【実施例】
【0020】
図1〜
図6は、本発明の実施例を示す。
【0021】
最初に、軸状部品について説明する。
【0022】
軸状部品としては、六角形の頭部を有する一般的なボルトとか、フランジを有するプロジェクションボルト、あるいは真っ直ぐな棒材など、種々なものがある。ここではプロジェクションボルトを供給の対象としている。以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現する場合もある。
【0023】
各図に示すように、軸状部品1はプロジェクションボルトであり、円形のフランジ2の中心部に、雄ねじが形成された軸部3が一体的に設けられている。軸部3とは反対側のフランジ面が平坦な円形の表面4であり、裏面には、3個の溶着用突起5が120度間隔で設けられている。ボルト1は、磁性材料である鉄で作られている。フランジ2の外周部は、符号12で示されており、図示の場合は全周にわたって丸みのある形状になっている。軸状部品であるプロジェクションボルト1の各部寸法は、フランジ2の直径と厚さがそれぞれ12mmと3mm、軸部の長さと直径がそれぞれ13mmと8mmである。なお、ボルトにも符号1が付されている。
【0024】
つぎに、装置全体を説明する。
【0025】
ここでの装置は、ボルト供給装置であり、符号100で示されている。図示の場合は、固定電極8の上に鋼板部品9が載置され、この鋼板部品9にボルト1が溶接される。固定電極8のガイド孔11に中空のガイドピン13が挿入され、鋼板部品9を固定電極8上に載置するときに、鋼板部品9の下孔10をガイドピン13が貫通して、鋼板部品9と固定電極8の相対位置が設定される。
【0026】
軸部3の供給の目的箇所が受入孔14であり、ガイドピン13の中空空間部が受入孔14とされている。受入孔14の中心軸線Xは、ほぼ鉛直方向の向きに配置してある。また、図示していないが、ブロック状部品などの相手方部品に形成された開口が受入孔14とされ、そこに軸部3が挿入される場合もある。なお、固定電極8と同軸状態で対をなす進退式の可動電極については、図示を省略してある。
【0027】
斜め下方に向かって進退する供給ロッド16は、断面円形の外筒17内に収容され、外筒17は装置100の機枠のような静止部材18に固定してある。外筒17に結合したエアシリンダ19の進退出力で、供給ロッド16が進退する。この進退方向は、供給ロッド16が斜め下方へ進出し、復帰するような方向とされている。供給ロッド16の中心軸線Yは、受入孔14の中心軸線Xに対して、傾斜した向きに配置してある。また、軸部3の中心軸線Zも受入孔14の中心軸線Xに対して交差している。
【0028】
供給ロッド16の先端部には、ボルト1を保持する保持構造部が配置してある。この保持構造部の細部構造は後述するが、ボルト1の供給通路手段を通過してきたボルト1が保持構造部によって供給ロッド16の先端部に保持されるようになっている。
【0029】
ボルト1の供給通路手段としては、供給管の端部に停止させたボルト1を供給ロッド16の方へ移行させて保持したり、ほぼ水平方向に配置されたガイドレールでボルト1を吊り下げ状に移行させて保持したりするものなど、種々な供給通路が採用できる。ここでは、
図1に実線で示した供給管20の場合である。
【0030】
供給管20の長手方向は、中心軸線Yに対して、鋭角をなしている。黒く塗り潰した溶接部21によって供給管20が外筒17に一体化されている。供給管20に接合した合成樹脂製の供給ホース22は、パーツフィーダ(図示していない)から伸びてきている。
【0031】
供給管20は断面円形であり、その終端にストッパ部材23が形成され、ストッパ部材23で停止したボルト1を供給ロッド16の先端部に配置された保持構造部の方へ移行させるために、供給管20の下部に出口開口24が設けてある。ストッパ部材23に達したボルト1を一時係止するために、開閉式のゲート部材25が設けてある。
【0032】
ゲート部材25を進退させる方法は
図1(B)に示してあり、外筒17に結合したブラケット26にエアシリンダ27を固定し、そのピストンロッド28にゲート部材25が結合してある。
【0033】
外筒17の端部に磁石29が固定され、ゲート部材25が開くと、磁石29の吸引力によってボルト1は出口開口24を通って保持構造部の方へ勢いよく移行する。一方、
図1(A)の2点鎖線図示や、同図(D)に示すように、ボルト1がほぼ水平方向のガイドレール30に沿って吊り下げ状態(首吊り状態)で勢いよく移送されてくる場合には、ボルト1は高速で保持構造部に到達する。したがって、ガイドレール30の場合には、磁石29を省くことが可能である。あるいは、
図1(A)における中心軸線Yをもっと寝かせて、ボルト1が保持構造部の方へ落下するような状態で移行する場合にも、磁石29を省くことが可能である。このような訳で、本発明では、磁石29の存在に任意性がある。なお、磁石29は、
図1(A)に示すように、非磁性材料であるステンレス鋼でできた容器に収容され、この容器が外筒17の端部に溶接されている。
【0034】
つぎに、保持構造部について説明する。
【0035】
保持構造部は、ボルト1を供給ロッド16の先端部の所定の箇所に確実に保持し、供給ロッド16の進出後にボルト1を目的箇所である受入孔14へ挿入するための構造である。
【0036】
図2に見やすく図示してあるので、主にこの図にしたがって説明すると、供給ロッド16の先端部に、フランジ2の表面4が密着する先端面32が形成してある。供給ロッド16は、中空管状の中空軸33内にインナ軸34が進退可能な状態で挿入してある。先端面32は、中空軸33の端面とインナ軸34の端面が1つの仮想平面上に配列されることによって、構成されている。そして、平坦な先端面32は供給ロッド16の中心軸線Yに対して傾いている。したがって、供給ロッド16の中心軸線Yと軸部3の中心軸線Zは交差している。
【0037】
先端面32に対するフランジ2の表面4の密着は、供給ロッド16に配置した進退動作式の永久磁石35によって行われる。ここでは永久磁石35は、インナ軸34の端部に埋め込むようにして取り付けてある。永久磁石35の端面も前記仮想平面上に配列されて、先端面32の一部を構成している。永久磁石35をこのように露出させるのではなく、カバー板で永久磁石35の表面を覆い、カバー板の表面が先端面32の一部を構成するようにしてもよい。
【0038】
上記永久磁石35に換えて、
図6に示すように、電磁石39を採用することも可能である。電磁石39は、供給ロッド16に埋め込んだ状態で取り付けられ、供給ロッド16内の導線40が供給ロッド16に固定した通電摺動部材41に結線してある。外筒17の内面に細長い通電静止部材42が取り付けられ、通電摺動部材41が接触している。通電静止部材42は、後述の進出ストロークに必要な長さに設定してあり、電源から伸びてきている導線43が結線されている。電磁石39の吸引力を消滅させるための通電を中止する方法としては、種々なものが採用できるが、所定ストロークで動作するセンサーからの信号を利用することが簡便である。
【0039】
供給ロッド16は傾斜状態で配置してあるので、その先端面32も傾斜している。先端面32の最も低い箇所である最低箇所に、位置決め用突起36が設けてある。位置決め用突起36は、供給ロッド16の傾斜の下側、すなわち中心軸線Yの下側に配置してあり、中空軸33から伸び出ている。位置決め用突起36には、フランジ2の外周部12を受け止める受け面37が形成されている。この受け面37は平坦な面であり、
図4(A)の紙面に対して垂直な向きに配置してある。位置決め用突起36は、フランジ2の外周部12が受け面37に受け止められているとき、供給ロッド16と軸状部品1の相対位置を設定している。つまり、位置決め用突起36は、供給ロッド16の傾斜にともなう先端面32の最低箇所に、フランジ2の外周部12を受け止めて、供給ロッド16と軸状部品1の相対位置を設定している。なお、永久磁石35の吸引力をボルト1に対してより強く作用させるために、中空軸33を非磁性材料で構成し、あわせて位置決め用突起36も非磁性材料製としてある。
【0040】
つぎに、永久磁石の進退構造について説明する。
【0041】
永久磁石35をフランジ2から離隔して、ボルト1に対する吸引力を、実質的に消滅させる。そのための構造としては、永久磁石35に細い棒材を結合し、棒材を進退させて永久磁石35をフランジ2から遠ざけたり、インナ軸34の端部にエアシリンダを結合して、インナ軸34を進退させたりするものなど、種々な構造が採用できる。ここでは、後者のインナ軸進退型である。
【0042】
前述のように、供給ロッド16は、中空管状の中空軸33内にインナ軸34が進退可能な状態で挿入してあり、インナ軸34に嵌合した規制ピン44が中空軸33に開けた長孔45を経て外筒17内に突き出ている。インナ軸34の上端部と中空軸33の内端面の間に圧縮コイルスプリング46が介装され、その張力はインナ軸34を押し出す方向に作用し、この張力でよって規制ピン44が長孔45の下端に当たっている。この状態で先端面32が平坦な吸着面を構成している。
【0043】
外筒17の外側面に、駆動手段であるエアシリンダ47が固定され、そのピストンロッド48に係合片49が結合してあり、外筒17に開けた長孔50を貫通して外筒17の内部に突出している。この係合片49と規制ピン44は、供給ロッド16が所定長さのストローク移動をしたら、規制ピン44が係合片49に対面できるように、両者の相対位置が設定されている。
【0044】
供給ホース22から供給管20に移送されてきたボルト1は、ストッパ部材23に当たって停止し、閉鎖位置にあるゲート部材25によって静止状態となる。ついで、エアシリンダ27の動作でゲート部材25が開くと、ボルト1は磁石29の吸引力により起立状態でほぼ水平方向に移行し、フランジ2が先端面32の近傍に達し、さらに、位置決め用突起36の受け面37の方へ進行して、フランジ2の外周部12が受け面37で受け止められるとともに、フランジ2の表面4が進出位置にある永久磁石35の吸引力で先端面32に引きつけられ密着する。
【0045】
その後、エアシリンダ19の動作で供給ロッド16が所定の長さにわたって進出して、最も進出した位置で停止する。すなわち、供給ロッド16の最進出停止位置において供給ロッド16が停止する。このときには軸部3の先端部分が後述のように、受入孔14に進入した状態になる。この段階では、規制ピン44が係合片49の直前で停止している。それからエアシリンダ47の縮小動作で係合片49が規制ピン44に当たると、インナ軸34は圧縮コイルスプリング46を押し縮めながら後退する。この後退によって、永久磁石35も後退し、ボルト1に対する吸引力が消滅する。
【0046】
つぎに、電気抵抗溶接電極について説明する。
【0047】
図示の電気抵抗溶接電極は、前述の符号8で示された固定電極である。クロム銅のような銅合金製導電性金属材料で作られた電極本体51は、円筒状の形状であり、断面円形とされ、静止部材18に差し込まれる固定部52と、鋼板部品9が載置されるキャップ部53が、ねじ部54において結合されている。電極本体51には断面円形のガイド孔55が形成され、このガイド孔55は、固定部52に形成された大径孔56と、この大径孔56よりも小径でキャップ部53に形成された小径孔11(前記ガイド孔11)によって構成されている。以下、小径孔、ガイド孔の両方に符号11を付している。
【0048】
鋼板部品9が載置される電極本体51の端面から突出し、鋼板部品9の下孔10を貫通する断面円形のガイドピン13が、ステンレス鋼のような金属材料またはセラミック材料などの耐熱硬質材料で構成されている。
【0049】
また、後述のように、大径孔56に対して摺動状態で進退する断面円形の摺動部材57が、耐熱性に優れた絶縁性合成樹脂材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(商品名=テフロン)によって構成されている。別の材料として、ポリアミド樹脂の中から、耐熱性、耐摩耗性にすぐれた樹脂を採用することも可能である。
【0050】
摺動部材57の中心部にガイドピン13を差し込んで、ガイドピン13と摺動部材57の一体化が図られている。ガイドピン13を摺動部材57に一体化する構造としては、摺動部材57のインジェクション成型時に、ガイドピン13を一緒にモールドインする方法や、ガイドピン13に結合ボルト構造部を設ける方法など、種々なものが採用できる。ここでは、後者の結合ボルト構造部のタイプである。
【0051】
すなわち、ガイドピン13の下端部にこれと一体的にボルト58が形成され、摺動部材57の底部材59にボルト58を貫通し、ワッシャ60を組み付けてロックナット61で締め付けてある。摺動部材57は、固定電極8と対をなす可動電極が動作して溶接電流が通電されたときに、電流がボルト1の溶着用突起5から鋼板部品9にのみ流れるように、絶縁機能を果たしている。
【0052】
圧縮コイルスプリング63は、ワッシャ60とガイド孔55の内底面の間に嵌め込まれており、その張力が摺動部材57に作用している。なお、符号64は、ガイド孔6の内底面に嵌め込んだ絶縁シートを示している。圧縮コイルスプリング63の張力が、後述の静止内端面に対する可動端面の加圧密着を成立させている。圧縮コイルスプリング63は、加圧手段であり、これに換えて圧縮空気の圧力を利用することも可能である。
【0053】
小径孔11とガイドピン13との間に通気隙間15が形成され、ガイドピン13が押し下げられたときに冷却空気がこの隙間15を流れるようになっている。
【0054】
冷却空気をガイド孔55に導く通気口65が、固定部52が形成してある。大径孔56と摺動部材57の摺動箇所に通気路を確保するために、摺動部材57の外周面に中心軸線X方向の凹溝を形成することもできるが、ここでは
図2(B)に示すように、摺動部材57の外周面に中心軸線X方向の平面部66を形成して、平面部66と大径孔56の円弧型内面で構成された空気通路67が形成されている。このような平面部66を90度間隔で形成して、4箇所に空気通路67を設けている。
【0055】
ガイド孔55の大径孔56と小径孔11の境界部に環状の静止内端面68が形成されている。また、摺動部材57の上面に環状の可動端面69が形成されている。静止内端面68と可動端面69は、電極本体51の中心軸線(受入孔14の中心軸線X)が垂直に交わる仮想平面上に配置してあり、圧縮コイルスプリング63の張力によって可動端面69が静止内端面68に対して環状状態で密着し、この密着によって冷却空気流が封止されている。
【0056】
受入孔14に挿入されたボルト1は、軸部3が受入孔14の内底面に突き当たっており、ここで可動電極の進出でフランジ2が押し下げられると、圧縮コイルスプリング63を縮めながらガイドピン13が後退して溶着用突起5が鋼板部品9に押し付けられる。その後、溶接電流が通電されてボルト1が鋼板部品9に溶接される。このときに可動端面69が静止内端面68から離れて、冷却空気の流通がなされる。
【0057】
つぎに、軸部の先端部分の停止位置について説明する。
【0058】
供給ロッド16の最進出停止位置が、軸部3の先端部分が受入孔14に進入した位置となるように、供給ロッド16の進出長さが設定してある。
図3に示すように、同図(A)は、軸部3の先端部分が受入孔14の上位に進出した状態を示している。さらに進出すると、同図(B)や(B1)に示すように、軸部3の先端部分が受入孔14に進入する。
【0059】
軸部3は傾斜しているので、軸部3の平坦な下端面6も傾斜しており、これによって低位側角部7Aと高位側角部7Bが形成される。下端面6の角部は環状であり、その最も低い箇所が低位側角部7Aであり、また、最も高い箇所が高位側角部7Bである。軸部3の先端部分が受入孔14に進入している状態は、同図(B1)に示すように、低位側角部7Aだけが受入孔14に入り込み、高位側角部7Bは受入孔14には入り込んでいない状態になっている。すなわち、高位側角部7Bは受入孔14の開口円から直径方向にずれた状態になっており、これによって、低位側角部7Aと受入孔14の内面との間に空間部70が形成される。換言すると、高位側角部7Bが受入孔開口から直径方向にずれた状態、つまりはみ出た状態になっている。よって、後述の初期円弧移動の際に高位側角部7Bが円弧移動をして、軸部3と受入孔14の相対位置が挿入可能な状態に設定される。平面図的に見ると、受入孔14の開口円に対し、高位側角部7Bが開口円から外側にずれ出ており、低位側角部7Aが開口円の内側に位置していて、そこに空間部70が形成されている。
【0060】
なお、軸部3の先端部分が受入孔14に進入しているとか、軸部3の先端部分の低位側角部7Aだけが受入孔開口部に入り込んでいるという状態は、前述のように、軸部3の先端部分や低位側角部7Aが、受入孔開口端に存在する仮想平面から受入孔内空間に入り込んでいる状態を意味している。
【0061】
つぎに、初期円弧移動と落下円弧移動について説明する。
【0062】
図4に示すように、受け面37は供給ロッド16が傾斜していることによって、フランジ2の外周部12を下側から受け止める状態になる。このため、永久磁石35や電磁石39の吸引力が消滅した瞬間には、ボルト1の荷重Wが荷重成分W1と荷重成分W2に分解されるので、このうちの荷重成分W2によって外周部12と受け面37の接触箇所がずれないで接触状態が維持される。この状態で永久磁石35や電磁石39の吸引力が消滅するので、
図3(C)に示すように、フランジ2の外周部12が受け面37に接触した箇所が支点になって、ボルト1全体が円弧移動をする。この移動が初期円弧移動である。この初期円弧移動の際に、空間部70が狭くなり、それにともなって高位側角部7Bが受入孔14の開口円の内側に移動し、軸部先端部と受入孔14の位置関係が挿入可能な状態に設定される。つまり、同図(C1)に実線で示す状態になる。
【0063】
図3(D)に示すように、初期円弧移動に引き続いて外周部12が受け面37から離れて円弧移動をしながら軸部3が鉛直方向に近づくように変位してゆく。これが落下円弧移動である。同図(E)に示すように、実線図示のフランジ位置が先端面32に密着している状態を示し、つぎの2点鎖線位置が初期円弧移動の状態を示し、さらにつぎの2点鎖線位置が落下円弧移動の状態を示している。軸部3が鉛直方向に近づきながら受入孔14に挿入されてゆく。
【0064】
図4(B)は、受け面37に凹溝71が形成され、ここに外周部12が嵌まり込んでいる事例である。こうすることによって、初期円弧移動の移動支点が下方にずれないようにしている。
【0065】
なお、
図3は見やすくするために、断面部分のハッチング記載を行っていない。
【0066】
つぎに、軸部の先端部分の停止位置を変形した例を説明する。
【0067】
図5(B)に示すように、供給ロッド16の最進出停止位置が、軸部3の先端部分全体が受入孔14に入り込んだ状態とされている。この場合には、軸部3の高位側角部7Bが、供給ロッド16の傾斜方向とは反対側の受入孔14の内面に接触し、前述のような空間部70が形成されている。
【0068】
上記各種のエアシリンダに換えて、進退出力をする電動モータを採用することもできる。また、各エアシリンダに接続される作動空気の給排管の図示は省略してある。
【0069】
上述の供給ロッド16の進退用エアシリンダ19の動作や、係合片49の進退用エアシリンダ47の動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行うことが可能である。制御装置またはシーケンス回路からの信号で動作する空気切換弁や、エアシリンダの所定位置で信号を発して前記制御装置に送信するセンサー等を組み合わせることによって、所定の動作を確保することができる。
【0070】
以上に説明した実施例の作用効果は、つぎのとおりである。
【0071】
供給ロッド16が最も進出した最進出停止位置に位置しているときには、軸部3の先端部分が受入孔開口部に進入しており、それと同時に、フランジ2は供給ロッド先端面の最低箇所に設けた位置決め用突起36に受け止められている。この状態でボルト1に対する永久磁石35または電磁石39の吸引力を消滅させると、フランジ外周部12が位置決め用突起36に接触した状態で初期円弧移動が開始され、この移動によって軸部先端部が受入孔開口部に入り込み、軸部先端部と受入孔14の位置関係が挿入可能な状態に設定される。上記初期円弧移動に引き続いて、フランジ2の表面4が供給ロッド先端面32から離れながら落下円弧移動に移行し、軸部3の中心軸線Zが鉛直方向に近づきながら、受入孔14に挿入される。
【0072】
供給ロッド16の傾斜配置によって、軸部3の中心軸線Zが受入孔14の中心軸線Xに対して、傾斜した状態になっているが、初期円弧移動によって、軸部先端部と受入孔14の位置関係が挿入可能な状態に設定されるので、軸部先端が受入孔14の開口角部に当たるようなことが回避できる。さらに、落下円弧移動においては、軸部3の中心軸線Zがほぼ鉛直方向とされた受入孔14の中心軸線Xに近づくので、軸部3は受入孔14内へ滑らかに挿入される。
【0073】
上記のように、初期円弧移動によって軸部先端部と受入孔14の位置関係が挿入可能な状態に設定され、しかも落下円弧移動によって軸部3の中心軸線Zが鉛直方向に近い起立状態となるので、軸部3の直径寸法と受入孔14の内径寸法の差が僅かであっても、軸部3の挿入が可能となる。したがって、受入孔14の直径方向におけるボルト1の位置ずれ量を最小化して、ボルト1と受入孔14が形成された部材との相対位置を正確に維持することができる。
【0074】
供給ロッド16が進出したときの振れ変位が大きくなっても、軸部下端の一部分が受入孔14に進入しているとともに、初期円弧移動によって軸部3と受入孔14の相対位置が挿入可能な状態に設定されるので、軸部3の挿入が初期の段階から確実に遂行され、落下円弧移動の段階では軸部3の中心軸線Zが鉛直方向に近づき、円滑な挿入が実現する。
【0075】
さらに、軸部3の先端部分が受入孔14に差し込まれた箇所で供給ロッド16の進出が停止するので、停止位置は上記受入孔14への差し込みが成立しておればよく、したがって、供給ロッド16の停止位置が前後にばらついたとしても、支障なく円弧移動動作がなされて、信頼性の高い供給ロッド16の動作が確保できる。
【0076】
電気抵抗溶接電極の中空ガイドピン13に設けられた受入孔14に、ボルト軸部3を挿入するものであるから、軸部3のガイドピン13に対する直径方向の位置ずれ量が最小化される。これによって、軸部3と電極上に載置された鋼板部品9の相対位置が正確に設定できる。
【0077】
供給ロッド16の最進出停止位置が、軸部3の先端部分が受入孔14に進入した位置となるように、供給ロッド16の進出長さが設定されている。ここで、軸部3の先端部分が受入孔14に進入した位置状態を、軸部3の先端部分の低位側角部7Aだけが受入孔開口部に入り込み、高位側角部7Bを受入孔開口から直径方向にずれた状態にすることにより、受入孔内径に対して、軸部直径をできるだけ近づけることが可能となる。換言すると、高位側角部7Bが受入孔開口円から直径方向にずれた状態、つまりはみ出た状態になっていても、初期円弧移動の際に空間部70を縮めながら高位側角部7Bが円弧移動をして、軸部3と受入孔14の相対位置が挿入可能な状態に設定される。したがって、軸部3と受入孔14の内面との隙間を最小化することができて、ボルト1と受入孔14が形成された部材との相対位置を正確に維持することができる。前述の各部寸法とされたボルト1の軸部3は、受入孔14の内面との間に環状の空隙を形成しているが、この空隙寸法は、0.5mmであり、軸部3の偏心量を最小化することができると判断される。
図8に示した従来例の方式であると、前記各部寸法のボルトの空隙寸法は、0.8〜1.0mmが必要になるものと推定される。
【0078】
図7に示すように、軸部3のねじ山部分が受入孔14の開口縁部にひっかかると、受入孔14に差し込めない場合が発生する。
図3(B)や(B1)に示した空間部70や、
図5(B)に示した軸部挿入位置であると、ねじ山部分が受入孔14の開口縁部にひっかかることが回避できる。
【0079】
軸状部品の供給方法についての実施例の作用効果は、軸状部品用供給ロッドの実施例の作用効果と同じである。