【実施例】
【0150】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0151】
なお、合成された化合物は以下の方法で分析し、その構造を特定した。すなわち、得られた化合物約1mgをガラス棒に塗布して付着させ、直接イオン化ユニット(DART)(島津製作所社製「DART−OS」、ヒーター温度500℃)にてイオン化し、質量分析計(島津製作所社製「LCMS−2020」、M/Z=50−2000、ポジティブ,ネガティブ同時スキャン)により、得られた化合物のMSスペクトルを測定した。
【0152】
(実施例1−1)
以下のスキームに基づきスクアリリウム化合物01を合成した。詳細は、以下の通りである。
【0153】
【化24】
【0154】
1)中間原料01(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
300mLの四口フラスコに、フェニルヒドラジン塩酸塩14.46g(0.100mol)及び2−メチルシクロヘキサノン11.22g(0.100mol)からなる原料組成物と、溶媒として酢酸130gとを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら還流条件にて2時間反応させた。反応終了後、分液漏斗に反応液と酢酸エチル200mL及び水300mLとを加えて激しく攪拌して有機相のみを抽出し、抽出した有機相に硫酸マグネシウム(無水)を加えて脱水した。この有機相から固形物(無機分)をろ別した後、エバポレーターを用いて溶媒を溜去した。溶媒溜去後、真空乾燥機を用いてさらに60℃で12時間乾燥し、中間原料01(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を12.50g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:67.5mol%)得た。
【0155】
2)スクアリリウム化合物01の合成
500mLの四口フラスコに、上記で得られた12.50g(0.068mol)の中間原料01、スクアリン酸3.31g(0.029mmol)、1−ブタノール130g、及びトルエン130gを加え、窒素流通下(10mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、かつディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流条件にて3時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を溜去した後、メタノール50gを加えて還流条件にて30分間攪拌しながら晶析・洗浄処理を行った。溶液を室温まで冷却した後、ろ過によって得られたケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、目的物であるスクアリリウム化合物01を8.0g(スクアリン酸に対する収率:62.3mol%)得た。
得られた化合物について上記方法でMSスペクトルを測定したところ、
図1に示すようにポジティブ、ネガティブモードともに目的物由来のシグナルが検出され、表1に示す構造を有することを確認した。
【0156】
(実施例1−2)
1)中間原料02(4a−(sec−ブチル)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.34g(0.03mol)及び2−sec−ブチルシクロヘキサノン4.63g(0.03mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料02(4a−(sec−ブチル)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を3.57g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:52.3mol%)得た。
【0157】
2)スクアリリウム化合物02の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料02を0.28g(0.001mol)用い、スクアリン酸の量を0.06g(0.001mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物02を0.15g(スクアリン酸に対する収率:46.4mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0158】
(実施例1−3)
1)中間原料03(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−オール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩0.45g(0.004mol)及び5−ヒドロキシ−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノン0.70g(0.004mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料03(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−オール)を0.51g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:50.9mol%)得た。
【0159】
2)スクアリリウム化合物03の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料03を0.43g(0.002mol)用い、スクアリン酸の量を0.10g(0.001mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物03を0.02g(スクアリン酸に対する収率:4.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0160】
(実施例1−4)
1)中間原料04(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩2.16g(0.020mol)及び2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノン3.09g(0.020mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料04(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.05g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:89.1mol%)得た。
【0161】
2)スクアリリウム化合物04の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料04を4.05g(0.018mol)用い、スクアリン酸の量を1.03g(0.009mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物04を0.51g(スクアリン酸に対する収率:10.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0162】
(実施例1−5)
1)中間原料05(2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4a−カルボン酸エチル)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.34g(0.03mol)及び2−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル5.11g(0.03mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料05(2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4a−カルボン酸エチル)を5.44g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:74.5mol%)得た。
【0163】
2)スクアリリウム化合物05の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料05を1.32g(0.005mol)用い、スクアリン酸の量を0.27g(0.002mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物05を0.32g(スクアリン酸に対する収率:21.3mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0164】
(実施例1−6)
1)中間原料06(4a−フェニル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.09g(0.028mol)及び2−フェニルシクロヘキサノン4.93g(0.028mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料06(4a−フェニル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を5.71g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:81.5mol%)得た。
【0165】
2)スクアリリウム化合物06の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料06を3.46g(0.014mol)用い、スクアリン酸の量を0.80g(0.007mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物06を1.12g(スクアリン酸に対する収率:28.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0166】
(実施例1−7)
1)中間原料07(6,8−ジフルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩3.97g(0.022mol)及び2−メチルシクロヘキサノン4.94g(0.044mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料07(6,8−ジフルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.63g(2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:95.1mol%)得た。
【0167】
2)スクアリリウム化合物07の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料07を4.43g(0.020mol)用い、スクアリン酸の量を1.14g(0.010mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物07を0.80g(スクアリン酸に対する収率:15.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0168】
(実施例1−8)
1)中間原料08(6,8−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩1.71g(0.008mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.08g(0.01mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料08(6,8−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を2.07g(2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:89.7mol%)得た。
【0169】
2)スクアリリウム化合物08の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料08を1.91g(0.008mol)用い、スクアリン酸の量を0.43g(0.004mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物08を0.80g(スクアリン酸に対する収率32.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0170】
(実施例1−9)
1)中間原料09(5,7−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、3,5−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩1.93g(0.009mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.22g(0.011mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料09(5,7−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を2.09g(3,5−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:91.0mol%)得た。
【0171】
2)スクアリリウム化合物09の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料09を1.27g(0.005mol)用い、スクアリン酸の量を0.29g(0.003mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物09を0.30g(スクアリン酸に対する収率:19.8mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0172】
(実施例1−10)
1)中間原料10−1(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
500mLの四口フラスコに塩酸100mLを加え氷水浴で内温を5℃以下に冷却した。次いで、内温が5℃を超えないように、2,4,5−トリクロロアニリン8.64g(0.044mol)を加えて溶解させた。発熱が収まった後に、内温5℃以下を維持したまま、亜硝酸ナトリウム3.28g(0.048mol)と蒸留水25gとの混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに塩化スズ・2水和物49.64g(0.220mol)と塩酸50mLの混合液を、内温5℃以下を維持したまま1時間かけて滴下した。反応終了後、ろ別して得たケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、中間原料10−1(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩)を8.50g(2,4,5−トリクロロアニリンに対する収率:78.0mol%)得た。
【0173】
2)中間原料10−2(5,6,8−トリクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料10−1(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩)3.69g(0.015mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.34g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料10−2(5,6,8−トリクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.09g(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:95.1mol%)得た。
【0174】
3)スクアリリウム化合物10の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料10−2を4.33g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物10を1.30g(スクアリン酸に対する収率:26.3mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0175】
(実施例1−11)
1)中間原料11−1(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、2,4−ジブロモアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料11−1(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩)を10.20g(2,4−ジブロモアニリンに対する収率:84.3mol%)得た。
【0176】
2)中間原料11−2(6,8−ジブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料11−1(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩)12.10g(0.040mol)及び2−メチルシクロヘキサノン6.73g(0.060mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料11−2(6,8−ジブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を10.81g(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率78.8mol%)得た。
【0177】
3)スクアリリウム化合物11の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料11−2を10.63g(0.031mol)用い、スクアリン酸の量を1.77g(0.016mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物11を3.70g(スクアリン酸に対する収率:31.2mol%)を得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0178】
(実施例1−12)
1)中間原料12−1(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、4−メチルチオアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料12−1(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩)を5.50g(4−メチルチオアニリンに対する収率:65.7mol%)得た。
【0179】
2)中間原料12−2(4a−メチル−6−(メチルチオ)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料12−1(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩)2.86g(0.015mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.68g(0.015mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料12−2(4a−メチル−6−(メチルチオ)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を2.52g(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:72.6mol%)得た。
【0180】
3)スクアリリウム化合物12の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料12−2を2.31g(0.010mol)用い、スクアリン酸の量を0.57g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物12を0.50g(スクアリン酸に対する収率:17.4mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0181】
(実施例1−13)
1)中間原料13(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸)の合成
原料組成物として、2−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩4.53g(0.024mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.69g(0.024mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料13(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸)を4.93g(2−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:89.6mol%)得た。
【0182】
2)スクアリリウム化合物13の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料13を3.44g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物13を2.40g(スクアリン酸に対する収率:58.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0183】
(実施例1−14)
1)中間原料14(4a−メチル−6−ニトロ−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩4.45g(0.023mol)及び2−メチルシクロヘキサノン5.16g(0.046mol)を用いたこと、および、溶媒として、酢酸と塩酸との混合液(混合比率は質量比で1:1)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料14(4a−メチル−6−ニトロ−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を5.05g(4−ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:95.4mol%)得た。
【0184】
2)スクアリリウム化合物14の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料14を4.00g(0.017mol)用い、スクアリン酸の量を0.99g(0.009mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物14を3.10g(スクアリン酸に対する収率:65.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0185】
(実施例1−15)
1)中間原料15(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ベンゾ[a]カルバゾール)の合成
原料組成物として、1−ナフチルヒドラジン塩酸塩2.00g(0.01mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.31g(0.021mol)を用いたこと、および、溶媒として、酢酸と塩酸との混合液(混合比率は質量比で1:1)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料15(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ベンゾ[a]カルバゾール)を1.50g(1−ナフチルヒドラジン塩酸塩に対する収率:62.0mol%)得た。
【0186】
2)スクアリリウム化合物15の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料15を1.41g(0.006mol)用い、スクアリン酸の量を0.34g(0.003mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物15を0.40g(スクアリン酸に対する収率:23.1mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0187】
(実施例1−16)
1)中間原料16(8b−シクロペンチル−1,2,3,8b−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.34g(0.030mol)及び2−シクロペンチルシクロペンタノン4.57g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料16(8b−シクロペンチル−1,2,3,8b−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール)を1.57g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:23.2mol%)得た。
【0188】
2)スクアリリウム化合物16の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料16を0.94g(0.004mol)用い、スクアリン酸の量を0.24g(0.002mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物16を0.495g(スクアリン酸に対する収率:22.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0189】
(実施例1−17)
1)中間原料17−1(2−メチルシクロヘプタノン)の合成
300mLの四口フラスコに、水酸化カリウム7.21g(0.120mol)およびジメチルスルホキシド150ccを加え、室温下で30分間攪拌した。次いで、ヨードメタン5.68g(0.040mol)とシクロヘプタノン4.49g(0.040mol)の混合液を滴下して、内温が40℃となるよう加温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、分液漏斗に反応液と酢酸エチル200mL及び水300mLとを加えて激しく攪拌し、有機相のみを抽出し、抽出した有機相に硫酸マグネシウム(無水)を加えて脱水した。この有機相から固形分(無機分)をろ別した後、エバポレーターを用いて溶媒を溜去した。溶媒溜去後、真空乾燥機を用いてさらに40℃で12時間乾燥し、中間原料17−1(2−メチルシクロヘプタノン)を2.85g(シクロヘプタノンに対する収率:56.5mol%)得た。
【0190】
2)中間原料17−2(10a−メチル−6,7,8,9,10,10a−ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩2.54g(0.024mol)及び上記で得られた中間原料17−1(2−メチルシクロヘプタノン)2.97g(0.024mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料17−2(10a−メチル−6,7,8,9,10,10a−ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール)を4.11g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:87.6mol%)得た。
【0191】
3)スクアリリウム化合物17の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料17−2を2.09g(0.011mol)用い、スクアリン酸の量を0.60g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法で反応を行い、得られた反応液をエバポレーターで濃縮し、得られた固形物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、精製された単離物をさらにメタノール中で再結晶して、目的物であるスクアリリウム化合物17を0.04g(スクアリン酸に対する収率:1.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0192】
(実施例1−18)
1)中間原料18−1(2−メチルシクロオクタノン)の合成
シクロヘプタノンに代えて、シクロオクタノン5.55g(0.044mol)を用いたこと以外は、実施例1−17(中間原料17−1の合成)と同様の手法により、中間原料18−1(2−メチルシクロオクタノン)を5.75g(シクロオクタノンに対する収率:92.7mol%)を得た。
2)中間原料18−2(11a−メチル−7,8,9,10,11,11a−ヘキサヒドロ−6H−シクロオクタ[b]インドール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.30g(0.040mol)及び上記で得られた中間原料18−1(2−メチルシクロオクタノン)5.58g(0.040mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料18−2(11a−メチル−7,8,9,10,11,11a−ヘキサヒドロ−6H−シクロオクタ[b]インドール)を7.00g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:82.5mol%)得た。
【0193】
3)スクアリリウム化合物18の合成
中間原料17−2に代えて、上記で得られた中間原料18−2を3.52g(0.017mol)用い、スクアリン酸の量を0.94g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−17(スクアリリウム化合物17の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物18を0.04g(スクアリン酸に対する収率:0.9mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0194】
(比較例1−1:比較スクアリリウム化合物1の合成)
中間原料01に代えて、2,3,3−トリメチル−3H−インドールを6.98g(0.044mol)用い、スクアリン酸の量を2.5g(0.022mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物である比較スクアリリウム化合物1を7.63g(スクアリン酸に対する収率:87.8mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0195】
(比較例1−2:比較スクアリリウム化合物2の合成)
中間原料01に代えて、2−エチル−3,3−ジメチル−3H−インドールを2.43g(0.014mol)用い、スクアリン酸の量を0.80g(0.007mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物である比較スクアリリウム化合物2を2.30g(スクアリン酸に対する収率:76.1mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
【0196】
【表1】
【0197】
(実施例1−19)
1)中間原料19(6−クロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩5.37g(0.030mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.37g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料19(6−クロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.73g(4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:71.8mol%)得た。
【0198】
2)スクアリリウム化合物19の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料19を4.61g(0.021mol)用い、スクアリン酸の量を1.20g(0.011mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物19を2.1g(スクアリン酸に対する収率:39.4mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0199】
(実施例1−20)
1)中間原料20(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−カルボン酸)の合成
原料組成物として、4−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩5.97g(0.031mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.48g(0.031mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料20(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−カルボン酸)を7.06g(4−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:99.3mol%)得た。
【0200】
2)スクアリリウム化合物20の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料20を3.44g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物20を2.0g(スクアリン酸に対する収率:49.7mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0201】
(実施例1−21)
1)中間原料21(4a,6−ジメチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩4.53g(0.028mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.14g(0.028mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料21(4a,6−ジメチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を3.20g(4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:57.3mol%)得た。
【0202】
2)スクアリリウム化合物21の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料21を2.85g(0.010mol)用い、スクアリン酸の量を0.57g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物21を1.1g(スクアリン酸に対する収率:46.2mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0203】
(実施例1−22)
1)中間原料22(6−ブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩5.25g(0.023mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.58g(0.023mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料22(6−ブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を5.68g(4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:93.5mol%)得た。
【0204】
2)スクアリリウム化合物22の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料22を5.66g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物22を2.7g(スクアリン酸に対する収率:60.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0205】
(実施例1−23)
1)中間原料23−1(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、4−トリフルオロメチルアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料23−1(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩)を8.0g(4−トリフルオロメチルアニリンに対する収率:62.4mol%)得た。
【0206】
2)中間原料23−2(6−トリフルオロメチル−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料23−1(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩)3.47g(0.016mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.79g(0.016mol)を用いたこと以外は、実施例1−14(中間原料14の合成)と同様の手法により、中間原料23−2(6−トリフルオロメチル−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.00g(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:98.7mol%)得た。
【0207】
3)スクアリリウム化合物23の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料23−2を4.00g(0.016mol)用い、スクアリン酸の量を0.90g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物23を0.20g(スクアリン酸に対する収率:4.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0208】
(実施例1−24)
1)中間原料24−1(2−フェニルフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、2−フェニルアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料24−1(2−フェニルフェニルヒドラジン塩酸塩)を13.0g(2−フェニルアニリンに対する収率:99.2mol%)得た。
【0209】
以下のスキームに基づきスクアリリウム化合物24を合成した。詳細は、以下の通りである。
【0210】
【化25】
【0211】
200mLの四口フラスコに、上記で得られた中間原料24−1(2−フェニルフェニルヒドラジン塩酸塩)5.08g(0.023mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.58g(0.023mol)からなる原料組成物と、溶媒として1−ブタノール58gとを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら内温80℃にて6時間反応させた。反応終了後、溶液を室温まで冷却した後、ろ過によって得られたろ液を300mLの四口フラスコに移し、そこへスクアリン酸2.00g(0.018mol)とトルエン92gを加えて、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、かつディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流条件にて6時間反応させた。反応終了後、溶液を室温まで冷却した後、ろ過によって得られたケーキをメタノール50gでかけ洗い洗浄した。得られた洗浄ケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、目的物であるスクアリリウム化合物24を2.45g(スクアリン酸に対する収率:23.2mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0212】
(実施例1−25)
1)中間原料25(6−メトキシ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩4.99g(0.028mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.14g(0.028mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料25(6−メトキシ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を3.20g(4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:53.1mol%)得た。
【0213】
2)スクアリリウム化合物25の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料25を2.46g(0.008mol)用い、スクアリン酸の量を0.46g(0.004mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物25を0.30g(スクアリン酸に対する収率:14.7mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0214】
(実施例1−26)
1)中間原料26−1(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、5−アミノキノリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料26−1(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)を6.5g(5−アミノキノリンに対する収率:95.6mol%)得た。
【0215】
2)中間原料26−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[3,2−a]カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料26−1(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)6.5g(0.033mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.70g(0.033mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料26−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[3,2−a]カルバゾール)を4.69g(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩に対する収率:60.1mol%)得た。
【0216】
3)スクアリリウム化合物26の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料26−2を4.25g(0.018mol)用い、スクアリン酸の量を1.03g(0.009mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物26を0.77g(スクアリン酸に対する収率:15.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0217】
(実施例1−27)
1)中間原料27−1(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、8−アミノキノリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料27−1(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)を11.27g(8−アミノキノリンに対する収率:96.0mol%)得た。
【0218】
2)中間原料27−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[2,3−a]カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料27−1(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)4.99g(0.025mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.80g(0.025mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料27−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[2,3−a]カルバゾール)を3.37g(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩に対する収率:57.0mol%)得た。
【0219】
3)スクアリリウム化合物27の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料27−2を2.13g(0.009mol)用い、スクアリン酸の量を0.51g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物27を1.19g(スクアリン酸に対する収率:48.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0220】
(実施例1−28)
1)中間原料28(6−シアノ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩5.43g(0.032mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.59g(0.032mol)を用いたこと以外は、実施例1−14(中間原料14の合成)と同様の手法により、中間原料28(6−シアノ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を1.82g(4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:25.9mol%)得た。
【0221】
2)スクアリリウム化合物28の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料28を1.68g(0.008mol)用い、スクアリン酸の量を0.046g(0.004mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物28を0.15g(スクアリン酸に対する収率:7.2mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0222】
(実施例1−29)
1)中間原料29(6−フルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩5.09g(0.031mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.51g(0.031mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料29(6−フルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を6.15g(4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:96.7mol%)得た。
【0223】
2)スクアリリウム化合物29の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料29を6.15g(0.030mol)用い、スクアリン酸の量を1.79g(0.016mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物29を2.7g(スクアリン酸に対する収率:38.9mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0224】
(実施例1−30)
1)中間原料30−1(2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾール)の合成
200mLの四口フラスコに、2−アミノチオフェノール6.26g(0.05mol)及び4−アミノ安息香酸6.86g(0.05mol)からなる原料組成物と、溶媒としてポリリン酸125gとを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら内温が195℃となるよう加温し、約5時間反応させた。反応終了後、反応液を3M水酸化ナトリウム水溶液約1Lに投入して晶析を行った。析出してきた目的物をろ別し、ケーキを蒸留水約500mlで水洗した。得られたウェットケーキを40℃で12時間乾燥し、中間原料30−1(2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾール)を10.8g(2−アミノチオフェノールに対する収率:95.3mol%)得た。
【0225】
2)中間原料30−2(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾールを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料30−2(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩)を10.0g(2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾールに対する収率:81.3mol%)得た。
【0226】
3)中間原料30−3(2−(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)ベンゾ[d]チアゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料30−2(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩)5.56g(0.015mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.96g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料30−3(2−(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)ベンゾ[d]チアゾール)を1.45g(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩に対する収率:30.8mol%)得た。
【0227】
4)スクアリリウム化合物30の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料30−3を1.45g(0.003mol)用い、スクアリン酸の量を0.24g(0.002mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物30を0.9g(スクアリン酸に対する収率:71.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
【0228】
【表2】
【0229】
以上で得られたオキソカーボン系化合物(スクアリリウム化合物01〜30)及び比較スクアリリウム化合物1、2の吸収極大波長を以下の方法で測定した。具体的には、得られた化合物約1mgをクロロホルム約3gに溶解して測定用溶液を調製し、この測定用溶液を1cm角の石英製セルに入れ、吸収極大の吸光度が0.950から1.050の範囲に収まるよう必要に応じてクロロホルムを追加して濃度を調整した上で、分光光度計 ((株)島津製作所社製「UV−1800」)を用いて吸収スペクトルを測定した。そして、得られた吸収スペクトルを、吸収極大の吸光度が1.000となるように補正した吸収スペクトルを得た。各化合物の吸収極大波長と面積比Xを表3に示す。また、スクアリリウム化合物01及び比較スクアリリウム化合物1、2の吸収スペクトルを
図3に示す。
【0230】
(実施例2−1)
1)脂環式ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液の調製
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸(東京化成社製:純度98%、Mw=260.20)5質量部と無水酢酸(和光純薬社製)44質量部とをフラスコに仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で昇温し、10分間還流させた。次いで、攪拌しながら室温まで冷却して結晶を析出させ、析出した結晶を固液分離、乾燥して、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の結晶を得た。
【0231】
次に、温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えたフラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和光純薬社製:Mw=200.24)8.9質量部と、溶剤としてジメチルアセトアミド76質量部とを仕込み、溶液とした後、上記で得た1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(Mw=224.17)10質量部を、室温下で固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。次いで、共沸脱水剤としてトルエン26質量部を添加して、130℃で3時間反応を行い、ディーンスタークで還流して共沸する生成水を分離した。次いで、194℃に昇温しながらキシレンを留去した後、冷却し、脂環式ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液を得た。
【0232】
2)樹脂組成物の調製および面状成形体の作製
上記で得た脂環式ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液を、ジメチルアセトアミドで希釈し、樹脂固形分濃度を8質量%に調整した。この8質量%溶液12.31質量部に、実施例1−1で得られたスクアリリウム化合物01を0.015質量部混合し、溶解させた後、得られた溶液をろ過して不溶分等を取り除いて、樹脂組成物01とした。
次に、得られた樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートにて塗布し、150℃で20分間焼成して、厚み2μmの塗膜(面状成形体)を作製した。
【0233】
(実施例2−2〜実施例2−30および比較例2−1〜比較例2−2)
スクアリリウム化合物01に代えて、スクアリリウム化合物02〜スクアリリウム化合物30、比較スクアリリウム化合物1または比較スクアリリウム化合物2を用いたこと以外、実施例2−1と同様にして、樹脂組成物02〜30および樹脂組成物C1、C2を調製し、それぞれ得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に面状成形体(塗膜)を作製した。
【0234】
以上で得られた樹脂組成物01〜30及び樹脂組成物C1、C2の吸収極大波長を以下の方法で測定した。具体的には、各樹脂組成物より作製した面状成形体(塗膜)について、分光光度計((株)島津製作所社製「UV−1800」)を用いて吸収スペクトルを測定した。そして、得られた吸収スペクトルを、吸収極大の吸光度が1.000となるように補正した吸収スペクトルを得た。各樹脂組成物の吸収極大波長と面積比Xを表3に示す。また、樹脂組成物01及び樹脂組成物C1、C2の吸収スペクトルを
図4に示す。
【0235】
【表3】
【0236】
図3より、比較スクアリリウム化合物1、2(図中、「比較化合物1」、「比較化合物2」と表記)では、吸収極大波長よりも短波長側に大きなショルダーピークが認められるが、本発明のスクアリリウム化合物01(図中、「化合物01」と表記)では同様のショルダーピークはほぼ消失し、滑らかな吸収波形が得られることが分かる。これは、図中に付したショルダーピークの接線の傾きからも明らかである。このような本発明に係るスクアリリウム化合物01は、比較スクアリリウム化合物1、2に比べ、吸収極大領域の光をより選択的に吸収できる。また比較スクアリリウム化合物1、2とスクアリリウム化合物01との構造比較から、スクアリリウム化合物01のような滑らかな吸収波形は、本発明の化合物群のようにスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格とインドール環との結合部位が環構造の一部となるように構造設計することで初めて発現されると言える。
【0237】
また表3の通り、本発明の化合物群(スクアリリウム化合物01〜30)の面積比Xは、比較スクアリリウム化合物1、2の面積比Xよりも大きい。したがって、本発明の化合物群は、吸収極大領域の光をより選択的に吸収可能であることが分かる。
【0238】
図4より、比較用の樹脂組成物C1、C2(図中、「比較化合物1」、「比較化合物2」と表記)では、吸収極大波長よりも短波長側に大きなショルダーピークが認められるが、本発明の樹脂組成物01(図中、「化合物01」と表記)では同様のショルダーピークはほぼ消失し、滑らかな吸収波形が得られることが分かる。
【0239】
また表3の通り、本発明の樹脂組成物群(樹脂組成物01〜30)の面積比Xは、比較用の樹脂組成物C1、C2の面積比Xよりも大きい。したがって、本発明の樹脂組成物群は、吸収極大領域の光をより選択的に吸収可能であることが分かる。
以上のことから、上述した本発明の化合物群の効果(吸収極大領域の光の選択的吸収)は、樹脂組成物とした場合も同様に発揮されると言える。