(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自動車のスライド窓(3)の開閉装置であって、前記スライド窓(3)は固定パネル(2)に対して、前記スライド窓(3)が前記固定パネル(2)に対して「面一」に配置される閉位置から、前記スライド窓(3)が前記固定パネルに平行に動かされる開位置に動くことができる開閉装置であって、
前記開閉装置がアセンブリを含み、
前記アセンブリが、前記スライド窓(3)に固定されるフレーム(4)の縁部(7)によって支持されるハンドル機構(9)から、前記ハンドル機構(9)の作動によって、前記閉位置を始点として、第1段階において前記スライド窓(3)がロック解除され、続いて、第2段階において前記スライド窓(3)がその閉位置から導出され、前記フレーム(4)の前記縁部(7)に対応する前記スライド窓(3)の縁部が、前記固定パネル(2)に対して、前記スライド窓(3)がスライドするのを可能にする位置に向かって動かされるように制御され、
前記スライド窓(3)が、その閉位置において、前記ハンドル機構(9)によって不動化され、
前記スライド窓(3)の不動化/前記スライド窓(3)の閉位置からの解放が、前記フレーム(4)の前記縁部(7)に沿って延びるロッド(10)の回転によって行われ、
前記ハンドル機構(9)が、前記ロッド(10)上に配置されるリング(24)であって、カムを形成するリング(24)と係合する手段(26)を含み、前記ハンドル機構(9)の前記作動における閾値に達するまで、前記ロッド(10)の前記回転を防止する、装置。
前記ハンドル機構(9)の前記作動に基づく前記リング(24)の回転が、前記フレーム(4)に固定される1つ以上のストッパ(20)によって制限される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
前記ロッドに固定される戻り手段であって、前記ロッドを、前記ハンドル機構(9)の作動によって得られる方向と反対側の方向に強制的に回転させる戻り手段を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術の実施形態の中で明らかになった1つの具体的な難点は、可動窓を操作するための機構であって、上記の動作を好適に遂行するだけでなく、閉位置において可動窓を効果的にロックすることもできる機構の設計にある。この場合、これらの操作のすべてが、車両の乗員が遂行するのに便利な単一の動作において実行されるべきである。従って、本発明の目的の1つは、上記の要求に適合すると共に、操作および構成が簡素化される装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主題は請求項1に記述される。
【0007】
本発明の1つの特徴は、
スライド窓を使用するのに必要とされるすべての動作を、
スライド窓のフレームによって支持される
ハンドル機構の作動に単純化することにある。本発明によれば、この窓に結合される
ハンドル機構そのものが、
ハンドル機構にすべて含まれる連続する機構の使用を含む動作に対応する多段階において作動する。この機構は、
スライド窓の不動化/解放を、固定パネルにおける開口からの
スライド窓の動きと、先行する
スライド窓のスライド動作とから分離する。
【0008】
さらに正確には、
ハンドル機構は、それを作動すると最初に、
スライド窓をその閉位置から係合解除する1組の手段を解放するように作動する。続いて、同じ
ハンドル機構が、
ハンドル機構を作動させ続けると上記の係合解除を推進する。
【0009】
スライド窓のその閉位置からその開位置への移動は、一方では偏心体の形態の関節構造を含むガイドアセンブリによって行われる。この偏心体は、回転動作可能であり、
スライド窓に固定され、かつ、固定パネルに取り付けられるレールに形成される
スライドトラック内に係合される。レールは、
スライド窓の両側に配置されるが、それぞれ、一方は上部部分に、もう一方は下部部分に配置される。このような装置が、特に、公開文献欧州特許出願公開第1945473号明細書に提示されている。この文献は、さらに、窓を閉位置にロックできる手段を記述しているが、この手段は、窓のスライドを可能にする手段とは無関係である。
ハンドル機構の動作は、窓が動くために、この手段からの付加的な強制的動作によって補足しなければならない。従って、窓を動かすプロセスは、本発明の提案より複雑である。
【0010】
欧州特許出願公開第1719651号明細書は、
スライド窓の動作に関して上記の文献に類似の解決策を提示している。このアセンブリは、かなりの程度の複雑さを伴うが、
スライド窓が、固定パネルに平行な平面内に常に保持されるように動くことを可能にするものである。
【0011】
本発明による装置は、窓用の単一制御を提案しているという点で先行装置と異なっている。この単一制御は、
スライド窓をその閉位置において不動化/解放するが、窓をスライドさせもする。本発明は、この操作に、
スライド窓を部分的な開位置に保持する可能性を追加する。この
スライド窓の保持は、
スライド窓を、先行して設けられたいくつかの位置において完全に不動化するか、または任意の位置であるが、装置の特定の要素間の摩擦に基づいて相対的にのみ設けられる位置において完全に不動化することによって実現される。
【0012】
本発明の有利な一実装形態は、制御
ハンドル機構を、動作を伝達し、アセンブリの動作を変換して、
スライド窓をその閉位置から係合解除し、かつ、並進移動させるアセンブリに接続することを含む。この伝達は、窓の縁部に沿って配置されるロッドによって行うことが好ましい。このロッドは、窓の動きをガイドするために、その端部に、固定パネルに固定されるレールと係合するように設計される要素を含んでいる。この場合、さらに、ロッドの回転動作は
ハンドル機構によって制御される。本発明によるこの実施形態においては、
ハンドル機構も、ロッドの回転を不動化/解放し得る手段であり、従って、
スライド窓を閉位置にロックする手段である。
【0013】
ロッドを回転させるために
ハンドル機構が並進移動するのが有利である。この並進移動は、
ハンドル機構によって駆動されるラックと、ロッドに支持されるピニオンとであって、ラックがピニオンと噛み合うラックおよびピニオンによってロッドの回転動作に変換される。
ハンドル機構が作動されず、窓が閉位置にある時には、上記の回転動作とは関係なく、このロッドは
ハンドル機構によって不動化される。このロッドは、使用される
ハンドル機構が使用閾値を超えた場合にのみ回転できる。この構造によって、
スライド窓の閉止が確実に行われ、車両内部に配置される
ハンドル機構を用いることによってのみ解放が可能であるため、いかなる侵入の可能性も回避される。
【0014】
簡素化のために、
ハンドル機構の可動部分に支持される要素によって、閉位置におけるロッドの回転を防止することが有利である。この要素はロッドに固定される部品と係合しており、その部品の形状は、ロッドの軸の回りに軸対称になっていない。対応する手段は種々の形状とすることができ、そのうちのいくつかについて、後述する例示的な実施形態に関連して詳述する。
【0015】
本発明によれば、
ハンドル機構の作動は、窓に本質的に平行な平面内における並進移動に合致することが有利である。これによって、従って、
ハンドル機構が乗員室の中に内向きに動くことが避けられる。特に、この動きによって、使用者が
スライド窓のフレームと
ハンドル機構とを同時に押圧することが可能になり、従って単一の握持動作が確保される。
ハンドル機構の動作をできる限り好適かつ人間工学的なものにするために、この動作は、いかなる操作に対しても、使用者の手の収縮に合致する単一方向の並進移動である。
ハンドル機構が一旦解放されると、
ハンドル機構は、戻り手段によって「休止」位置に戻される。この戻り手段は、
ハンドル機構をその初期位置に押し戻すように作用するスプリングとするのが有利である。他の戻り手段は、ロッドの回転に対して作用する。
【0016】
さらに、回転ロッドを含むアセンブリの実施に関して、スライドレールと係合するロッドの端部は、スライドレール内で回転および並進の両方において可動な要素を含む。この手段は、ロッドの軸に関して偏心していることが有利である。この偏心の結果、ロッドの回転によって、同時に、ロッドがレールに対して動かされ、かつ、
スライド窓をその閉位置から離れるように動かす。対応する動きと回転とは、窓をその閉位置から離れて動かすこの位置を結果的に生じるものに制限されなければならない。この動きを制限するために、ロッドに回転制限要素が設けられ、この回転制限要素は、例えば、
ハンドル機構が配置されるフレームに固定されるストッパを形成する要素と係合する。この要素は、
ハンドル機構を作動する第1段階における回転を不動化する要素と、ロッド上において結合するのが有利である。例えば、この要素は、その形状によってこの2つの機能の実行が可能になる一種のカムの形態である。
【0017】
スライド窓のその閉位置からの係合解除に対応する動きを超えると、並進移動の間においては、ロッドは、レール内において、窓を固定パネルの平面から外れて保持する位置に保持される。これはロッドの逆の戻りの回転に反対向きであり、これによって、同時に、
ハンドル機構が解放された際に、レールとロッドの端部に配置される手段との間の摩擦によって、窓の動きが制動される。
【0018】
適切な場合には、レールは、逆回転によって端部がスライドトラックに対してその中に移動できる窪みであって、窓を予め確定された開位置に不動化できる窪みを含む。
【0019】
本発明による装置は、窓が開くのを防ぐ手段であって、上記の閉手段とは無関係な手段をも含むことができる。これは、例えば、車両内の子供による操作を避けるための安全手段である。この手段は、ロッドの回転を防止する付加的な手段とするのが有利である。
【0020】
以下、本発明を、添付の図面を参照して、具体的な実施形態について詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、より大きな窓から構成される固定パネル2に装着される、本発明による
スライド窓の全体的な構成を概略的に示す。窓2は、通常、車両本体に付着接合によって取り付けられる。付着接合部分を見えなくするために、窓の縁部を不透明なエナメル塗装した帯材で被覆することが一般的に行われる。その限界が符号1で示されている。
【0023】
固定窓2は開口を含み、その開口の中に
スライド窓3が嵌め込まれる。
スライド窓3の寸法は開口の寸法に合致しているが、後述する動作を可能にするために、必要な最小の余裕代が残される。
スライド窓は、閉位置にある時には、固定窓2の平面に揃えられる。すなわち固定窓2の平面と「面一」に揃えられる。
【0024】
スライド窓3はその周囲を囲繞するフレーム4の中に嵌め込まれる。「面一」の構成を確保するために、フレーム4は、その全体が、乗員室の方を向く窓3の側に配置される。フレームは、窓3のこの面に付着接合するのが有利であり、同様に、マスキング用のエナメル材によって外部から見えなくされる。
【0025】
2つのレール5および6も固定窓2に付着接合される。それらも、マスキング用のエナメル材でカバーされる領域内において付着接合するのが有利である。
【0026】
フレーム4は縦方向に延びるレール5、6上に可動に装着される。
スライド窓の動作は水平の並進移動であることが好ましいため、レールそのものは本質的に水平に配置される。
【0027】
図1においては、レール6が、その上部部分のカバーを取り外して示されており、後述するガイド手段を見ることができる。
【0028】
フレーム4は、その垂直の縁部7に、カバー8の下に見えなくされている開放操作およびロック用の制御アセンブリを含む。このアセンブリは
ハンドル機構9によって操作するが、この
ハンドル機構9は、単一の動作によって、
スライド窓3のフレーム4のロックまたはロック解除と、
スライド窓3をレール5および6内においてスライドさせることとが十分に行われるように構成される。
【0029】
図2は
図1と同じ窓を示すが、機構を見えなくしているカバー8が取り外されており、
ハンドル機構9によって駆動される機構が関節結合されるロッド10を示している。この機構の構造および操作は
図3〜6において詳述する。ロッド10はレール5および6まで延びており、その両端部において、ガイド用およびロック用の要素を担持している。この要素については、
図7、8、10および12において詳述する。
【0030】
図3は制御機構における
図2の一部分を再現している。この機構は、フレーム11のベースに取り付けられており、そのフレーム11の上に
スライド窓3が取り付けられる。フレーム11のベースは、垂直縁部7の全高にわたって延びる突出部分12を含む。固定窓2の部分の方を向く側において、溝21が、この突出部分12に対応して設けられ、窓2に当接する可撓シール23を受け入れる。
ハンドル機構の高さレベルにおいて突出部分12が曲線状に弯曲していることによって、機構の種々の要素を搭載し易くなる。この形状は絶対的に必要なものではなく、直線形状も有利である。
【0031】
フレーム4のベース11および突出部分12に取り付けられる2枚のプレート13および14が、ロッド10の回転を可能にしながらロッド10を保持する。
【0032】
ハンドル機構9は、窓の平面に本質的に平行な方向において並進移動させることができる。図示の実施形態においては、
ハンドル機構は、この
ハンドル機構の本体を構成する壁面によってこの並進移動においてガイドされるが、
ハンドル機構の本体は、プレートに形成される2つの溝15内でスライドする。図は、この2つの溝15の内、下部プレート14の溝のみを示している。
【0033】
図4aは、プレート13の下部に位置する
図3の平面A−Aに沿うハンドル機構の断面を示す。この図において
ハンドル機構は休止位置にある。フレーム4の外側に延びる部分は、ラック18と一体化されるステム17を囲繞するスプリング16によって矢印の方向に押し戻される。
【0034】
ラック18は、ロッド10に固定されるピニオン19と噛み合う。ロッド10は複雑な形状のリング24をも担持している。このリングは、平坦化部分25を構成する垂直の斜角面を含む。このリング24は、ロッド10の軸に対する偏心カムを形成する。
図4bに示すように、軸から最も遠い部分33は、その部分が約180°の角度を超えるロッドの回転を阻止するように、ベース11上に配置されるストッパ20によって保持される。
【0035】
図4bは、ピニオン19の下部に位置する上記と同様の水平断面図である。この位置は、
ハンドル機構が休止位置に押し戻された状態に相当する位置である。この位置において、
ハンドル機構壁面の
カムを形成するリング24と係合する手段26が、リング24の平坦化部分25に対向しており、ロッド10が動かないように、最小の遊びをもってその平坦化部分25と接触している。
【0036】
図5aおよび
図5bは、
ハンドル機構の並進移動の開始位置を示し、戻りスプリング16は圧縮されている。この第1段階は、ラック18のステム17が、ラックを収納するスライド体27の端部に当接すると終了する。この第1段階においては、ラック18は、動かない状態に保持される、すなわち、曲げ戻し部26と、リング24の平坦化部分25とによって不動化される。引き続いて
ハンドル機構をさらに進行させると、ロッド10が回転できるようになる。
【0037】
図6aおよび6bは最終位置にある
ハンドル機構を示す。回転できるロッド10はラック18およびピニオン19によって駆動される。
【0038】
上記のように、ロッド10を回転すると、後述するように、ロックおよびロック解除するためのレールとの係合手段の回転が駆動される。
【0039】
図6の位置において、
スライド窓3と、機構を含むフレーム4の垂直部分7とのアセンブリは、固定パネル2の厚さより大きい距離dだけ、固定パネル2の平面から離れる方向に動かされる。
スライド窓3は、部分2と面対面の位置関係になるようにスライドできる状態になる。
【0040】
ハンドル機構の上記の動きは戻り手段(図示せず)によって阻止される。この戻り手段は、
ハンドル機構9の作動によって得られる回転と反対向きの回転を生じるようにロッド10に作用する。
ハンドル機構9に対する圧力が解放されると直ちに、ロッド10はこの戻りの回転に向かう。以下に述べる機構は、所定位置へのこの戻りが、スライド用レール内のロッドの端部に配置される手段の特定の位置のために不完全であってもよいという効果を有する。
【0041】
図7aはレール6を示すが、この場合、構成要素とそのそれぞれの位置とをよく表現できるようにその上部部分のカバーが取り外されており、フレーム4の部分7はベース11を構成する部分に限定されている。ベース11は
スライド窓に取り付けられる。
【0042】
ロッド10の端部30において、ローラ29が、ロッド10と共に回転するようにロッドに固定される。図示の形態においては、このローラは一般的に円筒形であるが、以下に詳述するのと同じ機能を遂行すれば、異なる形状を有することも可能である。
【0043】
ローラは、レール6内に形成される壁面31、32によって画定される
スライドトラック28内でスライドすることができる。図示の実施形態においては、上記の壁面は、その端部において円弧の形の壁面によって接合される。
【0044】
ロッド10の端部30は、上記のように
ハンドル機構9の作動に基づくロッド10の回転によって、窓の部分3の全体が
図7aに表現される初期平面に対して動かされるように、ローラの軸に対して偏心している。この動きdは上記の動きである。
【0045】
上部レール6内においては、レール内におけるロッド10の端部の関節構造を見ることができる。ロッド10は、特に
図2に示される
スライドトラック34内においてガイドされる。ロッド10は、それによって、フレーム4と、付着接合によってフレームに取り付けられる
スライド窓3とを担持するが、ロッド10は、その回転において、レール内に形成される
スライドトラック34に追随する。この
スライドトラックは、その始点において、この窓を「面一」の閉位置から離す方向に動かすように向けられる。
【0046】
図7bは、ローラ29の軸における断面であって、窓の平面に垂直な断面において、種々の要素の位置を示す。この図は、ロッド10をフレーム4のベース11に取り付ける保持要素37を示している。この要素37は、ロッドが自由に回転するのを可能にする。下部部分において、同様の支持構造がロッドの取り付けを完成する。
【0047】
図7cは、同様に、ロッド10をガイドするための手段のレベルにおける断面において、下部レール内の配置を示す。ロッドの端部は、エルボを形成する
スライドトラック34の部分内にあり、その
スライドトラックの主要部分は、レールとして、固定窓2の平面に平行に延びている。
【0048】
同じ表現が
図8a、8bおよび8cにおいて繰り返される。これらの図は、上記のように、
ハンドル機構の作動に基づいて回転した後のロッド10の位置を示す。ロッドの回転は、その初期位置に対して約1/2回転である。フレーム4のベース11は、同様に、付加的な距離dだけ固定パネル2から離れるように動いている。
【0049】
図9、10a、10bおよび10cは、上記の図に類似の図であり、
スライド窓3のスライドが進行中の状態を示す。
【0050】
図10aは、レール6の
スライドトラック28内における上部ローラ29の位置を示す。この
スライドトラックは
図7aおよび8aに示すようにその全体が直線である。ローラ29は、ロッド10の先行する回転の間に付与された位置に残留している。ローラ29は、逆回転の戻り手段にも関わらず、ロッド10の端部30によってこの位置に保持される。これが、
図10cにおいて、窓の下部部分に対して示されているが、同じ構成を上部位置においても見ることができる。下部部分においては、ロッドの端部は、
スライドトラック28におけるローラのそれに平行な
スライドトラック34に追随する。
【0051】
ハンドル機構9の作動が解放されると、ロッドの端部30が、戻り手段の作用の下で
スライドトラック34の壁面に対して押し付けられる。この圧力とその結果生じる摩擦とが、窓のいかなる好ましくない動きに対してもブレーキとして作用する。
【0052】
図11と、
図12a、12bおよび12cとは、
スライド窓が開位置にあり、この位置で不動化されている配置を示す。
【0053】
図12aは、戻り手段の作用の下で1/2回転だけ回転されたローラ29を示す。この回転は窪み36の存在によって可能になる。この回転は、
図12cに示すように、ロッド10の端部30がそれ自体の
スライドトラック内に保持される場合にも生起する。この位置における不動化は、
スライド窓の追加的な動きを可能にするためには
ハンドル機構における介入が必要であるということに基づくものである。この介入がなければ、ロッドは、
ハンドル機構によって回転において不動化されるが、ローラ29を窪み36から動かすためにはロッドの回転が必要である。
【0054】
これらの図は、相互に間隔を開けて配置されるいくつかの窪み36を示しており、従ってレール上のこれらの個数は制限される。これらの要素の機能は、多数の中間の不動位置を設けることが望ましい場合には、窪み36を非常に近接させ得ることを示している。
【0055】
上記においては、
ハンドル機構と共に作動する装置の要素についてのみ記述した。それらは、すべて窓の同じ縁部に、すなわち、閉位置からの係合解除の動きにおいて前面の方に向いて配置される窓の側に配置される。
スライド窓は必然的に反対側に保持されるが、機構は、その側において実質的により簡単にすることができる。レール5および6内に
スライドトラック35を配置することで十分であり得る。これらの
スライドトラックは、フレーム4によって支持される要素と係合する。これらの要素は、
スライドトラック35によって付与されないいかなる動きをももたらさない限り、簡単なペグとすることができる。
スライドトラック35は、本質的に直線であり、
スライド窓が、その閉位置から引き出された後、固定窓2に平行な状態を本質的に維持したまま動くように、
スライドトラック34と同心に揃えられる。
【0056】
図9および11に示すように、
スライド窓をその側において係合解除するために、
スライドトラック35の端部38は、この
スライドトラックの一般的な方向に対してある角度を形成している。この形状は、
スライド窓3を、固定パネル2の平面に平行な平面内の開口から係合解除された位置にガイドするように窓の縁部を回転させるように設計される。この回転は、
スライド窓の動きを過度に制動しないように十分に傾けられる。
【0057】
上記のアセンブリは、その縁部がハンドル機構を含まないため、その縁部の動きを受動化する。このアセンブリの効用は、それが非常に簡素であることである。もちろん、提示したこのシステムを
スライド窓の他の縁部用として複製することも可能である。その場合、その動きは、窓の2つの縁部の端部を連結するロッドによって伝達される。コスト効率的な機構の選択が一義的に重要な場合は、上記の実施形態を選択することが好ましい。
【0058】
補足的な要素も見ることができる。特に、
図3に示すように、「子供安全(child safety)」装置を有することが可能である。これは、
ハンドル機構を、追加的な独立の不動化によって作動防止できる手段である。この
図3に提示した実施形態においては、それは、単に、フレームのベース11に取り付けられる要素39であって、回転された時にロッド10に固定される突起体40を不動化する要素39である。このシステムの操作があまりに容易過ぎることがないようにするため、提示された実施形態においては、それを回転するのに、例えば、コインの縁部をスロットの中に導入する必要がある。