特許第6452261号(P6452261)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6452261シートベルト装置のベルトバックルのためのスイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6452261
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】シートベルト装置のベルトバックルのためのスイッチ
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/25 20060101AFI20190107BHJP
   B60R 22/48 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   A44B11/25
   B60R22/48 103
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-551308(P2016-551308)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公表番号】特表2017-512511(P2017-512511A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2015054647
(87)【国際公開番号】WO2015132348
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2016年9月26日
(31)【優先権主張番号】102014204199.6
(32)【優先日】2014年3月7日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510136301
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ジョリマン、ビート
(72)【発明者】
【氏名】カビシュ、カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ムサト、マルコ
【審査官】 木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/127377(WO,A1)
【文献】 特開2000−268677(JP,A)
【文献】 特開2007−052963(JP,A)
【文献】 実公平03−048824(JP,Y2)
【文献】 特開2003−272482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 11/00 − 11/28
B60R 22/00 − 22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルト装置のベルトバックルのためのスイッチであって、
互いに接触及び離間可能に設けられた第1及び第2の接触要素(4,5)を有する接触バネと;
挿入部材(7)を受け入れ可能な挿入溝(8)と;
前記挿入溝(8)の中に突出した第1部分(10)と、前記接触バネと連動する第2部分(11)とを有する連結部材(3)とを含み、
前記第1の接触要素(4)が、移動可能な接触バネとして構成され、
前記挿入溝(8)に前記挿入部材(7)が挿入されていない第1の状態においては、前記第1及び第2の接触要素(4,5)は互いに接触しており、
前記挿入溝(8)に前記挿入部材(7)が挿入された第2の状態においては、当該挿入部材(7)が前記連結部材の前記第1部分(10)に当接し、前記第2部分(11)が前記第1の接触要素(4)を動かし、前記第1及び第2の接触要素(4,5)が互いに離間するように構成され、
前記連結部材(3)が、回動軸(S)を中心に回動可能に支持されるベアリングピン(12)を含み、
前記第1および第2部分(10,11)が前記回動軸(S)に対して径方向外向きに延びるように前記ベアリングピンの外周から突出し、
前記挿入部材(7)を前記挿入溝(8)に挿入して前記第1部分(10)に接触することで、前記ベアリングピン(12)が回転し、これに連動して前記第2部分(11)が前記第1の接触要素(4)を押し上げることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
前記連結部材(3)および前記第1の接触要素(4)は、一定の方向に移動可能な状態で互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記接触バネの前記第1の接触要素(4)に形成された溝部(16)と、前記連結部材(13)の突出部(17)とが係合することを特徴とする、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記溝部(16)が前記連結部材(3)の回動軸(S)に垂直な前記溝部(16)の長手方向を有して向けられるように、前記連結部材(3)が回動可能に支持され、前記接触バネが前記連結部材(3)に対して配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記連結部材(3)が前記第1部分(10)で前記挿入溝(8)の中に突出する位置で、前記接触要素(4,5)が互いに当接し、
前記連結部材(3)が、前記接触バネへの当接および残りの接触要素への前記接触バネの当接によって、少なくとも1つの方向で、適切な位置に固定されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記第1および第2部分(10,11)が、前記ベアリングピン(12)の前記長手方向で互いにオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項5に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記挿入溝(8)の中に挿入可能な部分が前記第1部分(10)に当接する接触点と前記回動軸(S)との間の距離(A)が、前記接触バネが前記第2部分(11)に当接する接触点と前記連結部材(3)の回動軸(S)との間の距離(B)よりも長いことを特徴とする、請求項5または6に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文の特徴を有するシートベルト装置のベルトバックルのためのスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
原則として、ベルトバックルのスイッチは、ベルトバックルでロックされたベルトタングを認識する働きをする。適切なセンサ装置によって車両シート上で乗員が認識されたが、ロックされたベルトタングを示す信号がスイッチによって作り出されなかった場合、例えば、乗員がシートベルトを締めた場合、すなわち、ベルトタングがベルトバックルでロックされた場合にスイッチが切られるだけである視覚的な信号および/または音響の信号を作り出すことができる。さらに、事故の場合、例えばエアバッグ装置のような特定の付加的な拘束装置が作動しないか、またはロックされたベルトタングが認識された場合、すなわち、スイッチが信号を作り出した場合、単に作動することを提供するために、信号を使用することもできる。
【0003】
ここで1つの考えられる実施形態は、しかしながら、外部磁場の影響を受けやすい非接触のホールセンサを有するスイッチである。
【0004】
さらに、機械的スイッチの使用は、例えば、欧州特許第1485276号明細書また独国特許公開第102012208779号明細書によって知られている。これらのスイッチには、電気回路の一部分である2つの導電性の接触要素が設けられている。接触要素の1つは、接触バネとして構成され、ベルトタングをロックする移動の間にベルトバックルのイジェクタが押し込まれる挿入溝の中に1つの部分が突出する。イジェクタの挿入によって、接触バネが移動させられ、それによって、接触要素の接触部を開くまたは閉じるように、イジェクタは接触バネに直接の当接に達する。接触部を開くことまたは閉じることによって、ベルトバックルの中でロックされたベルトタングを表す信号が作り出される。信号が接触要素の接触部を閉じることまたは開くことによって作り出されるかどうかによって、スイッチは、クローザーまたはオープナーとしても言及される。安全に接触部を開くまたは閉じることができるように、接触点は挿入溝の外側で、保護されたキャビティの中に配置されるが、接触バネは、少なくとも1つの部分が挿入溝の中に突出する。挿入された部分がいずれの場合でも必然的に接触バネに当接できるように、接触バネは、それゆえに、複雑な形状を有さなければならず、接触部を開くまたは閉じるためのさらなる挿入の移動の間、接触バネは、対応して移動する。
【0005】
したがって、スイッチの機能は、例えば、複数の作動サイクルの連続した負荷によって変形することができる接触バネの複雑な形状の伸展性に依存する。さらに、ベルトバックルの長い耐用年数の後であっても、機能的に安全な方法で信号を作り出すことができるように、接触バネは、耐摩耗性があるように構成されなければならず、極めて多数のベルトバックルの挿入操作に対して十分な曲げ強度を有さなければならない。さらに、接触部の一部分としての接触バネは、もちろん、導電性に対する要件も満たさなければならない。
【0006】
さらに、接触バネと固定接触部とが対になった接触部が挿入溝の外側に配置されているが、接触バネの移動が挿入溝の中に突出する連結部材によって強制されるベルトバックルが、米国特許3,956,603によって知られている。回動可能な連結部材は、第1部分が挿入溝の中に突出し、挿入の移動中、挿入されたベルトタングによって回動され第2部分を介して接触バネに当接するように成形され支持されている。ベルトタングのさらなる挿入の移動の間、連結部材は、さらに回動され、それによって、接触バネは、固定された接触部に対する強制された移動を実行し、接触部が開かれる。接触部材は、バネの負荷がかけられる方法で第1部分を介して挿入溝に係合する位置に促すように、スイッチのハウジング上の追加のバネを介して支持される。この解決策の利点は、接触バネそのものが挿入溝に係合せず、接触バネを開く移動が、連結部材の移動そのものが挿入されたベルトタングによって強制される連結部材によって強制される点に見ることができる。したがって、イジェクタまたはベルトタングは、接触バネの代わりに連結部材に当接する。連結部材は、移動を伝達する。全体としては、これによって、接触バネを保護することができる。さらに、これによって、接触バネは、製造するためにより単純であるように、はるかに単純な形状を有することができ、接触バネの機能は、特に、複雑な形状を有する伸展性に依存しない。さらに、接触バネは、必要とされる曲げ強度に対してより単純で、より機能的に安全に設計することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1485276号明細書
【特許文献2】独国特許公開第102012208779号明細書
【特許文献3】米国特許3,956,603
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、費用効率良く製造される、さらに向上した機能的な安全性を有するシートベルト装置のベルトバックルのためのスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基本的なアイデアによれば、移動可能に支持された連結部材が位置の影響を受けないやり方で第2部分を介して接触バネに当接することが提案される。提案された解決策は、複数の利点を有する。第1に、連結部材の移動は、提案された解決策によって、接触バネに対して直接、時間的な遅延なく伝達される。第2に、連結部材および接触バネは、互いに直接結合され、したがって、挿入溝の中に挿入された部分の移動が、考えられる最小の数の部分を有する接触バネに直接伝達され、それによって、損傷の可能性を減少させることができる。さらに、連結部材は、第2部分を介して挿入溝に係合する位置で、接触バネを介して固定することができ、したがって、以前に必要とされた追加のバネ要素を省略できる。実際の連結部材および接触バネは、考えられる最小の数の部分によって接触部の開閉を実現することができるものを使用して、移動可能に結合される連結を生じる。ここでは、一方では接触バネへの移動の直接的な伝達を可能にし、他方では挿入溝の中に部分を挿入する前に挿入溝に係合する位置で連結部材を固定するために、連結部材が位置の影響を受けないやり方で、すなわち、スイッチの接触要素が閉じた位置および開いた位置の両方で接触バネに当接することが重要である。したがって、連結部材は、挿入溝の中に挿入された部分が連結部材の第1部分での当接に達する位置から出発して、接触バネと挿入溝の中に挿入された部分との間に直接固定される。
【0010】
連結部材および接触バネが、締まり嵌めの係合によって、互いに対して移動可能に案内されることがさらに提案される。提案された解決策によって、損傷の可能性は、連結部材の第2部分からの接触バネの不注意な滑りの可能性によって減少させることができる。
【0011】
特に良好であり、特に、2つの側の案内は、接触バネの溝部と溝部に係合する連結部材の突出部とによって形成された案内によって実現することができる。
【0012】
溝部が連結部材の回動軸に垂直な溝部の長手方向を有して向けられるように、連結部材が回動可能に支持され、接触バネが連結部材に対して配置されることがさらに提案される。提案された接触バネの配置および溝の配向性によって、連結部材および接触バネは、連結部材の回動移動中、互いに対して可能な限り良好に案内され、溝部は接触バネの移動も特定することもでき、それによって、接触部を閉じることまたは接触部を開くことをさらに向上させることができる。
【0013】
連結部材が第2部分によって挿入溝の中に突出し、連結部材が接触バネへの当接によって、および残りの接触要素への接触バネの当接によって、少なくとも1つの方向で位置的に固定される位置で、接触要素が互いに当接することがさらに提案される。連結部材も、接触バネを介して位置的に固定され、したがって、連結部材の制御されない移動、および連結部材の制御されない移動によって例えば、連結部材を解放することによって引き起こされる機能的な故障の可能性を減少させることができる。
【0014】
この連結部材の位置的な固定は、バネの負荷がかけられる、すなわち1つの方向で予め負荷がかけられる接触バネによってさらに強化することができる。ここで、本実施形態では、連結部材は、第1部分を介して、挿入溝の中に突出する位置に向かって予め負荷がかけられ、したがって、その後のバックルで留める操作で挿入溝の中に挿入された部分が再度第1部分への当接に達し、連結部材が結果的に回動する。
【0015】
連結部材が、回動軸を中心に回動可能に支持される少なくとも1つのベアリングピンを含み、第1および第2部分が回動軸に対して径方向外向きに延びることがさらに提案される。これによって、連結部材は、回動移動を実行することができ、一方では、第1および第2部分が接触部を解放するまたは閉じるために必要とされる移動を実行する。ここでは、連結部材の第1部分は、挿入溝の中に挿入された部分への当接によって、移動を引き起こす役目を果たし、第2部分は、接触バネへの移動を伝達する役目を果たす。
【0016】
第1および第2部分が、ベアリングピンの長手方向で互いにオフセットして配置されることがさらに提案される。ベアリングピン上の2つの部分の提案された配置によって、2つの部分は、挿入溝における係合のために、そして、接触バネへの当接のために、個々に設計し互いに独立して成形することができる。
【0017】
さらに、別の望ましい実施形態によれば、挿入溝の中に挿入可能な部分が第1部分に当接する接触点と回動軸との間の距離が、接触バネが第2部分に当接する接触点と連結部材の回動軸との間の距離よりも長いということが提案される。提案された距離の割合によって、1つのタイプの移動の変換、したがって連結部材の第1部分の、挿入溝の中に挿入された部分によって及ぼされる力の変換を実現することができ、連結部材の第1部分の、挿入溝の中に挿入された部分によって及ぼされる力が第2部分によって接触バネに及ぼされる大きな力に変換される。さらに、接触バネの極めて小さな移動のみを目的とする、残りの接触要素から解除されるのみである接触バネの要求が十分であるので、第1部分の移動は、第2部分の小さな移動、したがって、この点において受け入れることができる接触バネの小さな移動に同時に変換することができる。接触バネが移動を実行できるように必要とされる、接触バネの周りの必要な空き空間を小さく設計できるので、これは、さらに有利に使用することができる。全体としては、これによって、スイッチを小さく具現化することができ、これはベルトバックルで利用可能な単に極めて小さな設置空間に対して好ましい。接触面は、接触点であることも理解されるべきであり、距離は接触面の中心から回動軸までであるように理解される。
【0018】
以下では、本発明は、添付図を参照して望ましい実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のスイッチを示す図である。
図2】カバーなしの図1のスイッチを示す図である。
図3】スイッチの一部分を示す図である。
図4】当接する接触バネと一緒になった連結部材を示す図である。
図5】接触要素の「閉じた位置」におけるスイッチを示す図である。
図6】接触要素の「開いた位置」におけるスイッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1では、ハウジング1と、ハウジング1を横方向に覆うカバー2とを有する本発明のスイッチを見ることができる。同一のスイッチは、カバー2なしで図2に示され、したがって、ハウジング1に配置された2つの接触要素4,5と連結部材3とを見ることができる。スイッチは、カバー2によって一側で閉鎖されスイッチの2つの平面の平行壁によって形成された、図3で見ることができる挿入溝をさらに含む。
【0021】
描写の下側接触要素5は、一端部で残りの接触要素4に向かって突出する突出部9を含み、ハウジング1の2つの壁間で固定された、曲がった接触プレートによって形成されている。これによって、下側接触要素5は、固定されたものとして見ることができる。描写の上側接触要素4も、ハウジング1の2つの壁間で一端部で固定された曲がった接触面によって形成されている。上側接触要素4の自由端部が接触部を開閉するための僅かの移動を実行することができるように意図的に配置されるように、上側接触要素4の自由端部は、ハウジング1の空き空間13の中に突出し、僅かに移動可能である。したがって、上側接触要素5は、本発明の趣旨では移動可能な接触バネを形成する。
【0022】
図4で大きく表された連結部材3は、円形の断面部分と2つの端部側部のベアリング部分とを有するロッド形状のベアリングピン12を含む。回動軸Sがベアリングピン12の長手方向の軸線と同一である連結部材3は、ハウジング1の回動軸Sを中心に回動可能に支持されている。第1部分10および第2部分11がベアリングピン12から径方向外向きに延びている。2つの部分10,11は、互いに隣り合って、すなわちベアリングピン12の長手軸線方向でベアリングピン12上にオフセットして配置されたレバーアームによって実現されている。接触要素4,5の図5に表された「閉じた位置」における第1部分10が挿入溝8の中に突出し、第2部分11が上側接触要素4の下面に当接するように、2つの部分10,11は、異なるように向けられている。上側接触要素は、閉じた位置で下側接触要素5の突出部9に当接する。したがって、接触部は、閉じられる。
【0023】
接触バネすなわち上側接触要素4は、斜め下向きに延びる第1ストリップ14と、「閉じた位置」で、ある角度のストリップ14から水平方向に延びる保持部分15とを含む。「閉じた位置」では、極めて小さな接触部、理想的な場合、点状の接触部が接触要素4,5間で生じるように、接触バネは、保持部分15における、ストリップ14からの移行部の縁で下側接触要素5の突出部9に当接する。この目的のために、突出部9は、ストリップ形状に構成され、上側接触要素4の、突出部9に当接する縁に垂直な突出部9の長手方向の軸線を有して向けられている。さらに、第2部分11に設けられた突出部17によって連結部材3が係合する溝部16が保持部分15に設けられている。溝部16および溝部16に係合する突出部17は、溝部16の長手軸線方向にのみ2つの部分の移動を可能にする、接触バネと連結部材3との締まり嵌めの連結を生じる。他の方向では、締まり嵌めの連結は、連結部材3からの、接触バネの不注意な滑りに対する固定を生じる。したがって、溝部16は、突出部17が溝部16で長手方向の移動を実行できるが、連結部材3が回動軸Sを中心に回動することができるように、設置された状態における溝部16の長手方向の軸線が連結部材3の回動軸Sに対して垂直に延びるように向けられ成形されている。
【0024】
シートベルトを付けるとき、乗員は、ベルトタングを、図示されていないベルトバックルの中に押し込み、それによって、本実施形態では、イジェクタ7が挿入溝8の中に押し込まれる。しかしながら、イジェクタ7の代わりに、ベルトタングそのもの、ロッキング部、またはこれらの部分のうちの1つと移動可能に結合された部分を挿入溝8の中に押し込むこともできる。挿入溝8での押し込みの移動の間、イジェクタ7は、最初に連結部材3の第1部分に当接し、連結部材3は、その後、図6に示された位置に回動する。連結部材3の回動によって、接触バネは、連結部材3の第2部分11の上に上げられ、接触要素4,5間の接触部が持ち上げられる。この位置は、スイッチの「開いた位置」としても参照される。スイッチの「閉じた位置」では、接触バネが連結部材3の第2部分11に既に当接しているので、接触バネは、連結部材3の回動移動の開始時に直ちに持ち上げられる。さらに、本発明の解決策によって、連結部材3は、スイッチの「閉じた位置」での接触バネの当接によって、第1部分10によって、挿入溝8の中に同時に促される。
【0025】
回動軸Sとイジェクタ7が第1部分10に当接する接触面との間の距離Aは、回動軸Sと上側接触要素4が第2部分11に当接する接触面との間の距離Bよりも意図的に長い。これによって、イジェクタ7によって連結部材3に及ぼされる力が、連結部材3によって接触バネに及ぼされる大きな力に変換されるものを使用する変換を実現することができる。さらに、連結部材3の第2部分11が移動する経路および接触バネが移動する経路は、第1部分10が移動する経路に対して短い経路長さに変換することができ、したがって、対応して必要とされる空き空間13の寸法を小さくすることができ、ベルトバックルで必要とされる設置空間は、空き空間13によって僅かに増加するのみである。
【0026】
部分10,11は、ベアリングピン12上で横方向に配置されている、すなわち、第1部分10は、ベアリングピン12の一側に配置されている一方で、第2部分11は第1部分10からベアリングピン12の中心に向かって外向きに延びている。部分10,11は、それぞれ、異なる径方向の角度でベアリングピンから外向きに延びるレバーアームによって形成されている。ハウジング1で回動可能に支持されたベアリングピン12は、ベアリングピン12の両端部で対応する拘束されていないベアリング部分を有するように、部分10,11に対して外側で横方向に延びている。
【0027】
接触要素4,5の接触部は、ハウジング1のキャビティに意図的に配置されている。接触部の配置によって、入る埃の粒子から接触部を保護することができる。ここでの移動の伝達は、第1部分10が挿入溝の中に突出し、耐磨耗性がある方法で適切に構成することができる連結部材3によって意図的に達成される。連結部材3は、例えば、射出成形のプラスチック部品として具現化することができる。接触要素4,5は、金属プレートから打ち抜かれた部品として製造することができ、接触要素4,5のストリップの形、および連結部材3の第2部分11への上側接触要素4の本発明の恒久的な当接によって、形の公差を意図的に大きく選ぶことができる。さらに、本発明の解決策によって、接触要素4,5は、接触部の開閉のために僅かに移動するのみであり、したがって、多数のベルトバックルのロック操作の後であっても、損傷の可能性を著しく減少させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6