(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
顔料が、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料およびハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項11に記載の着色硬化性樹脂組成物。
顔料が、塩素化銅フタロシアニン顔料、臭素化銅フタロシアニン顔料および臭素化亜鉛フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項11に記載の着色硬化性樹脂組成物。
顔料が、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36およびC.I.ピグメントグリーン58からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項11〜14のいずれかに記載の着色硬化性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と記載することがある)を含む着色剤、樹脂、重合性化合物、重合開始剤および溶剤を含む。化合物(I)には、その互変異性体やそれらの塩も含まれる。
【0006】
<化合物(I)>
式(I)中、Lは、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基(−SO
2−)を表わす。
【0007】
炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基としては、式(L1)〜式(L12)で表される基が挙げられ、原料の入手性の点で、式(L1)、式(L7)、式(L8)、式(L10)または式(L11)で表される基であることが好ましく、式(L1)、式(L7)、式(L8)または式(L11)で表される基であることがより好ましく、式(L1)で表される基であることが特に好ましい。なお、下記式(L1)〜式(L12)中、●は結合手を表わす。
【0008】
炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−エチレン基、2,2−プロピレン基、フルオレン−9,9−ジイル基等が挙げられ、炭素数1〜16の2価の炭化水素基が好ましい。
【0009】
化合物(I)の熱的安定性の点で、Lは、炭素数1〜16の2価の炭化水素基またはスルホニル基であることが好ましく、原料の入手の観点から、下記式(L21)〜式(L24)のいずれかで表される基であることがより好ましく、式(L21)〜式(L23)のいずれかで表される基であることがさらに好ましく、式(L21)または式(L22)で表される基が特に好ましい。なお、下記式中、●は結合手を表す。
【0011】
式(I)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を表わし、好ましくは酸素原子である。Xが酸素原子である化合物(I)を含む着色剤を含む着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは明度が高い傾向がある。
【0012】
式(I)中、R
7〜R
13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基、ホルミル基、アミノ基または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表わし、該炭化水素基を構成する−CH
2−は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
14)−、スルホニル基またはカルボニル基に置き換わっていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基(−CONH
2)、スルファモイル基(−SO
2NH
2)、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基、ホルミル基またはアミノ基に置き換わっていてもよく、R
14は、水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表わし、R
14が複数存在する場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0013】
Mは、水素原子またはアルカリ金属原子を表わし、Mが複数存在する場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。アルカリ金属原子としては、ナトリウム原子およびカリウム原子が挙げられる。Mは、好ましくは水素原子である。
【0014】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0015】
炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−1−ペンチル基、2−ペンテニル基、3−エチル−1−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチル−1−ヘキシル基、2−エチル−1−ヘキシル基、ヘプチル基、3−エチル−1−ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクダデシル基等の脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、2,6−ジ(2−プロピル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェニル基等の芳香族炭化水素基;および、
シクロヘキシルメチル基、ベンジル基、フェネチル基等の前記の二つ以上の基を組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
【0016】
かかる1価の炭化水素基を構成する−CH
2−が、酸素原子、硫黄原子、−N(R
14)−、スルホニル基またはカルボニル基に置き換わった基、および、かかる1価の炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基、ホルミル基またはアミノ基に置き換わった基としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、(2−エチル−1−ヘキシル)オキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;
アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、イソプロペニルカルボニル基、1−プロペニルカルボニル基、2−プロペニルカルボニル基、ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、(1−エチル−1−ブチル)カルボニル基、(2−エチル−1−ブチル)カルボニル基、2−ブテニルカルボニル基、1,3−ブタジエニルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、3−ペンチルカルボニル基、ネオペンチルカルボニル基、tert−ペンチルカルボニル基、(1−メチル−1−ペンチル)カルボニル基、(2−メチル−1−ペンチル)カルボニル基、2−ペンテニルカルボニル基、(1−エチル−1−ペンチル)カルボニル基、(3−エチル−1−ペンチル)カルボニル基、ヘキシルカルボニル基、イソヘキシルカルボニル基、(5−メチル−1−ヘキシル)カルボニル基、(2−エチル−1−ヘキシル)カルボニル基、ヘプチルカルボニル基、(3−エチル−1−ヘプチル)カルボニル基、オクチルカルボニル基、ノニルカルボニル基、デシルカルボニル基、ウンデシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、シクロヘキシルメチルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等のアシル基;
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
下記式(GL−1)〜式(GL−8)で表される基(なお、下記式中、●は結合手を表わす。);
【0017】
N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−イソブチルカルバモイル基、N−sec−ブチルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N−ペンチルカルバモイル基、N−(1−エチル−1−プロピル)カルバモイル基、N−(1,1−ジメチル−1−プロピル)カルバモイル基、N−(1,2−ジメチル−1−プロピル)カルバモイル基、N−(2,2−ジメチル−1−プロピル)カルバモイル基、N−(1−メチル−1−ブチル)カルバモイル基、N−(2−メチル−1−ブチル)カルバモイル基、N−(3−メチル−1−ブチル)カルバモイル基、N−シクロペンチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−(1,3−ジメチル−1−ブチル)カルバモイル基、N−(3,3−ジメチル−1−ブチル)カルバモイル基、N−ヘプチルカルバモイル基、N−(1−メチル−1−ヘキシル)カルバモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)カルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−(2−エチル−1−ヘキシル)カルバモイル基、N−(1,5−ジメチル−1−ヘキシル)カルバモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチル−1−ブチル)カルバモイル基等の一置換カルバモイル基;
【0018】
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−エチルメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−プロピルメチルカルバモイル基、N,N−イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N−tert−ブチルメチルカルバモイル基、N,N−ブチルエチルカルバモイル基、N,N−ビス(1−メチル−1−プロピル)カルバモイル基、N,N−ヘプチルメチルカルバモイル基、N,N−ビス(2−エチル−1−ヘキシル)カルバモイル基等の二置換カルバモイル基;
【0019】
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(1−メチル−1−ブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチル−1−ブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチル−1−ブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチル−1−ブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチル−1−ヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチル−1−ペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチル−1−ヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル−1−ヘキシル)スルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチル−1−ブチル)スルファモイル基等の一置換スルファモイル基;
【0020】
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチル−1−プロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基、N,N−ビス(2−エチル−1−ヘキシル)スルファモイル基等の二置換スルファモイル基;
【0021】
N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−(1−エチル−1−プロピル)アミノ基、N−(1,1−ジメチル−1−プロピル)アミノ基、N−(1,2−ジメチル−1−プロピル)アミノ基、N−(2,2−ジメチル−1−プロピル)アミノ基、N−(1−メチル−1−ブチル)アミノ基、N−(2−メチル−1−ブチル)アミノ基、N−(3−メチル−1−ブチル)アミノ基、N−シクロペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−(1,3−ジメチル−1−ブチル)アミノ基、N−(3,3−ジメチル−1−ブチル)アミノ基、N−ヘプチルアミノ基、N−(1−メチル−1−ヘキシル)アミノ基、N−(1,4−ジメチル−1−ペンチル)アミノ基、N−オクチルアミノ基、N−(2−エチル−1−ヘキシル)アミノ基、N−(1,5−ジメチル−1−ヘキシル)アミノ基、N−(1,1,2,2−テトラメチル−1−ブチル)アミノ基等のN−アルキルアミノ基;
N,N−ジメチルアミノ基、N,N−エチルメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−プロピルメチルアミノ基、N,N−イソプロピルメチルアミノ基、N,N−tert−ブチルメチルアミノ基、N,N−ブチルエチルアミノ基、N,N−ビス(1−メチル−1−プロピル)アミノ基、N,N−ヘプチルメチルアミノ基、N,N−ビス(2−エチル−1−ヘキシル)アミノ基等のN,N−ジアルキルアミノ基;
【0022】
N−メチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、N−プロピルアミノメチル基、N−イソプロピルアミノメチル基、N−ブチルアミノメチル基、N−イソブチルアミノメチル基、N−sec−ブチルアミノメチル基、N−tert−ブチルアミノメチル基、N−ペンチルアミノメチル基、N−(1−エチル−1−プロピル)アミノメチル基、N−(1,1−ジメチル−1−プロピル)アミノメチル基、N−(1,2−ジメチル−1−プロピル)アミノメチル基、N−(2,2−ジメチル−1−プロピル)アミノメチル基、N−(1−メチル−1−ブチル)アミノメチル基、N−(2−メチル−1−ブチル)アミノメチル基、N−(3−メチル−1−ブチル)アミノメチル基、N−シクロペンチルアミノメチル基、N−ヘキシルアミノメチル基、N−(1,3−ジメチル−1−ブチル)アミノメチル基、N−(3,3−ジメチル−1−ブチル)アミノメチル基、N−ヘプチルアミノメチル基、N−(1−メチル−1−ヘキシル)アミノメチル基、N−(1,4−ジメチル−1−ペンチル)アミノメチル基、N−オクチルアミノメチル基、N−(2−エチル−1−ヘキシル)アミノメチル基、N−(1,5−ジメチル−1−ヘキシル)アミノメチル基、N−(1,1,2,2−テトラメチル−1−ブチル)アミノメチル基等のN−アルキルアミノメチル基;
N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−エチルメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、N,N−プロピルメチルアミノメチル基、N,N−イソプロピルメチルアミノメチル基、N,N−tert−ブチルメチルアミノメチル基、N,N−ブチルエチルアミノメチル基、N,N−ビス(1−メチル−1−プロピル)アミノメチル基、N,N−ヘプチルメチルアミノメチル基、N,N−ジ(2−エチル−1−ヘキシル)アミノメチル基等のN,N−ジアルキルアミノメチル基;
【0023】
トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロイソプロペニル基、ペルフルオロ(1−プロペニル)基、ペルフルオロ(2−プロペニル)基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ(sec−ブチル)基、ペルフルオロ(tert−ブチル)基、ペルフルオロ(2−ブテニル)基、ペルフルオロ(1,3−ブタジエニル)基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロ(イソペンチル)基、ペルフルオロ(3−ペンチル)基、ペルフルオロネオペンチル基、ペルフルオロ(tert−ペンチル)基、ペルフルオロ(1−メチルペンチル)基、ペルフルオロ(2−メチル−1−ペンチル)基、ペルフルオロ(2−ペンテニル)基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロイソヘキシル基、ペルフルオロ(5−メチル−1−ヘキシル)基、ペルフルオロ(2−エチル−1−ヘキシル)基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオロドデシル基、ペルフルオロオクタデシル基等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基;
【0024】
ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキセニル基、ペルフルオロシクロヘプチル基、ペルフルオロ(1−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(4−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,5−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,6−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,5−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,2−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(4,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)基等のフッ素原子を有する脂環式炭化水素基;
【0025】
ペルフルオロフェニル基、ペルフルオロ(o−トリル)基、ペルフルオロ(m−トリル)基、ペルフルオロ(p−トリル)基、ペルフルオロキシリル基、ペルフルオロメシチル基、ペルフルオロ(o−クメニル)基、ペルフルオロ(m−クメニル)基、ペルフルオロ(p−クメニル)基、ペルフルオロベンジル基、ペルフルオロフェネチル基、ペルフルオロビフェニリル基、ペルフルオロ(1−ナフチル)基、ペルフルオロ(2−ナフチル)基、1−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等のフッ素原子を有する芳香族炭化水素基;
【0026】
ペルフルオロメトキシ基、ペルフルオロエトキシ基、ペルフルオロプロポキシ基、ペルフルオロ(イソプロポキシ)基、ペルフルオロブトキシ基、ペルフルオロ(イソブトキシ)基、ペルフルオロ(sec−ブトキシ)基、ペルフルオロ(tert−ブトキシ)基、ペルフルオロペンチルオキシ基、ペルフルオロフェノキシ基、ペルフルオロベンジルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、(ペルフルオロエチル)メトキシ基、(ペルフルオロプロピル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソプロピル))メトキシ基、(ペルフルオロ(イソプロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1−プロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−プロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロブチル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(sec−ブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(tert−ブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−ブテニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1,3−ブタジエニル))メトキシ基、(ペルフルオロペンチル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(3−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(ネオペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(tert−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1−メチル−1−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−メチルペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−ペンテニル))メトキシ基、(ペルフルオロヘキシル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロ(5−メチル−1−ヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−エチル−1−ヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロヘプチル)メトキシ基、(ペルフルオロオクチル)メトキシ基、(ペルフルオロノニル)メトキシ基、(ペルフルオロデシル)メトキシ基、(ペルフルオロウンデシル)メトキシ基、(ペルフルオロドデシル)メトキシ基、(ペルフルオロオクタデシル)メトキシ基等のフッ素原子を有する置換オキシ基;
【0027】
2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基等が挙げられる。
【0028】
R
7〜R
11およびR
13は、水素原子であることが好ましい。
【0029】
R
12は、水素原子、−SO
3Mまたは−CO
2Mであることが好ましく、水素原子または−SO
3Mであることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
【0030】
式(I)中、Zは、下記式(Z1)で表される基または下記式(Z2)で表される基を表わす(下記式中、*は結合手を表わす。)。
【0031】
式(Z1)中、R
1は、炭素数1〜20のアルキル基を表わし、該アルキル基を構成する−CH
2−は酸素原子に置き換わってもよい。かかるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−エチル−1−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチル−1−ヘキシル基、2−エチル−1−ヘキシル基、ヘプチル基、3−エチル−1−ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、炭素数1〜16のアルキル基が好ましい。
【0032】
これらアルキル基を構成する−CH
2−が酸素原子に置き換わった基としては、上記式(GL−1)〜式(GL−8)で表される基が挙げられる。
【0033】
Lが、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、化合物(I)の溶媒への溶解性の観点から、式(Z1)におけるR
1は、好ましくは炭素数1〜16のアルキル基または式(GL−1)〜式(GL−8)のいずれかで表される基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基または式(GL−1)〜式(GL−8)のいずれかで表される基であり、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基(例えば、エチル基、ブチル基、2−エチル−1ヘキシル基、1−オクチル基等)または式(GL−1)〜式(GL−6)のいずれかで表される基であり、特に好ましくは炭素数2〜4のアルキル基または式(GL−1)〜式(GL−4)のいずれかで表される基である。
【0034】
Lが、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、化合物(I)の溶媒への溶解性の観点から、式(Z1)におけるR
1は、好ましくは炭素数1〜16のアルキル基または式(GL−1)〜式(GL−8)のいずれかで表される基であり、より好ましくは炭素数4〜12のアルキル基または式(GL−1)〜式(GL−8)のいずれかで表される基であり、さらに好ましくは炭素数6〜10のアルキル基(例えば、2−エチル−1ヘキシル基、1−オクチル基等)または式(GL−3)〜式(GL−8)のいずれかで表される基であり、特に好ましくは炭素数6〜10のアルキル基または式(GL−3)〜式(GL−6)のいずれかで表される基である。
【0035】
式(Z1)中、R
2〜R
6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基、ホルミル基、アミノ基または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表わし、該炭化水素基を構成する−CH
2−は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
30)−、スルホニル基またはカルボニル基に置き換わっていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基、ホルミル基またはアミノ基に置き換わっていてもよい。R
30は、水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表わし、R
30が複数存在する場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、Mは、水素原子またはアルカリ金属原子を表わし、Mが複数存在する場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
R
2〜R
6としては、前記R
7〜R
13と同様のものが挙げられる。R
30も、R
14と同様のものが挙げられる。
【0036】
Lが、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、化合物(I)の溶媒への溶解性の観点から、式(Z1)におけるR
2は、好ましくは水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、2−プロピル基またはtert−ブチル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。R
2がこれらの基である化合物(I)を含む着色剤を含む着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは明度が高い傾向がある。
【0037】
Lが、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、化合物(I)の溶媒への溶解性の観点から、式(Z1)におけるR
4は、好ましくは水素原子、−SO
3M、−CO
2Mまたは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、tert−ブチル基、1−ヘキシル基、2−エチル−1−ヘキシル基、1−オクチル基等)であり、より好ましくは水素原子、−SO
3M、−CO
2Mまたは炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子またはメチル基である。
【0038】
Lが、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、R
6は、好ましくは水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、2−プロピル基またはtert−ブチル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。R
6がこれらの基である化合物(I)を含む着色剤を含む着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは明度が高い傾向がある。
【0039】
Lが、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、R
3およびR
5は、好ましくは水素原子である。
【0040】
Lが、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、化合物(I)の溶媒への溶解性の観点から、式(Z1)におけるR
2は、好ましくは水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基または2−プロピル基であり、特に好ましくはメチル基である。R
2がこれらの基である化合物(I)を含む着色剤を含む着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは明度が高い傾向がある。
【0041】
Lが、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、化合物(I)の溶媒への溶解性の観点から、式(Z1)におけるR
4は、好ましくは水素原子、−SO
3M、−CO
2Mまたは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、tert−ブチル基、1−ヘキシル基、2−エチル−1−ヘキシル基、1−オクチル基等)であり、より好ましくは水素原子、−SO
3M、−CO
2Mまたは炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子またはメチル基である。
【0042】
Lが、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、R
6は、好ましくは水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、−SO
3Mまたは−CO
2Mであり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または−SO
3Mであり、特に好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
【0043】
Lが、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが、式(Z1)で表わされる基であるとき、R
3およびR
5は、好ましくは水素原子である。
【0044】
式(Z1)における下記式
で表わされる基の具体例としては、下記式(PHK−1)〜(PHK−31)で表される基が挙げられる。下記式中、●は結合手を表わす。
【0045】
式(Z2)中、Ar
1は、オルト位、メタ位またはその両方に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基を表わす。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−エチル−1−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチル−1−ヘキシル基、2−エチル−1−ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
オルト位に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基とは、2つのオルト位の少なくとも一方に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基を意味する。メタ位に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基とは、2つのメタ位の少なくとも一方に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基を意味する。オルト位とメタ位の両方に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基とは、2つのオルト位の少なくとも一方および2つのメタ位の少なくとも一方に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基を意味する。
【0046】
Ar
1は、好ましくはオルト位に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基、または、オルト位およびメタ位に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基である。
【0047】
Ar
1は、炭素数1〜8のアルキル基以外の置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基、ホルミル基およびアミノ基が挙げられ、−SO
3Mおよび−CO
2Mが好ましい。
【0048】
Ar
1の具体例としては、下記式(PHK−1)〜(PHK−10)および式(PHK−13)〜(PHK−29)で表される基が挙げられる。下記式中、●は結合手を表わす。
【0049】
化合物(I)としては、下記表1〜表3に示す式(IA)で表される化合物またはそのアルカリ金属塩、下記表4〜表5に示す式(IB)で表される化合物またはそのアルカリ金属塩、下記表6〜表19に示す式(IAA)で表される化合物またはそのアルカリ金属塩、および下記表20〜表28に示す式(IAB)で表される化合物またはそのアルカリ金属塩が挙げられる。
なお、下記表1〜表5中、「L1」は式(L1)で表される基を表わし、「O」は酸素原子を表わし、「S」は硫黄原子を表わし、「Me」はメチル基を表わし、「Et」はエチル基を表わし、「Bu」はブチル基を表わし、「Hex」はヘキシル基を表わし、「EHx」は2−エチル−1−ヘキシル基を表わし、「Oct」はオクチル基を表わし、「GL1」は式(GL−1)で表される基を表わし、「GL2」は式(GL−2)で表される基を表わし、「GL3」は式(GL−3)で表される基を表わし、「GL5」は式(GL−5)で表される基を表わし、「H」は水素原子を表わし、「SA」は−SO
3Hを表わし、「CA」は−CO
2Hを表わし、「PHK−1」〜「PHK−16」はそれぞれ式(PHK−1)〜式(PHK−16)で表される基を表わす。
【0055】
下記表6〜表19中、「L21」は式(L21)で表される基を表わし、「L22」は式(L22)で表される基を表わし、「L23」は式(L23)で表される基を表わし、「L24」は式(L24)で表される基を表わし、「O」は酸素原子を表わし、「S」は硫黄原子を表わし、「Me」はメチル基を表わし、「Et」はエチル基を表わし、「Bu」はブチル基を表わし、「Hex」はヘキシル基を表わし、「EHx」は2−エチル−1−ヘキシル基を表わし、「Oct」はオクチル基を表わし、「MB」は3−メチル−1−ブチル基を表わし、「DC」はドデシル基を表わし、「GL1」は式(GL−1)で表される基を表わし、「GL2」は式(GL−2)で表される基を表わし、「GL3」は式(GL−3)で表される基を表わし、「GL5」は式(GL−5)で表される基を表わし、「H」は水素原子を表わし、「SA」は−SO
3Hを表わし、「CA」は−CO
2Hを表わす。
【0070】
なお、下記表20〜表28中、「L21」は式(L21)で表される基を表わし、「L22」は式(L22)で表される基を表わし、「L23」は式(L23)で表される基を表わし、「L24」は式(L24)で表される基を表わし、「O」は酸素原子を表わし、「S」は硫黄原子を表わし、「H」は水素原子を表わし、「SA」は−SO
3Hを表わし、「CA」は−CO
2Hを表わし、「PHK−1」〜「PHK−16」はそれぞれ式(PHK−1)〜式(PHK−16)で表される基を表わす。
【0080】
化合物(I)としては、下記表29に示す式(IA’)で表される化合物またはそのアルカリ金属塩もが挙げられる。
なお、下記表29中、「L1」は式(L1)で表される基を表わし、「O」は酸素原子を表わし、「Me」はメチル基を表わし、「Et」はエチル基を表わし、「Bu」はブチル基を表わし、「Hex」はヘキシル基を表わし、「EHx」は2−エチル−1−ヘキシル基を表わし、「Oct」はオクチル基を表わし、「GL1」は式(GL−1)で表される基を表わし、「GL2」は式(GL−2)で表される基を表わし、「GL3」は式(GL−3)で表される基を表わし、「GL5」は式(GL−5)で表される基を表わし、「H」は水素原子を表わす。
【0082】
例えば、化合物(I−2)は、下記式(I−2)で示される化合物である。
【0083】
例えば、化合物(IA−1)は、下記式(IA−1)で示される化合物である。
【0084】
例えば、化合物(IB−1)は、下記式(IB−1)で示される化合物である。
【0085】
Lが炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基である化合物(I)の中でも、溶媒へ化合物(I)の溶解性および着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタの明度の観点から、化合物(I−1)、化合物(I−2)、化合物(I−5)、化合物(I−6)、化合物(I−9)、化合物(I−10)、化合物(I−13)、化合物(I−14)、化合物(I−17)、化合物(I−18)、化合物(I−21)、化合物(I−22)、化合物(I−25)、化合物(I−26)、化合物(I−29)、化合物(I−30)、化合物(I−65)、化合物(I−66)、化合物(I−67)、化合物(I−68)、化合物(I−69)、化合物(I−70)、化合物(I−71)、化合物(I−72)、化合物(I−73)、化合物(I−74)、化合物(I−75)、化合物(I−76)、化合物(I−77)、化合物(I−78)、化合物(I−79)、化合物(I−80)、化合物(I−81)〜化合物(I−100)、化合物(I−141)、化合物(I−144)、化合物(I−145)〜化合物(I−166)、化合物(I−4)、化合物(I−8)、化合物(I−12)、化合物(I−16)、化合物(I−20)、化合物(I−24)、化合物(I−28)、化合物(I−32)および化合物(I−142)が好ましく、
化合物(I−1)、化合物(I−2)、化合物(I−5)、化合物(I−6)、化合物(I−13)、化合物(I−14)、化合物(I−17)、化合物(I−18)、化合物(I−21)、化合物(I−22)、化合物(I−25)、化合物(I−26)、化合物(I−45)、化合物(I−46)、化合物(I−49)、化合物(I−50)、化合物(I−65)、化合物(I−66)、化合物(I−69)、化合物(I−70)、化合物(I−73)、化合物(I−74)、化合物(I−77)、化合物(I−78)および化合物(I−81)〜化合物(I−92)、化合物(I−141)、化合物(I−144)、化合物(I−145)〜化合物(I−148)、化合物(I−151)〜化合物(I−158)、化合物(I−161)〜化合物(I−166)、化合物(I−4)、化合物(I−8)、化合物(I−16)、化合物(I−20)、化合物(I−24)、化合物(I−28)および化合物(I−142)がより好ましく、
化合物(I−1)、化合物(I−2)、化合物(I−5)、化合物(I−6)、化合物(I−21)、化合物(I−22)、化合物(I−25)、化合物(I−26)、化合物(I−65)、化合物(I−66)、化合物(I−73)、化合物(I−74)、化合物(I−81)、化合物(I−82)、化合物(I−141)、化合物(I−144)、化合物(I−145)〜化合物(I−148)、化合物(I−153)〜化合物(I−158)、化合物(I−4)、化合物(I−8)、化合物(I−24)、化合物(I−28)および化合物(I−142)がさらに好ましく、
化合物(I−1)および化合物(I−2)が特に好ましい。
【0086】
Lが炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが式(Z1)で表わされる基である化合物(I)の中でも、溶媒への化合物(I)の溶解性および着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタの明度の観点から、化合物(IA−1)、化合物(IA−2)、化合物(IA−5)、化合物(IA−6)、化合物(IA−9)、化合物(IA−10)、化合物(IA−13)、化合物(IA−14)、化合物(IA−17)、化合物(IA−18)、化合物(IA−21)、化合物(IA−22)、化合物(IA−25)、化合物(IA−26)、化合物(IA−29)、化合物(IA−30)、化合物(IA−33)、化合物(IA−34)、化合物(IA−37)、化合物(IA−38)、化合物(IA−41)、化合物(IA−42)、化合物(IA−45)、化合物(IA−46)、化合物(IA−49)、化合物(IA−50)、化合物(IA−53)、化合物(IA−54)、化合物(IA−57)、化合物(IA−58)、化合物(IA−61)、化合物(IA−62)、化合物(IA−65)、化合物(IA−66)、化合物(IA−69)、化合物(IA−70)、化合物(IA−73)、化合物(IA−74)、化合物(IA−77)、化合物(IA−78)、化合物(IA−81)、化合物(IA−82)、化合物(IA−85)、化合物(IA−86)、化合物(IA−89)、化合物(IA−90)、化合物(IA−93)、化合物(IA−94)、化合物(IA−97)、化合物(IA−98)、化合物(IA−101)、化合物(IA−102)、化合物(IA−105)、化合物(IA−106)、化合物(IA−109)、化合物(IA−110)、化合物(IA−113)、化合物(IA−114)、化合物(IA−117)、化合物(IA−118)、化合物(IA−121)、化合物(IA−122)、化合物(IA−125)、化合物(IA−126)、化合物(IA−257)、化合物(IA−259)、化合物(IA−261)、化合物(IA−262)、化合物(IA−264)、化合物(IA−266)、化合物(IA−267)、化合物(IA−269)、化合物(IA−271)、化合物(IA−272)、化合物(IA−274)、化合物(IA−276)、化合物(IA−277)、化合物(IA−279)、化合物(IA−281)、化合物(IA−282)、化合物(IA−284)、化合物(IA−286)、化合物(IA−287)、化合物(IA−289)、化合物(IA−291)、化合物(IA−292)、化合物(IA−294)、化合物(IA−296)、化合物(IA−301)、化合物(IA−302)、化合物(IA−305)、化合物(IA−306)、化合物(IA−309)、化合物(IA−310)、化合物(IA−313)、化合物(IA−314)および化合物(IA−333)〜化合物(IA−404)が好ましく、
化合物(IA−9)、化合物(IA−10)、化合物(IA−13)、化合物(IA−14)、化合物(IA−17)、化合物(IA−18)、化合物(IA−25)、化合物(IA−26)、化合物(IA−29)、化合物(IA−30)、化合物(IA−41)、化合物(IA−42)、化合物(IA−45)、化合物(IA−46)、化合物(IA−49)、化合物(IA−50)、化合物(IA−57)、化合物(IA−58)、化合物(IA−61)、化合物(IA−62)、化合物(IA−73)、化合物(IA−74)、化合物(IA−77)、化合物(IA−78)、化合物(IA−81)、化合物(IA−82)、化合物(IA−89)、化合物(IA−90)、化合物(IA−93)、化合物(IA−94)、化合物(IA−105)、化合物(IA−106)、化合物(IA−109)、化合物(IA−110)、化合物(IA−113)、化合物(IA−114)、化合物(IA−121)、化合物(IA−122)、化合物(IA−125)、化合物(IA−126)、化合物(IA−257)、化合物(IA−259)、化合物(IA−261)、化合物(IA−262)、化合物(IA−264)、化合物(IA−266)、化合物(IA−267)、化合物(IA−269)、化合物(IA−271)、化合物(IA−272)、化合物(IA−274)、化合物(IA−276)、化合物(IA−277)、化合物(IA−279)、化合物(IA−281)、化合物(IA−282)、化合物(IA−284)、化合物(IA−286)、化合物(IA−287)、化合物(IA−289)、化合物(IA−291)、化合物(IA−292)、化合物(IA−294)、化合物(IA−296)、化合物(IA−301)、化合物(IA−302)、化合物(IA−305)、化合物(IA−306)、化合物(IA−309)、化合物(IA−310)、化合物(IA−313)、化合物(IA−314)および化合物(IA−333)〜化合物(IA−404)がより好ましく、
化合物(IA−13)、化合物(IA−14)、化合物(IA−17)、化合物(IA−18)、化合物(IA−45)、化合物(IA−46)、化合物(IA−49)、化合物(IA−50)、化合物(IA−77)、化合物(IA−78)、化合物(IA−81)、化合物(IA−82)、化合物(IA−109)、化合物(IA−110)、化合物(IA−113)、化合物(IA−114)、化合物(IA−257)、化合物(IA−259)、化合物(IA−261)、化合物(IA−262)、化合物(IA−264)、化合物(IA−266)、化合物(IA−277)、化合物(IA−279)、化合物(IA−281)、化合物(IA−282)、化合物(IA−284)、化合物(IA−286)および化合物(IA−301)〜化合物(IA−330)および化合物(IA−333)〜化合物(IA−404)がさらに好ましく、
化合物(IA−13)、化合物(IA−14)、化合物(IA−17)、化合物(IA−18)、化合物(IA−45)、化合物(IA−46)、化合物(IA−49)および化合物(IA−50)が特に好ましい。
【0087】
Lが炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが式(Z2)で表わされる基である化合物(I)の中でも、溶媒への化合物(I)の溶解性および着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタの明度の観点から、化合物(IB−1)、化合物(IB−2)、化合物(IB−3)、化合物(IB−4)、化合物(IB−5)、化合物(IB−6)、化合物(IB−7)、化合物(IB−8)、化合物(IB−9)、化合物(IB−10)、化合物(IB−11)、化合物(IB−12)、化合物(IB−13)、化合物(IB−14)、化合物(IB−15)、化合物(IB−16)、化合物(IB−17)、化合物(IB−18)、化合物(IB−19)、化合物(IB−20)、化合物(IB−31)、化合物(IB−32)、化合物(IB−33)、化合物(IB−34)、化合物(IB−35)、化合物(IB−36)、化合物(IB−37)、化合物(IB−38)、化合物(IB−39)、化合物(IB−40)、化合物(IB−41)、化合物(IB−42)、化合物(IB−43)、化合物(IB−44)、化合物(IB−45)、化合物(IB−46)、化合物(IB−47)、化合物(IB−48)、化合物(IB−49)および化合物(IB−50)が好ましく、化合物(IB−1)、化合物(IB−2)、化合物(IB−3)、化合物(IB−4)、化合物(IB−5)、化合物(IB−6)、化合物(IB−7)、化合物(IB−8)、化合物(IB−9)、化合物(IB−10)、化合物(IB−11)、化合物(IB−12)、化合物(IB−31)、化合物(IB−32)、化合物(IB−33)、化合物(IB−34)、化合物(IB−35)、化合物(IB−36)、化合物(IB−37)、化合物(IB−38)、化合物(IB−39)、化合物(IB−40)、化合物(IB−41)および化合物(IB−42)がより好ましく、
化合物(IB−1)、化合物(IB−2)、化合物(IB−31)および化合物(IB−32)がさらに好ましい。
【0088】
化合物(I)のうち、Lが炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基であり、Zが式(Z1)で表される基または式(Z2)で表わされる基である化合物、すなわち、下記式(Ia−1)で表される化合物(以下、化合物(Ia−1)と記載することがある)および下記式(Ia−2)で表される化合物(以下、化合物(Ia−2)と記載することがある)は新規な化合物であり、熱安定性が高く、着色硬化性樹脂組成物の着色剤成分として好適である。
(式(Ia−1)中、L
aは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基(−SO
2−)を表わし、XおよびR
7〜R
13は上記と同一の意味を表わし、Z
aは、式(Z1)で表される基を表わす。)
(式(Ia−2)中、L
a、XおよびR
7〜R
13は上記と同一の意味を表わしZ
bは、式(Z2)で表される基を表わす。)
【0089】
化合物(Ia−1)の中でも、R
1が炭素数1〜16のアルキル基であり、該アルキル基を構成する−CH
2−は酸素原子に置き換わってもよい化合物(Ia−1)が好ましく、R
1が、炭素数6〜10のアルキル基である化合物(Ia−1)がより好ましい。
化合物(Ia−2)の中でも、Ar
1が、オルト位に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基、または、オルト位およびメタ位に炭素数1〜8のアルキル基を有するフェニル基である化合物(Ia−2)が好ましく、Ar
1が、オルト位にメチル基、エチル基またはイソプロピル基を有するフェニル基、または、オルト位およびメタ位にメチル基、エチル基またはイソプロピル基を有するフェニル基である化合物(Ia−2)がより好ましい。
【0090】
化合物(I)は、式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)と記載することがある。)と式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)と記載することがある。)とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。なお、Lが炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはスルホニル基である化合物(II)、すなわち、下記式(IIa)で表される化合物、および、化合物(III)はいずれも新規な化合物である。
(式中、L、L
a、X、Z、R
7〜R
9およびR
11〜R
13は、上記と同一の意味を表わし、R
15およびR
16は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表わす。)
【0091】
R
15およびR
16で示される炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。R
15およびR
16は好ましくは同一の基である。
【0092】
塩基としては、トリエチルアミン、ピペリジン等の有機塩基が挙げられ、その使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常0.1モル〜20モルである。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常2モル〜10モルであり、好ましくは2モル〜4モルである。
【0093】
化合物(II)と化合物(III)との反応は、通常溶媒の存在下に実施され、溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、アセトン等のケトン溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒、および、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、N−メチルピロリドン等のアミド溶媒が挙げられ、ニトリル溶媒、アルコール溶媒および芳香族炭化水素溶媒が好ましく、アセトニトリル、メタノールおよびトルエンがより好ましい。その使用量は、化合物(II)1質量部に対して、通常1質量部〜50質量部である。
反応温度は、通常0℃〜200℃であり、0℃〜150℃が好ましい。反応時間は、通常0.5時間〜36時間である。
反応終了後、例えば、化合物(I)が溶解し難い溶媒と得られた反応混合物とを混合し、濾過することにより、化合物(I)を取り出すことができる。
【0094】
化合物(III)は、式(IV)で表される化合物(以下、化合物(IV)と記載することがある。)とホルミル化剤とを反応させることにより製造することができる。
(式中、ZおよびR
7〜R
9は、上記と同一の意味を表わす。)
【0095】
ホルミル化剤としては、塩化ホスホリルが挙げられる、その使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常1〜5モルである。
化合物(IV)とホルミル化剤との反応は、通常溶媒の存在下に実施され、溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。その使用量は、化合物(IV)1質量部に対して、通常1質量部〜10質量部である。
反応温度は、通常0℃〜100℃であり、反応時間は、通常0.5時間〜24時間である。
反応終了後、例えば、反応混合物を中和した後、酢酸エチル等の水に不溶の有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(III)を取り出すことができる。
【0096】
化合物(IV)は、式(V)で表される化合物(以下、化合物(V)と記載することがある。)と三臭化ホウ素とを反応させ、次いで加水分解することにより、製造することができる。
(式中、ZおよびR
7〜R
9は、上記と同一の意味を表わし、R
17は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
【0097】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基が挙げられる。
【0098】
三臭化ホウ素の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常1〜5モルである。
化合物(V)と三臭化ホウ素との反応は、通常溶媒中で実施され、溶媒としては、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(V)1質量部に対して、通常1〜50質量部である。
反応温度は、通常−78℃〜50℃であり、反応時間は、通常1〜24時間である。
反応終了後、例えば、反応混合物と水とを混合した後、分液し、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(IV)を取り出すことができる。
【0099】
Zが式(Z1)である化合物(V)は、例えば、式(VI)で表される化合物(以下、化合物(VI)と記載することがある。)と式(VII)で表される化合物(以下、化合物(VII)と記載することがある。)とを、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させることにより、製造することができる。
【0100】
Zが式(Z1)である化合物(V)は、例えば、式(VIII)で表される化合物(以下、化合物(VIII)と記載することがある。)と式(IX)で表される化合物(以下、化合物(IX)と記載することがある。)とを、塩基の存在下に反応させることにより、製造することもできる。
(式中、R
1〜R
9およびR
17は、上記と同一の意味を表わし、X
2およびX
3はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表わす。)
【0101】
X
2およびX
3で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0102】
化合物(VI)と化合物(VII)との反応は、公知の芳香族ハロゲン化物のアミノ化方法(例えば、J.Org.Chem.2003,68,1163−1164等)に準じて実施することができる。具体的には、酢酸パラジウム(II)等のパラジウム触媒と、リン系配位子(例えば、2,8,9−トリイソプロピル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン等)と、カリウムtert−ブトキシド等の塩基と、化合物(VI)と、化合物(VII)と、トルエン等の溶媒とを混合することにより反応を行なうことができる。反応温度は、通常50℃〜150℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間である。反応終了後、例えば、反応混合物と水とを混合し、有機層を分離し、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(V)を取り出すことができる。
【0103】
化合物(VIII)と化合物(IX)との反応は、公知のアミン化合物のアルキル化方法(例えば、J.Org.Chem.2011,76,8015−8021等)に準じて実施することができる。具体的には、トリエチルアミン、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基と、化合物(VIII)と、化合物(IX)と、ジメチルスルホキシド等の溶媒とを混合することにより反応を行なうことができる。反応温度は、通常0℃〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜72時間である。反応終了後、例えば、反応混合物と水と、必要に応じて、水に不溶の有機溶媒とを混合し、有機層を分離し、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(V)を取り出すことができる。
【0104】
Zが式(Z2)である化合物(V)は、例えば、式(XV)で表される化合物(以下、化合物(XV)と記載することがある。)と式(XVI)で表される化合物(以下、化合物(XVI)と記載することがある。)とを反応させることにより、製造することができる。
(式中、Ar
1、R
7〜R
9およびR
17は、上記と同一の意味を表わし、X
3は、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表わす。)
【0105】
X
3で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0106】
化合物(XV)と化合物(XVI)との反応は、公知の芳香族アミンと芳香族ハロゲン化物とのカップリング反応(例えば、J.Mater.Chem.1997,7,2343−2354等)に準じて実施することができる。具体的には、銅と、炭酸カリウム等の塩基と、化合物(XV)と、化合物(XVI)と、ジクロロベンゼン等の溶媒とを混合することにより反応を行なうことができる。反応は、18−クラウン−6等の相間移動触媒の共存下に実施してもよい。化合物(XVI)の使用量は、化合物(XV)1モルに対して、通常2〜5モルである。反応温度は、通常50℃〜200℃であり、反応時間は、通常0.5〜96時間である。反応終了後、例えば、反応混合物をろ過した後、酸で洗浄し、有機層を得、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(V)を取り出すことができる。
【0107】
化合物(II)は、式(X)で表される化合物(以下、化合物(X)と記載することがある。)と式(XI)で表される化合物(以下、化合物(XI)と記載することがある。)と式(XII)で表される化合物(以下、化合物(XII)と記載することがある。)とを、溶媒中で混合することにより、製造することができる。
(式中、R
11〜R
13、R
15、R
16、LおよびXは上記と同一の意味を表わし、R
20は、炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
【0108】
R
20で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基が挙げられる。
【0109】
化合物(XI)の使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常1〜2.5モル、好ましくは1〜1.5モルである。化合物(XII)の使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常1〜2.5モル、好ましくは1〜1.5モルである。化合物(XI)と化合物(XII)とは好ましくは同一の化合物であり、その使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常2〜5モル、好ましくは2〜3モルである。
溶媒としては、メタノール等のアルコール溶媒が挙げられ、その使用量は、化合物(X)1質量部に対して、通常1〜100質量部である。
反応温度は、通常−20℃〜100℃であり、反応時間は、通常1〜72時間である。
【0110】
反応終了後、例えば、必要に応じて、反応混合物と水とを混合した後、酢酸エチル等の水に不溶の有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(II)を取り出すことができる。また、反応終了後、例えば、必要に応じて、反応混合物と水またはメタノールとを混合した後、濾過することにより、化合物(II)を取り出すこともできる。
【0111】
化合物(XI)および化合物(XII)は、例えば、J.Med.Chem.2012,55,3398−3413に記載の方法等の公知の方法に準じて製造することができる。
【0112】
<着色剤>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤を含み、該着色剤は化合物(I)を含む。着色剤(以下、「着色剤(A)」ということがある。)は、化合物(I)を有効成分として含有する。着色剤(A)は、化合物(I)のみからなってもよいし、化合物(I)以外の染料や顔料を含んでもよい。着色剤(A)は、化合物(I)に加えて、顔料を含むことが好ましい。着色剤(A)中の化合物(I)の含有割合は、通常1〜100質量%であり、3〜100質量%であることが好ましく、3〜70質量%であることがより好ましく、3〜60質量%であることがさらに好ましい。
【0113】
化合物(I)以外の染料としては、カラーインデックス(Colour Index)(The Society of Dyers and Colourists出版)で、ソルベント(Solvent)、アシッド(Acid)、ベーシック(Basic)、リアクティブ(reactive)、ダイレクト(Direct)、ディスパース(Disperse)、またはバット(Vat)に分類されている化合物が挙げられる。具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の染料が挙げられる。
C.I.ソルベントイエロー25,79,81,82、83,89;
C.I.アシッドイエロー7,23,25,42,65,76;
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.ダイレクトイエロー4,28,44,86,132;
C.I.ディスパースイエロー54,76;
C.I.ソルベントオレンジ41,54,56,99;
C.I.アシッドオレンジ56,74,95,108,149,162;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26;
C.I.ソルベントレッド24,49,90,91,118,119,122,124,125,127,130,132,160,218;
C.I.アシッドレッド73,91,92,97,138,151,211,274,289;
C.I.アシッドバイオレット102;
C.I.ソルベントグリーン1,5;
C.I.アシッドグリーン3,5,9,25,28;
C.I.ベーシックグリーン1;
C.I.バットグリーン1等。
【0114】
顔料としては、公知の顔料、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;および
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料が挙げられる。
【0115】
なかでも、フタロシアニン顔料が好ましく、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料およびハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36およびC.I.ピグメントグリーン58からなる群から選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。これら顔料は、緑色着色剤として好適であり、これら顔料を含む着色剤を用いることにより、透過スペクトルの最適化が容易となり、また、耐光性や耐薬品性が良好なカラーフィルタを形成することができる。
【0116】
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基または塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。顔料の粒径は、略均一であることが好ましい。顔料は、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料分散剤溶液の中で均一に分散した状態の顔料分散液とすることができる。顔料は、それぞれ単独で分散処理してもよいし、複数種を混合して分散処理してもよい。
顔料分散剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の顔料分散剤が挙げられる。これらの顔料分散剤は、二種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名で示すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
【0117】
<着色硬化性樹脂組成物>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、前記の着色剤(A)に加えて、樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある。)、重合性化合物(以下、「重合性化合物(C)」ということがある。)、重合開始剤(以下、「重合開始剤(D)」ということがある。)および溶剤(以下、「溶剤(E)」ということがある。)を含む。本発明の着色硬化性樹脂組成物は、これら成分に加えて、レベリング剤を含んでもよい。本発明の着色硬化性樹脂組成物は、これら成分に加えて、重合開始助剤を含んでもよい。
【0118】
着色硬化性樹脂組成物中の着色剤(A)の含有率は、固形分の総量に対して、通常1質量%以上70質量%以下であり、好ましくは1質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上60質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上50質量%以下である。着色剤(A)の含有率が前記の範囲内であると、所望とする分光や色濃度をより得やすくなる。なお、本明細書において「固形分の総量」とは、本発明の着色硬化性樹脂組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。固形分の総量およびこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段により測定することができる。
【0119】
<樹脂(B)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位を有する付加重合体がより好ましい。このような樹脂としては、下記樹脂[K1]〜[K6]が挙げられる。
樹脂[K1]:不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種(a)(以下「(a)」ということがある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」ということがある)との共重合体
樹脂[K2]:(a)と、(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)および(b)とは異なる。)(以下「(c)」ということがある)との共重合体
樹脂[K3]:(a)と(c)との共重合体
樹脂[K4]:(a)と(c)との共重合体に(b)を反応させることにより得られる樹脂
樹脂[K5]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させることにより得られる樹脂
樹脂[K6]:(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させることにより得られる樹脂。
【0120】
(a)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸等の同一分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を含有する不飽和アクリレートが挙げられる。
なかでも、共重合反応性や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸および無水マレイン酸が好ましい。
【0121】
(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環等)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表わし、「(メタ)アクリロイル」および「(メタ)アクリレート」の表記も、同様の意味を示す。
【0122】
(b)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」ということがある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」ということがある)およびテトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」ということがある)が挙げられる。
【0123】
(b1)としては、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」ということがある)および脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」ということがある)が挙げられる。
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレンおよび2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレンが挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R
aおよびR
bはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わし、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。X
aおよびX
bはそれぞれ独立して、単結合、−R
c−、*−R
c−O−、*−R
c−S−または*−R
c−NH−を表わす。R
cは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表わす。*は、Oとの結合手を表わす。)
【0124】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基が挙げられる。水素原子がヒドロキシ基で置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基および4−ヒドロキシブチル基が挙げられる。
R
aおよびR
bはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基または2−ヒドロキシエチル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
炭素数1〜6のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基およびヘキサン−1,6−ジイル基が挙げられる。
X
aおよびX
bはそれぞれ独立して、単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH
2−O−または*−CH
2CH
2−O−であることが好ましく、単結合または*−CH
2CH
2−O−であることがより好ましい。なお、前記式中、*はOとの結合手を表わす。
【0125】
式(1)で表される化合物としては、式(1−1)〜式(1−15)で表される化合物が挙げられ、なかでも、式(1−1)、式(1−3)、式(1−5)、式(1−7)、式(1−9)および式(1−11)〜式(1−15)で表される化合物が好ましく、式(1−1)、式(1−7)、式(1−9)および式(1−15)で表される化合物がより好ましい。
【0133】
式(2)で表される化合物としては、式(2−1)〜式(2−15)で表される化合物が挙げられ、なかでも、式(2−1)、式(2−3)、式(2−5)、式(2−7)、式(2−9)および式(2−11)〜式(2−15)で表される化合物が好ましく、式(2−1)、式(2−7)、式(2−9)および式(2−15)で表される化合物がより好ましい。
【0142】
式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを併用してもよい。これらを併用する場合、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物の比率(式(1)で表される化合物:式(2)で表される化合物)はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは10:90〜90:10であり、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
【0143】
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタンおよび3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタンが挙げられる。
【0144】
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)およびテトラヒドロフルフリルメタクリレートが挙げられる。
【0145】
得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b)が(b1)であることが好ましく、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1)が(b1−2)であることが好ましい。
【0146】
(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」ということがある。)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレンおよび2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
【0147】
これらの中でも、共重合反応性および耐熱性の観点から、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミドおよびビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
【0148】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位:2〜60モル%
(b)に由来する構造単位:40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位:10〜50モル%
(b)に由来する構造単位:50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、および得られるカラーフィルタの耐溶剤性がより優れる傾向にある。
【0149】
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法および当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0150】
具体的には、(a)および(b)の所定量、重合開始剤および溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱および保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤および溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の溶剤として後述する溶剤が挙げられる。
【0151】
得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0152】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位:2〜45モル%
(b)に由来する構造単位:2〜95モル%
(c)に由来する構造単位:1〜65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位:5〜40モル%
(b)に由来する構造単位:5〜80モル%
(c)に由来する構造単位:5〜60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性および機械強度がより優れる傾向にある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0153】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位:2〜60モル%
(c)に由来する構造単位:40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位:10〜50モル%
(c)に由来する構造単位:50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0154】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテル部位を(a)が有するカルボン酸および/またはカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。具体的には、以下のようにして製造することができる。まず、(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたもの同じ比率であることが好ましい。次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸および/またはカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテル化合物を反応させる。(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸またはカルボン酸無水物と環状エーテル化合物との反応の触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)および重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
【0155】
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5〜80モルが好ましく、より好ましくは10〜75モルである。(b)の使用量をこの範囲に調整することにより得られた樹脂を含む着色硬化性樹脂組成物は、保存安定性、パターンを形成する際の現像性、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度および感度のバランスがより良好になる傾向にある。環状エーテル部位の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)は、(b1)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
【0156】
触媒の使用量は、(a)、(b)および(c)の合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)および(c)の合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましい。
【0157】
各試剤の仕込方法、反応温度および反応時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0158】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。(b)および(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位:5〜95モル%
(c)に由来する構造単位:5〜95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位:10〜90モル%
(c)に由来する構造単位:10〜90モル%
であることがより好ましい。
【0159】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテル部位に、(a)が有するカルボン酸またはカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
【0160】
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5〜80モルが好ましい。環状エーテル部位の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)は、(b1)が好ましく、(b1−1)がより好ましい。
【0161】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテル部位とカルボン酸またはカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物および5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5〜1モルが好ましい。
【0162】
樹脂(B)としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/トリシクロデシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]が挙げられる。
【0163】
樹脂(B)は、好ましくは、樹脂[K1]、樹脂[K2]および樹脂[K3]からなる群から選ばれる一種であり、より好ましくは、樹脂[K2]および樹脂[K3]からなる群から選ばれる一種である。これらの樹脂であると着色硬化性樹脂組成物は現像性に優れる。着色パターンと基板との密着性の観点で、樹脂[K2]がさらに好ましい。
【0164】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜100,000であり、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは5,000〜35,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000であり、特に好ましくは6,000〜30,000である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
【0165】
樹脂(B)の酸価は、好ましくは20〜170mg−KOH/gであり、より好ましくは30〜170mg−KOH/gであり、その中でも40〜170mg−KOH/gが好ましく、その中でも50〜170mg−KOH/gが好ましく、その中でも50〜150mg−KOH/gが好ましく、その中でも60〜150mg−KOH/gが好ましく、その中でもより好ましくは60〜135mg−KOH/gであり、その中でも70〜135mg−KOH/gが好ましい。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0166】
樹脂(B)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは7〜65質量%であり、その中でも好ましくは10〜60質量%であり、その中でも好ましくは13〜60質量%であり、その中でも好ましくは17〜55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターン形成が容易で、着色パターンの解像度および残膜率が向上する傾向がある。
【0167】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤から発生した活性ラジカルおよび/または酸によって重合しうる化合物であり、例えば、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物が挙げられ、(メタ)アクリル酸エステル構造を有する化合物が好ましい。重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。
【0168】
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、上述の(a)、(a)および(c)が挙げられる。エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテルおよび3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらのなかでも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0169】
本発明の着色硬化性樹脂組成物中の重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、通常5〜65質量%であり、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは10〜60質量%であり、さらに好ましくは13〜60質量%であり、特に好ましくは17〜55質量%である。樹脂(B)と重合性化合物(C)との含有量比(樹脂(B):重合性化合物(C))は質量基準で、通常20:80〜80:20であり、好ましくは35:65〜80:20である。重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率およびカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
【0170】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物およびビイミダゾール化合物が挙げられる。
【0171】
O−アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表わす。
【0172】
O−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミンおよびN−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンが挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。なかでも、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンおよびN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンがより好ましい。
【0173】
アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される構造または式(d3)で表される構造を有する化合物である。なお、これらの構造中のベンゼン環は置換基を有していてもよい。
【0174】
式(d2)で表される構造を有する化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンおよび2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オンが挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
【0175】
式(d3)で表される構造を有する化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノンおよびベンジルジメチルケタールが挙げられる。
【0176】
感度の点で、アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
【0177】
ビイミダゾール化合物としては、式(d5)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R
51〜R
56は、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わす。)
【0178】
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基およびナフチル基が挙げられ、好ましくはフェニル基である。置換基としては、ハロゲン原子および炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基が挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
【0179】
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、JPH06−75372−A、JPH06−75373−A等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、JPS48−38403−B、JPS62−174204−A等参照。)および4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、JPH07−10913−A等参照)が挙げられる。なかでも、下記式で表される化合物およびこれらの混合物が好ましい。
【0180】
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンおよび2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
【0181】
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。
【0182】
他の重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(特にアミン系重合開始助剤)と組み合わせて用いることが好ましい。
【0183】
重合開始剤(D)は、好ましくは、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物およびビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、より好ましくは、O−アシルオキシム化合物を含む。
【0184】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)および重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、通常0.1〜40質量部であり、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜30質量部であり、特に好ましくは1〜20質量部である。
【0185】
<重合開始助剤>
重合開始助剤は、重合開始剤(D)によって重合が開始された重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物または増感剤である。本発明の着色硬化性樹脂組成物が重合開始助剤を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤としては、アミン系重合開始助剤、アルコキシアントラセン系重合開始助剤、チオキサントン系重合開始助剤およびカルボン酸系重合開始助剤が挙げられる。
【0186】
アミン系重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンおよび4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられ、なかでも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
【0187】
アルコキシアントラセン系重合開始助剤としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセンおよび2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセンが挙げられる。
【0188】
チオキサントン系重合開始助剤としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンおよび1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンが挙げられる。
【0189】
カルボン酸系重合開始助剤としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシンおよびナフトキシ酢酸が挙げられる。
【0190】
重合開始助剤を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)および重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始助剤の含有量がこの範囲内であると、より高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0191】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。具体的には、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−および−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤およびジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0192】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテートおよびγ−ブチロラクトンが挙げられる。
【0193】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトールおよびメチルアニソールが挙げられる。
【0194】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートおよびジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートが挙げられる。
【0195】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびイソホロンが挙げられる。
【0196】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンが挙げられる。
【0197】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンが挙げられる。
【0198】
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンが挙げられる。
【0199】
これらの溶剤は、二種以上を組み合わせてもよい。
【0200】
なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチルおよびN−メチルピロリドンがより好ましい。
【0201】
溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常70〜95質量%であり、好ましくは75〜92質量%であり、より好ましくは75〜90質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、また、カラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0202】
<レベリング剤>
レベリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
【0203】
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452およびTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)が挙げられる。
【0204】
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)およびE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)が挙げられる。
【0205】
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合およびフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477および同F443(DIC(株)製)が挙げられる。
【0206】
レベリング剤の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常0.0005質量%以上0.6質量%以下であり、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%であり、より好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.005質量%以上0.07質量%以下である。レベリング剤の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0207】
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0208】
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、溶剤(E)、および、必要に応じて、レベリング剤、重合開始助剤およびその他の成分を混合することにより調製できる。着色剤(A)に加えて、さらに、顔料や染料を混合することもできる。顔料は、予め溶剤(E)の一部または全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させた顔料分散液の状態で用いることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部または全部を配合してもよい。
化合物(I)は、予め溶剤(E)の一部または全部に溶解させて溶液を調製することが好ましい。該溶液を、孔径0.01〜1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0209】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、および/または現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
【0210】
作製するカラーフィルタの膜厚は、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、通常0.1〜30μm、ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜6μmである。
【0211】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
【0212】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知または慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
【0213】
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)および/または減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法およびスリット アンド スピンコート法が挙げられる。加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下に、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0214】
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。光源の具体例としては、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプおよびハロゲンランプが挙げられる。露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナおよびステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。アルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.02〜5質量%である。現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。現像方法は、パドル法、ディッピング法およびスプレー法のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
【0215】
得られた着色パターンに、さらにポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
【0216】
本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)および固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0217】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中の「%」および「部」は、特記ない限り、質量%および質量部である。
【0218】
以下の合成例において、化合物の構造は、NMR(JMM−ECA−500;日本電子(株)製)または質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD6130型)で確認した。
【0219】
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置:HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSK−GELG2000HXL
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
分析試料の固形分濃度:0.001〜0.01質量%
注入量:50μL
検出器:RI
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
【0220】
合成例1
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン10.1部とメタノール51.0部を混合し、撹拌しながら5℃以下で3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩12.6部を加えた。その後、反応混合物を10℃以下で5時間だけ、室温で24時間だけ、60℃で24時間だけ撹拌した。上記の反応混合物を室温まで冷却後、水300部と酢酸エチル270部を加え、酢酸エチル層を分取した。水層に酢酸エチル135部を加え、酢酸エチル層を分取した。水層に酢酸エチル135部を加え、酢酸エチル層を分取した。酢酸エチル層を合わせ、水300部で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液の溶媒を留去して残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt1)で表される化合物14.5部を得た。
【0221】
<式(pt1)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 559.1
Exact Mass: 558.1
【0222】
窒素雰囲気下で、ジメチルスルホキシド75.0部、水酸化カリウム8.45部を混合し、室温下で0.5時間撹拌した。この混合物に、3−メトキシジフェニルアミン25.0部を加え、室温下で0.5時間撹拌した。この混合物に、ヨードエタン21.5部を加え、室温下で2時間撹拌した。得られた混合物に水酸化カリウム4.23部を加え、室温下で1時間撹拌した後、ヨードエタン10.8部を加え、室温下で12時間撹拌した。得られた混合物に水酸化カリウム4.23部を加え、室温下で1時間撹拌した後、ヨードエタン10.8部を加え、室温下で2時間撹拌した。得られた混合物に水酸化カリウム4.23部を加え、室温下で1時間撹拌した後、ヨードエタン10.8部を加え、室温下で13時間撹拌した。得られた混合物に水158部と酢酸エチル135部を加え、酢酸エチル層を分取した。水層に酢酸エチル90部を加え、酢酸エチル層を分取した。酢酸エチル層を合わせ、水100部で3回洗浄した。この酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。このろ液の溶媒を留去して式(pt3−1)で表される化合物28.4部を得た。
【0223】
<式(pt3−1)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 228.1
Exact Mass: 227.1
【0224】
窒素雰囲気下で、式(pt3−1)で表される化合物28.4部と塩化メチレン302部を混合した。この混合物を4〜10℃に保ちながら、三臭化ほう素44.8部を加えた後、室温下で12時間撹拌した。得られた混合物を、水341部と塩化メチレン302部の混合物に、水341部と塩化メチレン302部の混合物の温度を4〜19℃に保ちながら加えた。この混合物を室温で2時間撹拌し、塩化メチレン層を分取した。この塩化メチレン溶液を10wt%食塩水227部で4回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。このろ液の溶媒を留去して式(pt4−1)で表される化合物23.3部を得た。
【0225】
<式(pt4−1)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 214.1
Exact Mass: 213.1
【0226】
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド47.7部に、温度を6〜15℃に保ちながら、塩化ホスホリル25.1部を加えた。この混合物に、この混合物の温度を6〜25℃に保ちながら、式(pt4−1)で表される化合物23.3部とN,N−ジメチルホルムアミド31.4部の混合物を加えた。この混合物を40℃下で2時間撹拌した後、室温まで冷却した。得られた混合物を、48wt%水酸化ナトリウム水溶液109部と水410部の混合物に、温度を14〜19℃に保ちながら加え、1時間撹拌した。得られた混合物に、温度を12〜17℃に保ちながら、35wt%塩酸67.2部を加えた。得られた混合物に、酢酸エチル210部とセライトを加え、ろ過した。得られたろ液を10wt%食塩水233部で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、ろ過した。得られたろ液の溶媒を留去して残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt5−1)で表される化合物23.9部を得た。
【0227】
<式(pt5−1)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 242.1
Exact Mass: 241.1
【0228】
窒素雰囲気下で、式(pt5−1)で表される化合物10.9部、式(pt1)で表される化合物12.0部、ピペリジン0.915部およびトルエン83.8部を混合した。この混合物を100℃下で19時間撹拌した。この混合液の溶媒を留去して残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−1)で表される化合物10.6部を得た。
【0229】
<式(I−1)で表される化合物の同定>
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 1.31(6H),3.84(4H),6.58−6.61(4H),7.16−7.24(4H),7.31−7.39(6H),7.46−7.52(4H),7.55(2H),7.99(2H),8.63(2H)
【0230】
合成例2
2,4−ジメチルアニリン42.4部、トリエチルアミン35.4部およびN,N−ジメチルホルムアミド132部を混合し、50℃下で撹拌した。この混合物の温度を50〜60℃に保ちながら、ヨードエタン56.8部を加え、その後、60℃下で65時間撹拌した。この混合物を室温まで放冷後、水1000部とトルエン433部を加え、トルエン層を分取した。このトルエン層を飽和塩化ナトリウム水溶液1000部で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt2−2)で表される化合物18.8部を得た。
【0231】
<式(pt2−2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 150.1
Exact Mass: 149.1
【0232】
窒素雰囲気下で、式(pt2−2)で表される化合物29.8部、3−ブロモアニソール37.4部、酢酸パラジウム(II)1.35部、カリウムtert−ブトキシド33.7部、2,8,9−トリイソプロピル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン(1.0Mトルエン溶液)3.42部およびトルエン520部を混合し、100℃で6時間撹拌した。この混合液を室温まで放冷後、水1000部に加えた。この混合液をろ過した後、トルエン層を分取した。このトルエン溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。このろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3−2)で表される化合物41.9部を得た。
【0233】
<式(pt3−2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 256.2
Exact Mass: 255.2
【0234】
合成例1において、式(pt3−1)で表される化合物を式(pt3−2)で表される化合物に代えた以外は、合成例1と同様に実施して、式(pt4−2)、式(pt5−2)および式(I−2)で表される化合物を得た。
【0235】
<各化合物の同定>
式(pt4−2)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 242.2
Exact Mass: 241.2
式(pt5−2)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 270.2
Exact Mass: 269.1
式(I−2)で表される化合物
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 1.30(6H),2.09(6H),2.39(6H),3.59(2H),3.86(2H),6.42(4H),7.00(2H),7.12(2H),7.18(2H),7.30−7.37(4H),7.54(2H),7.98(2H),8.62(2H)
【0236】
合成例3
還流冷却器、滴下ロートおよび撹拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、撹拌しながら85℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、メタクリル酸19部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルアクリレートおよび3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で50:50)171部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)26部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約3時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分43.5%の共重合体(樹脂B1)の溶液を得た。得られた樹脂B1の重量平均分子量は8000、分子量分布は1.98、固形分換算の酸価は53mgKOH/gであった。
【0237】
合成例4
窒素雰囲気下で、m−アニシジン24.0部、4−ヨード−m−キシレン99.7部、炭酸カリウム117部、銅粉末27.3部、18−クラウン−6 4.64部、o−ジクロロベンゼン511部を混合し、175℃で19時間撹拌した。その後、炭酸カリウム35.1部、銅粉末8.19部、18−クラウン−6 1.39部、o−ジクロロベンゼン22.0部を加え、175℃で17時間撹拌した。上記混合物を室温まで放冷後、ろ過した。ろ液に酢酸エチル450部を加え、2N塩酸450部で3回、18wt%塩化ナトリウム水溶液470部で3回洗浄した。得られた酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3−3)で表される化合物64.1部を得た。
【0238】
<式(pt3−3)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 332.2
Exact Mass: 331.2
【0239】
合成例1において、式(pt3−1)で表される化合物を式(pt3−3)で表される化合物に代えた以外は、合成例1と同様に実施して、式(pt4−3)、式(pt5−3)および式(I−82)で表される化合物を得た。
【0240】
<各化合物の同定>
式(pt4−3)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 318.2
Exact Mass: 317.2
式(pt5−3)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 346.2
Exact Mass: 345.2
式(I−82)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1121.4
Exact Mass: 1120.4
【0241】
合成例5
合成例1において、ヨードエタンを2−エトキシエチルブロミドに代えた以外は、合成例1と同様に実施して、式(pt3−4)、式(pt4−4)、式(pt5−4)および式(I−141)で表される化合物を得た。
【0242】
<各化合物の同定>
式(pt3−4)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 272.2
Exact Mass: 271.2
式(pt4−4)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 258.1
Exact Mass: 257.1
式(pt5−4)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 286.1
Exact Mass: 285.1
式(I−141)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1001.3
Exact Mass: 1000.3
【0243】
合成例6
合成例2において、2,4−ジメチルアニリンを2,4,6−トリメチルアニリンに代えた以外は、合成例2と同様に実施して、式(pt2−5)、式(pt3−5)、式(pt4−5)、式(pt5−5)および式(I−146)で表される化合物を得た。
【0244】
<各化合物の同定>
式(pt2−5)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 164.1
Exact Mass: 163.1
式(pt3−5)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 270.2
Exact Mass: 269.2
式(pt4−5)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 256.2
Exact Mass: 255.2
式(pt5−5)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 284.2
Exact Mass: 283.2
式(I−146)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 997.3
Exact Mass: 996.3
【0245】
合成例7
合成例4において、4−ヨード−m−キシレンを2−ヨード−1,3,5−トリメチルベンゼンに代えた以外は、合成例4と同様に実施して、式(pt3−6)、式(pt4−6)、式(pt5−6)および式(I−86)で表される化合物を得た。
【0246】
<各化合物の同定>
式(pt3−6)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 360.2
Exact Mass: 359.2
式(pt4−6)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 346.2
Exact Mass: 345.2
式(pt5−6)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 374.2
Exact Mass: 373.2
式(I−86)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1177.4
Exact Mass: 1176.4
【0247】
実施例1
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン4.98部とメタノール28.1部とを混合した。得られた混合物に、撹拌しながら、10℃以下で、3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩8.18部を徐々に加えた。得られた混合物を10℃以下で7時間、室温で24時間、60℃で24時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、析出した結晶をろ過により取り出した。取り出した結晶をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(pt1−1a)で表される化合物6.77部を得た。
【0248】
<式(pt1−1a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 473.1
Exact Mass: 472.1
【0249】
2,4−ジメチルアニリン42.4部、トリエチルアミン35.4部およびN,N−ジメチルホルムアミド132部を混合し、50℃で撹拌した。この混合物の温度を50〜60℃に保ちながら、1−ブロモ−2−エチルヘキサン70.2部を加え、その後、60℃で65時間撹拌した。この混合物を室温まで放冷した後、水1000部とトルエン433部を加え、トルエン層を分離した。トルエン層を飽和塩化ナトリウム水溶液1000部で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt2−1a)で表される化合物50.6部を得た。
【0250】
<式(pt2−1a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 234.2
Exact Mass: 233.2
【0251】
窒素雰囲気下で、式(pt2−1a)で表される化合物46.7部、3−ブロモアニソール37.4部、酢酸パラジウム(II)1.35部、カリウム tert−ブトキシド33.7部、2,8,9−トリイソプロピル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン(1.0Mトルエン溶液)3.42部およびトルエン520部を混合し、100℃で6時間撹拌した。得られた混合物を室温まで放冷した後、水1000部に加えた。得られた混合物をろ過した後、トルエン層を分離した。トルエンソ層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3−1a)で表される化合物30.9部を得た。
【0252】
<式(pt3−1a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 340.3
Exact Mass: 339.3
【0253】
窒素雰囲気下で、式(pt3−1a)で表される化合物17.0部とジクロロメタン199部を混合した。この混合液を15〜23℃に保ちながら、三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液)を、式(pt3−1a)で表される化合物と等モル数となる量加えた。その後、この混合液を室温で8時間撹拌した。得られた混合物を氷水250部に加え、ジクロロメタン層を分離した。ジクロロメタン層を水250部で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、ろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt4−1a)で表される化合物13.9部を得た。
【0254】
<式(pt4−1a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 326.3
Exact Mass: 325.2
【0255】
式(pt4−1a)で表される化合物13.9部とN,N−ジメチルホルムアミド26.4部を混合した。この混合物を23〜55℃に保ちながら、塩化ホスホリル13.1部を加えた。その後、この混合物を60℃で6時間撹拌した。この混合物を室温まで放冷後、氷水150部に加え、48%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この混合物に酢酸エチル300部加えて、ろ過し、得られたろ液から酢酸エチル層を分離した。この酢酸エチル溶液を水300部で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt5−1a)で表される化合物11.6部を得た。
【0256】
<式(pt5−1a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 354.2
Exact Mass: 353.2
【0257】
窒素雰囲気下で、式(pt5−1a)で表される化合物9.65部、式(pt1−1a)で表される化合物6.14部、ピペリジン0.553部およびトルエン51.1部を混合した。この混合物を100℃下で19時間撹拌した。この混合液をメタノール231部に加えた。上澄み液を除去することにより、発生した沈殿物を取り出した。沈殿物にメタノール231部を加えて撹拌した後、この混合液を吸引ろ過した。得られた残渣をメタノール20部で洗浄し、吸引ろ過の残渣として得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(IA−13)で表される化合物9.10部を得た。
【0258】
<式(IA−13)で表される化合物の同定>
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 0.82−0.92(12H),1.26−1.52(16H),1.77(2H),2.05(6H),2.38(6H),3.32−3.42(2H),3.71−3.78(2H),6.42−6.45(4H),7.02(2H),7.11(2H),7.15(2H),7.33(2H),7.66(2H),7.96(2H),8.39(2H),8.62(2H)
【0259】
実施例2
実施例1において、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモオクタンに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(pt2−2a)、式(pt3−2a)、式(pt4−2a)、式(pt5−2a)および式(IA−17)で表される化合物を得た。
【0260】
<各化合物の同定>
式(pt2−2a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 234.2
Exact Mass: 233.2
式(pt3−2a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 340.3
Exact Mass: 339.3
式(pt4−2a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 326.3
Exact Mass: 325.2
式(pt5−2a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 354.2
Exact Mass: 353.2
式(IA−17)で表される化合物
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 0.88(6H),1.28−1.32(20H),1.72(4H),2.07(6H),2.38(6H),3.44(2H),3.77(2H),6.39(4H),6.99(2H),7.12(2H),7.17(2H),7.34(2H),7.66(2H),7.96(2H),8.39(2H),8.62(2H)
【0261】
実施例3
実施例1において、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモ−3−メチルブタンに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(pt2−3a)、式(pt3−3a)、式(pt4−3a)、式(pt5−3a)および式(IA−297)で表される化合物を得た。
【0262】
<各化合物の同定>
式(pt2−3a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 192.2
Exact Mass: 191.2
式(pt3−3a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 298.2
Exact Mass: 297.2
式(pt4−3a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 284.2
Exact Mass: 283.2
式(pt5−3a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 312.2
Exact Mass: 311.2
式(IA−297)で表される化合物
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 0.96(12H),1.57−1.69(6H),2.08(6H),2.39(6H),3.47(2H),3.80(2H),6.39(4H),6.99(2H),7.12(2H),7.17(2H),7.34(2H),7.66(2H),7.96(2H),8.39(2H),8.62(2H)
【0263】
実施例4
窒素雰囲気下で、3−メトキシジフェニルアミン39.9部(0.200モル)、水酸化カリウム13.5部(0.240モル)およびジメチルスルホキシド550部を混合し、室温で2時間撹拌した。この混合物に1−ブロモ−2−エチルヘキサン42.5部(0.220モル)を加え、室温で6時間撹拌した。この混合物に1−ブロモ−2−エチルヘキサン42.5部(0.220モル)と水酸化カリウム20.2部(0.360モル)を加え、室温で14時間撹拌した。この混合物に1−ブロモ−2−エチルヘキサン63.7部(0.330モル)と水酸化カリウム20.2部(0.360モル)を加えて、室温で24時間撹拌した。この混合物に水1000部とトルエン450部を加え、トルエン層を分取した。このトルエン溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1500部で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、ろ過した。得られたろ液の溶媒を留去して残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3−4a)で表される化合物59.8部を得た。
【0264】
<式(pt3−4a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 312.2
Exact Mass: 311.2
【0265】
実施例1において、式(pt3−1a)で表される化合物を式(pt3−4a)に代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(pt4−4a)、式(pt5−4a)および式(IA−15)で表される化合物を得た。
【0266】
<各化合物の同定>
式(pt4−4a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 298.2
Exact Mass: 297.2
式(pt5−4a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 326.2
Exact Mass: 325.2
式(IA−15)で表される化合物
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 0.82−0.88(12H),1.22−1.52(16H),1.80(2H),3.69(4H),6.58−6.63(4H),7.21−7.24(4H),7.31−7.37(4H),7.45−7.50(4H),7.67(2H),7.97(2H),8.40(2H),8.63(2H)
【0267】
実施例5
実施例4において、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモドデカンに代えた以外は、実施例4と同様に実施して、式(pt3−5a)、式(pt4−5a)、式(pt5−5a)および式(IA−299)で表される化合物を得た。
【0268】
<各化合物の同定>
式(pt3−5a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 368.3
Exact Mass: 367.3
式(pt4−5a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 354.3
Exact Mass: 353.3
式(pt5−5a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 382.3
Exact Mass: 381.3
式(IA−299)で表される化合物
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 0.87(6H),1.25−1.30(36H),1.72(4H),3.72(4H),6.54−6.58(4H),7.20−7.23(4H),7.33−7.39(4H),7.46−7.51(4H),7.67(2H),7.97(2H),8.40(2H),8.63(2H)
【0269】
実施例6
実施例1において、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを2−エトキシエチルブロミドに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(pt2−6a)、式(pt3−6a)、式(pt4−6a)、式(pt5−6a)および式(IA−306)で表される化合物を得た。
【0270】
<各化合物の同定>
式(pt2−6a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 194.2
Exact Mass: 193.1
式(pt3−6a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 300.2
Exact Mass: 299.2
式(pt4−6a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 286.2
Exact Mass: 285.2
式(pt5−6a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 314.2
Exact Mass: 313.2
式(IA−306)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 971.3
Exact Mass: 970.3
【0271】
実施例7
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン10.0部とメタノール51.0部を混合し、撹拌しながら5℃以下で3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩18.2部を加えた。その後、反応混合物を10℃以下で13時間だけ、室温で24時間だけ、60℃で24時間だけ撹拌した。上記の反応混合物を室温まで冷却した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt1−7a)で表される化合物6.46部を得た。
【0272】
<式(pt1−7a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 451.2
Exact Mass: 450.2
【0273】
実施例1において、式(pt1−1a)で表される化合物を式(pt1−7a)で表される化合物に代え、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモオクタンに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(IA−49)で表される化合物を得た。
【0274】
<式(IA−49)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1029.6
Exact Mass: 1028.5
【0275】
実施例8
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン5.02部とメタノール30.0部を混合し、撹拌しながら5℃以下で3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩6.10部を加えた。その後、反応混合物を10℃以下で14時間だけ、室温で24時間だけ、60℃で24時間だけ撹拌した。上記の反応混合物を室温まで冷却した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt1−8a)で表される化合物2.33部を得た。
【0276】
<式(pt1−8a)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 573.2
Exact Mass: 572.2
【0277】
実施例1において、式(pt1−1a)で表される化合物を式(pt1−8a)で表される化合物に代え、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモオクタンに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(IA−81)で表される化合物を得た。
【0278】
式(IA−81)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1151.6
Exact Mass: 1150.6
【0279】
実施例9
実施例1において、2,4−ジメチルアニリンを2,4,6−トリメチルアニリンに代え、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモオクタンに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(pt2−9a)、式(pt3−9a)、式(pt4−9a)、式(pt5−9a)および式(I−308)で表される化合物を得た。
【0280】
<各化合物の同定>
式(pt2−9a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 248.2
Exact Mass: 247.2
式(pt3−9a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 354.3
Exact Mass: 353.3
式(pt4−9a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 340.3
Exact Mass: 339.3
式(pt5−9a)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 368.3
Exact Mass: 367.3
式(IA−308)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1079.5
Exact Mass: 1078.5
【0281】
実施例10
実施例1において、式(pt1−1a)で表される化合物を式(pt1−7a)で表される化合物に代え、2,4−ジメチルアニリンを2,4,6−トリメチルアニリンに代え、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを1−ブロモオクタンに代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(IA−311)で表される化合物を得た。
【0282】
<式(IA−311)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1057.6
Exact Mass: 1056.6
【0283】
<耐熱性評価>
示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製 TG/DTA6200R)を用いて、実施例1〜10で得られた式(IA−13)、式(IA−17)、式(IA−297)、式(IA−15)、式(IA−299)、式(IA−306)、式(IA−49)、式(IA−81)、式(IA−308)および式(IA−311)で表される化合物とクマリン6(東京化成工業(株)製)の示差走査熱量測定を行った。一回の測定に用いた試料量は5mgであった。測定温度は、最初、25℃から開始し、毎分10℃の速度で昇温し、600℃まで測定した。空気中において重量減少率が5%となる温度T
5(空気下)、空気中において重量減少率が10%となる温度T
10(空気下)、窒素雰囲気下において重量減少率が5%となる温度T
5(窒素下)、および窒素雰囲気下において重量減少率が10%となる温度T
10(窒素下)を求めた。結果を表30に示す。
【0284】
【表30】
【0285】
表30の結果から、本発明の化合物(Ia−1)は熱的安定性が高いことがわかる。
【0286】
実施例11
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン4.98部とメタノール28.1部を混合し、撹拌しながら10℃以下で3−エトキシ−3−イミノピロピオン酸エチル塩酸塩8.18部を徐々に加えた。その後、反応混合物を10℃以下で7時間だけ、室温で24時間だけ、60℃で24時間だけ撹拌した。上記の反応混合物を室温まで冷却後、析出した結晶を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥して、式(pt1−1b)で表される化合物を6.77部得た。
【0287】
<式(pt1−1b)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 473.1
Exact Mass: 472.1
【0288】
窒素雰囲気下で、m−アニシジン24.0部、4−ヨード−m−キシレン99.7部、炭酸カリウム117部、銅粉末27.3部、18−クラウン−6 4.64部、o−ジクロロベンゼン511部を混合し、175℃で19時間撹拌した。その後、炭酸カリウム35.1部、銅粉末8.19部、18−クラウン−6 1.39部、o−ジクロロベンゼン22.0部を加え、175℃で17時間撹拌した。上記混合物を室温まで放冷後、ろ過した。ろ液に酢酸エチル450部を加え、2N塩酸450部で3回、18wt%塩化ナトリウム水溶液470部で3回洗浄した。得られた酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt2−1b)で表される化合物64.1部を得た。
【0289】
<式(pt2−1b)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 332.2
Exact Mass: 331.2
【0290】
式(pt2−1b)で表される化合物31.7部と脱水ジクロロメタン190部を、窒素雰囲気下0℃下で混合した。続いて、17wt%三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液199部を加え、1時間撹拌した。その後、室温下で12時間撹拌した。この混合物を氷水1100部に加えた後、クロロホルム740部を加え、クロロホルム層を抽出した。得られたクロロホルム溶液を18wt%塩化ナトリウム水溶液470部で2回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3−1b)で表される化合物30.0部を得た。
【0291】
<式(pt3−1b)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 318.2
Exact Mass: 317.2
【0292】
式(pt3−1b)で表される化合物7.46部とN,N−ジメチルホルムアミド14.4部を、窒素雰囲気下5〜10℃下で混合した。この混合物の温度を5〜10℃に保ちながら、塩化ホスホリル7.21部を加えた。その後、10℃以下で1時間、室温下で1時間、80℃下で1時間撹拌した。この反応混合物を室温まで放冷後、氷水100部を加え、48%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この混合物に酢酸エチル180部を加え、続いてセライトを加えて撹拌した。この混合物をろ過し、酢酸エチル層を抽出した。この酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。このろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt4−1b)で表される化合物6.26部を得た。
【0293】
<式(pt4−1b)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 346.2
Exact Mass: 345.2
【0294】
式(pt4−1b)で表される化合物6.01部、式(pt1−1b)で表される化合物4.04部、ピペリジン0.357部及びトルエン33.4部を混合し、105℃下で6時間撹拌した。この混合物を室温まで放冷後、メタノール153部に加えた。沈殿物を吸引ろ過の残渣として得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(IB−2)で表される化合物7.76部を得た。
【0295】
<式(IB−2)で表される化合物の同定>
1H−NMR(CDCl
3,270MHz)δ 2.13(12H),2.34(12H),6.38(2H),6.52(2H),6.92−7.02(8H),7.10(4H),7.37(2H),7.67(2H),7.98(2H),8.40(2H),8.64(2H)
【0296】
実施例12
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン10.0部とメタノール51.0部を混合し、撹拌しながら5℃以下で3−エトキシ−3−イミノピロピオン酸エチル塩酸塩18.2部を加えた。その後、反応混合物を10℃以下で13時間だけ、室温で24時間だけ、60℃で24時間だけ撹拌した。上記の反応混合物を室温まで冷却した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt1−2b)で表される化合物6.46部を得た。
【0297】
<式(pt1−2b))で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 451.2
Exact Mass: 450.2
【0298】
実施例11において、式(pt1−1b)で表される化合物を式(pt1−2b)で表される化合物に代えた以外は、実施例11と同様に実施して、式(IB−32)で表される化合物を得た。
【0299】
<式(IB−32)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1013.4
Exact Mass: 1012.4
【0300】
実施例13
9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン5.02部とメタノール30.0部を混合し、撹拌しながら5℃以下で3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩6.10部を加えた。その後、反応混合物を10℃以下で14時間だけ、室温で24時間だけ、60℃で24時間だけ撹拌した。上記の反応混合物を室温まで冷却した。この反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt1−3b)で表される化合物2.33部を得た。
【0301】
<式(pt1−3b)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 573.2
Exact Mass: 572.2
【0302】
実施例11において、式(pt1−1b)で表される化合物を式(pt1−3b)で表される化合物に代えた以外は、実施例11と同様に実施して、式(IB−62)で表される化合物を得た。
【0303】
<式(IB−62)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1135.4
Exact Mass: 1134.4
【0304】
実施例14
実施例11において、4−ヨード−m−キシレンを2−ヨード−1,3,5−トリメチルベンゼンに代えた以外は、実施例11と同様に実施して、式(pt2−4b)、式(pt3−4b)、式(pt4−4b)および式(IB−6)で表される化合物を得た。
【0305】
<各化合物の同定>
式(pt2−4b)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 360.2
Exact Mass: 359.2
式(pt3−4b)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 346.2
Exact Mass: 345.2
式(pt4−4b)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 374.2
Exact Mass: 373.2
式(IB−6)で表される化合物
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1091.4
Exact Mass: 1090.4
【0306】
実施例15
実施例11において、式(pt1−1b)で表される化合物を式(pt1−2b)で表される化合物に代え、4−ヨード−m−キシレンを2−ヨード−1,3,5−トリメチルベンゼンに代えた以外は、実施例11と同様に実施して、式(IB−36)で表される化合物を得た。
【0307】
<式(IB−36)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 1069.5
Exact Mass: 1068.5
【0308】
<耐熱性評価>
示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製 TG/DTA6200R)を用いて、実施例11〜15で得られた式(IB−2)、式(IB−32)、式(IB−62)、式(IB−6)および式(IB−36)で表される化合物とクマリン6(東京化成工業(株)製)の示差走査熱量測定を行った。一回の測定に用いた試料量は5mgであった。測定温度は、最初、25℃から開始し、毎分10℃の速度で昇温し、600℃まで測定した。空気中において重量減少率が5%となる温度T
5(空気下)、空気中において重量減少率が10%となる温度T
10(空気下)、窒素雰囲気下において重量減少率が5%となる温度T
5(窒素下)、および窒素雰囲気下において重量減少率が10%となる温度T
10(窒素下)を求めた。結果を表31に示す。
【0309】
【表31】
【0310】
表31の結果から、本発明の化合物(Ia−2)は熱的安定性が高いことがわかる。
【0311】
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
実施例16
顔料:C.I.ピグメントグリーン7(顔料) 27部、
アクリル系顔料分散剤 12部、
樹脂(B):樹脂B1(固形分換算) 9.5部、および
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 180部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させた顔料分散液;
着色剤(A):式(I−1)で表される化合物 3.0部;
樹脂(B):樹脂B1(固形分換算) 40部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 49部;
重合開始剤(D):N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE−01;BASF社製;O−アシルオキシム化合物) 9.8部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 670部;並びに
レベリング剤):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.15部
を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0312】
実施例17〜実施例33
実施例16において、C.I.ピグメントグリーン7(顔料)を、表32に示す顔料に、式(I−1)で表される化合物を表32に示す化合物に代えた以外は、実施例16と同様に実施して、着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0313】
【表32】
【0314】
実施例34〜63
実施例16において、C.I.ピグメントグリーン7(顔料)を、表33に示す顔料に、式(I−1)で表される化合物を表33に示す化合物に代えた以外は、実施例16と同様に実施して、着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0315】
【表33】
【0316】
実施例64〜78
実施例16において、C.I.ピグメントグリーン7(顔料)を、表34に示す顔料に、式(I−1)で表される化合物を表34に示す化合物に代えた以外は、実施例16と同様に実施して、着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0317】
【表34】
【0318】
<膜厚測定>
膜厚は、DEKTAK3;日本真空技術(株)製を用いて膜厚を測定した。
【0319】
<昇華性試験用樹脂組成物(SJS)の調製>
樹脂:メタクリル酸/ベンジルメタクリレート(モル比:30/70)共重合体(田岡化学工業(株)製、平均分子量10700、酸価70mgKOH/g)33.8%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液 40.2部;
重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 5.8部;
重合開始剤:N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE01;BASFジャパン社製) 0.58部;
レベリング剤:ポリエーテル変性シリコーン(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.01部;
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 46.6部;
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.8部
を混合して昇華性試験用樹脂組成物(SJS)を得た。
【0320】
<昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)の形成>
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、上記で得た昇華性試験用樹脂組成物(SJS)をスピンコート法で塗布し、100℃3分間で揮発成分を揮発させた。冷却後、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で光照射した。オーブン中で220℃2時間加熱して昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)(膜厚2.2μm)を形成した。
【0321】
実施例79 <着色パターンの作製と昇華性評価>
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、実施例16で得た着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。冷却後、着色組成物層が形成された基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を200μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で露光した。尚、フォトマスクとしては、100μmのラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。露光後の着色組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水溶液に25℃で70秒間浸漬させて現像し、水洗した。膜厚を測定した。結果を表35に示す。
この着色塗布膜と上記で得た昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)とを、70μmの間隔を空けた状態で対向させ、220℃で40分間ポストベークを行うことにより、着色パターンを得た。昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)の加熱前後の色差(ΔEab*)を測色機(OSP−SP−200;OLYMPUS社製)を用いて測定した。色差(ΔEab*)が5.0以上であれば、着色剤が昇華性を有することを示す。結果を表35に示す。表35では、各実施例において、○は、着色剤が昇華性を有しないことを、×は、着色剤が昇華性を有することを示す。
【0322】
実施例80〜実施例142
実施例79において、実施例16で得た着色硬化性樹脂組成物を、表35〜表37に示す着色硬化性樹脂組成物に代えた以外は、実施例79と同様に実施して、着色パターンを得、同様に、昇華性評価を行った。結果を表35〜表37に示す。
【0323】
【表35】
【0324】
【表36】
【0325】
【表37】
【0326】
比較例1
着色剤:クマリン6 3.6部;
樹脂(B):樹脂(B1)(固形分換算) 180部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 230部;
溶剤(E):N,N−ジメチルホルムアミド 590部;並びに
レベリング剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.063部
を混合して着色樹脂組成物を得た。
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、上記で得た着色樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。膜厚を、DEKTAK3;日本真空技術(株)製を用いて膜厚を測定したところ、1.9μmであった。
着色塗布膜と上記で得た昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)とを、70μmの間隔を空けた状態で対向させ、220℃で40分間ポストベークを行った。昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)の加熱前後の色差(ΔEab*)を測色機(OSP−SP−200;OLYMPUS社製)を用いて測定した。その結果、色差(ΔEab*)は5.0以上であり、着色剤であるクマリン6は昇華性を有することを確認した。
【0327】
上記の結果から、本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤が昇華することなく、カラーフィルタを形成することができることがわかった。