特許第6450596号(P6450596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6450596プレート式熱交換器及び冷凍サイクル装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6450596
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】プレート式熱交換器及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/02 20060101AFI20181220BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20181220BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20181220BHJP
【FI】
   F28D9/02
   F28F3/08 301Z
   F25B39/00 H
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-4035(P2015-4035)
(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公開番号】特開2016-130597(P2016-130597A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】図司 貴宏
【審査官】 伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−106385(JP,A)
【文献】 特開平10−288480(JP,A)
【文献】 特開2003−194489(JP,A)
【文献】 特開2007−187353(JP,A)
【文献】 特開2013−231590(JP,A)
【文献】 特開2000−171177(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103591722(CN,A)
【文献】 実開昭63−090765(JP,U)
【文献】 特開2011−058663(JP,A)
【文献】 特開2013−061115(JP,A)
【文献】 特開2014−074508(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102012209431(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 9/00−9/02
F25B 39/00−39/04
F28F 3/08
F24H 4/00
F24F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を対向させて積層された複数のプレートを備え、隣り合う前記プレートの間にそれぞれ流路が形成され、前記プレートを挟んで隣り合う前記流路の各々を流れる流体同士が熱交換するプレート式熱交換器であって、
前記複数のプレートによって形成される複数の前記流路は、
第1流体が流れる第1流路と、
第2流体が流れる第2流路と、
前記第1流路と隣り合うとともに第3流体が流れ、この第3流体と前記第1流路を流れる前記第1流体とが熱交換する第3流路と、
前記第2流路と隣り合うとともに前記第3流路を通過した後の前記第3流体が流れ、この第3流体と前記第2流路を流れる前記第2流体とが熱交換する第4流路と、
前記第3流体が流れ、前記第3流路と前記第4流路とを繋ぐ第5流路と、を含
前記複数のプレートは、第1側辺部と、この第1側辺部の反対側の第2側辺部と、を有し、
前記第5流路は、前記第3流路の前記第1側辺部の側と、前記第4流路の前記第2側辺部の側とを繋ぐ、プレート式熱交換器。
【請求項2】
前記第3流路の断面積及び前記第4流路の断面積は、前記第1流路の断面積及び前記第2流路の断面積よりも大きい、
請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
前記第1流路及び前記第3流路のうち前記第2流路及び前記第4流路の側に位置する一方と、前記第2流路及び前記第4流路のうち前記第1流路及び前記第3流路の側に位置する一方との間に形成された空間部をさらに含む、
請求項1又は2に記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
記第1流体及び前記第2流体は、前記第1流路及び前記第2流路において、前記第1側辺部の側から前記第2側辺部の側に向かう第1方向に流れ、
前記第3流体は、前記第3流路及び前記第4流路において、前記第2側辺部の側から前記第1側辺部の側に向かう前記第1方向とは逆の第2方向に流れ、第5流路において、前記第1方向に流れる、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項5】
前記複数のプレートによって形成される複数の前記流路は、
前記第3流路と隣り合うとともに第4流体が流れ、この第4流体と前記第3流路を流れる前記第3流体とが熱交換する第6流路と、
前記第4流路と隣り合うとともに第5流体が流れ、この第5流体と前記第4流路を流れる前記第3流体とが熱交換する第7流路と、
をさらに含む、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項6】
主面を対向させて積層された複数のプレートを備え、隣り合う前記プレートの間にそれぞれ流路が形成され、前記プレートを挟んで隣り合う前記流路の各々を流れる流体同士が熱交換するプレート式熱交換器と、
第1圧縮機、第1熱交換器、第1膨張装置、及び前記プレート式熱交換器を含み、第1流体が流れる第1流体回路と、
第2圧縮機、第2熱交換器、第2膨張装置、及び前記プレート式熱交換器を含み、第2流体が流れる第2流体回路と、
前記プレート式熱交換器を含み、第3流体が流れる第3流体回路と、
を備え、
前記プレート式熱交換器において、前記複数のプレートによって形成される複数の前記流路は、
前記第1流体が流れる第1流路と、
前記第2流体が流れる第2流路と、
前記第1流路と隣り合うとともに前記第3流体が流れ、この第3流体と前記第1流路を流れる前記第1流体とが熱交換する第3流路と、
前記第2流路と隣り合うとともに前記第3流路を通過した後の前記第3流体が流れ、この第3流体と前記第2流路を流れる前記第2流体とが熱交換する第4流路と、
前記3流路と前記第4流路とを繋ぐ第5流路と、を含
前記複数のプレートは、第1側辺部と、この第1側辺部の反対側の第2側辺部と、を有し、
前記第5流路は、前記第3流路の前記第1側辺部の側と、前記第4流路の前記第2側辺部の側とを繋ぐ、冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プレート式熱交換器及び冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
主面を対向させて積層されるとともに周縁部が接合された複数のプレートを備え、隣り合うプレートの間にそれぞれ流路が形成されたプレート式熱交換器、及び、この熱交換器を蒸発器或いは凝縮器として用いた冷凍サイクル装置が知られている。プレート式熱交換器においては、プレートを挟んで隣り合う流路にそれぞれ流体が流れ、これらの流体がプレートを介して熱交換する。
【0003】
一般に、流体が複数のプレート式熱交換器を順に流れるようにこれらの熱交換器を直列に接続し、これらの熱交換器をそれぞれ蒸発器として機能させる多段蒸発の冷凍サイクル、或いはこれらの熱交換器をそれぞれ凝縮器として機能させる多段凝縮の冷凍サイクルを構成した場合、1段蒸発或いは1段凝縮の冷凍サイクルに比べて成績係数(COP)を向上させることが可能である。
【0004】
多段蒸発或いは多段凝縮の冷凍サイクルにおいては、各プレート式熱交換器を接続する配管が必要となるために、コストの上昇、設置スペースの増大、或いは当該配管による圧力損失の増大といった問題が生じ得る。
【0005】
また、多段蒸発或いは多段凝縮の冷凍サイクルにおいては、各プレート式熱交換器の流入口及び流出口における流体の温度差を小さくすることができるため、流体の流量を増加させることが可能である。しかしながら、流量の増加に伴い流速が速まると流体の圧力損失の増大を招き、流体を各プレート式熱交換器に送る動力を流量の増加以上に高めなければならないなど、効率面でも改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−287574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様における目的は、多段蒸発或いは多段凝縮の冷凍サイクルに利用した場合に当該サイクルの製造コストの低減、設置スペースの低減、或いは高効率化などを図ることが可能なプレート式熱交換器、及び、当該熱交換器を用いた冷凍サイクル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係るプレート式熱交換器は、主面を対向させて積層された複数のプレートを備え、隣り合う上記プレートの間にそれぞれ流路が形成され、上記プレートを挟んで隣り合う上記流路の各々を流れる流体同士が熱交換するプレート式熱交換器であって、上記複数のプレートによって形成される複数の上記流路は、第1流体が流れる第1流路と、第2流体が流れる第2流路と、上記第1流路と隣り合うとともに第3流体が流れ、この第3流体と上記第1流路を流れる上記第1流体とが熱交換する第3流路と、上記第2流路と隣り合うとともに上記第3流路を通過した後の上記第3流体が流れ、この第3流体と上記第2流路を流れる上記第2流体とが熱交換する第4流路と、前記第3流路と前記第4流路とを繋ぐ第5流路と、を含む。上記複数のプレートは、第1側辺部と、この第1側辺部の反対側の第2側辺部と、を有する。上記第5流路は、上記第3流路の上記第1側辺部の側と、上記第4流路の上記第2側辺部の側とを繋ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るプレート式熱交換器における熱交換作用を説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態に係るプレート式熱交換器の一構成例を示す分解図である。
図4A図4Aは、図1に示したプレート式熱交換器に適用可能な構成の一例を示す図である。
図4B図4Bは、図1に示したプレート式熱交換器に適用可能な構成の一例を示す図である。
図5A図5Aは、図4AにおけるV−V線に沿った断面の一例を示す図である。
図5B図5Bは、第1実施形態の変形例を示す図である。
図5C図5Cは、第1実施形態の変形例を示す図である。
図6図6は、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成例を概略的に示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係るプレート式熱交換器における熱交換作用を説明するための図である。
図8A図8Aは、図6に示したプレート式熱交換器に適用可能な構成の一例を示す図である。
図8B図8Bは、図6に示したプレート式熱交換器に適用可能な構成の一例を示す図である。
図8C図8Cは、図6に示したプレート式熱交換器に適用可能な構成の一例を示す図である。
図9A図9Aは、図8AにおけるIX−IX線に沿った断面の一例を示す図である。
図9B図9Bは、第2実施形態の変形例を示す図である。
図9C図9Cは、第2実施形態の変形例を示す図である。
図10図10は、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成例を概略的に示す図である。
図11図11は、第3実施形態において凝縮器として機能するプレート式熱交換器における熱交換作用を説明するための図である。
図12図12は、第3実施形態において蒸発器として機能するプレート式熱交換器における熱交換作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置R1の構成例を概略的に示す図である。図示した冷凍サイクル装置R1は、第1流体回路C1と、第2流体回路C2と、第3流体回路C3と、制御部1とを備える。
【0012】
第1流体回路C1は、圧縮機10と、熱交換器11と、膨張装置12と、プレート式熱交換器EXと、第1配管K1とを含み、第1流体の一例である冷媒が循環する。圧縮機10の吐出口10aと熱交換器11、熱交換器11と膨張装置12、膨張装置12とプレート式熱交換器EXの第1流入口E1、プレート式熱交換器EXの第1流出口O1と圧縮機10の吸入口10bが、それぞれ第1配管K1によって接続されている。
【0013】
第2流体回路C2は、圧縮機20と、熱交換器21と、膨張装置22と、上記プレート式熱交換器EXと、第2配管K2とを含み、第2流体の一例である冷媒が循環する。圧縮機20の吐出口20aと熱交換器21、熱交換器21と膨張装置22、膨張装置22とプレート式熱交換器EXの第2流入口E2、プレート式熱交換器EXの第2流出口O2と圧縮機20の吸入口20bが、それぞれ第2配管K2によって接続されている。
【0014】
圧縮機10,20は、例えば、運転周波数が可変のインバータ制御によって駆動される圧縮機であって、インバータ装置を介して商用交流電源等の電源に電気的に接続されている。膨張装置12,22としては、例えば、入力される駆動パルスの数に応じて開度が変化するパルスモータバルブを利用することができる。図1の例においては、熱交換器11に対向して送風ファン13が配置され、熱交換器21に対向して送風ファン23が配置されている。
【0015】
第3流体回路C3は、循環ポンプ30と、上記プレート式熱交換器EXと、第3配管K3a,K3bとを含み、第3流体の一例である水が循環する。第3配管K3aはプレート式熱交換器EXの第3流入口E3に接続され、第3配管K3bはプレート式熱交換器EXの第3流出口O3に接続されている。循環ポンプ30は、第3配管K3aに設けられ、第3配管K3a内の水を第3流入口E3に送る。
【0016】
プレート式熱交換器EXは、第1流入口E1と第1流出口O1の間に第1流体回路C1の冷媒が流れる少なくとも1本の第1流路P1を備え、第2流入口E2と第2流出口O2の間に第2流体回路C2の冷媒が流れる少なくとも1本の第2流路P2を備え、第3流入口E3と第3流出口O3の間に第3流体回路C3の水が流れる少なくとも1本の第3流路P3及び少なくとも1本の第4流路P4を備える。第3流路P3は第3流入口E3側に位置し、第4流路P4は第3流出口O3側に位置し、これらは直列に接続されている。図1の例においては、2本の第1流路P1と、2本の第2流路P2と、3本の第3流路P3と、3本の第4流路P4とが設けられ、各第1流路P1と各第3流路P3が交互に並び、各第2流路P2と各第4流路P4が交互に並んでいる。プレート式熱交換器EXは、さらに、第5流路P5を備えている。第5流路P5は、第3流体回路C3の水が流れる流路であって、第3流路P3と第4流路P4とを繋いでいる。
【0017】
図1に示した冷凍サイクル装置R1の各要素は、例えば、筐体Hの内部に収容されている。なお、第3配管K3a,K3bは、この筐体Hの外部に延出している。制御部1は、各圧縮機10,20、各膨張装置12,22、各送風ファン13,23、及び循環ポンプ30などを制御する。
【0018】
本実施形態において、熱交換器11及び熱交換器21は凝縮器として機能し、プレート式熱交換器EXは蒸発器として機能する。すなわち、第1流体回路C1において、圧縮機10にて圧縮された冷媒は熱交換器11にて空冷されて凝縮した後、膨張装置12及び第1流入口E1を通って第1流路P1に流入し、第3流路P3を流れる水と熱交換して蒸発し、第1流出口O1から流出して圧縮機10に戻る。また、第2流体回路C2において、圧縮機20にて圧縮された冷媒は熱交換器21にて空冷されて凝縮した後、膨張装置22及び第2流入口E2を通って第2流路P2に流入し、第4流路P4を流れる水と熱交換して蒸発し、第2流出口O2から流出して圧縮機20に戻る。
【0019】
図2は、プレート式熱交換器EXにおける熱交換作用を説明するための図であって、第3流路P3及び第4流路P4を流れる水の温度TW、第1流路P1を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE1、及び、第2流路P2を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE2の関係を示す。横軸はプレート式熱交換器EXにおける水の流路の位置を示しており、第3流出口O3を起点としている。縦軸は温度(℃)である。
【0020】
第3配管K3aから第3流入口E3に流入した温度TW1の水は、第3流路P3を通る際に第1流路P1を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE1)により温度TW2に冷却され、その後、第4流路P4を通る際に第2流路P2を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE2)により更に冷却されて、温度TW3となる。なお、蒸発温度TE1は温度TW2未満の値に設定され(TE1<TW2)、蒸発温度TE2は温度TW3未満(TE2<TE3)かつ、蒸発温度TE1未満の値に設定される(TE1>TE2)。
【0021】
このように、図1に示した構成例によれば、多段蒸発(図1の例においては2段蒸発)の冷凍サイクル装置R1を実現することができる。例えば、温度TW3に冷却され第3流出口O3から第3配管K3bに流出した水は、図示せぬタンクなどを通った後、第3配管K3aに戻る。例えば、本実施形態に係る冷凍サイクル装置R1は、第3配管K3bを通る水或いは上記タンクに溜められた水を冷却対象物を冷却するための配管に導くことで、冷却専用のチラーとして利用することができる。
【0022】
図3は、プレート式熱交換器EXの一構成例を示す分解図である。この図に示すプレート式熱交換器EXは、第1カバープレートCPL1と、第2カバープレートCPL2と、複数のプレートPL1〜PL18とを備える。プレートPL1〜PL18は、第1カバープレートCPL1及び第2カバープレートCPL2の間に配置される。
【0023】
各プレートCPL1,CPL2,PL1〜PL18は、第1側辺部S1と、この第1側辺部S1の反対側の第2側辺部S2とを有する。第1側辺部S1及び第2側辺部S2は、いずれもX方向と平行に延びる。図3の例において、各プレートCPL1,CPL2,PL1〜PL18は、短辺である第1側辺部S1及び第2側辺部S2と、X方向と直交するY方向に延びる一対の長辺とを有する長方形状である。各プレートCPL1,CPL2,PL1〜PL18は、それぞれの主面を対向させてX方向及びY方向と直交するZ方向に積層されている。各プレートCPL1,CPL2,PL1〜PL18の周縁部は、ろう付けなどにより接合されている。
【0024】
第1カバープレートCPL1は、上述の第1流入口E1、第1流出口O1、及び第3流入口E3を備える。第2カバープレートCPL2は、上述の第2流入口E2、第2流出口O2、及び第3流出口O3を備える。
【0025】
プレートPL1〜PL18は、例えばヘリンボーン型である凹凸パターンを有している。図3においては、このヘリンボーン型の凹凸パターンの稜線をV字型で示している。プレートPL1〜PL18の凹凸パターンは、交互に上下が反転している。
【0026】
Z方向に順に並ぶプレートPL1及びプレートPL2の間には流路Paが形成され、Z方向に順に並ぶプレートPL2及びプレートPL3の間には流路Pbが形成される。以降、プレートPL18まで交互に流路Paと流路Pbが形成される。上述の第1流路P1、第2流路P2、第3流路P3、第4流路P4及び第5流路P5は、いずれもこれら流路Pa,Pbによって構成される。
【0027】
図4Aは、第3流体回路C3の水のプレート式熱交換器EXにおける流れの一例を示す図である。図4Bは、第1流体回路C1及び第2流体回路C2の冷媒のプレート式熱交換器EXにおける流れの一例を示す図である。図4A及び図4Bは、図3に示したプレート式熱交換器EXのY−Z平面と平行な断面の模式図に相当する。
【0028】
図4A及び図4Bに示すプレート式熱交換器EXは、第1カバープレートCPL1及び第2カバープレートCPL2の間に、プレートPL1〜PL18を備える。これらのプレートPL1〜PL18により、9本の流路Paと、8本の流路Pbとが交互に形成される。
【0029】
図4Aに示すように、第3流入口E3からプレート式熱交換器EXに流入した水は、主流路MP101を通って第1カバープレートCPL1側の3本の流路Paに分流され、その後、主流路MP102で合流する。主流路MP102を流れる水は、3本の流路Paと2本の流路Pbに分流され、その後、主流路MP103で合流する。主流路MP103を流れる水は、第2カバープレートCPL2側の3本の流路Paに分流され、その後、主流路MP104で合流し、第3流出口O3から流出する。この例においては、第1カバープレートCPL1側の3本の流路Paが第3流路P3に相当し、第2カバープレートCPL2側の3本の流路Paが第4流路P4に相当する。そして、第3流路P3と第4流路P4との間の3本の流路Paおよび2本の流路Pbが第5流路P5に相当する。
【0030】
図4Bに示すように、第1流入口E1からプレート式熱交換器EXに流入した冷媒は、主流路MP105を通って第1カバープレートCPL1側の2本の流路Pbに分流され、その後、主流路MP106で合流し、第1流出口O1から流出する。また、第2流入口E2からプレート式熱交換器EXに流入した冷媒は、主流路MP107を通って第2カバープレートCPL2側の2本の流路Pbに分流され、その後、主流路MP108で合流し、第2流出口O2から流出する。この例においては、第1カバープレートCPL1側の2本の流路Pbが第1流路P1に相当し、第2カバープレートCPL2側の2本の流路Pbが第2流路P2に相当する。
【0031】
図4A及び図4Bに示す8本の流路Pbのうち、第1カバープレートCPL1側から3番目の流路Pbに、水も冷媒も流入しない第1空間層SP1が形成され、第2カバープレートCPL2側から3番目の流路Pbに、水も冷媒も流入しない第2空間層SP2が形成される。
【0032】
第1流路P1に相当する各流路Pbにおける冷媒は第1方向D1に流れ、第2流路P2に相当する各流路Pbにおける冷媒は第1方向D1に流れ、第3流路P3に相当する各流路Paにおける水は第1方向D1と逆の第2方向D2に流れ、第4流路P4に相当する各流路Paにおける水は第2方向D2に流れ、第5流路P5に相当する各流路Pa,Pbにおける水は第1方向D1に流れる。第1方向D1は各プレートPL1〜PL18の第1側辺部S1から第2側辺部S2に向かう方向であり、第2方向D2は第2側辺部S2から第1側辺部S1に向かう方向である。なお、プレート式熱交換器EXは、例えば第1側辺部S1の側が下側に位置するように設置される。この場合において、第1方向D1及び第2方向D2は、重力方向と平行になる。
【0033】
一般に、各プレートPL1〜PL18を挟んで隣り合う流路を流れる水と冷媒の熱交換効率は、これらの流れ方向が同一である場合よりも、これらの流れ方向が互いに逆の場合(カウンターフロー)において高くなる。図4A及び図4Bの例においては、第1流路P1を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水、及び、第2流路P2を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水が、いずれもカウンターフローとなっている。このような流れ方向により、プレート式熱交換器EXの熱交換効率を高めることが可能となる。
【0034】
さらに、プレート式熱交換器EXが蒸発器として機能する場合には、冷媒が下降方向(重力方向)に流れる場合よりも、上昇方向(重力方向の反対方向)に流れる場合に良好な熱交換効率を得ることができる。本実施形態においては、カウンターフローを実現しつつも、第1流路P1及び第2流路P2の冷媒を上昇方向に流すことにより、プレート式熱交換器EXの熱交換効率を高めることが可能となる。
【0035】
図5Aは、図4AにおけるV−V線に沿った断面の一例を示す図である。この図に示す断面は、プレートPL1〜PL18に上述のヘリンボーン型の凹凸パターンを形成した場合に得られるものである。X方向に並ぶ複数の6角形状の断面領域が流路Paに相当し、X方向に並ぶ複数の4角形状(菱形)の断面領域が流路Pbに相当する。図5A及び図5Bに示すプレート式熱交換器EXは、第1カバープレートCPL1と第2カバープレートCPL2の間に、18枚のプレートPL1〜PL18を備える。これらのプレートPL1〜PL18により、9本の流路Paと、8本の流路Pbとが交互に形成される。
【0036】
第1カバープレートCPL1側の3本の流路Paが第3流路P3に相当し、第2カバープレートCPL2側の3本の流路Paが第4流路P4に相当する。第1カバープレートCPL1側の2本の流路Pbが第1流路P1に相当し、第2カバープレートCPL2側の2本の流路Pbが第2流路P2に相当する。第1カバープレートCPL1側から3番目の流路Pbは水も冷媒も流入しない第1空間層SP1に相当し、第2カバープレートCPL2側から3番目の流路Pbは水も冷媒も流れない第2空間層SP2に相当する。また、第1空間層SP1と第2空間層SP2の間の3本の流路Pa及び2本の流路Pbが第5流路P5に相当する。
【0037】
水が流れる第3流路P3、第4流路P4及び第5流路SP5の断面積を大きくすることで、これら流路における圧力損失を抑えることができる。図5Aの例において、流路Paに相当する6角形状の断面領域のX方向における幅はW1であり、流路Pbに相当する4角形状の断面領域のX方向における幅はW1よりも小さいW2であり(W1>W2)、これら断面領域のZ方向における高さは同一である。すなわち、図5Aの例において、第3流路P3、第4流路P4及び第5流路P5の各々の断面積は、第1流路P1及び第2流路P2の各々の断面積よりも大きく定められている。さらに、図4Aに示した第3流入口E3及び第3流出口O3の断面積(例えば内径)の各々を、図4Bに示した第1流入口E1、第2流入口E2、第1流出口O1、及び第2流出口O2の断面積の各々よりも大きくしてもよい。また、図4Aに示した主流路MP101〜MP104の断面積の各々を、図4Bに示した主流路MP105〜MP108の断面積の各々よりも大きくしてもよい。各部の断面積の具体的な値は、水及び冷媒の流速と圧力損失との関係などを考慮して、実験的、理論的、或いは経験的に定められる。
【0038】
図5Aの例においては、ヘリンボーン型の凹凸パターンを採用したことにより、第1流路P1と第3流路P3とが面する面積、及び、第2流路P2と第4流路P4とが面する面積を大きく確保できるため、熱交換効率を高めることが可能となる。一方で、第1空間SP1及び第2空間層SP2に相当する流路Pbを設けたことにより、第5流路SP5を流れる水と第3流路P3及び第4流路P4を流れる水との熱交換を抑制することができる。また、第5流路P5を構成するプレートPL7〜PL12は、凸部同士が接触する多数の接点を有しているために、十分な耐圧能を確保できる。
【0039】
圧力損失を減らすために、第5流路P5の断面積は第3流路P3の断面積及び第4流路P4の断面積と同等以上に設計することが望ましい。図5Aの例において、第3流路P3の断面積は第1カバープレートCPL1と第1空間層SP1との間に並ぶ6角形状の流路の合計面積に相当し、第4流路P4の断面積は第2空間層SP2と第2カバープレートCPL2との間に並ぶ6角形状の流路の合計面積に相当し、第5流路P5の断面積は第1空間層SP1及び第2空間層SP2の間に並ぶ6角形状及び4角形状の流路の合計面積に相当する。
【0040】
なお、図5Bに示すように、第1空間層SP1及び第2空間層SP2をそれぞれ隣り合う流路Pa,Pbにより構成してもよいし、より多くの流路Pa,Pbにより構成してもよい。これらの場合には、第5流路P5を流れる水と第3流路P3及び第4流路P4を流れる水とをより効果的に断熱することができる。また、第1空間層SP1及び第2空間層SP2のいずれか一方のみを設けてもよいし、図5Cに示すように第1空間層SP1及び第2空間層SP2を設けなくてもよい。
【0041】
以上説明した第1実施形態に係るプレート式熱交換器EX及び冷凍サイクル装置R1によれば、多段蒸発の冷凍サイクルを構成することができる。したがって、1段蒸発の冷凍サイクルに比べて成績係数(COP)を向上させることが可能である。
【0042】
また、多段蒸発に必要な流路P1〜P4を1つのプレート式熱交換器EXに設けているために、複数の熱交換器により多段蒸発を実現する場合に比べて配管数が減り、コストの上昇、設置スペースの増大、或いは当該配管による圧力損失の増大などを防ぐことができる。
【0043】
また、圧縮機10,20が独立しているために、複数の圧縮機を並列接続して冷凍サイクルの大能力化を図る場合に必要な均油回路、油戻し回路、油回収運転などが不要となり、サイクルの効率を高めることができる。圧縮機10,20の一方が故障した場合でも、他方を用いてバックアップ運転が可能であるとの効果も得られる。
【0044】
また、水が流れる流路(第3流路P3及び第4流路P4等)の断面積を大きくしているために第3流体回路C3における圧力損失が減るので、循環ポンプ30に必要な動力を低減することができる。
【0045】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図6は、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置R2の構成例を概略的に示す図である。この冷凍サイクル装置R2は、第4流体回路C4と、第5流体回路C5とをさらに備える点で、図1に示した冷凍サイクル装置R1と相違する。
【0046】
第4流体回路C4は、圧縮機40と、熱交換器41と、膨張装置42と、プレート式熱交換器EXと、第4配管K4とを含み、第4流体の一例である冷媒が循環する。圧縮機40の吐出口40aと熱交換器41、熱交換器41と膨張装置42、膨張装置42とプレート式熱交換器EXの第4流入口E4、プレート式熱交換器EXの第4流出口O4と圧縮機40の吸入口40bが、それぞれ第4配管K4によって接続されている。
【0047】
第5流体回路C5は、圧縮機50と、熱交換器51と、膨張装置52と、プレート式熱交換器EXと、第5配管K5とを含み、第5流体の一例である冷媒が循環する。圧縮機50の吐出口50aと熱交換器51、熱交換器51と膨張装置52、膨張装置52とプレート式熱交換器EXの第5流入口E5、プレート式熱交換器EXの第5流出口O5と圧縮機50の吸入口50bが、それぞれ第5配管K5によって接続されている。
【0048】
圧縮機40及び圧縮機50は、例えば、運転周波数が可変のインバータ制御によって駆動される圧縮機であって、インバータ装置を介して商用交流電源等の電源に電気的に接続されている。膨張装置42及び膨張装置52としては、例えば、入力される駆動パルスの数に応じて開度が連続的に変化するパルスモータバルブを利用することができる。図6の例においては、熱交換器41に対向して送風ファン43が配置され、熱交換器51に対向して送風ファン53が配置されている。
【0049】
第4流体回路C4及び第5流体回路C5の各要素は、例えば、筐体Hの内部に収容されている。
【0050】
プレート式熱交換器EXは、第4流入口E4と第4流出口O4の間に第4流体回路C4の冷媒が流れる少なくとも1本の第6流路P6を備え、第5流入口E5と第5流出口O5の間に第5流体回路C5の冷媒が流れる少なくとも1本の第7流路P7を備える。図6の例においては、2本の第1流路P1と、2本の第2流路P2と、5本の第3流路P3と、5本の第4流路P4と、2本の第6流路P6と、2本の第7流路P7と、第3流路P3と第4流路P4を繋ぐ第5流路P5とが設けられ、各第1流路P1、各第3流路P3、及び各第6流路P6が交互に並び、各第2流路P2、各第4流路P4、及び各第7流路P7が交互に並んでいる。
【0051】
本実施形態において、熱交換器11,21,41,51は凝縮器として機能し、プレート式熱交換器EXは蒸発器として機能する。第4流体回路C4において、圧縮機40にて圧縮された冷媒は熱交換器41にて空冷されて凝縮した後、膨張装置42及び第4流入口E4を通って第6流路P6に流入し、第3流路P3を流れる水と熱交換して蒸発し、第4流出口O4から流出して圧縮機40に戻る。また、第5流体回路C5において、圧縮機50にて圧縮された冷媒は熱交換器51にて空冷されて凝縮した後、膨張装置52及び第5流入口E5を通って第7流路P7に流入し、第4流路P4を流れる水と熱交換して蒸発し、第5流出口O5から流出して圧縮機50に戻る。
【0052】
図7は、プレート式熱交換器EXにおける熱交換作用を説明するための図であって、第3流路P3及び第4流路P4を流れる水の温度TW、第1流路P1を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE1、第2流路P2を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE2、第6流路P6を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE6、及び、第7流路P7を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE7の関係を示す。横軸はプレート式熱交換器EXにおける水の流路の位置を示しており、第3流出口O3を起点としている。縦軸は温度(℃)である。
【0053】
第3配管K3aから第3流入口E3に流入した温度TW1の水は、第3流路P3を通る際に、第1流路P1を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE1)及び第6流路P6を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE6)により温度TW2に冷却され、その後、第4流路P4を通る際に第2流路P2を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE2)及び第7流路P7を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE7)により更に冷却されて、温度TW3となる。なお、蒸発温度TE1,TE6は同等であり温度TW2未満の値に設定され(TE1=TE6<TW2)、蒸発温度TE2,TE7は同等であり温度TW3未満(TE2=TE7<TW3)、かつ、蒸発温度TE1,TE6未満の値に設定される(TE1,TE6>TE2=TE7)。
【0054】
このように、図6に示した構成例によれば、多段蒸発(図6の例においては2段蒸発)の冷凍サイクル装置R2を実現することができる。また、第3流体回路C3を流れる水の冷却に4つの流体回路C1,C2,C4,C5を用いるために、冷凍サイクル装置R2の大能力化を図ることが可能である。また、図6の例においては、均油回路などを設けることなく一般的な圧縮機を利用して4つの流体回路C1,C2,C4,C5を実現できる。
【0055】
図8Aは、第3流体回路C3の水のプレート式熱交換器EXにおける流れの一例を示す図である。図8Bは、第1流体回路C1及び第2流体回路C2の冷媒のプレート式熱交換器EXにおける流れの一例を示す図である。図8Cは、第4流体回路C4及び第5流体回路C5の冷媒のプレート式熱交換器EXにおける流れの一例を示す図である。
【0056】
図8A図8Cに示すプレート式熱交換器EXは、第1カバープレートCPL1及び第2カバープレートCPL2の間に、28枚のプレートPL1〜PL28(後述の図9Aを参照)を備える。これらのプレートPL1〜PL28により、14本の流路Paと、13本の流路Pbとが交互に形成される。
【0057】
図8Aに示すように、第3流入口E3からプレート式熱交換器EXに流入した水は、主流路MP201を通って第1カバープレートCPL1側の5本の流路Paに分流され、その後、主流路MP202で合流する。主流路MP202を流れる水は、第5流路P5を形成する4本の流路Paと3本の流路Pbに分流され、主流路MP203で合流する。主流路MP203を流れる水は、第2カバープレートCPL2側の5本の流路Paに分流され、その後、主流路MP204で合流し、第3流出口O3から流出する。この例においては、第1カバープレートCPL1側の5本の流路Paが第3流路P3に相当し、第2カバープレートCPL2側の5本の流路Paが第4流路P4に相当する。
【0058】
第3流入口E3が第1カバープレートCPL1の第2側辺部S2の側に設けられ、第3流出口O3が第2カバープレートCPL2の第1側辺部S1の側に設けられている。
【0059】
図8Bに示すように、第1流入口E1からプレート式熱交換器EXに流入した冷媒は、主流路MP205を通って第1カバープレートCPL1側から2番目及び4番目の流路Pbに分流され、その後、主流路MP206で合流し、第1流出口O1から流出する。また、第2流入口E2からプレート式熱交換器EXに流入した冷媒は、主流路MP207を通って第2カバープレートCPL2側から2番目及び4番目の流路Pbに分流され、その後、主流路MP208で合流し、第2流出口O2から流出する。この例においては、第1カバープレートCPL1側から2番目及び4番目の流路Pbが第1流路P1に相当し、第2カバープレートCPL2側から2番目及び4番目の流路Pbが第2流路P2に相当する。第1流入口E1が第1カバープレートCPL1の第1側辺部S1の側に設けられ、第1流出口O1が第1カバープレートCPL1の第2側辺部S2の側に設けられている。また、第2流入口E2が第1カバープレートCPL1の第1側辺部S1の側に設けられ、第2流出口O2が第2カバープレートCPL2の第2側辺部S2の側に設けられている。
【0060】
図8Cに示すように、第4流入口E4からプレート式熱交換器EXに流入した冷媒は、主流路MP209を通って第1カバープレートCPL1側から1番目及び3番目の流路Pbに分流され、その後、主流路MP210で合流し、第4流出口O4から流出する。また、第5流入口E5からプレート式熱交換器EXに流入した冷媒は、主流路MP211を通って第2カバープレートCPL2側から1番目及び3番目の流路Pbに分流され、その後、主流路MP212で合流し、第5流出口O5から流出する。この例においては、第1カバープレートCPL1側から1番目及び3番目の流路Pbが第6流路P6に相当し、第2カバープレートCPL2側から1番目及び3番目の流路Pbが第7流路P7に相当する。第4流入口E4が第1カバープレートCPL1の第1側辺部S1の側に設けられ、第4流出口O4が第1カバープレートCPL1の第2側辺部S2の側に設けられている。また、第5流入口E5が第2カバープレートCPL2の第1側辺部S1の側に設けられ、第5流出口O5が第2カバープレートCPL2の第2側辺部S2の側に設けられている。
【0061】
図8A図8Cに示す第1カバープレートCPL1側から5番目の流路Pbは水も冷媒も流入しない第1空間層SP1に相当し、第2カバープレートCPL2側から5番目の流路Pbは水も冷媒も流れない第2空間層SP2に相当する。また、第1空間層SP1と第2空間層SP2の間の4本の流路Pa及び3本の流路Pbが第5流路P5に相当する。
【0062】
図8A図8Cの例においては、第3流路P3が第1空間層SP1と隣り合い、第4流路P4が第2空間層SP2と隣り合うが、第1流路P1又は第6流路P6が第1空間層SP1と隣り合い、第2流路P2又は第7流路P7が第2空間層SP2と隣り合うようにプレート式熱交換器EXが構成されてもよい。すなわち、第1空間層SP1は、第1流路P1、第3流路P3、及び第6流路P6のうち第5流路P5の側に位置する一方と第5流路P5との間に形成され、第2空間層SP2は、第2流路P2、第4流路P4、及び第7流路P7のうち第5流路P5の側に位置する一方と第5流路P5との間に形成される。
【0063】
このように、流路Pa,Pbを用いて第5流路P5を構成することができる。この場合においては、図5A及び図5Bに関して述べたものと同様の効果を得ることができる。
【0064】
第1流路P1及び第6流路P6に相当する各流路Pbにおける冷媒は第1方向D1に流れ、第2流路P2及び第7流路P7に相当する各流路Pbにおける冷媒は第1方向D1に流れ、第3流路P3に相当する各流路Paにおける水は第2方向D2に流れ、第4流路P4に相当する各流路Paにおける水は第2方向D2に流れる。すなわち、図8A図8Cの例においても、上述のカウンターフローを実現できる。さらに、第2方向D2が重力方向と一致するようにプレート式熱交換器EXを配置した場合には、第1流路P1、第2流路P2、第6流路P6、及び第7流路P7における冷媒の流れ方向(第1方向D1)がいずれも上昇方向となる。したがって、高効率の熱交換を実現することができる。
【0065】
図9Aは、図8AにおけるIX−IX線に沿った断面の一例を示す図である。この図に示す断面は、図5Aの場合と同じく、プレートPL1〜PL28に上述のヘリンボーン型の凹凸パターンを形成した場合に得られるものである。
【0066】
水が流れる第3流路P3及び第4流路P4の断面積を大きくすることで、これら流路における圧力損失を抑えることができる。図9Aの例において、第3流路P3及び第4流路P4の各々の断面積は、第1流路P1及び第6流路P6の合計断面積及び第2流路P2及び第7流路P7の合計断面積の各々よりも大きく定められている。さらに、第3流入口E3及び第3流出口O3の断面積(例えば内径)の各々を、第1流入口E1と第4流入口E4の合計断面積、第2流入口E2と第5流入口E5の合計断面積、第1流出口O1と第4流出口O4の合計断面積、及び、第2流出口O2と第5流出口O5の合計断面積の各々よりも大きくしてもよい。また、主流路MP201〜MP204の断面積の各々を、主流路MP205,MP209の合計断面積、主流路MP206,MP210の合計断面積、主流路MP207,211の合計断面積、及び、主流路MP208,MP212の合計断面積の各々よりも大きくしてもよい。各部の断面積の具体的な値は、水及び冷媒の流速と圧力損失との関係などを考慮して、実験的、理論的、或いは経験的に定められる。
【0067】
図9Aの例においては、ヘリンボーン型の凹凸パターンを採用したことにより、第1流路P1及び第6流路P6と第3流路P3とが面する面積、及び、第2流路P2及び第7流路P7と第4流路P4とが面する面積を大きく確保できるため、熱交換効率を高めることが可能となる。一方で、第1空間層SP1及び第2空間層SP2により、第5流路P5を流れる水と第3流路P3及び第4流路P4を流れる水との熱交換が抑制される。
【0068】
なお、図9Bに示すように、第1空間層SP1及び第2空間層SP2をそれぞれ隣り合う流路Pa,Pbにより構成してもよいし、より多くの流路Pa,Pbにより構成してもよい。これらの場合には、第5流路P5を流れる水と第3流路P3及び第4流路P4を流れる水とをより効果的に断熱することができる。また、第1空間層SP1及び第2空間層SP2のいずれか一方のみを設けてもよいし、図9Cに示すように第1空間層SP1及び第2空間層SP2を設けなくてもよい。また、第5流路P5を構成するプレート(図9AではプレートPL11〜PL18、図9BではプレートPL12〜PL19、図9CではプレートPL10〜PL17)は、凸部同士が接触する多数の接点を有しているために、十分な耐圧能を確保できる。
【0069】
圧力損失を減らすために、第5流路P5の断面積は第3流路P3の断面積及び第4流路P4の断面積と同等以上に設計することが望ましい。図9Aの例において、第3流路P3の断面積は第1カバープレートCPL1と第1空間層SP1との間に並ぶ6角形状の流路の合計面積に相当し、第4流路P4の断面積は第2空間層SP2と第2カバープレートCPL2との間に並ぶ6角形状の流路の合計面積に相当し、第5流路P5の断面積は第1空間層SP1及び第2空間層SP2の間に並ぶ6角形状及び4角形状の流路の合計面積に相当する。
【0070】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態においては、複数のプレート式熱交換器EXを用いて構成された多段蒸発及び多段凝縮の冷凍サイクル装置の一例を開示する。上述の各実施形態と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0071】
図10は、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置R3の構成例を概略的に示す図である。この冷凍サイクル装置R3は、第2実施形態にて開示した冷凍サイクル装置R2を変形して構成したものであり、第1流体回路C1と、第2流体回路C2と、2つの第3流体回路C3(C3A,C3B)と、第4流体回路C4と、第5流体回路C5と、2つのプレート式熱交換器EX(EXA,EXB)とを備える。冷媒が流れる各流体回路C1,C2,C4,C5は、図6に示した熱交換器11,21,41,51及び送風ファン13,23,43,53を備えていない。
【0072】
第1流体回路C1において、圧縮機10の吐出口10aとプレート式熱交換器EXAの第1流入口E1、プレート式熱交換器EXAの第1流出口O1と膨張装置12、膨張装置12とプレート式熱交換器EXBの第1流入口E1、プレート式熱交換器EXBの第1流出口O1と圧縮機10の吸入口10bがそれぞれ第1配管K1によって接続されている。
【0073】
第2流体回路C2において、圧縮機20の吐出口20aとプレート式熱交換器EXAの第2流入口E2、プレート式熱交換器EXAの第2流出口O2と膨張装置22、膨張装置22とプレート式熱交換器EXBの第2流入口E2、プレート式熱交換器EXBの第2流出口O2と圧縮機20の吸入口20bがそれぞれ第2配管K2によって接続されている。
【0074】
第4流体回路C4において、圧縮機40の吐出口40aとプレート式熱交換器EXAの第4流入口E4、プレート式熱交換器EXAの第4流出口O4と膨張装置42、膨張装置42とプレート式熱交換器EXBの第4流入口E4、プレート式熱交換器EXBの第4流出口O4と圧縮機40の吸入口40bがそれぞれ第4配管K4によって接続されている。
【0075】
第5流体回路C5において、圧縮機50の吐出口50aとプレート式熱交換器EXAの第5流入口E5、プレート式熱交換器EXAの第5流出口O5と膨張装置52、膨張装置52とプレート式熱交換器EXBの第5流入口E5、プレート式熱交換器EXBの第5流出口O5と圧縮機50の吸入口50bがそれぞれ第5配管K5によって接続されている。
【0076】
プレート式熱交換器EXA,EXBは、それぞれ、第1流入口E1と第1流出口O1の間に第1流体回路C1の冷媒が流れる少なくとも1本の第1流路P1を備え、第2流入口E2と第2流出口O2の間に第2流体回路C2の冷媒が流れる少なくとも1本の第2流路P2を備え、第4流入口E4と第4流出口O4の間に第4流体回路C4の冷媒が流れる少なくとも1本の第6流路P6を備え、第5流入口E5と第5流出口O5の間に第5流体回路C5の冷媒が流れる少なくとも1本の第7流路P7を備える。
【0077】
さらに、プレート式熱交換器EXA,EXBは、第3流入口E3と第3流出口O3の間に第3流体回路C3の冷媒が流れる少なくとも1本の第3流路P3と、少なくとも1本の第4流路P4と、少なくとも1本の第5流路P5とを備える。第3流路P3は第3流入口E3側に位置し、第4流路P4は第3流出口O3側に位置し、第5流路P5は第3流路P3と第4流路P4を繋ぐ。
【0078】
プレート式熱交換器EXA,EXBにおいて、各流路P1〜P7は、例えば図6及び図9A等に示したプレート式熱交換器EXと同様に、プレートPL1〜プレートPL28の間に形成される流路Pa,Pbにより構成することができる。
【0079】
本実施形態において、プレート式熱交換器EXAは凝縮器として機能し、プレート式熱交換器EXBは蒸発器として機能する。すなわち、第1流体回路C1において、圧縮機10にて圧縮された冷媒は、プレート式熱交換器EXAの第1流入口E1を通って当該交換器EXAの第1流路P1に流入し、当該交換器EXAの第4流路P4を流れる水と熱交換して凝縮し、当該交換器EXAの第1流出口O1から流出する。プレート式熱交換器EXAの第1流出口O1から流出した冷媒は、膨張装置12及びプレート式熱交換器EXBの第1流入口E1を通って当該交換器EXBの第1流路P1に流入し、当該交換器EXBの第3流路P3を流れる水と熱交換して蒸発し、当該交換器EXBの第1流出口O1から流出して圧縮機10に戻る。
【0080】
また、第2流体回路C2において、圧縮機20にて圧縮された冷媒は、プレート式熱交換器EXAの第2流入口E2を通って当該交換器EXAの第2流路P2に流入し、当該交換器EXAの第3流路P3を流れる水と熱交換して凝縮し、当該交換器EXAの第2流出口O2から流出する。プレート式熱交換器EXAの第2流出口O2から流出した冷媒は、膨張装置22及びプレート式熱交換器EXBの第2流入口E2を通って当該交換器EXBの第2流路P2に流入し、当該交換器EXBの第4流路P4を流れる水と熱交換して蒸発し、当該交換器EXBの第2流出口O2から流出して圧縮機20に戻る。
【0081】
また、第4流体回路C4において、圧縮機40にて圧縮された冷媒は、プレート式熱交換器EXAの第4流入口E4を通って当該交換器EXAの第6流路P6に流入し、当該交換器EXAの第4流路P4を流れる水と熱交換して凝縮し、当該交換器EXAの第4流出口O4から流出する。プレート式熱交換器EXAの第4流出口O4から流出した冷媒は、膨張装置42及びプレート式熱交換器EXBの第4流入口E4を通って当該交換器EXBの第6流路P6に流入し、当該交換器EXBの第3流路P3を流れる水と熱交換して蒸発し、当該交換器EXBの第4流出口O4から流出して圧縮機40に戻る。
【0082】
また、第5流体回路C5において、圧縮機50にて圧縮された冷媒は、プレート式熱交換器EXAの第5流入口E5を通って当該交換器EXAの第7流路P7に流入し、当該交換器EXAの第3流路P3を流れる水と熱交換して凝縮し、当該交換器EXAの第5流出口O5から流出する。プレート式熱交換器EXAの第5流出口O5から流出した冷媒は、膨張装置52及びプレート式熱交換器EXBの第5流入口E5を通って当該交換器EXBの第7流路P7に流入し、当該交換器EXBの第4流路P4を流れる水と熱交換して蒸発し、当該交換器EXBの第5流出口O5から流出して圧縮機50に戻る。
【0083】
プレート式熱交換器EXAにおいて、第1流路P1、第2流路P2、第6流路P6、及び第7流路P7の冷媒は第2方向D2に流れ、第3流路P3及び第4流路P4の水は第1方向D1に流れ、第5流路P5の水は第2方向D2に流れる。プレート式熱交換器EXBにおいて、第1流路P1、第2流路P2、第6流路P6、及び第7流路P7の冷媒は第1方向D1に流れ、第3流路P3及び第4流路P4の水は第2方向D2に流れ、第5流路P5の水は第1方向D1に流れる。このように、プレート式熱交換器EXA,EXBのいずれにおいても、上述のカウンターフローが実現されている。
【0084】
上述の通り、プレート式熱交換器EXが蒸発器として機能する場合には、冷媒が下降方向に流れる場合よりも、上昇方向に流れる場合に良好な熱交換効率が得られる。また、プレート式熱交換器EXが凝縮器として機能する場合には、冷媒が上昇方向に流れる場合よりも、下降方向に流れる場合に良好な熱交換効率が得られる。図10に示した冷凍サイクル装置R3を第2方向D2が重力方向と一致するように設置した場合には、凝縮器であるプレート式熱交換器EXAの第1流路P1、第2流路P2、第6流路P6、及び第7流路P7における冷媒の流れ方向(第2方向D2)がいずれも下降方向となる。また、蒸発器であるプレート式熱交換器EXBの第1流路P1、第2流路P2、第6流路P6、及び第7流路P7における冷媒の流れ方向(第1方向D1)がいずれも上昇方向となる。したがって、プレート式熱交換器EXA,EXBのいずれにおいても、高効率の熱交換を実現することができる。
【0085】
図11は、プレート式熱交換器EXAにおける熱交換作用を説明するための図であって、当該熱交換器EXAの第3流路P3及び第4流路P4を流れる水の温度TA、当該熱交換器EXAの第1流路P1を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する凝縮温度TC1、当該熱交換器EXAの第2流路P2を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する凝縮温度TC2、当該熱交換器EXAの第6流路P6を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する凝縮温度TC6、及び、当該熱交換器EXAの第7流路P7を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する凝縮温度TC7の関係を示す。横軸はプレート式熱交換器EXAにおける水の流路の位置を示しており、第3流入口E3を起点としている。縦軸は温度(℃)である。
【0086】
第3流体回路C3Aの第3配管K3aからプレート式熱交換器EXAの第3流入口E3に流入した温度TA1の水は、第3流路P3を通る際に、第2流路P2を通る冷媒との熱交換(凝縮温度TC2)及び第7流路P7を通る冷媒との熱交換(凝縮温度TC7)により温度TA2に加熱され、その後、第4流路P4を通る際に第1流路P1を通る冷媒との熱交換(凝縮温度TC1)及び第6流路P6を通る冷媒との熱交換(凝縮温度TC6)により更に加熱されて、温度TA3となる。なお、凝縮温度TC2,TC7は同等であり温度TA1よりも大きい値に設定され(TC2=TC7>TA1)、凝縮温度TC1,TC6は同等であり、温度TA2よりも大きい値に設定され(TC1=TC6>TA2)、かつ、凝縮温度TC2,TC7よりも大きい値に設定される(TC2,TC7<TC1,TC6)。
【0087】
図12は、プレート式熱交換器EXBにおける熱交換作用を説明するための図であって、当該熱交換器EXBの第3流路P3及び第4流路P4を流れる水の温度TB、当該熱交換器EXBの第1流路P1を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE1、当該熱交換器EXBの第2流路P2を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE2、当該熱交換器EXBの第6流路P6を流れる冷媒と第3流路P3を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE6、及び、当該熱交換器EXBの第7流路P7を流れる冷媒と第4流路P4を流れる水の熱交換に関する蒸発温度TE7の関係を示す。横軸はプレート式熱交換器EXBにおける水の流路の位置を示しており、第3流出口O3を起点としている。縦軸は温度(℃)である。
【0088】
第3流体回路C3Bの第3配管K3aから第3流入口E3に流入した温度TB1の水は、第3流路P3を通る際に、第1流路P1を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE1)及び第6流路P6を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE6)により温度TB2に冷却され、その後、第4流路P4を通る際に第2流路P2を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE2)及び第7流路P7を通る冷媒との熱交換(蒸発温度TE7)により更に冷却されて、温度TB3となる。なお、蒸発温度TE1,TE6は同等であり温度TB2未満の値に設定され(TE1=TE6<TB2)、蒸発温度TE2,TE7は同等であり、温度TB3未満の値に設定され(TE2=TE7<TB3)、かつ、蒸発温度TE1,TE6未満の値に設定される(TE1,TE6>TE2,TE7)。
【0089】
このように、図10に示した構成例によれば、多段凝縮及び多段蒸発(図10の例においては2段凝縮及び2段蒸発)の冷凍サイクル装置R3を実現することができる。また、第3流体回路C3Aを流れる水の加熱及び第3流体回路C3Bを流れる水の冷却に4つの流体回路C1,C2,C4,C5を用いるために、冷凍サイクル装置R3の大能力化を図ることが可能である。
【0090】
さらに、図10に示した構成例によれば、プレート式熱交換器EXBにおいて第3流体回路C3Bを流れる水の冷却に伴って得た熱を、プレート式熱交換器EXAにおける第3流体回路C3Aを流れる水の加熱に利用することができるために、高効率の冷凍サイクル装置R3を実現することが可能である。すなわち、冷凍サイクル装置R3は、冷却用のチラーとしての機能と、冷却に用いた熱を回収する排熱回収機としての機能を併せ持つ。
その他、本実施形態からは第1乃至第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0091】
以上説明した第1乃至第3実施形態に係る構成は、適宜の変形及び組合せが可能である。例えば、第1及び第2実施形態にて開示した冷凍サイクル装置R1,R2において冷媒の流れ方向を逆転させ、プレート式熱交換器EXを凝縮器として用いてもよい。また、流体回路C1,C2,C4,C5において、四方弁などを用いて冷媒の流れ方向を切り替え可能とすることにより、ヒートポンプ式のチラーを実現することもできる。また、プレート式熱交換器EXにより多くの冷媒流路を設けて3段以上の多段蒸発或いは多段凝縮の冷凍サイクルを実現することもできる。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
R1…冷凍サイクル装置、C1…第1流体回路、C2…第2流体回路、C3…第3流体回路、EX…プレート式熱交換器、1…制御部、10,20…圧縮機、11,21…熱交換器、12,22…膨張装置、13,23…送風ファン、30…循環ポンプ。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12