(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6452562
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】発光ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20190107BHJP
【FI】
H01L33/62
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-135859(P2015-135859)
(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2016-21570(P2016-21570A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2018年7月4日
(31)【優先権主張番号】103124160
(32)【優先日】2014年7月14日
(33)【優先権主張国】TW
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505266053
【氏名又は名称】新世紀光電股▲フェン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100136858
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲紹▼▲瑩▼
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 冠傑
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 靖恩
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲逸▼儒
(72)【発明者】
【氏名】呉 協展
(72)【発明者】
【氏名】柯 龍▲嶺▼
【審査官】
吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−039013(JP,A)
【文献】
特開2005−159260(JP,A)
【文献】
特開2012−138454(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/086517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに分離した複数の発光ダイスを含む半導体構造を提供するステップにおいて、各前記発光ダイスが、発光素子と、第1電極と、第2電極とを含み、前記第1電極および前記第2電極が、前記発光素子の同じ側に配置され、前記第1電極と前記第2電極の間に間隙を有するステップと、
成形コンパウンドを形成して、前記発光ダイスをカプセル化するステップにおいて、前記成形コンパウンドが、各前記発光ダイスの前記発光素子をカプセル化し、各前記発光ダイスの前記第1電極および前記第2電極を露出するステップと、
前記発光ダイスの前記第1電極および前記第2電極にパターン化金属層を形成するステップにおいて、前記パターン化金属層が、前記発光ダイスの前記第1電極および前記第2電極に結合し、前記第1電極および前記第2電極から前記成形コンパウンドの上方に延伸するステップと、
半透明の基板を提供するステップにおいて、前記成形コンパウンドが、前記発光ダイスの前記半透明の基板と前記発光素子の間に設置されるステップと、
分離プロセスを行って、前記半導体構造、前記パターン化金属層、前記成形コンパウンドおよび前記半透明の基板を分離し、直列接続ループ、並列接続ループまたは直並列接続ループで発光ユニットを定義するステップと、
を含む発光ユニットの製造方法。
【請求項2】
前記成形コンパウンドが、蛍光体材料と混合され、前記蛍光体材料が、黄色蛍光体粉末、赤色蛍光体粉末、緑色蛍光体粉末、青色蛍光体粉末、イットリウムアルミニウムガーネット蛍光体粉末、または上述した材料の組み合わせを含む請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項3】
前記発光ユニットが、少なくとも2つの前記発光ダイスを含み、1つの前記発光ダイスの前記第1電極が、前記パターン化金属層を介して別の前記発光ダイスの前記第2電極に電気接続され、前記直列接続ループを有する前記発光ユニットを形成する請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記発光ユニットが、少なくとも2つの前記発光ダイスを含み、1つの前記発光ダイスの前記第1電極が、前記パターン化金属層を介して別の前記発光ダイスの前記第1電極に電気接続され、1つの前記発光ダイスの前記第2電極が、前記パターン化金属層を介して別の前記発光ダイスの前記第2電極に電気接続され、前記並列接続ループを有する前記発光ユニットを形成する請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記発光ユニットが、少なくとも4つの前記発光ダイスを含み、1つの前記発光ダイスの前記第1電極が、前記パターン化金属層を介して別の前記発光ダイスの前記第1電極に電気接続され、1つの前記発光ダイスの前記第2電極および別の前記発光ダイスの前記第2電極が、前記パターン化金属層を介してさらに別の前記発光ダイスの前記第1電極および又別の前記発光ダイスの前記第1電極に電気接続され、さらに別の前記発光ダイスの前記第2電極が、前記パターン化金属層を介して又別の前記発光ダイスの前記第2電極に電気接続され、前記直並列接続ループを有する前記発光ユニットを形成する請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項6】
前記パターン化金属層の材料が、各前記発光ダイスの前記第1電極および前記第2電極の材料と同じである請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項7】
前記パターン化金属層の材料が、各前記発光ダイスの前記第1電極および前記第2電極の材料と異なる請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記発光ユニットの下に配置された外部回路を提供するステップをさらに含み、前記発光ユニットが、前記パターン化金属層を介して前記外部回路に電気接続される請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記外部回路が、キャリアボードと、前記キャリアボードの上に配置された第1外部接点と、前記キャリアボードの上に配置された第2外部接点とを含み、前記発光ユニットが、前記パターン化金属層を介して前記第1外部接点および前記第2外部接点に電気接続された請求項8に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項10】
前記外部回路が、キャリアボードと、前記キャリアボードの上に配置され、且つ前記パターン化金属層に対応するパターン化回路層とを含み、前記発光ユニットが、前記パターン化金属層を介して前記パターン化回路層に電気接続された請求項8に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項11】
前記発光ユニットと前記外部回路の間に配置された放熱素子を提供するステップをさらに含む請求項8に記載の発光ユニットの製造方法。
【請求項12】
前記半透明の基板の材料が、樹脂、ガラス、セラミックまたはサファイアを含む請求項1に記載の発光ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ユニット(light emitting unit)に関するものであり、特に、発光ユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複数の発光ダイオード(light emitting diode, LED)チップで構成された発光ユニットの回路基板上での直並列制御は、回路基板の回路レイアウト設計時に電源供給器によって提供される電圧値と電流値の直並列接続方法に基づいて実施される。しかしながら、LEDチップの種類は多数あり、各LEDチップに必要な電圧値と電流値は異なるため、発光ユニットを回路基板に配置する時に、最適な発光効果を達成するのが困難なだけでなく、回路レイアウトの変更により回路基板の外観やコストにも影響を与える。
【0003】
例えば、回路基板の回路レイアウトの初期設計が4S1Pの回路設計である場合、変換効率試験を行って初期設計を2S2Pの回路設計に変更する時、直並列変更は、回路設計が完了した後に実施することができないため、ジャンパー(jumper)、回路断線、または回路レイアウトの再製造や再計画により必要な直並列設計を達成する必要があり、製造コストが上がるだけでなく、製造時間も増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、切断プロセスにより異なる直列接続ループ、並列接続ループまたは直並列接続ループを選択的に形成することのできる発光ユニットの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のステップを含む発光ユニットの製造方法を提供する。互いに分離した複数の発光ダイスを含む半導体構造を提供する。各発光ダイスは、発光素子と、第1電極と、第2電極とを含み、第1電極および第2電極は、発光素子の同じ側に配置され、第1電極と第2電極の間に間隙を有する。成形コンパウンドを形成して、且つ発光ダイスをカプセル化する。成形コンパウンドは、各発光ダイスの発光素子をカプセル化し、各発光ダイスの第1電極および第2電極を露出する。発光ダイスの第1電極および第2電極にパターン化金属層を形成する。パターン化金属層は、発光ダイスの第1電極および第2電極に直接接触し、且つ第1電極および第2電極から成形コンパウンドに延伸する。基板を提供する。成形コンパウンドは、発光ダイスの基板と発光素子の間に設置される。切断プロセスを行って、半導体構造、パターン化金属層、成形コンパウンドおよび基板を切断し、直列接続ループ、並列接続ループまたは直並列接続ループで発光ユニットを定義する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、成形コンパウンドは、蛍光体材料と混合され、蛍光体材料は、黄色蛍光体粉末、赤色蛍光体粉末、緑色蛍光体粉末、青色蛍光体粉末、イットリウムアルミニウムガーネット蛍光体粉末、または上述した材料の組み合わせを含む。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、発光ユニットは、少なくとも2つの発光ダイスを含み、1つの発光ダイスの第1電極は、パターン化金属層を介して別の発光ダイスの第2電極に電気接続され、直列接続ループを有する発光ユニットを形成する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、発光ユニットは、少なくとも2つの発光ダイスを含み、1つの発光ダイスの第1電極は、パターン化金属層を介して別の発光ダイスの第1電極に電気接続され、1つの発光ダイスの第2電極は、パターン化金属層を介して別の発光ダイスの第2電極に電気接続され、並列接続ループを有する発光ユニットを形成する。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、発光ユニットは、少なくとも4つの発光ダイスを含み、1つの発光ダイスの第1電極は、パターン化金属層を介して別の発光ダイスの第1電極に電気接続され、1つの発光ダイスの第2電極および別の発光ダイスの第2電極は、パターン化金属層を介してさらに別の発光ダイスの第1電極および又別の発光ダイスの第1電極に電気接続され、さらに別の発光ダイスの第2電極は、パターン化金属層を介して又別の発光ダイスの第2電極に電気接続され、直並列接続ループを有する発光ユニットを形成する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、パターン化金属層の材料は、各発光ダイスの第1電極および第2電極の材料と同じである。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、パターン化金属層の材料は、各発光ダイスの第1電極および第2電極の材料と異なる。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、方法は、さらに、発光ユニットの下に配置された外部回路を提供するステップを含む。発光ユニットは、パターン化金属層を介して外部回路に電気接続される。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、外部回路は、キャリアボードと、キャリアボードの上に配置された第1外部接点と、キャリアボードの上に配置された第2外部接点とを含む。発光ユニットは、パターン化金属層を介して第1外部接点および第2外部接点に電気接続される。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、外部回路は、キャリアボードと、キャリアボードの上に配置され、且つパターン化金属層に対応するパターン化回路層とを含む。発光ユニットは、パターン化金属層を介してパターン化回路層に電気接続される。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、パターン化金属層とパターン化回路層は、コンフォーマルに(conformally)配置される。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、方法は、さらに、発光ユニットと外部回路の間に配置された放熱素子を提供するステップを含む。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、基板の材料は、ガラス、セラミックまたはサファイアを含む。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明は、切断プロセスを行って半導体構造、パターン化金属層、成形コンパウンドおよび基板を切断することにより、直列接続ループ、並列接続ループまたは直並列接続ループで発光ユニットを定義する。そのため、使用者は、使用条件に基づいて自ら切断領域を選択することにより、異なる回路ループ設計を形成することができる。このように、本発明の発光ユニットの製造方法により、使用者は、より優れた製造の柔軟性を有し、複数のパターンの回路ループ設計を有する発光ユニットを製造することができる。
【0019】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係る発光ユニットの製造方法の概略図である。
【
図2】本発明の1つの実施形態に係る発光ユニットの製造方法の概略図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態に係る発光ユニットの製造方法の概略図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態に係る発光ユニットの製造方法の概略図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態に係る発光ユニットの製造方法の概略図である。
【
図6】本発明の別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
【
図7】
図7(a)および
図7(b)は、本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの異なる断面の断面図である。
【
図8】本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
【
図9】本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
【
図10】本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
【
図11】本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜
図5は、本発明の1つの実施形態に係る発光ユニットの製造方法の概略図である。簡潔にするため、
図1および
図3は、本発明の1つの実施形態に係る半導体構造110の上面図であり、
図2は、線A−Aに沿った
図1の断面図であり、
図4は、線B−Bに沿った
図3の断面図であり、
図5は、半導体110を切断領域Cに沿って切断した後に得られる線C’−C’に沿った
図3の断面図である。
【0022】
図1および
図2を参照すると、本実施形態の発光ユニットの製造方法に基づき、まず、互いに分離した複数の発光ダイス120を含む半導体構造110を提供する。各発光ダイス120は、発光素子122と、第1電極124と、第2電極126とを含み、第1電極124および第2電極126は、発光素子122の同じ側に配置され、第1電極124と第2電極126の間に間隙を有する。
図2に示すように、本実施形態の第1電極124および第2電極126は、実質的に同一平面上に設計されるが、本発明はこれに限定されない。各発光ダイス120の発光素子122は、基板(図示せず)と、発光層(図示せず)と、第2型半導体層(図示せず)とを含むことができるが、本発明はこれに限定されない。各発光ダイス120の光の色は、同じであっても、異なっていてもよく、実際の設計要求に基づいて決定される。第1電極124と第1型半導体層(図示せず)は、互いに直接接触し、且つ電気接続される。第2電極126と第2型半導体層(図示せず)は、互いに直接接触し、且つ電気接続される。
【0023】
そして、
図1および
図2を参照すると、成形コンパウンド130を形成して、発光ダイス120をカプセル化する。成形コンパウンド130は、各発光ダイス120の発光素子122をカプセル化し、且つ発光ダイス120の少なくとも一部の第1電極124および第2電極126を露出する。
【0024】
そして、
図3を参照すると、発光ダイス120の第1電極124および第2電極126にパターン化金属層140を形成する。パターン化金属層140は、発光ダイス120の第1電極124および第2電極126に直接接触し、且つ第1電極124および第2電極126から成形コンパウンド130に延伸する。注意すべきこととして、本実施形態のパターン化金属層140の材料は、各発光ダイス120の第1電極124および第2電極126の材料と同じであってもよく、パターン化金属層140の材料および各発光ダイス120の第1電極124および第2電極126の材料は、例えば、プラチナ(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、インジウム(In)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、上述した材料の合金、または上述した材料の組み合わせである。あるいは、パターン化金属層140の材料は、各発光ダイス120の第1電極124および第2電極126の材料と異なってもよく、パターン化金属層140の材料は、例えば、プラチナ(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、インジウム(In)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、上述した材料の合金、または上述した材料の組み合わせであり、各発光ダイス120の第1電極124および第2電極126の材料は、例えば、プラチナ(Pt)、金(Au)、インジウム(In)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、上述した材料の合金、または上述した材料の組み合わせである。
【0025】
そして、
図4を参照すると、基板150を提供する。成形コンパウンド130は、発光ダイス120の基板150と発光素子122の間に設置される。本実施形態の基板150は、ガラス、アクリル、セラミックまたはサファイアの材料、あるいは他の透明材料を有し、半導体構造110を支持するために使用され、発光ダイス120の発光および導光効果に役立つ。好ましくは、基板150の材料は、切断が容易で、製造プロセスを簡易化できる特性を有するガラスである。
【0026】
最後に、
図3および
図5を参照すると、切断プロセスを行って、半導体構造110、パターン化金属層140、成形コンパウンド130および基板150を切断し、直列接続ループ、並列接続ループまたは直並列接続ループで発光ユニット100aを定義する。詳しく説明すると、本実施形態の切断プロセスは、
図3の切断領域Cに沿って切断するものであり、形成される発光ユニット100aは、少なくとも2つの発光ダイスを含む(
図5において4つの発光ダイスを概略的に示し、簡潔にするため、それぞれ120a、120b、120cおよび120dで表示する)。発光ダイス120aの第1電極124は、パターン化金属層140を介して発光ダイス120bの第2電極126に電気接続され、発光ダイス120bの第1電極124は、パターン化金属層140を介して発光ダイス120cの第2電極126に電気接続され、発光ダイス120cの第1電極124は、パターン化金属層140を介して発光ダイス120dの第2電極126に電気接続され、直列接続ループ(すなわち、4S)を有する発光ユニット100aを形成する。
【0027】
直列接続ループ(すなわち、4S)を有する発光ユニット100aは、切断プロセスの後に形成されるが、別の実施形態において、切断領域を使用者の実際の要求に基づいて変更し、異なる回路ループの発光ユニットを形成してもよい。
【0028】
例えば、
図3および
図6を参照すると。
図6は、半導体構造110を切断領域Dに沿って切断した後に得られる線D’−D’に沿った
図3の断面図である。本実施形態の切断プロセスは、
図3の切断領域Dに沿って切断するものであり、形成される発光ユニット100bは、少なくとも2つの発光ダイスを含む(
図6において3つの発光ダイスを概略的に示し、簡潔にするため、それぞれ120e、120fおよび120gで表示する)。発光ダイス120eの第1電極124、発光ダイス120fの第1電極124および発光ダイス120gの第1電極124は、パターン化金属層140を介して互いに電気接続され、発光ダイス120eの第2電極126、発光ダイス120fの第2電極126および発光ダイス120gの第2電極126は、パターン化金属層140を介して互いに電気接続され、並列接続ループ(すなわち、3P)を有する発光ユニット100bを形成する。
【0029】
あるいは、
図3、
図7(a)および
図7(b)を参照すると、
図7(a)および
図7(b)は、切断領域Eに沿って切断した後に得られる
図3の断面図であり、
図7(a)は、線I−Iに沿った
図3の断面図であり、
図7(b)は、線II−IIに沿った
図3の断面図である。本実施形態の切断プロセスは、
図3の切断領域Eに沿って切断するものであり、形成される発光ユニット100cは、少なくとも4つの発光ダイスを含む(
図3において4つの発光ダイスを概略的に示し、簡潔にするため、それぞれ120h、120i、120jおよび120kで表示する)。発光ダイス120hの第2電極126は、パターン化金属層140を介して発光ダイス120kの第2電極126に電気接続され(
図3および
図7(b)を参照)、発光ダイス120hの第1電極124および発光ダイス120kの第1電極124は、パターン化金属層140を介して発光ダイス120iの第2電極126および発光ダイス120jの第2電極126に電気接続され(
図3および
図7(a)を参照)、発光ダイス120iの第1電極124は、パターン化金属層140を介して発光ダイス120jの第1電極124に電気接続され、直並列接続ループ(すなわち、2S2P)を有する発光ユニット100cを形成する。
【0030】
図示していない別の実施形態において、本分野の技術者であれば、上述した実施形態の説明を参照することにより、実際の要求に基づいて半導体構造110の切断領域を選択し、必要な回路ループ(例えば、2S3P、4S1P等)を有する発光ユニットを形成することができる。
【0031】
さらに、注意すべきこととして、本実施形態のパターン化金属層140は、発光ダイス120の第1電極124および第2電極126を覆い、成形コンパウンド130の一部に延伸する。すなわち、パターン化金属層140は、発光ダイス120の第1電極124および第2電極126の接触領域を増やすことができるため、切断プロセスの後に形成される発光ユニット100a、100bおよび100cと外部回路との組み立てに役立ち、アライメント精度と組立効果を効果的に向上させることができる。
【0032】
さらに、
図8を参照すると、
図8は、本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。本実施形態の発光ユニット100dは、
図5の発光ユニット100aと類似しており、相違点は、発光ユニットの発光色を変えるため、成形コンパウンド130に蛍光材料132を混合することである。蛍光材料132は、例えば、黄色蛍光体粉末、赤色蛍光体粉末、緑色蛍光体粉末、青色蛍光体粉末、イットリウムアルミニウムガーネット蛍光体粉末、または上述した材料の組み合わせを含む。
【0033】
図9は、本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
図9を参照すると、発光ユニット100eの製造方法は、さらに、外部回路160を提供するステップを含む。外部回路160は、発光ユニット100eの下に配置され、発光ユニット100eは、パターン化金属層140を介して外部回路160に電気接続される。例えば、本実施形態の外部回路160は、回路基板であり、キャリアボード162と、第1外部接点164aと、第2外部接点164bとを含む。詳しく説明すると、発光ユニット100eは、パターン化金属層140を介して第1外部接点164aおよび第2外部接点164bに電気接続される。発光ダイス120a、120b、120cおよび120dは、パターン化金属層140を介して電気接続されるため、外部回路160の第1外部接点164aおよび第2外部接点164bにそれぞれ正電気および負電気を通すことにより、発光ユニット100eを駆動して光を出射することができ、外部回路160の回路レイアウトを追加で変更する必要がないため、より優れた使用の柔軟性を達成することができる。
【0034】
特に、
図10に示すように、別の実施形態において、発光ユニット100fは、さらに、放熱素子166を含んでもよい。放熱素子166は、放熱効果を効果的に上げるため、発光ユニット100fと外部回路160の間に配置されるが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
図11は、本発明のさらに別の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
図9および
図11を参照すると、本実施形態の発光ユニット100gと
図9の実施形態の発光ユニット100eの間の相違点は、本実施形態の外部回路160’が、キャリアボード162と、キャリアボード162に配置され、且つパターン化金属層140に対応するパターン化回路層168とを含むことであり、発光ユニット100gは、パターン化金属層140を介してパターン化回路層168に電気接続される。好ましくは、パターン化金属層140とパターン化回路層168は、より大きな放熱領域とアライメント領域を達成するため、キャリアボード162の上にコンフォーマルに配置されるが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
以上のように、本発明は、切断プロセスを行って半導体構造、パターン化金属層、成形コンパウンドおよび基板を切断することにより、直列接続ループ、並列接続ループまたは直並列接続ループで発光ユニットを定義する。そのため、使用者は、使用条件に基づいて自ら切断領域を選択することにより、異なる回路ループ設計を形成することができる。このように、本発明の発光ユニットの製造方法により、使用者は、より優れた製造の柔軟性を有し、複数のパターンの回路ループ設計を有する発光ユニットを製造することができる。
【0037】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、複数のパターンの回路ループ設計を有する発光ユニットを製造することのできる発光ユニットの製造方法に関するものである。
【符号の説明】
【0039】
100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g 発光ユニット
110 半導体構造
120、120a、120b、120c、120d、120e、120f、120g、120h、120i、120j、120k 発光ダイス
122 発光素子
124 第1電極
126 第2電極
130 成形コンパウンド
132 蛍光体材料
140 パターン化金属層
150 基板
160、160’ 外部回路
162 キャリアボード
164a 第1外部接点
164b 第2外部接点
166 放熱素子
168 パターン化回路層
C、D、E 切断領域
G ギャップ