合、CHA1はCHA2に、CHB1はCHB2に、画素電極PEG1は画素電極PER1に、ソース電極S2はソース電極S1に対応している。
【0044】
スイッチング素子SWBの半導体層SCも、上述のスイッチングSWG1の半導体層SCと同様である。この場合、CHA1はCHA3に、CHB1はCHB3に、画素電極PEG1は画素電極PEBに、ソース電極S2はソース電極S3に対応している。
【0045】
スイッチング素子SWG2の半導体層SCも、上述のスイッチングSWG1の半導体層SCと同様である。この場合、CHA1はCHA4に、CHB1はCHB4に、画素電極PEG1は画素電極PEG2に対応している。
【0046】
スイッチング素子SWR2の半導体層SCも、上述のスイッチングSWG1の半導体層SCと同様である。この場合、CHA1はCHA5に、CHB1はCHB5に、画素電極PEG1は画素電極PER2に、ソース電極S2はソース電極S1に対応している。
【0047】
スイッチング素子SWWの半導体層SCも、上述のスイッチングSWG1の半導体層SCと同様である。この場合、CHA1はCHA6に、CHB1はCHB6に、画素電極PEG1は画素電極PEWに、ソース電極S2はソース電極S3に対応している。
【0048】
また、それぞれの対応する領域内において、接続孔CHA1はゲート配線G1の側(ゲート配線G1の近傍)に形成され、接続孔CHA2、CHA3及びCHA4はゲート配線G2の側(ゲート配線G2の近傍)に形成され、接続孔CHA5及びCHA6はゲート配線G3の側(ゲート配線G3の近傍)に形成されている。
【0049】
さらに、ゲート配線G1,G2の間において、接続孔CHB1はソース配線S2と重なる位置に形成され、接続孔CHB2はソース配線S1と重なる位置に形成され、接続孔CHB3はソース配線S3と重なる位置に形成されている。一方、ゲート配線G2,G3の間において、接続孔CHB4はソース配線S2と重なる位置に形成され、接続孔CHB5はソース配線S1と重なる位置に形成され、接続孔CHB6はソース配線S3と重なる位置に形成されている。
【0050】
画素PX2の構成は、画素PX1と実質的に同様であるので省略する。
【0051】
図6は、
図5における6A−6B線に沿う表示パネルPNLの断面を模式的に示す図である。第1基板SU1は、ガラス基板や樹脂基板などの第1絶縁基板ISU1を備えている。第2基板SU2と対向する第1絶縁基板ISU1の第1面F11は、第1アンダーコート層UC1によって覆われ、この第1アンダーコート層UC1は、第2アンダーコート層UC2によって覆われている。第1アンダーコート層UC1及び第2アンダーコート層UC2は、例えば、シリコン酸化物(SiO)やシリコン酸窒化物(SiON)などによって形成されている。
【0052】
第2アンダーコート層UC2は、第1絶縁層IL1によって覆われ、この第1絶縁層IL1は、第2絶縁層IL2によって覆われている。第1絶縁層IL1及び第2絶縁層IL2は、例えば、シリコン酸化物(SiO)やシリコン窒化物(SiNx)などによって形成されている。
【0053】
第2絶縁層IL2の液晶層LQ側の面にはソース配線S(S1,S2)が形成されている。ソース配線Sは、カラーフィルタ層CFLによって覆われている。カラーフィルタ層CFLは、第2絶縁層IL2も覆っている。カラーフィルタ層CFLは、第3絶縁層IL3によって覆われている。
図6の例においてはカラーフィルタ層CFLを単一の層として表しているが、
図8を用いて後述するように、カラーフィルタ層CFLは複数の島状のカラーフィルタを含んでいる。
【0054】
第3絶縁層IL3の液晶層LQ側の面には、共通電極CEが形成されている。この共通電極CEは、第4絶縁層IL4によって覆われている。第4絶縁層IL4は、例えば、シリコン窒化物(SiNx)などによって形成されている。第4絶縁層IL4の液晶層LQ側の面には、画素電極PE(PEG1)が形成されている。すなわち、
図6の例において、画素電極PE及び共通電極CEは第4絶縁層IL4を介して対向している。画素電極PE及び第4絶縁層IL4は、液晶層LQと接する第1配向膜AL1によって覆われている。
【0055】
画素電極PE及び共通電極CEは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0056】
一方、第2基板SU2は、ガラス基板や樹脂基板などの第2絶縁基板ISU2を備えている。第1基板SU1と対向する第2絶縁基板ISU2の第1面F21は、オーバーコート層OCによって覆われている。図示した例では、ソース配線S(S1,S2)や画素電極PEと対向する位置の第1面F21は、オーバーコート層OCによって覆われており、後述する遮光層BMは、ソース配線Sと対向する位置には形成されていない。このオーバーコート層OCは、液晶層LQと接する第2配向膜AL2によって覆われている。
【0057】
第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、液晶層LQに含まれる液晶分子が配向させるものである。これらは、例えば、ポリイミド系の有機高分子で形成されている。これらの第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2には、ラビング法による配向処理、或いは、偏光紫外光の照射による光配向処理が施されている。光配向処理を適用した場合においては、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2表面の凹凸の配向処理への影響を防止或いは緩和することができる。
【0058】
液晶層LQは、例えば、配向方向の誘電率が当該配向方向の垂直方向よりも大きい正の誘電率異方性を有し、高抵抗で且つ室温を含む広い温度範囲においてネマチック相を示す。この場合、液晶層LQに電圧が印加されていない状態において、液晶層LQに含まれる液晶分子の配向状態(初期配向状態)が第1方向D1と一致するように、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2に配向処理を施す。液晶分子の初期配向状態は、液晶分子の初期配向状態は、例えばホモジニアス配向である。
【0059】
画素電極PE及び共通電極CEの間に電圧が印加されると、基板主面(第1方向D1及び第2方向D2と平行な平面)と平行な成分を含むフリンジ電界EFが生じる。このフリンジ電界EFにより、液晶層LQの液晶分子は、基板主面と平行な面内で回転する。なお、本実施形態は横電界方式の一種であるフリンジ電界EFが生じるような画素電極PE及び共通電極CEの配置をしているが、これに限定されるものではない。本発明には縦電界方式、斜め電界方式も適用可能であり、画素電極PE及び共通電極CEの配置は求める電界に対応して適宜配置すればよい。
【0060】
なお、
図6においては副画素PXG1に着目して表示パネルPNLの断面構造を説明したが、他の副画素PXG2,PXR1,PXR2,PXB,PXWにおける画素電極PEG2,PER1,PER2,PEB,PEWなどについても、副画素PXG1と同様の構造及び作用を有する。
【0061】
図7は、
図5における7A−7B線に沿う表示パネルPNLの断面を模式的に示す図である。スイッチング素子SW(SWR1)の半導体層SCは、第2アンダーコート層UC2の液晶層LQ側の面に形成されている。半導体層SCは、例えばポリシリコンによって形成されている。例えば、第1絶縁基板ISU1と第1アンダーコート層UC1との間、或いは第1アンダーコート層UC1と第2アンダーコート層UC2との間に半導体層SCと対向する遮光層を設け、バックライトユニットBLから半導体層SCへの光の入射を防いでも良い。
【0062】
図7の例において、接続孔CHB(CHB2)は、第1絶縁層IL1及び第2絶縁層IL2を貫通している。ソース配線S(S1)は、接続孔CHBを通じて半導体層SCに接触している。
【0063】
接続孔CHCは、第1絶縁層IL1及び第2絶縁層IL2を貫通している。接続電極CALは、接続孔CHCを通じて半導体層SCに接触している。この接続電極CALは、ソース配線Sと同層に形成されている。接続電極CAL及びソース配線Sは、例えば、アルミニウム或いはアルミニウム合金を2層のチタン或いはチタン合金で挟んだ3層構造である。
【0064】
ゲート配線G(G2)は、第1絶縁層IL1の液晶層LQ側の面に形成され、第2絶縁層IL2によって覆われている。ゲート配線Gは、例えば、モリブデンタングステン(MoW)合金によって形成されている。
【0065】
図5及び
図7などにおいては、スイッチング素子SWの一例として、いわゆるトップゲート型かつダブルゲート型の薄膜トランジスタを示しているが、スイッチング素子SWはこの種の薄膜トランジスタに限られない。例えば、スイッチング素子SWは、シングルゲート型の薄膜トランジスタや、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであっても良い。
【0066】
図7の例において、接続孔CHA(CHA2)は、カラーフィルタ層CFL、第3絶縁層IL3、第4絶縁層IL4、及び共通電極CEを貫通している。画素電極PE(PER1)は、接続孔CHAを通じて接続電極CALに接触している。
【0067】
接続孔CHA(
図7においてはCHA2)の断面においては、第4絶縁層IL4に設けられた孔部の周縁が接続孔CHAの最も中心側に位置し、その外側に第3絶縁層IL3の孔部の周縁が位置し、さらにその外側に共通電極CEの孔部の周縁と、カラーフィルタ層CFLにおける間隙の縁部が位置している。接続孔CHAにおいて、第4絶縁層IL4は画素電極PEに覆われている。接続孔CHAの断面をこのように構成すると、カラーフィルタ層CFLが接続孔CHAにおいて画素電極PE、第4絶縁層IL4、及び第3絶縁層IL3で被覆されるため、カラーフィルタ層CFLに不純物が含有される場合であっても、この不純物の液晶層LQへの移動を効果的に防ぐことができる。
【0068】
第2絶縁基板ISU2の第1面F21には、接続孔CHA及びゲート配線Gに対向する遮光層BMが形成されている。この遮光層BMは、オーバーコート層OCによって覆われている。
【0069】
なお、
図7においては、副画素PXR1に着目して表示パネルPNLの断面構造を説明したが、他の副画素PXG1,PXG2,PXR2,PXB,PXWにおける画素電極PEG1,PEG2,PER2,PEB,PEW、スイッチング素子SWG1,SWG2,SWR2,SWB,SWW、接続孔CHA1,CHA3〜CHA6、及び、接続孔CHB1,CHB3〜CHB6などについても、副画素PXR1と同様の構造及び作用を有する。
【0070】
接続孔CHA1,CHA2,CHA3,CHA4,CHA5,及びCHA6は、それぞれ、第3絶縁層IL3に形成された貫通孔である第1開口部、第2開口部、第3開口部、第4開口部、第5開口部、及び第6開口部の一例である。
【0071】
図6及び
図7に示したように、第1実施形態においては、カラーフィルタ層CFLが第1基板SU1に設けられている。すなわち、液晶表示装置DSPはCOA(Color filter On Array)方式であり、第1基板SU1はスイッチング素子SW及びカラーフィルタ層CFLの双方を備えたカラーフィルタ基板である。
【0072】
カラーフィルタ層CFLは、異なる色に対応する複数のカラーフィルタを含んでいる。
図8は、
図5に示した画素PX1,PX2に配置されるカラーフィルタCF(CFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFW)の形状の一例を模式的に示す平面図である。
【0073】
カラーフィルタCFG1は画素電極PEG1と対向し、カラーフィルタCFG2は画素電極PEG2と対向し、カラーフィルタCFR1は画素電極PER1と対向し、カラーフィルタCFR2は画素電極PER2と対向し、カラーフィルタCFBは画素電極PEBと対向し、カラーフィルタCFWは画素電極PEWと対向している。
【0074】
カラーフィルタCFG1,CFG2は、例えば、緑色の顔料によって着色された有機樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFR1,CFR2は、例えば、赤色の顔料によって着色された有機樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFBは、例えば、青色の顔料によって着色された有機樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFWは、例えば、着色されていない実質的に無色の有機樹脂材料によって形成されている。例えば、カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWについて、それぞれ画素電極と対向する位置での膜厚はいずれもほぼ等しい。但し、カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWの端部領域において、それぞれの膜厚は徐々に薄くなっている。なお、副画素PXWにおいては、カラーフィルタCFWを設けない構成を採用することもできる。但し、この場合においては、第3絶縁層IL3によってカラーフィルタ層CFLが十分に平坦化されずに、副画素PXWにおける液晶層LQの厚さが増大し、副画素PXWの表示色が黄色味を帯びる場合がある。すなわち、副画素PXWにおいて島状のカラーフィルタCFWを設けることで、副画素PXWの液晶層LQの厚さを他の副画素と同等に保ち、表示色の着色を防ぐ効果が得られる。
【0075】
カラーフィルタCFG1,CFR1は、領域A1に配置されている。カラーフィルタCFG1は、画素電極PEG1と画素電極PEBとの間の境界領域B11に位置する端部GE11と、画素電極PEG1と画素電極PER1との間の境界領域B13に位置する端部GE12と、を有している。画素PX1において、端部GE11は、ソース配線S2、S3と対向している。カラーフィルタCFG1の第2方向D2における端部GE11とは反対側の端部は、ソース配線S1と対向している。端部GE12は、領域A1の中心付近(つまり、ゲート配線G1とゲート配線G2との中間位置付近)に位置している。カラーフィルタCFG1の第1方向D1における端部GE12とは反対側の端部の一部は、接続孔CHA1を避けるようにゲート配線G1と対向している。カラーフィルタCFR1は、画素電極PER1と画素電極PEBとの間の境界領域B12に位置する端部RE11と、画素電極PEG1と画素電極PER1との間の境界領域B13に位置する端部RE12と、を有している。画素PX1において、端部RE11は、ソース配線S2、S3と対向している。カラーフィルタCFR1の第2方向D2における端部RE11とは反対側の端部は、ソース配線S1と対向している。端部RE12は、領域A1の中心付近に位置している。カラーフィルタCFR1の第1方向D1における端部RE12とは反対側の端部の一部は、接続孔CHA2を避けるようにゲート配線G2と対向している。
【0076】
カラーフィルタCFBは、領域A2に配置されている。カラーフィルタCFBは、境界領域B11及び境界領域B12に位置する端部BE11を有している。画素PX1において、端部BE11は、ソース配線S2、S3と対向している。カラーフィルタCFBの第2方向D2における端部BE11とは反対側の端部は、ソース配線S4と対向している。カラーフィルタCFBの第1方向D1における一方の端部はゲート配線G1と対向し、他方の端部の一部は、接続孔CHA3を避けるようにゲート配線G2と対向している。
【0077】
カラーフィルタCFG2,CFR2は、領域A3に配置されている。カラーフィルタCFG2は、画素電極PEG2と画素電極PEWとの間の境界領域B21に位置する端部GE21と、画素電極PEG2と画素電極PER2との間の境界領域B23に位置する端部GE22と、を有している。画素PX1において、端部GE21は、ソース配線S2、S3と対向している。カラーフィルタCFG2の第2方向D2における端部GE21とは反対側の端部は、ソース配線S1と対向している。端部GE22は、領域A3の中心付近(つまり、ゲート配線G2とゲート配線G3との中間位置付近)に位置している。カラーフィルタCFG2の第1方向D1における端部GE22とは反対側の端部の一部は、接続孔CHA4を避けるようにゲート配線G2と対向している。カラーフィルタCFR2は、画素電極PER2と画素電極PEWとの間の境界領域B22に位置する端部RE21と、画素電極PEG2と画素電極PER2との間の境界領域B23に位置する端部RE22と、を有している。画素PX1において、端部RE21は、ソース配線S2、S3と対向している。カラーフィルタCFR2の第2方向D2における端部RE21とは反対側の端部は、ソース配線S1と対向している。端部RE22は、領域A3の中心付近に位置している。カラーフィルタCFR2の第1方向D1における端部RE22とは反対側の端部の一部は、接続孔CHA5を避けるようにゲート配線G3と対向している。
【0078】
カラーフィルタCFWは、領域A4に配置されている。カラーフィルタCFWは、境界領域B21及び境界領域B22に位置する端部WE21を有している。画素PX1において、端部WE21は、ソース配線S2、S3と対向している。カラーフィルタCFWの第2方向D2における端部WE21とは反対側の端部は、ソース配線S4と対向している。カラーフィルタCFWの第1方向D1における一方の端部はゲート配線G2と対向し、他方の端部の一部は、接続孔CHA6を避けるようにゲート配線G3と対向している。
【0079】
このような画素PX1において、ソース配線S2、S3と対向する位置では、端部GE11、RE11、BE11が互いに重畳し、また、端部GE21、RE21、WE21が互いに重畳している。領域A1の中心付近では、端部GE12、RE12が互いに重畳している。領域A3の中心付近では、端部GE22、RE22が互いに重畳している。
【0080】
画素PX2のカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2も画素PX1と同様に配置され、各カラーフィルタの端部が互いに重畳している。
【0081】
また、画素PX1と画素PX2との間において、ソース配線S4と対向する位置では、画素PX1のカラーフィルタCFBの端部と画素PX2のカラーフィルタCFG1、CFR1の端部とが互いに重畳し、画素PX1のカラーフィルタCFWの端部と画素PX2のカラーフィルタCFG2、CFR2の端部とが互いに重畳している。
【0082】
また、接続孔CHの中心と、接続孔CHを介して隣り合うカラーフィルタCFの端部との距離は可能な限り等しくすると好ましい。
図8の例においては、接続孔CHA2の中心とカラーフィルタCFR1の端部との距離と、接続孔CHA2の中心とカラーフィルタCFG2の端部との距離は可能な限り等しくすると好ましい。これによって複数の基板を貼りあわせる際に生じるズレによる、画質の劣化を低減させることが出来る。
【0083】
図9Aは、
図8におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFW及び接続孔CHA1〜CHA6を示す図である。カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWは、いずれも島状に形成されており、同一色のものが接していない。つまり、いずれのカラーフィルタも異なる色の複数のカラーフィルタに囲まれている。
【0084】
図示した例では、カラーフィルタCFB,CFWのそれぞれ面積が、カラーフィルタCFG1の面積、カラーフィルタCFG2の面積、カラーフィルタCFR1の面積、及び、カラーフィルタCFR2の面積のいずれよりも大きい。但し、カラーフィルタCFBの面積は、カラーフィルタCFWの面積と必ずしも同一であるとは限らない。また、カラーフィルタCFG1の面積、カラーフィルタCFG2の面積、カラーフィルタCFR1の面積、及び、カラーフィルタCFR2の面積が互いに異なっていても良い。
【0085】
カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWは、いずれも角が丸められた平行四辺形に類似した形状である。そして、接続孔CHA1〜CHA6は、カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのいずれとも平面視で重複しない位置に設けられている。例えば
図8においては、カラーフィルタCFG1は窪み部HG1を有し、カラーフィルタCFG2は窪み部HG2を有し、カラーフィルタCFR1は窪み部HR1を有し、カラーフィルタCFR2は窪み部HR2を有し、カラーフィルタCFBは窪み部HBを有し、カラーフィルタCFWは窪み部HWを有している。接続孔CHA1は窪み部HG1に形成され、接続孔CHA2は窪み部HR1に形成され、接続孔CHA3は窪み部HBに形成され、接続孔CHA4は窪み部HG2に形成され、接続孔CHA5は窪み部HR2に形成され、接続孔CHA6は窪み部HWに形成されている。
【0086】
カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのうち、互いに隣り合うカラーフィルタの端部は互いに重畳している。カラーフィルタが重畳する重畳領域には、2つのカラーフィルタの端部が重畳する重畳領域と、3つのカラーフィルタの端部が重畳する重畳領域とが含まれる。各重畳領域において、互いに重畳しているカラーフィルタは、可視光における透過率ピークが異なる少なくとも2つの色のカラーフィルタであることが望ましい。
【0087】
例えば、画素PX1において、カラーフィルタCFG1,CFR1,CFBは、互いに隣り合っている。カラーフィルタCFG1,CFR1,CFBのそれぞれの端部のうち、2つの端部は、第1重畳領域OL1で重畳している。一例では、第1重畳領域OL1は、境界領域B11、境界領域B12、及び、境界領域B13のうちの少なくとも1つに位置している。より具体的には、境界領域B11では、端部GE11と端部BE11とが重畳している。境界領域B12では、の端部RE11と端部BE11とが重畳している。境界領域B13では、端部GE12と端部RE12とが重畳している。
【0088】
また、カラーフィルタCFG1,CFR1,CFBのそれぞれの端部のうち、3つの端部は、第1重畳領域OL1とは異なる第2重畳領域OL2で重畳している。一例では、第2重畳領域OL2は、境界領域B11、境界領域B12、及び、境界領域B13が互いに交差する交差部CR1に位置している。後に詳述するように、交差部CR1では、カラーフィルタCFG1の端部、カラーフィルタCFR1の端部、及び、カラーフィルタCFBの端部が互いに重畳している。
【0089】
カラーフィルタCFG2,CFR2,CFWは、互いに隣り合っている。
【0090】
カラーフィルタCFG2,CFR2,CFWのそれぞれの端部のうち、2つの端部は、第1重畳領域OL1で重畳している。一例では、第1重畳領域OL1は、境界領域B21、境界領域B22、及び、境界領域B23のうちの少なくとも1つに位置している。より具体的には、境界領域B21では、端部GE21と端部WE21とが重畳している。境界領域B22では、端部RE21と端部WE21とが重畳している。境界領域B23では、端部GE22と端部RE22とが重畳している。
【0091】
また、カラーフィルタCFG2,CFR2,CFWのそれぞれの端部のうち、3つの端部は、第1重畳領域OL1とは異なる第2重畳領域OL2で重畳している。一例では、第2重畳領域OL2は、境界領域B21、境界領域B22、及び、境界領域B23が互いに交差する交差部CR2に位置している。交差部CR2では、カラーフィルタCFG2の端部、カラーフィルタCFR2の端部、及び、カラーフィルタCFWの端部が互いに重畳している。
【0092】
図9Bは、
図9Aにおける9A−9B線に沿うカラーフィルタ層CFLの断面を模式的に示す図である。
【0093】
なお、本明細書において第1基板SU1に形成されたカラーフィルタ層CFLにおける「上」とは、
図6などの断面図において第1絶縁基板ISU1から離れた側、あるいは、第2基板SU2に近接する側を意味する。
【0094】
カラーフィルタCFG1は、端部GE11及び端部GE13を有している。カラーフィルタCFR1は、端部RE11及び端部RE13を有している。カラーフィルタCFBは、端部BE11及び端部BE13を有している。境界領域B11においては、端部GE11の上に端部BE11が重畳している。境界領域B12においては、端部RE11の上に端部BE11が重畳している。交差部CR1においては、端部GE13の上に端部RE13が重畳し、端部RE13の上に端部BE13が重畳している。つまり、端部BE11は、端部GE11及び端部RE11よりも第1絶縁基板から離れた側に位置している。また、端部BE13は、端部GE13及び端部RE13よりも第1絶縁基板から離れた側に位置している。また、端部RE13は、端部GE13よりも第1絶縁基板から離れた側に位置している。
【0095】
上記のような重畳構造は、緑色のカラーフィルタCFG及び赤色のカラーフィルタCFRを青色のカラーフィルタCFBよりも先行して形成することで得られる。すなわち、各カラーフィルタは、フォトリソグラフィ工程を経てパターニングされた後に、加熱処理される。青色のカラーフィルタCFBは、他の色のカラーフィルタよりも熱の影響によって退色あるいは変色しやすい場合がある。このため、カラーフィルタCFBは他の色のカラーフィルタよりも後に形成することにより、熱の影響を受けにくく、退色あるいは変色を抑制できる。また、カラーフィルタCFG及びカラーフィルタCFRについては、それぞれの加工性を考慮して形成順序を決定することが望ましい。一例では、カラーフィルタCFGがカラーフィルタCFRよりも加工性に劣る場合、カラーフィルタCFGは、カラーフィルタCFRより先に形成される。これにより、カラーフィルタCFGは、下地の凹凸の影響を受けにくく、安定して所望の形状に形成できる。
【0096】
2つの端部が重畳される境界領域B11及びB12と、3つの端部が重畳される交差部CR1とが混在する場合、カラーフィルタ層CFLの厚さにバラツキが生じやすい。特に、交差部CR1では、境界領域B11及びB12よりも厚くなりやすい。第1実施形態では、交差部CR1は、境界領域B11及びB12と略同等の厚さに形成されている。すなわち、端部GE11は膜厚TG1を有し、端部GE13は膜厚TG3を有している。また、端部RE11は膜厚TR1を有し、端部RE13は膜厚TR3を有している。また、端部BE11は膜厚TB1を有し、端部BE13は膜厚TB3を有している。これらの膜厚の大小関係については、A)膜厚TG3は膜厚TG1よりも薄い、B)膜厚TR3は膜厚TR1よりも薄い、C)膜厚TB3は膜厚TB1よりも薄い、のうちの少なくとも1つの関係を満足していれば良い。図示した例では、A)、B)、C)のいずれの関係も満足している。一例では、カラーフィルタCFG1においてその本体(画素電極PEG1と対向する領域)の膜厚TG0は、カラーフィルタCFBにおいてその本体(画素電極PEBと対向する領域)の膜厚TB0と実質的に同等である。境界領域B11において、端部GE11の膜厚TG1と端部BE11の膜厚TB1との総和は、膜厚TG0と実質的に同等である。境界領域B12において、端部RE11の膜厚TR1と端部BE11の膜厚TB1との総和は、膜厚TB0と実質的に同等である。交差部CR1において、端部GE13の膜厚TG3、端部RE13の膜厚TR3、及び、端部BE13の膜厚TB3の総和は、膜厚TG0などと実質的に同等である。したがって、境界領域B11及びB12と交差部CR1とを含むカラーフィルタ層CFLにおいて、その厚さのバラツキが抑制される。これにより、境界領域B11及びB12や、交差部CR1と対向する領域の液晶層は、ほぼ均一な厚さとなり、局所的な変調率の低下に伴う透過率の低下を抑制することが可能となる。なお「実質的に同等」の例としては、膜厚比が0.7〜1.3の間にある場合がある。
【0097】
図10は、
図7に示した遮光層BMと、ゲート配線G(G1〜G3)、ソース配線S(S1〜S6)、接続孔CHA1〜CHA6、及び接続電極CALなどとの位置関係を示す平面図である。
【0098】
遮光層BMは、ゲート配線Gのそれぞれに対して設けられ、ゲート配線Gとともに第2方向D2に沿って延びている。これらの遮光層BMは、ゲート配線G、接続孔CHA1〜CHA6、及び接続電極CALと平面視で重なっている。
【0099】
これらの遮光層BMにより、第2基板SU2の側からの光のゲート配線G及び接続電極CALなどによる反射を防ぎ、表示画像の画質を向上させることができる。なお、
図10の例においては、ソース配線Sが遮光層BMから露出している。つまり、遮光層BMは、ソース配線Sと対向する位置には形成されていない。しかしながら、
図8に示したように、ソース配線Sの近傍でカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFBを互いに重畳させることにより、ソース配線Sによる光の反射を抑制することができる。また、ソース配線Sに反射を防止するための手段を講じても良い
図10の例においては、ゲート配線G2と重なる位置にスペーサSOAが設けられている。このスペーサSOAは、液晶層LQの層厚を維持する機能を有している。スペーサSOAは、有機樹脂材料で形成され、第1基板SU1或いは第2基板SU2に設けられている。
【0100】
スペーサSOAの周囲において、遮光層BMは、スペーサSOAを中心として所定範囲に亘って拡大した拡大部ETを有している。この拡大部ETにより、スペーサSOAの周辺における液晶分子の配向乱れに起因した光漏れを防止することができる。さらに、スペーサSOAの周囲においては、第1基板SU1と第2基板SU2とが位置ずれし互いに擦れて配向乱れが生じることがあるが、このような配向乱れに起因した光漏れも拡大部ETによって防ぐことができる。
【0101】
続いて、第1実施形態から得られる効果の一例について説明する。
図11は、第1実施形態との比較例を説明するための図であって、第1方向D1に配列された画素PXaを示している。この画素PXaは、赤色に対応する副画素PXRa、緑色に対応する副画素PXGa、及び、青色に対応する副画素PXBaを含んでおり、これら副画素PXRa,PXGa,PXBaは第2方向D2に沿って並んでいる。
【0102】
図12は、
図11に示した画素PXaに配置されるカラーフィルタを示す図である。第1方向D1に沿って並ぶ副画素PXRaに対応して連続したカラーフィルタCFRaが配置されている。第1方向D1に沿って並ぶ副画素PXGaに対応して連続したカラーフィルタCFGaが配置されている。第1方向D1に沿って並ぶ副画素PXBaに対応して連続したカラーフィルタCFBaが配置されている。
【0103】
ここで、副画素PXRa,PXGa,PXBa及び第1実施形態に係る液晶表示装置DSPの副画素PXG1,PXG2,PXR1,PXR2,PXB,PXWが同一の精細度で形成される場合を想定する。この場合、
図11に示す画素PXaは第2方向D2に3つの副画素を含むのに対し、
図3などに示した画素PX1,PX2は第2方向D2に2つの副画素のみを含むため、画素PXaの第2方向D2における幅は画素PX1,PX2の第2方向D2における幅の約1.5倍の長さとなる。
【0104】
すなわち、第1実施形態によれば、画素を高精細化した場合であっても、比較的大きな画素幅を確保することができる。これにより、例えば、以下に説明するように隣り合う画素同士の混色防止が可能となる。
【0105】
混色は、画素にある色を表示させた際に、その表示色の色相の極角依存性が左右非対称となる現象である。混色の程度が悪い場合には、例えば、赤色を表示させた画素を表示面の法線方向から見た際には赤色に見えるが、高極角の領域から見た際には赤色に緑色が混ざって見えることもあり得る。このような混色は、例えば、表示パネルの主面の法線方向に対して傾いて表示パネルに入射した光が、互いに整合しないカラーフィルタと画素領域とを通過することで生じる。
【0106】
図13は、画素電極とカラーフィルタとが異なる基板に設けられた表示パネルの断面を示す図である。第1基板SU1aに画素電極PERa,PEGa,PEBaが設けられ、この第1基板SU1aと液晶層LQaを介して対向する第2基板SU2aに画素電極PERaに対応するカラーフィルタCFRaと、画素電極PEGaに対応するカラーフィルタCFGaと、画素電極PEBaに対向するカラーフィルタCFBaと、が設けられている。また、第2基板SU2aには、副画素の境界に位置する遮光層BMbが設けられている。
図13の例においては、第1基板SU1aと第2基板SU2aとが本来の位置から僅かにずれて貼り合わされた状態を示している。
【0107】
ここで、画素電極PEGa及びカラーフィルタCFGaに対応する緑色の副画素を点灯させる場合を想定する。バックライトユニットから第1基板SU1aに斜めに入射する光の一部(実線矢印)は、カラーフィルタCFGaを通って緑色を表示する。これに対し、バックライトユニットから第1基板SU1aに斜めに入射する光の他の一部(破線矢印)は、隣の画素のカラーフィルタCFBaを通って青色を表示する。これにより混色が生じる。
【0108】
このような隣の画素のカラーフィルタを透過して混色を招く不整合光は、隣り合う画素の境界で発生する。画素サイズあるいは画素幅が大きい場合には、大部分の光が本来表示すべき色のカラーフィルタを透過して表示に寄与するため、不整合光が表示に寄与する割合が極めて小さくなる。したがって、画素サイズが大きい場合には、混色が視認されにくい。
【0109】
図14は、
図13の例よりも画素幅が小さい高精細な画素を想定した図である。この場合には、
図13の例と比較して、画素サイズが小さくなる。このため、カラーフィルタCFBaを通る不整合光が表示に寄与する割合は相対的に大きくなる。したがって、画素サイズが小さい場合には、混色が視認されやすくなる。
【0110】
図15は、第1実施形態と同じく画素電極とカラーフィルタとが同じ基板に設けられたCOA方式の表示パネルの断面を示す図である。すなわち、第1基板SU1aに画素電極PERa,PEGa,PEBaと、カラーフィルタCFRa,CFGa,CFBaとが設けられている。
【0111】
一般に、異なる基板の位置合わせ精度は例えば2.5μm程度と大きく、これに対して同一基板に形成される2つの層の位置合わせ精度は例えば1.0μm程度と極めて小さい。したがって、
図15の例においては、第1基板SU1aと第2基板SU2aとがずれて貼り合わされた場合であっても、画素電極PERa,PEGa,PEBaと、カラーフィルタCFRa,CFGa,CFBaとの位置ずれが殆ど生じない。また、
図13及び
図14の例においては、画素電極PERa,PEGa,PEBaと、カラーフィルタCFRa,CFGa,CFBaとの間に液晶層LQaが介在しているが、
図15の例においては画素電極とカラーフィルタとの間に液晶層LQaが介在せず、画素電極とカラーフィルタとを接近させることができる。このため、これら画素電極とカラーフィルタに位置ずれが生じたとしても、
図13及び
図14において破線矢印で示したような不整合光の発生を抑制できる。したがって、
図15の例は、混色を防止するのに有利である。すなわち、COA方式を採用した第1実施形態によれば、高精細化したとしても混色を抑制することが可能となる。
【0112】
また、COA方式を採用した第1実施形態における表示パネルPNLは、開口率の面でも有利である。すなわち、COA方式を採用したことにより、第2基板SU2に配置される遮光層BMの面積を小さく抑えることができる。より具体的には、遮光層BMは、画素電極とカラーフィルタとをそれぞれ異なる基板上に配置する際に、配線等からの光反射の防止並びに混色低減のために必要であった。ここで配線等とは、ソース配線S、ゲート配線G、接続電極CALのことである。概略長方形の形状をした画素の境界に遮光層BMを配置する場合には、例えば、画素の長辺上つまりソース配線と対向する位置と、画素の短辺上つまりゲート配線と対向する位置とにそれぞれ遮光層が配置される。COA方式では、画素電極及びカラーフィルタを同一基板上に配置したことにより混色が生じにくいため、ソース配線Sと対向する位置の遮光層BMを省略することができる。つまり、画素の長辺上に沿った遮光層を省略することができるため、第1基板SU1と第2基板SU2との合わせずれに伴う開口率の低減を抑制することができるとともに、高開口率化にも有利である。開口率の向上により、液晶表示装置DSPの輝度も向上させることができる。
【0113】
また、画素を構成する副画素は、異なる色の副画素と隣り合っている。第1実施形態で説明した例では、画素を構成する何れの副画素も、異なる色の副画素によって囲まれている。つまり、COA方式の第1実施形態においては、何れのカラーフィルタも、異なる色のカラーフィルタと隣り合っている。これらの隣り合うカラーフィルタの端部は、互いに重畳している。異なる色のカラーフィルタが重畳した重畳領域では、カラーフィルタが単層の領域(画素電極と重なる領域を含む)と比較して、バックライトユニットからの光の透過率が極めて低く抑えられている。このため、隣り合う副画素の境界に沿った遮光層を配置する必要がない、若しくは小さくすることが出来る。したがって、第1基板SU1と第2基板SU2との合わせずれに伴う開口率の低減を抑制することができる。
【0114】
また、ソース配線Sと対向する位置の遮光層を省略した代わりに、カラーフィルタの重畳領域がソース配線Sと対向することにより、ソース配線Sによる不所望な光反射を抑制することが可能となる。このため、周囲が明るい環境下で液晶表示装置DSPを使用した場合であっても、外光反射による視認性の低下を抑制することができるとともに、コントラスト比の低下を抑制することができる。
【0115】
このように、第1実施形態によれば、混色を防止し且つ開口率を向上させた高精細な液晶表示装置DSP及びこの液晶表示装置DSPに用いられるカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0116】
一般に、カラーフィルタは、その膜厚が例えば1.5μm程度と厚く、且つ光吸収性を有するために加工性に劣る。したがって、カラーフィルタ層CFLに含まれるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWに接続孔CHA1〜CHA6に対応する孔部を設ける場合、小さな径でこれらを形成することは困難な場合がある。孔部の形成過程において残渣が生じて、当該接続孔を通じた電気的な接続が阻害される恐れがある。
【0117】
よって、第1実施形態のように、カラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWに接続孔CHA1〜CHA6に対応する孔部を設けない場合は、これらカラーフィルタの加工性による影響が少ないので好ましい。
【0118】
第3絶縁層IL3は、透明な有機膜であり、この第3絶縁層IL3の元となるポジレジストは溶剤を含んでいるため塗布直後にある程度の流動性を有する。そのため、第3絶縁層IL3は、カラーフィルタが直下に存在する位置において薄くなり、存在しない位置において厚くなる。但し、十分にこのような平坦化作用を発揮できずに、カラーフィルタが直下に無い部分において凹部を生じることがある。このような凹部の近傍においては、接続電極CALと、第3絶縁層IL3の液晶層LQ側の面に形成される共通電極CEとの間の距離が減少して、寄生容量が増大する可能性がある。この点、第1実施形態においては、
図9Aに示したようにカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWに窪み部HG1,HG2,HR1,HR2,HB,HWを設け、これら窪み部の位置に接続孔CHA1〜CHA6を形成している。したがって、上記凹部の面積が小さくなり、寄生容量の増大を防ぐことができる。
【0119】
また、接続孔CHA1がゲート配線G1の側に形成されるとともに接続孔CHA2がゲート配線G2の側に形成されているので、領域A1において画素電極PEG1,PER1の配置スペースを大きく確保することができる。同様に、接続孔CHA4がゲート配線G2の側に形成されるとともに接続孔CHA5がゲート配線G3の側に形成されているので、領域A3において画素電極PEG2,PER2の配置スペースを大きく確保することができる。したがって、高精細化した場合であっても、各領域において表示に寄与する面積を広く確保することができ、表示品位の低下を抑制できる。
【0120】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一の構成及び作用については説明を省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、カラーフィルタ層の交差部において、2つのカラーフィルタの端部が重畳しており、3つのカラーフィルタの端部が重畳していない点で相違している。
【0121】
図16は、第2実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。図中の(a)はカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのレイアウトを示す図であり、図中の(b)はカラーフィルタCFBを示す図であり、図中の(c)はカラーフィルタCFWを示す図である。
【0122】
第1実施形態と同様に、境界領域B11では端部GE11と端部BE11とが重畳し、境界領域B12では端部RE11と端部BE11とが重畳し、境界領域B13では端部GE12と端部RE12とが重畳している。また、境界領域B21では端部GE21と端部WE21とが重畳し、境界領域B22では端部RE21と端部WE21とが重畳し、境界領域B23では端部GE22と端部RE22とが重畳している。これらの境界領域B11乃至B13、及び、境界領域B21乃至B23は、第1重畳領域OL1に相当する。
【0123】
交差部CR1では、カラーフィルタCFG1の端部GE13とカラーフィルタCFR1の端部RE13とが重畳しており、カラーフィルタCFBは重畳していない。つまり、
図16の(b)で示したように、カラーフィルタCFBは、交差部CR1と重なる領域に凹部CCを有している。
【0124】
また、交差部CR2では、カラーフィルタCFG2の端部GE23とカラーフィルタCFR2の端部RE23とが重畳しており、カラーフィルタCFWは重畳していない。つまり、
図16の(c)で示したように、カラーフィルタCFWは、交差部CR2と重なる領域に凹部WCを有している。これらの交差部CR1及び交差部CR2は、第2重畳領域OL2に相当する。カラーフィルタCFWは全可視光を実質的に透過させる性質があり、遮光性を上げる材料には適していないので、交差部CR2において重畳させない方が良い。
【0125】
したがって、交差部CR1において、境界領域B11乃至B13との段差を低減することが可能となる。また、交差部CR2においても、境界領域B21乃至B23との段差を低減することが可能となる。このため、
図9Bを参照して説明したのと同様に、境界領域及び交差部と対向する領域の液晶層は、ほぼ均一な厚さとなり、局所的な変調率の低下に伴う透過率の低下を抑制することが可能となる。
【0126】
図17は、第2実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。図中の(a)はカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのレイアウトを示す図であり、図中の(b)はカラーフィルタCFR1を示す図であり、図中の(c)はカラーフィルタCFR2を示す図である。
【0127】
図17に示した例は、
図16に示した例と比較して、交差部CR1及び交差部CR2において異なる重畳構造を有する点で相違している。その他、境界領域B11乃至B13、及び、境界領域B21乃至B23の重畳構造については同一であり、説明を省略する。
【0128】
交差部CR1では、カラーフィルタCFG1の端部GE13とカラーフィルタCFBの端部BE13とが重畳しており、カラーフィルタCFR1は重畳していない。つまり、
図17の(b)で示したように、カラーフィルタCFR1は、交差部CR1と重なる領域に凹部RC1を有している。凹部RC1は、端部RE11と端部RE12とが交差する領域に形成されている。また、交差部CR2では、カラーフィルタCFG2の端部GE23とカラーフィルタCFWの端部WE23とが重畳しており、カラーフィルタCFR2は重畳していない。つまり、
図17の(c)で示したように、カラーフィルタCFR2は、交差部CR2と重なる領域に凹部RC2を有している。凹部RC2は、端部RE21と端部RE22とが交差する領域に形成されている。これらの交差部CR1及び交差部CR2は、第2重畳領域OL2に相当する。
【0129】
このような例においても、
図16に示した例と同様の効果が得られる。
【0130】
図18は、第2実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。図中の(a)はカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのレイアウトを示す図であり、図中の(b)はカラーフィルタCFG1を示す図であり、図中の(c)はカラーフィルタCFG2を示す図である。
【0131】
図18に示した例は、
図16に示した例と比較して、交差部CR1及び交差部CR2において異なる重畳構造を有する点で相違している。その他、境界領域B11乃至B13、及び、境界領域B21乃至B23の重畳構造とその利点については実質的に同様であり、説明を省略する。
【0132】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第1実施形態と同一の構成及び作用については説明を省略する。この第3実施形態では、緑色のカラーフィルタCFG2、赤色のカラーフィルタCFR2、及び、白色あるいは実質的に透明のカラーフィルタCFWが隣り合う領域に着目している。第3実施形態は、第2実施形態と比較して、境界領域B21及びB22、及び、交差部CR2において、可視光における透過率ピークが異なる少なくとも2つの色のカラーフィルタが重畳している点で相違している。なお、境界領域B11及びB12、及び、交差部CR1については、第1実施形態と同一構成であっても良いし、第2実施形態と同一構成であっても良い。
【0133】
図19は、第3実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。図中の(a)はカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのレイアウトを示す図であり、図中の(b)はカラーフィルタCFG2を示す図であり、図中の(c)はカラーフィルタCFR2を示す図である。
【0134】
境界領域B21乃至B23、及び、交差部CR2においては、カラーフィルタCFG2の端部とカラーフィルタCFR2の端部とが重畳している一方で、カラーフィルタCFWが重畳していない。すなわち、
図19の(b)で示したように、カラーフィルタCFG2は、端部GE21乃至GE23に加えて、端部GE23から突出した凸部GPを有している。また、
図19の(c)で示したように、カラーフィルタCFR2は、端部RE21乃至RE23に加えて、端部RE23から突出した凸部RPを有している。境界領域B21では、端部GE21と凸部RPとが重畳している。境界領域B22では、端部RE21と凸部GPとが重畳している。境界領域B23では、端部GE22と端部RE22とが重畳している。交差部CR2では、端部GE23と端部RE23とが重畳している。
【0135】
したがって、交差部CR2において、境界領域B21乃至B23との段差を低減することが可能となる。このため、
図9Bを参照して説明したのと同様に、境界領域及び交差部と対向する領域の液晶層は、ほぼ均一な厚さとなり、局所的な変調率の低下に伴う透過率の低下を抑制することが可能となる。
【0136】
また、境界領域B21及びB22、及び、交差部CR2は、
図8を参照して説明した通り、ソース配線S2及びS3と対向する領域である。これらの境界領域及び交差部では、可視光における透過率ピークが異なる少なくとも2つの色のカラーフィルタが重畳しているため、ソース配線S2及びS3による不所望な光反射を抑制することが可能となる。したがって、コントラスト比の低下を抑制することが可能となる。また、本実施形態において全可視光を実質的に透過させる白色又は無色のカラーフィルタCFWを、境界領域及び交差部に形成していないのでカラーフィルタCFの全体の薄膜化を実現している。
【0137】
図20は、第3実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。図中の(a)はカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWのレイアウトを示す図であり、図中の(b)はカラーフィルタCFG2を示す図であり、図中の(c)はカラーフィルタCFR2を示す図である。
【0138】
図20に示した例は、
図19に示した例と比較して、境界領域B21乃至B23、及び、交差部CR2のみならず、境界領域B24乃至B25、及び、交差部CR3においても2つのカラーフィルタの端部が重畳している点で相違している。なお、境界領域B24乃至B25、及び、交差部CR3は、ソース配線S1と対向する領域である。
【0139】
境界領域B21乃至B23、及び、交差部CR2においては、カラーフィルタCFG2の端部とカラーフィルタCFR2の端部とが重畳している一方で、カラーフィルタCFWが重畳していない。また、境界領域B24乃至B25、及び、交差部CR3においても、カラーフィルタCFG2の端部とカラーフィルタCFR2の端部とが重畳している。
【0140】
すなわち、
図20の(b)で示したように、カラーフィルタCFG2は、端部GE21乃至GE23に加えて、端部GE23から突出した凸部GP1と、端部GE21とは反対側に位置する端部GE24と、端部GE22を挟んで端部GE23とは反対側に位置する端部GE25と、端部GE25から突出した凸部GP2と、を有している。凸部GP1は凸部GP2よりも幅広に形成されている。
図20の(c)で示したように、カラーフィルタCFR2は、端部RE21乃至RE23に加えて、端部RE23から突出した凸部RP1と、端部RE21とは反対側に位置する端部RE24と、端部RE22を挟んで端部RE23とは反対側に位置する端部RE25と、端部RE25から突出した凸部RP2と、を有している。凸部RP1は凸部RP2よりも幅広に形成されている。
【0141】
境界領域B21では、端部GE21と凸部RP1とが重畳している。境界領域B22では、端部RE21と凸部GP1とが重畳している。境界領域B23では、端部GE22と端部RE22とが重畳している。交差部CR2では、端部GE23と端部RE23とが重畳している。境界領域B24では、端部GE24と凸部RP2とが重畳している。境界領域B25では、端部RE24と凸部GP2とが重畳している。交差部CR3では、端部GE25と端部RE25とが重畳している。
【0142】
得られる効果については、
図19に示した例と実質的同様であるので省略する。
【0143】
図21は、第3実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。
【0144】
図21に示した例は、
図19に示した例と比較して、境界領域B21乃至B22、及び、交差部CR2において異なる重畳構造を有する点で相違している。すなわち、境界領域B21乃至B22、及び、交差部CR2においては、青色のカラーフィルタCFBとは別に、島状に形成された青色のカラーフィルタCFBAが配置されている。なお、カラーフィルタCFBAは、カラーフィルタCFBと一体的に形成されていても良い。
【0145】
境界領域B21では、端部GE21とカラーフィルタCFBAとが重畳している。境界領域B22では、端部RE21とカラーフィルタCFBAとが重畳している。境界領域B23では、端部GE22と端部RE22とが重畳している。交差部CR2では、端部GE23と端部RE23とカラーフィルタCFBAとが重畳している。これらの境界領域B21乃至B22、及び、交差部CR2では、カラーフィルタCFWは重畳していない。なお、各カラーフィルタの重畳順序は、
図9Bを参照して説明したのと同様であり、カラーフィルタCFBAがカラーフィルタCFG2及びCFR2よりも上側に位置していることが望ましい。
【0146】
このような例によれば、境界領域B21及びB22、及び、交差部CR2において、赤色のカラーフィルタCFR2と緑色のカラーフィルタCFG2とを重畳した場合と比較して、さらにソース配線S1乃至S3による不所望な光反射を抑制することが可能となる。したがって、コントラスト比の低下を抑制することが可能となる。
【0147】
図22は、第3実施形態におけるカラーフィルタCFG1,CFG2,CFR1,CFR2,CFB,CFWを示す図である。
【0148】
図22に示した例は、
図21に示した例と比較して、交差部CR2において異なる重畳構造を有する点で相違している。すなわち、境界領域B21においては、島状に形成された青色のカラーフィルタCFBAが配置され、境界領域B22においては、島状に形成された青色のカラーフィルタCFBBが配置されている。交差部CR2には、カラーフィルタCFBA及びCFBBのいずれも配置されていない。
【0149】
境界領域B21では、端部GE21とカラーフィルタCFBAとが重畳している。境界領域B22では、端部RE21とカラーフィルタCFBBとが重畳している。境界領域B23では、端部GE22と端部RE22とが重畳している。交差部CR2では、端部GE23と端部RE23とが重畳している。これらの境界領域B21乃至B22、及び、交差部CR2では、カラーフィルタCFWは重畳していない。
【0150】
このような例によれば、境界領域B21及びB22、及び、交差部CR2において、赤色のカラーフィルタCFR2と緑色のカラーフィルタCFG2とを重畳した場合と比較して、さらにソース配線S1乃至S3による不所望な光反射を抑制することが可能となる。したがって、コントラスト比の低下を抑制することが可能となる。
【0151】
また、交差部CR2において境界領域B21乃至B23との段差を低減することが可能となる。このため、
図9Bを参照して説明したのと同様に、境界領域及び交差部と対向する領域の液晶層は、ほぼ均一な厚さとなり、局所的な変調率の低下に伴う透過率の低下を抑制することが可能となる。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。