特許第6451256号(P6451256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6451256
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】綴じ装置
(51)【国際特許分類】
   B25C 5/02 20060101AFI20190107BHJP
   B42B 5/04 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   B25C5/02 Z
   B42B5/04
【請求項の数】4
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-236747(P2014-236747)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-42444(P2015-42444A)
(43)【公開日】2015年3月5日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕
【審査官】 上田 真誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−185728(JP,A)
【文献】 特開2007−167978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 5/00− 5/16
B42B 5/00− 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウン部及びクラウン部の長手方向の両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される一対の脚部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置であって、
ステープルのクラウン部の外幅に応じた間隔で対向し、ステープルを支持すると共に、ステープルの脚部が挿通される貫通孔を綴じ対象物に開ける一対の抜き刃と、
ステープルの脚部が前記抜き刃の内面より入る支持凹部と、
綴じ対象物を挿通したステープルの一対の脚部を、綴じ対象物に沿う方向に折り曲げる折り曲げ部とを備え、
前記支持凹部は、前記抜き刃の内面から外面に貫通した開口を設けると共に、一対の前記抜き刃のそれぞれ外側に、ステープルの脚部をガイドするガイド部を設けて構成され、
前記支持凹部に支持されたステープルの脚部を前記支持凹部から押し出す押し出し部が、前記支持凹部を通り前記抜き刃の内側へ突出する
ことを特徴とする綴じ装置。
【請求項2】
クラウン部及びクラウン部の長手方向の両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される一対の脚部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置であって、
ステープルのクラウン部の外幅に応じた間隔で対向し、ステープルを支持すると共に、ステープルの脚部が挿通される貫通孔を綴じ対象物に開ける一対の抜き刃と、
ステープルの脚部が前記抜き刃の内面より入る支持凹部と、
綴じ対象物を挿通したステープルの一対の脚部を、綴じ対象物に沿う方向に折り曲げる折り曲げ部とを備え、
前記支持凹部は、ステープルの脚部をガイドするガイド部を備え、前記抜き刃の内面から外面に貫通した開口を設けて構成され、
前記支持凹部に支持されたステープルの脚部を前記支持凹部から押し出す押し出し部が、前記支持凹部を通り前記抜き刃の内側へ突出する
ことを特徴とする綴じ装置。
【請求項3】
前記支持凹部は、ステープルの脚部の先端部を支持する支持部を備え、前記ガイド部は、前記支持部で支持された脚部の前記抜き刃の外面側への突出を規制する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の綴じ装置。
【請求項4】
クラウン部及びクラウン部の長手方向の両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される一対の脚部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置であって、
ステープルのクラウン部の外幅に応じた間隔で対向し、ステープルを支持すると共に、ステープルの脚部が挿通される貫通孔を綴じ対象物に開ける一対の抜き刃と、
ステープルの脚部が前記抜き刃の内面より入る支持凹部と、
綴じ対象物を挿通したステープルの一対の脚部を、綴じ対象物に沿う方向に折り曲げる折り曲げ部とを備え、
前記抜き刃は、前記支持凹部に支持されたステープルの脚部を前記支持凹部から押し出す押し出し部が通る押し出し孔を前記支持凹部に備えた
ことを特徴とする綴じ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等の如く軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金属のステープルに代えて紙製等、軟質素材で非金属材料から成るステープルを使用して用紙の綴じ対象物を綴じられるようにしたステープラと称す綴じ装置が提案されている。金属のステープルを使用する綴じ装置では、ステープル単体で綴じ対象物を貫通させる構成であるのに対して、紙製等、軟質素材で非金属材料から成るステープルを使用する綴じ装置では、綴じ対象物に孔部を形成する挿入刃部を備え、綴じ対象物に挿入刃部で孔部を形成し、この孔部にステープルの脚部を貫通させる構成である。
【0003】
このような挿入刃部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルを使用する綴じ装置では、2本の挿入刃部の間にステープルを保持し、挿入刃部と共にステープルを綴じ対象物に対して押し下げて、ステープルの一対の脚部をそれぞれ綴じ対象物に貫通させる構成である。
【0004】
従来、挿入刃部にステープルを保持する構成としては、一対の挿入刃部の間にステープルを円弧状に湾曲させた形態で保持する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、挿入刃部にステープルを保持する構成としては、挿入刃部の内側の面に突起を設け、この突起でステープルの脚部の先端を保持する構成が提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0006】
更に、一対の挿入刃部の内側の面には、先端側から基端側に向けて内幅が広がる形状の段差を設け、この内面側の段差でステープルの脚部を支持すると共に、一対の挿入刃部の外側の面には、先端側から基端側に向けて外幅が広がる形状の段差を設け、この外面側の段差で、脚部を貫通させる綴じ対象物の孔部を外側方向に拡げる構成が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4066032号公報
【特許文献2】特許第4830478号公報
【特許文献3】特許第4952133号公報
【特許文献4】特開2013−166206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の構成では、ステープルが貫通される孔部から内側に向けた切り込みが入れられる。そして、挿入刃部にステープルの脚部を重ねた状態で綴じ対象物の孔部が押し拡げられるので、孔部の内側に大きなめくれが生じる。これにより、脚部で綴じられる部位に脚部等を変形させるような凸状の部位が存在し、綴じ対象物を綴じたステープルの外観性が悪くなる。また、綴じ対象物を重ねた時の嵩張りが大きくなる。
【0009】
特許文献2及び特許文献3でも、挿入刃部にステープルの脚部を重ねた状態で綴じ対象物の孔部が押し拡げられるので、挿入刃部の内側に設けた突起が綴じ対象物を通過する際に、綴じ対象物には、孔部の内側に、刃厚に脚部の厚さを加えためくれが生じる。このため、綴じ対象物を綴じたステープルの外観性が悪くなる。
【0010】
更に、特許文献4では、挿入刃部にステープルの脚部を重ねた状態で綴じ対象物の孔部が押し拡げられるので、挿入刃部の外側に設けた段差が綴じ対象物を通過する際に、綴じ対象物には、孔部の外側に、刃厚に脚部の厚さを加えためくれが生じる。このため、綴じ対象物を綴じたステープルの外観性が悪くなる。また、綴じ対象物を重ねた時の嵩張りが大きくなる。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、綴じ対象物を綴じたステープル及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる綴じ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明は、クラウン部及びクラウン部の長手方向の両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される一対の脚部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置であって、ステープルのクラウン部の外幅に応じた間隔で対向し、ステープルを支持すると共に、ステープルの脚部が挿通される貫通孔を綴じ対象物に開ける一対の抜き刃と、ステープルの脚部が抜き刃の内面より入る支持凹部と、綴じ対象物を挿通したステープルの一対の脚部を、綴じ対象物に沿う方向に折り曲げる折り曲げ部とを備え、支持凹部は、抜き刃の内面から外面に貫通した開口を設けると共に、一対の抜き刃のそれぞれ外側に、ステープルの脚部をガイドするガイド部を設けて構成され、支持凹部に支持されたステープルの脚部を支持凹部から押し出す押し出し部が、支持凹部を通り抜き刃の内側へ突出する綴じ装置である。
また、本発明は、クラウン部及びクラウン部の長手方向の両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される一対の脚部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置であって、ステープルのクラウン部の外幅に応じた間隔で対向し、ステープルを支持すると共に、ステープルの脚部が挿通される貫通孔を綴じ対象物に開ける一対の抜き刃と、ステープルの脚部が抜き刃の内面より入る支持凹部と、綴じ対象物を挿通したステープルの一対の脚部を、綴じ対象物に沿う方向に折り曲げる折り曲げ部とを備え、支持凹部は、ステープルの脚部をガイドするガイド部を備え、抜き刃の内面から外面に貫通した開口を設けて構成され、支持凹部に支持されたステープルの脚部を支持凹部から押し出す押し出し部が、支持凹部を通り抜き刃の内側へ突出する綴じ装置である。
更に、本発明は、クラウン部及びクラウン部の長手方向の両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される一対の脚部を備えた軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置であって、ステープルのクラウン部の外幅に応じた間隔で対向し、ステープルを支持すると共に、ステープルの脚部が挿通される貫通孔を綴じ対象物に開ける一対の抜き刃と、ステープルの脚部が抜き刃の内面より入る支持凹部と、綴じ対象物を挿通したステープルの一対の脚部を、綴じ対象物に沿う方向に折り曲げる折り曲げ部とを備え、抜き刃は、支持凹部に支持されたステープルの脚部を支持凹部から押し出す押し出し部が通る押し出し孔を支持凹部に備えた綴じ装置である。
【0013】
本発明では、一対の抜き刃の間にステープルが支持されると、抜き刃の内面からステープルの脚部が突出しない。抜き刃は、支持凹部にステープルの脚部が入れられた状態で綴じ対象物に脚部を挿通させるので、脚部を綴じ対象物に挿通させる動作では、抜き刃の厚さに応じて貫通孔が拡げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、ステープルの脚部を挿通させるため綴じ対象物に開けられる貫通孔の大きさが、抜き刃の板厚分となる。これにより、貫通孔を拡げる際に形成されるめくれ部の大きさが小さくなり、見栄えも良く、綴じ対象物を綴じたステープル及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる。また、綴じ対象物を重ねた時の嵩張りを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図である。
図2】第1の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図である。
図3】本実施の形態のステープルの一例を示す構成図である。
図4】本実施の形態のステープルで綴じ用紙を綴じた状態の一例を示す断面図である。
図5】第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図6】第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図7】第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図8】第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図9】第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図10】第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図11】第2の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図である。
図12】第2の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図である。
図13】第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図14】第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図15】第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図16】第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図17】第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図18】第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図19】第2の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の変形例を示す平面図である。
図20】第3の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図である。
図21】第3の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図である。
図22】第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図23】第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図24】第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図25】第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図26】第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図27】第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図28】第4の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図である。
図29】第4の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図である。
図30】第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図31】第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図32】第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図33】第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図34】第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図35】第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図36】第5の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図である。
図37】第5の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図38】第5の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図39】第5の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
図40】第5の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の綴じ装置の実施の形態について説明する。
【0017】
<第1の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図1は、第1の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図、図2は、第1の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図である。また、図3は、本実施の形態のステープルの一例を示す構成図、図4は、本実施の形態のステープルで綴じ用紙を綴じた状態の一例を示す断面図である。まず、図3及び図4を参照して、本実施の形態のステープル10の構成について説明する。
【0018】
ステープル10は、所定の厚さを有した軟質素材で非金属材料から成る。本実施の形態では、ステープル10は紙製とするが、紙製ではなく、樹脂製のフィルム、シートとしても良い。
【0019】
ステープル10は、長手方向の両側がそれぞれ所定の長さで第1の方向に略平行となるように折り曲げられ、クラウン部10aが形成されると共に、クラウン部10aの両端に脚部10bが形成される。ステープル10は、脚部10bの先端を先細りの形状として先端部10cが形成される。
【0020】
ステープル10は、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2以上とした構成では、一方の先端部10cの裏面に接着部10dが設けられる。また、ステープル10は、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2未満とした構成では、両方の先端部10cの裏面に接着部10dが設けられる。
【0021】
ステープル10は、一対の脚部10bの間隔に合わせてシート束Pに開けられた貫通孔P10に、それぞれ脚部10bが挿通され、シート束Pに挿通された一対の脚部10bが、それぞれシート束Pに沿って第2の方向に折り曲げられる。
【0022】
脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2以上とした構成では、図4(a)に示すように、接着部10dが設けられていない側の脚部10bがシート束Pに沿って第2の方向に折り曲げられた後、接着部10dが設けられた側の脚部10bがシート束Pに沿って第2の方向に折り曲げられる。これにより、一方の脚部10bと他方の脚部10bが重ねられることで、脚部10b同士が接着部10dで貼り合わされる。
【0023】
また、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2未満とした構成では、図4(b)に示すように、各脚部10bがシート束Pに沿って第2の方向に折り曲げられることで、脚部10b同士が重ならない状態で、各脚部10bが接着部10dでシート束Pの裏面に貼り合わされる。
【0024】
次に、各図を参照して、第1の実施の形態の綴じ装置1Aについて説明する。綴じ装置1Aは、綴じ対象物であるシート束Pが載置される載置部2Aを備える。また、綴じ装置1Aは、ステープル10を支持すると共に、ステープル10が挿通される貫通孔P10を、載置部2Aに載置されたシート束Pに開ける抜き刃3Aと、抜き刃3Aで支持されたステープル10を押圧して、抜き刃3Aと共にステープル10の脚部10bをシート束Pに挿通させる駆動部4Aを備える。
【0025】
更に、綴じ装置1Aは、シート束Pに挿通されたステープルの脚部10bを抜き刃3Aから押し出す押し出し部5Aと、押し出し部5Aで抜き刃3Aから押し出された脚部10bを折り曲げる折り曲げ部6Aを備える。
【0026】
載置部2Aは、ステープル10を支持した抜き刃3Aが通る開口部20Aを備える。抜き刃3Aと駆動部4Aは、開口部20Aが設けられる位置に対向して、載置部2Aの一方の側である上側に設けられる。また、押し出し部5A及び折り曲げ部6Aは、開口部20Aが設けられる位置に対向して、載置部2Aの他方の側である下側に設けられる。
【0027】
綴じ装置1Aは、図示しない操作部材の変位が抜き刃3A及び駆動部4Aと、押し出し部5A及び折り曲げ部6Aに伝達され、抜き刃3A及び駆動部4Aと折り曲げ部6Aが、抜き刃3Aの長手方向に沿った上下方向に移動する。また、押し出し部5Aが、抜き刃3Aに対して交差する方向である載置部2Aに沿った水平方向に移動する。
【0028】
綴じ装置1Aは、ステープル10でシート束Pを綴じる動作では、抜き刃3A及び駆動部4Aが矢印D方向に移動する動作で待機位置から挿通位置へ移動すると共に、抜き刃3A及び駆動部4Aが挿通位置へ移動した所定のタイミングで、押し出し部5Aが矢印S方向に移動する動作で待機位置から予備折り曲げ位置へ移動した後、折り曲げ部6Aが矢印U方向に移動する動作で待機位置から綴じ位置へ移動する。
【0029】
抜き刃3Aは、左右の脚部10bの厚さを合わせたクラウン部10aの外幅L10に応じた間隔L1で対向する。抜き刃3Aは、長手方向に沿った下方の端部に、シート束Pに貫通孔P10を開ける刃部30Aを備える。また、抜き刃3Aは、ステープル10の脚部10bを支持する支持凹部31Aを備える。
【0030】
支持凹部31Aは、抜き刃3Aにステープル10の脚部10bが入る貫通した開口を設けて構成される。支持凹部31Aは、抜き刃3Aの長手方向に沿った長さL2が、脚部10bの長手方向の長さL20より若干長く構成される。また、支持凹部31Aは、抜き刃3Aの幅方向に沿った長さL3が、脚部10bの幅方向の長さL30より若干長く構成される。
【0031】
ステープル10は一対の抜き刃3Aの間に装填されると、脚部10bが支持凹部31Aに入り、脚部10bの先端部10cが、支持凹部31Aの下端の辺で構成される支持部32Aで支持される。
【0032】
駆動部4Aは、一対の抜き刃3Aの間に設けられ、抜き刃3Aで支持されたステープル10のクラウン部10aと接する。駆動部4Aは、抜き刃3Aと共に矢印D方向に移動する動作で、ステープル10のクラウン部10aを押圧する。
【0033】
綴じ装置1Aは、抜き刃3Aで支持されたステープル10の脚部10bをガイドするガイド部33Aを備える。ガイド部33Aは、一対の抜き刃3Aのそれぞれ外側に、抜き刃3Aの外面に略接するように設けられ、抜き刃3Aの長手方向に沿って延在する。抜き刃3Aは、ガイド部33Aに沿って移動することで、支持凹部31Aに入るステープル10の脚部10bが、抜き刃3Aの外側に突出することが防止される。このため、支持凹部31Aは、押し出し孔としての機能も発揮する。
【0034】
押し出し部5Aは、挿通位置に移動した抜き刃3Aの外側で支持凹部31Aと対向する位置に設けられ、矢印S方向への移動で、支持凹部31Aを通り抜き刃3Aの内側へ突出する。ステープル10を支持した抜き刃3Aが挿通位置に移動して、押し出し部5Aが待機位置から予備折り曲げ位置へ移動すると、支持凹部31Aで支持されたステープル10の脚部10bが横方向から押圧され、先端部10cが内側に折り曲げられる。これにより、抜き刃3Aの内面34Aと脚部10bとの間に折り曲げ誘導隙間が形成される。
【0035】
折り曲げ部6Aは、一方の抜き刃3Aと対向して設けられる第1の折り曲げ部60Rと、他方の抜き刃3Aと対向して設けられる第2の折り曲げ部60Lと、第1の折り曲げ部60Rと第2の折り曲げ部60Lの間に設けられる第3の折り曲げ部60Cを備える。
【0036】
折り曲げ部6Aは、第1の折り曲げ部60Rと第2の折り曲げ部60L及び第3の折り曲げ部60Cが、それぞれ独立して上下方向に移動可能な構成で、所定のタイミングで順番に待機位置から綴じ位置へ移動する。
【0037】
第1の折り曲げ部60Rは、待機位置から綴じ位置へ移動する動作により、一方の抜き刃3Aの支持凹部31Aに支持されたステープル10の脚部10bが、押し出し部5Aの動作で押し出されることで、抜き刃3Aの内面34Aと脚部10bとの間に形成される折り曲げ誘導隙間に入る誘導部61Rを備える。また、第1の折り曲げ部60Rは、誘導部61Rで押し上げられた脚部10bをシート束Pに押圧する押圧面62Rを備える。
【0038】
誘導部61Rは、押し出し部5Aで押し出された脚部10bに沿う方向に傾斜する面で構成され、第1の折り曲げ部60Rの上端側が先細りの形状に構成される。押圧面62Rは、第1の折り曲げ部60Rの移動方向に対して略直交する平面で構成される。
【0039】
第2の折り曲げ部60Lは、第1の折り曲げ部60Rと同様の構成で、待機位置から綴じ位置へ移動する動作により、他方の抜き刃3Aの支持凹部31Aに支持されたステープル10の脚部10bが、押し出し部5Aの動作で押し出されることで、抜き刃3Aの内面34Aと脚部10bとの間に形成される折り曲げ誘導隙間に入る誘導部61Lを備える。また、第2の折り曲げ部60Lは、誘導部61Lで押し上げられた脚部10bをシート束Pに押圧する押圧面62Lを備える。
【0040】
第3の折り曲げ部60Cは、第1の折り曲げ部60Rで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部60Lで押し上げられた他方の脚部10bをシート束Pに押圧する押圧面62Cを備える。押圧面62Cは、第3の折り曲げ部60Cの移動方向に対して略直交する面で構成される。
【0041】
<第1の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図5図10は、第1の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図であり、次に、第1の実施の形態の綴じ装置1Aにおいて、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2以上としたステープル10を用いて、シート束Pを綴じる動作について説明する。
【0042】
待機状態では、図5に示すに示すように、載置部2Aにシート束Pが載置される。また、一対の抜き刃3Aの間にステープル10が装填される。
【0043】
一対の抜き刃3Aの間にステープル10が装填されると、ステープル10のクラウン部10aが駆動部4Aと接する。また、一方の脚部10bが一方の抜き刃3Aの支持凹部31Aに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Aで支持される。更に、他方の脚部10bが他方の抜き刃3Aの支持凹部31Aに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Aで支持される。
【0044】
ステープル10をシート束Pに挿通させる動作では、図6に示すように、ステープル10を支持した抜き刃3A及び駆動部4Aが、待機位置Pa1から挿通位置Pa2へ矢印D方向に移動する。
【0045】
抜き刃3A及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動する動作で、抜き刃3Aの刃部30Aが、一対の脚部10bの間隔に合わせてシート束Pに貫通孔P10を開ける。ステープル10は、クラウン部10aが駆動部4Aで押圧されることで、抜き刃3Aと共に下降し、脚部10bが支持凹部31Aで支持されているので、抜き刃3Aと共にシート束Pの貫通孔P10に挿通される。抜き刃3A及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動すると、ステープラのクラウン部10aが、駆動部4Aによってシート束Pの表面に押圧された状態で保持される。
【0046】
抜き刃3Aは、支持凹部31Aにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、抜き刃3Aと脚部10bが重なる形態でシート束Pに挿通させない。これにより、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Aの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0047】
ステープル10の脚部10bを予備折り曲げする動作では、図7に示すように、押し出し部5Aが待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ矢印S方向に移動する。押し出し部5Aは、挿通位置に移動した抜き刃3Aに対して、待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ移動する動作で、支持凹部31Aで支持されたステープル10の脚部10bを横方向から押圧して内側に折り曲げられる。これにより、抜き刃3Aの内面34Aと脚部10bとの間に折り曲げ誘導隙間t1が形成される。
【0048】
ステープル10の片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図8に示すように、第1の折り曲げ部60Rが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第1の折り曲げ部60Rは、挿通位置に移動した一方の抜き刃3Aに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Rが入る。
【0049】
そして、第1の折り曲げ部60Rが矢印U方向に移動する動作で、誘導部61Rが脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第1の折り曲げ部60Rが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Rで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Rでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通した片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うような方向に折り曲げられる。
【0050】
ステープル10のもう片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図9に示すように、第2の折り曲げ部60Lが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。
【0051】
第2の折り曲げ部60Lは、挿通位置に移動した他方の抜き刃3Aに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、第1の折り曲げ部60Rと同様に、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Lが入る。
【0052】
そして、第2の折り曲げ部60Lが矢印U方向に移動する動作で、脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第2の折り曲げ部60Lが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Lで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Lでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通したもう片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うような方向に折り曲げられる。
【0053】
ステープル10の脚部10b同士を貼り合わせる動作では、図10に示すように、第3の折り曲げ部60Cが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第3の折り曲げ部60Cが綴じ位置Pb2まで移動すると、第1の折り曲げ部60Rで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部60Lで押し上げられた他方の脚部10bの重なる部位を押圧面62Cでシート束Pに押圧する。
【0054】
これにより、図4(a)に示すように、一方の脚部10bと他方の脚部10bが重ねられることで、脚部10b同士が接着部10dで貼り合わされ、ステープル10でシート束Pが綴じられる。
【0055】
第1の実施の形態の綴じ装置1Aでは、抜き刃3Aは、支持凹部31Aにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Aの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0056】
これにより、ステープル10の脚部10bを挿通させるためシート束Pに開けられる貫通孔P10の大きさが、抜き刃3Aの板厚分だけとなる。従って、めくれ部P11の大きさが小さくなり、見栄えも良く、シート束Pを綴じたステープル10及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる。また、シート束Pを重ねた時の嵩張りを小さくすることができる。
【0057】
抜き刃3Aの厚さは、支持凹部31Aに入るステープル10の脚部10bを支持できれば良いので、ステープル10の厚みと同程度、あるいは若干厚い程度で良い。これにより、めくれ部P11の大きさを小さくできる。
【0058】
<第2の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図11は、第2の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図、図12は、第2の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図であり、次に、各図を参照して、第2の実施の形態の綴じ装置1Bについて説明する。ここで、綴じ装置1Bにおいては、載置部2A、駆動部4A、押し出し部5A及び折り曲げ部6Aについては、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同じ構成で良く、同じ符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
【0059】
抜き刃3Bは、左右の脚部10bの厚さを合わせたクラウン部10aの外幅L10に応じた間隔L1で対向する。抜き刃3Bは、長手方向に沿った下方の端部に、シート束Pに貫通孔P10を開ける刃部30Bを備える。また、抜き刃3Bは、ステープル10の脚部10bを支持する支持凹部31Bを備える。
【0060】
支持凹部31Bは、脚部10bの先端部10cを支持する支持部32Bと、脚部10bをガイドするガイド部33Bを備え、抜き刃3Bにステープル10の脚部10bが入る貫通した開口を設けて構成される。
【0061】
支持部32Bは、抜き刃3Bの内面34B側における支持凹部31Bの下端の辺で構成される。ガイド部33Bは、支持部32Bにおいて抜き刃3Bの外面側の部位を抜き刃3Bの長手方向に沿った上方へ突出させ、支持部32Bに段差を設けて構成される。
【0062】
支持凹部31Bは、抜き刃3Bの長手方向に沿った長さL2が、脚部10bの長手方向の長さL20より若干長く構成される。また、支持凹部31Bは、抜き刃3Bの幅方向に沿った長さL3が、脚部10bの幅方向の長さL30より若干長く構成される。更に、支持凹部31Bは、ガイド部33Bまでの長さL4が、脚部10bの長さL10より短く構成される。
【0063】
ステープル10は一対の抜き刃3Bの間に装填されると、脚部10bが支持凹部31Bに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Bで支持される。また、支持部32Bで支持された脚部10bの外側がガイド部33Bでガイドされ、抜き刃3Bの外側に突出することが防止される。
【0064】
<第2の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図13図18は、第2の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図であり、次に、第2の実施の形態の綴じ装置1Bにおいて、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2以上としたステープル10を用いて、シート束Pを綴じる動作について説明する。
【0065】
待機状態では、図13に示すに示すように、載置部2Aにシート束Pが載置される。また、一対の抜き刃3Bの間にステープル10が装填される。
【0066】
一対の抜き刃3Bの間にステープル10が装填されると、ステープル10のクラウン部10aが駆動部4Aと接する。また、一方の脚部10bが一方の抜き刃3Bの支持凹部31Bに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Bで支持される。更に、他方の脚部10bが他方の抜き刃3Bの支持凹部31Bに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Bで支持される。支持部32Bで支持された脚部10bの外側は、それぞれガイド部33Bでガイドされ、抜き刃3Bの外側に突出することが防止される。
【0067】
ステープル10をシート束Pに挿通させる動作では、図14に示すように、ステープル10を支持した抜き刃3B及び駆動部4Aが、待機位置Pa1から挿通位置Pa2へ矢印D方向に移動する。
【0068】
抜き刃3B及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動する動作で、抜き刃3Bの刃部30Bが、一対の脚部10bの間隔に合わせてシート束Pに貫通孔P10を開ける。ステープル10は、クラウン部10aが駆動部4Aで押圧されることで、抜き刃3Bと共に下降し、脚部10bが支持凹部31Bで支持されているので、抜き刃3Bと共にシート束Pの貫通孔P10に挿通される。抜き刃3B及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動すると、ステープラのクラウン部10aが、駆動部4Aによってシート束Pの表面に押圧された状態で保持される。
【0069】
抜き刃3Bは、支持凹部31Bにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、抜き刃3Bと脚部10bが重なる形態でシート束Pに挿通させない。これにより、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Bの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0070】
ステープル10の脚部10bを予備折り曲げする動作では、図15に示すように、押し出し部5Aが待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ矢印S方向に移動する。押し出し部5Aは、挿通位置に移動した抜き刃3Bに対して、待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ移動する動作で支持凹部31Bを通過して、支持凹部31Bで支持されたステープル10の脚部10bを横方向から押圧して内側に折り曲げられる。これにより、抜き刃3Bの内面34Bと脚部10bとの間に折り曲げ誘導隙間t1が形成される。このため、支持凹部31Bは、押し出し孔としての機能も発揮する。
【0071】
ステープル10の片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図16に示すように、第1の折り曲げ部60Rが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第1の折り曲げ部60Rは、挿通位置に移動した一方の抜き刃3Bに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Rが入る。
【0072】
そして、第1の折り曲げ部60Rが矢印U方向に移動する動作で、誘導部61Rが脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第1の折り曲げ部60Rが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Rで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Rでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通した片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うような方向に折り曲げられる。
【0073】
ステープル10のもう片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図17に示すように、第2の折り曲げ部60Lが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。
【0074】
第2の折り曲げ部60Lは、挿通位置に移動した他方の抜き刃3Bに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、第1の折り曲げ部60Rと同様に、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Lが入る。
【0075】
そして、第2の折り曲げ部60Lが矢印U方向に移動する動作で、脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第2の折り曲げ部60Lが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Lで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Lでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通したもう片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うような方向に折り曲げられる。
【0076】
ステープル10の脚部10b同士を貼り合わせる動作では、図18に示すように、第3の折り曲げ部60Cが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第3の折り曲げ部60Cが綴じ位置Pb2まで移動すると、第1の折り曲げ部60Rで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部60Lで押し上げられた他方の脚部10bの重なる部位を押圧面62Cでシート束Pに押圧する。
【0077】
これにより、図4(a)に示すように、一方の脚部10bと他方の脚部10bが重ねられることで、脚部10b同士が接着部10dで貼り合わされ、ステープル10でシート束Pが綴じられる。
【0078】
第2の実施の形態の綴じ装置1Bでも、抜き刃3Bは、支持凹部31Bにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Bの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0079】
これにより、ステープル10の脚部10bを挿通させるためシート束Pに開けられる貫通孔P10の大きさが、抜き刃3Bの板厚分だけとなる。従って、めくれ部P11の大きさが小さくなり、見栄えも良く、シート束Pを綴じたステープル10及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる。また、シート束Pを重ねた時の嵩張りを小さくすることができる。
【0080】
また、抜き刃3Bにガイド部33Bを備えたことで、ステープル10の脚部10bが抜き刃3Bの外側へ突出する形態となることを防ぐ部材を別に設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0081】
図19は、第2の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の変形例を示す平面図である。図12で説明した抜き刃3Bでは、支持部32Bの全体を突出させてガイド部33Bを設ける構成としたが、図19に示すように、脚部10bの位置に合わせて、支持部32Bの一部を突出させてガイド部33Bを設ける構成としても良い。
【0082】
<第3の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図20は、第3の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図、図21は、第3の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図であり、次に、各図を参照して、第3の実施の形態の綴じ装置1Cについて説明する。ここで、綴じ装置1Cにおいては、載置部2A、駆動部4A、押し出し部5A及び折り曲げ部6Aについては、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同じ構成で良く、同じ符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
【0083】
抜き刃3Cは、左右の脚部10bの厚さを合わせたクラウン部10aの外幅L10に応じた間隔L1で対向する。抜き刃3Cは、長手方向に沿った下方の端部に、シート束Pに貫通孔P10を開ける刃部30Cを備える。また、抜き刃3Cは、ステープル10の脚部10bを支持する支持凹部31Cを備える。
【0084】
支持凹部31Bは、脚部10bの先端部10cを支持する支持部32Cと、押し出し部5Aが入る押し出し孔33Cを備え、抜き刃3Cの内面34Cにステープル10の脚部10bが入る開口を設けて構成される。
【0085】
支持部32Cは、抜き刃3Cの内面34C側における支持凹部31Cの下端の辺で構成される。押し出し孔33Cは、抜き刃3Cにおいて支持凹部31Cが設けられた部位の一部を貫通した開口を設けて構成される。
【0086】
支持凹部31Cは、抜き刃3Cの長手方向に沿った長さL2が、脚部10bの長手方向の長さL20より若干長く構成される。また、支持凹部31Cは、抜き刃3Cの幅方向に沿った長さL3が、脚部10bの幅方向の長さL30より若干長く構成される。
【0087】
ステープル10は一対の抜き刃3Cの間に装填されると、脚部10bが支持凹部31Cに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Cで支持される。支持凹部31Cは、押し出し孔33Cが設けられた部位以外は抜き刃3Cを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Cの外側に突出することが防止される。
【0088】
<第3の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図22図27は、第3の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図であり、次に、第3の実施の形態の綴じ装置1Cにおいて、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2以上としたステープル10を用いて、シート束Pを綴じる動作について説明する。
【0089】
待機状態では、図22に示すに示すように、載置部2Aにシート束Pが載置される。また、一対の抜き刃3Cの間にステープル10が装填される。
【0090】
一対の抜き刃3Cの間にステープル10が装填されると、ステープル10のクラウン部10aが駆動部4Aと接する。また、一方の脚部10bが一方の抜き刃3Cの支持凹部31Cに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Cで支持される。更に、他方の脚部10bが他方の抜き刃3Cの支持凹部31Cに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Cで支持される。支持凹部31Cは、押し出し孔33Cが設けられた部位以外は抜き刃3Cを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Cの外側に突出することが防止される。
【0091】
ステープル10をシート束Pに挿通させる動作では、図23に示すように、ステープル10を支持した抜き刃3C及び駆動部4Aが、待機位置Pa1から挿通位置Pa2へ矢印D方向に移動する。
【0092】
抜き刃3C及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動する動作で、抜き刃3Cの刃部30Cが、一対の脚部10bの間隔に合わせてシート束Pに貫通孔P10を開ける。ステープル10は、クラウン部10aが駆動部4Aで押圧されることで、抜き刃3Cと共に下降し、脚部10bが支持凹部31Cで支持されているので、抜き刃3Cと共にシート束Pの貫通孔P10に挿通される。抜き刃3C及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動すると、ステープラのクラウン部10aが、駆動部4Aによってシート束Pの表面に押圧された状態で保持される。
【0093】
抜き刃3Cは、支持凹部31Cにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、抜き刃3Cと脚部10bが重なる形態でシート束Pに挿通させない。これにより、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Cの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0094】
ステープル10の脚部10bを予備折り曲げする動作では、図24に示すように、押し出し部5Aが待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ矢印S方向に移動する。押し出し部5Aは、挿通位置に移動した抜き刃3Cに対して、待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ移動する動作で、押し出し孔33Cから支持凹部31Cに突出し、支持凹部31Cで支持されたステープル10の脚部10bを横方向から押圧して内側に折り曲げられる。これにより、抜き刃3Cの内面34Cと脚部10bとの間に折り曲げ誘導隙間t1が形成される。
【0095】
ステープル10の片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図25に示すように、第1の折り曲げ部60Rが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第1の折り曲げ部60Rは、挿通位置に移動した一方の抜き刃3Cに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Rが入る。
【0096】
そして、第1の折り曲げ部60Rが矢印U方向に移動する動作で、誘導部61Rが脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第1の折り曲げ部60Rが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Rで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Rでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通した片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うような方向に折り曲げられる。
【0097】
ステープル10のもう片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図26に示すように、第2の折り曲げ部60Lが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。
【0098】
第2の折り曲げ部60Lは、挿通位置に移動した他方の抜き刃3Cに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、第1の折り曲げ部60Rと同様に、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Lが入る。
【0099】
そして、第2の折り曲げ部60Lが矢印U方向に移動する動作で、脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第2の折り曲げ部60Lが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Lで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Lでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通したもう片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うような方向に折り曲げられる。
【0100】
ステープル10の脚部10b同士を貼り合わせる動作では、図27に示すように、第3の折り曲げ部60Cが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第3の折り曲げ部60Cが綴じ位置Pb2まで移動すると、第1の折り曲げ部60Rで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部60Lで押し上げられた他方の脚部10bの重なる部位を押圧面62Cでシート束Pに押圧する。
【0101】
これにより、図4(a)に示すように、一方の脚部10bと他方の脚部10bが重ねられることで、脚部10b同士が接着部10dで貼り合わされ、ステープル10でシート束Pが綴じられる。
【0102】
第3の実施の形態の綴じ装置1Cでも、抜き刃3Cは、支持凹部31Cにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Cの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0103】
これにより、ステープル10の脚部10bを挿通させるためシート束Pに開けられる貫通孔P10の大きさが、抜き刃3Cの板厚分だけとなる。従って、めくれ部P11の大きさが小さくなり、見栄えも良く、シート束Pを綴じたステープル10及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる。また、シート束Pを重ねた時の嵩張りを小さくすることができる。
【0104】
また、支持凹部31Cは、押し出し孔33Cが設けられた部位以外は抜き刃3Cを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Cの外側に突出することが防止されるので、ステープル10の脚部10bが抜き刃3Cの外側へ突出する形態となることを防ぐ部材を別に設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0105】
<第4の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図28は、第4の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図、図29は、第4の実施の形態の綴じ装置に備えた抜き刃の一例を示す平面図であり、次に、各図を参照して、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2未満としたステープル10を用いる第4の実施の形態の綴じ装置1Dについて説明する。ここで、綴じ装置1Dにおいては、載置部2A、駆動部4A、押し出し部5A及び折り曲げ部6Aについては、第1の実施の形態の綴じ装置1Aと同じ構成で良く、同じ符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
【0106】
抜き刃3Dは、左右の脚部10bの厚さを合わせたクラウン部10aの外幅L10に応じた間隔L1で対向する。抜き刃3Dは、長手方向に沿った下方の端部に、シート束Pに貫通孔P10を開ける刃部30Dを備える。また、抜き刃3Dは、ステープル10の脚部10bを支持する支持凹部31Dを備える。
【0107】
支持凹部31Dは、クラウン部10aの長さの1/2未満とした脚部10bの先端部10cを支持する支持部32Dと、押し出し部5Aが入る押し出し孔33Dを備え、抜き刃3Dの内面34Dにステープル10の脚部10bが入る開口を設けて構成される。
【0108】
支持部32Dは、抜き刃3Dの内面34D側における支持凹部31Dの下端の辺で構成される。押し出し孔33Dは、抜き刃3Dにおいて支持凹部31Dが設けられた部位の一部を貫通した開口を設けて構成される。
【0109】
支持凹部31Dは、抜き刃3Dの長手方向に沿った長さL2が、脚部10bの長手方向の長さL20より若干長く構成される。また、支持凹部31Dは、抜き刃3Dの幅方向に沿った長さL3が、脚部10bの幅方向の長さL30より若干長く構成される。
【0110】
ステープル10は一対の抜き刃3Dの間に装填されると、脚部10bが支持凹部31Dに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Dで支持される。支持凹部31Dは、押し出し孔33Dが設けられた部位以外は抜き刃3Dを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Dの外側に突出することが防止される。
【0111】
<第4の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図30図35は、第4の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図であり、次に、第4の実施の形態の綴じ装置1Dにおいて、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2未満としたステープル10を用いて、シート束Pを綴じる動作について説明する。
【0112】
待機状態では、図30に示すに示すように、載置部2Aにシート束Pが載置される。また、一対の抜き刃3Dの間にステープル10が装填される。
【0113】
一対の抜き刃3Dの間にステープル10が装填されると、ステープル10のクラウン部10aが駆動部4Aと接する。また、一方の脚部10bが一方の抜き刃3Dの支持凹部31Dに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Dで支持される。更に、他方の脚部10bが他方の抜き刃3Dの支持凹部31Dに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Dで支持される。支持凹部31Dは、押し出し孔33Dが設けられた部位以外は抜き刃3Cを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Dの外側に突出することが防止される。
【0114】
ステープル10をシート束Pに挿通させる動作では、図31に示すように、ステープル10を支持した抜き刃3D及び駆動部4Aが、待機位置Pa1から挿通位置Pa2へ矢印D方向に移動する。
【0115】
抜き刃3D及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動する動作で、抜き刃3Dの刃部30Dが、一対の脚部10bの間隔に合わせてシート束Pに貫通孔P10を開ける。ステープル10は、クラウン部10aが駆動部4Aで押圧されることで、抜き刃3Dと共に下降し、脚部10bが支持凹部31Dで支持されているので、抜き刃3Dと共にシート束Pの貫通孔P10に挿通される。抜き刃3D及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動すると、ステープラのクラウン部10aが、駆動部4Aによってシート束Pの表面に押圧された状態で保持される。
【0116】
抜き刃3Dは、支持凹部31Dにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、抜き刃3Dと脚部10bが重なる形態でシート束Pに挿通させない。これにより、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Dの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0117】
ステープル10の脚部10bを予備折り曲げする動作では、図32に示すように、押し出し部5Aが待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ矢印S方向に移動する。押し出し部5Aは、挿通位置に移動した抜き刃3Dに対して、待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ移動する動作で、押し出し孔33Dから支持凹部31Dに突出し、支持凹部31Dで支持されたステープル10の脚部10bを横方向から押圧して内側に折り曲げられる。これにより、抜き刃3Dの内面34Dと脚部10bとの間に折り曲げ誘導隙間t1が形成される。
【0118】
ステープル10の片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図33に示すように、折り曲げ部6Aが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第1の折り曲げ部60Rは、挿通位置に移動した一方の抜き刃3Dに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Rが入る。
【0119】
そして、第1の折り曲げ部60Rが矢印U方向に移動する動作で、誘導部61Rが脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第1の折り曲げ部60Rが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Rで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Rでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通した片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うように折り曲げられる。
【0120】
ステープル10のもう片方の脚部10bを折り曲げる動作では、図34に示すように、第2の折り曲げ部60Lが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。
【0121】
第2の折り曲げ部60Lは、挿通位置に移動した他方の抜き刃3Dに対して、待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で、第1の折り曲げ部60Rと同様に、折り曲げ誘導隙間t1に誘導部61Lが入る。
【0122】
そして、第2の折り曲げ部60Lが矢印U方向に移動する動作で、脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。第2の折り曲げ部60Lが綴じ位置Pb2まで移動すると、誘導部61Lで押し上げられた脚部10bを、押圧面62Lでシート束Pに押圧する。これにより、シート束Pを挿通したもう片方の脚部10bが、シート束Pの裏面に沿うように折り曲げられる。
【0123】
ステープル10の脚部10bをシート束Pに貼り合わせる動作では、図35に示すように、第3の折り曲げ部60Cが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。第3の折り曲げ部60Cが綴じ位置Pb2まで移動すると、第1の折り曲げ部60Rで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部60Lで押し上げられた他方の脚部10bを押圧面62Cでシート束Pに押圧する。
【0124】
これにより、図4(b)に示すように、脚部10b同士が重ならない状態で、各脚部10bが接着部10dでシート束Pの裏面に貼り合わされる。
【0125】
第4の実施の形態の綴じ装置1Dでも、抜き刃3Dは、支持凹部31Dにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Dの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0126】
これにより、ステープル10の脚部10bを挿通させるためシート束Pに開けられる貫通孔P10の大きさが、抜き刃3Dの板厚分だけとなる。従って、めくれ部P11の大きさが小さくなり、見栄えも良く、シート束Pを綴じたステープル10及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる。また、シート束Pを重ねた時の嵩張りを小さくすることができる。
【0127】
また、支持凹部31Dは、押し出し孔33Dが設けられた部位以外は抜き刃3Dを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Dの外側に突出することが防止されるので、ステープル10の脚部10bが抜き刃3Dの外側へ突出する形態となることを防ぐ部材を別に設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0128】
<第5の実施の形態の綴じ装置の構成例>
図36は、第5の実施の形態の綴じ装置の要部構成を示す正面図であり、次に、各図を参照して、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2未満としたステープル10を用いる第5の実施の形態の綴じ装置1Eについて説明する。ここで、綴じ装置1Eにおいては、載置部2A、抜き刃3D、駆動部4A及び押し出し部5Aについては、第4の実施の形態の綴じ装置1Dと同じ構成で良く、同じ符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
【0129】
折り曲げ部6Bは、第1の折り曲げ部63Rと第2の折り曲げ部63L及び第3の折り曲げ部63Cが、一体で待機位置から綴じ位置へ移動する。
【0130】
第1の折り曲げ部63Rは、一方の抜き刃3Dの支持凹部31Dから脚部10b押し出し部5Aで押し出されることで抜き刃3Dと脚部10bとの間に形成される折り曲げ誘導隙間に入る誘導部64Rを備える。また、第1の折り曲げ部63Rは、誘導部64Rで押し上げられた脚部10bをシート束Pに押圧する押圧面65Rを備える。
【0131】
第2の折り曲げ部63Lは、第1の折り曲げ部63Rと同様の構成で、他方の抜き刃3Dの支持凹部31Dから脚部10b押し出し部5Aで押し出されることで抜き刃3Dと脚部10bとの間に形成される折り曲げ誘導隙間に入る誘導部64Lを備える。また、第2の折り曲げ部63Lは、誘導部64Lで押し上げられた脚部10bをシート束Pに押圧する押圧面65Lを備える。
【0132】
第3の折り曲げ部63Cは、第1の折り曲げ部63Rで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部63Rで押し上げられた他方の脚部10bをシート束Pに押圧する押圧面65Cを備える。
【0133】
<第5の実施の形態の綴じ装置の動作例>
図37図40は、第5の実施の形態の綴じ装置の動作例を示す正面図であり、次に、第5の実施の形態の綴じ装置1Eにおいて、脚部10bの長さをクラウン部10aの長さの1/2未満としたステープル10を用いて、シート束Pを綴じる動作について説明する。
【0134】
待機状態では、図37に示すに示すように、載置部2Aにシート束Pが載置される。また、一対の抜き刃3Dの間にステープル10が装填される。
【0135】
一対の抜き刃3Dの間にステープル10が装填されると、ステープル10のクラウン部10aが駆動部4Aと接する。また、一方の脚部10bが一方の抜き刃3Dの支持凹部31Dに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Dで支持される。更に、他方の脚部10bが他方の抜き刃3Dの支持凹部31Dに入り、脚部10bの先端部10cが支持部32Dで支持される。支持凹部31Dは、押し出し孔33Dが設けられた部位以外は抜き刃3Cを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Dの外側に突出することが防止される。
【0136】
ステープル10をシート束Pに挿通させる動作では、図38に示すように、ステープル10を支持した抜き刃3D及び駆動部4Aが、待機位置Pa1から挿通位置Pa2へ矢印D方向に移動する。
【0137】
抜き刃3D及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動する動作で、抜き刃3Dの刃部30Dが、一対の脚部10bの間隔に合わせてシート束Pに貫通孔P10を開ける。ステープル10は、クラウン部10aが駆動部4Aで押圧されることで、抜き刃3Dと共に下降し、脚部10bが支持凹部31Dで支持されているので、抜き刃3Dと共にシート束Pの貫通孔P10に挿通される。抜き刃3D及び駆動部4Aが挿通位置Pa2へ移動すると、ステープラのクラウン部10aが、駆動部4Aによってシート束Pの表面に押圧された状態で保持される。
【0138】
抜き刃3Dは、支持凹部31Dにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、抜き刃3Dと脚部10bが重なる形態でシート束Pに挿通させない。これにより、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Dの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0139】
ステープル10の脚部10bを予備折り曲げする動作では、図39に示すように、押し出し部5Aが待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ矢印S方向に移動する。押し出し部5Aは、挿通位置に移動した抜き刃3Dに対して、待機位置Pc1から予備折り曲げ位置Pc2へ移動する動作で、押し出し孔33Dから支持凹部31Dに突出し、支持凹部31Dで支持されたステープル10の脚部10bを横方向から押圧して内側に折り曲げられる。これにより、抜き刃3Dの内面34Dと脚部10bとの間に折り曲げ誘導隙間t1が形成される。
【0140】
ステープル10の脚部10bを折り曲げる動作では、図40に示すように、折り曲げ部6Bが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ矢印U方向に移動する。
【0141】
第1の折り曲げ部63Rは、挿通位置に移動した抜き刃3Dに対して、折り曲げ部6Bが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で折り曲げ誘導隙間t1に誘導部64Rが入る。また、第2の折り曲げ部63Lは、第1の折り曲げ部63Rと同様に、折り曲げ部6Bが待機位置Pb1から綴じ位置Pb2へ移動する動作で折り曲げ誘導隙間t1に誘導部64Lが入る。
【0142】
そして、折り曲げ部6Bが矢印U方向に移動する動作で、第1の折り曲げ部63Rと第2の折り曲げ部63Lが、脚部10bを更に内側に折り曲げながら押し上げる。折り曲げ部6Bが綴じ位置Pb2まで移動すると、第1の折り曲げ部63Rは、誘導部64Lで押し上げられた脚部10bを、押圧面65Lでシート束Pに押圧する。また、第2の折り曲げ部63Rは、誘導部64Rで押し上げられた脚部10bを、押圧面65Lでシート束Pに押圧する。更に、第3の折り曲げ部63Cは、第1の折り曲げ部63Lで押し上げられた一方の脚部10bと、第2の折り曲げ部63Rで押し上げられた他方の脚部10bの先端側を、押圧面65Cでシート束Pに押圧する。
【0143】
これにより、図4(b)に示すように、脚部10b同士が重ならない状態で、各脚部10bが接着部10dでシート束Pの裏面に貼り合わされる。
【0144】
第5の実施の形態の綴じ装置1Eでも、抜き刃3Dは、支持凹部31Dにステープル10の脚部10bが入れられた状態でシート束Pに脚部10bを挿通させるので、脚部10bをシート束Pに挿通させる動作では、抜き刃3Dの厚さに応じて貫通孔P10が拡げられてめくれ部P11が形成される。
【0145】
これにより、ステープル10の脚部10bを挿通させるためシート束Pに開けられる貫通孔P10の大きさが、抜き刃3Dの板厚分だけとなる。従って、めくれ部P11の大きさが小さくなり、見栄えも良く、シート束Pを綴じたステープル10及び綴じられた部位近傍の外観性を向上させることができる。また、シート束Pを重ねた時の嵩張りを小さくすることができる。
【0146】
また、支持凹部31Dは、押し出し孔33Dが設けられた部位以外は抜き刃3Dを貫通しておらず、脚部10bが抜き刃3Dの外側に突出することが防止されるので、ステープル10の脚部10bが抜き刃3Dの外側へ突出する形態となることを防ぐ部材を別に設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0147】
更に、第5の実施の形態の綴じ装置1Eでは、折り曲げ部6Bを一体の構造で実現できるので、部品点数の削減が可能であり、低コスト化が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、人の力、あるいはモータ等の駆動力で作動し、紙製等、軟質素材で非金属材料から成るステープルで綴じ対象物を綴じる綴じ装置に適用される。
【符号の説明】
【0149】
1A〜1E・・・綴じ装置、2A・・・載置部、20A・・・開口部、3A〜3D・・・抜き刃、30A〜30D・・・刃部、31A〜31D・・・支持凹部、32A〜32D・・・支持部、4A・・・駆動部、5A・・・押し出し部、6A、6B・・・折り曲げ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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