特許第6452213号(P6452213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6452213
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
   A63F5/04 603E
   A63F5/04 602A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-116154(P2018-116154)
(22)【出願日】2018年6月19日
(62)【分割の表示】特願2016-99162(P2016-99162)の分割
【原出願日】2016年5月17日
(65)【公開番号】特開2018-138278(P2018-138278A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年6月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】乗田 惇史
(72)【発明者】
【氏名】森下 恭好
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 重之
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】小島 尚之
【審査官】 鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−176545(JP,A)
【文献】 特開2016−055082(JP,A)
【文献】 特開2016−054914(JP,A)
【文献】 特開2015−147121(JP,A)
【文献】 特開2014−161489(JP,A)
【文献】 特開2008−200402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部操作により設定された基準音量に対して、外部操作により所定範囲内で出力音量を選択決定する調整が可能な音量調整手段を備え、
前記音量調整手段は、
前記外部操作により前記出力音量を選択している途中で、遊技を進行させる操作であるベットボタンの操作またはスタートレバーの操作のうち、前記ベットボタンの操作により遊技が進行した場合、前記外部操作により選択している途中の前記出力音量を決定する遊技機。
【請求項2】
内部操作により設定された基準音量に対して、外部操作により所定範囲内で出力音量を選択決定する調整が可能な音量調整手段を備え、
前記音量調整手段は、
前記外部操作により前記出力音量を選択している途中で、遊技を進行させる操作であるベットボタンの操作またはスタートレバーの操作のうち、前記スタートレバーの操作により遊技が進行した場合、前記外部操作により選択している途中の前記出力音量を決定する遊技機。
【請求項3】
前記音量調整手段は、
電源復帰した場合、前記出力音量を、前記内部操作により設定された前記基準音量に復帰させる処理を行う請求項1または2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲、セリフ、効果音、BGM等の音声演出の音量を調整可能にした回胴式遊技機、その他のスロットマシン、ぱちんこ遊技機、アーケードゲーム機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、音声演出の音量を、遊技店側による裏側音量調節スイッチの内部操作により「大」「中」「小」何れかに設定し、この設定した基準音量に対して、遊技者による表側音量調節スイッチを外部操作することにより、規準音量「大」を最大とした大中小、規準音量「中」を最大とした大中小、基準音量「小」を最大とした大中小という組合せで調整可能にした遊技機が開示されている(段落0066等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−261808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のものは、遊技店側が設定した音量の範囲内において遊技者側の音量調整を可能とし、遊技店は周囲の状況等を考慮した音量を設定できるという効果を狙うものであり(段落0066等)、遊技店の周囲の状況は高騒音レベルにあるのが通例のため、基準音量「小」といえども、この「小」を最大値として大中小の調整を可能にするため、ある程度の音量を確保しておく必要がある。
【0005】
しかし、遊技機の開発・製造段階での画像デバッグ等の音声以外の製作現場、或は、遊技店から外されて個人の家庭等で遊技機が稼動される場面では、静寂環境下、遊技店での基準音量「小」で且つ外部操作で「小」にしてもかなり大きな音量となる。ここで、内部操作による基準音量の可変範囲をより広範囲にし、最低音量をより小さく設定できれば好都合と考えられるが、このようにした場合、遊技店において内部操作で「小」、外部操作でも「小」とされた場合、騒音レベルの高い遊技店ではほぼ消音の状態となる。音無しで適性に遊技を楽しめる善良な人にはこれでよいのかもしれないが、いわゆるゴト行為と称する不正によりボーナスやアシストタイム、大当り等を不正電波等で異常連荘させる悪者には音無しによりその異常連荘をカムフラージュさせてしまうことになり、不正のターゲットにされかねない。
【0006】
本発明の課題は、内部操作による基準音量の可変範囲を広くするも、遊技者による外部操作からは事実上の消音ができないようにし、不正を誘発させる恐れを低減できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、内部操作により設定された基準音量に対して、外部操作により所定範囲内で出力音量を選択決定する調整が可能な音量調整手段を備え、前記音量調整手段は、前記外部操作により前記出力音量を選択している途中で、遊技を進行させる操作であるベットボタンの操作またはスタートレバーの操作のうち、前記ベットボタンの操作により遊技が進行した場合、前記外部操作により選択している途中の前記出力音量を決定する。
【0008】
また、本発明の遊技機は、内部操作により設定された基準音量に対して、外部操作により所定範囲内で出力音量を選択決定する調整が可能な音量調整手段を備え、前記音量調整手段は、前記外部操作により前記出力音量を選択している途中で、遊技を進行させる操作であるベットボタンの操作またはスタートレバーの操作のうち、前記スタートレバーの操作により遊技が進行した場合、前記外部操作により選択している途中の前記出力音量を決定する。
【0009】
前記音量調整手段は、電源復帰した場合、前記出力音量を、前記内部操作により設定された前記基準音量に復帰させる処理を行うとよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明遊技機の斜視図。
図2】遊技機の制御装置のブロック図。
図3】実機カスタマイズ仕様の説明図。
図4】内部操作による基準音量と外部操作による調整音量の関係図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、遊技機規則、すなわち平成16年(2004年)1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年(1985年)2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に適合するスロットマシンである。以下、用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準ずる。
【0012】
遊技機筐体8Bは、ハニカムリアキャビネット8R及びキャビネット枠8W、扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、動画等をフルカラーで映し出す上部液晶表示装置71、サーチライトを模したドットマトリクス表示装置73、リールパネル8、展開及び収納可能な組ランプe1〜3をもつ左上可動ランプF1,同組ランプe4〜6をもつ右上可動ランプF2,同組ランプe7〜9をもつ左下可動ランプF3,同組ランプe10〜12をもつ右下可動ランプF4、左上ランプF5,右上ランプF6、リールパネル8を囲む門型ランプF7〜F11を備える。下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、演出用の下部液晶ボタンABを兼用し且つ上部液晶表示装置71と協働した動画等を表示させる可動式ビジョンATVから成る下部液晶表示装置72、その両脇のサイドランプF12,F13を備える。91〜94は楽曲、セリフ、効果音、BGM等を出音するスピーカ、8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿である。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。
【0013】
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に全部で21コマ又は20コマ若しくは16コマ配列した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。定常回転時を含む通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールする。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、例えば、中段ライン(左中−中中−右中)のみを有効ラインとしている。なお、他のラインを含めて2本以上のラインを有効ラインとしてもよい。
【0014】
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2i、エンターボタンbi・上下左右の移動ボタンb1〜4による十字キーbj・終了ボタンboをもち、音量、光量(画像輝度)等を選択変更できる実機カスタマイズボタンBT、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な規定数例えば3枚(3BET)の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジットに残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示(回転)を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2i下流のメダル詰り時に押すリジェクトボタン2R、ドアキー穴8Kを備える。
【0015】
また、現時のクレジット数を表示させるクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させると共に、アシストタイムAT作動時の正解押し順に対応したAT指示情報コードやエラー発生時のエラーコードを表示させるメインモニタMAを兼ねるペイアウト表示器DL2、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されて再遊技作動中となったとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。
【0016】
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2iからメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、規定数に達する。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能になる。規定数に達した状態からスタートレバー5を操作しないでメダル投入口2iにさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
【0017】
図2に示すように、遊技機筐体8Bの内部に組込む制御装置CNは、遊技の進行を管理し、メダルの投入、内部抽せん、入賞によるメダルの払出、再遊技の作動、役物の作動、アシストタイムATの作動等の遊技者利益に関係する主遊技制御を実行させる遊技機規則でいう主基板に対応するメイン側の主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報(コマンド)を受信して主制御装置MCでの決定事項に基づいて演出制御を実行させる遊技機規則でいう周辺基板に対応するサブ側の周辺制御装置SCとを含む。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。周辺制御装置SCは、主制御装置MCから信号を受信するが該主制御装置MCへは信号を送信しない。
【0018】
主制御装置MCは、読み出し専用のリードオンリーメモリROM及び読み書き可能なリードライトメモリーRWMを内蔵したZ80互換チップから成る8ビットのメインCPUを備え、例えば12MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。メインCPUは、基本的なZ80仕様に所定の遊技機用拡張仕様を適用している。
【0019】
メインCPUの入力ポートI1には、各リール1L,1C,1Rのインデックスセンサ11L,11C,11R(IDs)、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、メダル投入口2iから受入れたメダルを選別して検出するメダルセレクター2に設けるメダル投入センサーSEN0及びメダル通過センサーSEN1,2、メダルセレクター2からメダルを受け継いでメダル払出装置HPのメダルバケットに放出するRシュートに設けるRシュートセンサーSEN3、メダル払出装置HPの出口に設けるメダル払出センサーSEN4、フロントキャビネット8E,8Fの開放を検出するドア開閉スイッチSi1、内部抽せんでの当せん確率の組合せを高低6段階に設定する設定変更スイッチSi2、リセットスイッチSi3の各信号を入力している。出力ポートO1から、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を、モータドライバDr1を介して各リール1L,1C,1Rに駆動軸SHを結合させる各ステッピングモータ12L,12C,12R(SM)を、LEDドライバDr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバDr3を介してメダルセレクター2からメダルを離脱させてメダル受皿8Gに戻すブロッカー爪部28を突出させるブロッカーソレノイド28sを、モータドライバDr4を介してメダル払出モータHPmを各制御している。
【0020】
各インデックスセンサIDsは、各リールの内側に取付ける半円帯状のインデックスID(1Li,1Ci,1Ri)のオンエッジとオフエッジとを半周毎に検出し、最先のオンエッジ又はオフエッジの検出が全リールについてされた後、ストップボタン6L,6C,6Rの受付を可能にする。各ステッピングモータSMは、鉄芯外周に多数のロータ小歯をもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、磁極内周に複数のステータ小歯をもつ磁極にA相
、B相、C相(Aバー相(Aの反転相))、D相(Bバー相(Bの反転相))の巻線を巻回したステータSwとを有し、定常回転時、一の巻線をオンにする1相励磁と、一の巻線及び隣接する他の巻線をオンにする2相励磁とを、一タイマ割込み時間例えばt=1.49ms毎に交互に繰返す1−2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位させ、504のステップ更新で一回転させる。また、励磁パルスのステップ更新方向を変更することにより正転と逆転とを可能にしている。
【0021】
メインCPUのROM上には、メダル投入口2iから投入されたメダルを処理するメダル投入処理手段Mi、スタートレバー5の操作を契機に、ハード又はソフトウェア上で高速更新する例えば2バイトカウンタから抽出する乱数値が、その取り得る0〜65535の範囲内において役に対応づけて区分した何れの当せんエリアに属するかに応じて、入賞、再遊技の作動、役物の作動に係る何れかの当せん役又は不当せんを決定する内部抽せん手段K、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から4.1秒経過後に全リールを正転側に加速処理して定常回転速度に到達させる回胴回転装置制御手段V1と各リールを対応するストップボタンの操作により個別に停止させて有効ラインに当せん役に対応した図柄の組合せの表示を許容させる回転停止装置制御手段V2とを含むリール制御手段V、遊技結果が入賞なら所定配当数のメダルを払出すメダル払出手段Mo、遊技結果が再遊技の作動なら次ゲームの掛けメダルを同一規定数で自動投入するメダル自動投入手段Q、遊技結果が役物作動中等への移行を伴うのなら遊技状態を移行させる遊技状態移行手段J、所定のフリーズ抽せんにより当せん役別に定めた所定確率により各リールを逆回転等させる所定の回胴演出の当否を決定するフリーズ抽せん手段W、その当せんに係る回胴演出を実行させる回胴演出実行手段Gを設けている。
【0022】
また、メインCPUのROM上には、アシストタイムATの作動を内部当せん役等と関連付けた所定作動条件下で決定するAT作動決定手段H1、アシストタイムATの作動を延長させることとなる継続ゲーム数等の上乗せを内部当せん役等と関連付けた所定上乗せ条件下で決定するAT上乗せ決定手段H2、アシストタイムATの作動決定から作動終了までを管理するAT継続管理手段H3、押し順役についての正解押し順等のAT指示情報を主制御装置MCで管理するペイアウト表示器DL2の表示機能を借りて構築するメインモニタMAに出力させると共に周辺制御装置SCで管理する上部液晶表示装置71等に出力させるAT指示情報出力手段H4を設けている。さらに、主制御装置MCで検出するエラーに基づいて所定のエラー処理を実行するメイン側エラー管理手段Er1を設けている。
【0023】
周辺制御装置SCは、外付けする読み出し専用のリードオンリーメモリROMと、内蔵及び外付けする読み書き可能なリードライトメモリーRWMをもつ32ビットRISC(Reduced Instruction Set Computer)チップマイコンから成るサブCPUを備え、例えば約200MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。サブCPUは、リアルタイムオペレーティングシステムRTOS(Real−Time Operating System)の管理下、画像演出や音声演出等に関するタスクに割当てるCPU時間、優先順位を制御することにより、適切且つ効率的なタスクの並行処理を可能にしている。
【0024】
サブCPUの入力ポートI2には、主制御装置MCからの送信情報、メダル払出装置HPからオーバーフローする余剰メダルを貯める補助収納庫50に設けるオーバーフローセンサーSEN5、実機カスタマイズボタンBT、下部液晶ボタンABの信号を入力している。主制御装置MCからの送信情報すなわち周辺制御装置SCの受信情報には、メイン側初期化完了情報、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズ及び回胴演出情報、AT作動情報、AT指示情報、AT上乗せ情報、AT終了情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は決定若しくは実行する各種情報が含まれる。なお、オーバーフローセンサーSEN5は、厳密には、その受光部5rを入力ポートI2に接続し、その発光部5hは出力ポートO2に接続している。
【0025】
サブCPUは、I2Cのマイクロコントローラとしても機能し、CPU内蔵I2CのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに、リアルタイムクロックRTCを接続している。シリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAとは、それぞれ、抵抗rpを介してサブCPUの主動作電位vdd=3.3Vにプルアップしている。リアルタイムクロックRTCの時計機能は、遊技機の電源オンオフに拘らず、二次電池等のバックアップ電源Btにより例えば10年以上の長期間にわたり継続的に維持される。
【0026】
サブCPUのROM上には、主制御装置MCからの受信情報に基づいて、上部液晶表示装置71にAT指示情報出力手段H4から出力するAT指示情報に従ったナビ例えば正解押し順が「左中右」ならストップボタン位置に対応させて「123」等を表示させる表示ナビ手段X1、この表示ナビに連動してスピーカ91〜94から操作すべきストップボタンが左か中か右かを音声で知らせる音声ナビ手段X2、遊技状態、回胴演出、AT期間等に応じて液晶表示装置71,72及びドットマトリクス表示装置73に映し出す動画展開等を変更表示させる画像演出手段X3、これに連動して各種ランプF1〜F13の点灯及び発光色を制御するランプ演出手段X4、スピーカ91〜94から楽曲、セリフ、効果音、BGM等を出音させる音声演出手段X5、可動ランプF1〜F4の展開及び収納を制御するメカ演出手段X6、下部液晶ボタンABの押圧に連動させて振動発生装置90を駆動する振動演出手段X7等を設けている。
【0027】
画像演出手段X3には、液晶表示装置71,72又はランプF1〜13の光量すなわち明るさを実機カスタマイズボタンBTを用いた遊技者の外部操作により段階的に調整する光量調整手段X31を設けている。音声演出手段X5には、楽曲、セリフ、効果音、BGM、さらにAT作動時の音声ナビを含むスピーカ91〜94から出音する音量を後記ボリュームスイッチSvを用いた遊技場係員による内部操作と実機カスタマイズボタンBTを用いた遊技者による外部操作とにより段階的に調整する音量調整手段X51を設けている。この音量調整手段X51は、ボリュームスイッチSvによる内部操作により所定の可変範囲内で設定する基準音量に対して、実機カスタマイズボタンBTによる外部操作により所定範囲内で調整可能にしている。実機カスタマイズボタンBTによる外部操作は、内部操作による基準音量よりも小さい音量への変更の指示を含む所定の音量範囲内で段階的に変更を指示する仕様にしている。より具体的には、内部操作による基準音量を最大音量として所定の音量範囲内で段階的に変更を指示する仕様にしている。音声演出手段X5には、さらに、実機カスタマイズボタンBTによる外部操作により基準音量の可変範囲の最低値を下回ることに相当する段階に変更の指示がされたとき、基準音量の最低値以上の音量に補正する音量補正手段X52を設けている。
【0028】
サブCPUのCPU内蔵バスにはI2CコントローラI2Cnを接続しており、そのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAを、表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯10L,10C,10Rの背面から照明するリールバックランプBL1〜9を制御するLEDドライバDr5、可動ランプF1〜4を制御するLEDドライバDr6、その他の上フロントキャビネット8Eに設けるランプF5〜11を制御するLEDドライバDr7、下フロントキャビネット8Fに設けるランプF12,13を制御するLEDドライバDr8の各シリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに接続している。
【0029】
上部液晶表示装置71及び下部液晶表示装置72は、VDP(Video Display Processor)、出力ポートO2、LCDドライバDr9,10を介して制御している。LCDドライバDr9,10は、各液晶表示装置71,72のバックライトユニットの光源となる冷陰極管等のランプの点灯を制御するインバータ回路Bi1,Bi2を含む。ドットマトリクス表示装置73は、出力ポートO2、LEDドライバD11を介して制御している。可動ランプF1〜4を駆動するステッピングモータm1〜4は、出力ポートO2、モータドライバDr12を介して制御している。振動発生装置90は、出力ポートO2、モータドライバDr13を介して制御している。下部液晶ボタンABをロックしてその押圧を禁止する下部液晶ボタンロッカーARは、出力ポートO2、ソレノイドドライバDr14を介して制御している。スピーカ91〜94からの音声は、音声ROM、D/Aコンバータda(デジタル/アナログ変換器)、デジタル可変抵抗器Vs、パワーアンプApにより制御している。
【0030】
音声ROMは、楽曲、セリフ、効果音、BGM、音声ナビ等の音源データを記憶している。デジタル可変抵抗器Vsは、音量調整手段X51及び又は音量補正手段X52からCPU内蔵バスを介して送られるアップ信号又はダウン信号に基づいて抵抗値を複数段階例えば10段階に変更する。ボリュームスイッチSvはその10段階の抵抗値を初期設定する。デジタル可変抵抗器Vsは、D/Aコンバータdaで変換するアナログ信号の振幅を調整してパワーアンプApに入力させる。よって、スピーカ91〜94からの音量は最大から最小まで10段階について変更できる。ボリュームスイッチSvで初期設定した抵抗値に対応した音量が基準音量となり、実機カスタマイズボタンBTによる外部操作では、基準音量を最大音量として所定の音量範囲内の例えば5段階について段階的に変更を指示し、実際の音量を調整することになる。なお、デジタル可変抵抗器Vsに代え、パワーアンプApとスピーカ91〜94を結ぶ回路に内部操作で抵抗値を設定する可変抵抗器と外部操作で抵抗値を設定する可変抵抗器とを直列又は並列に接続して構成してもよい。
【0031】
図3に示すように、実機カスタマイズボタンBTのエンターボタンbiを、カスタマイズ受付可能時(エンターボタンbiの点灯時)に押すと、メニュー画面を表示し、十字キーbjによるカソール移動により所望のメニューを選び、エンターボタンbiを押して決定すると、各選択メニュー画面に移る。選択可能なメニューには、音量調整、光量調整、下パネルカスタム、キャラクター選択、有効ライン・配当表、遊技履歴を用意している。戻るは遊技画面に戻る。なお、メニューは、他に、楽曲選択、スマートフォンや携帯電話等のモバイルと連携したオプションサービス等を含めてもよい。
【0032】
音量調整は、スピーカ91〜94からの音量を複数段階ここでは5段階に調整でき、デフォルト設定は「+5」となっている。この「+5」の音量は、ボリュームスイッチSvによる設定値に対応した基準音量と同じ音量になる。十字キーbjで数値を下げることにより、「+4」「+3」「+2」「+1」と一段階ずつ音量を減少させることができる。「+4」は基準音量より1段階音量を低下させ、「+3」は基準音量より2段階音量を低下させ、「+2」は基準音量より3段階音量を低下させ、「+1」は基準音量より4段階音量を低下させる。一旦減少した音量も、基準音量を上限に増加させることができる。
【0033】
光量調整は、上下の液晶表示装置71,72又はランプF1〜13の明るさを複数段階ここでは5段階に調整でき、デフォルト設定は「+5」となっている。この「+5」は、輝度が100%の最も明るい設定としている。十字キーbjで数値を下げることにより、「+4」「+3」「+2」「+1」と一段階ずつ光量を減少させることができる。「+4」は輝度が概ね80%、「+3」は輝度が概ね60%、「+2」は輝度が概ね40%、「+1」は輝度が概ね25%となる。一旦減少した光量も、輝度100%を上限に増加させることができる。
【0034】
下パネルカスタムは、下部液晶表示装置72に通常時表示させる下パネル画面を画像1〜10等の複数の選択肢から選択変更するものであり、十字キーbjで所望のパネルを選択後、エンターボタン押下で選択した下パネルで遊技が可能になる。図示は省略するが、キャラクター選択は、上部液晶表示装置71の右下等に常時表示させるお気に入りのキャラクターを複数の選択肢から選べる。有効ライン・配当表は、有効ラインと、入賞、再遊技の作動、役物の作動に係る図柄の組合せ及び入賞の場合に払出されるメダル枚数を明示した配当表の確認ができる。遊技履歴は、本日営業開始からの総ゲーム数やアシストタイムATやボーナスの作動回数等を確認できる。
【0035】
図4に、音量調整の仕様をまとめる。遊技場係員によるボリュームスイッチSvの内部操作により、最大音量10から最少音量1まで10段階について基準音量を初期設定できる。最少音量1は、騒音レベルの高い遊技場においても消音とはならず、遊技機の周辺で音を確認できる。備考2に示すように、基準音量が音量5以上のとき、遊技者による実機カスタマイズボタンBTの外部操作により、基準音量と同じ「+5」から4段階低い「+1」までの5段階について音量調整ができる。備考1に示すように、基準音量が音量5未満のとき、外部操作により基準音量の可変範囲の最低値である音量1を下回ることに相当する段階に変更の指示がされると、基準音量の最低値である音量1に補正され、遊技者によって消音することはできない。補正される場合も、上部液晶表示装置71の画面上はあたかも5段階に変更を指示した様子が表示される。これに代えて、補正後の最低音量1に対応する変更指示画面以下にはならない画面設定に変更してもよい。
【0036】
なお、実機カスタマイズボタンBTにより基準音量以下に音量を下げた場合又は100%輝度から光量を下げた場合でも、電源オフ又は遊技を所定時間例えば5分間継続して中断した場合、基準音量又は100%輝度に戻し、遊技者の交代等に対応させている。また、エラー発生時のエラーメッセージ表示及び「係員をお呼び下さい。」という警報音は、100%輝度で、基準音量又は最大音量10で出音する仕様にしている。さらに、遊技休止時間が所定時間例えば3分間継続した場合、音量1よりもさらに小さい音量等で且つ画像全体を暗くした省エネモード或はエコモードに切替えるようにしている。
【0037】
以上のものでは、実機カスタマイズボタンBTでメニュー画面を出した後に音量調整や光量調整を可能にしたが、通常の遊技演出画面上で、例えば、第3番目すなわち最後のストップボタンの操作後に、遊技演出画面に十字キーのシルエットと音量レベル又は光量レベルを示すシルエットを表示し、通常演出画面からダイレクトに音量調整や光量調整を可能にしてもよい。その際、遊技演出状態によってはBGMやバトル対象キャラクター等の演出上の選択を十字キーbjで行える場面と競合する場合があるが、この場合、演出上の選択を優先させる仕様にしている。また、ダイレクトに音量調整等をしている途中でベットボタン3の操作やスタートレバー5の操作により遊技が進行した場合、エンターボタンbiを押さずとも、十字キーbjでの設定値に音量等が調整される仕様にしている。
【0038】
また、以上のものでは、音量調整と光量調整とを別項目として別々に調整するものとしたが、例えば十字キーbjの左右のボタンb1,b3で音量調整、上下のボタンb2,b4で光量調整を一画面で行える仕様にしてもよい。さらに、以上のものでは、実機カスタマイズボタンBTによる外部操作は、内部操作による基準音量を最大音量の「+5」として基準音量以下の5段階に音量の変更を指示する仕様にしたが、内部操作による基準音量を中間音量の例えば「+3」とし、この「+3」から大小2段階等に音量の変更を指示する仕様にしてもよい。なお、基準音量の可変範囲の最低値(最少音量1)のさらに下に、消音(無音)設定モードを設け、ボリュームスイッチSvにより消音(無音)にできる仕様にしてもよい。以上の説明中、具体的数字等は一例示に過ぎない。
【符号の説明】
【0039】
1L;左リール,1C;中リール,1R;右リール
2i;メダル投入口、2;メダルセレクター
3;ベットボタン、4;精算ボタン
5;スタートレバー、6L,6C,6R;ストップボタン
71;上部液晶表示装置、72;下部液晶表示装置
73;ドットマトリクス表示装置、ATV;可動式ビジョン
8;リールパネル、80;表示窓、90;振動発生装置
CN;制御装置、MC;主制御装置、SC;周辺制御装置
Mi;メダル投入処理手段、Mo;メダル払出処理手段
K;内部抽せん手段、V;リール制御手段
V1;回胴回転装置制御手段、V2;回転停止装置制御手段
Q;メダル自動投入手段、J;遊技状態移行手段
W;フリーズ抽せん手段、G;回胴演出実行手段
H1;AT作動決定手段、H2;AT上乗せ決定手段
H3;AT継続管理手段、H4;AT指示情報出力手段
X1;表示ナビ手段、X2;音声ナビ手段、X3;画像演出手段
X4;ランプ演出手段、X5;音声演出手段、X6;メカ演出手段
X7;振動演出手段
X31;光量調整手段、X51;音量調整手段、X52;音量補正手段
Sv;ボリュームスイッチ、BT;実機カスタマイズボタン
図1
図2
図3
図4