特許第6453286号(P6453286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453286
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/02 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
   B65D81/02
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-186253(P2016-186253)
(22)【出願日】2016年9月23日
(65)【公開番号】特開2018-47949(P2018-47949A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2017年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(73)【特許権者】
【識別番号】514037549
【氏名又は名称】大洋紙業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金丸 正明
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06311843(US,B1)
【文献】 特開2004−276957(JP,A)
【文献】 特開2001−130640(JP,A)
【文献】 特開2015−078008(JP,A)
【文献】 特表平09−501128(JP,A)
【文献】 実開昭50−088375(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/00−81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装対象物が載置される板状部材と、該板状部材が挿入される筒状であって、少なくとも該板状部材に載置された該包装対象物を覆う可撓性の薄膜部材とを備える包装具と、該包装具を収納する外箱とを備える包装箱であって、
板状部材は、包装対象物が載置される載置部と、該載置部の両側に夫々第1の折り曲げ線を介して連設される一対の起立部と、前記載置部に対し該包装対象物が載置される位置を横切るように前記第1の折り曲げ線に平行に設けられ、該載置部を山折り可能な第2の折り曲げ線とを有し、
前記外箱の底面部は、一辺の長さが、前記載置部の前記第1の折り曲げ線に平行な方向の長さ以上に形成され、前記一辺に直交する他辺の長さが、前記載置部の前記第1の折り曲げ線に直交する方向の長さ未満に形成され、
前記包装具は前記外箱に収納されたとき、上方に折り曲げられた前記起立部の外側面が該外箱の対向する内側面に夫々接するとともに、前記載置部の前記第2の折り曲げ線は前記外箱の天板の高さから商品の高さを除した位置より低い位置で山折りになる
ことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
包装対象物が載置される板状部材と、該板状部材が挿入される筒状であって、少なくとも該板状部材に載置された該包装対象物を覆う可撓性の薄膜部材とを備える包装具と、該包装具を収納する外箱とを備える包装箱であって、
板状部材は、包装対象物が載置される載置部と、該載置部の両側に夫々第1の折り曲げ線を介して連設される一対の起立部と、前記載置部に前記第1の折り曲げ線に平行に設けられた一対の第2の折り曲げ線とを有し、
前記載置部は、包装対象物が載置される平坦な中央載置部と、該中央載置部と前記起立部との間に設けられ、該中央載置部の一方側縁から前記第2の折り曲げ線を介して連設された左載置部及び該中央載置部の他方側縁から前記第2の折り曲げ線を介して連設された右載置部とを備え、
前記外箱の底面部は、一辺の長さが、前記載置部の前記第1の折り曲げ線に平行な方向の長さ以上に形成され、前記一辺に直交する他辺の長さが、前記載置部の前記第1の折り曲げ線に直交する方向の長さ未満に形成され、
前記包装具は前記外箱に収納されたとき、上方に折り曲げられた前記起立部の外側面が該外箱の対向する内側面に夫々接するとともに、前記載置部の前記第2の折り曲げ線は前記外箱の天板の高さから商品の高さを除した位置より低い位置で山折りになる
ことを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装において、前記起立部の外側縁部には、谷折り可能な折目線を介して、耳片が連設されていることを特徴とする包装
【請求項4】
請求項3に記載された包装箱において、前記胴部の高さは、前記起立部の高さ以上、かつ、該起立部の高さに前記耳部の基端から先端までの長さを足した長さ未満であることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装対象物を包装する包装具及び該包装具を収容する包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットショッピングなどの通信販売の普及により、宅配便を利用した商品の搬送が多用されている。これらの商品の搬送においては、形状や大きさの異なる様々な包装対象物を安定した状態で搬送できる包装具及び包装箱が求められている。
【0003】
この種の包装具及び包装箱として、従来、板状部材及び該板状部材が収容された筒状の伸縮可能な可撓性フィルム部材とからなる包装具と、該包装具を収容する外箱とを備える包装箱が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この包装具では、板状部材は、包装対象物が載置される載置部と、該載置部の両側に配された起立部とを有し、該載置部と起立部との境界に折り曲げ線が設けられている。そのため、該包装具によって包装対象物を包装するときには、載置部と可撓性フィルム部材との間に包装対象物を挿入し、前記折り曲げ線から各起立部を上方に折り曲げる。これにより、可撓性フィルム部材が緊張するので、包装対象物は、可撓性フィルム部材によって載置部に圧着して支持される。この包装具は、包装対象物を包んだ状態で段ボールなどの外箱に収容されて包装箱として搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平9−501128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この種の包装具及び包装箱は、該外箱に衝撃が加えられた場合に、包装対象物が載置部から移動しないようにするためには、可撓性フィルム部材の圧着力を高める必要がある。圧着力を高めるためには、例えば、筒状の可撓性フィルム部材の周方向寸法を小さく設計することが考えられる。もっとも、寸法を小さくしてしまうと、載置部と可撓性フィルム部材との間に包装対象物を挿入しにくくなるという不都合がある。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明は、包装作業が容易で、しかも包装対象物への支持力を向上させることができる包装具及び包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明の包装具は、包装対象物が載置される板状部材と、該板状部材が挿入される筒状であって、少なくとも該板状部材に載置された該包装対象物を覆う可撓性の薄膜部材とを備える包装具であって、板状部材は、包装対象物が載置される載置部と、該載置部の両側に夫々第1の折り曲げ線を介して連設される一対の起立部と、前記載置部に前記第1の折り曲げ線に平行に設けられ、該載置部を山折り可能な第2の折り曲げ線とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の包装具は、筒状の薄膜部材に対し、載置部に載置された包装対象物が覆われるように板状部材が挿入されているので、該板状部材の載置部と該薄膜部材との隙間に包装対象物を挟むことができる。
【0010】
また、該載置部の両側には、第1の折り曲げ線を介して起立部が連設されているため、該第1の折り曲げ線から該起立部を上方に折り曲げることにより、該起立部が載置部に対し上側に起立する。
【0011】
また、該載置部には、前記第1の折り曲げ線に平行に、該載置部を山折り可能な第2の折り曲げ線が設けられているため、この第2の折り曲げ線に沿って載置部を山折りにすることで、側面視において載置部は、第2の折り曲げ線が上方に、第1の折り曲げ線が設けられた両側が下方の山折りにされる。
【0012】
この結果、載置部上の包装対象物は上方に押し上げられるので、薄膜部材は該包装対象物を介して上側に引っ張られて緊張する。
【0013】
したがって、本発明の包装具では、包装対象物への支持力を向上させることができると共に、薄膜部材の周方向の寸法を、板状部材の周囲より一定程度大きく設計して、載置部と薄膜部材との隙間に包装対象物を挿入する梱包作業を容易することを両立できる。
【0014】
また、本発明の包装具において、前記第2の折り曲げ線は、各第1の折り曲げ線から夫々所定間隔離れた位置に一対形成されていることが好ましい。
【0015】
これによれば、載置部は折り曲げられたときに、一対の第2の折り曲げ線で挟まれた領域は、折り曲げられていないため平坦であると共に、その両側において第2の折り曲げ線から第1の折り曲げ線まで斜面が形成される。したがって、平坦な載置部に載置できるため、より安定して包装対象物の保持することができる。
【0016】
また、本発明の包装具において、板状部材は、載置部及び両起立部を横切り、載置部及び両起立部を谷折り可能な第3の折り曲げ線を有することが好ましい。
【0017】
これによれば、板状部材と薄膜部材との隙間に包装対象物を挿入する際に、第3の折り曲げ線により載置部及び両起立部を谷折りしておくことにより、該隙間が大きくなるため、包装対象物を挿入しやすくすることができる。
【0018】
したがって、筒状の薄膜部材の周方向寸法を小さく設計しても、載置部と薄膜部材との隙間に包装対象物を挿入する梱包作業を容易にしつつ、薄膜部材による圧着力を高めて包装対象物への支持力を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の包装箱は、前記包装具と、該包装具を収容する外箱とを備える包装箱であって、前記外箱の底面部は、一辺の長さが、前記載置部の前記第1の折り曲げ線に平行な方向の長さ以上に形成され、前記一辺に直交する他辺の長さが、前記載置部の前記第1の折り曲げ線に直交する方向の長さ未満に形成され、前記包装具は前記外箱に収納されたとき、上方に折り曲げられた前記起立部の外側面が該外箱の対向する内側面に夫々接するとともに、前記載置部は前記第2の折り曲げ線に沿って山折りになっていることを特徴とする。
【0020】
本発明の外箱の底面部は、一辺の長さが、前記載置部の前記折り曲げ線に平行な方向の長さより大に形成されているため、この方向については、該包装具は外箱に対してそのまま収容される。
【0021】
これに対して、外箱の底面部の前記一辺に直交する他辺の長さは、前記載置部の前記折り曲げ線に直交する方向の長さより小に形成されているため、第1の折り曲げ線から起立部を上方に折り曲げただけでは、包装具を外箱に収容することができない。そのため、載置部をさらに第2の折り曲げ線に沿って山折りにして、前記上方に折り曲げられた前記起立部の外側面が該外箱の対向する内側面に夫々接するように、包装具を外箱に収容する。
【0022】
この結果、前記載置部は、山折りにされた状態で、両側の起立部を介して外箱によって支持されるため、包装対象物への支持力向上を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の包装具及び包装箱の一実施形態を示す斜視図。
図2図1の包装具の板状部材の展開図。
図3A図1の包装具の包装工程を示す第1の斜視図。
図3B図1の包装具の包装工程を示す第2の斜視図。
図3C図1の包装具の包装工程を示す第3の斜視図。
図3D図1の包装具の包装工程を示す第4の斜視図。
図4図1の外箱と変形前後における包装具との関係を示した一部断面図。
図5】本発明の板状部材の第1変形例を示す展開図。
図6】本発明の板状部材の第2変形例を示す展開図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の包装箱1は、直方体の外箱2と、該外箱2に収容され、包装対象物Aを包装する包装具3とを有する。この外箱2は、そのまま包装箱としてもよく、さらに大きな包装箱内に2箱以上を収容するものであってもよい。
【0025】
包装具3は、図1に示すように、板状部材4と、可撓性フィルム(薄膜部材)5とを有する。包装具3は、板状部材4と可撓性フィルム5との間に包装対象物Aを保持する。
【0026】
板状部材4は、図2に示すように、載置部41と、載置部41の両側に配された起立部42,42とに区画された略方形の板である。板状部材4は、例えば、厚紙、段ボール紙によって作られる。
【0027】
載置部41は、板状部材4の中央領域に確保された包装物品を載置する部分である。載置部41は、左右方向の中央において、上下端縁から中心に向かって夫々延びる切欠き部41a,41aを有する。切欠き部41a,41aの先端からは、該両端を結ぶ折目線aが連続して延びている。なお、折目線aは、本発明の第2の折り曲げ線に相当する。
【0028】
折目線a、その他の各折目線は、例えば裏面(図示せず)に対して、折り曲げ溝を設ける、または、切れ目線をミシン目状に断続的に設けることで形成される。
【0029】
載置部41は、該折目線aによって、山折り可能である。特に、載置部41は、切欠き部41a,41aが設けられているために折目線aが短くなっているので、容易に山折りすることができる。なお、本発明はこれに限られることなく、切欠き部41a,41aを設けることなく、折目線aだけを設けてもよい。
【0030】
起立部42は、載置部41の左右端縁に折目線bを介して連設されて、上向きに折り返される部分である。折目線bは、折目線aと平行に設けられている。なお、折目線bは、本発明の第1の折り曲げ線に相当する。
【0031】
これによって起立部42は、載置部41に対して概ね垂直上方に向く位置まで折り曲げ可能とされるとともに、この位置を越えて過度に載置部41の上面側に折れ曲がることが防止される。
【0032】
起立部42,42は、上下方向に延びる手指差込部42a,42aが形成されている。また、起立部42,42の外側縁部には、谷折り可能な折目線cを介して、耳片43が連設されている。
【0033】
板状部材4には、載置部41、起立部42及び耳片43を通過し、折目線a,b,cと交差する折目線dが形成されている。折目線dは、板状部材4の上下端縁と平行な谷折り可能な折目線である。なお、折目線dは、本発明の第3の折り曲げ線に相当する。
【0034】
可撓性フィルム5は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムによって形成される。また、可撓性フィルム5は、筒状であり、一方の開口から、板状部材4が折目線dに沿った方向に挿入される。
【0035】
可撓性フィルム5は、軸線方向において、少なくとも、包装対象物Aを覆うように形成される必要があり、本実施形態では載置部41が覆われるように形成されている。
【0036】
可撓性フィルム5の周方向の長さは、板状部材4を収容できるように、板状部材4の短手方向の外周と同程度か、それより若干大きく設計されている。なお、可撓性フィルム5は可撓性を有し伸縮可能であり、また、板状部材4は折目線dで折り曲げ可能であるため、板状部材4の短手方向の外周より可撓性フィルム5を若干小さく設計することもできる。すなわち、可撓性フィルム5の周方向の長さは、収容する包装対象物Aの大きさによって、適宜選択することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、板状部材4は可撓性フィルム5に挿入されているだけであり固定されていないが、本発明はこれに限られるものではなく、包装対象物Aを挿入しない一方側の板状部材4及び可撓性フィルム5を接着剤・熱溶着で固定することもできる。
【0038】
次に、図1並びに図3A乃至図3Dを参照して、包装具3を用いて包装対象物Aを包装する手順について説明する。
【0039】
まず、図3Aに示すように、板状部材4を折目線dに沿って谷折りに折り曲げる。この状態で、板状部材4の載置部41と可撓性フィルム5との間に包装対象物Aを挿入する。このとき、上記のとおり、予め板状部材4を折り曲げておくことで可撓性フィルム5が弛むため、包装対象物Aを挿入しやすくなる。
【0040】
次に、図3Bに示すように、折目線dに沿って折り曲げられた板状部材4を、可撓性フィルム5の張力に抗して平板状に復元させる。これにより、可撓性フィルム5は、載置部41の上下両端縁側に引っ張られて緊張し、包装対象物Aを載置部41に押し付ける。これによって、包装対象物Aは所定の位置に固定される。
【0041】
さらに、図3Bに示すように、起立部42,42を折目線b,bで載置部41の上方に折り曲げる(図3Bの矢印方向)。これにより、図3Cに示すように、起立部42,42が、載置部41に対して起立する。
【0042】
次に、図3Cに示すように、起立した起立部42,42を外側から内側に押圧する(図3Cの矢印方向)。これにより、図3Dに示すように、左右の載置部41,41が折目線aで山折りされる。
【0043】
この結果、可撓性フィルム5は、載置部41の左右縁側に引っ張られて上側中央部が緊張し、包装対象物Aを載置部41にさらに押し付ける。これによって、包装対象物Aは所定の位置に強く固定される。以上で、包装具3を用いた包装対象物Aの包装が完了する。
【0044】
この状態で、図1に示すように、耳片43,43を把持して、包装具3を外箱2に収容する。
【0045】
次に、図4A乃至図4Cを参照して、包装具3の正面図(図3Dの矢印方向)を用いて、図3Cに示した包装具3と外箱2との関係、及び、図3Dに示した包装具3と外箱2との関係を説明する。
【0046】
まず、図4Aに示した包装具3は、図3Cに示した包装具3の正面図である。この包装具3は、折目線aが折り曲げられる前であり、この状態の載置部41の長手方向(図2の左右方向)の長さL4は、外箱2内部の長手方向の長さL2より長く形成されている。したがって、包装具3は、図3Cの状態では外箱2に収容することができない。
【0047】
なお、載置部41の短手方向(図2の上下方向)の長さは、外箱2内部の短手方向の長さ以下に形成されている。したがって、包装具3は、短手方向については、折目線aの折り曲げの有無にかかわらず、外箱2に収容可能である。
【0048】
次に、図4Bに示した包装具3は、図3Dに示した包装具3の正面図である。この包装具3は、折目線aに沿って山折りされた後であり、この状態の載置部41の長手方向(図2の左右方向)の長さL4’は、外箱2内部の長手方向の長さL2以下になる。
【0049】
したがって、図4Cに示すように、耳片43,43を把持して、包装具3を外箱2の内部に収容することができる。
【0050】
このとき、山折りされた折目線aの復元力によって、起立された起立部42の外側が、外箱2の胴部の内壁に押し付けられる。
【0051】
この結果、包装具3は、外箱2の所定の位置に固定される。また、左右の載置部41,41が折目線aで山折りされた状態で、包装具3が外箱2によって保持されるため、包装対象物Aは所定の位置に強く固定された状態で、包装具3を介して外箱2に保持されることになる。
【0052】
最後に、外箱2の天板を折り曲げて、外箱2を閉塞する。このとき、起立された起立部42の高さは、外箱2の胴部の高さ以下に設計されているため、外箱2の天板を折り曲げると、前記耳片43,43は折目線cで谷折りに折り曲げられる。
【0053】
以上により、外箱2は、包装具3を収容した状態で閉塞される。なお、外箱2を開封する場合には、耳片43,43を把持、または、手指差込部42a,42aに手指を掛けることで、容易に包装具3を外箱2から取り出すことができる。
【0054】
なお、上記説明では、図3Bにおいて、折目線dに沿って折り曲げられていた板状部材4を元の状態に戻してから、起立部42,42を折目線b,bで載置部41の表面側に折り曲げると説明した。しかしながら、該折目線bと該折目線dとは交差しているため、両折目線を同時に折り曲げることはできないので、折目線bで強制的に折り曲げると、先に折り曲げられていた折目線dは、折り曲げられていない元の状態に自動的に復元される。
【0055】
すなわち、図3Aに示すように、包装対象物Aを、板状部材4の載置部41と可撓性フィルム5との間に挿入した状態において、起立部42,42を載置部41の表面側に折り曲げることで、図3Bの状態を省略して、図3Cに示した状態にすることもできる。
【0056】
次に、図5及び図6を参照して、本発明の包装具3にかかる板状部材4の変形例について説明する。
【0057】
変形例1に係る板状部材7は、図5に示すように、載置部71が、中央載置部71sと、該中央載置部71sの左側縁から折目線aを介して連設された左載置部71tと、該中央載置部71sの右側縁から折目線aを介して連設された右載置部71uとを備える。その余の構成は、耳片が省略されている点を除き、本実施形態の板状部材4と同じである。
【0058】
変形例1にかかる板状部材7は、図3Cと同様に、起立させた起立部72を外側から押圧したときに、中央載置部71sの左右両縁の折目線aが山折りされる。このため、中央載置部71sは平坦のままで、側面視(図4参照)において左載置部71tが左下がりに傾き、右載置部71uが右下がりに傾く。
【0059】
この結果、変形例1によれば、平坦な中央載置部71sに包装対象物Aを載置することができるため、より安定して包装対象物の保持することができる。
【0060】
変形例2に係る板状部材8は、図6に示すように、切欠き部81aが、中心部に向けて放射状に設けられている。その余の構成は、変形例1の板状部材7と同じである。
【0061】
切欠き部81a,81aが放射状に設けられることで、折目線aだけでなく、折目線bも本実施形態より短くなっているので、容易に左右載置部81t,81uと起立部82,82とを谷折りすることができる。
【0062】
また、中央載置部81sは、切欠き部81a,81aが放射状に設けられることで、四隅に鋭角な角部81kを有する。そして、長手方向の角部81k,81kの距離は、外箱2内部の長手方向の長さと実質的に同一に形成されている。
【0063】
この結果、変形例2によれば、包装完了した包装具3を外箱2に収容すると、角部81kが外箱2の下側の四隅に支持されるため、より安定して包装対象物の保持することができる。
【0064】
特に、長手方向の角部81k,81kの距離を、外箱2内部の長手方向の長さと同一か、それよりやや大きくすると、角部81kが外箱2の下側の四隅に食い込んで支持されるため、さらに安定して包装対象物の保持することができる。すなわち、実質的に同一とは、同一及び同一からプラスマイナス5%の誤差を含む概念である。
【符号の説明】
【0065】
1…包装箱、2…外箱、3…包装具、4…板状部材、41…載置部、42…起立部、5…薄膜部材、A…包装対象物、a…第2の折り曲げ線(折目線)、b…第1の折り曲げ線(折目線)、d…第3の折り曲げ線(折目線)。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6