【文献】
ファンタシースターオンライン2,電撃PlayStation ,株式会社KADOKAWA,2016年 5月12日,第22巻, 第14号,p. 168-171
【文献】
スタミナの回復方法一覧|FFRK攻略&裏技ブログ,[online], 2014年10月16日, [2018年10月31日検索],URL,http://www.itienergy.com/archives/28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記イベント処理部は、前記選択された行動により消費されるコストが大きいほど、前記選択された行動が成功したときの前記実行許容値の増加量を大きく設定することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態においては、競走馬を育成するネットワークゲーム(以下、「ゲームG」とよぶ)を想定して説明する。プレイヤは、ゲームGに参加するためには、ゲームサーバにプレイヤ登録をする必要がある。
【0013】
プレイヤは競走馬を購入して、育成し、レースに出走させる。ゲームGにおいては「メダル」の数が実行許容値に該当する。競走馬の購入等の行動選択がなされるごとに、その行動コストとしてメダル数が減少する。メダル数は、時間回復およびポイント増加により増やすことができる。本実施形態においては、更に、レースに勝利したときなどゲームGにおいてあらかじめ設定されるイベント条件が成立したときにもメダル数が増加する。
以下においては、メダル数(実行許容値)を中心として説明する。
【0014】
図1は、ゲームシステム100のハードウェア構成図である。
ゲームシステム100においては、ゲームサーバ102に対して、複数のゲーム端末104a、104b、104c・・・104n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「ゲーム端末104」と総称する)がインターネット106を介して接続される。本実施形態におけるゲーム端末104は、スマートフォンを想定している。ゲーム端末104は、携帯型のゲーム専用機であってもよいし、ラップトップPCなどの汎用コンピュータであってもよい。ゲーム端末104とインターネット106は無線接続されるが、有線接続されてもよい。ゲームのプレイヤにはプレイヤIDとよばれる一意のIDがあらかじめ付与されている。ゲームサーバ102は、各ゲーム端末104にゲームを提供する。
【0015】
図2は、ゲーム画面150の画面図である。
ゲーム画面150は、ゲーム端末104に表示される。ゲーム画面150は、メイン領域156とサブ領域158を含む。メイン領域156には、競走馬を育成する厩舎やレースなどのさまざまな場面がグラフィックス表示される。サブ領域158は、複数のコマンドボタン160が表示される。プレイヤは、コマンドボタン160によりさまざまな行動を指示する。
【0016】
レベル表示領域152は、プレイヤのレベルを示す。競走馬がレースに出走したときや、レースに勝ったときには経験値が増加する。経験値が一定値を超えるごとにレベルアップする。レベルがアップすると厩舎が改善され、より多くの競走馬を保有できるようになる。また、厩舎の改善により、競走馬を調教しやすくなる。経験値は行動やイベントにともなって増加する。
【0017】
メダル表示領域154は、プレイヤが保有するメダル数(実行許容値)を示す。メダルは、いわば、ゲームGにおける通貨として機能する。行動にはコストがともなう。行動選択するごとにメダル数が減算されるため、メダル数がプレイヤの行動自由度を決める。
【0018】
コマンドボタン160は、さまざまな行動を指示するためのボタンである。競走馬を鍛える「調教」、競走馬に餌を与える「飼葉」、競走馬をレースにエントリーさせる「出走」などさまざまなコマンド(行動)がある。馬主として競走馬を育成するだけではなく、定期的に開催されるレースの馬券を購入することもできる。そのほかにも、騎乗依頼、仔馬の生産などさまざまな行動に対応するコマンドが用意される。
【0019】
行動にともなうコストはさまざまである。たとえば、レースにエントリーするコスト(エントリー費用)はレースごとに異なる。飼葉(飼葉代)は低額から高額まで揃え、レースのエントリー費用と比較して、額の幅が大きくなるように設定することが好ましい。また、騎手に騎乗依頼する際のコストは、騎手ごとに異なる。特に有名騎手に騎乗依頼するためのコストは無名騎手より大きく設定されてもよい。
【0020】
メダルは、時間回復およびポイント増加により増える。特に、メダルが時間回復により増えることで、基本的に無料でゲームプレイできるいわゆる「フリートゥプレイ」を実現できる。たとえば、1分経過するごとにメダルを1増加するで、一度メダルを消費し尽くしたプレイヤであっても、時間をかければ、無料でゲームを継続できる。また、ゲームポイントは金銭等価物との交換により取得可能であり、ゲームポイントの消費の代償としてメダルを取得可能である。ただし、メダルからゲームポイントへの交換はできない。
【0021】
時間回復の時間単位は分単位である必要はなく、1日経過するごとに所定の量のメダルが毎日増加するとしてもよい。時間経過による増加条件に加えてゲーム上の他の条件(たとえば、クエストの実行やゲームへのログインの有無)の成立によってメダルの量を増加させてもよい。ただし、いずれの場合であっても、時間回復によっては後述の上限値T1までしか増加しない。
【0022】
本実施形態におけるメダルは、更に、ゲームGにおいてあらかじめ定義されるイベント条件が成立したときにも増加する。イベント条件は、たとえば、保有する競走馬がレースに勝つ、レース馬券を的中させる、仔馬を売却する、などゲーム内に設定されるさまざまなミッションをクリアしたときに成立する条件であればよい。ゲームGの管理者がキャンペーン期間を設定して、サービスとしてメダルを付与することは本実施形態におけるイベント条件の成立とはみなさない。以下、イベント条件の成立を契機とするメダルの増加のことを「イベント増加」とよぶ。
【0023】
メダル数が多ければより高額の飼葉で競争馬の育成できるため、競走馬の育成がはかどり、レースに勝てる可能性も高くなる。レースに勝てば、メダル数をいっそう増やすことができる。メダル数は、プレイヤの行動自由度を規定するだけではなく、ゲームの進めやすさにも影響する重要なパラメータである。
【0024】
図3は、ゲームシステム100の機能ブロック図である。
上述のように、ゲームシステム100は、ゲームサーバ102およびゲーム端末104を含む。ゲーム端末104およびゲームサーバ102の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
ゲームサーバ102は、ウェブサーバを含む構成であってもよいし、ゲーム端末104は、携帯型の通信端末と、これにインストールされたウェブブラウザを含む構成であってもよい。
【0025】
(ゲームサーバ102)
ゲームサーバ102は、通信部108、データ処理部110およびデータ格納部112を含む。
通信部108は、インターネット106を介してゲーム端末104との通信処理を担当する。データ格納部112は各種データを格納する。データ処理部110は、通信部108により取得されたデータおよびデータ格納部112に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部110は、通信部108およびデータ格納部112のインタフェースとしても機能する。データ格納部112は、ゲームプログラムのほか、各プレイヤのプレイ状態情報を格納する。プレイ状態情報は、プレイヤのレベル、保有する競争馬やアイテム、メダル数(実行許容値)など、プレイヤごとのゲームの進捗状況を示す。データ格納部112は、行動コストやイベントにともなうメダル数の増加量等を定義するデータも格納する。
【0026】
データ処理部110は、プレイヤ登録部126、ゲーム制御部114および実行許容値制御部136を含む。
プレイヤ登録部126は、ゲーム端末104から通信部108を介してプレイヤ登録を受け付ける。プレイヤ登録部126は、プレイヤ登録がリクエストされると、プレイヤにプレイヤIDを付与し、データ格納部112に登録する。ゲームGのゲームモジュールをゲーム端末104にインストールするときプレイヤ登録が自動的にリクエストされる。
【0027】
ゲーム制御部114は、各ゲーム端末104におけるゲームの進行を管理する。
実行許容値制御部136は、メダル(実行許容値)の数を管理する。実行許容値制御部136は、消費処理部140、回復処理部142、交換処理部144およびイベント処理部146を含む。
消費処理部140は、行動選択がなされるごとにメダル数を減少させる。行動とその行動にともなう減算値(行動コスト)は、あらかじめデータ格納部112に行動コストデータテーブル(図示せず)に定義されている。回復処理部142は、「時間回復」を実行する。交換処理部144は、「ポイント増加」を実行する。イベント処理部146は、「イベント増加」を実行する。
【0028】
(ゲーム端末104)
ゲーム端末104は、ユーザインタフェース部118、通信部116、データ処理部120およびデータ格納部122を含む。
ユーザインタフェース部118は、タッチパネルを介してプレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。通信部116は、インターネット106を介してゲームサーバ102や他のゲーム端末104との通信処理を担当する。データ格納部122は各種データを格納する。データ処理部120は、ユーザインタフェース部118や通信部116により取得されたデータ、データ格納部122に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部120は、ユーザインタフェース部118、通信部116およびデータ格納部122のインタフェースとしても機能する。
【0029】
データ処理部120は、ゲーム実行部132を含む。
ゲーム実行部132は、ゲームサーバ102と連携してゲームの進行を制御する。ゲーム端末104のゲーム実行部132は、ゲームサーバ102からゲーム制御部114の機能の一部としてダウンロードされるソフトウェアモジュールとして形成されてもよい。
通信部116は、ゲームサーバ102から各種ゲーム情報を取得し、データ処理部120はユーザインタフェース部118にゲーム画面を表示させる。また、ユーザインタフェース部118はユーザによる各種入力を検出し、データ処理部120は入力情報をゲームサーバ102に通信部116を介して通知する。この入力情報に応じて、ゲームサーバ102のゲーム制御部114はゲーム端末104のゲーム実行部132と連携してゲームの進行を制御する。
【0030】
ユーザインタフェース部118は、プレイヤからの入力を受け付ける入力部124と、プレイヤに対して画像や音声等の各種情報を出力する出力部134を含む。入力部124は、主として、画面に対するプレイヤのタッチ操作を入力として検出する。
【0031】
入力部124は、行動選択部128を含む。行動選択部128は、ゲーム画面150において、プレイヤからの行動選択を受け付ける。選択された行動は通信部116により消費処理部140に通知され、消費処理部140は行動コストをメダル数から減算する。
【0032】
図4は、イベントボーナス情報130のデータ構造図である。
イベントボーナス情報130は、ゲームサーバ102のデータ格納部112に格納される。メダル数はイベント条件の成立によって増加するが、イベントごとにメダルの増加量は異なる。
図4に示すイベント条件E1が成立したときには、メダル数は20増加する。一方、イベント条件E2が成立したときには、メダル数は400増加する。イベントE2は、あるレースで保有馬が優勝したときに成立する。イベント条件E1は、同レースで保有馬が入賞したときに成立する。このほかにも、仔馬が生まれたとき、レースを完走したとき、などゲーム性に関わるさまざまな達成条件がイベント条件として定義される。
イベント条件とその増加量の定義は任意であるが、本実施形態においては、成立しにくいイベント条件ほど、大きな増加量が対応づけられる。
【0033】
図5は、メダルの時間回復を説明するための模式図である。
メダル数は、メダル表示領域154に表示される。上限値T2は、時間回復の上限値(第2の上限値)である。上限値T2よりも大きな上限値T1は、ポイント増加の上限値である(第1の上限値)。上限値T1よりも更に大きな値として、基準値B1,B2が設定される(第1の基準値と第2の基準値)。メダル数が基準値B1,B2を超過すると、さまざまな特典が付与される(後述)。
【0034】
回復処理部142は、1分に1枚のペースにて、メダル数を自然増加させる。時間回復のペースはレベルによらず一定である。メダル数が上限値T2に到達すると、それ以上は時間回復しない。
図5では、メダル数はm1であるため、「T2−m1」分の時間回復が可能である。
【0035】
図6は、メダルのポイント増加を説明するための模式図である。
上限値T1は、ポイント増加の限界値である。プレイヤがゲームポイントとの交換を選択すると、交換処理部144は投入されたゲームポイントに対応するだけメダル数を増加させる。ゲームポイントとメダルの交換比率はゲーム設計者が任意に設定すればよい。交換処理部144は、メダル数が上限値T1に達するまでメダルをポイント増加させることができる。
図6ではメダル数をm1からT1までポイント増加させている。「T1−m1」に対応する量のゲームポイントをメダルと交換している。
【0036】
ゲームポイントは、金銭等価物であってもよいし、アイテムなどの他の有価値物であってもよい。ポイント増加を実行すれば、時間回復に比べてメダル数を大きくかつ即時的に増加させることができる。時間回復だけでは、行動コストが上限値T2以上となる行動を選択できない。大きな行動コストをともなう行動を選択するときには、メダルをポイント増加させる必要がある。
【0037】
メダル数が上限値T2以上のときには時間回復の効果がなくなってしまう。このため、メダル数が上限値T2を超えたときには、プレイヤはメダル数を上限値T2以下に減らすべく積極的に行動選択すると考えられる。
【0038】
なお、交換処理部144は、ポイント増加が実行されたときに時間回復の上限値T2も増加させる。ポイント増加を実行することで時間回復の範囲を拡大させることもできるため、ゲームポイントの消費をいっそう促すことができる。ポイント増加が実行されたとき、更に、上限値T1も増加させてもよい。交換処理部144は、レベルアップにともなって上限値T1および上限値T2の双方または一方を増加させてもよい。積極的な行動選択はレベルアップに寄与し、レベルアップが上限値T1,T2の増加につながるとすれば、プレイヤの積極的な行動選択を促す上でも有効である。
【0039】
図7は、メダルのイベント増加を説明するための模式図である。
ゲームGにおいては、イベント増加には上限値を設定していない。イベント増加により、上限値T1,T2に規制させることなくメダル数を増やすことができる。いいかえれば、イベント増加でなければ上限値T1以上にメダル数を増やすことはできない。
【0040】
メダル数がm1であるとき、「m2−m1」を増加量とするイベント条件が成立すると、メダル数はm1からm2に増加する(B2>m2>B1>T1)。メダル数が基準値B1を超過すると、ゲーム制御部114は、プレイヤに後述する特典A(第1の特典)を与える。特典Aを取得するためには、イベント増加により上限値T1を超過させなければならない。増加量の大きなイベント条件を成立させてもよいし、ポイント増加によりメダル数を上限値T2付近まで増加させたあとに増加量の小さなイベント条件を成立させてもよい。
【0041】
メダル数がm2のとき、更に、別のイベント条件が成立するとメダル数をいっそう増加させることもできる。メダル数が基準値B2を超えると、ゲーム制御部114は、後述の特典Bをプレイヤに付与する。
【0042】
図8は、イベント発生時の処理過程を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、レースに勝つ、レース馬券を当てるなど、さまざまなイベント条件が成立したときに実行される。イベント処理部146は、まず、成立したイベント条件に対応する増加量を、イベントボーナス情報130を参照して特定し、メダル数に加算する(S10)。
【0043】
メダル数が基準値B1以上であり(S12のY)、かつ、基準値B2以上でもあるときには(S14のY)、ゲーム制御部114はプレイヤに特典Bを付与する(S16)。特典Bは、たとえば、メダル数の増加であってもよいし、経験値の付与であってもよい。アイテムや競走馬の付与であってもよいし、一時的にレース馬券が当たりやすくなるなどのプレイヤに有利となるような設定がなされてもよい。いずれにしても、ゲームの進行をプレイヤの有利に変化させる設定の変更であればよい。
【0044】
メダル数が基準値B1以上であり(S12のY)、かつ、基準値B2未満のときには(S14のN)、ゲーム制御部114はプレイヤに特典Aを付与する(S18)。特典Aも特典Bと同様、ゲームの進行をプレイヤの有利に変化させるものであればよい。特典Aと特典Bは異なる特典である。特典Aよりも特典Bの方がより有利なものに設定することが好ましい。
【0045】
メダル数が基準値B1未満のときには(S12のN)、以降の処理はスキップされ、特典の付与はなされない。
【0046】
図9は、抽選処理のフローチャートである。
ゲーム制御部114は、1日に2回、プレイヤに抽選機会を与える。抽選の当選確率は、メダル数が多いほど高くなる。本実施形態においては、メダル数が閾値∪1未満のときには当選確率は1%、閾値U1以上、閾値∪2未満であれば当選確率は10%、閾値∪2以上、基準値∪3未満であれば当選確率は50%となる。
【0047】
抽選も行動の一種である。行動選択部128がプレイヤの抽選実行指示を検出したとき、ゲーム制御部114はメダル数に基づいて抽選の確率を設定する(S10)。確率設定後、ゲーム制御部114は抽選を実行する(S12)。外れの場合には(S14のN)、S18に処理はスキップする。当たりの場合には(S14のY)、ゲーム制御部114はゲームの設定をプレイヤに有利に変更する(S16)。具体的には、経験値を溜まりやすくする、アイテムや馬(キャラクタ)を付与する、メダル数を増加させる、上限値T1、T2を大きくする、などが考えられる。本実施形態においては、ゲーム制御部114は、抽選に当選したときには、行動にともなって得られる経験値を、制限時間を区切って増加させる。一時的に経験値が溜まりやすくなるため、プレイヤは、抽選に当選したときには積極的に行動選択することでレベルアップをしやすくなる。抽選後、ゲーム制御部114はタイマーを設定する(S18)。このタイマーは12時間に設定され、12時間を経過すると次回の抽選が可能となる。
【0048】
ゲームGにおいては、プレイヤは、抽選を有利にするためにはメダルを貯める必要がある。典型的には、まず、ゲームポイントを使ってメダル数をポイント増加させる。メダル数増加によって確率設定を有利にした上で抽選を実行する。抽選に当たると経験値を蓄積させやすくなるので、プレイヤは積極的に保有馬をレースにエントリーさせるなどして経験値を稼ぐ。レースで勝利するとメダル数が更に増加する。メダル数が増加すると次回の抽選も有利となる。このようにポイント増加を実行することにより、ゲームGが好循環に入ることがあるため、プレイヤのゲームポイント消費を促しやすくなるというメリットもある。
【0049】
以上、実施形態に基づいてゲームシステム100を説明した。
本実施形態によれば、ゲームGのプレイ結果がメダル数(実行許容値)に反映されるゲーム性を実現できる。ゲームGにおいて、イベント条件が成立するとプレイヤの行動自由度が高くなり、行動自由度が高くなることはプレイヤの積極的な行動を促し、プレイヤが積極的に行動するほど更にイベント条件が成立しやすくなる。
【0050】
また、メダル数が少なくなったときにも、従来と同様に時間回復やポイント増加などの手段を提供することで、プレイヤの行動自由度が過度に制約されないように配慮している。イベント増加により、実行許容値の増え方に特有の興趣をもたせ、ゲームGにおけるイベント条件の成否に対するプレイヤの興味をいっそう喚起できる。
【0051】
本実施形態においては、イベント増加により、金銭等価物を使用せずともたくさんのメダルを手に入れる機会を提供できる。このため、従来の「スタミナ」の概念では金銭等価物の使用無しでは挑戦できなかったメダルの消費量の多いゲーム行動を設定しても、いわゆる無課金プレイヤと課金プレイヤとの間の不公平が生じないゲームを提供できる。
【0052】
たとえば、イベント増加によってたくさんのメダルを手に入れたときには、それほどレベルが高くないときでも高額な飼葉を使用したり、名騎手に騎乗依頼を出すことができる。イベント条件の成立により突発的にメダル数が増えると、一時的に行動自由度が大きく拡大される。イベント成立に対する期待感を喚起することにより、ゲーム継続意欲をいっそう高めやすくなる。
【0053】
メダル数が少なくなると時間回復の利益が得られ、メダル数が多くなると行動自由度が大きくなる。メダル数が多いときには時間回復の利益を享受するために、プレイヤはメダル数を上限値T2以下に減らそうとすると考えられる。これにより、プレイヤの積極的な行動選択を促しやすくなる。抽選の確率設定はメダル数が多くなるほど有利となる。メダル数を増やすことにも消費することもプレイヤの利益につながるため、メダル数のコントロールにともなう特有の遊技性を実現できる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0055】
複数のゲーム端末104と1つのゲームサーバ102によりゲームシステム100が構成されるとして説明したが、ゲーム端末104の機能の一部はゲームサーバ102により実現されてもよいし、ゲームサーバ102の機能の一部がゲーム端末104に割り当てられてもよい。また、ゲームサーバ102やゲーム端末104以外の第3の装置が、機能の一部を担ってもよい。
図3において説明したゲーム端末104の各機能とゲームサーバ102の各機能の集合体は大局的には1つの「情報処理装置」として把握することも可能である。1つまたは複数のハードウェアに対して、本発明を実現するために必要な複数の機能をどのように配分するかは、各ハードウェアの処理能力やゲームシステム100に求められる仕様等に鑑みて決定されればよい。
【0056】
イベントに応じたメダル数の増加量は、固定でなくてもよい。たとえば、レース馬券を購入するときには、当たり馬券のオッズに応じてメダル数の増加量が変化してもよい。この場合には、当選確率に対応するオッズが設定された抽選条件が設定され、「プレイヤがベットしたメダル数にオッズを乗じたメダル数」から「プレイヤがベットしたメダル数」を減算した値がメダルの増加量となる。
図9に示した抽選に当選したときには、イベントにともなうメダル数の増加量を一時的に大きくしてもよい。
【0057】
経験値は、行動選択にともなって増加してもよいし、イベント条件の成立時に増加してもよい。大きなレースにエントリーすることで経験値が増加するとしてもよい。ゲーム内におけるどのような行動やイベント条件に基づいて経験値をどのように増加させるかは、ゲーム設計者が任意に設定可能である。
【0058】
本実施形態におけるゲームGは、時間回復、ポイント増加およびイベント増加の3種類の方法にてメダル数(実行許容値)を増加させることができる。変形例として、時間回復とイベント増加のみ、ポイント増加とイベント増加のみを有するゲームも考えられる。また、イベント増加でしかメダル数が増加しない態様を想定可能である。
【0059】
本実施形態においては、育成シミュレーションとしてのゲームGを対象として説明したが、シミュレーションゲームに限らず、スポーツゲームやロールプレイングゲーム、アクションゲームなど他のタイプのゲームにも同様に応用可能である。
【0060】
プレイヤごとに上限値T1,T2の値を同一に維持する必要はない。本実施形態においては、ゲームの進捗に応じて、上限値T1,T2を増加させてもよい。たとえば、レベルアップにともなってこれらの上限値を増加させてもよい。また、ポイント増加を実行するごとに、いいかえれば、累積課金額に応じて上限値を増加させてもよい。上限値T1,T2が増加すれば、メダル数(実行許容値)を高水準に維持しやすくなるため、
図9に示した抽選の当選確率を高確率に維持しやすくなる。