特許第6453199号(P6453199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453199
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】センタレス研削盤
(51)【国際特許分類】
   B24B 5/18 20060101AFI20190107BHJP
   B24B 53/053 20060101ALI20190107BHJP
   B24B 57/02 20060101ALI20190107BHJP
【FI】
   B24B5/18 G
   B24B53/053
   B24B57/02
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-204562(P2015-204562)
(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公開番号】特開2017-74655(P2017-74655A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2017年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000167222
【氏名又は名称】光洋機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(72)【発明者】
【氏名】笹倉 閑樹
(72)【発明者】
【氏名】若山 直彦
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−230459(JP,A)
【文献】 特開2007−050457(JP,A)
【文献】 特開2002−370143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/18、5/30
B24B 53/04
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物を調整車とブレードにより回転支持しながら、回転駆動する研削砥石により工作物外周面をセンタレス研削するセンタレス研削盤であって、
研削砥石および調整車のドレッシング工程を行うドレッシング手段が単一のドレッシング装置からなり、このドレッシング装置が前記研削砥石と調整車の間の下側位置に設けられ
研削砥石を回転駆動可能に軸支する砥石軸ケースおよび調整車を回転駆動可能に軸支する調整車軸ケースは、装置架台上に設けられたベッド上に砥石スライド装置および調整車スライド装置をそれぞれ介して少なくとも左右切込み方向へ移動可能に設けられ、
前記ドレッシング装置は、前記研削砥石と調整車の間の前側下方位置に設けられており、
このドレッシング装置のドレッサは、待機位置とドレッシング位置との間で昇降動作可能に設けられるとともに、前記研削砥石および調整車との相対的な前後軸心方向への移動により、前記ドレッシング位置において前記研削砥石および調整車をドレッシングする構成とされている
ことを特徴とするセンタレス研削盤。
【請求項2】
前記砥石軸ケースおよび調整車軸ケースは、装置架台上に設けられたベッド上に砥石スライド装置および調整車スライド装置をそれぞれ介して前後軸心方向および左右切込み方向へ移動可能に設けられてなり、
前記ドレッシング装置のドレッサは、前記研削砥石および調整車の前後軸心方向への移動との協働作用により、前記ドレッシング位置において前記研削砥石および調整車をドレッシングする構成とされている
ことを特徴とする請求項に記載のセンタレス研削盤。
【請求項3】
前記ドレッシング装置は、前記研削砥石と調整車の間の下側位置において、工作物を支持するブレードと共に上下スライド上に設けられ、
この上下スライドは、前記ベッドに対して、上下方向へ往復移動可能とされて、前記ドレッシング装置のドレッサの昇降動作を行う構成とされている
ことを特徴とする請求項に記載のセンタレス研削盤。
【請求項4】
前記ドレッシング装置のドレッサ軸は、前記研削砥石および調整車の軸心に対して傾斜して設けられるとともに、前記研削砥石をドレッシングする研削砥石用ドレッサと前記調整車をドレッシングする調整車用ドレッサを備えており、
これら研削砥石用ドレッサと調整車用ドレッサは、互いにドレッシング動作を干渉しない位置に配置されている
ことを特徴とする請求項に記載のセンタレス研削盤。
【請求項5】
前記装置架台に、研削盤の構成各部の駆動源を連動して制御する制御装置が設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のセンタレス研削盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンタレス研削盤に関し、さらに詳細には、特に小さな設置スペースにおいて使用するのに適したセンタレス研削盤に関する。
【背景技術】
【0002】
センタレス研削盤は、図7に示すように、工作物(以下、ワークと称する。)Wを調整車aとブレードbにより回転支持しながら、回転駆動する研削砥石(砥石車)cによりワークWの外周面を研削するものであり、ワークWを挟んでその両側に、調整車aと研削砥石cが対向して配置される基本構成を備えてなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、これら調整車aと研削砥石cには、その砥石面をドレッシングするドレッシング装置d、eがそれぞれ設けられ、これら両ドレッシング装置d、eは、図7において調整車aと研削砥石cの左右両側に配置されている。
【0004】
このようなセンタレス研削盤の配置構成は、対象となるワークWの形状寸法の大小に関わらず、またワークWに対する研削力の大小に関わらず、すべての種類のセンタレス研削盤に一般的に採用されているところ、このような配置構成では以下に列挙するような種々の問題があるとともに、比較的大きな設置スペースを必要として、センタレス研削盤の小型化・省スペース化の障害となっていた。
【0005】
(a)ドレッシング装置d、eと研削砥石cおよび調整車aとの位置合わせ作業に際しても、これら構成装置a、c、d、eを研削盤の側面方向(図7において上下方向)へ移動させるとともに、操作盤以外の副操作盤等を用いる必要があった。
【0006】
(b)ワークWの心高調整は、先に行った研削結果を参考にして、ブレードbとこれを支持するワークレスト(図示省略)との間に挟むスペーサの厚みを変えることにより行っていた。
【0007】
(c)研削砥石cおよび調整車aに対するドレッシング装置d、eのダイヤ移動量は、ワークWの外径寸法、研削砥石cおよび調整車aの外径寸法、および研削砥石cおよび調整車aの心高等から計算し、手動にて調整していた。
【0008】
(d)具体的には図示しないが、クーラントタンクは、通常、研削盤と別置きになっており、センタレス研削盤の設置スペースの削減に限界があった。
【0009】
この点に関連して、具体的には図示しないが、例えば特許文献2〜5に開示されるように、センタレス研削盤の小型化を図るための設置構成が種々提案されているが、上記問題点の抜本的解決にはさらなる改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−114179号公報
【特許文献2】特開2002−370143号公報
【特許文献3】特開2004−216518号公報
【特許文献4】特開2006−123132号公報
【特許文献5】特開2007−190616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、研削盤の基本構成周囲の各構成装置の配置構成を工夫することにより、省スペースで操作性の良いセンタレス研削盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のセンタレス研削盤は、ワークを調整車とブレードにより回転支持しながら、回転駆動する研削砥石によりワーク外周面をセンタレス研削するものであって、研削砥石および調整車のドレッシング工程を行うドレッシング手段が単一のドレッシング装置からなり、このドレッシング装置が上記研削砥石と調整車の間の下側位置に設けられ、研削砥石を回転駆動可能に軸支する砥石軸ケースおよび調整車を回転駆動可能に軸支する調整車軸ケースは、装置架台上に設けられたベッド上に砥石スライド装置および調整車スライド装置をそれぞれ介して少なくとも左右切込み方向へ移動可能に設けられ、上記ドレッシング装置は、上記研削砥石と調整車の間の前側下方位置に設けられており、このドレッシング装置のドレッサは、待機位置とドレッシング位置との間で昇降動作可能に設けられるとともに、上記研削砥石および調整車との相対的な前後軸心方向への移動により、上記ドレッシング位置において上記研削砥石および調整車をドレッシングする構成とされていることを特徴とする。
【0015】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
)上記砥石軸ケースおよび調整車軸ケースは、装置架台上に設けられたベッド上に砥石スライド装置および調整車スライド装置をそれぞれ介して前後軸心方向および左右切込み方向へ移動可能に設けられてなり、上記ドレッシング装置のドレッサは、上記研削砥石および調整車の前後軸心方向への移動との協働作用により、上記ドレッシング位置において上記研削砥石および調整車をドレッシングする構成とされている。
【0016】
)上記ドレッシング装置は、上記研削砥石と調整車の間の下側位置において、ワークを支持するブレードと共に上下スライド上に設けられ、この上下スライドは、上記ベッドに対して、上下方向へ往復移動可能とされて、上記ドレッシング装置のドレッサの昇降動作を行う構成とされている。
【0017】
)上記ドレッシング装置のドレッサ軸は、上記研削砥石および調整車の軸心に対して傾斜して設けられるとともに、上記研削砥石をドレッシングする研削砥石用ドレッサと上記調整車をドレッシングする調整車用ドレッサを備えており、これら研削砥石用ドレッサと調整車用ドレッサは、互いにドレッシング動作を干渉しない位置に配置されている。
【0020】
)上記装置架台の内部に、研削盤の構成各部の駆動源を連動して制御する制御装置が設けられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明のセンタレス研削盤によれば、ワークを調整車とブレードにより回転支持しながら、回転駆動する研削砥石によりワーク外周面をセンタレス研削するものであって、研削砥石および調整車のドレッシング工程を行うドレッシング手段が単一のドレッシング装置からなり、このドレッシング装置が上記研削砥石と調整車の間の下側位置に設けられているから、以下に列挙するような種々の特有の効果が発揮されて、省スペースで操作性の良いセンタレス研削盤を提供することができる。
【0022】
(1)研削砥石および調整車のドレッシング工程を行うドレッシング手段が単一のドレッシング装置からなり、このドレッシング装置が上記研削砥石と調整車の間の下側位置に設けられていることにより、従来のセンタレス研削盤の横幅寸法に最も影響を与えていた左右の研削砥石用ドレッサスペースが不要となって省スペース化し、センタレス研削盤の横幅寸法が大幅に減少される。
【0023】
これにより、小さな設置スペースにおいて使用するのに適するとともに、特に、事務机等の非常に狭い設置スペースに据付け可能な卓上サイズの小型センタレス研削盤の提供も可能となる。
【0024】
(2)ドレッシング装置が上記研削砥石と調整車の間の下側位置に設けられて、研削砥石および調整車に対するドレッシングが、ワークの研削位置で行われる構成とされていることにより、研削砥石および調整車の研削時の熱変位による寸法変化が抑えられて、研削精度の向上が図れる。
【0025】
すなわち、ドレッシング装置による上記研削砥石および調整車のドレッシング位置が、これら研削砥石および調整車によるワークの研削位置と離隔し相違していると、研削砥石および調整車のドレッシング時の作業環境(特に雰囲気温度)が、研削砥石および調整車の稼働時つまり研削時の作業環境と相違する。その結果、研削砥石および調整車のドレッシングにより整形された所定の形状寸法が、実際の研削時の熱変位による寸法変化の影響を受けて、研削精度が低下してしまうという事態を招いてしまう。
【0026】
これに対して、本発明のように、研削砥石および調整車に対するドレッシングが、ワークの研削位置で行われる構成とされていることにより、ドレッシング時の作業環境が研削時の作業環境と同じとなる。その結果、研削砥石および調整車のドレッシングにより整形された所定の形状寸法が、実際の研削時においても熱変位による寸法変化の影響を受けることがなく、所期の高い研削精度を低下させることなく確保することができる。
【0027】
(3)ドレッシング装置は、研削砥石と調整車の間の下側位置において、ワークを支持するブレードと共に上下スライド上に設けられ、この上下スライドが、上記ベッドに対して、上下方向へ往復移動可能とされていることにより、上下スライドの動作を自動制御できる構成とすることで、従来、手動調整していたワークの心高調整と、ドレッシング装置のドレッサダイヤの移動量の調整が数値制御でき、段替えに要する時間が短縮して、段替え性の大幅な向上が図れる。
【0028】
(4)研削盤の構成各部の駆動源を連動して制御する制御装置が、装置架台の内部に設けられることにより、従来センタレス研削盤の機外に設けられていた制御盤を研削盤スペース内(機内)に装備することができる。
【0029】
(5)研削部に対してクーラントを供給および回収するためのクーラントタンクが、研削部を被覆する局所カバーの一部としての機能を兼備することにより、クーラントタンクを研削盤スペース内に装備することができる。
【0030】
(6)制御装置とクーラントタンクを研削盤スペース内に収めることにより、設置スペースの減少化つまり省スペース化を促進することができる。
【0031】
(7)研削部を構成する研削砥石および調整車が、砥石軸ケース、調整車軸ケースおよび上下スライドから一方向(前方向)へオーバーハング状に配置されるとともに、研削部を被覆する局所カバーにより被覆されることにより、加工クーラントに接液する上記研削部が限定されて加工室に隔離されている。
【0032】
この結果、砥石軸ケース、調整車軸ケースおよび上下スライド等の機構部やモータ類の駆動部が上記加工室と隔離された機械室に収容されることとなり、これら機構部や駆動部にクーラントが掛かりにくくなり、装置の寿命が向上するとともに、機械室に防水構造を備える必要がなく、製造コストひいては装置コストが安価にできる。
【0033】
(8)研削部を構成する研削砥石および調整車が、砥石軸ケース、調整車軸ケースおよび上下スライドから前方向へオーバーハング状に配置されるとともに、ドレッシング装置が上記研削砥石と調整車の間の下側位置に設けられていることにより、研削作業やドレス作業などに関するすべての操作が研削盤正面側でほぼ移動せずに行えるようになり、操作性・段取性が格段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る一実施形態であるセンタレス研削盤の全体構成を示す正面図である。
図2】同じく同センタレス研削盤の全体構成を示す側面図である。
図3】同じく同センタレス研削盤の全体構成を示す平面図である。
図4】同センタレス研削盤の主要部の構成を示す斜視図である。
図5】同センタレス研削盤のドレッシング装置を拡大して示す正面図で、図5(a)は研削時における待機状態を示し、図5(b)はドレッシング時(研削砥石ドレッシング時)におけるドレッシング状態を示す。
図6】同じく同ドレッシング装置のドレッシング状態を拡大して示す平面図である。
図7】従来のセンタレス研削盤の全体構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0036】
本発明に係るセンタレス研削盤が図1図6に示されており、この研削盤は、ワ−クWの外周面をセンタレス研削する省スペース構造を備えてなる小型センタレス研削盤であって、具体的には、その装置構成が事務机等の上に据付け可能な卓上サイズとされている。
【0037】
この研削盤の具体的構成は、研削砥石1、調整車2、ブレード3、ドレッシング装置4および制御装置5を主要部として構成されるとともに、これら主要部構成およびその周辺部構成が省スペース化を図るための構造を備えてなる。
【0038】
まず、本研削盤においては、装置架台10にベッド11が載置固定され、このベッド11上に、上記研削砥石1を備える砥石軸ケース16、上記調整車2を備える調整車軸ケース26、上記ブレード3および上記ドレッシング装置4等の各構成ユニットが設けられている。
【0039】
なお、図示例においては、図1に示すように、装置正面に向かって左側に砥石軸ケース16が、右側に調整車軸ケース26が設けられているが、目的に応じて、この逆の配置構成も採用され得る。
【0040】
研削砥石1は、その砥石面(外周面)が、ワークWの最終形状つまり外周面の最終仕上げ形状に対応したプロフィールを有するとともに、砥石軸15の先端に取外し可能に取付け固定されて(片持ち構造)、この砥石軸15が砥石軸ケース16に回転駆動可能に設けられている。
【0041】
研削砥石1の駆動系の基本構成は従来公知のものが採用可能であり、具体的には、ベッド11に装着された砥石軸ケース16に、上記砥石軸15が回転可能に軸支されるとともに、この砥石軸15の後端部が駆動伝達機構(図示省略)を介して、駆動モータ18に駆動連結されている。
【0042】
図示の実施形態の駆動モータ18は、図1図3に示すように、上記砥石軸ケース16の起立部16aの前面側に水平状態で設けられるとともに、制御装置5に電気的に接続されている。
【0043】
なお、上記駆動モータ18の取付け構造は、図示の実施形態のほか、目的に応じて、上記砥石軸ケース16の起立部16aの後面側に設けられても良く、取り付け姿勢も図示のような水平状のほか、目的に応じて、起立状あるいは倒立状に設けられるなどあらゆる任意の姿勢で取り付け可能である。
【0044】
また、上記砥石軸ケース16は、上記ベッド11上に砥石スライド装置20を介して少なくとも左右切込み方向Xへ移動可能に設けられており、図示の実施形態においては、左右切込み方向Xと前後軸心方向Yへ移動(前進後退)可能とされている。
【0045】
ここで、左右切込み方向Xとは、研削砥石1がワークに対して切込む方向をいい、前後軸心方向Yとは、研削砥石1(および調整車2およびワークW)の軸心方向をいう。
【0046】
具体的には、上記砥石スライド装置20は、砥石左右スライド21と砥石前後スライド22とからなり、これにより砥石軸15が前後左右方向に直行2軸で移動(前進後退)できるように構成されている。
【0047】
上記両スライド21、22の送り動作(前進後退動作)は、具体的には図示しないが、装置内部に設けられたガイド装置、送りねじユニットおよび駆動源としての駆動モータ等からなる送り手段により送り動作する構成とされている。上記駆動モータは、制御装置5に電気的に接続されている。
【0048】
図示の実施形態においては、砥石左右スライド21がベッド11上に設けられ、この上に砥石前後スライド22が設けられているが、目的に応じて、この逆の配置構成も採用され得る。
【0049】
調整車2は、ワークWの外周面を回転支持するもので、その回転支持面(外周面)が、ワークWの最終形状つまり外周面の最終仕上げ形状に対応したプロフィールを有するとともに、調整車軸25の先端に取外し可能に取付け固定されて(片持ち構造)、この調整車軸25が調整車軸ケース26に回転駆動可能に設けられている。
【0050】
上記調整車軸25は、研削時におけるワークWの軸心方向への推力を得るため、若干傾斜させるようにすることが望ましい。この調整車軸25の傾斜調整は、具体的には図示しないが、上記調整車軸ケース26が後述の調整車スライド装置30に取り付けられる部分に傾斜角度調整機構を備えるほか、上記調整車軸25に予め所定の傾斜をつけた状態で上記調整車軸ケース26を上記調整車スライド装置30に固定しても良い。
【0051】
調整車2の駆動系の基本構成は従来公知のものが採用可能であるが、具体的には、ベッド11に装着された調整車軸ケース26に、上記調整車軸25が回転可能に軸支されるとともに、この調整車軸25の後端部が駆動伝達機構(図示省略)を介して、駆動モータ28に駆動連結されている。
【0052】
図示の実施形態の駆動モータ28は、図1および図3に示すように、上記調整車軸ケース26の起立部26aの後面側に倒立状態で設けられるとともに、制御装置5に電気的に接続されている。
【0053】
なお、上記駆動モータ28の取付け構造は、図示の実施形態のほか、目的に応じて、上記調整車軸ケース26の起立部26aの前面側に設けられても良く、取り付け姿勢も図示のような倒立状のほか、目的に応じて、起立状にあるいは水平状に設けられるなどあらゆる任意の姿勢で取り付け可能である。
【0054】
また、上記調整車軸ケース26は、上記ベッド11上に調整車スライド装置30を介して少なくとも左右切込み方向Xへ移動可能に設けられており、図示の実施形態においては、上記砥石軸ケース16と同様、左右切込み方向Xと前後軸心方向Yへ移動(前進後退)可能とされている。
【0055】
具体的には、上記調整車スライド装置30は、調整車左右スライド31と調整車前後スライド32とからなり、これにより調整車軸25が前後左右方向に直行2軸で移動(前進後退)できるように構成されている。
【0056】
上記両スライド31、32の送り動作(前進後退動作)は、具体的には図示しないが、装置内部に設けられたガイド装置、送りねじユニットおよび駆動源としての駆動モータ等からなる送り手段により送り動作する構成とされている。上記駆動モータは、制御装置5に電気的に接続されている。
【0057】
図示の実施形態においては、調整車左右スライド31がベッド11上に設けられ、この上に調整車前後スライド32が設けられているが、目的に応じて、この逆の配置構成も採用され得る。
【0058】
また、ベッド11に設けられる上記砥石左右スライド21および調整車左右スライド31は、上記調整車軸25と砥石軸15がブレード3に対して略平行にまたは所定の角度をもってセッティングできるように、ピボット(図示略)を介して、ベッド11上に水平方向へ傾動調整可能に設けられている。
【0059】
なお、このピボットによる傾動調整構造は、目的に応じて、上記砥石左右スライド21および調整車左右スライド31のいずれかー方にだけに設けても良いし、あるいは、これら傾動調整構造を省略して装置組立時に調整する構造とすることも可能である。
【0060】
ブレード3は、調整車2と共にワークWを支持するもので、後述するように、ドレッシング装置4と共に支持ベースとしての上下スライド33上に設けられており、具体的には、この上下スライド33上に設置されたワークレスト34に取り付け固定されている。
【0061】
このブレード3は、上記研削砥石1と調整車2の間に直線状に延びるとともに、その上端面が調整車側下方へ傾斜した支持面とされている。
【0062】
ブレード3が上下スライド33上に設けられて、上記ドレッシング装置4と共に上下動する構成とされていることにより、後述するようにワークWの心高調整を数値制御により自動制御することができる。
【0063】
ドレッシング装置4は、研削砥石1の外周砥石面の形状を修正(ドレッシング)するドレッシング工程と、調整車2の外周砥石面の形状を修正(ドレッシング)するドレッシング工程を同時にまたは単独で行うドレッシング手段として機能するもので、研削砥石1と調整車2の間の下側位置に設けられている。図示の実施形態においては、上記ドレッシング装置4は、上記研削砥石1と調整車2の間の前側下方位置に設けられている。
【0064】
ドレッシング装置4のドレッサ35は、図5に示すように、研削砥石1および調整車2の下側に位置する待機位置Po(図5(a))と、上記研削砥石1および調整車2に対するドレッシング位置つまり上記研削砥石1および調整車2の軸心高さ位置Ph(図5(b))との間で昇降動作可能に設けられている。
【0065】
また、図5(a)に示すように、ドレッシング装置4のドレッサ35が上記待機位置Poにあるとき、ブレード3は、ワークWを研削位置に支持するように高さ位置が設定されている。
【0066】
ドレッサ35は、図5(b)に示すドレッシング位置Phにあるとき、上記研削砥石1および調整車2との相対的な前後軸心方向への移動により、上記ドレッシング位置Phにおいて上記研削砥石1および調整車2をドレッシングする構成とされている。
【0067】
図示の実施形態においては、上記砥石軸ケース16および調整車軸ケース26が、ベッド11上に砥石スライド装置20および調整車スライド装置30をそれぞれ介して前後軸心方向Xおよび左右切込み方向Yへ移動可能に設けられていることにより、ドレッシング装置4のドレッサ35は、常態においては研削砥石1および調整車2の間の下側に位置する待機位置Poにあり、ドレッシング時には、ドレッサ35が上記研削砥石1および調整車2の軸心高さ位置またはそれ以上の高さ位置つまり上記ドレッシング位置Phまで上昇して、上記研削砥石1および調整車2の前後軸心方向Xへの移動との協働作用により、研削砥石1および調整車2と相対的に軸心方向へトラバース移動しながら、研削砥石1の砥石面および調整車2の回転支持面を同時にまたは個別にドレッシングする。
【0068】
ドレッシング装置4の具体的な支持構造は、前述したように、上記研削砥石1と調整車2の間の下側位置において、ワークWを支持するブレード3と共に上下スライド33上に設けられており、上下スライド33の前側位置にドレッシング装置4が、また後側位置にブレード3が配置されてなる。
【0069】
この上下スライド33は、上記ベッド11上に設けられるとともに、このベッド11に対して上下方向へ往復移動可能とされている。これにより、上下スライド33上に設けられた上記ドレッシング装置4とブレード3は、上下スライド33の移動により上下方向へ移動される。
【0070】
上記上下スライド33の送り動作(昇降動作)は、具体的には図示しないが、装置内部に、設けられたガイド装置、送りねじユニットおよび駆動源としての駆動モータ等からなる送り手段により送り動作する構成とされている。上記駆動モータは、制御装置5に電気的に接続されている。
【0071】
ドレッシング装置4は、ドレッサ35として、ダイヤモンド砥粒を結合材料により結合してなる円筒ドレッシング面を有するロータリダイヤつまりロータリドレッサを備えてなり、図示の実施形態においては、研削砥石用ドレッサ35aと調整車用ドレッサ35bの一対のロータリドレッサを備えている。
【0072】
具体的には、ドレッシング装置4のドレッサ軸36は、図6に示すように、研削砥石1および調整車2の軸心に対して水平方向へ傾斜して設けられるとともに、上記研削砥石1をドレッシングする上記研削砥石用ドレッサ35aと調整車2をドレッシングする上記調整車用ドレッサ35bが、ドレッサ軸36の先端において軸心方向へ所定間隔をもって取り付けられており(片持ち構造)、これら研削砥石用ドレッサ35aと調整車用ドレッサ35bは、互いにドレッシング動作を干渉しない位置に配置されている。
【0073】
上記上下スライド33の前側位置に取付け固定されたドレッサ軸ケース37に、上記ドレッサ軸36が上記研削砥石1および調整車2の軸心に対して水平方向へ傾斜した状態で、水平回転可能に軸支されるとともに、このドレッサ軸36を回転駆動させる駆動モータ39に駆動伝達機構(図示省略)を介して駆動連結されている。駆動モータ39は、制御装置5に電気的に接続されている。
【0074】
図示の実施形態の上記駆動モータ39に替えて、例えば、上記ドレッサ軸ケース37に内蔵されるビルトインモータ(図示省略)が採用されて、ダイレクトドライブ構造とされることで、この駆動機構の小型簡素化により、ドレッサ軸ケース37の省スペース化が図られる。
【0075】
そして、上記ロータリドレッサ35(研削砥石用ドレッサ35a、調整車用ドレッサ35b)は、上記駆動モータ39の回転駆動により、研削砥石1の砥石面および調整車2の回転支持面の両者に対して、同時にまたは個別にドレッシングを施す構造とされている。
【0076】
具体的には、ドレッサ軸36が上記のように傾斜しているため、単一のドレッシング装置4が研削砥石用ドレッサ35aと調整車用ドレッサ35bを備えることができ、換言すれば、図7に示す従来装置のように研削砥石1と調整車2にそれぞれ専用のロータリドレッサを設けるのと同じ機能を備えることができ、これにより、研削砥石1と調整車2を2つのロータリドレッサ35a、35bで同時にドレッシングしたり、あるいは個別にドレッシングすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態においては、研削部に対してクーラントを供給および回収するためのクーラントタンク40が、上記研削部(加工室)を被覆する局所カバー50の一部としての機能を兼備している。
【0078】
すなわち、従来の一般的なセンタレス研削盤においては、クーラントタンクは研削盤の機外に個別に設けられる構成とされているところ、本実施形態においては、上記クーラントタンク40が、上記研削部つまり加工室を被覆する局所カバー50の一部としての機能も兼備する構成とされることにより、センタレス研削盤の機内に配置することを可能として、装置の省スペース化が図られている。
【0079】
以上のような構成に加えて、上記研削砥石1および調整車2が、砥石軸ケース16、調整車軸ケース26および上下スライド33から一方向(図示の実施形態においては、図2図3および図4に示すごとく装置前方)へオーバーハング状に配置されている。
【0080】
そして、これらオーバーハング状に配置された研削部は、上記砥石軸ケース16、調整車軸ケース26および上下スライド33等の機構部やモータ類の駆動部と隔壁60により分離されるとともに、上記研削部が上記局所カバー50により被覆されて加工室Aに格納配置され、また上記機構部や駆動部が全体カバー61により被覆されて機械室Bに格納配置されることにより、加工クーラントに接液する上記研削部が上記機構部や駆動部から限定し隔離されている(加工室Aと機械室Bの分室化)。
【0081】
制御装置5は、前述したセンタレス研削盤の構成各部の駆動源を相互に連動して自動制御するもので、上記装置架台10の内部に設けられた制御盤55の形態とされている。
【0082】
すなわち、従来の一般的なセンタレス研削盤においては、制御装置を備えた制御盤ないしは操作盤が研削盤の機外に独立して設けられるとともに、この操作盤と接続された副操作盤が少なくとも機内に設けられる構成とされているところ、本実施形態においては、上記装置架台10に設けられた制御盤55に収納されて、この制御盤55によりすべての制御を行う構成とされて、従来必須の副操作盤およびその関連機器が省略可能となることにより、装置の省スペース化および製造コストの低減化が図れる。
【0083】
制御装置5は、具体的には、CPU,ROM,RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されたCNC装置である。
【0084】
この制御装置5には、研削工程を実行するための制御プログラム、ドレッシング工程を実行するための制御プログラム、ワークWの心高調整を行う制御プログラム、およびドレッシング装置4のドレッサダイヤの移動量を調整する制御プログラム等が、数値制御データとして、予めまたは装置架台10の制御盤35のキーボード等により適宜選択的に入力設定される。
【0085】
しかして、以上のように構成されたセンタレス研削盤においては、以下に列挙するような種々の特有の効果が発揮される。
【0086】
(a)研削砥石1および調整車2のドレッシング工程を行うドレッシング手段が単一のドレッシング装置4からなり、このドレッシング装置4が上記研削砥石1と調整車2の間の下側位置に設けられていることにより、従来のセンタレス研削盤の横幅寸法に最も影響を与えていた左右の研削砥石用ドレッサスペースが不要となって省スペース化し、センタレス研削盤の横幅寸法が大幅に減少される。
【0087】
これにより、小さな設置スペースにおいて使用するのに適するとともに、特に、事務机等の非常に狭い設置スペースに据付け可能な卓上サイズの小型センタレス研削盤の提供も可能となる。
【0088】
(b)ドレッシング装置4が上記研削砥石1と調整車2の間の下側位置に設けられて、研削砥石1および調整車2に対するドレッシングが、ワークWの研削位置(=ドレッシング位置Ph)で行われる構成とされていることにより、研削砥石1および調整車2の研削時の熱変位による寸法変化が抑えられて、研削精度の向上が図れる。
【0089】
すなわち、ドレッシング装置4による上記研削砥石1および調整車2のドレッシング位置が、これら研削砥石1および調整車2によるワークWの研削位置と離隔し相違していると、研削砥石1および調整車2のドレッシング時の作業環境(特に雰囲気温度)が、研削砥石1および調整車2の稼働時つまり研削時の作業環境と相違する。その結果、研削砥石1および調整車2のドレッシングにより整形された所定の形状寸法が、実際の研削時の熱変位による寸法変化の影響を受けて、研削精度が低下してしまうという事態を招いてしまう。
【0090】
これに対して、上記のように、研削砥石1および調整車2に対するドレッシングが、ワークWの研削位置(=ドレッシング位置Ph)で行われる構成とされていることにより、ドレッシング時の作業環境が研削時の作業環境と同じとなる。その結果、研削砥石1および調整車2のドレッシングにより整形された所定の形状寸法が、実際の研削時においても熱変位による寸法変化の影響を受けることがなく、所期の高い研削精度を低下させることなく確保することができる。
【0091】
(c)ドレッシング装置4は、研削砥石1と調整車2の間の下側位置において、ワークWを支持するブレード3と共に上下スライド33上に設けられ、この上下スライド33が、上記ベッド11に対して、上下方向へ往復移動可能とされていることにより、上下スライド33の動作を自動制御できる構成とすることで、従来、手動調整していたワークWの心高調整と、ドレッシング装置4のドレッサダイヤの移動量の調整が数値制御でき、段替えに要する時間が短縮して、段替え性の大幅な向上が図れる。
【0092】
(d)研削盤の構成各部の駆動源を連動して制御する制御装置5が、装置架台10の内部に設けられることにより、従来センタレス研削盤の機外に設けられていた制御盤55を研削盤スペース内(機内)に装備することができる。
【0093】
(e)研削部に対してクーラントを供給および回収するためのクーラントタンク40が、研削部を被覆する局所カバー50の一部としての機能を兼備することにより、クーラントタンク40を研削盤スペース内に装備することができる。
【0094】
(f)制御装置5とクーラントタンク40を研削盤スペース内に収めることにより、省スペース化を促進することができる。
【0095】
(g)研削砥石1および調整車2が、砥石軸ケース16、調整車軸ケース26および上下スライド33から一方向(前方向)へオーバーハング状に配置されるとともに、研削部を被覆する局所カバー50により被覆されることにより、加工クーラントに接液する上記研削部が限定されて加工室Aに隔離されている。
【0096】
この結果、砥石軸ケース16、調整車軸ケース26および上下スライド33等の機構部やモータ類の駆動部が上記加工室Aと隔離された機械室Bに収容されることとなり、これら機構部や駆動部にクーラントが掛かりにくくなり、装置の寿命が向上するとともに、機械室Bに防水構造を備える必要がなく、製造コストひいては装置コストが安価にできる。
【0097】
(h)研削砥石1および調整車2が、砥石軸ケース16、調整車軸ケース26および上下スライド33から前方向へオーバーハング状に配置されるとともに、ドレッシング装置4が上記研削砥石1と調整車2の間の下側位置に設けられていることにより、研削作業やドレス作業などに関するすべての操作が研削盤正面側でほぼ移動せずに行えるようになり、操作性・段取性が格段と向上する。
【0098】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。例えば、以下のような設計変更が可能である。
【0099】
(1)図示の実施形態においては、砥石軸15および調整車軸25の先端に研削砥石1および調整車2がそれぞれ装着される片持ち構造が採用されているが、砥石軸15および調整車軸25の軸方向中央部位に研削砥石1および調整車2が装着されてもよい(両持ち構造)。
【0100】
(2)図示の実施形態においては、研削砥石1の駆動モータ18と調整車2の駆動モータ28が砥石軸ケース16および調整車軸ケース26の外側に並設されているが、目的に応じて、これら外付けの駆動モータ18、28に替えてビルトインモータが採用されて、ダイレクトドライブ構造とされても良い。このような駆動機構の小型簡素化により、砥石軸ケース16および調整車軸ケース26の省スペース化と振動低減化が可能である。
【0101】
(3)図示の実施形態においては、砥石軸ケース16および調整車軸ケース26を前後に移動させてドレッシングを行う構成となっているが、ドレッサ35に前後移動機構を設けてドレッシングを行う構成でもよい。この場合、砥石スライド装置20の砥石前後スライド22および調整車スライド装置30の調整車前後スライド32を省略することができ、移動軸を一つ少なくすることができる。
【0102】
(4)図示の実施形態においては、研削砥石1をドレッシングする研削砥石用ドレッサ35aと調整車2をドレッシングする調整車用ドレッサ35bが、ドレッサ軸36の先端部において軸心方向へ所定間隔をもって取り付けられている片持ち構造とされているが、ドレッサ軸36の軸方向中央部位に上記一対のドレッサ35a、35bが取り付けられる両持ち構造も採用可能である。
【0103】
(5)図示の実施形態におけるロータリドレッサ(ロータリダイヤ)35に替えて、先端チップがダイヤモンドからなるポイントダイヤドレッサ(ポイントダイヤ)を採用することもできる。この場合は、具体的に図示しないが、上記ポイントダイヤドレッサが、ドレッサ軸ケース37の左右両側において、上記研削砥石1と調整車2の円筒外周面に対応する位置にそれぞれ取付け固定される。
【0104】
(6)図示の実施形態のセンタレス研削盤は、対象となるワークWが比較的小さい形状寸法を有するもので、その装置構造自体も省スペースなものであり、本発明は、特にこのような省スペース構造のセンタレス研削盤に最適な構成ではあるが、もちろん、本発明を、形状寸法の大きなワークWを研削対象とする大型のセンタレス研削盤にも適用することで、その省スペース化を実現することができる。
【0105】
(7)図示の実施形態のセンタレス研削盤は、スルーフィード研削方式であるかインフィード研削方式であるかなど、その研削方式を問わず、あらゆるタイプのセンタレス研削盤に適用することができる。
【0106】
(8)図示の実施形態におけるセンタレス研削盤を構成する各部の駆動系の構成は、具体的には図示されていないが、従来公知の駆動系の構成が目的に応じて適宜選択的に採用される。
【符号の説明】
【0107】
W ワーク(工作物)
A 加工室
B 機械室
X 左右切込み方向
Y 前後軸心方向
Po 待機位置
Ph ドレッシング位置
1 研削砥石
2 調整車
3 ブレード
4 ドレッシング装置
5 制御装置
10 装置架台
11 ベッド
15 砥石軸
16 砥石軸ケース
20 砥石スライド装置
21 砥石左右スライド
22 砥石前後スライド
25 調整車軸
26 調整車軸ケース
30 調整車スライド装置
31 調整車左右スライド
32 調整車前後スライド
33 上下スライド
34 ワークレスト
35 ロータリドレッサ(ドレッサ)
35a 研削砥石用ドレッサ
35b 調整車用ドレッサ
36 ドレッサ軸
37 ドレッサ軸ケース
40 クーラントタンク
50 局所カバー
55 制御盤
60 隔壁
61 全体カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7