(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検知部によって第2の操作が検知された後に電源がオフにされた場合、次回電源がオンにされたときに本吐水装置は設定変更可能状態になることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
設定変更可能状態にあるときに電源がオフにされた場合、次回電源がオンにされたときに本吐水装置の設定変更可能状態は解除されていることを特徴とする請求項1または2に記載の吐水装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の吐水装置によれば、カートリッジに合わせてしきい値を切り替えることができるため、しきい値が異なるカートリッジが採用された場合でも、カートリッジの交換時期を適正に報知できる。しかしながら、この吐水装置では、しきい値の切り替えを吐止水の操作部で行っているため、意図せずにしきい値が切り替わってしまうおそれがある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、意図せずにしきい値が切り替わる可能を低減できる吐水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の吐水装置は、吐出口から水を吐出させる吐水装置であって、ユーザによる操作を検知する検知部と、電源がオンにされたときに本吐水装置が設定変更可能状態になり、かつ、電源がオンにされた後に検知部によって第1の操作が検知された場合、本吐水装置に関する設定を変更する変更部と、を備える。
【0007】
この態様によると、電源のオンオフ操作が設定変更の手順に含まれるため、意図せず設定変更されるのを抑止できる。また、電源のオンオフだけで設定変更は完了しないため、別の目的で電源をオンオフしても、意図せず設定変更されるのを抑止できる。
【0008】
検知部によって第2の操作が検知された後に電源がオフにされた場合、次回電源がオンにされたときに本吐水装置は設定変更可能状態になる。この場合、意図せず設定変更されるのをより確実に抑止できる。
【0009】
設定変更可能状態にあるときに電源がオフにされた場合、次回電源がオンにされたときに本吐水装置の設定変更可能状態は解除されていてもよい。再度の電源のオンオフにより設定変更可能状態を解除できるため、設定変更可能状態から抜け出せなくなることがない。
【0010】
本発明の別の態様もまた、吐水装置である。この装置は、吐出口から水を吐出させる吐水装置であって、磁束を検知する検知部と、検知部によって磁束が検知された場合、本吐水装置に関する設定を変更する変更部と、を備える。
【0011】
この態様によると、磁束が検知された場合に設定が変更される。意図せず磁束が検知される可能性は比較的低いため、意図せず設定変更されるのを抑止できる。
【0012】
ユーザによる操作を検知する別の検知部をさらに備えてもよい。変更部は、検知部によって磁束が検知された後に別の検知部によって操作が検知された場合、あるいは、別の検知部によって操作が検知された後に検知部によって磁束が検知された場合に、本吐水装置に関する設定を変更してもよい。この場合、意図せず設定変更されるのをより確実に抑止できる。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、意図せずにしきい値が切り替わる可能を低減できる吐水装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0017】
図1は、実施形態に係るキッチンユニット100を示す斜視図である。キッチンユニット100は、カウンターの一部に設けられるシンク102を備える。シンク102にはカウンターの天面に対して段差をつけた位置に着座部104が設けられる。着座部104には、正面から見て左側に温度調整機能を有する吐水装置106が設置され、右側に浄水機能を有する吐水装置10が設置される。
【0018】
図2は吐水装置10を示す模式図である。吐水装置10は、自動水栓として機能し、シンク102(
図2では不図示)に取り付けられる管状体12と、管状体12内に挿通される給水チューブ14および配線ケーブル16と、管状体12に取り付けられるセンサ部材18とを備える。
【0019】
給水チューブ14は、管継手20を介してゴムホース等の送水管22に接続され、送水管22を通して上水道等の給水源に接続される。送水管22には浄水器24、電磁弁26、止水栓28が設置される。浄水器24は、上流側から送られる原水をカートリッジ(不図示)により浄化し、これを浄水として下流側に送り出す。電磁弁26は、センサ部材18から出力される制御信号に基づき閉弁又は開弁し、給水チューブ14に対する給水の有無を切り替える。
【0020】
配線ケーブル16は電源ケーブル30と信号ケーブル32を束ねたものである。電源ケーブル30はセンサ部材18と電源アダプタ34とを接続する。センサ部材18には、外部電源から電源アダプタ34や電源ケーブル30を通して電力が供給される。信号ケーブル32はセンサ部材18と電磁弁26を接続する。
【0021】
センサ部材18は、発光素子と受光素子との組み合わせによるセンサ素子(不図示)と、マイコンを搭載した回路基板等により構成される制御部40(
図2では不図示)と、を有する。センサ素子は、検知面から数センチ程度の検知範囲内に近接した手や指による反射光を受光した場合に、ユーザの手動操作を示す手動操作信号を出力する。制御部40はこの手動操作信号を受けてユーザの手動操作を検知する。制御部40は、信号ケーブル32を通して電磁弁26に検知結果に応じた制御信号を出力する。
【0022】
図3は、制御部40の機能および構成を模式的に示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0023】
制御部40は、操作検知部42と、給水制御部44と、通電時間積算部46と、通水量積算部48と、交換要否判定部56と、変更部58と、カートリッジマスタ50と、カートリッジ情報保持部52と、状態保持部54と、を備える。
【0024】
カートリッジマスタ50は、浄水器24に用いることができるカートリッジに関する情報を保持する。
図4は、カートリッジマスタ50のデータ構造を示す。カートリッジ種別ID50aは、カートリッジの種別を一意に特定するIDである。耐用通電時間50bは、カートリッジをセットしてから電源(主電源)がオンになっている状態の積算時間であって交換の目安となる積算時間を示す。耐用通水量50cは、カートリッジにより浄化された水の積算量であって、交換の目安となる積算量を示す。以降、耐用通電時間50bと耐用通水量50cとに保持されている情報を合わせて、「カートリッジの寿命」とも呼ぶ。
【0025】
カートリッジ情報保持部52は、浄水器24に現在セットされているカートリッジに関する情報を保持する。
図5は、カートリッジ情報保持部52のデータ構造を示す。カートリッジ種別ID52aは、カートリッジの種別を一意に特定するIDであり、カートリッジマスタ50のカートリッジ種別ID50aに対応する。
図5に示す例では、浄水器24には、「Aカートリッジ」がセットされていることを示している。積算通電時間52bは、現在のカートリッジがセットされてから電源(主電源)がオンになっている状態の積算時間である。積算通水量52cは、現在のカートリッジにより浄化された水の積算量である。以降、積算通電時間52bと積算通水量52cとに保持されている情報を合わせて、「カートリッジの交換時期に関する情報」とも呼ぶ。
【0026】
状態保持部54は、吐水装置10の状態を示す情報を保持する。具体的には、状態保持部54は、「通常モード」、「リセットモード」、「切替モード」のいずれかの情報を保持する。「通常モード」は吐止水できるモードである。「リセットモード」は、カートリッジの交換時期に関する情報をリセット(ゼロに)するためのモードである。浄水器24に現在セットされているカートリッジを、それと同じ寿命のカートリッジに交換する場合、このモードに切り替える。「切替モード」は、カートリッジの種別に関する情報を他方のカートリッジに切り替えるとともに、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットできるモードである。浄水器24に現在セットされているカートリッジを、それとは異なる寿命のカートリッジに交換する場合、このモードに切り替える。
【0027】
操作検知部42は、センサ部材18に対するユーザ操作であり、典型的にはユーザの手動による吐水操作、止水操作、および設定変更操作を検知する。具体的には、操作検知部42は、センサ部材18から操作信号を受信することにより、センサ部材18に対するユーザ操作、例えば手や指をかざす操作を検知する。操作検知部42は、通常モードにおいて、所定時間(例えば1〜3秒)のユーザ操作がなされたことを検知すると、吐水操作または止水操作を受け付けた旨を示す情報を給水制御部44へ出力する。また、操作検知部42は、所定時間(例えば6秒)以上のユーザ操作がなされたことを検知すると、設定変更操作を受け付けた旨を示す情報(以下、「設定変更操作情報」とも呼ぶ。)を変更部58へ出力する。
【0028】
給水制御部44は、操作検知部42から受け付けた情報に応じて電磁弁26を開くよう制御し、吐出口12aから吐出させる。または、電磁弁26を閉じるよう制御し、吐出口12aからの吐出を停止させ、すなわち吐水装置10を止水する。
【0029】
通電時間積算部46は、外部電源から電源アダプタ34や電源ケーブル30を通してセンサ部材18に電力が供給されている時間を積算する。通電時間積算部46は、例えば1分に1回の頻度で、カートリッジ情報保持部52の積算通電時間52bを更新してもよい。
【0030】
通水量積算部48は、電磁弁26を開いている時間と流速とに基づいて、カートリッジを通る水量を積算する。本実施の形態では、流速は、不図示の流量調整弁により、4L/minに設定されている。通水量積算部48は、例えば1分に1回の頻度で、カートリッジ情報保持部52の積算通水量52cを更新してもよい。
【0031】
交換要否判定部56は、浄水器24に現在セットされているカートリッジの交換が必要か否かを判定する。交換要否判定部56は、カートリッジ情報保持部52の積算通電時間がカートリッジマスタ50の耐用通電時間を超えているか否か判定する。また交換要否判定部56は、カートリッジ情報保持部52の積算通水量がカートリッジマスタ50の耐用通水量を超えているか否かを判定する。少なくとも一方がカートリッジマスタ50の値を超えている場合、交換要否判定部56は、カートリッジを交換する必要があると判定する。この場合、交換要否判定部56は、センサ部材18に含まれる不図示のLED素子によってカートリッジを交換する必要がある旨をユーザに報知する。
【0032】
ユーザは、この報知を受けてカートリッジを交換すればよい。浄水器24に現在セットされているカートリッジと寿命が同じカートリッジをセットする場合は、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする。浄水器24に現在セットされているカートリッジとは寿命が異なるカートリッジをセットする場合は、カートリッジの種別に関する情報を他方のカートリッジに切り替えるとともに、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする。これらは、ユーザ操作のもと、変更部58によって実行される。なお、交換要否判定部56は、例えば1日に1回、1時間に1回、または1分に1回、カートリッジマスタ50およびカートリッジ情報保持部52を参照し、この判定を行う。
【0033】
カートリッジマスタ50、カートリッジ情報保持部52がそれぞれ
図4、
図5に示す状態の場合、浄水器24に現在セットされているカートリッジは「Aカートリッジ」で、その積算通電時間は「6ヶ月」、積算通水量は「6300L」であり、Aカートリッジの耐用通電時間は「12ヶ月」、耐用通水量は「9960L」であるため、交換要否判定部56は、まだ交換する必要はないと判定する。
【0034】
変更部58は、モード切替部60と、リセット実行部62と、切替実行部64と、を含む。モード切替部60は、吐水装置10が「通常モード」であるときに、操作検知部42から設定変更操作情報を受け付けると、状態保持部54のデータを「通常モード」から「リセットモード」に更新する。これにより、吐水装置10は通常モードから「リセットモード」に切り替わる。モード切替部60は、「リセットモード」に切り替わった後、所定時間(例えば60秒)内に次の設定変更操作情報を受け付けない場合、状態保持部54のデータを「リセットモード」から「通常モード」に更新する。これにより、吐水装置10は通常モードに戻る。
【0035】
また、モード切替部60は、電源が投入されたときに状態保持部54を参照する。モード切替部60は、状態保持部54のデータが「リセットモード」である場合、これを「切替モード」に更新する。これにより、吐水装置10はリセットモードから「切替モード」に切り替わる。ここで、吐水装置10がリセットモードであるときに吐水装置10の電源をオフにし、再度電源をオンにすることにより(本実施の形態では吐水装置10がリセットモードであるときに電源アダプタ34をコンセントから抜き、再度電源アダプタ34を電源に差し込むことにより)、電源が投入されたときに状態保持部54に保持されるデータが「リセットモード」となる。モード切替部60は、「切替モード」に切り替わった後、所定時間(例えば60秒)内に次の設定変更操作情報を受け付けない場合、状態保持部54のデータを「切替モード」から「通常モード」に更新する。これにより、吐水装置10は通常モードに戻る。
【0036】
リセット実行部62は、吐水装置10がリセットモードであるときに設定変更操作情報を受け付けると、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする。すなわち、リセット実行部62は、カートリッジ情報保持部52の積算通電時間52b、積算通水量52cをそれぞれ0ヶ月、0Lに更新する。また、リセット実行部62は、状態保持部54のデータを「リセットモード」から「通常モード」に更新する。つまり、リセットモードは終了し、通常モードに戻る。
【0037】
切替実行部64は、吐水装置10が切替モードであるときに設定変更操作情報を受け付けると、カートリッジの種別に関する情報を他方のカートリッジに切り替えるとともに、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする。切替実行部64は、カートリッジ情報保持部52のカートリッジ種別ID52aのカートリッジを他方のカートリッジに切り替える。
図5の場合、カートリッジ種別ID52aは「Aカートリッジ」であるため、「Bカートリッジ」に更新する。また、カートリッジ情報保持部52の積算通電時間52b、積算通水量52cをそれぞれ0ヶ月、0Lに更新する。また、切替実行部64は、状態保持部54のデータを「切替モード」から「通常モード」に更新する。つまり、切替モードは終了し、通常モードに戻る。
【0038】
以上の構成による吐水装置10の設定変更に関する動作を説明する。
図6は、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする処理を示すフローチャートである。変更部58による処理を示すフローチャートである。モード切替部60は、通常モードであるときに、操作検知部42から設定変更操作情報を受け付けると(S10)、状態保持部54のデータを「リセットモード」に更新する(S10)。つまりリセットモードが開始される。リセット実行部62は、リセットモードが開始してから所定時間(例えば60秒)経過する前(S14のY)に設定変更操作情報を受け付けると(S16のY)、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする(S18)。また、リセット実行部62は、状態保持部54のデータを「通常モード」に更新する(S20)。つまりリセットモードが終了して通常モードに戻る。リセット実行部62が設定変更操作を受け付けていない場合(S16のN)、処理はS14に戻る。リセットモードが開始してから所定時間経過すると(S14のN)、S16、S18をスキップしてS20に進む。
【0039】
図7は、電源が投入されたときの吐水装置10の処理を示すフローチャートである。モード切替部60は、電源が投入されたときの状態保持部54のデータが「リセットモード」である場合(S22のY)、状態保持部54のデータを「切替モード」に変更する(S24)。これにより、切替モードが開始する。なお、
図6のS12とS18との間で電源アダプタ34が抜かれると、電源が投入されたときの状態保持部54のデータが「リセットモード」となる。
【0040】
切替実行部64は、切替モードが開始してから所定時間(例えば60秒)経過する前(S26のY)に設定変更操作情報を受け付けると(S28のY)、カートリッジの種別に関する情報を他方のカートリッジに切り替えるとともに、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする(S30)。また、切替実行部64は、状態保持部54にのデータを「通常モード」に更新する(S32)。つまり、切替モードが終了して通常モードに戻る。切替実行部64が設定変更操作を受け付けていない場合(S28のN)、処理はS26に戻る。切替モードが開始してから所定時間経過すると(S26のN)、S28、S30をスキップしてS32に進む。状態保持部54のデータが「リセットモード」でない場合(S22のN)、すなわち状態保持部54のデータが「通常モード」である場合、処理を終了する。
【0041】
以上説明した実施の形態に係る吐水装置10によると、センサ部材18に対するユーザの操作に加え、電源アダプタ34に対するユーザの操作を検知することによってカートリッジの種別に関する情報が他方のカートリッジに切り替えられる。すなわち、吐止水の操作部であるセンサ部材18に対するユーザの操作に加え、吐止水の操作部ではない電源アダプタ34に対するユーザの操作を検知することによってカートリッジの種別に関する情報が切り替えられる。ここで、吐止水の操作部だけでカートリッジの種別に関する情報を切り替えられると、意図せずに切り替えられてしまう可能性があるところ、本実施の形態に係る吐水装置10であれば、その可能性を低減できる。また逆に、電源アダプタ34を抜き差ししても、それだけでカートリッジの種別に関する情報は切り替わらず、抜き差し後にセンサ部材18に対する操作も必要となるため、別の目的で電源アダプタ34を抜き差ししたときに意図せず切り替わるのを抑止できる。
【0042】
また、実施の形態に係る吐水装置10によると、センサ部材18に手をかざす操作と電源アダプタ34を抜き差しする操作という、それぞれ種類の異なる操作を検知することによりカートリッジの種別に関する情報が切り替えられる。また、カウンターよりも上方に位置するセンサ部材18と、カウンターよりも下方に位置する電源アダプタ34という、物理的に離れた部材に対する操作をそれぞれ検知することによってカートリッジの種別に関する情報が切り替えられる。したがって、意図せずにカートリッジの種別に関する情報が切り替えられる可能性を低減できる。
【0043】
以上、実施の形態に係る水栓装置について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0044】
(変形例1)
図8は、実施の形態の変形例に係る吐水装置の制御部140を示す。制御部140は、第1の実施の形態の制御部40と異なり、さらに磁束検知部70を備える。磁束検知部70は、例えばホールICによって構成される。吐水装置10が通常モードであるときに、ユーザがセンサ部材18に対して所定の磁石をかざすと、磁束検知部70はこれを検知する。磁束検知部70が磁束を検知すると、切替実行部64は、カートリッジの種別を他方のカートリッジに切り替えるとともに、カートリッジの交換時期に関する情報をリセットする。例えば、磁束検知部70によって検知された磁束密度が所定のしきい値以上の場合に、切替実行部64による処理が実行されてもよい。
【0045】
磁束検知部70によって意図せず磁束が検知される可能性は比較的低いため、本変形例によれば、意図せず設定変更されるのを抑止できる。また、磁石をかざすだけでカートリッジの種別の切替えと交換時期に関する情報のリセットとが実行されるため、ユーザの負担が軽減される。
【0046】
(変形例2)
変形例1では、吐水装置10が通常モードであるときに磁石をかざすと、カートリッジの種別に関する情報の切替えと、カートリッジの交換時期に関する情報のリセットとが実行される場合について説明したが、これに限られない。吐水装置10がリセットモードであるときに、磁石がかざされたことを磁束検知部70が検知すると、切替実行部64がカートリッジの切替と交換時期のリセットとを実行してもよい。
【0047】
また、吐水装置10が通常モードであるときに、磁石がかざされたことを磁束検知部70が検知すると、吐水装置10が切替モードに切り替わり、切替モードにおいて切替実行部64が設定変更操作情報を受け付けると、カートリッジの種別に関する情報の切替えと、カートリッジの交換時期のリセットとを実行してもよい。
【0048】
また、実施の形態の電源アダプタ34の抜き差しの代わりに、磁石をセンサ部材18にかざしてもよい。つまり、吐水装置10がリセットモードであるときに電源アダプタ34を抜き差しする代わりに、磁石をセンサ部材18にかざしてもよい。この場合、磁束検知部70が磁束を検知すると、モード切替部60は状態保持部54のデータを「リセットモード」から「切替モード」に変更すればよい。
【0049】
(変形例3)
実施の形態では、電源アダプタ34を抜き差しすることによって吐水装置10が切替モードに切り替わった場合、切替実行部64が設定変更操作情報を受け付けることなく所定時間(60秒)経過すると、切替モードが終了して通常モードに戻る場合について説明したが、これに限られない。切替えモードに切り替わった場合、再度電源アダプタ34を抜き差しすると通常モードに戻るようにしてもよい。具体的には、モード切替部60は、電源が投入されたときに状態保持部54を参照し、状態保持部54のデータが「切替モード」である場合、これを「通常モード」に更新する。これにより、誤って電源アダプタ34を抜き差しして吐水装置10が切替モードに切り替わった場合でも、次の電源アダプタ34の抜き差しで通常モードに戻せるため、切替モードから抜け出せなくなることがない。
【0050】
(変形例4)
実施の形態では、カートリッジマスタ50は、AカートリッジとBカートリッジの2種類のカートリッジを保持する場合、すなわち浄水器24にこれら2種類のカートリッジを用いることができる場合について説明したが、これに限られない。浄水器24に用いることができるカートリッジは3種類以上あってもよい。
【0051】
(変形例5)
実施の形態では、電源アダプタ34を抜き差しすることによって、リセットモードから切替モードに切り替わる場合について説明し、また変形例1、2では、磁束を検知することによってリセットモードから切替モードに切り替わる場合について説明したが、これに限られない。電源アダプタ34を抜き差しする代わりに、スイッチ操作で電源がオンになった場合にリセットモードから切替モードに切り替わるようにしてもよい。
【0052】
(変形例6)
吐水装置10は、建物、船舶等に設置される設備に用いられてよく、キッチンの他に、洗面台、手洗器、浴室等に用いられてもよい。また、管状体12が取り付けられる基体としてシンク102を例示した。この基体は、キッチンや洗面台ではカウンターが例示されるが、この他にも、キッチン等の設備の外内を区画する壁部材等が含まれる。
【0053】
(変形例7)
実施の形態では、通常モードであるときにモード切替部60が設定変更操作情報を受け付けると通常モードからリセットモードに切り替わり、リセットモードであるときに吐水装置10の電源がオフにされ、再度電源がオンにされることによってリセットモードから切替モードに切り替わり、切替モードであるときに切替実行部64が設定変更操作情報を受け付けるとカートリッジの切替と交換時期のリセットとが実行される場合について説明したが、これに限られない。例えば、通常モードであるときに吐水装置10の電源がオフにされ、再度電源がオンにされることによって通常モードから(リセットモードを飛ばして)切替モードに切り替わり、切替モードであるときに切替実行部64が設定変更操作情報を受け付けるとカートリッジの切替と交換時期のリセットとが実行されてもよい。
【0054】
(変形例8)
実施の形態では、操作検知部42は、手や指をかざす操作を所定時間以上検知した場合に、設定変更操作情報を変更部58へ出力する場合について説明したが、これに限られない。例えば、吐水装置10が所定のスイッチをさらに備え、操作検知部42がこのスイッチに対する操作を検知した場合に設定変更操作情報を変更部58へ出力してもよい。
【0055】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。