【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成のものでは、手元側竿体1に第1、第2装飾用リング体13A、13Bを装着するのに、筒状取付体部13b、及び、筒状取付体部13cという軸芯長の長い筒状体を介して装着しているので、第1、第2装飾用リング体13A、13B自体の径方向への出入りを少なくでき、倒れが生じることも少ない。
その上に先側柔軟性グリップ体14の取付対象が竿体ではなく、第1装飾用リング体13A及び第2装飾用リング体13Bの筒状体であるので、先側柔軟性グリップ体14等を取り付ける為の取付面の管理を十分に行え、
図8に示す従来構成のように、装飾用リング体10の装飾外周面と先側柔軟性グリップ体11等の外周面の間に段差ができる等の不揃い現象は起きにくい。
しかし、先側柔軟性グリップ体14を円盤状の先側装飾面部13aと円盤状の元側装飾面部13eとの間の空間に位置させる必要性から、第2装飾用リング体13Bに先側柔軟性グリップ体14を取付た状態から第1装飾用リング体13Aで先側柔軟性グリップ体14を挟み込む取付形態を採らざるを得ない。
そうすると、第1装飾用リング体13Aと第2装飾用リング体13Bとの二部品で構成する必要があり、その為に、部品点数が多く、組み付け作業工程も多工程になる欠点があった。
【0006】
本発明の目的は、装飾用リング体の装飾外周面と先側柔軟性グリップ体等の外周面の間に段差ができる等の不揃いを回避しながら、かつ、部品点数の削減等を達成できる釣り竿用のグリップを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
〔構成〕
請求
項1に記載の本願発明の特徴構成は、リール脚取付部より竿元側にリアグリップ部を備え、前記リアグリップ部を、リア装飾用リング体とそのリア装飾用リング体より柔軟性の高い先側に位置するリア側柔軟性グリップ体及び元側に位置するリアグリップ体とで構成し、
前記リア装飾用リング体に、筒状の本体部の先端部分に先側装飾面部を立設するとともに、先側装飾面部の元側に元側装飾面部を立設し、前記筒状の本体部における、前記先側装飾面部と前記元側装飾面部との間の凹入状外周面に前記リア側柔軟性グリップ体を装着し、
前記リア装飾用リング体における元側装飾面部より更に元側に前記リアグリップ体を装着する元側端部を延出している
点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用〕
リア側柔軟性グリップ体の柔軟性に着目した構成を採用した。つまり、リア側柔軟性グリップ体を前記先側装飾面部と前記元側装飾面部との間の凹入状外周面に装着するのに、リア側柔軟性グリップ体を拡径し、その拡径した状態でリア装飾用リング体の先側装飾面部を乗り越えさせる装着方法を採用した。
このことによって、リア装飾用リング体を二つに分割する必要はなく、先側装飾面部と元側装飾面部とを単一のリア装飾用リング体に形成することができた。
しかも、リア装飾用リング体における元側装飾面部より更に元側に元側端部を延出しているので、この部分を利用してリアグリップ体を装着することができる。このことによって、リア装飾用リング体を十分に活用できる。
【0012】
〔効果〕
上記のような装着方法の改善によって、部品点数の削減ができ、組み付け作業性の向上を図ることができた。
しかも、リア装飾用リング体を単にリア側柔軟性グリップ体を取り付ける為だけに使用するのではなく、リアグリップ体をも取り付けるものにも兼用した。
【0013】
〔構成〕
請求項
2に記載の本願発明の特徴構成は、リール脚取付部より竿先側にフロントグリップ部を備え、前記フロントグリップ部を、可動フードを連係動作させるナット体と、そのナット体に外嵌したフロント装飾用リング体とで構成し、
前記フロント装飾用リング体に、筒状の本体部の先端部分に先側装飾面部を立設するとともに、先側装飾面部の元側に元側装飾面部を立設し、前記筒状の本体部における、前記先側装飾面部と前記元側装飾面部との間の凹入状外周面にフロント側柔軟性グリップ体を装着
し、
前記先側装飾面部を、先側に傾斜面を有する鍔部に形成するとともに、前記鍔部の元側端外周面を第3円周装飾面に形成し、元側装飾面部に前記先側装飾面部の傾斜面の軸芯長より長い軸芯長の第4円周装飾面を形成し、前記第4円周装飾面の外径を前記第3円周装飾面より大径に形成している
点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用〕
フロント側柔軟性グリップ体の柔軟性に着目した構成を採用した。つまり、フロント側柔軟性グリップ体を前記先側装飾面部と前記元側装飾面部との間の凹入状外周面に装着するのに、フロント側柔軟性グリップ体を拡径し、その拡径した状態でフロント装飾用リング体の先側装飾面部を乗り越えさせる装着方法を採用した。
このことによって、フロント装飾用リング体を二つに分割する必要はなく、先側装飾面部と元側装飾面部とを単一のフロント装飾用リング体に形成することができた。
しかも、フロント装飾用リング体を、可動フードを連係動作させるナット体に外嵌しているので、フロント装飾用リング体を、ナット体を保護しかつ装飾し、更に、ナット体を回転操作する際の操作具に兼用できる。
【0015】
〔効果〕
上記のような装着方法の改善によって、部品点数の削減ができ、組み付け作業性の向上を図ることができた。
しかも、フロント装飾用リング体を単にフロント側柔軟性グリップ体を取り付ける為だけに使用するのではなく、可動フードの移動を司る操作具へ兼用できた。
【0016】
〔構成〕
請求項
3に記載の本願発明の特徴構成は、先側装飾面部を、先側に傾斜面、元側に
前記傾斜面の軸芯長より短い軸芯長の第1円周装飾面を有する鍔
部に形成している、
点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0017】
〔作用効果〕
傾斜面と第1円周装飾面との形成によって、釣り人の眼に変化を与え装飾性の向上を図ることができるとともに、前記したように、柔軟性グリップ体を拡径させて第1円周装飾面を乗り越えさせる場合に、その傾斜面を利用して容易に乗り越えさせることができる。
【0018】
〔構成〕
請求項
4に係る本願発明の特徴構成は、リアグリップ部において、元側装飾面部
に、前記先側装飾面部における第1円周装飾面の外径より大径の第2円周装飾面を形成している
点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0019】
〔作用効果〕
第1円周装飾面の外径と第2円周装飾面との外径に差を設けることによって、リア側柔軟性グリップ体の乗り越えを可能にする第1円周装飾面の外径を小さくし、かつ、第2円周装飾面の外径を大きくして、釣り人の眼に付きやすいように、装飾性を向上させている。
また、第1円周装飾面の外径を小さくすることによって、先側装飾面部の傾斜面の形状と相俟って、リアグリップの構造を先側程先細くなる形状に形成でき、装飾性の向上を図ることができる。
【0020】
〔構成〕
請求項
5に係る本願発明の特徴構成は、フロントグリップ部において、先側装飾面部を
先側に傾斜面を有する鍔部に形成するとともに前記鍔部の元側に前記傾斜面の軸芯長より軸芯長の短い第3円周装飾面を形成するとともに、前記元側装飾面部に
前記第3円周装飾面の軸芯長より軸芯長の長い第4円周装飾面を形成し、前記第3円周装飾面の外径を前記第4円周装飾面より小径に形成している
点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0021】
〔作用効果〕
第3円周装飾面の外径と第4円周装飾面との外径に差を設けることによって、フロント側柔軟性グリップ体の乗り越えを可能にする第3円周装飾面の外径を小さくし、かつ、第4円周装飾面の外径を大きくして、釣り人の眼に付きやすいように、装飾性を向上させている。
また、第3円周装飾面の外径を小さくすることによって、先側装飾面部の傾斜面の形状と相俟って、フロントグリップ部の構造を先側程先細くなる形状に形成でき、装飾性の向上を図ることができる。
更に、第4円周装飾面を第3円周装飾面より軸芯長を長くしているので、装飾効果を高めると同時に、可動フードを動かす際に、手指で第4円周装飾面を摘み易く、操作が容易である。