【実施例】
【0049】
次に、高温において炭素が存在する雰囲気を本発明の熱電対を用いて測温した実験結果を示した実施例と従来の熱電対を用いて測温した実験結果を示した比較例とを比較して、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。なお、2000℃近傍でCやSiが存在する雰囲気は、ほとんどの金属が炭化や低融点化し劣化する非常に過酷な雰囲気である。白金を用いた熱電対の場合、大気雰囲気でさえ、上限温度付近の過酷な環境で使用されると、50時間程度まで寿命が短くなることがあることから、使用可能時間の判断の目安を50時間とした。このような雰囲気を測温するためには、適切な熱電対を選択するのはもちろんであるが、構成部材となる保護管の選択が重要である。過酷な雰囲気でも測温を可能とする保護管及びその構造を明らかにした。
【0050】
(実施例1)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成する黒鉛(第2保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液温度測定を実施した。なお、黒鉛(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1.75mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、黒鉛(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において、温度測定を開始し、63.7時間経過したところで、熱電対において熱起電力異常が生じたため、測定を中断した。この熱電対は、測温可能時間の目安となる50時間を越えても使用することができた。この熱電対を取り外し、部材の状態を確認したところ、Ir(第1保護管)の先端から20mm程度において、表面の荒れを確認した。
【0051】
(実施例2)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するガラス状炭素(第2保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液温度測定を実施した。なお、ガラス状炭素(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1.75mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、ガラス状炭素(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、Ir(第1保護管)先端部から20mmの範囲で若干の変色(薄茶褐色)が見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0052】
(実施例3)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成する熱分解炭素被覆黒鉛(第2保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、熱分解炭素被覆黒鉛(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1.75mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、熱分解炭素被覆黒鉛(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、Ir(第1保護管)先端部から20mmの範囲で若干の変色(薄茶褐色)及び表面の荒れが見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0053】
(実施例4)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するガラス状炭素被覆黒鉛(第2保護管)/Ir(第1保護管)/HfO2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、ガラス状炭素被覆黒鉛(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1.75mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、ガラス状炭素被覆黒鉛(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、Ir(第1保護管)先端部から20mmの範囲で若干の変色(薄茶褐色)及び表面の荒れが見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0054】
(実施例5)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するBN(第2保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、BN(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、BN(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、特に異常は確認されなかった。
【0055】
(実施例6)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するAl2O3(第2保護管)/Ir(第1保護管)/HfO2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1800℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、Al2O3(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が2mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、Al2O3(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、Ir(第1保護管)先端部から20mmの範囲で若干の変色(薄茶褐色)及び表面の荒れが見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0056】
(実施例7)
本実施例では、第2実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成する黒鉛(第2保護管)/ガラス状炭素(第3保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、黒鉛(第2保護管)は外径が30mm、肉厚が10mm、ガラス状炭素(第3保護管)は外径が8mm、肉厚が1mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、黒鉛(第2保護管)及びガラス状炭素(第3保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、特に異常は確認されなかった。
【0057】
(実施例8)
本実施例では、第2実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成する黒鉛(第2保護管)/熱分解炭素被覆黒鉛(第3保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、黒鉛(第2保護管)は外径が30mm、肉厚が10mm、熱分解炭素被覆黒鉛(第3保護管)は外径が8mm、肉厚が1mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、黒鉛(第2保護管)及び熱分解炭素被覆黒鉛(第3保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、Ir(第1保護管)先端部から20mmの範囲で若干の変色(薄茶褐色)が見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0058】
(実施例9)
本実施例では、第2実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成する黒鉛(第2保護管)/ガラス状炭素被覆黒鉛(第3保護管)/Ir(第1保護管)/HfO2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、黒鉛(第2保護管)は外径が30mm、肉厚が10mm、ガラス状炭素被覆黒鉛(第3保護管)は外径が8mm、肉厚が1mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、黒鉛(第2保護管)及びガラス状炭素被覆黒鉛(第3保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、Ir(第1保護管)先端部から20mmの範囲で若干の変色(薄茶褐色)が見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0059】
(実施例10)
本実施例では、第2実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成する黒鉛(第2保護管)/BN(第3保護管)/Ir(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、黒鉛(第2保護管)は外径が30mm、肉厚が10mm、BN(第3保護管)は外径が8mm、肉厚が0.8mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、黒鉛(第2保護管)及び熱分解炭素被覆黒鉛(第3保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ir(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、特に異常は確認されなかった。
【0060】
(実施例11)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するガラス状炭素(第2保護管)/Mo(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、ガラス状炭素(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1.75mm、Mo(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、ガラス状炭素(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Mo(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においては、Mo(第1保護管)先端部から20mmの範囲で、ガラス状炭素(第2保護管)に起因する黒色異物の付着が確認されたが、Mo(第1保護管)のリークは確認されなかった。
【0061】
(実施例12)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するBN(第2保護管)/Mo(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、BN(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、BN(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Mo(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においては、先端部から20mmの範囲で若干の表面の荒れが見られたものの、その他の異常は確認されなかった。
【0062】
(実施例13)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するガラス状炭素(第2保護管)/Ta(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、ガラス状炭素(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1.75mm、Ta(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、ガラス状炭素(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ta(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、特に異常は確認されなかった。
【0063】
(実施例14)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計を用いた。当該温度計を構成するBN(第2保護管)/Ta(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、BN(第2保護管)は外径が10mm、肉厚が1mm、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、BN(第2保護管)は内外が隔離されておらず、内部雰囲気は炉内雰囲気と同じであった。加えて、Ta(第1保護管)内部はArを充填し、外部と隔離した。上記の条件において温度測定を開始し、100時間経過したところで温度測定を終了した。その間、熱起電力の異常は確認されなかった。また、測定後の外観観察においても、特に異常は確認されなかった。
【0064】
(比較例1)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計から第2保護管を外した温度計を用いた。当該温度計を構成するIr(第1保護管)/HfO
2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1900℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO
2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、Ir(第1保護管)内部はArを充填した。上記の条件において、温度測定を開始し、7.6時間経過したところで、熱電対において熱起電力異常が生じたため、測定を中断した。その後、熱電対を取り外し、部材の状態を確認したところ、Ir(第1保護管)の先端から20mm程度において、表面の荒れを確認した。
【0065】
(比較例2)
本実施例では、第1実施形態に係る温度計から第2保護管を外した温度計を用いた。当該温度計を構成するIr(第1保護管)/HfO2(絶縁管)/Ir及びIr−40wt%Rh(素線)の熱電対を、黒鉛を炉材とする炉内で、Siを主成分とする融液に対して20mm挿入し、Ar雰囲気において1800℃でこの融液の温度測定を実施した。なお、Ir(第1保護管)は外径4.8mm、肉厚が0.5mm、HfO2(絶縁管)は外径3.2mm、内径0.9mmの2穴管、Ir及びIr−40wt%Rh(素線)は線径がいずれも0.5mmである。また、Ir(第1保護管)内部はArを充填した。上記の条件において、温度測定を開始し、8.1時間経過したところで、熱電対において熱起電力異常が生じたため、測定を中断した。その後、熱電対を取り外し、部材の状態を確認したところ、Ir(第1保護管)の先端から20mm程度において、表面の荒れを確認した。