(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィーダから被焼却物を供給し、複数の固定火格子と複数の移動火格子を備えた乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段で、前記被焼却物を順次搬送しつつ、それぞれ乾燥、燃焼、及び後燃焼を行うストーカ炉において、
前記被焼却物の燃切点の位置に対応する検出信号を取得する燃切点検出装置と、
前記乾燥段の前記移動火格子を駆動する第一駆動装置と、
前記燃焼段の前記移動火格子を駆動する第二駆動装置と、
前記後燃焼段の前記移動火格子を駆動する第三駆動装置と、
前記第一駆動装置、前記第二駆動装置、及び前記第三駆動装置を制御する制御装置と、を有し、
前記乾燥段は、搬送方向下流側が下向きとなるように傾斜して配置され、
前記燃焼段は、前記乾燥段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、
前記後燃焼段は、段差なく連続的に前記燃焼段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、
前記制御装置は、前記検出信号を受け、前記燃切点検出装置によって取得された前記検出信号に対応する前記燃切点の位置が目標燃切点を越えない場合、前記燃焼段の前記移動火格子と前記後燃焼段の前記移動火格子の駆動速度を変化させず、前記検出信号に対応する前記燃切点の位置が前記目標燃切点より前記搬送方向下流側に位置する場合、前記後燃焼段の前記移動火格子の駆動速度が、前記燃焼段の前記移動火格子の駆動速度よりも遅くなるよう前記第二駆動装置と前記第三駆動装置とを制御することを特徴とするストーカ炉。
前記固定火格子及び前記移動火格子は、前記乾燥段、前記燃焼段、及び前記後燃焼段の据付面に対して前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置されることを特徴とする請求項1に記載のストーカ炉。
前記燃切点検出装置は、前記燃焼段と前記後燃焼段の少なくとも一方に設置された熱電対であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のストーカ炉。
前記燃切点検出装置は、前記燃焼段または前記後燃焼段の温度分布を検出する撮像装置であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のストーカ炉。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態のストーカ炉について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のストーカ炉は、ごみ等の被焼却物燃焼用ストーカ炉であり、
図1に示すように、被焼却物Bを一時的に貯留するホッパ2と、被焼却物Bを燃焼させる焼却炉3と、焼却炉3に被焼却物Bを供給するフィーダ4と、焼却炉3の底部側に設けられたストーカ5(乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13の火格子15、16を含む)と、ストーカ5の下方に設けられた風箱6a、6b、6cと、を備えている。
【0023】
フィーダ4は、ホッパ2を介して連続的にフィードテーブル7上に供給された被焼却物Bを焼却炉3内に押し出す。フィーダ4は、フィーダ駆動装置8によってフィードテーブル7上を所定のストロークで往復運動する。
焼却炉3は、ストーカ5の上方に設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室からなる燃焼室9を有している。焼却炉3には、燃焼室9に二次空気を供給する二次空気供給ノズル10が接続されている。
【0024】
ストーカ5は、火格子15、16を階段状に並べた燃焼装置である。被焼却物Bは、ストーカ5上で燃焼する。
以下、被焼却物Bが搬送される方向を搬送方向Dと呼ぶ。被焼却物Bは、ストーカ5上を搬送方向Dに搬送される。
図1、
図2、及び
図3において、右側が搬送方向下流側D1である。また、火格子15、16が取り付けられる面を据付面と呼び、乾燥段11、燃焼段12、又は後燃焼段13の上流側の端部(11b、12b、13b)を中心として、水平面と据付面とによって形成される搬送方向D側の角度をストーカ傾斜角(据付角度)と呼ぶ。据付面の搬送方向下流側D1が水平面より上向きの場合は、ストーカ傾斜角は正の値とし、据付面の搬送方向下流側D1が水平面より下向きの場合は、ストーカ傾斜角は負の値として、ここでは説明する。
【0025】
ストーカ5は、被焼却物Bの搬送方向上流側から順に、被焼却物Bを乾燥させる乾燥段11と、被焼却物Bを焼却する燃焼段12と、未燃分を完全に焼却(後燃焼)する後燃焼段13と、を有している。ストーカ5では、乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13で、被焼却物Bを順次搬送しつつ、それぞれ乾燥、燃焼、及び後燃焼を行う。
ストーカ炉1は、送風機(図示せず)が送風する一次空気を乾燥段11に供給する第一風箱6aと、燃焼段12に供給する第二風箱6bと、後燃焼段13に供給する第三風箱6cと、を有している。
乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13は、複数の固定火格子15と、複数の移動火格子16と、を有している。
【0026】
固定火格子15と移動火格子16とは、搬送方向Dで交互に配置されている。移動火格子16は、被焼却物Bの搬送方向Dに往復運動する。移動火格子16の往復運動によってストーカ5上の被焼却物Bが搬送されるとともに攪拌される。即ち、被焼却物Bの下層部が動かされ、上層部と入れ替えられる。
【0027】
乾燥段11は、フィーダ4によって押し出されて焼却炉3内に落下した被焼却物Bを受け、被焼却物Bの水分を蒸発させるとともに一部熱分解する。燃焼段12は、第二風箱6bから供給される一次空気によって、乾燥段11で乾燥した被焼却物Bに着火させ、揮発分および固定炭素分を燃焼させる。後燃焼段13は、燃焼段12で燃焼されずに通過してきた固定炭素分等の未燃分を完全に灰になるまで燃焼させる。
後燃焼段13の出口には、灰出し口17が設けられている。灰は、灰出し口17を通じて焼却炉3から排出される。
【0028】
ストーカ炉1は、乾燥段11の移動火格子16を駆動する第一駆動装置18aと、燃焼段12の移動火格子16を駆動する第二駆動装置18bと、後燃焼段13の移動火格子16を駆動する第三駆動装置18cと、を備えている。第一駆動装置18a、第二駆動装置18b、第三駆動装置18cは、制御装置30によって制御される。
【0029】
駆動装置18a、18b、18cは、ストーカ5に設けられている梁19に取り付けられている。駆動装置18a、18b、18cは、梁19に取り付けられている油圧シリンダ20と、油圧シリンダ20によって動作するアーム21と、アーム21の先端に接続されているビーム22と、を有している。ビーム22と移動火格子16とは、ブラケット23を介して接続されている。
【0030】
本実施形態の駆動装置18a、18b、18cによれば、油圧シリンダ20のロッドの伸縮によって、アーム21が動作する。アーム21の動作に伴いストーカ5の据付面11a、12a、13aに沿って移動するように構成されているビーム22が移動し、ビーム22に接続されている移動火格子16が駆動する。
【0031】
本実施形態の駆動装置18a、18b、18cは、油圧シリンダ20を用いているがこれに限ることはなく、例えば、油圧モータ、電動シリンダ、電導リニアモータ等を採用することができる。また、駆動装置18a、18b、18cの形態は、上記した形態に限らず、移動火格子16を往復運動させることができれば、どのような形態のものでもよい。例えば、アーム21を配置せずに、ビーム22と油圧シリンダ20を直結して駆動してもよい。
【0032】
本実施形態のストーカ炉1では、制御装置30が、乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13における移動火格子16の駆動の速度を、互いに同じ速度または乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13で異なる速度に制御することができる。
【0033】
図2、及び
図3に示すように、固定火格子15及び移動火格子16は、乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13の据付面11a、12a、13aに対して搬送方向下流側D1が上向きとなるように傾斜して配置されている。
【0034】
乾燥段11の移動火格子16の一部は、突起付火格子16Pである(他は、後述のノーマル火格子である)。
図2に示すように、乾燥段11の搬送方向Dの長さのうち、搬送方向下流側D1から50%乃至80%の範囲R1の移動火格子16が突起付火格子16Pとなっている。突起付火格子16Pを使用することで、撹拌力を向上することができる。
【0035】
図3に示すように突起付火格子16Pは、板状の火格子本体25と、火格子本体25の先端に設けられた三角形状の突起26とを有している。突起26は、火格子本体25の上面から上方に突出している。突起26の形状は、これに限ることはなく、例えば、台形状や、丸形状とすることもできる。
ここで、
図3の固定火格子15は、先端の上面に突起のない火格子であり、この形状をノーマル火格子という。
【0036】
本実施形態では、移動火格子16のみを突起付火格子16Pとしたが、これに限ることはなく、移動火格子16及び固定火格子15の両方を突起付火格子としてもよい。
また、突起付火格子16Pを設ける範囲も上述した範囲に限ることはなく、例えば、乾燥段11の全ての火格子を突起付火格子16Pとしてもよい。
さらに、被焼却物Bの性状や種類によっては、乾燥段11におけるすべての火格子(固定火格子15及び移動火格子16)をノーマル火格子としてもよい。
【0037】
乾燥段11と同様に、燃焼段12の移動火格子16のうち、一部は、突起付火格子16Pである。具体的には、燃焼段12の搬送方向の長さのうち、搬送方向下流側から50%乃至80%の範囲R2の移動火格子16が突起付火格子16Pとなっている。燃焼段12のその他の移動火格子16は、ノーマル火格子である。乾燥段11と同様に、被焼却物Bの性状や種類によって、移動火格子16及び固定火格子15の両方を突起付火格子16Pとしてもよいし、すべての火格子(固定火格子15及び移動火格子16)をノーマル火格子としてもよい。
後燃焼段13の火格子は、
図2では移動火格子16及び固定火格子15はいずれも全てノーマル火格子として示しているが、乾燥段11及び燃焼段12と同様に、突起付火格子16Pを採用してもよい。
【0038】
次に、乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13のストーカ傾斜角(据付角度)について説明する。
図2に示すように、本実施形態のストーカ5の乾燥段11は下向きに配置されている。すなわち、乾燥段11の据付面11aは、搬送方向下流側D1が低くなるように傾斜している。具体的には、乾燥段11の上流側の端部11bを中心とした水平面と据付面11aの搬送方向側の角度である乾燥段11のストーカ傾斜角θ1は、−15°(マイナス15度)から−25°(マイナス25度)の間の角度である。
【0039】
本実施形態のストーカ5の燃焼段12は上向きに配置されている。すなわち、燃焼段12の据付面12aは、搬送方向下流側D1が高くなるように傾斜している。具体的には、燃焼段12の上流側の端部12bを中心とした水平面と据付面12aの搬送方向側の角度である燃焼段12のストーカ傾斜角θ2は、+5°(プラス5度)から+15°(プラス15度)の間の角度、望ましくは+8°(プラス8度)から+12°(プラス12度)の間の角度である。
【0040】
本実施形態のストーカ5の後燃焼段13は上向きに配置されている。すなわち後燃焼段13の据付面13aは、搬送方向下流側D1が高くなるように傾斜している。
後燃焼段13の上流側の端部13bを中心とした水平面と据付面13aの搬送方向側の角度である後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、燃焼段12のストーカ傾斜角θ2と同じである。具体的には、後燃焼段13の上流側の端部13bを中心とした水平面と据付面13aの搬送方向側の角度である後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、+5°(プラス5度)から+15°(プラス15度)の間の角度、望ましくは+8°(プラス8度)から+12°(プラス12度)の間の角度である。
なお、後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、θ2≠θ3としてもよく、また、θ2=θ3でもよい。
【0041】
乾燥段11と燃焼段12との間には、段差(落差壁)27が形成されている。乾燥段11の搬送方向下流側の端部11cは、燃焼段12の搬送方向上流側の端部12bよりも鉛直方向に高くなるように形成されている。
燃焼段12と後燃焼段13との間には段差(落差壁)がない。即ち、燃焼段12と後燃焼段13とは、連続的に接続されている。換言すれば、燃焼段12と後燃焼段13とは、燃焼段12の搬送方向下流側の端部12cと後燃焼段13の搬送方向上流側の端部13bとが同じ高さになるように形成されている。従って、後燃焼段13の搬送方向下流側の端部13cは、鉛直方向において、燃焼段12の搬送方向下流側の端部12cよりも上方に配置される。
【0042】
次に、乾燥段11のストーカ傾斜角を−15°(マイナス15度)から−25°(マイナス25度)の間の角度とする理由について説明する。
乾燥段11の機能は、燃焼段12の被焼却物Bの上方にある火炎からの輻射熱及び火格子下からの一次空気の顕熱により効率良く被焼却物B中の水分を乾燥させることである。
ここで、火炎からの輻射熱の方が、一次空気の顕熱に比べて乾燥への寄与度が高く、被焼却物Bの上層部の乾燥が進行しやすい。
このため、火格子による撹拌動作によって、被焼却物Bの下層部を上方へ動かし、上層部と入れ替えることで乾燥速度を向上させている。
しかし、撹拌動作を行っても、乾燥段11においては基本的に燃焼させるわけではないので、水分蒸発が十分に進むだけの長さの確保は必要となる。長さが長くなればなるほど装置が大型化しコストもかかるので、ストーカ長を可能な限り短くすることが求められる。
【0043】
ストーカ傾斜角の絶対値が被焼却物Bの安息角よりも大きいと、自重で崩れ、被焼却物Bの層が形成されないため、ストーカ5として成り立たない。一方、ストーカ傾斜角の絶対値を被焼却物Bの安息角より小さくしていくと、ストーカとして成り立つが、被焼却物Bの重力による移動(自重による移動)が減ってゆく。さらに、据付面が上向き、すなわちストーカ傾斜角が正の値(プラスの値)で傾斜している場合、重力は被焼却物Bを搬送方向から押し戻す方向に働く。
ストーカ5による被焼却物Bの搬送量が投入された被焼却物Bの量を下回ると、搬送限界となり処理不能となる。
【0044】
最適なストーカ傾斜角は、投入される被焼却物Bの量と被焼却物Bの含水率により異なる。ここでは、投入される被焼却物Bの量が多くかつ含水率が高い(水分量が多い)場合を、投入被焼却物負荷が大きい場合として説明を進める。逆に、投入される被焼却物Bの量が少なくかつ含水率が低い場合は、投入被焼却物負荷が小さい場合となる。
【0045】
図4は、横軸を乾燥段11のストーカ傾斜角、縦軸を乾燥段11の必要ストーカ長とし、投入被焼却物負荷が最も大きい場合(1)から順に、投入被焼却物負荷が最も小さい場合(4)まで、乾燥段11のストーカ傾斜角と乾燥段11の必要ストーカ長との関係をプロットした例を示すものである。
ここで、必要ストーカ長とは、投入される被焼却物Bの水分の95%が乾燥する距離である。横軸の「安息角」は、被焼却物Bの安息角を示すものである。
【0046】
図4のグラフに示すように、ストーカ傾斜角−30°が被焼却物Bの層を形成する限界である。この層形成限界のストーカ傾斜角に対して、ストーカ傾斜角が緩くなるに従って、必要ストーカ長は減少するが、ストーカ傾斜角が正の値に転じると、必要ストーカ長は、徐々に長くなる。これは、ストーカ傾斜角が正の値になると、据付面が上向きになり、搬送速度が遅くなる結果、被焼却物Bの層が厚くなり、下層部の被焼却物Bの乾燥が進行しにくくなるからである。
【0047】
投入される被焼却物Bの負荷が最も大きい場合(1)から投入される被焼却物Bの負荷が最も小さい場合(4)までの4つのケースから、被焼却物Bがいかなる性状、量であっても適正に処理でき、かつ、ストーカ長を最も短くできる最適な乾燥段11のストーカ傾斜角は、(1)の曲線の最下点近傍のストーカ長に対応する−15°(マイナス15度)から−25°(マイナス25度)の間の角度が適正範囲であることが分かる。そして、最適値は−20°(マイナス20度)となる。
【0048】
次に、乾燥段11のストーカ傾斜角を上述のように適正範囲のものとした場合において、燃焼段12のストーカ傾斜角を+8°(プラス8度)乃至+12°(プラス12度)の間の角度にすることが適している理由について説明する。
燃焼段12の機能は、火炎からの輻射熱、自己燃焼熱により被焼却物Bの層の温度を維持し、揮発分の熱分解による可燃ガスの発生促進、熱分解後に残った固定炭素の燃焼を行うものである。
【0049】
ここで、揮発性可燃ガスの揮発に要する時間に比べて固定炭素の燃焼に要する時間の方が長いため、燃焼段12の必要ストーカ長は、固定炭素の燃焼に必要な時間によって決まる。
【0050】
図5は、乾燥段11のストーカ傾斜角を上述のように適正範囲のものとした場合において、横軸を燃焼段のストーカ傾斜角、縦軸を燃焼段の必要ストーカ長とし、投入被焼却物負荷が最も大きい場合(1)から順に、投入被焼却物負荷が最も小さい場合(4)まで、燃焼段のストーカ傾斜角と燃焼段の必要ストーカ長との関係をプロットしたものである。ここで、燃焼段の必要ストーカ長とは、可燃分の95%が揮発または燃焼する距離である。
【0051】
図5に示すように、ストーカ傾斜角−30°が被焼却物Bの層を形成する限界である。この層形成限界のストーカ傾斜角に対して、角度が緩くなるに従って、必要ストーカ長は減少する。搬送限界を考慮すると、ストーカ傾斜角の適正範囲は、
図5に示す一点鎖線で囲む範囲とすることができる。
【0052】
乾燥段11において投入被焼却物負荷が大きい場合であっても、乾燥段11はストーカ傾斜角が適正範囲であるため、ごみの含水率低減及び体積減少が促進される。このため、例えば乾燥段11で負荷が(1)に相当するものであっても燃焼段12では負荷は(3)、(4)に相当するものに変化するので、燃焼段12では、より大きなストーカ傾斜角を採用できるようになる。すなわち、燃焼段を上向きとすることができることで固定炭素の燃焼に必要な滞留時間の確保ができ、さらにストーカ長さを短くできる。
【0053】
図6は、横軸を燃焼段12のストーカ傾斜角、縦軸を乾燥段11と燃焼段12の両方で必要なストーカ長とし、投入される被焼却物Bの負荷が最も大きい場合(1)から順に、投入される被焼却物Bの負荷が最も小さい場合(4)まで、燃焼段12のストーカ傾斜角と乾燥段11と燃焼段12の両方で必要なストーカ長との関係をプロットしたものである。ここで、乾燥段11のストーカ傾斜角は最適値の−20°(マイナス20度)としている。
【0054】
図6に示すように、搬送限界を考慮すると、燃焼段12のストーカ傾斜角の適正範囲は、おおよそ+5°(プラス5度)から+15°(プラス15度)の間の角度、より詳細には+8°(プラス8度)乃至+12°(プラス12度)の間の角度であることが分かる。また、乾燥段11のストーカ傾斜角が最適値の−20°(マイナス20度)の場合、燃焼段12のストーカ傾斜角の最適値は+10°(+10度)である。
乾燥段11と燃焼段12の必要ストーカ長は、各々のストーカ傾斜角を適正範囲、特に最適値とすることで可能な限り短いストーカ長とすることができるので、後燃焼段13まで含めても、比較的小さなサイズかつ低コストなストーカ炉とすることができる。
なお、後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、上述の燃焼段12のストーカ傾斜角θ2と同一の角度範囲内でθ2≠θ3としてもよく、また、θ2=θ3でもよい。
【0055】
次に、制御装置30による被焼却物Bの燃切点Pに基づく駆動装置18a、18b、18cの制御について説明する。燃切点Pとは、ストーカ5上の被焼却物Bの火炎を伴う燃焼が実質的に完了する点である。
本実施形態のストーカ炉1は、被焼却物Bの燃切点Pに応じて各段(乾燥段11、燃焼段12、後燃焼段13)の移動火格子16の駆動速度(移動速度)を変更する機能を有している。
【0056】
図2に示すように、ストーカ炉1においては、理想的な燃切点である目標燃切点Ptが、搬送方向Dで見て、燃焼段12の中央よりも下流側に設定されている。ここでは、目標燃切点Ptは、燃焼段12上に設定されている。燃切点Pの位置が目標燃切点Ptよりも搬送方向上流側であれば、被焼却物Bの層の搬送方向Dの長さが短く、燃焼が効率的とならない可能性がある。燃切点Pの位置が目標燃切点Ptよりも搬送方向下流側であれば、被焼却物Bの層の搬送方向Dの長さが長く、被焼却物Bの燃え残りが生じる可能性がある。
【0057】
燃切点検出装置である熱電対31は、燃焼段12の火格子のうち、目標燃切点Pt近傍の固定火格子15または移動火格子16の表面に設置されている。熱電対31は、ストーカ5上で被焼却物Bが燃焼することによって変動する火格子の温度を測定する。当該測定された温度が、被焼却物Bの燃切点Pの位置に対応する検出信号となる。
【0058】
制御装置30は、熱電対31によって測定された火格子温度T(検出信号)に対応する燃切点Pの位置を推定する燃切点推定部30aと、燃切点推定部30aによって推定された燃切点Pの位置に基づいて駆動装置18a、18b、18cを制御する駆動装置制御部30bと、を有している。
【0059】
発明者らは、燃焼段12の火格子温度Tと、燃切点Pの位置との間に相関関係が存在することを見出した。
例えば、
図2に示すような目標燃切点Ptを設定した場合、火格子温度TがT1℃である場合、燃切点Pが目標燃切点Ptに一致し、火格子温度TがT1℃より低い場合、燃切点Pが目標燃切点Ptよりも搬送方向上流側に位置し、火格子温度TがT1℃より高い場合、燃切点Pが目標燃切点Ptよりも搬送方向下流側に位置していると判断することができることを見出した。
【0060】
また、発明者らは、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度を燃焼段12の移動火格子16の駆動速度より遅くすることによって、被焼却物Bの層をより燃焼段12側に堆積させることができることを見出した。即ち、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度を遅くすることによって、被焼却物Bの層は、後燃焼段13よりも燃焼段12側に留まることがわかった。
【0061】
燃切点推定部30aは、熱電対31によって測定された燃焼段12の火格子温度Tに基づいて、燃切点Pの位置を推定する。燃切点推定部30aは、火格子温度Tが閾値であるT1℃である場合、燃切点Pが目標燃切点Ptに一致し、火格子温度TがT1℃より低い場合、燃切点Pが目標燃切点Ptよりも搬送方向上流側に位置し、火格子温度TがT1℃より高い場合、燃切点Pが目標燃切点Ptよりも搬送方向下流側に位置していると判定する。
【0062】
制御装置30は、まず、乾燥段11、燃焼段12、後燃焼段13のそれぞれの移動火格子16を、それぞれ所定の駆動速度(所定速度)で駆動する。乾燥段11の移動火格子16の所定速度を第一駆動速度V1、燃焼段12の移動火格子16の所定速度を第二駆動速度V2、後燃焼段13の移動火格子16の所定速度を第三駆動速度V3とした場合、被焼却物Bの性状により、V1、V2、V3の値は適宜設定される。従って、被焼却物Bの性状により、V1=V2=V3の場合もあれば、V1≠V2≠V3の場合もありうる。本実施形態では、V1<V2≒V3と設定される場合が多い。また、V2はおおよそ100秒で1往復する程度の駆動速度である。ただし、上述のように被焼却物Bの性状に応じて駆動速度が設定されるため、この速度はあくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0063】
制御装置30の駆動装置制御部30bは、燃切点Pが目標燃切点Ptと同位置の場合、または目標燃切点Ptよりも搬送方向上流側に位置する場合、燃焼段12の移動火格子16と後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度を変化させないよう第二駆動装置18bと第三駆動装置18cとを制御する。従って、燃焼段12の移動火格子16は所定速度である第二駆動速度V2を維持し、後燃焼段13の移動火格子16は所定速度である第三駆動速度V3を維持して駆動される。すなわち、燃焼段12と後燃焼段13の各移動火格子16は、それぞれ従前と同じ駆動速度で駆動し続けることになる。
【0064】
駆動装置制御部30bは、燃切点Pが目標燃切点Ptよりも搬送方向下流側に位置する場合、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度が、燃焼段12の移動火格子16の駆動速度よりも遅い駆動速度で駆動するように第二駆動装置18bと第三駆動装置18cとを制御する。
【0065】
なお、V2>V3の場合、すなわち、もともと燃焼段12の移動火格子16の駆動速度よりも遅い駆動速度で後燃焼段13の移動火格子16を駆動していた場合、駆動装置制御部30bは、例えば、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度をV3よりもさらに遅くするよう、第三駆動装置18cを制御する。言い換えれば、駆動装置制御部30bは、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度を従前より遅く制御する。
【0066】
後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度は、燃焼段12の移動火格子16の駆動速度の30%〜80%とすることができる。
【0067】
発明者らによる事前の予想では、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度を燃焼段12の移動火格子16の駆動速度より遅くすることによって、
図7の一点鎖線Beで示すように被焼却物Bの層が堆積されると思われたが、シミュレーションによって、被焼却物Bの層が実線Baで示すように堆積することがわかった。
実線Baで示すように被焼却物Bの層が形成されるため、燃焼段12においては突起付火格子16Pで撹拌が効果的に行われ、燃焼段12上に被焼却物Bを保持する時間を稼ぐのみならず、結果的に燃焼が効果的に行われる。よって、後燃焼段13から排出される被焼却物Bの燃え残りを低減することができる。
【0068】
上記実施形態によれば、乾燥段11が下向きに傾斜していることによって、どのような性状の被焼却物Bであっても燃焼段12まで滞りなく搬送することができ、かつ、燃焼段12及び後燃焼段13は上向きに傾斜していることによって、燃焼段12の下流に被焼却物Bが容易に滑り落ちたり、転がり落ちたりすることなく、十分に燃焼されて搬送される。
【0069】
即ち、滑りやすい素材又は転がりやすい形状の被焼却物Bの場合、乾燥段11を転がるなどして燃焼段12まで早期に搬送されるので、乾燥段11では十分に乾燥できない可能性がある。しかしながら、燃焼段12と後燃焼段13とが上向きに傾斜していため、乾燥段11を転がり落ちた被焼却物Bが燃焼段12と後燃焼段13をさらに転がり落ちることはなく、燃焼段12で必ず十分に乾燥、焼却がなされる。含水率が高い被焼却物Bは、乾燥段11に滞留することなく、乾燥されつつ燃焼段12へ搬送されるので、やはり同様に、燃焼段12で必ず十分に焼却される。
これにより、被焼却物Bの性状によらず被焼却物Bを連続投入でき、かつ、被焼却物Bの燃え残りを無くすることができる。
【0070】
また、仮に乾燥段11を転がり落ちた被焼却物Bの勢いが強く、燃焼段12をその勢いで通過したとしても、少なくとも後燃焼段13で停止し、後燃焼段13から排出されることはない。そして、後燃焼段13と燃焼段12が段差なく連続的に接続されていることにより、万一、後燃焼段13まで十分に燃焼されない被焼却物Bが転がる等して進んだとしても、自重により燃焼段12まで戻され、燃焼を行うことができる。すなわち、不完全に燃焼された被焼却物Bの排出を極力低減することができる。
【0071】
また、燃切点Pが目標燃切点Ptより搬送方向下流側に位置する場合、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度を燃焼段12の移動火格子16の駆動速度より遅くすることによって、被焼却物Bの層を、燃焼段12側に留めることができる。これにより、燃焼段12上の被焼却物Bの層の厚さが保たれ、燃焼段12の火格子を保護することができる。
【0072】
また、被焼却物Bの層の厚さが保たれることによって、想定より大きな処理物が投入された場合においても、被焼却物Bの層によって火格子15、16が保護されるとともに、処理物を搬送方向Dに搬送することができる。
【0073】
また、燃切点Pに対応する検出信号を取得する燃切点検出装置として熱電対31を採用したことによって、より安価な構成で燃切点Pの位置を設定することができる。
【0074】
なお、上記実施形態では、燃切点Pの位置を燃焼段12の火格子に配置された熱電対31によって測定された火格子温度Tに対応するものとしたが、これに限ることはない。例えば、熱電対31によって測定された火格子温度Tの温度変化(変化速度)を監視し、燃切点Pの位置を火格子温度Tの温度変化に基づいて推定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、熱電対31を燃焼段12に設置したが、これに限ることはなく、熱電対を燃焼段12と後燃焼段13の少なくとも一方に設置する構成とすることができる。熱電対31を燃焼段12に設置する場合は、燃焼段12の下流側が望ましく、後燃焼段13に設置する場合は、後燃焼段13の上流側が望ましい。
【0075】
また、燃切点検出装置として、複数の熱電対を備える構成としてもよい。即ち、熱電対を、例えば、燃焼段12の上流側、燃焼段12の下流側、後燃焼段13の上流側、及び後燃焼段13の下流側のそれぞれに配置してもよい。
このように、複数の熱電対を配置することによって、燃切点Pの位置をより正確に推定することができる。
なお、熱電対の数はこれに限ることはなく、ストーカ5の大きさやコストに応じて適宜変更することができる。また、
図1の紙面奥行き方向に複数の熱電対を配置してもよい。
【0076】
〔第二実施形態〕
以下、本発明の第二実施形態のストーカ炉について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態のストーカ炉は、乾燥段11の火格子温度Tdを測定してこれに対応する温度信号を制御装置30Bへ出力する乾燥段温度測定装置(乾燥段温度測定装置は、例えば乾燥段熱電対32を備える)と、乾燥段11の下方に配置された第一風箱6a内の圧力PR1を測定してこれに対応する第一圧力信号を制御装置30Bへ出力する第一圧力測定装置33aと、燃焼段12の下方に配置された第二風箱6b内の圧力PR2を測定してこれに対応する第二圧力信号を制御装置30Bへ出力する第二圧力測定装置33bと、を備えている。乾燥段熱電対32は、搬送方向Dで見て、乾燥段11の中央よりも下流側の乾燥段11の固定火格子15または移動火格子16の表面に設置されるのが望ましい。
本実施形態の制御装置30Bは、火格子温度T、Td及び圧力PR1、PR2に基づいて、燃焼段12の移動火格子16の駆動速度、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度に加え、乾燥段11の移動火格子16の駆動速度を制御する。
【0077】
本実施形態の制御装置30Bは、風箱内の圧力について閾値(第一風箱6aに対応して第一閾値、第二風箱6bに対応して第二閾値)を設定している。閾値は、風箱上のストーカに堆積する被焼却物Bの厚さに基づいて設定される。なお、被焼却物Bの性状に応じて、第一閾値と第二閾値は、同一の値に設定される場合もあれば、互いに異なる値に設定される場合もありうる。制御装置30は、風箱内の圧力が閾値以上であれば、被焼却物Bの層の厚さが過剰であると判断する。
【0078】
よって、第二風箱6b内の圧力PR2が、閾値(第二閾値)未満である場合、燃焼段12上の被焼却物Bの層が薄く、燃焼段12の処理能力に余裕があると判断することができる。一方で、第一風箱6aの圧力PR1が閾値(第一閾値)以上であり、かつ、乾燥段11の火格子温度Tdが所定の温度(第三閾値)以上である場合、乾燥段11上の被焼却物Bの層が厚く、乾燥段11で被焼却物Bの燃焼が行われていると判断することができる。
【0079】
制御装置30Bは、第一実施形態と同様、まず、乾燥段11の移動火格子を所定速度V1で駆動する制御を行っている。
そして、制御装置30Bは、第一実施形態のストーカ炉1と同様の制御を行うとともに、第一風箱6a内の圧力PR1が閾値(第一閾値)以上、かつ、第二風箱6b内の圧力PR2が閾値(第二閾値)未満、かつ、乾燥段11の火格子温度Tdが、所定の温度(第三閾値)以上である場合に、乾燥段11の移動火格子16の駆動速度を上記所定速度V1より速くする制御を行う。すなわち、燃焼段12の処理能力に余裕があり、乾燥段11の被焼却物Bの層が厚く、かつ、乾燥段11で被焼却物Bが燃焼している場合、乾燥段11の被焼却物Bを早期に燃焼段12へ移動させる。
また、制御装置30は、第一風箱6a内の圧力PR1が閾値(第一閾値)未満、かつ、第二風箱6b内の圧力PR2が閾値(第二閾値)以上、かつ、乾燥段11の火格子温度Tdが、所定の温度(第三閾値)未満である場合に、乾燥段11の移動火格子16の駆動速度を上記所定速度V1より遅くする制御を行う。すなわち、燃焼段12に被焼却物Bが多量に溜まっている一方、乾燥段11の被焼却物Bの量が少なく処理能力に余裕がある場合、乾燥段11から燃焼段12への被焼却物Bの移動を遅くする。
【0080】
上記実施形態によれば、被焼却物Bの層の厚さに基づいて乾燥段11の移動火格子16の駆動速度を調整することによって、乾燥段11、燃焼段12、後燃焼段13における被焼却物Bの処理バランスを向上させることができる。
なお、上記実施形態では、圧力PR1、PR2とそれぞれに対応する閾値とを比較して制御装置30Bが制御したが、これに限ることはない。例えば、制御装置30Bは、圧力PR1、PR2の圧力変化(変化速度)を監視して制御する構成としてもよい。また、制御装置30Bは、乾燥段11の火格子温度Tdの温度変化(変化速度)を監視して制御する構成としてもよい。この場合、第一圧力信号は、圧力PR1の圧力変化に対応する信号とし、第二圧力信号は、圧力PR2の圧力変化に対応する信号とし、温度信号は、火格子温度Tdの温度変化に対応する信号とし、第一閾値、第二閾値、及び第三閾値をこれらに対応して設定すればよい。
【0081】
〔第三実施形態〕
以下、本発明の第三実施形態のストーカ炉について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のストーカ炉1Cは、燃切点検出装置として、後燃焼段13の上方、具体的には炉の天井に設置された撮像装置34を備えている。
撮像装置34は、温度分布を検出可能なカメラまたはセンサである。
撮像装置34によって検出される燃焼段12の下流側または後燃焼段13の上流側の温度分布は、被焼却物Bの燃切点Pの位置に対応する検出信号となる。
【0082】
制御装置の燃切点推定部30aは、撮像装置34によって検出された温度分布に基づいて、燃切点Pの位置を推定する。
駆動装置制御部30bは、燃切点Pが目標燃切点Ptと同位置の場合、または目標燃切点Ptよりも搬送方向上流側に位置する場合、燃焼段12の移動火格子16と後燃焼段13の移動火格子16とが同じ駆動速度で駆動するように第二駆動装置18bと第三駆動装置18cとを制御する。
駆動装置制御部30bは、燃切点Pの位置が目標燃切点Ptよりも搬送方向下流側に位置する場合、第一実施形態と同様、後燃焼段13の移動火格子16の駆動速度が、燃焼段12の移動火格子16の駆動速度よりも遅い駆動速度で駆動するように第二駆動装置18bと第三駆動装置18cとを制御する。
【0083】
上記実施形態によれば、ストーカ5上の温度分布を把握することにより、より正確に燃切点Pの位置を推定することができる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では、火格子15、16の先端が搬送方向下流側D1を向くように配置されているが、これに限ることはなく、例えば、乾燥段11の火格子15、16の先端が搬送方向上流側を向くように配置されてもよい。
また、燃切点検出装置として熱電対と撮像装置のいずれか一方を使用するのみならず、熱電対と撮像装置の両方を用いて燃切点Pの位置を推定する構成としてよい。例えば、第一実施形態または第二実施形態と第三実施形態とを組み合わせた構成としてもよい。
【解決手段】被焼却物Bの燃切点Pに対応する検出信号を取得する燃切点検出装置31と、乾燥段11の移動火格子を駆動する第一駆動装置18aと、燃焼段12の移動火格子を駆動する第二駆動装置18bと、後燃焼段13の移動火格子を駆動する第三駆動装置18cと、制御装置30と、を有し、乾燥段11は下流側が下向きとなるように傾斜して配置され、燃焼段12及び後燃焼段13は下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、制御装置は、燃切点Pの位置が目標燃切点を越えない場合、燃焼段12の移動火格子と後燃焼段13の移動火格子の駆動速度を変化させず、燃切点Pの位置が目標燃切点より下流側に位置する場合、後燃焼段13の移動火格子の駆動速度が、燃焼段12の移動火格子よりも遅くなるよう第二駆動装置と第三駆動装置とを制御するストーカ炉を提供する。