【文献】
ロストディメンション,週刊ファミ通 第29巻 第23号,株式会社KADOKAWA,2014年 5月22日,第29巻,P.222−223
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記設定手段は、ターン開始時の上記キャラクタの初期位置から遠ざかるように上記キャラクタが移動した場合、上記移動可能範囲を小さくすることを特徴とする請求項1に記載のビデオゲーム装置。
上記設定手段は、上記初期位置から上記キャラクタの位置までの直線距離が大きくなるほど、上記移動可能範囲を小さくすることを特徴とする請求項2に記載のビデオゲーム装置。
上記設定手段は、移動後の上記キャラクタの位置に上記移動可能範囲の重心が近づくように、扇形の中心角を小さくして、上記移動可能範囲を小さくすることを特徴とする請求項5に記載のビデオゲーム装置。
上記表示制御手段は、上記仮想空間を所定の視点から見た所定の視野範囲を表すサブ画像であって、上記メイン画像と視点が異なるサブ画像を上記表示部に表示させ、上記移動可能範囲を上記サブ画像に重畳させて表示させることを特徴とする請求項7または8に記載のビデオゲーム装置。
上記キャラクタ制御手段は、第1キャラクタの行動が終了した後、当該第1キャラクタと異なる第2キャラクタが上記第1キャラクタの行動権限を復活させた場合、上記第1キャラクタを行動可能にすることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のビデオゲーム装置。
請求項1から10の何れか1項に記載のビデオゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのビデオゲーム制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるためのビデオゲーム制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来技術は、キャラクタの移動に応じてゲームの嗜好性を上げたり、見せ方を工夫したりしている。しかしながら、従来技術に係るゲームは、基本的に自由にキャラクタを移動することができ、戦略性に乏しい。そのため、従来技術に係るゲームは、遊戯性に優れているとは限らなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、戦略性のあるゲームを提供するビデオゲーム装置、ビデオゲーム装置の制御方法、ビデオゲーム制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係るビデオゲーム装置は、複数のキャラクタが順番に行動可能になるターン制のビデオゲームを実行するビデオゲーム装置であって、ユーザの操作に応じて、特定のキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段と、上記キャラクタに関する一回のターンにおいて、ビデオゲーム内の仮想空間における、当該キャラクタの移動可能な範囲を示す移動可能範囲を設定する設定手段と、を備え、上記設定手段は、上記キャラクタの移動に応じて、上記移動可能範囲を小さくすることを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、上記設定手段は、上記キャラクタの移動に応じて、上記キャラクタが移動可能な範囲を制限することができる。そのため、ユーザは、キャラクタの移動操作を安易に行うことができない。よって、ユーザに対して、移動操作に関して切迫感を与えることができる。
【0009】
したがって、本発明に係るビデオゲーム装置は、戦略性のあるゲームを提供することができ、遊戯性に優れたゲームを実現することができるという効果を奏する。
【0010】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記設定手段は、ターン開始時の上記キャラクタの初期位置から遠ざかるように上記キャラクタが移動した場合、上記移動可能範囲を小さくすることが好ましい。
【0011】
上記の構成によれば、上記設定手段は、上記キャラクタが上記初期位置から遠ざかるように移動した場合に上記移動可能範囲を小さくする。一方、上記設定手段は、上記キャラクタが移動したとしても、上記キャラクタが上記初期位置に近づくように移動した場合には上記移動可能範囲を小さくしない。
【0012】
そのため、ユーザは、上記初期位置から遠ざかるように上記キャラクタを動かす場合は、安易に動かすことができないが、初期位置に近づく移動は自由に行うことができる。よって、本発明に係るビデオゲーム装置は、戦略性を有し、かつ、ユーザに一定の自由度があるゲームを提供することができる。
【0013】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記設定手段は、上記初期位置から上記キャラクタの位置までの直線距離が大きくなるほど、上記移動可能範囲を小さくすることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記設定手段は、上記初期位置から上記キャラクタの位置までの直線距離が大きくなるほど、上記移動可能範囲を小さくする。例えば、上記初期位置から上記キャラクタの位置までの距離に比例して、上記移動可能範囲の減少量を大きくする。上記設定手段は、そのため、ユーザは、上記初期位置から遠ざかるように上記キャラクタを動かすほど、上記キャラクタを安易に動かすことができなくなる。よって、本発明に係るビデオゲーム装置は、より高度な戦略性を有するゲームを提供することができる。
【0015】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記設定手段は、上記キャラクタの移動方向と反対方向側から上記移動可能範囲を小さくすることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記設定手段は、上記キャラクタの移動方向と反対方向側から上記移動可能範囲を小さくする。そのため、ユーザは、上記キャラクタを一旦移動させると、上記キャラクタを移動させた方向と反対方向には動かすことが困難または不可能になる。よって、本発明に係るビデオゲーム装置は、より高度な戦略性を有するゲームを提供することができる。
【0017】
また、本発明に係るビデオゲーム装置では、上記仮想空間において上記キャラクタの移動可能な空間は2次元であり、上記設定手段は、ターン開始時の上記キャラクタの初期位置を中心とする円形の領域を、ターン開始時の上記移動可能範囲として設定し、上記キャラクタの移動に応じて、上記移動可能範囲を上記初期位置を頂点とする扇形にすることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、上記設定手段は、ターン開始時に円形の移動可能範囲を設定し、上記キャラクタの移動に応じて、円形から扇形にして移動可能範囲を小さくする。そのため、ユーザは、最初は任意の方向に上記キャラクタを移動させることができるが、上記キャラクタを一旦移動させると、上記キャラクタを所定の方向には動かすことができなくなる。よって、本発明に係るビデオゲーム装置は、より高度な戦略性を有するゲームを提供することができる。
【0019】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記設定手段は、移動後の上記キャラクタの位置に上記移動可能範囲の重心が近づくように、扇形の中心角を小さくして、上記移動可能範囲を小さくすることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記設定手段は、移動後の上記キャラクタの位置に上記移動可能範囲の重心が近づくように、移動可能範囲である扇形の中心角を小さくする。すなわち、上記設定手段は、移動後の上記キャラクタの位置から遠い部分から移動可能範囲を小さくする。そのため、ユーザは、上記キャラクタを一旦移動させると、移動後の上記キャラクタの位置から遠い場所には移動させることが困難または不可能になる。よって、本発明に係るビデオゲーム装置は、より高度な戦略性を有するゲームを提供することができる。
【0021】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記仮想空間を所定の視点から見た所定の視野範囲を表すメイン画像を表示部に表示させる表示制御手段と、をさらに備え、上記表示制御手段は、上記移動可能範囲を、上記メイン画像に重畳させて表示させることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、上記移動可能範囲を上記メイン画像に重畳させて表示させる。そのため、ユーザは、上記表示部を見て移動操作を行いながら、上記移動可能範囲を簡単に認識することができる。
【0023】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記表示制御手段は、上記移動可能範囲の大きさに応じて、上記移動可能範囲の表示の仕方を変更することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、上記移動可能範囲の大きさに応じて、上記移動可能範囲の表示の仕方を変更する。そのため、ユーザは、上記キャラクタの移動により上記移動可能範囲が小さくなっていることを容易に認識することができる。
【0025】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記表示制御手段は、上記仮想空間を所定の視点から見た所定の視野範囲を表すサブ画像であって、上記メイン画像と視点が異なるサブ画像を上記表示部に表示させ、上記移動可能範囲を上記サブ画像に重畳させて表示させることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、上記移動可能範囲を上記サブ画像に重畳させて表示させる。そのため、ユーザは、上記サブ画像からも上記移動可能範囲を認識することができる。
【0027】
また、本発明に係るビデオゲーム装置において、上記キャラクタ制御手段は、第1キャラクタの行動が終了した後、当該第1キャラクタと異なる第2キャラクタが上記第1キャラクタの行動権限を復活させた場合、上記第1キャラクタを行動可能にすることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、上記キャラクタ制御手段は、上記第1キャラクタの行動が終了した後、上記第2キャラクタが上記第1キャラクタの行動権限を復活させた場合、上記第1キャラクタを行動可能にする。そのため、ユーザは、第1キャラクタを行動させた後、再度第1キャラクタに行動させることができる。よって、本発明に係るビデオゲーム装置は、より高度な戦略性を有するゲームを提供することができる。
【0029】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係るビデオゲーム装置の制御方法は、複数のキャラクタが順番に行動可能になるターン制のビデオゲームを実行するビデオゲーム装置の制御方法であって、ユーザによって操作される特定のキャラクタに関する一回のターンにおいて、ビデオゲーム内の仮想空間における、当該キャラクタの移動可能な範囲を示す移動可能範囲を、ターン開始時に設定する設定ステップと、上記キャラクタの移動に応じて、上記設定ステップにおいて設定された移動可能範囲を小さくする変更ステップと、を含むことを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、上記ビデオゲーム装置と同様の効果を奏する。
【0031】
本発明の各態様に係るビデオゲーム装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ビデオゲーム装置が備える各手段として動作させることにより上記ビデオゲーム装置をコンピュータにて実現させるビデオゲーム装置のビデオゲーム制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、戦略性のあるゲームを提供することができ、遊戯性に優れたゲームを実現することができる。の効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の一実施形態について、
図1〜
図10を参照して説明する。
図2は、本実施形態のゲーム装置の概略構成を示している。なお、本実施形態のゲーム装置(ビデオゲーム装置)10は、操作ボタンおよびディスプレイを一体に備えた携帯型ゲーム装置であるが、これに限定されるものではない。例えば、操作ボタンを有するコントローラおよびディスプレイの各々とは別体である据え置き型のゲーム装置であってもよい。
【0035】
(ゲーム装置10のハードウェア構成)
図2に示すように、ゲーム装置10では、CPU(Central Processing Unit)11、GPU(Graphics Processing Unit)12、RAM(Random Access Memory)13、操作スイッチ14、LCD(Liquid Crystal Display)15、LCDドライバ16、スピーカ17、コネクタ18、通信ユニット19、および電源20が、バス21を介して接続されている。また、ゲーム装置10では、ゲームソフト(ビデオゲーム制御プログラム)が記録されたROM(Read Only Memory)を内蔵したカートリッジ22がコネクタ18に着脱可能となっている。
【0036】
CPU11は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムを実行することにより、ゲーム装置10内の各種構成を統括的に制御するものである。
【0037】
GPU12は、画像データ処理を行なう専用のハードウェアである。なお、GPU12は、CPU11と一体であってもよい。
【0038】
RAM13は、通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶するものであり、いわゆるワーキングメモリである。なお、図には示していないが、RAM13の他にも、ブートストラップ、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROMや、各種の設定データなどを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)などの記憶素子が設けられている。
【0039】
操作スイッチ14は、ゲーム装置10の表面に設けられ、ユーザの操作によりユーザから各種の入力を受け付ける入力デバイスである。操作スイッチ14は、ユーザが操作した情報を操作データに変換してCPU11に送信する。操作スイッチ14の例としては、操作用ボタン、テンキー、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス(例えばマウス)などが挙げられる。
【0040】
LCD15は、液晶を利用した表示素子であり、LCDドライバ16は、受信した画像データに基づいて、LCD15を駆動するものである。これにより、LCD15の表示画面に画像が表示される。なお、LCD15の代わりに有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなど、他の表示素子を利用してもよい。
【0041】
スピーカ17は、受信した音声データに基づいて、各種情報を外部に音声出力するものである。なお、イヤホン、ヘッドホンなどの外部の音声出力デバイスが接続するための音声出力用コネクタを設けてもよい。
【0042】
コネクタ18は、上述のように、カートリッジ22を着脱可能に取り付けるためのものである。コネクタ18およびカートリッジ22は、それぞれ、カートリッジ22内のROMに記録されたデータにアクセスするためのI/F(インタフェース)を備えている。
【0043】
通信ユニット19は、外部装置と近距離無線通信を行なうためのものである。近距離無線通信の例としては、IrDAなどの赤外線通信や、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの電波通信が挙げられる。
【0044】
電源20は、ゲーム装置10内の各種構成に適当な電力を供給するものである。電源20は、例えば、リチウムイオン電池などの充電可能な2次電池、電源回路などによって構成される。
【0045】
上記構成のゲーム装置10において、カートリッジ22をコネクタ18に取り付け、カートリッジ22のROMに記録されたビデオゲーム制御プログラムをCPU11が実行することにより、ビデオゲームが開始される。以下、本実施形態の一例として実行されるビデオゲームについて説明する。なお、これに限るものではなく、例えば、ゲーム装置10は、ビデオゲーム制御プログラムを保持する外部サーバ(不図示)と通信ユニット19を介して接続し、外部サーバからビデオゲーム制御プログラムをダウンロードしてもよい。
【0046】
(ゲームの概要)
この実施形態では、ビデオゲームの一部として、ターン制の戦闘ゲームを含むビデオゲームを例にあげて説明する。戦闘ゲームは、ユーザがゲーム上の仮想空間に配置されるプレイヤキャラクタを操作して敵キャラクタと戦闘するゲームである。また、ターン制であるため、戦闘ゲームでは、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタが順番に移動や攻撃等の行動を実行する。なお、ユーザによって操作される特定のキャラクタをプレイヤキャラクタと称する。
【0047】
本実施形態に係る戦闘ゲームは、一回のターンにおいて、プレイヤフェーズおよび敵フェーズがある。プレイヤフェーズにおいて、プレイヤキャラクタが順番に行動を実行し、全てのプレイヤキャラクタの行動が終了すると、敵フェーズに移行する。敵フェーズでは、敵キャラクタが順番に行動を実行し、全ての敵キャラクタの行動が終了すると、プレイヤフェーズに移行する。このように、プレイヤフェーズおよび敵フェーズを繰り返し、戦闘ゲームが進行する。
【0048】
ただし、これに限るものではなく、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタが所定の順序で、又はランダムで行動を実行するようにしてもよい。
【0049】
各キャラクタが実行する行動には、第1種行動および第2種行動がある。第1種行動は、キャラクタがゲーム内の仮想空間を移動する「移動」である。第2種行動は、「移動」以外の行動であり、例えば、相手キャラクタを攻撃する「攻撃」、相手キャラクタからの攻撃に備える「防御」、(相手キャラクタとの)戦闘から離脱する「逃避」、キャラクタが有する特殊能力を発動する「スキル」、キャラクタが所持するアイテムを使用する「アイテム」、所定のキャラクタの行動権限を復活させる(所定のキャラクタに自分の行動権限を譲渡する)「リファー」等がある。
【0050】
一回のターンにおいて、戦闘に参加する全キャラクタに対して、それぞれ一回の行動権限が与えられる。各キャラクタは、一回の行動権限において、第1種行動および第2種行動を実行可能である。例えば、各キャラクタは、一回のターンにおいて、「移動」および「攻撃」を実行可能である。なお、各キャラクタは、第1種行動および/または第2種行動を実行せず、待機してもよい。
【0051】
ここで、或るキャラクタが行動可能な状態を当該キャラクタのキャラクタターンと称する。また、キャラクタターンにおいて、第1種行動(移動)可能な状態を移動ターンと称し、第2種行動可能な状態を第2種行動ターンと称する。
【0052】
各キャラクタは、一回の移動ターンにおいて、キャラクタ毎に定められた所定の移動可能範囲内に限り移動可能である。移動可能範囲とは、或るキャラクタに関する一回の移動ターンにおいて、ゲーム内の仮想空間における、当該キャラクタの移動可能な範囲である。この移動可能範囲について詳細は後述する。
【0053】
なお、本発明は、上記戦闘ゲームに限らず、複数のキャラクタが順番に「移動」行動を実行するターン制のゲームに適用することができる。
【0054】
(制御部30、記憶部31、入力部32および表示部33)
図1は、ゲーム装置10にて、上で述べた戦闘ゲームを実行するための構成を機能単位で示している。
図2に示すゲーム装置10は、
図1に示すように、制御部30、記憶部31、入力部32、および表示部33を備える構成と考えることができる。ここで、制御部30がCPU11、GPU12等のプロセッサに対応し、記憶部31がRAM13、カートリッジ22等の記憶素子に対応し、入力部32が操作スイッチ14等の入力デバイスに対応し、表示部33がLCD15、LCDドライバ16等の表示素子に対応する。
【0055】
記憶部31には、プレイヤキャラクタデータ50、敵キャラクタデータ51、および仮想空間データ52が記憶されている。プレイヤキャラクタデータ50は、プレイヤキャラクタに関するデータである。敵キャラクタデータ51は、敵キャラクタに関するデータである。仮想空間データ52は、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタが存在する仮想空間に関するデータである。また、図示していないが、キャラクタの行動を制御するための行動制御プログラム等も記憶部31に記憶されている。
【0056】
具体的には、プレイヤキャラクタデータ50は、例えば、プレイヤキャラクタの画像、プレイヤキャラクタの名称を示すプレイヤキャラクタ名、プレイヤキャラクタの生命値、攻撃力および防御力等の能力値、プレイヤキャラクタの仮想空間における位置(座標値)、並びに、プレイヤキャラクタの実行可能な行動に関する情報等を記憶したデータである。行動に関する情報とは、プレイヤキャラクタの移動可能範囲を示す情報、プレイヤキャラクタが実行可能な第2種行動の種類を示す情報等である。もちろん、複数のプレイヤキャラクタがいる場合であれば、それぞれのプレイヤキャラクタごとに、上で述べたようなデータが存在することになる。
【0057】
敵キャラクタデータ51は、プレイヤキャラクタデータ50に対応するものであり、例えば、敵キャラクタの画像や、敵キャラクタの名称を示す敵キャラクタ名、敵キャラクタの生命値、攻撃力および防御力等の能力値、敵キャラクタの仮想空間における位置(座標値)、並びに、敵キャラクタの実行可能な行動に関する情報等を記憶したデータである。もちろん、複数の敵キャラクタがいる場合であれば、それぞれの敵キャラクタごとに、上で述べたようなデータが存在することは言うまでもない。
【0058】
仮想空間データ52は、例えば、3次元の座標空間と、その座標空間内に固定的に配置される建物や木箱などのオブジェクトの形状やそれらの配置位置を3次元座標として記憶したデータである。それらオブジェクトには上で述べたプレイヤキャラクタや敵キャラクタも含まれる。また、仮想空間データ52には、その仮想空間を構成する画像も含まれる。
【0059】
一方、制御部30は、キャラクタ制御部(キャラクタ制御手段)41、仮想空間生成部46および表示画像生成部(表示制御手段)47を備える構成である。
【0060】
(キャラクタ制御部41)
キャラクタ制御部41は、戦闘に参加するキャラクタ(プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタ)の行動を制御するものである。プレイヤキャラクタの行動制御の場合、キャラクタ制御部41は、記憶部31からプレイヤキャラクタデータ50を読み出し、プレイヤキャラクタデータ50を参照して、入力部34から出力されたプレイヤキャラクタの操作データに基づいて、プレイヤキャラクタの行動を制御する。なお、キャラクタ制御部41は、プレイヤキャラクタの行動制御において、必要に応じて敵キャラクタデータ51を参照してもよい。また、敵キャラクタの行動制御の場合、キャラクタ制御部41は、記憶部31から敵キャラクタデータ51および行動制御プログラムを読み出し、敵キャラクタデータ51を参照して、行動制御プログラムに基づいて、敵キャラクタの行動を制御する。なお、キャラクタ制御部41は、敵キャラクタの行動制御において、必要に応じてプレイヤキャラクタデータ50を参照してもよい。また、キャラクタ制御部41は、行動制御プログラムに基づいて、プレイヤキャラクタの行動を制御してもよい。
【0061】
キャラクタ制御部41は、キャラクタの行動を制御した後、その行動内容を仮想空間生成部46に通知すると共に、その行動内容に基づいて、プレイヤキャラクタデータ50および敵キャラクタデータ51を更新する。ここで、キャラクタデータの更新とは、例えば、キャラクタの仮想空間における位置の変更やキャラクタの能力値の変更等である。
【0062】
より詳細には、キャラクタ制御部41は、第1種行動制御部42、第2種行動制御部44および行動権限管理部45を備える。
【0063】
(第1種行動制御部42)
第1種行動制御部42は、キャラクタの第1種行動(移動)を制御する。プレイヤキャラクタの場合、第1種行動制御部42は、入力部34から出力された移動操作データに基づいて、プレイヤキャラクタを移動させる。また、敵キャラクタの場合、第1種行動制御部42は、行動制御プログラムに基づいて、敵キャラクタを移動させる。第1種行動制御部42は、移動範囲設定部(設定手段)43を備える。
【0064】
(移動範囲設定部43)
移動範囲設定部43は、キャラクタの移動可能範囲を設定する。移動範囲設定部43は、キャラクタの移動に応じて、移動可能範囲を小さくする。
【0065】
具体的には、移動範囲設定部43は、キャラクタの移動ターンが開始すると、一回の移動ターンで当該キャラクタが移動可能な範囲を示す移動可能範囲を設定する。この移動ターン開始時に設定された移動可能範囲を初期移動可能範囲(第1範囲)と称する。移動範囲設定部43は、移動ターン開始時のキャラクタの初期位置を基準として初期移動可能範囲を設定する。移動範囲設定部43は、キャラクタが初期位置から遠ざかるように移動した場合、キャラクタが進入不可能な範囲を示す進入不可範囲(第2範囲)を初期移動可能範囲内に設定する。すなわち、移動によりキャラクタの移動可能範囲が、初期移動可能範囲から進入不可範囲分だけ小さくなる。
【0066】
また、逆の観点から説明すると、移動範囲設定部43は、キャラクタが初期位置から近づくように移動した場合、移動可能範囲を小さくしない。すなわち、移動範囲設定部43は、キャラクタが初期位置から近づくように移動した場合、進入不可範囲を設定しない。
【0067】
また、移動範囲設定部43は、初期位置から移動後のキャラクタの位置までの直線距離が大きくなるほど、当該キャラクタの移動可能範囲を小さくしてもよい。具体的には、移動範囲設定部43は、キャラクタの初期位置から遠ざかる方向への移動距離が大きくなるほど、進入不可範囲を大きくしてもよい。ここで、移動範囲設定部43は、移動可能範囲の減少量(進入不可範囲の大きさ)を初期位置から移動後のキャラクタの位置までの直線距離に比例させてもよい。なお、移動範囲設定部43は、キャラクタの初期位置から遠ざかる方向への移動速度が大きくなるほど、進入不可範囲を大きくしてもよい。
【0068】
また、移動範囲設定部43は、キャラクタの移動方向と反対方向側から、移動可能範囲を小さくしてもよい。具体的には、移動範囲設定部43は、キャラクタの初期位置からの移動方向と反対方向に進入不可範囲を設定してもよい。なお、移動範囲設定部43は、初期移動可能範囲内であれば、任意の場所に進入不可範囲を設定してよい。
【0069】
また、移動範囲設定部43は、移動可能範囲内に自由移動範囲(第3範囲)を設定し、キャラクタの移動が自由移動範囲内である場合、移動可能範囲を小さくしないようにしてもよい。具体的には、移動範囲設定部43は、初期移動可能範囲内に、初期位置を基準とする自由移動範囲を設定し、キャラクタの移動が自由移動範囲内である場合、進入不可範囲を設定しないようにしてもよい。また、移動範囲設定部43は、初期位置から移動後のキャラクタの位置までの距離が大きくなるほど、自由移動範囲を大きくしてもよい。例えば、移動範囲設定部43は、初期位置を中心として、初期位置から移動後のキャラクタの位置までの距離を半径とする円形領域を自由移動範囲として設定してもよい。
【0070】
(移動可能範囲の例)
ここで、本実施形態に係る移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲について、
図3に基づいてより具体的に説明する。
図3は、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。本実施形態では、ゲーム内の仮想空間において、キャラクタの移動可能な領域を2次元(平面)とする。
【0071】
図3の(a)は、移動ターン開始時に移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。本実施形態では、移動範囲設定部43は、
図3の(a)に示すように、ターン開始時におけるキャラクタ61の初期位置を中心とする、円形の領域60を初期移動可能範囲として設定する。すなわち、ターン開始時では、キャラクタは初期移動可能範囲内を移動可能である。
【0072】
図3の(b)は、ターン開始時からキャラクタが所定方向に所定距離移動した場合に、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。
図3の(a)に示す状態(ターン開始時)から、
図3の(b)に示すようにキャラクタ61が矢印63の方向(上方向)に初期位置から所定距離移動すると、移動範囲設定部43は、初期移動可能範囲内に、矢印63と反対方向に位置する扇形の領域64を進入不可範囲として設定し、移動可能範囲を小さくする。なお、
図3の(b)の状態における移動可能範囲は領域62である。また、移動範囲設定部43は、初期位置と、矢印63と反対方向に位置する扇形の領域を進入不可範囲64として設定する。
【0073】
図3の(c)は、
図3の(b)に示す状態からさらに同じ方向にキャラクタが移動した場合に、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。
図3の(b)に示す状態から、
図3の(c)に示すようにキャラクタ61が矢印66の方向(上方向)にさらに所定距離移動すると、移動範囲設定部43は、領域62内に、矢印66と反対方向に位置する扇形の領域67および領域68をさらに進入不可範囲として設定し、移動可能範囲をより小さくする。なお、
図3の(c)の状態における移動可能範囲は領域65である。同じ方向に進んでいるため、移動範囲設定部43は、扇形の領域62の円弧を左右両側から同じ量だけ円弧を短くして、移動可能範囲を小さくする。すなわち、同じ面積の領域67および領域68が進入不可範囲として設定される。
【0074】
図3の(d)は、
図3の(b)に示す状態からさらに別の方向にキャラクタが移動した場合に、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。
図3の(b)に示す状態から、
図3の(d)に示すようにキャラクタ61が矢印70の方向にさらに所定距離移動すると、移動範囲設定部43は、領域62内に、矢印70と反対方向に位置する扇形の領域71および領域72をさらに進入不可範囲として設定し、移動可能範囲をより小さくする。なお、
図3の(d)の状態における移動可能範囲は領域69である。このように、移動範囲設定部43は、矢印70と反対方向側から領域62の円弧が短くなるように、移動可能範囲を小さくする。また、
図3の(d)では、
図3の(b)に示す状態からキャラクタの移動方向が上方向から右上方向に変化しているため、領域62の円弧が右側より左側がより短くなっている。換言すると、移動範囲設定部43は、キャラクタの移動方向が右上方向に変化しているため、矢印70と反対方向であって、右側に位置する領域72より左側の領域71が大きくなるように進入不可範囲を設定する。このように、移動範囲設定部43は、キャラクタの移動方向と反対方向側から移動可能範囲を小さくする。
【0075】
図3の(e)は、
図3の(b)に示す状態からさらに別の方向にキャラクタが移動した場合に、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。
図3の(b)に示す状態から、
図3の(e)に示すようにキャラクタ61が矢印74の方向にさらに所定距離移動すると、移動範囲設定部43は、領域62内に、矢印74と反対方向に位置する扇形の領域75をさらに進入不可範囲として設定し、移動可能範囲をより小さくする。なお、
図3の(e)の状態における移動可能範囲は領域73である。このように、移動範囲設定部43は、矢印74と反対方向側から領域62の円弧が短くなるように、移動可能範囲を小さくする。また、
図3の(e)では、
図3の(b)に示す状態からキャラクタの移動方向が上方向から左下方向に変化しているため、領域62の円弧が右側からのみ短くなっている。
【0076】
図3の(f)は、
図3の(b)に示す状態から初期位置に近づく方向にキャラクタが移動した場合に、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲を示す図である。
図3の(b)に示す状態から、
図3の(f)に示すようにキャラクタ61が矢印76の方向にさらに所定距離移動しても、移動範囲設定部43は、移動可能範囲を小さくしない。すなわち、
図3の(f)に示す移動可能範囲(領域62)は、
図3の(b)に示す移動可能範囲と同一である。移動範囲設定部43は、
図3の(b)に示すように、初期位置から遠ざかる方向(初期移動可能範囲の円の中心から円周に(円の外側に)向かう方向)に所定距離移動した場合、初期位置を中心として、初期位置から遠ざかる方向の移動距離を半径とする円形領域を自由移動範囲に設定する。そのため、キャラクタが初期位置から遠ざかる方向に移動した後、初期位置に近づく方向に移動しても、移動範囲設定部43は、移動可能範囲を小さくしない。換言すると、移動範囲設定部43は、キャラクタの初期位置から遠ざかる方向への移動距離が大きくなるほど、自由移動範囲を大きくする。
【0077】
このように、移動範囲設定部43は、キャラクタが初期位置から半径方向へ移動することにより、円形から上記初期位置を頂点とする扇形にして移動可能範囲を小さくする。また、移動範囲設定部43は、移動後のキャラクタの位置に移動可能範囲の重心が近づくように、扇形の中心角を小さくして、移動可能範囲を小さくする。
【0078】
換言すると、移動範囲設定部43は、キャラクタが初期位置から半径方向へ移動することにより、初期移動可能範囲の円弧(初期移動可能範囲の面積)を徐々に小さくする。そして、移動範囲設定部43は、キャラクタが初期移動可能範囲の円弧まで移動すると、初期移動可能範囲の円弧が無くなるようにする(初期移動可能範囲の面積を0(ゼロ)にする)。初期移動可能範囲の円弧が無くなると、キャラクタはこれ以上移動できないため、移動ターンが終了する。
【0079】
なお、移動範囲設定部43が設定する移動可能範囲は
図3に示すものに限らない。例えば、移動範囲設定部43は、キャラクタ61の初期位置を中心(または端点)とする多角形の領域を初期移動可能範囲としてもよい。また、ゲーム内の仮想空間において、キャラクタの移動可能な領域が3次元である場合、移動範囲設定部43は、球形または直方体の領域を初期移動可能範囲として設定してもよい。また、進入不可範囲も扇形の領域に限らず、任意の形状でよい。また、移動範囲設定部43は、自由移動範囲を半径方向の移動距離に応じて大きくしているが、これに限るものではない。移動範囲設定部43は、例えば、自由移動範囲を固定の大きさに設定し、初期位置を中心とする所定の半径の円形領域としてもよい。また、移動範囲設定部43は、初期移動可能範囲の大きさ(面積)、移動可能範囲の減少量(進入不可範囲の大きさ)、移動可能範囲の形状等をキャラクタ毎に変更してもよい。
【0080】
(第2種行動制御部44)
第2種行動制御部44は、キャラクタの第2種行動を制御する。プレイヤキャラクタの場合、第2種行動制御部44は、入力部34から出力された第2種行動操作データに基づいて、プレイヤキャラクタの第2種行動を実行する。また、敵キャラクタの場合、第2種行動制御部44は、行動制御プログラムに基づいて、敵キャラクタの第2種行動を実行する。
【0081】
ここで、上述のように、第2種行動には、他のキャラクタの行動権限を復活させる「リファー」がある。例えば、第1キャラクタのキャラクタターンが終了した後、第1キャラクタと異なる第2キャラクタが第1キャラクタに「リファー」行為を行った場合、第1キャラクタに再度キャラクタターンが与えられ、第1キャラクタが行動可能になる。なお、このとき、第1キャラクタに第1種行動(移動)権限のみ与えてもよいし、第2種行動権限のみ与えてもよい。
【0082】
また、「リファー」行為は、所定範囲内にいるキャラクタに対して行うことができようにしてもよい。例えば、上記の例では、第2キャラクタの位置から所定の範囲内(例えば、移動可能範囲内)に位置するキャラクタに対してのみ「リファー」行為ができるようにしてもよい。
【0083】
また、「リファー」行為により行動権限が復活したキャラクタが他のキャラクタを攻撃する場合であって、行動権限が復活したキャラクタの近辺に「リファー」行為を行ったキャラクタがいる場合、上記他のキャラクタに対して、行動権限が復活したキャラクタと共に、「リファー」行為を行ったキャラクタも一緒に攻撃できるようにしてもよい(「リファー」行為を行ったキャラクタは「リファー」行為により第2種行動権限を消化しているが)。例えば、上記の例では、第2キャラクタが第1キャラクタに「リファー」行為を行った後、第1キャラクタの近辺に第2キャラクタがいる場合、第1キャラクタが他のキャラクタに攻撃することにより、第1キャラクタと一緒に、第2キャラクタも他のキャラクタに攻撃する。
【0084】
(行動権限管理部45)
行動権限管理部45は、キャラクタの行動順序および行動権限を管理する。具体的には、戦闘ゲームが開始されると、行動権限管理部45は、プレイヤフェーズ、敵フェーズのどちらから開始するかを決定したり、各フェーズにおいて、各プレイヤキャラクタの行動順序、各敵キャラクタの行動順序をそれぞれ決定したりする。なお、行動権限管理部45は、記憶部31からプレイヤキャラクタデータ50および敵キャラクタデータ51等を読み出し、プレイヤキャラクタデータ50および敵キャラクタデータ51等を参照して、各キャラクタの行動順序を決定する。
【0085】
また、行動権限管理部45は、キャラクタの行動順序に基づいて、順番に各キャラクタに行動権限(キャラクタターン、移動ターン、第2種行動ターン)を与える。また、行動権限管理部45は、各キャラクタの行動権限(キャラクタターン、移動ターン、第2種行動ターン)が消化したか否かを判定し、キャラクタの行動権限が消化した場合、行動順序が次のキャラクタに行動権限を与える。
【0086】
また、上述のように「リファー」行為が行われた場合、行動権限管理部45は、「リファー」行為の対象キャラクタの行動権限を復活させ、新たにキャラクタの行動順序を決定する。行動権限管理部45は、「リファー」行為の対象キャラクタの行動順序を、最後にしてもよいし、最初に(「リファー」行為を行ったキャラクタの次に)してもよい。
【0087】
(仮想空間生成部46)
仮想空間生成部46は、記憶部31に記憶されているプレイヤキャラクタデータ50、敵キャラクタデータ51および仮想空間データ52を用いて、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタが存在する仮想空間を生成する。仮想空間生成部46は、その3次元空間を表示画像生成部47に出力する。
【0088】
また、仮想空間生成部46は、キャラクタ制御部41からプレイヤキャラクタおよび敵キャラクタの行動内容を受け取り、その行動内容を用いて、3次元空間におけるプレイヤキャラクタおよび敵キャラクタの行動を実現させる。
【0089】
なお、本実施形態では、仮想空間生成部46は、3次元の仮想空間を生成するが、これに限るものではない。仮想空間生成部46は、疑似3次元空間または2次元領域(2次元空間)を生成してもよい。仮想空間生成部46が生成する、キャラクタ等のオブジェクトが配置される空間(3次元または2次元)を仮想空間と称する。
【0090】
(表示画像生成部47)
表示画像生成部47は、仮想空間生成部46が生成する3次元空間を所定の視点で捉えた視野範囲の画像であるメイン画像を生成する。そして、表示画像生成部47は、そのメイン画像を表示部33のメイン表示領域(第1表示領域)に表示する。ゲーム装置10は、このようなメイン画像の表示により、あたかもユーザ自身が3次元空間の中を動き回っているかにみせるゲーム装置である。このメイン表示領域は、表示部33であるLCD15の表示画面の中心部分を占める領域である。
【0091】
また、表示画像生成部47は、メイン画像と異なる視点で捉えた視野範囲の画像であるサブ画像を生成する。そして、表示画像生成部47は、そのサブ画像を表示部33のサブ表示領域(第2表示領域)に表示する。
【0092】
例えば、表示画像生成部47は、3次元空間をプレイヤキャラクタ(または敵キャラクタ)の後ろ斜め上から見た画像をメイン画像とし、3次元空間をプレイヤキャラクタ(または敵キャラクタ)の真上から見た画像をサブ画像としてもよい。また、表示画像生成部47は、メイン画像よりサブ画像を視野範囲の広い画像としてもよい。これにより、ユーザは、メイン画像を見てプレイヤキャラクタを直感的に移動操作等を行うことができると共に、サブ画像を見てプレイヤキャラクタの周囲の状況を容易に確認することができる。
【0093】
また、表示画像生成部47は、移動範囲設定部43が設定するキャラクタの(現在の)移動可能範囲(第4範囲)をメイン画像およびサブ画像の少なくともどちらか一方に重畳させて表示させてもよい。また、表示画像生成部47は、移動可能範囲の大きさに応じて、移動可能範囲の表示の仕方を変更してもよい。例えば、表示画像生成部47は、ターン開始時の移動可能範囲(初期移動可能範囲)の境界を黄色のラインで示し、初期移動可能範囲から移動可能範囲が減少するにつれて、黄色、橙色、赤色とラインの色を変更してもよい。また、例えば、表示画像生成部47は、移動可能範囲の面積が初期移動可能範囲の半分以上の面積である場合、移動可能範囲の境界を黄色のラインで示し、移動可能範囲の面積が初期移動可能範囲の半分未満の面積である場合、移動可能範囲の境界を赤色のラインで示してもよい。
【0094】
(ゲーム装置10の動作)
図4は、ゲーム装置10が実行する戦闘処理の例を示すフローチャートである。
図4に示すプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘処理においては、ユーザによる入力部32の操作に応じ、プレイヤキャラクタに各種の行動を実行させる処理が実行される。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している。
【0095】
図4の戦闘処理は、戦闘ゲームの開始条件を満たすと、開始される。例えば、ユーザによる入力部32の操作により、戦闘開始操作がなされたとき、仮想空間においてにプレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したと制御部30が判断したとき、所定のイベントが発生または終了したとき、およびその他の所定の条件を満たしたときに、戦闘処理を開始する。
【0096】
また、上述のように、本実施形態に係る戦闘ゲームは、プレイヤフェーズおよび敵フェーズがあり、プレイヤフェーズ、敵フェーズを交互に繰り返す。プレイヤフェーズにおいて、各プレイヤキャラクタが順に行動し、敵フェーズにおいて、各敵キャラクタが順に行動する。また、キャラクタターンでは、キャラクタに、移動ターン、第2種行動ターンの順で行動権限が与えられるものとする。
【0097】
図4に示すように、戦闘ゲームが開始すると、プレイヤフェーズが開始する(S1)。プレイヤフェーズが開始すると、行動権限管理部45は、戦闘に参加するプレイヤキャラクタの行動順序を決定し、最初のプレイヤキャラクタのキャラクタターンを開始し(S2)、そのプレイヤキャラクタの移動ターンを開始する(S3)。
【0098】
移動ターンが開始すると、移動範囲設定部43は、プレイヤキャラクタの初期移動可能範囲を設定する(S4:設定ステップ)。第1種行動制御部42は、ユーザが移動操作を入力するのを待つ(S5)。ここで、ユーザが移動操作を入力すると(S5でYES)、第1種行動制御部42は、ユーザの移動操作に基づいて、プレイヤキャラクタを移動させる(S6)。また、移動範囲設定部43は、プレイヤキャラクタの移動に応じて、移動可能範囲を小さくする(S7:変更ステップ)。
【0099】
次に、行動権限管理部45は、移動ターンの終了条件を満たしているかどうか判定する(S8)。行動権限管理部45は、例えば、移動可能範囲が無くなった場合、または、S5において、所定時間移動操作が入力されない場合(S5でNO)、もしくは、移動ターンの終了操作が入力された場合(S5でNO)、移動ターンの終了条件を満たしていると判定する。ここで、行動権限管理部45が移動ターンの終了条件を満たしていないと判定した場合(S8でNO)、再度S5の処理を行う。一方、行動権限管理部45は、移動ターンの終了条件を満たしていると判定した場合(S8でYES)、プレイヤキャラクタの第2種行動ターンを開始する(S9)。
【0100】
第2種行動ターンが開始すると、第2種行動制御部44は、ユーザが第2種行動操作を入力するのを待つ(S10)。ここで、ユーザが第2種行動操作を入力すると(S10でYES)、第2種行動制御部44は、ユーザの第2種行動操作に基づいて、プレイヤキャラクタを行動させる(S11)。
【0101】
次に、行動権限管理部45は、第2種行動ターンの終了条件を満たしているかどうか判定する(S12)。行動権限管理部45は、例えば、何れかの第2種行動が実行された場合、または、S10において、所定時間移動操作が入力されない場合(S10でNO)、もしくは、第2種行動ターンの終了操作が入力された場合(S10でNO)、第2種行動ターンの終了条件を満たしていると判定する。ここで、行動権限管理部45が第2種行動ターンの終了条件を満たしていないと判定した場合(S12でNO)、再度S10の処理を行う。一方、行動権限管理部45は、第2種行動ターンの終了条件を満たしていると判定した場合(S12でYES)、全てのプレイヤキャラクタのキャラクタターンが終了したか否かを判定する(S13)。
【0102】
行動権限管理部45は、全てのプレイヤキャラクタのキャラクタターンが終了していないと判定した場合(S13でNO)、行動順序が次のプレイヤキャラクタのキャラクタターンに切り替え(S14)、次のプレイヤキャラクタのキャラクタターンを開始する(S2)。一方、行動権限管理部45は、全てのプレイヤキャラクタのキャラクタターンが終了していると判定した場合(S13でYES)、プレイヤフェーズを終了し、敵フェーズを開始する(S15)。
【0103】
敵フェーズが開始すると、行動権限管理部45は、戦闘に参加する敵キャラクタの行動順序を決定し、最初の敵キャラクタのキャラクタターンを開始し(S16)、その敵キャラクタの移動ターンを開始する(S17)。
【0104】
移動ターンが開始すると、第1種行動制御部42は、行動制御プログラムに基づいて、敵キャラクタを移動させる(S18)。行動権限管理部45は、第1種行動制御部42による敵キャラクタの移動処理が終了すると、移動ターンを終了し(S19)、第2種行動ターンを開始する(S20)。
【0105】
第2種行動ターンが開始すると、第2種行動制御部44は、行動制御プログラムに基づいて、敵キャラクタを行動させる(S21)。行動権限管理部45は、第2種行動制御部44による敵キャラクタの第2種行動処理が終了すると、第2種行動ターンを終了し(S22)、全ての敵キャラクタのキャラクタターンが終了したか否かを判定する(S23)。
【0106】
行動権限管理部45は、全ての敵キャラクタのキャラクタターンが終了していないと判定した場合(S23でNO)、行動順序が次の敵キャラクタのキャラクタターンに切り替え(S24)、次の敵キャラクタのキャラクタターンを開始する(S16)。一方、行動権限管理部45は、全ての敵キャラクタのキャラクタターンが終了していると判定した場合(S23でYES)、敵フェーズを終了し、次のターンのプレイヤフェーズを開始する(S1)。
【0107】
なお、S18において、移動範囲設定部43が敵キャラクタの移動可能範囲を設定していないが、移動に関して敵キャラクタもプレイヤキャラクタと同様の制約がある。また、S18において、移動範囲設定部43が敵キャラクタの移動可能範囲を設定、変更してもよい。
【0108】
また、戦闘処理の途中で戦闘ゲームの終了条件を満たした場合、戦闘処理は終了する。例えば、全ての敵キャラクタまたは特定の敵キャラクタを倒した場合、全てのプレイヤキャラクタまたは特定のプレイヤキャラクタが倒された場合、所定の場所にプレイヤキャラクタが移動した場合に、戦闘ゲームが終了する。
【0109】
(表示画像例)
次に、戦闘ゲームにおいて表示画像生成部47が表示部33に表示させる画像例について、
図5〜
図10に基づいて説明する。具体的には、
図5〜
図10では、プレイヤキャラクタの移動ターンにおいて、表示画像生成部47が表示部33に表示させる画像例について説明する。
【0110】
上記の従来技術では、仮にプレイヤキャラクタの移動に伴って移動可能範囲を制限した場合、プレイヤは直感的に移動可能範囲(移動に伴って制限された移動可能範囲)を認識できなかった。本発明に係る戦闘ゲームでは、仮想空間を所定の視点から見た画像に移動可能範囲を重畳して表示部33に表示する。そのため、ユーザは、表示部33を見て移動操作を行いながら、移動可能範囲を直感的に認識することができる。
【0111】
図5は、移動ターン開始時の画像80である。
図5に示すように、画像80は、プレイヤキャラクタ81の後ろ斜め上から3次元空間を見たメイン画像86と、プレイヤキャラクタ81の真上から見たサブ画像83とを含む。メイン画像86には、プレイヤキャラクタ81など、メイン画像86の視野範囲に含まれるキャラクタが示されている。サブ画像83には、プレイヤキャラクタ81のアイコン84など、サブ画像83の視野範囲に含まれるキャラクタのアイコンが示されている。
【0112】
また、メイン画像86およびサブ画像83には、移動範囲設定部43が設定したプレイヤキャラクタ81の移動可能範囲の境界82および85がそれぞれ示されている。なお、画像80は、移動ターン開始時の画像であるため、境界82および85は、初期移動可能範囲の境界を示す。
【0113】
図6は、
図5に示す状態からプレイヤキャラクタ81が移動したときの画像90である。
図5と同様に、
図6に示す画像90においても、プレイヤキャラクタ91の移動可能範囲の境界92および95がそれぞれメイン画像96およびサブ画像93に示されている。
図6に示す移動可能範囲は、プレイヤキャラクタ91が初期位置から遠ざかる方向に移動したため、
図5に示す初期移動可能範囲より小さくなっている。
【0114】
図7は、
図6に示す状態からプレイヤキャラクタ91がさらに移動したときの画像100である。
図5と同様に、
図7に示す画像100においても、プレイヤキャラクタ101の移動可能範囲の境界102および105がそれぞれメイン画像106およびサブ画像103に示されている。
図7に示す移動可能範囲(境界102および105)は、
図6に示すプレイヤキャラクタ91が初期位置から遠ざかる方向にさらに移動したため、
図6に示す移動可能範囲(境界92および95)からさらに小さくなっている。また、移動可能範囲が小さくなったため、
図7に示す移動可能範囲の境界102および105は、
図5および
図6に示す移動可能範囲の境界82、85、92および95と、表示の仕方が異なっている。
【0115】
図8は、
図7に示す状態からプレイヤキャラクタ101がさらに移動したときの画像110である。
図5と同様に、
図8に示す画像110においても、プレイヤキャラクタ111の移動可能範囲の境界112および115がそれぞれメイン画像116およびサブ画像113に示されている。
図8に示す移動可能範囲(境界112および115)は、
図7に示すプレイヤキャラクタ101が初期位置から遠ざかる方向にさらに移動したため、
図7に示す移動可能範囲(境界102および105)からさらに小さくなっている。
【0116】
図9は、
図8に示す状態からプレイヤキャラクタ111がさらに移動したときの画像120である。
図5と同様に、
図9に示す画像120においても、プレイヤキャラクタ121の移動可能範囲の境界122および125がそれぞれメイン画像126およびサブ画像123に示されている。
図9に示す移動可能範囲(境界122および125)は、
図8に示すプレイヤキャラクタ111が初期位置から遠ざかる方向にさらに移動したため、
図8に示す移動可能範囲(境界112および115)からさらに小さくなっている。また、移動可能範囲が小さくなったため、
図9に示す移動可能範囲の境界122および125は、
図7および
図8に示す移動可能範囲の境界102、105、112および115と、表示の仕方が異なっている。
【0117】
図10は、
図9に示す状態からプレイヤキャラクタ121がさらに移動したときの画像130である。
図5と同様に、
図10に示す画像130においても、プレイヤキャラクタ131の移動可能範囲の境界132および135がそれぞれメイン画像136およびサブ画像133に示されている。
図10に示す移動可能範囲(境界132および135)は、
図9に示すプレイヤキャラクタ121が初期位置から遠ざかる方向にさらに移動したため、
図9に示す移動可能範囲(境界122および125)からさらに小さくなっている。また、
図10では、プレイヤキャラクタ131が初期移動可能範囲の円周に到達したため、移動可能範囲の円弧がなくなり(移動可能範囲の面積が0になり)、これ以上プレイヤキャラクタ131が移動できない状態である。
【0118】
(ソフトウェアによる実現例)
ゲーム装置10の制御ブロック(特に制御部30)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0119】
後者の場合、ゲーム装置10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROMまたは記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAMなどを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0120】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。