特許第6453106号(P6453106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453106
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】シャッターケース
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
   E06B9/17 W
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-33888(P2015-33888)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-156170(P2016-156170A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】横井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山藤 義広
【審査官】 佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−151151(JP,A)
【文献】 実開昭48−100550(JP,U)
【文献】 特開2008−297814(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0300079(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に取り付けた左右のブラケットと、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる上側ケース止め材と、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる下側ケース止め材と、
上側係止片、下側取付片を備え、開口幅方向に連設してなる3枚以上の湾曲ケース板と、
を備え、
各湾曲ケース板は、隣位の湾曲ケース板の幅方向端部同士を重ねた状態で、前記上側係止片を前記上側ケース止め材の被係止片に係止し、前記下側取付片を前記下側ケース止め材に取り付けるようになっており、開口幅方向両側に位置する左右の湾曲ケース板は、その端部が隣位の湾曲ケース板の端部に対して外側から重なる湾曲ケース板であり、
前記上側ケース止め材には、少なくとも前記左右の湾曲ケース板に対応して、外れ止め手段が設けてあり、前記外れ止め手段は、湾曲ケース板の上側係止片が前記上側ケース止め材の被係止片から外れた場合に、前記上側係止片が係止する被係止部を備えている、
シャッターケース。
【請求項2】
前記上側ケース止め材の前記被係止片は、下向きに延びる降下片であり、
前記湾曲ケース板の前記上側係止片は、立ち上がり片であり、
前記外れ止め手段の前記被係止部は、前記降下片よりも下方に位置している、
請求項に記載のシャッターケース。
【請求項3】
前記外れ止め手段は、前記上側ケース止め材に固定された第1要素と、第1要素に対して上側の第1の位置と下側の第2の位置との間で上下動可能に取り付けられた第2要素と、からなり、
前記湾曲ケース板の前記上側係止片が前記上側ケース止め材の前記被係止片に係止している時には、前記第2要素は第1の位置にあり、
前記湾曲ケース板の前記上側係止片が前記上側ケース止め材の前記被係止片から外れた時には、前記第2要素は第2の位置にあり、当該第2要素が前記被係止部となる、
請求項1、2いずれか1項に記載のシャッターケース。
【請求項4】
前記湾曲ケース板を弾性変形させると共に、第2の位置にある前記第2要素を第1の位置に持ち上げることで、前記湾曲ケース板の前記上側係止片を、正面から取り外すことが可能となっている、
請求項に記載のシャッターケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャッターケースに係り、詳しくは、その取付構造に特徴を備えたシャッターケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
巻取シャフト及び巻取シャフトに巻装されたシャッターカーテンを収容するシャッターケースとして、いわゆる丸ケースが知られている(特許文献1〜3)。丸ケースは、金属製のケース板を断面視ほぼ円弧状に湾曲して形成されており、上端部が躯体側に取り付けられ、下端部がまぐさ部ないしまぐさ部近傍に取り付けられる。
【0003】
実際の現場では、丸ケースは、湾曲状のケース板の上端部を躯体側に設けた上側ケース止め材に係止している。しかしながら、振動等により上端部の係止状態が外れる場合も考えられる。また、ケース板の製作誤差から、取り付け時に現場で湾曲状のケース板を少し上下方向に潰すように変形させて取り付ける場合があり、変形の程度によっては上端部の係止状態が外れやすくなってしまう。丸ケースの下端部をまぐさ部近傍に設けた下側取付部材に螺子で固定することで、丸ケースの上端部の係止状態が外れた時のケース板の脱落を防止しているが、螺子の止め忘れがあった時に上端部の係止状態が外れると、丸ケースが脱落してしまうおそれがある。
【0004】
また、ケース板は、開口幅寸法に対して短尺であり、複数枚のケース板を、幅方向端部同士を重ねながら開口幅方向に連設することでシャッターケースが形成されるが、施工やメンテナンスを考慮した取付構造も要望されている。
【特許文献1】実開昭48−100550
【特許文献2】実公昭58−5033
【特許文献3】特開2008−297814
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ケース板の上側の係止状態が外れることを防止してケース板の脱落を防止する取付構造を備えたシャッターケースを提供することを目的とするものである。
本発明の他の目的は、ケース板の上側の係止状態が外れることを防止するものでありながら、施工やメンテナンスを考慮した取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
躯体に取り付けた左右のブラケットと、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる上側ケース止め材と、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる下側ケース止め材と、
上側係止片、下側取付片を備え、開口幅方向に連設してなる複数枚の湾曲ケース板と、
を備え、
各湾曲ケース板は、隣位の湾曲ケース板の幅方向端部同士を重ねた状態で、前記上側係止片を前記上側ケース止め材の被係止片に係止し、前記下側取付片を前記下側ケース止め材に取り付けるようになっており、隣位の湾曲ケース板に対して外側から重なる湾曲ケース板を外側湾曲ケース板とし、
前記上側ケース止め材には、少なくとも前記外側湾曲ケース板に対応して、外れ止め手段が設けてあり、前記外れ止め手段は、湾曲ケース板の上側係止片が前記上側ケース止め材の被係止片から外れた場合に、前記上側係止片が係止する被係止部を備えている、
シャッターケース、である。
【0007】
1つの態様では、3枚以上の湾曲ケース板を備え、開口幅方向両側に位置する左右の湾曲ケース板は、その端部が隣位の湾曲ケース板の端部に対して外側から重なる外側湾曲ケース板であり、
前記上側ケース止め材には、少なくとも前記左右の湾曲ケース板に対応して、前記外れ止め手段が設けてある。
【0008】
1つの態様では、前記上側ケース止め材の前記被係止片は、下向きに延びる降下片であり、
前記湾曲ケース板の前記上側係止片は、立ち上がり片であり、
前記外れ止め手段の前記被係止部は、前記降下片よりも下方に位置している。
【0009】
1つの態様では、前記外れ止め手段は、前記上側ケース止め材に固定された第1要素と、第1要素に対して上側の第1の位置と下側の第2の位置との間で上下動可能に取り付けられた第2要素と、からなり、
前記湾曲ケース板の前記上側係止片が前記上側ケース止め材の前記被係止片に係止している時には、前記第2要素は第1の位置にあり、
前記湾曲ケース板の前記上側係止片が前記上側ケース止め材の前記被係止片から外れた時には、前記第2要素は第2の位置にあり、当該第2要素が前記被係止部となる。
【0010】
1つの態様では、前記湾曲ケース板を弾性変形させると共に、第2の位置にある前記第2要素を第1の位置に持ち上げることで、前記湾曲ケース板の前記上側係止片を、正面から取り外すことが可能となっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は外れ止め手段を設けたことによって、ケース板の上側の係止状態が外れることを防止してケース板の脱落を防止する。
【0012】
ケース板の上側の係止状態が外れることを防止することで、ケース板の下側を螺子止めすることは必須ではなくなり、施工性を向上させることができる。
【0013】
可動の外れ止め手段を設けたものでは、ケース板の上側の係止状態が外れることを防止するものでありながら、上側係止片を正面から(横方向にスライドさせることなく)取り外すことができ、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】シャッターケースを示す開口部上方部位の縦断面図である。
図2】シャッターケースの正面図である。
図3】可動式の外れ止め手段を備えた上側ケース止め材の平面図、正面図である。
図4図3に示す上側ケース止め材の側面図である。
図5】外れ止め手段の平面図、側面図、正面図である。
図6図5の側面図における連結手段を分解して示す。
図7】外れ止め手段を構成する第1要素の平面図、断面図(中央部分)、正面図である。
図8】外れ止め手段を構成する第2要素の平面図、断面図(中央部分)、断面図(両側部分)、正面図である。
図9】(A)は、湾曲ケース板の上側係止片が上側ケース止め材の被係止片に係止している状態を示し、外れ止め手段の第2要素は上側の第1の位置にある。(B)は、湾曲ケース板の上側係止片が上側ケース止め材の被係止片から外れた状態を示し、外れ止め手段の第2要素は下側の第2の位置にあって、湾曲ケース板の上側係止片が第2要素の被係止部に係止している状態を示す。(C)は、湾曲ケース板の上側係止片を正面から外す時の状態を示し、外れ止め手段の第2要素は上側の第1の位置にある。
図10】固定式の外れ防止手段を備えた上側ケース止め材の平面図、正面図である。
図11図10に示す上側ケース止め材の側面図である。
図12】湾曲ケース板の上側係止片が上側ケース止め材の被係止片に係止している状態を示す。
図13】湾曲ケース板の下側取付片の取付態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、シャッターケースを示す建物開口部上方部位の縦断面図、図2は、シャッターケースの正面図であり、天井Cの上方に位置して、壁体Wには、開口幅方向に間隔を設けて左右のブラケット1が持ち出し状に対向して設けてある。ブラケット1は、上縁10、下縁11、基端縁12、先端縁13を備えた方形の板体から形成されており、基端縁12には基端片120が折曲形成されており、基端片120を壁体Wに当接させてボルトBで固定することで、上記板体が壁体Wから垂直に延びている。本明細書において、ある要素が壁体Wに近い部位と、壁体Wから遠い部位を備えている場合に、壁体Wに近い側を第1側、壁体Wから遠い側を第2側という。
【0016】
図2に示すように、ブラケット1の上縁10、下縁11には、上片100、下片110がそれぞれ折曲形成されており、左右のブラケット1間において、下片110の長さ方向中央部位間には、取付部材2の長さ方向の両端部位がそれぞれ固定されている。図1に示すように、取付部材2の第1側部位(垂直面22)には、ガイドレール上部ガイドGの高さ位置に対応してスムーサ3A、エマーゼンシースイッチ3Bが設けられ、まぐさ部に位置して外まぐさ材3Cが設けてある。左右のブラケット1間には、巻取シャフト4A(図1参照)が支持されており、巻取シャフト4Aにはシャッターカーテン4Bが巻装される。
【0017】
左右のブラケット1の上縁10と基端辺12とで形成された角部(すなわちブラケット1の第1側の上方部位)間には、上側ケース止め材5の長さ方向両端部がそれぞれ固定されている。取付部材2の第2側部位(垂直面23)には、長さ方向に亘って下側ケース止め材6が固定されている。上側ケース止め材5には、長さ方向に間隔を存して複数の外れ止め手段(第1要素7と第2要素8とからなる)が設けてある。シャッターケースは複数枚の湾曲状のケース板9を開口幅方向に連設してなり、各ケース板9の上端、下端をそれぞれ上側ケース止め材5、下側ケース止め材6に取り付けることで、湾曲した弧状の内側面と壁体Wとの間に巻取シャフト4Aに巻き取られたシャッターカーテン4Bの収容空間が形成される。図2に示す態様では、外れ止め手段(第1要素7、第2要素8)は、各ケース板9、9、9、9、9に1つの外れ止め手段が対応するように設けてある。
【0018】
図1に示すように、ケース板9は、断面視ないし側面視において、円弧状部90と、円弧状部90の上端から第1側(壁体W)に向かって上向き傾斜状に延びる上側傾斜部91と、円弧状部90の下端から第1側(壁体W)に向かって下向き傾斜状に延びる下側傾斜部92と、から一体形成された湾曲部と、湾曲部の上端(上側傾斜部91の端部)に一体形成され、上側傾斜部に対してほぼ垂直状に上向きに折曲された上側係止片93と、湾曲部の下端(下側傾斜部92の端部)に一体形成され、下側傾斜部に対してほぼ垂直状に下向きに折曲された下側取付片94と、からなる。ケース板9の上側係止片93は上側ケース止め材5に係止され、下側取付片94は下側ケース止め材6に取り付けられる。図13左図に示す態様では、下側取付片94は下側ケース止め材6に係止する下側係止片であり、下側取付片94は係止によって下側ケース止め材6に取り付けられる。図13右図に示す態様では、下側取付片94は下側ケース止め材6及び取付部材2に対して取り付けられており、この場合、取付部材2も下側ケース止め材として機能する。
【0019】
図2図3に示すように、上側ケース止め材5は、開口幅方向に延びる長尺材であって、図4に示すように、壁体Wに沿って延びる垂直片50と、垂直片50の下端から第2側へ向かって水平状に延びる下片51と、垂直片50の上端から第2側へ向かって水平状に延びる上片52と、上片52の先端から垂下する上側垂直片53と、から形成されている。下片51の突出寸法(第1側から第2側へ向かう)は、上片52の突出寸法よりも大きい寸法を有している。上側ケース止め材5の上側垂直片53が、ケース板9の上側係止片93が係止する被係止片となっている。
【0020】
図3図5に示すように、外れ止め手段は、上側ケース止め材5に固定された第1要素7と、第1要素7に対して上側の第1の位置(図9(A)、(C))と下側の第2の位置(図3図5図9(B))との間で上下動可能に取り付けられた第2要素8と、からなる可動式外れ止め手段である。
【0021】
図7に示すように、第1要素7は、水平片70と、垂直片71と、から側面視略逆L形状を有している。水平片70の横幅寸法は、垂直片71の横幅寸法よりも小さくなっている。垂直片71は、横幅方向両側に位置する両側部分710、710と、両側部分710の間の中央部分711と、からなり、中央部分711の縦幅寸法は両側部分710の縦幅寸法よりも小さくなっており、中央部分711の上部は凹状に、下部は下向き凹状に、それぞれ形成されている。両側部分710には孔712が形成されている。水平片70は、垂直片71の中央部分711の上端から第1側に向かって水平状に延びている。
【0022】
図8に示すように、第2要素8は、垂直片80と、傾斜片81と、から側面視略V形状を有しており、傾斜片81の横幅寸法は、垂直片80の横幅寸法よりも小さくなっている。垂直片80は、横幅方向両側に位置する両側部分800、800と、両側部分800の間の中央部分801と、からなり、中央部分801の縦幅寸法は両側部分800の縦幅寸法よりも小さくなっており、中央部分801の上側は凹状に形成されている。両側部分800には縦長孔802が形成されている。傾斜片81は、垂直片80の中央部分801の下端から第2側に向かって傾斜状に立ち上がっている。
【0023】
図4図6に示すように、第1要素7と第2要素8は、第1要素7の垂直片71の第1側面を、第2要素8の垂直片80の第2側面に近接させて、第1要素7に対する第2要素8の上下動を許容する連結手段によって一体化さている。連結手段は、螺子14と、平座金15と、カラー16と、ばね座金17と、ナット18とからなり、螺子14の軸部を、第2要素8の縦長孔802を挿通させて、第1要素7の孔712に螺合させることで、縦長孔802の上下寸法内において、螺子14の軸部に対して第2要素8が上下動可能となっている。螺子14の頭部、平座金15は、第2要素8の垂直片80の第1側に位置しており、ばね座金17、ナット18は、第1要素7の垂直片71の第2側に位置している。カラー16は、垂直片80よりも肉厚であり、縦長孔802内に位置すると共に、第1側部位が垂直片80の第1側面よりも第1側に僅かに突出している。連結手段の構成は、図示の態様に限定されるものではなく、可動の外れ止め手段を実現するために当業者において適宜他の構成が取り得る。図4に示すように、第1要素7と第2要素8を組み合わせて構成された外れ止め手段は、第1要素7の水平片70の下面を上片52の上面に固定(例えば溶接)することで上側ケース止め材5に取り付けられている。また、下片51の第2側端部と、第2要素8の垂直片80は側面視同一鉛直線上に位置している。
【0024】
湾曲ケース板9は、上下方向に弾性変形させることで上側係止片93を、上側ケース止め材5の上側垂直片53の下端と下片51との間の開口から差し入れ、上側ケース止め材5の上側垂直片53(被係止片)に係止させる。図9(A)に示すように、湾曲ケース板9の上側係止片93が上側ケース止め材5の上側垂直片53(被係止片)に係止している時には、湾曲ケース板9の上側傾斜部91が、第2要素8の下端に当接して第2要素8を押し上げた状態で、第2要素8は上側の第1の位置にある。
【0025】
図9(B)に示すように、振動等によって、湾曲ケース板9の上側係止片93が上側ケース止め材の上側垂直片53(被係止片)から外れた時には、第1の位置にある第2要素8は、自重によって下方に移動して下側の第2の位置となる。第2要素8が第2の位置にある時には、第2要素8(垂直片80)の下端が上側垂直片53の下端より下方に突出しており、上側係止片93が、上側ケース止め材5の上側垂直片53と下片51との間から抜け出た時には、上側係止片93が第2要素8(垂直片80)の下端(被係止部)に係止して、湾曲ケース板9の上端側が外れることが防止される。
【0026】
図13を参照しつつ、湾曲ケース板9の下側取付片94の取り付けについて説明する。取付部材2は、上面20、下面21、第1側の垂直面22と、第2側の垂直面23から断面視正方形状を有する方形パイプであり、第2側の垂直面23には、下側ケース止め材6が連結されている。下側ケース止め材6は、開口幅方向に延びる長尺材であって、垂直片60と、垂直片60の上端から第2側に向かって水平状に延びる下側水平片61と、下側水平片61の先端から立ち上がる垂直片62と、垂直片62の上端から下側水平片61に対向して第1側に向かって水平状に延びる上側水平片63と、からなる。上側水平片63は下側水平片61に対して短く、上側水平片63と垂直面23との間に開口が形成されている。
【0027】
図13左図に示すように、湾曲ケース板9の下側取付片94は、下側ケース止め材6の上側水平片63に係止させたものでもよい。湾曲ケース板9の上側係止片93の外れを防止しているので、下側取付片94を螺子等で固定しなくても、湾曲ケース板9が脱落することがない。
【0028】
図13右図に示すように、湾曲ケース板9の下側取付片94の先端を下側ケース止め材6の下側水平片61に当接させ、下側傾斜部92と下側取付片94との角部を垂直面23に当接させて、角部において螺子24で垂直面23に固定してもよい(図1参照)。
【0029】
シャッターケースは、湾曲ケース板9を開口幅方向に連設することで形成されている。図2に示す態様では、シャッターケースは、5枚のケース板9、9、9、9、9から形成されている。ケース板9、9が両端に位置する左右のケース板9、9であり、ケース板9、9、9が中間に位置している。図示の態様では、左右のケース板9、9の幅寸法は、ケース板9、9、9の幅寸法よりも短尺であるが、これには限定されない。
【0030】
5枚のケース板9、9、9、9、9の幅方向の端部の重なりの態様は、ケース板9の右側端部にケース板9の左側端部が外側から重なり、ケース板9の右側端部にケース板9の左側端部が外側から重なり、ケース板9の左側端部にケース板9の右側端部が外側から重なり、ケース板9の右側端部にケース板9の左側端部が外側から重なっている。したがって、左右のケース板9、9の端部が押さえになることで、左右のケース板9、9が脱落しない限り、中間のケース板9、9、9は脱落しない。
【0031】
5枚のケース板9、9、9、9、9の取り付け順序は、ケース板9を最初に取り付け、ケース板9の右側端部にケース板9の左側端部を重ねるようにしてケース板9を取り付け、ケース板9の右側端部にケース板9の左側端部を重ねるようにしてケース板9を取り付け、ケース板9の左側端部にケース板9の右側端部を重ねるようにしてケース板9を取り付け、ケース板9の右側端部にケース板9の左側端部を重ねるようにしてケース板9を取り付ける。
【0032】
図9(C)に示すように、湾曲ケース板9を弾性変形させて上側傾斜部91を押し下げて、湾曲ケース板9の上側係止片93を上側ケース止め材の上側垂直片53(被係止片)から外し、第2の位置に自重で移動しようとする第2要素8を上に持ち上げて第1の位置とすることで、湾曲ケース板9の上側係止片93を、正面(上側ケース止め材5の上側垂直片53と下片51との間の開口)から外すことが可能となっている。左右のケース板9、9は最外側に位置すると共に、開閉機等のメンテナンスが必要となる他の要素は、左右のブラケット1に近い部位に配置されるので、左右のケース板9、9を正面から取り外すことでメンテナンスを容易に行うことができる。
【0033】
図10図12に基づいて、固定式の外れ止め手段について説明する。外れ止め要素19は、水平片190と、水平片190の第2側端部から垂下する垂下片191と、から断面視逆L形状を有している。外れ止め要素19は、左右に位置する湾曲ケース板に対応して、上側ケース止め材5に連結される。水平片190の横幅寸法は垂下片191の横幅寸法よりも短尺となっている。外れ止め要素19は、水平片190の下面を上側ケース止め材5の上片52の上面に当接させ、垂下片191の第1側の面を上側垂直片53の第2側の面に当接させて、連結(溶接等)されている。垂下片191の下端は、上側垂直片53の下端よりも下方に延びている。
【0034】
図12は、ケース板9の上側係止片93が上側ケース止め材5の上側垂直片53(被係止片)に係止している状態を示す。この状態から、振動等で上側傾斜部91が下方に下がって上側係止片93と上側垂直片53(被係止片)との係止状態が外れた場合には、上側係止片93が垂下片191の下端部位(被係止部)に係止する。
【符号の説明】
【0035】
1 ブラケット
2 取付部材
5 上側ケース止め材
53 上側垂直片(被係止片)
6 下側ケース止め材
7 第1要素
8 第2要素
80 垂直片(下端部位が被係止部となる)
9 ケース板
19 外れ止め要素(固定式)
191 垂下片(下端部位が被係止部となる)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13