特許第6450847号(P6450847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6450847両末端封止エチレングリコールエーテルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6450847
(24)【登録日】2018年12月14日
(45)【発行日】2019年1月9日
(54)【発明の名称】両末端封止エチレングリコールエーテルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/14 20060101AFI20181220BHJP
   C07C 43/04 20060101ALI20181220BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20181220BHJP
【FI】
   C07C41/14
   C07C43/04 A
   !C07B61/00 300
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-533195(P2017-533195)
(86)(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公表番号】特表2017-538757(P2017-538757A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】CN2014094535
(87)【国際公開番号】WO2016101104
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】倪友明
(72)【発明者】
【氏名】朱文良
(72)【発明者】
【氏名】劉紅超
(72)【発明者】
【氏名】劉勇
(72)【発明者】
【氏名】劉中民
(72)【発明者】
【氏名】李利娜
(72)【発明者】
【氏名】劉世平
(72)【発明者】
【氏名】周慧
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−084834(JP,A)
【文献】 特開2012−149033(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103641695(CN,A)
【文献】 米国特許第02746995(US,A)
【文献】 米国特許第04321413(US,A)
【文献】 特開昭61−186336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07B
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両末端封止エチレングリコールエーテルの製造方法であって、
エチレングリコールモノエーテルと一価アルコールエーテルとを含有する原料を反応器に導入して、酸性分子篩を含有する触媒と接触させて反応させ、両末端封止エチレングリコールエーテルを製造し、
反応温度が50〜300℃であり、反応圧力が0.1〜15MPaであり、
前記原料においてエチレングリコールモノエーテルの重量空間速度が0.01〜15.0h−1であり、
前記原料において一価アルコールエーテルとエチレングリコールモノエーテルとのモル比が、一価アルコールエーテル:エチレングリコールモノエーテル=1:1〜100:1であって、
前記エチレングリコールモノエーテルが、式Iで示される構造式を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
R1-O-CH2-CH2-OH 式I;
前記一価アルコールエーテルが、式IIで示される構造式を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
R2-O-R2 式II;
前記両末端封止エチレングリコールエーテルが、式IIIで示される構造式を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1つであり、
R1-O-CH2-CH2-O-R2 式III;
[式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基からなる群より選択され、Rは、炭素数1〜20のアルキル基からなる群より選択される]、
前記酸性分子篩は、水素型MCM−22分子篩、水素型フェリエライト、水素型モルデナイト、水素型Yゼオライト、及び水素型Beta分子篩からなる群より選択される1種又は2種以上を含む、
方法。
【請求項2】
前記Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基からなる群より選択される1種であり、前記Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基からなる群より選択される1種である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記酸性分子篩においてケイ素とアルミニウムとの原子比が、Si:Al=4:1〜140:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反応温度が100〜200℃であり、前記反応圧力が3.5〜8MPaであり、
前記原料においてエチレングリコールモノエーテルの重量空間速度が0.5〜5.0h−1であり、
前記原料において一価アルコールエーテルとエチレングリコールモノエーテルとのモル比が、一価アルコールエーテル:エチレングリコールモノエーテル=1:1〜5:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記原料がキャリアガスを含有し、前記キャリアガスの体積空間速度が100〜2,000h−1であり、前記キャリアガスが、窒素ガス、ヘリウムガス、及びアルゴンガスからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反応器が1個又は複数個の固定床反応器を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学化工分野に関し、特に、両末端封止エチレングリコールエーテルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
両末端封止エチレングリコールエーテル(double end−capped ethylene glycol ether)とは、エチレングリコールの2つの末端水酸基における水素原子がヒドロカルボニル基により置換されて得られたエチレングリコールエーテルを指す。両末端封止エチレングリコールエーテルは、活性水素基を有さず、化学的安定性が強く、流動点が低く、粘度の温度依存性が小さく、耐熱性に優れ、酸・アルカリ安定性が強いとともに、乳化能力に優れ、発泡性が低くて親油性が強く、耐コークス化性が良好で、より低い粘度及び密度などを有する。そのため、両末端封止ポリエチレングリコールエーテルは、高速紡糸油剤、低発泡洗剤、食品加工及びバイオ発酵などの分野に広く使用されている。
【0003】
両末端封止エチレングリコールエーテルの製造としては、主にハロゲン化炭化水素とナトリウムアルコラートによるWilliamson合成法及び直接エーテル化法が挙げられる。そのうち、Williamson合成法とは、ハロゲン化炭化水素とナトリウムアルコラートとを無水条件下で反応させてエーテルを生成する方法を指し、それは汚染がひどく、操作が危険で、経済性が低い。直接エーテル化法とは、エチレングリコール又はエチレングリコールモノエーテルを用いて一価アルコール又は一価アルコールエーテルと直接エーテル化する方法を指す。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルとジメチルエーテルとを、アニオン交換樹脂を触媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを製造でき(US 4321413)、エチレングリコールとメタノールとを、パーフルオロスルホン酸樹脂を触媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを製造できる(US 2004/0044253)。これらの方法が用いた触媒の収率、選択率及び寿命がいずれも低く、かつ、樹脂触媒の再生が困難であり、同時に、大量の1,4−ジオキサン及び高い沸点のポリエチレングリコール両末端封止エーテルなどの副生物も形成しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様によれば、両末端封止エチレングリコールエーテルの製造方法が提供され、当該方法は、触媒のシングルパス寿命が長くて、且つ繰り返し再生可能で、目標生成物の収率及び選択率が高く、生成物を分離するエネルギー消耗が低く、副生物の経済的価値が高く、生産規模が大きくても小さくてもよく、応用が柔軟であるメリットを有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記両末端封止エチレングリコールエーテルの製造方法であって、エチレングリコールモノエーテルと一価アルコールエーテルとを含有する原料を反応器に導入して、酸性分子篩を含有する触媒と接触させて反応させ、両末端封止エチレングリコールエーテルを製造し、
反応温度が50〜300℃であり、反応圧力が0.1〜15MPaであり、
前記原料においてエチレングリコールモノエーテルの重量空間速度が0.01〜15.0h−1であり、
前記原料において一価アルコールエーテルとエチレングリコールモノエーテルとのモル比が、一価アルコールエーテル:エチレングリコールモノエーテル=1:1〜100:1であることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明において、両末端封止エチレングリコールエーテルとは、エチレングリコールの2つの水酸基における水素原子のいずれもヒドロカルボニル基により置換されて得られたエチレングリコールエーテルを指す。
【0007】
好ましくは、前記エチレングリコールモノエーテルが、式Iで示される構造式を有する化合物から選出した少なくとも1つであり、
R1-O-CH2-CH2-OH 「式I」
前記一価アルコールエーテルが、式IIで示される構造式を有する化合物から選出した少なくとも1つであり、
R2-O-R2 「式II」
前記両末端封止エチレングリコールエーテルが、式IIIで示される構造式を有する化合物から選出した少なくとも1つである。
R1-O-CH2-CH2-O-R2 「式III」
[式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基から選出した1つであり、Rは、炭素数1〜20のアルキル基から選出した1つである。ここで、RとRは同一であるか、異なる。]
【0008】
本発明において、炭素数1〜20のアルキル基とは、炭素数1〜20の任意の直鎖アルカン、分岐鎖アルカン又はシクロアルカン分子の任意1つの水素原子を失って形成された官能基を指す。
【0009】
本発明の両末端封止エチレングリコールエーテルを製造する反応化学は下記の通りである。
R1-O-CH2-CH2-OH+R2-O-R2=R1-O-CH2-CH2-O-R2+R2-OH 「式IV」
【0010】
理論上、原料においてエチレングリコールモノエーテルと一価アルコールエーテルの置換基R及びRは、任意炭素数を各種のヒドロカルボニル基であり、この反応体系において、両末端封止エチレングリコールエーテルの製造反応を実現できるものである。当業者であれば、生成物である両末端封止エチレングリコールエーテルの種類への要求に応じて、対応の置換基R、Rを有する原料種類を選択すれば良い。好ましくは、R及びRは、独立的に炭素数10以下のアルキル基から選出される。より好ましくは、R及びRは、独立にして炭素数5以下のアルキル基から選出される。さらに好ましくは、R及びRは、独立的にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基から選出される。
【0011】
好ましくは、前記Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基からなる群より選ばれる1種である。
【0012】
好ましくは、前記Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基からなる群より選ばれる1種である。
【0013】
好ましくは、前記酸性分子篩は、構造種類がMWW、FER、MFI、MOR、FAU、及びBEAの分子篩からなる群より選出される1種又は2種以上である。より好ましくは、前記酸性分子篩は、水素型MCM−22分子篩、水素型フェリエライト、水素型ZSM−5分子篩、水素型モルデナイト、水素型Yゼオライト、及び水素型Beta分子篩から選出される1種又は2種以上である。
【0014】
好ましくは、前記酸性分子篩においてケイ素とアルミニウムとの原子比がSi:Al=4:1〜140:1である。
【0015】
好ましくは、前記反応温度範囲は、上限が200℃、250℃、300℃から選出され、下限が50℃、90℃、100℃から選出される。より好ましくは、前記反応温度が100〜200℃である。
【0016】
好ましくは、前記反応圧力の範囲は、上限が8MPa、10MPa、15MPaから選出され、下限が0.1MPa、0.9MPa、2MPa、3.5MPa、4MPaから選出される。より好ましくは、前記反応圧力が3.5〜8MPaである。
【0017】
好ましくは、前記原料においてエチレングリコールモノエーテルの重量空間速度の範囲は、上限が5.0h−1、10h−1、15h−1から選出され、下限が0.01h−1、0.5h−1、1.5h−1から選出される。より好ましくは、前記原料においてエチレングリコールモノエーテルの重量空間速度が0.5〜5.0h−1である。
【0018】
好ましくは、前記原料において一価アルコールエーテルとエチレングリコールモノエーテルとのモル比、つまり一価アルコールエーテル:エチレングリコールモノエーテルの範囲は、上限が4:1、5:1、15:1、25:1、50:1、100:1から選出され、下限が1:1、2:1から選出される。より好ましくは、前記原料において一価アルコールエーテルとエチレングリコールモノエーテルとのモル比は、一価アルコールエーテル:エチレングリコールモノエーテル=1:1〜5:1である。
【0019】
本発明において反応体系にキャリアガスを導入しなくてもよいし、キャリアガスを導入してもよい。反応体系にキャリアガスを導入することで、反応体系の熱的効果による触媒床層の温度変動を緩和し、より均一な温度段差を保持することができ、反応安定性及び触媒寿命の向上に有利である。
【0020】
好ましくは、前記原料中にキャリアガスを含有し、前記キャリアガスが、窒素ガス、ヘリウムガス、及びアルゴンガスからなる群より選出される1種又は2種以上である。
【0021】
好ましくは、前記キャリアガスの体積空間速度が0〜10,000h−1である。より好ましくは、前記キャリアガスの体積空間速度が100〜2,000h−1である。
【0022】
好ましくは、前記反応器は、1個又は複数個の固定床反応器を含む。連続的反応の形式が用いられる。固定床反応器は、1個であってもよいし、複数個であってもよい。複数個の固定床反応器を用いる場合、反応器同士は直列、並列又は直列と並列との組み合わせ形で接続されることができる。
【0023】
本発明は少なくとも下記の有益な効果を奏し得る。
a) 本発明が提供する方法は、酸性分子篩触媒を用い、シングルパス寿命が長く、繰 り返し再生して再利用できるメリットを有する。
b) 本発明が提供する方法は、従来技術と比べて、目標生成物の收率、選出率のいず れも明らかに向上している。
c) 本発明が提供する方法は、生成物において水の生成がなく、生成物の精留純化を 大幅に簡単化し、エネルギー消耗を節約している。
d) 本発明が提供する方法は、副生物は主に経済的価値が非常に高い両末端封止ジエ チレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエーテル及びエチレング リコールであり、経済的価値が低い1,4−ジオキサンなどの副生物が非常に少 ないため、高い経済性を有する。
e) 本発明が提供する方法は、投資規模範囲が広く、中小企業の小投資や小規模生産 に適用可能であり、その応用が柔軟である。
【0024】
実施態様の詳細な説明
特に説明がない限り、実施例における原料と触媒がいずれも商業ルートにより購入されるものである。
実施例における分析方法及び転化率、選出率は下記のように算出される。
【0025】
ガス自動サンプラー、FID検出器及びFFAPキャピラリーカラムを有するAgilent7890ガスクロマトグラフィーィーを用いて気/液相成分の成分自動分析を行う。
【0026】
本発明の実施例において、エチレングリコールモノエーテルの転化率及び生成物である両末端封止エチレングリコールエーテル、並びに副生物の選出率のいずれも質量に基づいて算出される。
【0027】
エチレングリコールモノエーテルの転化率=[(供給試料中のエチレングリコールモノエーテルの質量)−(排出試料中のエチレングリコールモノエーテルの質量)]÷(供給試料中のエチレングリコールモノエーテルの質量)×(100%)
【0028】
両末端封止エチレングリコールエーテルの選出率=(排出試料中の両末端封止エチレングリコールエーテルの質量)÷[(排出試料中の全てのエチレングリコール誘導体の質量)−(排出試料中の未反応エチレングリコールモノエーテルの質量)]×(100%)
【0029】
副生物の選出率=(排出試料中の副生物の質量)÷[(排出試料中の全てのエチレングリコール誘導体の質量)−(排出試料中の未反応エチレングリコールモノエーテルの質量)]×(100%)
【0030】
上記全てのエチレングリコール誘導体とは、含有する分子式中に−O−CH−CH−O−構造を含む物質を指し、主に両末端封止エチレングリコールエーテル、1,4−ジオキサン、未反応のエチレングリコールモノエーテル、両末端封止ジエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエーテル及びエチレングリコールを含む。
【0031】
以下、具体的な実施例を組み合わせて、本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明の範囲を限定するためではなく、本発明を説明するためであることが理解されたい。
【実施例】
【0032】
実施例1
シリカアルミナ比(Si:Al)=45:1である水素型MCM−22分子篩触媒50gを、マッフル炉の空気雰囲気下で550℃で5時間焼成し、その中の一部の粉末試料を20〜40メッシュとなるように圧延、粉砕し、活性測定のために用いる。該水素型MCM−22分子篩触媒試料を10g秤り取り、内径8.5mmのステンレス反応管内に入れて、常圧、550℃で窒素ガスを用いて4時間活性化させ、その後、反応温度(Tと略記)=50℃に降温し、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=1:1、反応圧力(Pと略記)=0.1MPa、原料中のエチレングリコールモノエーテルの重量空間速度(WHSVと略記)=0.01h−1にし、キャリアガスがなく、ガスクロマトグラフィーィーを用いて生成物を分析し、反応安定後、エチレングリコールモノエーテルの転化率及び生成物の選択性を算出し、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0033】
実施例2
実施例1における反応条件をT=90℃、P=0.9MPa、導入する原料のモル比をCHCHOCHCH:CHCHOCHCHOH=2:1、WHSV=0.5h−1、キャリアガスである窒素ガスの体積空間速度(GHSVと略記)=100h−1に変更し、その他の実験ステップが実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0034】
実施例3
実施例1における触媒を水素型フェリエライト分子篩、Si:Al=15:1、T=300℃、P=15MPa、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=100:1、WHSV=15h−1、キャリアガスを窒素ガス、GHSV=10,000h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0035】
実施例4
実施例1における触媒を水素型フェリエライト分子篩、Si:Al=15:1、T=250℃、P=10MPa、導入する原料のモル比がCHCHCHOCHCHCH:CHCHCHOCHCHOH=50:1、WHSV=10h−1、キャリアガスをアルゴンガス、GHSV=5000h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0036】
実施例5
実施例1における触媒を水素型ZSM−5分子篩、Si:Al=140:1、T=100℃、P=3.5MPa、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=1:1、WHSV=0.5h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応結果が表1に示されている。
【0037】
実施例6
実施例1における触媒を水素型ZSM−5分子篩、Si:Al=140:1、T=150℃、P=5MPa、導入する原料のモル比を(CHCHOCH(CH:(CHCHOCHCHOH=3:1、WHSV=2.5h−1、キャリアガスを窒素ガス、GHSV=1,000h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0038】
実施例7
実施例1における触媒を水素型モルデナイト分子篩、Si:Al=4:1、T=200℃、P=8MPa、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=5:1、WHSV=5h−1、キャリアガスをヘリウムガス、GHSV=2000h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0039】
実施例8
実施例1における触媒を水素型モルデナイト分子篩、Si:Al=4:1、T=180℃、P=7MPa、導入する原料のモル比をCH(CHO(CHCH:CH(CHOCHCHOH=4:1、WHSV=4 h−1、キャリアガスをヘリウムガス、GHSV=1500h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0040】
実施例9
実施例1における触媒を水素型Y分子篩、Si:Al=25:1、T=130℃、P=5MPa、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=2:1、WHSV=2h−1、キャリアガスがないように変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0041】
実施例10
実施例1における触媒を水素型Y分子篩、Si:Al=25:1、T=140℃、P=6MPa、導入する原料のモル比をCHCHOCHCH:CHCHOCHCHOH=2.5:1、WHSV=2.5h−1、キャリアガスを窒素ガス、GHSV=500h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0042】
実施例11
実施例1における触媒を水素型Beta分子篩、Si:Al=20:1、T=230℃、P=2MPa、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=15:1、WHSV=9h−1、キャリアガスを窒素ガス、GHSV=3000h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0043】
実施例12
実施例1における触媒を水素型Beta分子篩、Si:Al=20:1、T=220℃、P=3MPa、導入する原料のモル比をCHCHOCHCH:CHCHOCHCHOH=25:1、WHSV=6h−1、キャリアガスを窒素ガス、GHSV=1,000h−1に変更し、その他の実験ステップは実施例1と同様であり、反応条件及び結果が表1に示されている。
【0044】
【表1】
【0045】
比較例1
デュポン社から購入されたパーフルオロスルホン酸樹脂(Nafion−H)50gを熱風乾燥機中、空気雰囲気下で105℃で12時間乾燥させ、冷却後、10gを取って内径8.5mmのステンレス反応管内に入れて、活性測定のために用い、常圧、100℃で窒素ガスを用いて1時間活性化させ、その後、反応温度(T)=130℃、導入する原料のモル比をCHOCH:CHOCHCHOH=2:1、反応圧力(P)=5MPa、メチラールの重量空間速度(WHSV)=2h−1にし、キャリアガスがなく、ガスクロマトグラフィーィーを用いて生成物を分析し、反応安定後、エチレングリコールモノエーテルの転化率及び生成物の選択性を算出し、反応条件及び結果が表2に示されている。
【0046】
比較例2
比較例1における反応条件を、T=140℃、P=6MPa、導入する原料のモル比をCHCHOCHCH:CHCHOCHCHOH=2.5:1、WHSV=2.5h−1、キャリアガスを窒素ガス、GHSV=500h−1に変更し、その他の実験ステップは比較例1と同様であり、反応条件及び結果が表2に示されている。
【0047】
比較例3
比較例1における触媒をローム・アンド・ハース社から購入されたスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(Amberlyst−15)樹脂に変更し、その他の実験ステップは比較例1と同様であり、反応条件及び結果が表2に示されている。
【0048】
比較例4
比較例2における触媒をローム・アンド・ハース社から購入されたスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(Amberlyst−15)に変更し、その他の実験ステップは比較例2と同様であり、反応条件及び結果が表2に示されている。
【0049】
比較例5
比較例1における触媒を丹東明珠特種樹脂有限公司から購入されたスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体強酸性カチオン交換樹脂(D005)に変更し、その他の実験ステップは比較例1と同様であり、反応条件及び結果が表2に示されている。
【0050】
比較例6
比較例2における触媒を丹東明珠特種樹脂有限公司から購入されたスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体強酸性カチオン交換樹脂(D005)に変更し、その他の実験ステップは比較例2と同様であり、反応条件及び結果が表2に示されている。
【0051】
【表2】
【0052】
実施例13
実施例1、3、5、7、9、11におけるシングルパス反応失活した後の触媒をそれぞれ取り出して再生させ、再生条件がいずれも空気雰囲気下で550℃で4時間焼成することであり、再生後の触媒をそれぞれ元の実施例の反応条件に従って繰り返して反応させた。反応結果が表3に示されている。
【0053】
【表3】
【0054】
比較例1〜6における樹脂触媒は再生不可能である。
【0055】
以上は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、本発明を何ら形化学的に制限するものではない。本発明は、好適な実施例で上記のように示されているが、本発明を制限するためではなく、当業者であれば、本発明の発明の範囲を逸脱しない範囲内で、上記のように示した技術的内容を利用して行った幾つかの変更又は修飾はいずれも等価実施例に同等し、発明の範囲内に属している。