(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6452197
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】鉄道車両の誤乗注意喚起装置及び誤乗注意喚起方法
(51)【国際特許分類】
B61D 37/00 20060101AFI20190107BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20190107BHJP
G09F 13/20 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
B61D37/00 G
G09F9/00 362
G09F13/20 Z
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-66828(P2015-66828)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-185761(P2016-185761A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2018年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】712004783
【氏名又は名称】株式会社総合車両製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】城田 一
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】中島 庸祐
【審査官】
川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3100712(JP,U)
【文献】
特開平11−238195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 37/00
G09F 9/00
G09F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の乗客乗降用のドアの鴨居の下面に沿って、当該車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーのうち当該車両が実際に走行する路線に対応する色で帯状に発光する、発光色可変表示器を備えることを特徴とする鉄道車両の誤乗注意喚起装置。
【請求項2】
前記発光色可変表示器の発光面は、少なくとも一部が、その法線方向を室外側に向けて傾斜させる態様で設置されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置。
【請求項3】
前記鴨居の下面は、その法線方向が室外側に向けて傾斜させる態様で構成されていることを特徴とする請求項2記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置。
【請求項4】
前記発光色可変表示器の発光面は、車幅方向の断面形状が、多角形ないし円弧状に形成され、前記鴨居の下面から突出していることを特徴とする請求項2又は3記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置。
【請求項5】
前記発光色可変表示器は、前記鴨居の全幅に渡り設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置。
【請求項6】
前記発光色可変表示器の制御装置には、少なくとも前記乗客乗降用のドアの開放時に、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーに対応する色を、当該車両が実際に走行する路線に対応して、前記発光色可変表示器により表示する制御ロジックと、前記ドアの開閉動作時に、注意喚起用の色を、前記発光色可変表示器により表示する制御ロジックとが含まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置。
【請求項7】
駅構内の各所及び鉄道車両の車内において、当該車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーを列記した対照表を設置し、又は、当該車両が走行する路線に割り当てられたラインカラーについて音声案内を行い、少なくとも乗客乗降用のドアの開放時に、当該車両が走行する路線に割り当てられた色を、請求項1から6のいずれか1項記載の鉄道車両の誤乗防止装置により表示することを特徴とする鉄道車両の誤乗注意喚起方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の乗客に対する行き先表示機能を強化することにより、行き先の異なる列車への誤乗の発生を防止する、誤乗注意喚起装置及び誤乗注意喚起方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄道車両の車体側面に、その列車が走行する路線に割り当てられたラインカラーを帯状に表示することが行われている。
一方、近年では、他路線や他社との相互直通運転が様々な路線で実施されるようになり、ある路線を走行する列車の帯状の表示とその路線のラインカラーとが、必ずしも一致しないような状況も発生し、乗客の誤乗を誘発する一因ともなっている。
そこで、車体側面の帯状の表示体の色を可変とする技術も発案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−188645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車体側面に設置する帯状の表示体は大掛かりであり、十分な耐候性を持たせる必要があることから、設置やメンテナンスに大きなコストを要するものである。又、列車に対する乗車時には、乗客は乗降用ドアの前にたってドアの開放を待つが、ドアには表示体が設けられていないことから、乗客の視界にラインカラーが入らない場合もあり、車体側面に乗客の注意が向いていないと、誤乗を誘発し得ることとなる。更に、近年のホームドアの普及に伴い、車体側面に帯状に配されたラインカラーが、ホームドアと共に設置される柵によって隠されてしまう場合もある。
【0005】
誤乗注意喚起は、従来からも、構内放送や車内放送による音声案内によってなされているが、より多くの誤乗注意喚起情報を乗客に提供することが、誤乗をより確実に防ぐ上で望ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鉄道車両の乗車時において、乗客に対して誤乗注意喚起をより確実に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)鉄道車両の乗客乗降用のドアの鴨居の下面に沿って、当該車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーのうち当該車両が実際に走行する路線に対応する色で帯状に発光する、発光色可変表示器を備える鉄道車両の誤乗注意喚起装置(請求項1)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置は、乗客乗降用のドアの鴨居の下面に沿って設けられた、発光色可変表示器が、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーのうち、その車両が実際に走行する路線に対応する色に発光するものである。このため、乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲には、ドアの鴨居の下面で帯状に発光する、発光色可変表示器の発光色が明確に示される。そして、その発光色がラインカラーを示すものであることから、乗車待ちの乗客には誤乗の気づきを促し、又は、正しい車両であることを認識させるものとなる。
【0008】
しかも、乗客の頭上に発光色可変表示器の発光色が明確に示されることから、混雑時であっても、乗客の視界には発光色可変表示器の発光色が明確に表示されるものである。又、ドアの鴨居の下面がラインカラーに発光することで、車内の乗客の視界の範囲にも発光色可変表示器の発光色が明確に示され、乗車待ちの乗客のみならず、乗車中の乗客にも誤乗の気づきや、正しく乗車していることの確認を促すものともなる。
【0009】
(2)上記(1)項において、前記発光色可変表示器の発光面は、少なくとも一部が、その法線方向を室外側に向けて傾斜させる態様で設置されている鉄道車両の誤乗注意喚起装置(請求項2)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置において、帯状に発光する発光色可変表示器の発光面は、発光面の少なくとも一部が、その法線方向を室外側に向けて傾斜させる態様で設置されていることから、乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲に、発光色可変表示器の発光色を明確に示すものとなる。
【0010】
(3)上記(2)項において、前記鴨居の下面は、その法線方向が室外側に向けて傾斜させる態様で構成されている鉄道車両の誤乗注意喚起装置(請求項3)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置は、鴨居の下面の法線方向が、室外側に向けて傾斜する態様で構成されていることで、鴨居の下面に沿って設けられた発光色可変表示器の発光面は室外側へと向き、乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲に、発光色可変表示器の発光色を明確に示すものとなる。
【0011】
(4)上記(2)(3)項において、前記発光色可変表示器の発光面は、車幅方向の断面形状が、多角形ないし円弧状に形成され、前記鴨居の下面から突出している鉄道車両の誤乗注意喚起装置(請求項4)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置は、発光色可変表示器の発光面は、車幅方向の断面形状が、多角形ないし円弧状に形成され、鴨居の下面から突出していることで、鴨居の下面に沿って設けられた帯状の発光面は、室外側からの視認性が良好となる。よって、乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲に、発光色可変表示器の発光色を明確に示すものとなる。又、本項の帯状の発光部が上記(3)項の前記鴨居の下面に配置されることで、発光色可変表示器の発光面は全体として室外側へと向き、より一層、乗客の視認性が向上するものとなる。
【0012】
(5)上記(1)から(4)項において、前記発光色可変表示器は、前記鴨居の全幅に渡り設けられている鉄道車両の誤乗注意喚起装置(請求項5)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置は、発光色可変表示器の発光面は、鴨居の全幅に渡り設けられていることで、乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界から発光色可変表示器の発光面が外れてしまうことを防ぎ、発光色可変表示器の発光色を明確に示すものとなる。
【0013】
(6)上記(1)から(5)項において、前記発光色可変表示器の制御装置には、少なくとも前記乗客乗降用のドアの開放時に、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーに対応する色を、当該車両が実際に走行する路線に対応して、前記発光色可変表示器により表示する制御ロジックと、前記ドアの開閉動作時に、注意喚起用の色を、前記発光色可変表示器により表示する制御ロジックとが含まれる鉄道車両の誤乗注意喚起装置(請求項6)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起装置は、少なくとも乗客乗降用のドアの開放時には、発光色可変表示器の発光面は、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーのうち、当該車両が実際に走行する路線に対応する色で発光するように、制御装置により制御される。よって、乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲には、ドアの鴨居の下面で帯状に発光する、発光色可変表示器の発光色が明確に示される。又、ドアの開閉動作時には、発光色可変表示器の発光面は、注意喚起用の色(赤色等)で発光するように、制御装置により制御される。よって、ドアの開閉に際しての注意喚起を、車内外の乗客に対して促すものともなる。
【0014】
(7)駅構内の各所及び鉄道車両の車内において、当該車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーを列記した対照表を設置し、又は、当該車両が走行する路線に割り当てられたラインカラーについて音声案内を行い、少なくとも乗客乗降用のドアの開放時に、当該車両が走行する路線に割り当てられたラインカラーを、上記(1)から(6)のいずれか1項記載の鉄道車両の誤乗防止装置を用いて表示する鉄道車両の誤乗注意喚起方法(請求項7)。
本項に記載の鉄道車両の誤乗注意喚起方法は乗客乗降用のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲には、発光色可変表示器のラインカラーに対応する発光色が明確に示される。よって、発光色可変表示器の発光色を視認した乗客は、駅構内の各所及び鉄道車両の車内に設置された、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーを列記した対照表又は音声案内を拠り所として、その車両に乗車すべきか否かを判断する一助となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、鉄道車両の乗車時において、乗客に対して誤乗注意をより確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る、鉄道車両の誤乗注意喚起装置の、乗客乗降用のドアの鴨居の下面に沿って設けられた、発光色可変表示器を示すものであり、(a)は鴨居部の概略図、(b)は鴨居部の下面を見上げた状態を示す概略図である。
【
図2】
図1に示される鴨居部及びドアの概略断面図であり、(a)は一実形態を、(b)別の実施形態を示すものである。
【
図3】本発明の実施の形態に係る、鉄道車両の誤乗注意喚起装置の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは、相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
【0018】
本発明の実施の形態に係る鉄道車両の誤乗注意喚起装置10は、
図1に示されるように、鉄道車両の乗客乗降用のドア12の鴨居14の下面14aに沿って、その鉄道車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラー(例えば、青、緑、黄色、オレンジ等)を、当該車両が実際に走行する路線に対応して表示する帯状の発光面を含む、発光色可変表示器16が設置されている。発光色可変表示器16の帯状の発光面16aは、例えば、LEDを光源とする透明な棒状の導光体により構成されるものであり、図示の例では、連続帯状をなしている。又、発光色可変表示器16は、点状又は短い線状の発光部が並ぶことで、全体として帯状の発光面16aを構成するものであっても良い。そして、発光色可変表示器16の発光面16aの長さは、鴨居14の全幅に渡るように設けられていることが望ましいが、複数に分割されて断続的に設けられていても良い。なお、発光面16aの幅は、視認性や他の部品との取り合い等を考慮して、適宜設定される。
【0019】
又、
図2に示されるように、発光色可変表示器16の発光面16aは、少なくとも一部が、その法線方向を室外側に向けて傾斜させる態様で設置されている。具体的には、
図2(a)の例では、鴨居14の下面14aは、その法線方向C
14が室外側(OUT)に向けて傾斜させる態様で構成されている。このため、発光色可変表示器16の発光面16aが、図示のごとく平坦な態様のものである場合に、発光面16aの法線方向C
16も室外側(OUT)へと向き、発光面16aが室外側(OUT)へと向くことになる。なお、図示の例では、発光色可変表示器16の発光面16aは、鴨居14の下面14aから突出しているが、鴨居14の下面14aと面一であっても良い。
【0020】
これに対し、
図2(b)の例では、鴨居14の下面14aは、その法線方向C
14が鉛直方向を向いている。又、発光色可変表示器16の発光面16aは、車幅方向の断面形状が、多角形ないし円弧状(図示の例では三角形)に形成される態様で、鴨居14の下面14aから突出している。このため、発光面16aの一部の法線方向C
16は室外側(OUT)へと向き、発光面16aの一部が室外側(OUT)へと向くことになる。
なお、
図2(a)の鴨居14の下面14aに、
図1(b)の発光色可変表示器16の発光面16aを組み合わせて用いることとしても良い。
【0021】
誤乗注意喚起装置10の全体構成は、
図3に示されるように、鉄道車両の複数の乗客乗降用のドア毎に発光色可変表示器16が設置され、各表示器が、制御装置18によって駆動されるものである。制御装置18は、電子演算器により構成され、列車の種別、行き先、編成、ダイヤ等の情報が収納された列車運行情報装置20、及び、ドア12の開閉制御に係るドア開閉装置22と連携している。
そして、制御装置18、列車運行情報装置20及びドア開閉装置22は、いずれも鉄道車両に搭載されるものであるが、必要に応じて鉄道車両の外部に設置され、適宜、発光色可変表示器16と情報交換を行うものであっても良い。
【0022】
又、制御装置18には、列車運行情報装置20からの、当該列車の運行情報や、ドア開閉装置22からの開閉制御信号等、適切な情報信号を受けて、少なくとも乗客乗降用のドア12の開放時に、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーに対応する色を、当該車両が実際に走行する路線に対応して、発光色可変表示器16により表示する制御ロジック18aと、ドア12の開閉動作時に、注意喚起用の色(例えば赤)を、発光色可変表示器により表示する制御ロジック18bとが含まれる。
なお、ドア12の開閉動作時の制御ロジック18bとして、ラインカラーに対応する色をそのまま用い、点灯又は点滅のパターンを変化させる、例えば、点滅や輝度の強弱に変化を与える、或いは、帯状の発光色可変表示器16の端部から中央部に向かって点滅パターンを移動させる等の、様々な発光パターンで駆動を行うものであっても良い。又、制御装置18を、ドア12の上方に設けられる、情報提供用のディスプレー24(
図1(a)参照)のドライバと共用することとしても良い。
【0023】
更に、誤乗注意喚起装置10の運用共に、駅構内の各所及び鉄道車両の車内において、当該車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーを列記した対照表26(
図1(a)参照)を設置し、又は、当該車両が走行する路線に割り当てられたラインカラーについて、音声案内を行うこととする。
【0024】
さて、上記構成を有する本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、本発明の実施の形態に係る鉄道車両の誤乗注意喚起装置10は、乗客乗降用のドア12の鴨居14の下面に沿って設けられた、発光色可変表示器16が、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーのうち、その車両が実際に走行する路線に対応する色に発光するものである。このため、乗客乗降用のドア12の前で乗車を待つ乗客の視界の範囲には、ドア12の鴨居14の下面14aで帯状に発光する、発光色可変表示器16の発光色が明確に示されることとなる。そして、その発光色がラインカラーを示すものであることから、乗車待ちの乗客には誤乗の気づきを促し、又は、正しい車両であることを認識させるものとなる。
【0025】
しかも、乗客の頭上に発光色可変表示器16の発光色が明確に示されることから、混雑時であっても、乗客の視界には発光色可変表示器16の発光色が明確に表示されるものである。又、ドア12の鴨居14の下面14aがラインカラーに発光することで、車内の乗客の視界の範囲にも発光色可変表示器16の発光色が明確に示され、乗車待ちの乗客のみならず、車内(
図2(IN))に乗車中の乗客にも誤乗の気づきや、正しく乗車していることの確認を促すものともなる。
【0026】
又、帯状に発光する発光色可変表示器16の発光面16aは、少なくとも一部が、その法線方向C
16を室外側(OUT)に向けて傾斜させる態様で設置されていることから(
図2参照)、乗客乗降用のドア12の前で乗車を待つ乗客の視界の範囲に、発光色可変表示器16の発光色を明確に示すものとなる。
又、発光色可変表示器16の発光面16aは、鴨居14の全幅に渡り設けられていることで、乗客乗降用のドア12の前で乗車を待つ乗客の視界から発光色可変表示器16の発光面16aが外れてしまうことを可能な限り防ぎ、発光色可変表示器16の発光色を明確に示すものとなる。
【0027】
そして、少なくとも乗客乗降用のドア12の開放時には、発光色可変表示器16の発光面16aは、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーのうち、当該車両が実際に走行する路線に対応する色で発光するように、制御装置18により制御される。よって、乗客乗降用12のドアの前で乗車を待つ乗客の視界の範囲には、ドア12の鴨居14の下面14aで帯状に発光する、発光色可変表示器16の発光色が明確に示される。又、ドア12の開閉動作時には、発光色可変表示器16の発光面16aは、注意喚起用の色(赤色等)で発光するように、制御装置18により制御される。よって、ドア12の開閉に際しての注意喚起を、車内外の乗客に対して促すものともなる。
【0028】
そして、本発明の実施の形態に係る誤乗注意喚起方法によれば、乗客乗降用のドア12の前で乗車を待つ乗客の視界の範囲には、発光色可変表示器16のラインカラーに対応する発光色が明確に示される。よって、発光色可変表示器16の発光色を視認した乗客は、駅構内の各所及び鉄道車両の車内に設置された、車両が走行し得る路線毎に割り当てられたラインカラーを列記した対照表26又は音声案内を拠り所として、その車両に乗車すべきか否かを判断する一助となり、誤乗が防止されるものである。
【符号の説明】
【0029】
10:鉄道車両の誤乗注意喚起装置、 12:ドア、 14:鴨居、 14a:下面、
16:発光色可変表示器、 16a:発光面、 18:制御装置、 26:対照表、 C
16:発光色可変表示器の発光面の法線方向