(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6452007
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】荷降ろし補助具、ブレーキ用補助具
(51)【国際特許分類】
E04G 5/00 20060101AFI20190107BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20190107BHJP
B66D 3/04 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
E04G5/00
E04G21/16
B66D3/04 Z
【請求項の数】5
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2017-154788(P2017-154788)
(22)【出願日】2017年8月9日
【審査請求日】2018年2月1日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516061768
【氏名又は名称】株式会社古屋興産
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】古屋 謙
【審査官】
前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−234024(JP,A)
【文献】
実公昭40−012505(JP,Y1)
【文献】
実開昭59−019858(JP,U)
【文献】
特開2007−145509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00
E04G 21/16
B66D 5/00−5/34
B66D 3/00−3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷降ろしを行なう足場の構造物に着脱自在に装着可能なブラケットと、
ブラケットの前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
ブラケットの基部寄りに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにし、
更に、
ブラケットの滑車取り付け部またはシーブの前側にガイドロープ取り付け部を設け、
ガイドロープ取り付け部に上部側を取り付けたガイドロープを地上近くまで垂らし、斜め前下方向に張った状態で下部側を地上近くに固定し、
ガイドロープに、荷降ろしロープの荷側端部または荷降ろしロープの荷側端部と荷降ろし対象部材の間に介装された玉掛けロープまたは荷降ろし対象部材に支持させた掛装具を摺動自在に掛装し、荷降ろし中の荷降ろし対象部材がガイドロープ寄りに引っ張られるようにしたこと、
を特徴とする荷降ろし補助具。
【請求項2】
仮設足場の最上段の建枠部材の内、前側縦枠の上端に嵌合した連結ピンに上方から嵌脱自在に嵌着可能な基部部材と、
基部部材の上部から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
基部部材の上部から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
基部部材またはアーム部の基部部材近くに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにし、
更に、
アーム部の滑車取り付け部またはシーブの前側にガイドロープ取り付け部を設け、
ガイドロープ取り付け部に上部側を取り付けたガイドロープを地上近くまで垂らし、斜め前下方向に張った状態で下部側を地上近くに固定し、
ガイドロープに、荷降ろしロープの荷側端部または荷降ろしロープの荷側端部と荷降ろし対象部材の間に介装された玉掛けロープまたは荷降ろし対象部材に支持させた掛装具を摺動自在に掛装し、荷降ろし中の荷降ろし対象部材がガイドロープ寄りに引っ張られるようにしたこと、
を特徴とする荷降ろし補助具。
【請求項3】
荷降ろしを行なう足場の構造物に着脱自在に装着可能なブラケットと、
ブラケットの前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
ブラケットの基部寄りに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにし、
更に、胴部の表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設したこと、
を特徴とする荷降ろし補助具。
【請求項4】
仮設足場の最上段の建枠部材の内、前側縦枠の上端に嵌合した連結ピンに上方から嵌脱自在に嵌着可能な基部部材と、
基部部材の上部から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
基部部材の上部から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
基部部材またはアーム部の基部部材近くに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出しており、
更に、胴部の表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設したこと、
を特徴とする荷降ろし補助具。
【請求項5】
荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブが前部に設けられて荷降ろしを行なう足場の構造物に着脱自在に装着可能なブラケットに対して、
ブラケットの基部寄りに着脱自在に装着可能なブレーキ用補助具であって、
このブレーキ用補助具は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の胴部を含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するとともに、荷降ろしロープから回転力を受けても回転不能とし、
更に、胴部の表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設したこと、
を特徴とするブレーキ用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は荷降ろし補助具、ブレーキ用補助
具に係り、とくにマンション、ビル等の建築物の新築・改修工事現場等の仮設足場に設置して足場部材、建築用工事資材、建築物の解体部材等の荷降ろしをするのに好適な荷降ろし補助具、ブレーキ用補助
具に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション、ビル等の新築・改修工事現場等で工事後の仮設足場は、最上段から順次、足場部材を外して地上に降ろして解体することで撤去される。ビティ式仮設足場の場合、
図1に示す如く、ビティ式仮設足場1の最上部のステージに建枠部材2を1つ立脚した状態で、作業員Aが荷降ろしロープ3を建枠部材2の上部の横枠4に二つ折りにして掛ける。荷降ろしロープ3の一端の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を掛け、横枠4に掛かった荷降ろしロープ3の両側の下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手で支持しながら建枠部材6を投下する。縦枠部材6が地上に近づいた所で、下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bを両手でまとめて強く握り、摩擦ブレーキを掛けてスピードを落とし、ゆっくり地上に降ろす。地上の作業員Bは荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bを引き下げて元に戻し、同様の作業を繰り返して他の建枠部材や足場ステージを解体していく。クサビ緊結式足場など、他の種類の仮設足場も同様の作業で解体するようにしている。
【0003】
ところで、一回に荷降ろしする足場部材は、複数個の建枠部材や、複数個の足場ステージなどで40kg程度の重量があり、作業員Aがブレーキを掛ける際、下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bを両手でかなり強く握り締める必要があり、摩擦熱で火傷する恐れがあるため、作業者の身体的な負担が大きく作業の円滑な進行の妨げとなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、作業者の身体的な負担を減らし、作業性を向上することのできる荷降ろし補助具、ブレーキ用補助
具を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、
荷降ろしを行なう足場の構造物に着脱自在に装着可能なブラケットと、
ブラケットの前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
ブラケットの基部寄りに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出
するようにし、
更に、
ブラケットの滑車取り付け部またはシーブの前側にガイドロープ取り付け部を設け、
ガイドロープ取り付け部に上部側を取り付けたガイドロープを地上近くまで垂らし、斜め前下方向に張った状態で下部側を地上近くに固定し、
ガイドロープに、荷降ろしロープの荷側端部または荷降ろしロープの荷側端部と荷降ろし対象部材の間に介装された玉掛けロープまたは荷降ろし対象部材に支持させた掛装具を摺動自在に掛装し、荷降ろし中の荷降ろし対象部材がガイドロープ寄りに引っ張られるようにしたこと、
を特徴としている
。
請求項
2記載の発明では、
仮設足場の最上段の建枠部材の内、前側縦枠の上端に嵌合した連結ピンに上方から嵌脱自在に嵌着可能な基部部材と、
基部部材の上部から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
基部部材の上部から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
基部部材またはアーム部の基部部材近くに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出
するようにし、
更に、
ア
ーム部の滑車取り付け部またはシーブの前側にガイドロープ取り付け部を設け、
ガイドロープ取り付け部に上部側を取り付けたガイドロープを地上近くまで垂らし、斜め前下方向に張った状態で下部側を地上近くに固定し、
ガイドロープに、荷降ろしロープの荷側端部または荷降ろしロープの荷側端部と荷降ろし対象部材の間に介装された玉掛けロープまたは荷降ろし対象部材に支持させた掛装具を摺動自在に掛装し、荷降ろし中の荷降ろし対象部材がガイドロープ寄りに引っ張られるようにしたこと、
を特徴としている。
請求項
3記載の発明では、
荷降ろしを行なう足場の構造物に着脱自在に装着可能なブラケットと、
ブラケットの前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
ブラケットの基部寄りに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するようにし、
更に、胴部の表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設したこと、
を特徴としている。
請求項4記載の発明では、
仮設足場の最上段の建枠部材の内、前側縦枠の上端に嵌合した連結ピンに上方から嵌脱自在に嵌着可能な基部部材と、
基部部材の上部から前方に延設されたアーム部と、
アーム部の前部に設けられて、荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブと、
基部部材の上部から後方に延設されて仮設足場の最上段の建枠部材の横枠または後側縦枠に着脱自在に装着可能な後方延設部と、
基部部材またはアーム部の基部部材近くに固着して装着されるかまたは着脱自在に装着されたブレーキ部と、
を備え、
ブレーキ部は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の固定の胴部と、
胴部の端部に設けられて荷降ろしロープが胴部から外れるのを阻止するストッパを含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出しており、
更に、胴部の表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設したこと、
を特徴としている。
請求項
5記載の発明では、
荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられる滑車を懸吊する滑車取り付け部、または荷降ろし対象部材を吊るす荷降ろしロープが巻き掛けられるシーブが前部に設けられて荷降ろしを行なう足場の構造物に着脱自在に装着可能なブラケットに対して、
ブラケットの基部寄りに着脱自在に装着可能なブレーキ用補助具であって、
このブレーキ用補助具は、滑車取り付け部に懸吊した滑車またはシーブに巻き掛けられる荷降ろしロープの内、荷降ろし対象部材が吊るされる下降側とは反対の上昇側が巻き掛けられる摩擦発生用の胴部を含み、
胴部は、荷降ろしロープを巻き掛ける外面が外部に露出するとともに、荷降ろしロープから回転力を受けても回転不能と
し、
胴部の表面の全部または一部に摩擦用ロープを付設したこと、
を特徴としている
。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、荷降ろしロープをブラケット(またはアーム部)前部の滑車(またはシーブ)とブレーキ部の胴部に巻き掛け、滑車(まはシーブ)から垂れ下がった荷降ろしロープに荷降ろし対象部材を吊るして地上に向け落下させたあと、荷降ろし対象部材の降下速度が上がると、遠心力で荷降ろしロープが胴部の外側に膨らんで胴部から離れるか、軽く接触するだけであり、円滑に落下する。荷降ろし対象部材が地上に近づいたときなど、荷降ろし対象部材の降下途中で、胴部から垂れ下がった荷降ろしロープの上昇移動を皮手袋をした手で拘束すると荷降ろしロープが胴部の表面に対し大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープを強く握らなくても荷降ろし対象部材をゆっくり地上に降ろすことができる。従って、皮手袋をした手と上昇側ロープとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業者の身体的な負担が軽減する。また、胴部の両端にストッパを設けたので、胴部に巻き掛けた荷降ろしロープが外れないようにすることができる
。また
、荷降ろし中の荷降ろし対象部材がガイドロープにより前方に引っ張られるようにしたので、荷降ろし対象部材が荷ろしを行う構造物と衝突する恐れが少なくなる。
また、他の発明によれば、胴部の表面の全部または一部に摩擦
用ロープを付設したことにより、ブレーキを掛けるときの摩擦力をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】従来のビティ式仮設足場の解体方法を示す説明図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る荷降ろし補助具の使用方法を示す斜視図である(実施例1)。
【
図3】
図2中の荷降ろし補助具の外観斜視図である。
【
図4】
図3中の抜け止め金具と抜け止め金具取り付け部の関係を示す組み立て図である。
【
図5】
図5は建枠部材の上下連結方法の説明図である。
【
図6】
図6は荷降ろし補助具が建枠部材に及ぼすモーメントの説明図である。
【
図7】
図7は
図2中の抜け止め金具の使用状態を示す斜視図である。
【
図8】
図2の荷降ろし補助具の使用方法の説明図である。
【
図9】
図2の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図10】
図2の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図11】
図2の第1実施例の変形例に係る荷降ろし補助具の使用方法を示す斜視図である。
【
図12】
図11の荷降ろし補助具の一部省略した拡大斜視図である。
【
図13】
図2の第1実施例の他の変形例に係る荷降ろし補助具の一部省略した斜視図である。
【
図14】
図13の荷降ろし補助具のブレーキ部に巻く摩擦用ロープの例を示す一部省略した斜視図である。
【
図15】
図13の荷降ろし補助具の変形例を示す一部省略した斜視図である。
【
図16】本発明の第2実施例に係る荷降ろし補助具の使用方法を示す斜視図である(実施例2)。
【
図21】
図16の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図22】
図16の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図23】
図16の第1実施例の変形例に係る荷降ろし補助具の使用方法を示す斜視図である。
【
図24】
図23の荷降ろし補助具の一部省略した拡大斜視図である。
【
図25】
図17中のブレーキ部の変形例を示す一部省略した斜視図である。
【
図26】
図17中のブレーキ部の他の変形例を示す一部省略した斜視図である。
【
図28】
図26のブレーキ部の変形例を示す一部省略した斜視図である。
【
図29】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図31】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図32】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図33】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図34】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図35】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図36】
図35の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図37】
図16の荷降ろし補助具の他の変形例を示す斜視図である。
【
図38】本発明の第3実施例に係る荷降ろし補助具の使用方法を示す斜視図である(実施例3)。
【
図43】
図38の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図44】
図38の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図45】
図38の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図46】
図38の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図47】
図38の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図48】
図38の荷降ろし補助具の付け替え方法の説明図である。
【
図49】
図38の第3実施例の変形例に係る荷降ろし補助具を示す外観斜視図である。
【
図50】本発明の他の変形例に係る荷降ろし補助具の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0009】
図2乃至
図7を参照して本発明の第1実施例を説明する。
図2は本発明に係る荷降ろし方法を具現した荷降ろし補助具の使用状態を示す斜視図、
図3は
図2中の荷降ろし補助具の外観斜視図、
図4は
図3中の抜け止め金具と抜け止め金具取り付け部の関係を示す組み立て図、
図5は建枠部材の上下連結方法の説明図、
図6は荷降ろし補助具が建枠部材に及ぼすモーメントの説明図、
図7は
図2中の抜け止め金具の使用状態を示す斜視図である。これらの図において、
図1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図2において、1は解体途中のビティ式仮設足場であり、最上部のステージに建枠部材2が一脚立設されており、この建枠部材2の前側の縦枠8の上部に全体が鋼製の荷降ろし補助具40が着脱自在に装着されている。最上部のステージに載った作業員Aは荷降ろし補助具40に懸吊した滑車(この実施例では、フック首廻し式の滑車とする)90に荷降ろしロープ3を掛け、荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。荷降ろしロープ3は、麻ロープ、綿ロープなどの天然繊維系ロープ、ポリプロピレンロープ、ビニロンロープ(クレモナロープ)、ビニロンとポリエチレン、ビニロンとエステルなどの混撚ロープなどである。
【0010】
荷降ろし補助具40は、
図3(1)、(2)の外観斜視図に示す如く、縦方向に延びた角パイプからなる基部支柱41を有し、基部支柱41の背面側の上部及び下部に装着されたクランプ42及び左右一対の係合爪43、44により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。なお、係合爪43と44は上下に段差が有り、基部支柱41を斜めに傾けて係合爪43、44の間に縦枠8を挿入後、基部支柱41を上下真っ直ぐに立てることで縦枠8にワンタッチで係合可能となっている。基部支柱41の上端に固着された角パイプからなるアーム部45が前方斜め上方向きに延設されており(
図6参照)、このアーム部45の前端部にU字状の滑車取り付け部46が装着されている。滑車取り付け部46には滑車90を着脱自在に懸吊可能になっている。アーム部45の途中と基部支柱41の下端部の前面側との間には補強部材47が斜め方向に固着されている。補強部材47の上には荷降ろしロープ3の端の輪部5または7を掛けるフック48が固着されている。
【0011】
基部支柱41の上端部の前側(クランプ42とは反対側)には、巻き掛け式のブレーキ部49が装着されている。このブレーキ部49は荷降ろしロープ3を約3/4周または7/4周だけ巻きかけて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。ブレーキ部49の内、50
はブレーキドラムとしての鋼製で円筒状の胴部であり、一端に荷降ろし対象部材を吊持して滑車90に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側が巻き掛けられる。51と52は胴部50の両端に装着された円環状のストッパであり、荷降ろしロープ3が胴部50から外れないようにする。53と54は胴部50の軸方向の中央を基部支柱41に固着する固着プレートである。胴部50は軸が左右水平に配設されている。
【0012】
胴部50は背面側の中央部分が固着プレート53、54に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部50の外側からの胴部5
0への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行えるようになっている。また、胴部50は固着プレート53、54により回転不能に固定されているので、胴部50の外周面に荷降ろしロープ3を接触させると摩擦力が発生し、移動中の荷降ろしロープ3にブレーキが掛かる。なお、荷降ろしロープ3が胴部50に接触する接触長さが長くなったり、胴部50に接触した荷降ろしロープ3が胴部50を押圧する力が大きくなると摩擦力が大きくなり、接触長さが短くなったり、押圧力が小さくなると摩擦力が小さくなる。
基部支柱41の上端部には後方に向けて旋回阻止部としてのフック55が固着されている。フック55は後端部が下向きU字状に湾曲されており、建枠部材2の上部の横枠4に嵌合させることで荷降ろし補助具40が左右に旋回しようとしても、フック55が横枠4に当接して旋回を阻止する。
【0013】
アーム部45の上面には、円筒状の抜け止め金具取り付け部56が固着プレート57、58によりアーム部45の上面との間に口を空けて装着されており、この抜け止め金具取り付け部56に抜け止め金具59が着脱自在に取り付けられている。抜け止め金具59はフック60とフック60の基端側に装着されたクランプ61からなり、クランプ61により抜け止め金具取り付け部56に着脱自在に取り付けられている(
図4参照)。抜け止め金具59は、荷降ろし補助具40を設置した建枠部材2の後ろ側の縦枠9が荷降ろし中に荷重モーメントにより上方に抜けるのを防止するためのものである。すなわち、
図5に示す如く、建枠部材2は縦枠8、9の下端部を下側の建枠部材10の縦枠11、12の上端部に着脱自在に嵌合した一対の連結ピン13、14に着脱自在に嵌合することで立設させるようになっている。連結ピン13、14の内部の上下にはバネにより側方へ突出するように付勢された係合突起15と16、17と18が備えられており、縦枠8と11、9と12に穿設された係合孔19と20、21と22に係合突起15と16、17と18が嵌ることで抜け止めされるようになっている。
【0014】
けれども、永年の使用で係合突起15乃至18が折損したり無くなっている場合があり、
図6に示すように、荷降ろし補助具40の前端部に下向きに掛かる荷重Fで建枠部材2の前側の縦枠8の下端を支点にして、縦枠9の下端に反時計方向のモーメントMが掛かると、連結ピン14から縦枠9が抜けてしまう恐れがある。この対策として、
図7に示す如く抜け止め金具59を抜け止め金具取り付け部56から外し、フック60を建枠部材10の横枠23の後端部に係合し、クランプ61により建枠部材2の後側の縦枠9の下部に着脱自在に締結することにより、上下の縦枠9、12を固定する。
【0015】
図2と
図8は上記した荷降ろし補助具40による荷降ろし方法の説明図、
図9と
図10は荷降ろし補助具40の付け替え方法の説明図であり、以下、これらの図を参照して上記した実施例の作用を説明する。
図2に示す如く、予めビティ式仮設足場1の最上部のステージに1つ立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端近くに荷降ろし補助具40が装着済みであるとする。具体的には、基部支柱41の背面下側の係合爪43、44を縦枠8に係合し、フック55を横枠4に嵌合したのち基部支柱41の背面上側に装着されたクランプ42により、縦枠8に着脱自在に締結してある。滑車取り付け部46には荷降ろし用の滑車90が懸吊してある。荷降ろし補助具40の抜け止め金具取り付け部56から抜け止め金具59が外されて、建枠部材2の後側で、一段下の建枠部材10の横枠23にフック60を嵌合するとともに、フック60の基端部に装着されたクランプ61により、建枠部材2の後側の縦枠9の下部に着脱自在に締結しある(
図7参照)。
【0016】
最上部のステージに配置した作業員Aは、荷降ろしロープ3を滑車90に掛けるとともに、荷降ろしロープ3の手元側(滑車90に巻き掛けられる荷降ろしロープ3の内、荷降ろし対象部材とは反対の上昇側)をブレーキ部
49の胴部5
0に約3/4周程度巻き掛けておく(
図8参照)。そして、滑車90から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を掛ける。この際、アーム部45が斜め上方に向いており、滑車90の位置が高くなっているので、輪部5に掛けた建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。
【0017】
ブレーキ部49から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。建枠部材6の降下速度が上がると、胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部50の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部
50の表面に殆ど接触しないか、胴部50の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車90がビティ仮設足場1の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場1の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部7が引っ掛かる恐れが少なくなる。また、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場1の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が良好となる。
【0018】
建枠部材6が地上に近づいたところで、胴部
50の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部49の固定の胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部50の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、荷降ろしロープ3の移動にブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
なお、ブレーキを掛ける際、荷降ろしロープ3の上昇移動を手で拘束する力を加減することで、胴部50に接触した荷降ろしロープ3が胴部50の表面を押圧する力を加減することができ、胴部50と荷降ろしロープ3の接触による摩擦力を加減してブレーキの効きを制御できる。
地上の作業員Bは荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げる。作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをブレーキ部49から外し、滑車90をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
【0019】
作業員Aが荷降ろし補助具40の設置場所をビティ式仮設足場1の一段下に付け替えたい場合、
図9に示すように、荷降ろしロープ3の一端側の輪部7をフック48に掛けて落ちないようにしておき、クランプ42を建枠部材2の縦枠8から外すとともに基部支柱41を少し上方へ移動してフック55を横枠4から外し、更に基部支柱41を斜めに傾けて前方へ動かしながら一対の係止爪43、44を縦枠8から外すことで、荷降ろし補助具40を建枠部材2から取り外す。そして、
図10に示すように、一段下の縦枠部材10に対し、基部支柱41の係止爪43、44を前側の縦枠11に係合し、フック55を建枠部材10の横枠23(
図7参照)に嵌合したのち基部支柱41に装着されたクランプ42により縦枠11に締結して付け替えれば良い。抜け止め金具59はクランプ61を建枠部材2の縦枠9から外すとともに下方へ少し移動してフック60を建枠部材10の横枠23(
図7参照)から外し、一段下の図示しない建枠部材の横枠にフック60を嵌合するとともに、クランプ61により、建枠部材10の縦枠12の下部に締結して付け替えれば良い。
あとは建枠部材10を残して、建枠部材2と作業員Aが前回配置したステージの足場ステージ24、25や他の建枠部材を外し、前回荷降ろししたステージの一段下のステージに置き、前述と同様にして、今回外した足場部材を地上に降ろす。
【0020】
この実施例によれば、ビティ式仮設足場1の最上部のステージに立脚した建枠部材2の内、前側の縦枠8の上端部に着脱自在に設置した荷降ろし補助具40を用いて足場部材を荷降ろしできる。具体的には、ビティ式仮設足場1の最上部のステージに配置した作業員Aは、荷降ろし補助具40の前端の滑車取り付け部46に懸吊した滑車90に荷降ろしロープ3を掛けるとともに、ブレーキ部49の胴部50にも約3/4周程度巻き掛ける。そして、滑車90から垂れ下がった下降側ロープ3aの一端側の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を掛ける。この際、アーム部45が斜め上方に向いており、滑車90の位置が高くなっているので、建枠部材6を容易に輪部5に掛けることができる。
次に、ブレーキ部49の胴部50から垂れ下がった上昇側ロープ3bを上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に投下する。建枠部材6の降下速度が上がると、胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描きながら移動するので胴部50の表面に殆ど接触しないか、胴部50の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。滑車90がビティ式仮設足場1の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場1の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部7が引っ掛かる恐れが少なくなる。また、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場1の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が良好となる。
【0021】
建枠部材6が地上に近づいたところで、胴部50の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束する。すると、ブレーキ部49の固定の胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部50の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
従って、作業者Aの身体的負担が軽減し、また皮手袋と上昇側ロープ3aとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
なお、ブレーキを掛ける際、荷降ろしロープ3の上昇移動を手で拘束する力を加減することで、胴部50に接触した荷降ろしロープ3が胴部50の表面を押圧する力を加減することができ、胴部50と荷降ろしロープ3の接触による摩擦力を加減してブレーキの効きを制御できる。
また、胴部
50は背面側の中央部分が固着プレート
53、
54に支持されることにより、荷降ろしロープ3を巻き掛ける左右の外周面が外部に露出しており、胴部
50の外側からの胴部
50への荷降ろしロープ3の巻き掛け、取り外しを自在に行える。
また、荷降ろし補助具40の建枠部材2への設置は、基部支柱41の係合爪43、44を前側の縦枠8に係合し、フック55を横枠4に嵌合したのち基部支柱41に装着されたクランプ42により縦枠8に締結するだけでよく、簡単な作業で済む。
また、基部支柱41の上端部に固着したフック55を横枠4に嵌合させることで、荷降ろし補助具40が左右に旋回しようとしても、フック55が横枠4に当接して旋回を阻止することができ、荷降ろし補助具40が不用意に旋回しないように、向きを簡単な構造で固定することができる。
また、抜け止め金具59により、建枠部材2の後ろ側の縦枠9の下部と、一段下の建枠部材10の横枠23の後端部との間を固定可能としたことにより、アーム部45の前端部に下向きの荷重が掛かっても、縦枠9が建枠部材10の縦枠12から抜ける恐れがなくなる。
【0022】
なお、上記した実施例では、アーム部は前方斜め上向きに延設した例を示したが、本発明は何らこれに限定されず、アーム部を前方へ水平に延設するようにしても良い。
また、上記した実施例では、基部支柱の背面側の下部に段差の有る一対の係合爪を固着した例を挙げたが、一対の係合爪を背面側の上部と同じクランプに置き換えても良い。
また、上記した実施例では、荷降ろし補助具をビティ式仮設足場の建枠部材に設置するタイプとした場合を説明したが、クサビ緊結式仮設足場の建地支柱に設置するタイプとしても良い。具体的には、
図11、
図12に示す荷降ろし補助具40Aの如く、
図3に示した第1実施例の荷降ろし補助具40の内、基部支柱41の背面上側のクランプ42に代えてクサビ部62を固着し、フック55と抜け止め金具取り付け部56及び抜け止め金具59を省略した構成とする。使用時は
図11に示す如く、クサビ緊結式仮設足場の最上部に立脚した建地支柱26に対し、基部支柱41の係合爪43、44を建地支柱26に係合したのち基部支柱41に固着されたクサビ部62を建地支柱26のポケット27にハンマで打ち込み、緊結するだけで旋回不能かつ着脱自在に装着でき、簡単な取り付け作業で済む。
【0023】
また、上記した実施例では、ブレーキ部の鋼製の胴部の表面と荷降ろしロープとの接触で生じる摩擦力でブレーキが掛かるようにしたが、胴部の表面の全部または一部に摩擦部材を設け、鋼製の胴部表面と比較してより大きな摩擦力が生じるようにしても良い。
具体的には、
図13(1)に示す荷降ろし補助具40Bの如く、ブレーキ部49Bの胴部50の両側に固着された円環状のストッパ51、52にロープ通し孔63、64を穿設するとともに、胴部50の内、ストッパ51と固着プレート53の中間、固着プレート54とストッパ52の中間にロープ通し孔65、66を穿設しておく。そして、
図13(2)に示す如く荷降ろしロープ3と同じ材質の摩擦部材としての摩擦用ロープ67を胴部50の表面全体に一重巻きし、両端をロープ通し孔63、64に通しストッパ51、52の外側で結び目68、69を作って解けないようにする。ブレーキを掛ける際、荷降ろしロープ3と摩擦用ロープ67との接触で大きな摩擦力を発生させることができる。
或いは、
図13(3)に示す如く、摩擦用ロープ70を胴部50のロープ通し孔65に通し、先端を胴部50の穴71から引き出して結び目(図示せず)を作り、ロープ通し孔65から外に出た部分を引っ張って結び目をロープ通し孔65の裏側に当て、胴部50の表面にストッパ51まで巻いてロープ通し孔63に通し、ストッパ51の外側に結び目72を作って解けないようにする。同様に、摩擦用ロープ73を胴部50のロープ通し孔66に通し、先端を胴部50の穴71から引き出して結び目(図示せず)を作り、ロープ通し孔66から外に出た部分を引っ張って結び目をロープ通し孔66の裏側に当て、胴部50の表面にストッパ52まで巻いてロープ通し孔64に通し、ストッパ52の外側に結び目74を作って解けないようにする。荷降ろし補助具40Bの準備作業で、荷降ろしロープ3をブレーキ部49Bに巻き掛ける際は、胴部50の表面の内、摩擦用ロープ70、73の巻かれてない部分を用いることで大きな摩擦抵抗を受けることなく、円滑に荷降ろしロープ3を配設することができる(
図14(1)参照)。一方、荷降ろし中にブレーキを掛ける際は、上昇側ロープ3bを手でずらして摩擦用ロープ70または73の巻かれた部分に当てることにより、大きな摩擦力を発生させることができる(
図14(2)参照)。
【0024】
なお、
図13(3)の場合、
図15(1)に示す荷降ろし補助具40Cの如く、ストッパ51C、52Cの内、前方から下方に掛けて切除部75、76を形成するとともに、切除部75、76以外のストッパ51C、52Cと胴部50の周表面との間に、摩擦用ロープ70の上下を覆うようにして傾斜ガイド77と78、摩擦用ロープ73の上下を覆うようにして傾斜ガイド79と80を装着したブレーキ部49Cとしても良い(
図15(2)参照)。傾斜ガイド77と78、79と80は、荷降ろしロープ3が仮に摩擦用ロープ70または73の上に巻かれようとしても、胴部50の中央寄りの表面に案内させるためのものである。荷降ろし補助具40Cの準備作業で、荷降ろしロープ3をブレーキ部49Cに巻き掛ける際、傾斜ガイド77と78、または79と80に案内されて胴部50の表面の内、摩擦用ロープ70、73の巻かれてない部分に容易に配設できる(
図15(2)参照)。一方、荷降ろし中にブレーキを掛ける際は、ブレーキ部49Cの下側の上昇側ロープ3bを手で切除部75または76から外側へ斜めにずらすことにより、確実に摩擦用ロープ70または73の巻かれた部分に当てることができる(
図15(3)参照)。
【実施例2】
【0025】
次に、
図16、
図17を参照して本発明の第2実施例を説明する。
図16は本発明に係る荷降ろし方法を具現した荷降ろし補助具の使用状態を示す斜視図、
図17は
図16中の荷降ろし補助具の外観斜視図である。これらの図において、
図2と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図16において、1は解体途中のビティ式仮設足場であり、最上部のステージに建枠部材2が一脚立設されており、この建枠部材2の前側の縦枠8の上部に全体が鋼製の荷降ろし補助具140が着脱自在に装着されている。最上部のステージに載った作業員Aは荷降ろし補助具140に懸吊した滑車(この実施例では、フック首廻し式の滑車とする)90に荷降ろしロープ3を掛け、荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。荷降ろしロープ3は、麻ロープ、綿ロープなどの天然繊維系ロープ、ポリプロピレンロープ、ビニロンロープ(クレモナロープ)、ビニロンとポリエチレン、ビニロンとエステルなどの混撚ロープなどである。
【0026】
荷降ろし補助具140は、
図17(1)、(2)の外観斜視図に示す如く、縦方向に延びた鋼製の角パイプからなる基部支柱41を有し、基部支柱41の背面側の上部及び下部に装着されたクランプ42及び係合爪143により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。基部支柱41の上端に固着された鋼製の角パイプからなるアーム部45が前方斜め上方向きに延設されており(
図18参照)、このアーム部45の前端部にU字状の滑車取り付け部46が装着されている。滑車取り付け部46には滑車90を着脱自在に懸吊可能になっている。アーム部45の下面の途中と基部支柱41の下端部の前面側との間には鋼製の補強部材47が斜め方向に固着されている。基部支柱41、クランプ42、係合爪143、アーム部45、補強部材47によりブラケットが形成されている。基部支柱41はブラケットの基部を成し、アーム部45の前端がブラケットの前端となる。
【0027】
基部支柱41の上端部の前側(クランプ42とは反対側)には、鋼製の巻き掛け式のブレーキ部49が装着されている。このブレーキ部49は荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。ブレーキ部49の内、50は荷降ろしロープ3が巻き掛けられるブレーキドラムとしての円筒状の胴部であり、中心軸が左右方向に水平に配設されている。51と52は胴部50の両端に装着された円環状のストッパであり、胴部50の外周表面に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が胴部50から外れないようにする。53と54は胴部50の軸方向の中央を基部支柱41の前面側の上端近くに固着する固着プレートである。胴部50は基部支柱41の背面側から見て左右両側に延設されており、作業員は胴部50の左側部分または右側部分に荷降ろしロープ3を巻き掛けることができる。
【0028】
基部支柱41の上端部には後方に向けて旋回阻止部としてのフック55が固着されている。フック55は後端部が下向きU字状に湾曲されており、建枠部材2の上部の横枠4に嵌合させることで荷降ろし補助具140を構成するブラケットが左右に旋回しようとしても、フック55が横枠4に当接して旋回を阻止する。
【0029】
基部支柱41の下部の左右両側面には、上下一対の上向き及び下向きのL字状のロープ掛け部(ロープ掛けフック)156と157、158と159が固着されている。上下一対のロープ掛け部156と157、または158と159は荷降ろしロープ3を8の字状などに巻き掛けて掛け止めることで、荷降ろしロープ3の移動を一時的に拘束するロープ掛け止め部としての機能を有する。ロープ掛け部156と157、または158と159へ荷降ろしロープ3を掛け止めることで、荷降ろしロープ3から両手を離しても荷降ろしロープ3が移動せず、荷降ろしの準備をする際、両手を使って荷降ろし対象の建枠部材6を荷降ろしロープ3の輪部5または輪部7へ掛けたり、輪部5または輪部7に掛けた荷降ろし対象の建枠部材6を足場ステージから前方へ投下したりする作業を行なえる。
【0030】
図16、
図18乃至
図20は上記した荷降ろし補助具140による荷降ろし方法の説明図、
図21と
図22は荷降ろし補助具40の付け替え方法の説明図であり、以下、これらの図を参照して上記した実施例の作用を説明する。
図16、
図18に示す如く、予めビティ
式仮設足場1の最上部のステージに1つ立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端近くに荷降ろし補助具140が装着済みであるとする。具体的には、基部支柱41の背面下側の係合爪143を縦枠8に係合し、フック55を横枠4に嵌合したのち基部支柱41の背面上側に装着されたクランプ42により、縦枠8に着脱自在に締結してある。滑車取り付け部46には荷降ろし用の滑車90が懸吊してある。
【0031】
最上部のステージに配置した作業員Aは両手に皮手袋を嵌めた状態で、荷降ろしロープ3を滑車90に掛けるとともに、荷降ろしロープ3の手元側をブレーキ部49の胴部50の外周表面に約1/4周乃至数周だけ巻き掛ける(胴部50への巻き掛け量は、吊り荷の重量、地上から滑車90までの距離などにより調節する)。更に、胴部50の下側の上昇側ロープ3bをロープ掛け部156と157(またはロープ掛け部158と159)に8の字状に巻き掛けて掛け止め、上昇移動を一時的に拘束しておく(
図19参照)。そして、最上部のステージにおいて、作業員Aは両手を使って滑車90から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を掛ける。そして、輪部5に掛けた荷降ろし対象の建枠部材6を足場ステージから前方へ投下する。この際、アーム部45が斜め上方に向いており、滑車90の位置が高くなっているので、輪部5に掛けた建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。荷降ろしロープ3の移動が拘束されているため投下された建枠部材6は荷降ろしロープ3を介して滑車90に吊支されてまだ降下はしない。
【0032】
次に、上昇側ロープ3bをロープ掛け部156と157(またはロープ掛け部158と159)から外し(
図20参照)、ブレーキ部49から垂れ下がった上昇側ロープ3bの上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に落下させる。建枠部材6の降下速度が上がると、胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部50の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部50の表面に殆ど接触しないか、胴部50の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車90がビティ式仮設足場1の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場1の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部7が引っ掛かる恐れが少なくなる。また、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場1の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が良好となる(
図16参照)。
【0033】
建枠部材6が地上に近づいたところで、作業員Aが上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部49の固定の胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部50の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。地上の作業員Bは荷降ろしロープ3から建枠部材6を外し、空きスペースに積み上げれば良い。
一回分の荷降ろし後、作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをブレーキ部49から外し、滑車90をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
【0034】
作業員Aが荷降ろし補助具140の設置場所をビティ式仮設足場1の一段下に付け替えたい場合、
図21に示すように、荷降ろしロープ3の一端側の輪部7(または輪部5)をロープ掛け部159に掛けて落ちないようにしておき、クランプ42を建枠部材2の縦枠8から外すとともに基部支柱41を少し上方へ移動してフック55を横枠4から外すことで、荷降ろし補助具140を建枠部材2から取り外す。そして、
図22に示すように、一段下の建枠部材10に対し、基部支柱41の係合爪143を前側の縦枠11に係合し、フック55を建枠部材10の横枠23に嵌合したのち基部支柱41に装着されたクランプ42により縦枠11に締結して付け替えれば良い。
あとは建枠部材10を残して、建枠部材2と作業員Aが前回配置したステージの足場ステージ24、25や他の建枠部材を外し、前回荷降ろししたステージの一段下のステージに置き、前述と同様にして、今回外した足場部材を地上に降ろす。
【0035】
この第2実施例によれば、ビティ式仮設足場1の最上部のステージに立脚した建枠部材2の内、前側の縦枠8の上端部に着脱自在に設置した荷降ろし補助具140を用いて足場部材を荷降ろしできる。具体的には、ビティ
式仮設足場1の最上部のステージに配置した作業員Aは両手に皮手袋を嵌め、荷降ろし補助具140の前端の滑車取り付け部46に懸吊した滑車90に荷降ろしロープ3を掛け、ブレーキ部49の胴部50にも約1/4周乃至数周だけ巻き掛ける。更に、胴部50の下側の荷降ろしロープ3をロープ掛け部156、157(または158、159)に巻き掛けて移動を一時的に拘束する。そして、両手を荷降ろしロープ3から離し、最上部のステージ上において、滑車90から垂れ下がった下降側ロープ3aの一端側の輪部5に荷降ろし対象の建枠部材6を掛け、輪部5に掛けた荷降ろし対象の建枠部材6を前方へ投下する。この際、アーム部45が斜め上方に向いており、滑車90の位置が高くなっているので、輪部5に掛けた建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。
次に、上昇側ロープ3bをロープ掛け部156と157(またはロープ掛け部158と159)から外し(
図20参照)、ブレーキ部49から垂れ下がった上昇側ロープ3bの上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に落下させる。建枠部材6の降下速度が上がると、胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部50の表面に殆ど接触しないか、胴部50の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。
滑車90がビティ式仮設足場1の前面より前方に離れているので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場1の前面との間に距離があき、建枠部材6に上昇側ロープ3bの下端の輪部7が引っ掛かる恐れが少なくなる。また、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ仮設足場1の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が良好となる。
【0036】
建枠部材6が地上に近づいたところで、上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束する。すると、ブレーキ部49に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部50の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
従って、作業者Aの身体的負担が軽減し、また皮手袋と上昇側ロープ3aとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
また、荷降ろし補助具140の建枠部材2への設置は、基部支柱41の係合爪143を前側の縦枠8に係合し、フック55を横枠4に嵌合したのち基部支柱41に装着されたクランプ42により縦枠8に締結するだけでよく、簡単な作業で済む。
また、基部支柱41の上端部に固着したフック55を横枠4に嵌合させることで、荷降ろし補助具140が左右に旋回しようとしても、フック55が横枠4に当接して旋回を阻止することができ、荷降ろし補助具140が不用意に旋回しないように、向きを簡単な構造で固定することができる。
【0037】
なお、上記した第2実施例では、アーム部は前方斜め上向きに延設した例を示したが、本発明は何らこれに限定されず、アーム部を前方へ水平に延設するようにしても良い。
また、基部支柱の背面側の下部に係合爪を固着した例を挙げたが、係合爪を基部支柱背面側の上部と同じクランプに置き換えても良い。
また、一対のロープ掛け部を基部支柱の左右両側に設ける代わりに、補強部材の左右両側に設けるようにしても良い。
また、上側のロープ掛け部(
図17の符号156、158)を省略し、下側のロープ掛け部(
図17の符号157、159)だけ残し、胴部に巻き掛けた荷降ろしロープの内、胴部下側の上昇側ロープを下側のロープ掛け部に巻き掛けたあと、再度胴部に巻き掛けることで、一時的に上昇移動を拘束するようにしても良い。
また、旋回防止用のフックを省略するようにしても良い。
【0038】
また、上記した第2実施例では、荷降ろし補助具をビティ式仮設足場の建枠部材に設置するタイプとした場合を説明したが、クサビ緊結式仮設足場の建地支柱に設置するタイプとしても良い。具体的には、
図23、
図24に示す荷降ろし補助具140Aの如く、
図16、
図17に示した第2実施例の荷降ろし補助具140の内、基部支柱41の背面上側のクランプ42に代えてクサビ部62を固着した構成とする。クサビ部62はクサビ緊結式仮設足場の建地支柱26のポケット27に挿脱自在に嵌合可能である。使用時は
図23に示す如く、クサビ緊結式仮設足場の最上部に立脚した建地支柱26に対して、基部支柱41の係合爪143を建地支柱26に係合し、基部支柱41に固着されたクサビ部62を建地支柱26のポケット27に嵌合するだけで旋回不能かつ着脱自在に装着でき、簡単な取り付け作業で済む。なお、
図23、
図24の荷降ろし補助具140Aにおいて、基部支柱41の背面側のクサビ部62と係合爪143の間に、建地支柱26と着脱自在なクランプを装備しても良い。
【0039】
また、上記した第2実施例では、巻き掛け式のブレーキ部を基部支柱の前面側の上端部に装備した例を示したが、基部支柱の前面側の下端部に装備しても良い。或いは、アーム部の内、基部支柱寄りの箇所に装備するようにしたり、アーム部と基部支柱の間に固着された補強部材の内、基部支柱寄りの箇所に装備するようにしても良い。具体的には
図25(1)に示す荷降ろし補助具140Bの如く、アーム部45の内、基部支柱41に近い箇所に交差するようにして、左右に延設された円筒状の胴部150Bを固着し、胴部150Bの両端に円環状のストッパ51、52を固着して巻き掛け式のブレーキ部149Bを構成しても良い。または、
図25(2)に示す荷降ろし補助具140Cの如く、補強部材47の内、基部支柱41に近い箇所に交差するようにして、左右に延設された円筒状の胴部150Cを固着し、胴部150Cの両端に円環状のストッパ51、52を固着して巻き掛け式のブレーキ部149Cを構成しても良い。
【0040】
また、上記した第2実施例では、ブレーキ部の鋼製の胴部の外周表面と荷降ろしロープとの接触で生じる摩擦力でブレーキが掛かるようにしたが、胴部の外周表面の全部または一部を覆うようにして、ロープ、皮シート、ゴムシート、布シート等の摩擦部材を胴部50の表面に装着し、鋼製の胴部表面と比較してより大きな摩擦力が生じるようにしても良い。
具体的には、例えば
図26(1)に示す荷降ろし補助具140Dの如く、ブレーキ部149Dの胴部150Dの両側に固着された円環状のストッパ51、52にロープ通し孔63、64を穿設するとともに、胴部150Dの内、ストッパ51と固着プレート53の中間、固着プレート54とストッパ52の中間にロープ通し孔65、66を穿設しておく。そして、
図26(2)に示す如く摩擦部材の一例としての摩擦用ロープ67を胴部150Dの外周表面全体に一重巻きし、両端をロープ通し孔63、64に通しストッパ51、52の外側で結び目68、69を作って解けないようにすることで、胴部150Dの表面全体に覆着する。摩擦用ロープ67には、荷降ろしロープと同様の麻ロープ、綿ロープなどの天然繊維系ロープ、ポリプロピレンロープ、ビニロンロープ(クレモナロープ)、ビニロンとポリエチレン、ビニロンとエステルなどの混撚ロープなどを用いることができる。ブレーキを掛ける際、荷降ろしロープ3と摩擦用ロープ67との接触で大きな摩擦力を発生させることができる。
【0041】
或いは、
図26(3)に示す如く、摩擦用ロープ70を胴部150Dのロープ通し孔65に通し、先端を胴部150Dの穴71から引き出して結び目(図示せず)を作り、ロープ通し孔65から外に出た部分を引っ張って結び目をロープ通し孔65の裏側に当て、胴部150Dの外周表面にストッパ51まで巻いてロープ通し孔63に通し、ストッパ51の外側に結び目72を作って解けないようにすることで、胴部150Dの外周表面の一端部に覆着する。同様に、摩擦用ロープ73を胴部150Dのロープ通し孔66に通し、先端を胴部150Dの穴71から引き出して結び目(図示せず)を作り、ロープ通し孔66から外に出た部分を引っ張って結び目をロープ通し孔66の裏側に当て、胴部150Dの外周表面にストッパ52まで巻いてロープ通し孔64に通し、ストッパ52の外側に結び目74を作って解けないようにすることで、胴部150Dの外周表面の他端部に覆着する。
荷降ろし補助具140Dの準備作業で、荷降ろしロープ3をブレーキ部149Dに巻き掛ける際は、胴部150Dの外周表面の内、摩擦用ロープ70、73の巻かれてない部分を用いることで大きな摩擦抵抗を受けることなく、円滑に荷降ろしロープ3を配設することができる(
図27(1)参照)。一方、荷降ろし中にブレーキを掛ける際は、上昇側ロープ3bを手でずらして摩擦用ロープ70、73の巻かれた部分に当てることにより、大きな摩擦力を発生させることができる(
図27(2)参照)。
【0042】
なお、
図26(3)の場合、
図28(1)に示す荷降ろし補助具140Eの如く、胴部150Dの両側に固着されたストッパ51E、52Eの内、前方から下方に掛けてと下方から後方にかけて、各々切除部175、176を形成するとともに、ストッパ51E、52Eと胴部150Dの外周表面との間に、摩擦用ロープ70の上下と前後を覆うようにして4つの傾斜ガイドバー177、摩擦用ロープ73の上下と前後を覆うようにして4つの傾斜ガイドバー178を装着したブレーキ部149Eとしても良い(
図28(2)参照)。傾斜ガイドバー177、178は、荷降ろしロープ3が仮に摩擦用ロープ70または73の上に重ねて巻かれようとしても、胴部150Dの中央寄りの表面に案内させるためのものである。荷降ろし補助具140Eの準備作業で、荷降ろしロープ3をブレーキ部149Eに巻き掛ける際、傾斜ガイドバー177、または178に案内されて胴部150Dの外周表面の内、摩擦用ロープ70、73の巻かれていない部分に容易に配設できる(
図28(2)参照)。一方、荷降ろし中にブレーキを掛ける際は、ブレーキ部149Eの下側の上昇側ロープ3bを手で切除部175または176から外側へ斜めにずらすことにより、確実に摩擦用ロープ70または73の巻かれた部分に上昇側ロープ3bを当てることができる(
図28(3)参照)。
【0043】
また、上記した第2実施例では、アーム部の前端部に装着した滑車取り付け部に滑車を懸吊し、荷降ろしロープを滑車に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしたが、アーム部の前端部に滑車取り付け部に代えて、荷降ろしロープを巻き掛けるシーブを装着しても良い。
また、アームの前端部に滑車取り付け部に代えて荷降ろしロープを摺動自在に掛けるロープ掛け部を設け、荷降ろしロープをロープ掛け部に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしても良い。
具体的には、例えば
図29に示す荷降ろし補助具140Fの如く構成する。荷降ろし補助具140Fは全体が鋼製であり、丸パイプから成る基部支柱41Fの背面側の上下にクランプ42、係合爪143が固着されており、基部支柱41Fの上端から前方斜め上向きに延設した丸パイプから成るアーム部45Fが装着されている。アーム部45Fの下面側の途中と基部支柱41Fの前面側下端部の間には丸パイプから成る補強部材47Fが固着されている。また、基部支柱41Fの上端部には後方に延設されたフック55が装着されている。アーム部45Fの内、基部支柱41F寄りの部分に交差するようにして、左右方向にブレーキ部149Fが装着されている。アーム部45Fの前端近くの上面には丸パイプから成るロープ掛け部材180が上方に立設されており、アーム部45Fの前端とロープ掛け部材180の上端には荷降ろしロープが外れないようにするストッパ181、182が装着されている。アーム部45Fの内、ロープ掛け部材180から前側の部分とロープ掛け部材180、ストッパ181、182により荷降ろしロープを摺動自在に懸吊するロープ掛け部が構成されている。
使用時は
図30(1)に示す如く、荷降ろしロープ3をロープ掛け部材180の前側でアーム部45Fの上側に掛け、更にロープ掛け部材180に巻き掛けたのちブレーキ部149Fに巻き掛けるか、或いは、
図30(2)に示す如く、荷降ろしロープ3をアーム部45Fの内、ロープ掛け部材180より前側に掛け、アーム部45Fの下側を通してブレーキ部149Fに巻き掛けるようにすれば、下降側ロープ3aをアーム部45Fの前端部に懸吊させることができる。アーム部45F、ロープ掛け部材180が丸パイプ製なので、荷降ろし中に荷降ろしロープ3はアーム部45Fの前端部やロープ掛け部材180に対し円滑に摺動移動可能である。
【0044】
なお、
図29に示す変形例ではアーム部の内、基部支柱寄りにブレーキ部を装備したが、
図17と同様にして基部支柱の前側の上端部に装備したり、基部支柱の前側の下端部に装備したり、
図25(2)と同様にして補強部材の内、基部支柱寄りに装備したりしても良い。或いは、
図31に示す荷降ろし補助具140Gの如く、アーム部45Fの内、基部支柱41F寄りの上側に鋼製で円筒状の胴部150Gを軸を鉛直方向に向け固着して立設し、胴部150Gの上端に円盤状のストッパ151Gを固着して荷降ろしロープ3を巻き掛けるブレーキ部149Gを構成しても良い。
図2、
図3に示す第1実施例のブレーキ部についても、
図31の如く変更し、アーム部の内、基部支柱寄りの上面に立設することもできる。
【0045】
また、
図29に示す変形例ではアーム部の先端近くの上側にロープ掛け部材を立設し、アーム部の前端部とロープ掛け部材により構成したロープ掛け部に荷降ろしロープの下降側を摺動移動自在に巻き掛けるようにしたが、
図32に示す荷降ろし補助具140Hの如く、アーム部45Fの先端に左右方向に延設した丸鋼管製のロープ掛け部材183を固着し、ロープ掛け部材183の両端に荷降ろしロープ3が外れないようにする円環状のストッパ184、185を固着することで、荷降ろしロープ3の下降側部分を摺動移動自在に巻き掛けるためのロープ掛け部を構成することもできる。
また、
図29、
図31、
図32の基部支柱41Fまたは補強部材47Fに、
図17の符号156乃至159と同様のロープ掛け部を付設しても良い。
【0046】
また、
図29に示す変形例はビティ式仮設足場用であるが、クサビ緊結式仮設足場用は例えば
図33の如く構成すれば良い。
図33の荷降ろし補助具140Iは全体が鋼製であり、斜め上方に向けて延設されたアーム部45Fの基端にクサビ緊結式仮設足場の建地部材のポケット(
図23の符号26、27参照)に挿脱自在に嵌合可能なクサビ部62Iが固着されている。アーム部45Fの下面の途中からクサビ部62Iの真下に向けて斜材186が固着されており、斜材186の後端に断面がハ字状の係合部187が装着されている。アーム部45Fの内、基部寄り(クサビ部寄り)に設けられたブレーキ部149Fの下面と斜材186の間に鉛直方向に延設された補強部材188が固着されている。アーム部45Fの前端近くにはロープ掛け部材180が立設されている。アーム部45F、クサビ部62I、斜材186、係合部187、補強部材188により、ブラケットが構成されている。使用時は、クサビ緊結式仮設足場の建地部材に係合部187を係合し、クサビ部62Iを建地部材のポケットに嵌合すれば良く、容易に設置可能である。
なお、
図33ではアーム部45Fの内、基部寄りにブレーキ部149Fを設けた例を示したが、
図34(1)に示す荷降ろし補助具140Jの如く、補強部材188の途中にブレーキ部149Jを設けたり、
図34(2)に示す荷降ろし補助具140Kの如く斜材186の内、係合部187寄りにブレーキ部149Kを設けるようにしても良い。或いは、アーム部の内、基部寄りの上側に、
図31と同様に構成されたブレーキ部を立設するようにしても良い。
また、
図33、
図34の斜材186に、
図17の符号156乃至159と同様のロープ掛け部を付設しても良い。
【0047】
また、上記した第1、第2実施例では、ビティ式仮設足場の最上部の建枠部材の内、前面側の縦枠の上端部に荷降ろし補助具を装着する場合を例に挙げたが、ビティ仮設足場の最上部の建枠部材の前側の縦枠と横枠の上に着脱自在に立設するようにしたり、前側の縦枠と後ろ側の縦枠の上に着脱自在に立設するようにしても良い。
例えば
図35(1)の荷降ろし補助具140Lは最上部の建枠部材の前側の縦枠と横枠の上に着脱自在に立設する例を示し、下端部がビティ式仮設足場1の最上部の建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に差し込まれた連結ピン13に嵌脱自在で上下方向に延設された丸パイプから成る基部支柱141L、基部支柱141Lの上端部に固着されたへの字状に曲がった丸パイプからなるアーム部材145L、アーム部材145Lの内、基部支柱141Lの上端からビティ仮設足場1の前方へ、への字状に延設されたアーム部145aの前端に固着された滑車取り付け部146、アーム部材145Lの内、基部支柱141Lの上端から斜め下後方へ延設された後方延設部145bの下端に装着されて建枠部材2の横枠4に着脱自在に締結可能なクランプ142、基部支柱141Lの下部に設けられたブレーキ部149L、基部支柱141Lの内、ブレーキ部149Lの上側とアーム部145a、後方延設部145bの途中に配設された補強部材147a、147bとから成る。アーム部145aは前側の2/3以上が斜め下向きに延設されている。基部支柱141L、アーム部材145L、補強部材147a、147bによりブラケットが構成されている。
荷降ろし補助具140Lをビティ式仮設足場1の最上部に設置する際、基部支柱141Lの下端部をビティ仮設足場1の最上部の建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に差し込まれた連結ピン13に上方から嵌合し、後方延設部145bの下端のクランプ142を建枠部材2の横枠4に締結すれば良い(
図35(2)参照)。
【0048】
図36は
図35のクランプをカンヌキ構造に変更した荷降ろし補助具140Mを示し、後方延設部145bの下端部の左右両側にカンヌキ穴120の穿設された一対の固定板121が固着されている。横枠4を固定板121で挟み込み、横枠4の下面側で左右の固定板121のカンヌキ穴120にカンヌキ122を通すことで後方延設部145bの下端を横枠4に着脱自在に装着可能となっている。カンヌキ122はワイヤ123で固定板121に取着されている。固定板121はアーム部145aの旋回阻止部としての機能を有し、アーム部145aが左右方向へ旋回しようとしても固定板121が横枠4に当接して阻止される。
【0049】
また、
図37(1)の荷降ろし補助具140Nは最上部の建枠部材2の前側の縦枠8と後側の縦枠9の上に着脱自在に立設する例を示し、下端部がビティ
式仮設足場1の最上部の建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に差し込まれた連結ピン13に嵌脱自在で上下方向に延設された丸パイプから成る基部支柱141N、基部支柱141Nの上端部に固着された丸パイプからなるL字状のアーム部材145N、アーム部材145Nの内、基部支柱141Nの上端からビティ仮設足場1の前方へ延設されたアーム部145cの前端に固着された滑車取り付け部146、基部支柱141Nの下部に設けられたブレーキ部149N、基部支柱141Nの内、ブレーキ部149Nの上側とアーム部145c、アーム部材145Nの後方延設部145dの途中に配設された補強部材147c、147dとから成る。基部支柱141N、アーム部材145N、補強部材147c、147dによりブラケットが構成されている。アーム部材145Nの内、後方へ延設されたL字状の後方延設部145dの端部が鉛直方向に配設されて、建枠部材2の後側の縦枠9の上端部に差し込まれた連結ピン14に嵌脱自在に装着可能となっている。
荷降ろし補助具140Nをビティ式仮設足場1の最上部に設置する際、基部支柱141Nの下端部をビティ式仮設足場1の最上部の建枠部材2の前側の縦枠8の上端部に差し込まれた連結ピン13に上方から嵌合し、後方延設部145dの端部を建枠部材2の後側の縦枠9の上端部に差し込まれた連結ピン14に上方から嵌合すれば良い(
図37(2)参照)。
【実施例3】
【0050】
次に、
図38、
図39を参照して本発明の第3実施例を説明する。
図38は本発明に係る荷降ろし方法
を具現した荷降ろし補助具の使用状態を示す斜視図、
図39は
図38中の荷降ろし補助具の外観斜視図である。これらの図において、
図2と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図38において、200はビル、マンションなどの建物、201は建物の前面側に設置された解体途中のビティ式仮設足場であり、地上から偶数段目の建枠部材の後側(建物側)の縦枠がアンカーボルト202により建物200の前面に仮固定されている。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに建枠部材2が一脚立設されており、この建枠部材2の前側の縦枠8の上部に全体が鋼製の荷降ろし補助具240が着脱自在に装着されている。最上部のステージに載った作業員Aは荷降ろし補助具240に懸吊した滑車(この実施例では、フック首廻し式の滑車とする)90に荷降ろしロープ3を掛け、荷降ろし対象の建枠部材6を地上に荷降ろしする。荷降ろしロープ3は、麻ロープ、綿ロープなどの天然繊維系ロープ、ポリプロピレンロープ、ビニロンロープ(クレモナロープ)、ビニロンとポリエチレン、ビニロンとエステルなどの混撚ロープなどである。
【0051】
荷降ろし補助具240は、
図39(1)、(2)の外観斜視図に示す如く、縦方向に延びた鋼製の角パイプからなる基部支柱41を有し、基部支柱41の背面側の上部及び下部に装着されたクランプ42及び係合爪143により、建枠部材2の前側の縦枠8に着脱自在に装着可能となっている。基部支柱41の上端に固着された鋼製の角パイプからなるアーム部245が前方斜め上方向きに延設されており(
図41参照)、このアーム部245の前端近くと前端にU字状の滑車取り付け部46とガイドロープ取り付け部210が装着されている。滑車取り付け部46には滑車90を着脱自在に懸吊可能になっている。ガイドロープ取り付け部210にはガイドロープ211の一端側が取り付けられたフック212が着脱自在に懸吊されている。ガイドロープ211は荷降ろし中の建枠部材等がビティ
式仮設足場1の前面に衝突しないようにするためのものである。アーム部245の上面で滑車取り付け部46の近くに半円環状の吊持ロープ止め部213、アーム部245の上面の基部寄りに前後一対の前向き及び後ろ向きのL字状の吊持ロープ掛け部(吊持ロープ掛けフック)214、215が固着されている。建物200の屋上に一端側を固定した吊持ロープ216の途中を吊持ロープ止め部213に嵌装したカラビナ217に挿通して掛装したのち、吊持ロープ掛け部214、215に8の字状などに巻き掛けて掛け止めることで、荷降ろし補助具240の装着された建枠部材2が荷降ろし部材の重量で前方へ傾斜するのを防止する。吊持ロープ止め部213、吊持ロープ掛け部214、215は吊持ロープ装着部の一例を成す。
アーム部245の下面の途中と基部支柱41の下端部の前面側との間には鋼製の補強部材47が斜め方向に固着されている。基部支柱41、クランプ42、係合爪143、アーム部245、補強部材47によりブラケットが形成されている。基部支柱41はブラケットの基部を成し、アーム部245の前端がブラケットの前端となる。
【0052】
基部支柱41の上端部の前側(クランプ42とは反対側)には、鋼製の巻き掛け式のブレーキ部49が装着されている。このブレーキ部49は荷降ろしロープ3を巻き掛けて摩擦によるブレーキを掛けるためのものである。ブレーキ部49の内、50は荷降ろしロープ3が巻き掛けられるブレーキドラムとしての円筒状の胴部であり、中心軸が左右方向に水平に配設されている。51と52は胴部50の両端に装着された円環状のストッパであり、胴部50の外周表面に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が胴部50から外れないようにする。53と54は胴部50の軸方向の中央を基部支柱41の前面側の上端近くに固着する固着プレートである。胴部50は基部支柱41の背面側から見て左右両側に延設されており、作業員は胴部50の左側部分または右側部分に荷降ろしロープ3を巻く掛ことができる。
【0053】
基部支柱41の上端部には後方に向けて旋回阻止部としてのフック55が固着されている。フック55は後端部が下向きU字状に湾曲されており、建枠部材2の上部の横枠4に嵌合させることで荷降ろし補助具240を構成するブラケットが左右に旋回しようとしても、フック55が横枠4に当接して旋回を阻止する。
【0054】
基部支柱41の下部の左右両側面には、上下一対の上向き及び下向きのL字状のロープ掛け部(ロープ掛けフック)156と157、158と159が固着されている。ロープ掛け部156と157、または158と159は荷降ろしロープ3を8の字状などに巻き掛けて掛け止めることで、荷降ろしロープ3の移動を一時的に拘束するロープ掛け止め部としての機能を有する。ロープ掛け部156と157、または158と159へ荷降ろしロープ3を掛け止めることで、荷降ろしロープ3から両手を離しても荷降ろしロープ3が移動せず、荷降ろしの準備をする際、両手を使って荷降ろし対象の建枠部材6を荷降ろしロープ3の輪部5または輪部7へ掛けたり、輪部5または輪部7に掛けた荷降ろし対象の建枠部材6を足場ステージから前方へ投下したりする作業を行なえる。
【0055】
図38、
図40乃至
図43は上記した荷降ろし補助具240による荷降ろし方法の説明図、
図44乃至
図48は荷降ろし補助具240の付け替え方法の説明図であり、以下、これらの図を参照して上記した実施例の作用を説明する。
図40に示す如く、予めビティ式仮設足場201の最上部のステージに1つ立脚された建枠部材2の前側の縦枠8の上端近くに荷降ろし補助具240が装着済みであるとする。具体的には、基部支柱41の背面下側の係合爪143を縦枠8に係合し、フック55を横枠4に嵌合したのち基部支柱41の背面上側に装着されたクランプ42により、縦枠8に着脱自在に締結してある。滑車取り付け部46には荷降ろし用の滑車90が懸吊してある。また、半円環状の吊持ロープ止め部213の穴に嵌着したカラビナ217に建物200の屋上に一端が固定された吊持ロープ216を通し、この吊持ロープ216を張った状態で吊持ロープ掛け部214、215に巻き掛けて仮固定することにより、荷降ろし補助具240のアーム部245が吊持してある。吊持ロープ216の他端側は建枠部材2の後側(建物側)の縦枠9の上端に掛けたのち下方へ垂らしてある。ビティ式仮設足場201を解体する場合、未解体部分の最上部のステージに近いアンカーボルト(
図40の符号202A)を作業員Cが先行して取り外し、ボルト穴の穴埋め作業を済ませておく。このため、荷降ろし補助具240に荷降ろし対象部材の荷重が掛かったとき、建枠部材2が前方に傾斜し易くなるが、荷降ろし補助具240のアーム部245が吊持ロープ216に吊持されることで、前傾が抑制される。また、ガイドロープ取り付け部210にはフック212が懸吊してあり、このフック212に上端が取り付けられたガイドロープ211の下側が地上まで垂らされて、地上の作業員Bにより斜め前下方向に張った状態で地上に設置した重量物218に固定されている。重量物218はガイドロープ取り付け部210の直下より少し前方に置かれている。
【0056】
最上部のステージに配置した作業員Aは両手に皮手袋を嵌めた状態で、荷降ろしロープ3を滑車90に掛けるとともに、荷降ろしロープ3の手元側をブレーキ部49の胴部50の外周表面に約1/4周乃至数周だけ巻き掛ける(胴部50への巻き掛け量は、吊り荷の重量、地上から滑車90までの距離などにより調節する)。更に、胴部50の下側の上昇側ロープ3bをロープ掛け部158と159(またはロープ掛け部156と157)に8の字状に巻き掛けて掛け止め、上昇移動を一時的に拘束しておく。次に、滑車90から垂れ下がった下降側ロープ3aの下端の荷側端部としての輪部5に嵌装された2つのカラビナ219、220の内の一方のカラビナ220に玉掛けロープ221を介して荷降ろし対象の建枠部材6を吊持させる。そして、両手で荷降ろし対象の建枠部材6を足場ステージから前方へ投下する。この際、アーム部245が斜め上方に向いており、滑車90の位置が高くなっているので、輪部5に吊した建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。荷降ろしロープ3の移動が拘束されているため投下された建枠部材6は荷降ろしロープ3を介して滑車90に吊支されてまだ降下はしない。次に、下降側ロープ3aの輪部5に嵌装された他方のカラビナ219にガイドロープ211を挿通して懸装させる(
図41参照)。
【0057】
次に、上昇側ロープ3bをロープ掛け部158と159(またはロープ掛け部156と157)から外し、ブレーキ部49から垂れ下がった上昇側ロープ3bの上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に落下させる。建枠部材6の降下速度が上がると、胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で胴部50の半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部50の表面に殆ど接触しないか、胴部50の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。滑車90がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れており、また、下降側ロープ3aの輪部5がカラビナ219を介してガイドロープ211により前方へ引っ張られるので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に大きな距離があき、建枠部材6がビティ仮設足場201の前面に衝突する恐れがなくなり、上昇側ロープ3bの輪部7に引っ掛かる恐れも一層少なくなる。従って、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が極めて良好となる(
図42参照)。
【0058】
建枠部材6が地上に近づいたところで、作業員Aが上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束すると、ブレーキ部49の固定の胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部50の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
地上の作業員Bは荷降ろしロープ3の輪部5に嵌装したカラビナ219からガイドロープ211を外し、更にカラビナ220から玉掛けロープ221を外して建枠部材6を荷降ろしロープ3から外し、空きスペースに積み上げればよい(
図43参照)。
一回分の荷降ろし後、作業員Aは荷降ろしロープ3の上昇側ロープ3bをブレーキ部49から外し、滑車90をフック首を軸にして180度回転し、荷降ろしロープ3の上昇側と下降側を入れ替えたのち(輪部7にもカラビナ223、224が嵌装されており、カラビナ224には玉掛けワイヤ225が吊持されている。)、同様の作業を繰り返して他の足場部材(建枠部材、足場ステージなど)を荷降ろしする。
【0059】
荷降ろし補助具240の設置場所をビティ式仮設足場201の一段下に付け替えたい場合、地上の作業員Bは重量物218とガイドロープ211の固定を外す。ビティ式仮設足場201の最上部のステージの作業員Aは荷降ろしロープ3の一端側の輪部5(または輪部7)をロープ掛け部159(または157)に掛けて落ちないようにし、吊持ロープ216を吊持ロープ掛け部214、215から外す(
図44参照)。そして、クランプ42を建枠部材2の縦枠8から外すとともに基部支柱41を少し上方へ移動してフック55を横枠4から外すことで、荷降ろし補助具240を建枠部材2から取り外す(
図45参照)。そして、
図46に示すように、一段下の建枠部材10に対し、基部支柱41の係合爪143を前側の縦枠11に係合し、フック55を建枠部材10の横枠23に嵌合したのち基部支柱41に装着されたクランプ42により縦枠11に締結して付け替えれば良い。
あとは建枠部材10を残して、建枠部材2と作業員Aが前回配置したステージの足場ステージ24、25や他の建枠部材を外し、前回荷降ろししたステージの一段下のステージに置く(
図47参照)。次に、カラビナ217に通された吊持ロープ216を張った状態で吊持ロープ掛け部214、215に巻き掛けて仮固定することにより荷降ろし補助具240を吊持し(
図48参照)、前述と同様にして、今回外した足場部材を地上に降ろす。
【0060】
この第3実施例によれば、ビティ式仮設足場201の最上部のステージに立脚した建枠部材2の内、前側の縦枠8の上端部に着脱自在に設置した荷降ろし補助具240を用いて足場部材をビティ式仮設足場201の前面に衝突させることなく円滑に荷降ろしできる。具体的には、荷降ろし補助具240の前端から地上近くまで垂らしたガイドロープ211を地上の作業員Bが斜め前下方向へ引っ張って重量物218に固定しておく。ビティ式仮設足場201の最上部のステージに配置した作業員Aは両手に皮手袋を嵌めて、荷降ろし補助具240の前端近くの滑車取り付け部46に懸吊した滑車90に荷降ろしロープ3を巻き掛け、ブレーキ部49の胴部50にも約1/4周乃至数周だけ巻き掛ける。更に、胴部50の下側の荷降ろしロープ3をロープ掛け部158、159(または156、157)に巻き掛けて移動を一時的に拘束する。そして、両手を荷降ろしロープ3から離し、最上部のステージ上において、滑車90から垂れ下がった下降側ロープ3aの一端側の輪部5に嵌装したカラビナ220に玉掛けワイヤ221を介して荷降ろし対象の建枠部材6を吊持させ、輪部5に吊持させた荷降ろし対象の建枠部材6を前方へ投下する。この際、アーム部245が斜め上方に向いており、滑車90の位置が高くなっているので、輪部5に吊持した建枠部材6の下端が作業員Aの配置した足場ステージ24、25にぶつかり難くなり、建枠部材6の取り扱いが容易となる。荷降ろしロープ3の移動が拘束されているため投下された建枠部材6は荷降ろしロープ3を介して滑車90に吊支されてまだ降下はしない。次に、下降側ロープ3aの輪部5に嵌装された他方のカラビナ219にガイドロープ211を挿通して懸装させる。
次に、上昇側ロープ3bをロープ掛け部158と159(または156と157)から外し、ブレーキ部49から垂れ下がった上昇側ロープ3bの上昇移動を拘束しないように皮手袋をした手で支持しながら建枠部材6を地上に落下させる。建枠部材6の降下速度が上がると、胴部50に巻き掛けられた荷降ろしロープ3は遠心力で半径方向外側に膨らんだ大きな円弧(または円)を描き、拡径しながら移動するので胴部50の表面に殆ど接触しないか、胴部50の表面に対し比較的小さな押圧力で軽く接触するだけであり、摩擦力が殆ど生じないか小さな摩擦力が発生するだけで、円滑に建枠部材6は落下する。滑車90がビティ式仮設足場201の前面より前方に離れており、また、建枠部材6が懸吊される下降側ロープ3aの輪部5がガイドロープ211により前方に引っ張られるので、荷降ろし中の建枠部材6とビティ式仮設足場201の前面との間に大きな距離があき、建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突する恐れがなくなり、輪部7に引っ掛かる恐れも一層少なくなる。従って、作業員Aは荷降ろし中の建枠部材6がビティ式仮設足場201の前面に衝突しないように下降側ロープ3aを前方に押す必要がなく、上昇側ロープ3bを手で制御して下端の輪部7が荷降ろし中の建枠部材6に引っ掛からないように注意するだけでよく、作業性が極めて良好となる。
【0061】
建枠部材6が地上に近づいたところで、胴部50の下側の上昇側ロープ3bを皮手袋をした両手または片手で掴み、上方移動を少し拘束する。すると、ブレーキ部49に巻き掛けられた荷降ろしロープ3が締まって縮径し、胴部50の表面に大きな押圧力で接触して大きな摩擦力が生じ、ブレーキが掛かる。これにより、上昇側ロープ3bを強く握らなくても建枠部材6をゆっくり地上に降ろすことができる。
従って、作業者Aの身体的負担が軽減し、また皮手袋と上昇側ロープ3aとの間の摩擦熱は小さく、火傷する恐れがなくなり、作業の中断や遅延が生じ難く作業性が改善する。また皮手袋の損傷も少なく経済的となる。また、手に皮手袋だけ嵌めればよいので、厚くならず、これによっても作業性が改善する。また、ブレーキを掛けるときに下降側ロープ3aと上昇側ロープ3bの両方をまとめて握らなくて良いので、荷降ろし対象の建枠部材6に上昇側ロープ3bが引っ掛かる恐れが少なくなる。
また、荷降ろし補助具240の建枠部材2への設置は、基部支柱41の係合爪143を前側の縦枠8に係合し、フック55を横枠4に嵌合したのち基部支柱41に装着されたクランプ42により縦枠8に締結するだけでよく、簡単な作業で済む。
また、基部支柱41の上端部に固着したフック55を横枠4に嵌合させることで、荷降ろし補助具240が左右に旋回しようとしても、フック55が横枠4に当接して旋回を阻止することができ、荷降ろし補助具240が不用意に旋回しないように、向きを簡単な構造で固定することができる。
また、荷降ろし補助具240に荷降ろし対象部材の荷重が掛かったとき、建枠部材2が前方に傾斜し易くなるが、荷降ろし補助具240のアーム部245が吊持ロープ216に吊持されているので、建枠部材2の前傾やビティ式仮設足場201からの離脱が抑制される。
【0062】
なお、上記した第3実施例では、アーム部は前方斜め上向きに延設した例を示したが、本発明は何らこれに限定されず、アーム部を前方へ水平に延設するようにしても良い。
また、基部支柱の背面側の下部に係合爪を固着した例を挙げたが、係合爪を基部支柱背面側の上部と同じクランプに置き換えても良い。
また、一対のロープ掛け部を基部支柱の左右両側に設ける代わりに、補強部材の左右両側に設けるようにしても良い。
また、上側のロープ掛け部(
図39の符号156、158)を省略し、下側のロープ掛け部(
図39の符号157、159)だけ残し、胴部に巻き掛けた荷降ろしロープの内、胴部下側の上昇側ロープを下側のロープ掛け部に巻き掛けたあと、再度胴部に巻き掛けることで、一時的に上昇移動を拘束するようにしても良い。
また、旋回防止用のフックを省略するようにしても良い。
【0063】
また、上記した第3実施例では、荷降ろし補助具をビティ式仮設足場の建枠部材に設置するタイプとした場合を説明したが、
図39の第3実施例の荷降ろし補助具240の内、基部支柱41の背面上側のクランプ42に代えてクサビ部を固着した構成とし、クサビ緊結式仮設足場の建地支柱に設置するタイプとしても良い(
図23、
図24参照)。この場合、基部支柱の背面側のクサビ部と係合爪の間に、建地支柱と着脱自在なクランプを装備しても良い。
【0064】
また、上記した第3実施例では、巻き掛け式のブレーキ部を基部支柱の前面側の上端部に装備した例を示したが、基部支柱の前面側の下端部に装備しても良い。或いは、アーム部の内、基部支柱寄りの箇所に装備するようにしたり、アーム部と基部支柱の間に固着された補強部材の内、基部支柱寄りの箇所に装備するようにしても良い(
図25参照)。
【0065】
また、上記した第3実施例では、ブレーキ部の鋼製の胴部の外周表面と荷降ろしロープの接触で生じる摩擦力でブレーキが掛かるようにしたが、
図13乃至
図15または
図26乃至
図28と同様にして、胴部の外周表面の全部または一部を覆うようにして、ロープ、皮シート、ゴムシート、布シート等の摩擦部材を胴部の表面に装着し、鋼製の胴部表面と比較してより大きな摩擦力が生じるようにしても良い。
【0066】
また、上記した第3実施例では、アーム部の前部(前端近く)に装着した滑車取り付け部に滑車を懸吊し、荷降ろしロープを滑車に巻き掛けたのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしたが、アーム部の前部(前端近く)に滑車取り付け部に代えて、荷降ろしロープを巻き掛けるシーブを装着しても良い。
また、アーム部の前部(前端近く)に装着した滑車取り付け部に代えて、
図29または
図32の如く、荷降ろしロープを摺動移動自在に掛けて懸吊するロープ掛け部を設け、このロープ掛け部に荷降ろしロープを巻き掛けて懸吊したのち、ブレーキ部の胴部に巻き掛けるようにしても良い(この場合、ガイドロープ取り付け部は、
図29または
図32乃至
図34のアーム部45Fをストッパ181またはロープ掛け部材183から前方へ延設した前端に設けるようにすれば良い)。
【0067】
また、上記した第3実施例では、ビティ式仮設足場の最上部の建枠部材の内、前側の縦枠の上端部に荷降ろし補助具を装着する場合を例に挙げたが、
図36乃至
図38の如く変形し、ビティ式仮設足場の最上部の建枠部材の前側の縦枠と横枠の上に着脱自在に立設するようにしたり、前側の縦枠と後ろ側の縦枠の上に着脱自在に立設するようにし、アーム部を前方に延設した前端と前端近くにガイドロープ取り付け部と滑車取り付け部を装着するようにしたり、アーム部の内、滑車取り付け部の近くに、
図39の符号213乃至215の如き吊持ロープ取り付け部を設けて吊持ロープにより吊持するようにしても良い。
【0068】
また、第3実施例ではアーム部の前端にカイドロープ取り付け部を設けたが、
図49に示す荷降ろし補助具240Aに示す如く、前端のガイドロープ取り付け部を省略し、第2実施例と同様のアーム部45としても良い。荷降ろし補助具240Aのブレーキ部249では、胴部50の両端に設けられた円環状のストッパ51、52に、半径方向外側に放射状に突出した複数の舌部251a、252aが設けられて、胴部50に巻き掛けた荷降ろしロープがストッパ51、52の外側に外れにくくしてある。第1実施例と第2実施例及びそれらの変形例に係る胴部においても、
図49の舌部251a、252aの如く舌部を付設するようにしても良いのは勿論である。
【0069】
また、上記した各実施例及びその変形例ではブレーキドラムとしての胴部を円筒状としたが、円柱状、楕円柱状、角を丸めた四角柱や六角柱などの多角柱状、中央が太く両側が細い太鼓状、中央が細く両側が太い糸巻き状などの形状としても良い。胴部は、巻き掛けられた荷降ろしロープとの接触で摩擦を生じる胴形の摩擦発生手段として機能するものである。
【0070】
また、上記した各実施例及びその変形例の内、ブラケットに巻き掛け式のブレーキ部を装備したタイプでは、ブレーキ部を固着プレート等により基部支柱等に固着して装備する場合を例に挙げて説明したが、本発明は何らこれに限定されるものでなく、ボルトやクランプ等の締結部品等を用いて、着脱自在に装着可能としても良い。
例えば、図
50に示す巻き掛け式のブレーキ部80a’を装備した荷降ろし補助具10Gでは、ブレーキ用補助具の一例としてのブレーキ部80a’は全体が鋼製であり、円筒状に形成された胴部81a’の両端に円環状のストッパ82a’、83a’が固着されて成る。基部支柱11’の上端近くに前後方向に貫通して穿設されたクランプボルト通し孔120の両側の基部支柱11’の前面に、2つの支持プレート84a’、85a’が固着されており、支持プレート84a’、85a’の前端には水平に配設された胴部81a’の周面の一部が嵌合する円弧状の当て部8
6、8
7が形成されている。一方、胴部81aの軸方向中央に前後方向に貫通したクランプボルト通し孔8
8が穿設されている。クランプ12とブレーキ部80a’を基部支柱11’に装着する場合、クランプ12と基部支柱11’のクランプボルト通し孔120にクランプボルト121を通し、更に胴部81a’の軸方向中央の背面側を支持プレート84a’、85a’の当て部8
6、8
7に当てながら、クランプボルト通し孔8
8にクランプボルト121を通し、ナット122を螺合して着脱自在に締結する。
この図
50の例によれば、ブレーキ部80a’の胴部81a’が荷降ろしロープ3との摩擦で磨り減ったときに、容易に交換することができる。
図2、
図11、
図13、
図15、
図16、
図23、
図25、
図26、
図28、
図29乃至
図38、
図49などのブレーキ部も基部支柱、アーム部、補強部材等に着脱自在に装着可能としても良いのは勿論である。
【0071】
また、上記した各実施例及びその変形例では、足場部材を荷降ろしする場合を例に挙げて説明したが、建築物の工事用資材、建築物の解体部材等を対象とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、マンション、ビル等の建築物の新築・改修工事現場等に設置される仮設足場の解体部材、建築物の工事用資材、建築物の解体部材等を仮設足場を通じて荷降ろしする際に適用できる。
【符号の説明】
【0073】
1 ビティ式仮設足場
2、6、10、28 建枠部材
3 荷降ろしロープ
3a 下降側ロープ
3b 上昇側ロープ
4 横枠
8、9 縦枠
24、25 足場ステージ
40 荷降ろし補助具
41 基部支柱
45 アーム部
46 滑車取り付け部
55 フック
49 ブレーキ部
50 胴部
51、52 ストッパ
67、70、73 摩擦用ロープ
75、76 切除部
90 滑車
【要約】 (修正有)
【課題】手袋の頻繁な交換や火傷する恐れを減らし、作業性を改善する。
【解決手段】ビティ仮設足場1の最上ステージに立てられた建枠部材2の前面側縦枠8の上端部に荷降ろし補助具40の基部支柱をクランプで締結し、この際、基部支柱の上端部に固着されたフックを横枠に嵌合する。基部支柱の上端部から斜め上向きの前方に延設されたアーム部45の前端部に装着された滑車取り付け部46に滑車90を懸吊し、滑車90に巻き掛けた荷降ろしロープ3を基部支柱の前面に設けたブレーキ部49の胴部に約3/4周だけ巻き掛ける。滑車90から垂れ下がった荷降ろしロープ3に建枠部材6を吊るして地上に投下し、最初はブレーキ部49から下がった荷降ろしロープ3の上昇移動を拘束しないようにし、地上に近づいた所で上昇移動を皮手袋をした手で拘束し、荷降ろしロープ3を胴部に接触させてブレーキを掛ける。
【選択図】
図2