(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装置は、前記ネットワーク内で少なくとも1つの電気的変数を測定するための手段をさらに備え、この変数の測定値が所定の閾値を超えるとき開放コマンドは前記スイッチ(5)に送信されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
少なくとも1つの検出システム(1)は所定の回線領域でインピーダンスの変化を検出するようにプログラムされることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
スイッチ(5)の前記開放をトリガするために送信される前記信号は符号化信号であり、前記符号化信号は前記少なくとも1つの検出システム(1)によって注入されたセンサ信号により搬送されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
少なくとも前記注入ユニット(11)、前記受信ユニット(13)ならびに前記制御およびデータ処理ユニット(14)は複数の回線間で共有され、1つまたは複数のマルチプレクサが前記注入ユニット(11)および前記受信ユニット(13)と各々の回線に属する前記結合手段(12)との間に挿入されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
前記装置は、インピーダンス変動または前記反射率測定検出システム(1)によって注入された信号の速度変動の検出に基づいて回線診断情報を提供可能であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気設備を安全に保つための解決策が知られている。これらの解決策は本質的に電流/電圧関係などの電気的変数の分析に基づいている。それらは複数の欠点を有し、これらの欠点は用途のタイプに依存する。
【0007】
第1の欠点は応答性の欠如である。装置は今日、検出品質と誤警報率との間で妥協を示し、いくつかの保護装置は回路を開く決定を行う前におよそ15の電気アークが通過することを許すことができる。
【0008】
したがって、多くの既存のシステムの応答時間はあまりにも長すぎる。回線を安全に保つために決定を行う前に複数の繰返しが必要とされるため、特に、断続的な直列または並列のアーク障害を有するという事実によって、診断時間は長引く。
【0009】
いくつかの用途に対して、電気ネットワークは、特に飛行機の中のケーブルネットワークの場合のように、他の制約を有する。アビオニクスネットワークは、最大限の信頼性を提供する、小型で軽量の冗長な保護システムを必要とする。航空学のための解決策は存在するが、飛行機をよりいっそう電気的にしているという事実、および、回線毎、したがって負荷毎の保護解決策の制約は、特に電流センサのために、ますます大きい、したがってますます重い電気的コアをもたらす。これらの解決策はしたがって完全に満足がいくものではない。
【0010】
自動車の中のケーブルネットワークはそれらの保護に関して他の必要条件を有する。自動車の保護システムは現在ヒューズに限定されている。この分野における新しい制約は、爆発の危険を伴う短絡に非常に敏感なバッテリーパックの出現に特に起因する。電圧レベルは、重大な結果をもたらす電気アーク現象または間欠障害を受けるいっそう大きい可能性を伴って、同様に増加する傾向がある。
【0011】
電気設備の他の固有特性は特定の保護装置を必要とする。特に、同じ装置は異なる周波数を有する2つの交流ネットワーク、または直流ネットワークに適していない。同様に直流ネットワーク用の装置は交流ネットワークに適していない。
【0012】
したがって、現在の解決策は、すべての用途に適した標準的な保護装置の使用、または少なくともこれらすべての用途のために類似の構造を持つ装置の使用を許さない。経済的観点から、この標準化の欠如は生産コスト最適化を可能にしない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の1つの目的は、特に前述の欠点を克服することである。この目的を達成するために、本発明の主題は電気ネットワーク保護装置であって、装置は少なくともネットワークで起こる電気的障害を検出するように意図された第1の部分と前記ネットワークを電力供給源に接続する少なくとも1つのスイッチを備える第2の部分とを備え、第1の部分は電気ネットワークに結合可能な少なくとも1つの反射率測定検出システムを備え、前記システムは電気ネットワークの中で起こるインピーダンスの変化を検出および分析し、検出されたインピーダンスの変化が所定の閾値を超えるときスイッチの開放をトリガするために前記システムによって信号が送信され、特に障害を特徴づけることが可能である。
【0014】
1つの特定の実施形態で、検出システムは少なくとも、
− 電気ネットワークと結合するための手段、
− 高周波数電気信号を生成する注入ユニットであって、前記信号は結合手段を介して前記ネットワークに注入される、注入ユニット、
− 結合手段を介して、注入された信号からの帰還信号を受信可能な受信ユニットであって、前記ユニットは受信信号をデジタル化する、受信ユニット、
− 少なくとも受信ユニットに接続された制御およびデータ処理ユニットであって、前記制御および処理ユニットは受信ユニットにより供給されたデジタル化データを分析する、制御およびデータ処理ユニット、
− 制御およびデータ処理ユニットに接続され、制御情報を少なくとも第2の部分に伝送可能な通信手段、
を備える。
【0015】
第1の部分は例えば、電気ネットワークの複数の位置で結合されることが可能な反射率測定検出システムのグループを備える。
【0016】
ネットワークは少なくとも1つの回線を備え、検出システムは、例えば、各々の回線の終端に結合される。
【0017】
ネットワークは複数のセグメント(AB、AC、AD)から構成され、i番目のセグメントは、例えば、n
i個の検出システムによって見られる。
【0018】
装置は、例えば、ネットワーク内で電気的変数を測定するための手段をさらに備え、この変数の測定値が所定の閾値を超えるとき開放コマンドはスイッチに送信され、電気的変数は電流とすることができる。
【0019】
結合手段は、有利には、例えば、回線に注入される信号を所定の方向に方向付けることにより方向性結合を実行する。
【0020】
1つの特定の実施形態で、少なくとも1つの検出システムは所定の回線領域でインピーダンスの変化を検出するようにプログラムされる。
【0021】
スイッチの開放をトリガするために送信される信号は符号化信号であり、符号化信号は検出システムによって注入されたセンサ信号により搬送される。
【0022】
所定の検出閾値は、例えば、プログラム可能である。
【0023】
別の可能な実施形態で、少なくとも注入ユニット、受信ユニットならびに制御およびデータ処理ユニットは複数の回線間で共有され、1つまたは複数のマルチプレクサが注入および受信ユニットと各々の回線に属する結合ユニットとの間に挿入される。
【0024】
装置は有利には、インピーダンス変動または反射率測定検出システムによって注入された信号の速度変動の検出に基づいて回線診断情報を提供可能とすることができる。
【0025】
ネットワークは、例えば、電気通信網である。
【0026】
1つの有利な実施形態で、装置の検出システムは、例えばMCTDRなどの、マルチキャリア反射率測定法を実装する。
【0027】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は本発明による装置の1つの可能な実施形態のブロック図を示す。本発明による装置は少なくとも2つの部分、すなわち、1つまたは複数の電線3上の障害を検出して位置を突き止めるように意図された第1の部分1と少なくとも1つの制御可能なスイッチまたは接触器5で構成された第2の部分2とを備える。このスイッチは、例えば、トランジスタまたはサイリスタに基づいて、電気機械式または電子式とすることができる。このスイッチは電力供給源4に入力で接続され、電気ネットワーク3に出力で接続される。反対に、スイッチは電力供給源に出力で接続できる。このことは、特に、バッテリがモータに電力を供給しまたはモータがバッテリに電力を供給し、その時充電中である、バッテリ駆動システムの場合を考慮することを可能にする。
【0030】
装置の第1の部分は、反射率測定の原理に従って動作している少なくとも1つの障害検出システム1から構成される。
【0031】
この原理はレーダーのそれに類似している。一般に高周波または広帯域信号である、電気信号は、障害が検出される可能性が高いケーブルネットワークの1つまたは複数の位置で注入される。信号はネットワーク上を伝搬し、それが電気的不連続、すなわちインピーダンスの変化に遭遇するとき、そのエネルギーの一部を返す。単純な事例で、信号は、2つの導体が少なくともその伝搬のために必要である、二線式の電力供給線に沿って伝搬する。本発明は、1つまたは複数のワイヤを含むすべての他のタイプのケーブル、特に三線ケーブル、同軸ケーブルおよび接地面を基準にしたケーブルに適用される。
【0032】
電気的不連続は障害に起因する場合がある。注入ポイントに返された信号の分析は、これらの不連続、すなわち起こり得る障害の、存在、性質および位置に関連した情報がそこから推論されることを可能にする。
【0033】
したがって、本発明による装置で使用されるシステム1は、この反射率測定検出および位置決めの原理の実装を可能にするユニットを備える。
【0034】
したがって、それは注入ユニット11および結合手段12を備える。注入ユニットは特に、センサ信号とも呼ばれる注入信号を形成する電圧を供給する周波数発生器を備える。周波数発生器は、例えば、プログラム可能である。
【0035】
注入ユニットは、結合手段12によりネットワーク3のポイントに注入される注入信号を生成する。この目的のために、結合手段は、注入信号の入力ポイントである、ネットワークのポイントに結合される。システムが結合される電線が二線式の場合、一方の接続は導体の第1のポイントで確立され、もう一方の接続は、第1のポイントに面する、もう1つの導体上の第2のポイントで確立される。接地面を有する多導体応用では、1つの結合は、導体の1つのポイントでの接続および接地面へのもう一方の接続を通して実装できる。結合手段の機能は特に、
− 監視されている回線の2つの導体の間にセンサ信号を注入すること、
− 監視されている回線の2つの導体の間でセンサ信号を受信すること、
である。
【0036】
それらの機能は同様に、
− 回線の本来の信号を検出するためにシステムを保護すること、
− 環境にリンクした侵襲(稲光など)に対してシステムを保護すること、
− 監視されている回線に向かってセンサ信号を方向付けることであって、前記回線は複数の回線により形成されるネットワークの一部を構成することが可能であり、方向性結合がその時関係していること、
とすることができる。
【0037】
反射率測定検出システム1は、伝送された注入信号が遭遇する不連続によって返された信号を受信可能な受信ユニット13をさらに備える。これらの帰還信号は結合手段12を介して受信ユニットに伝送される。受信ユニットは特に、適合されたフィルタ、低雑音増幅器およびアナログ−デジタル変換器を備える。
【0038】
システムはインテリジェントユニット14を同様に備える。このユニット14は注入ユニット11および受信ユニット13に接続される。それは特に注入ユニットのプログラム可能な周波数発生器の制御を可能にする。それは受信ユニット13により供給されるデジタル化された受信信号を受信する。それは特に、障害の有無および同様に障害の位置を確認するためにこれらのデジタルデータの処理を実行する。
【0039】
システム1は、スイッチ5と、または特に複数のスイッチを有する実施形態で例えば監視システムなどの他のシステムに向けて、通信することを可能にする通信手段15をさらに備える。通信手段は特にインテリジェントユニットが、直接または監視システムを介して、スイッチ5を遠隔制御することを可能にする。障害が検出された場合、制御ユニットは実際にスイッチ5に制御信号を送信することができる。この信号を受信するとすぐに、スイッチは電力供給線を開く。この目的のために、スイッチ5は通信手段15を介して送信される低レベルの制御信号に基づいて回路の開放を可能にする必要なインターフェースを備える。これらの通信手段15とスイッチ5との間の通信回線16はワイヤレスとすることができる。二次ケーブルが同様に通信回線として使用されてもよい。通信システムは同様に他のユニットから情報を受信することができ、したがって処理ユニット14が意志決定において外部要素を考慮することを可能にできる。これは有利には、保護された回線上の、例えばスイッチなどの構成要素が状態を変えるときに使用され得る。処理ユニットは、その時これがシステムの動作における正常なイベントに関係し障害ではないことを認識している。
【0040】
反射率測定検出システム1は、特にEMC制約に関連した周波数必要条件を満たし、回線上に存在する有用な信号またはネットワークケーブル環境のいずれにも干渉しない周波数スペクトルを有する信号をネットワークに注入する。注入された信号の繰返し周期は、システムが潜在的に設備を破壊し得る第1の障害を検出することを可能にするように十分短くなければならず、したがって繰返し周期は500マイクロ秒未満、あるいはさらにより短くすることができる。この目的のために、注入信号は有利には、例えばMCTDR(Multi−Carrier Time Domain Reflectometry)または同じ周波数特性を有する他の方法などのマルチキャリア反射率測定法に従って生成される。
【0041】
ネットワークの回線3の帯域幅制約のために、信号は、例えば、1ボルト未満の振幅およびおよそ100ナノ秒のオーダーの周期性で100kHzと200MHzとの間の周波数を使用する。
【0042】
予備段階で、検出閾値を決定することにより反射率測定検出システムはパラメータ化される。検出閾値は所定の電圧レベルに対応する。受信信号が、ネットワーク内の不連続との遭遇から生じて、この閾値を超えるとき障害が検出される。閾値は可変とすることができる。
【0043】
図2はこのタイプの閾値の動作の例を示す。
図2は、例として与えられた、電線で伝送されここではこの回線のリファレンスシグネチャとみなされる、ガウスセンサ信号の帰還信号、および同様に、連続的な測定値と信号21との間の差分の計算から得られる帰還信号22を示す。リファレンスはシステムにより記録され、システムの存続期間の中で注目すべき時、例えば、
○ 設置時、
○ 最初の電源投入時、
○ システムまたはサブシステムのスタートアップ時、
○ 外部ユニットの制御の下に、
○ 周期的に、
○ または、回線のシグネチャに影響を与える場合があるが障害ではないであろう負荷や相互接続の状態の変動性を自動的に考慮に入れて、
メモリに配置される。
【0044】
信号の電圧Vは時間tの関数として測定される。時間領域から距離への移行は、システムが設置されるときにパラメータ化される、または標準的な測定に基づいて自動的に計算される、伝搬速度の知識に基づいて行われる。基点24は、有線診断システムと回線との間の結合ポイントとして定義され、これはまたゼロ距離であり、システムによって自動的に決定でき、または設置時にパラメータとして定義できる。
【0045】
曲線22の振幅の値が閾値23(例として、それは回線全体の長さにわたって直線的である)を超えるときはいつでも、障害が回線上に存在するとみなされる。信号の往復伝搬時間はさらに、移動距離を決定しそれによって障害の位置を突き止めることを可能にする。距離は、閾値を超えた後、基点と振幅の最初の最大値との間で計算される。さらに、閾値23は、
○ 回線の種類に従って、制動および減衰などの前記回線の広帯域特性を考慮するために定義され、
○ 障害の種類(非通電の障害、非通電でない障害)に従って定義され、実際に診断されるべき障害の種類に従って、複数の警告レベルで同じシステムに対して複数の閾値が定義され得る。
【0046】
障害が検出されるとすぐに、通信手段15を介してメッセージがスイッチ5に送信される。
【0047】
反射率測定検出システム1を用いて検出可能な障害、電線のインピーダンスの変化に対応する障害は、特に以下の通りである。
− 短絡、
− 開路、
− 並列アーク、
− 直列アーク、
− 絶縁不良、
− 部分放電。
【0048】
これらすべての障害は、電気設備の損害、特に火災や電気機器の破壊をもたらす可能性が高い。既存の保護システムは開路を検出しないことは留意されなければならない。開路は不慮の感電の原因となり得るので、特に危険な場合がある。
【0049】
本発明は有利には、電気的障害が起こるとき非常に短い応答時間が得られることを可能にする。関係する時定数は実際に非常に低い。
− ネットワークへのセンサ信号の注入の周期T、Tはマイクロ秒のオーダーである、
− 障害までの往復時間、電気信号の伝搬速度および関係する距離に関してほぼゼロである、
− 受信信号処理時間、これは最終的に全体的な応答時間を決定する時間であって、1ミリ秒未満である、
− 受信信号伝送時間、これも同様に無視できる。
【0050】
ネットワーク上の障害の発生とスイッチ5への電力供給停止コマンドとの間の所要時間Δtはしたがって、Δt<1msである。
【0051】
過電流および過電圧、特に電気的過負荷を検出するために、電流または電圧センサが反射率測定検出システム1に結合されてもよい。このセンサは電流デジタル化手段を備えてもよく、デジタル化された値は次にシステム1のインテリジェントユニット14に伝送される。
【0052】
本発明による装置のアーキテクチャは安全に保たれるべきネットワークの複雑さに特に依存する。
図1は、装置が反射率測定検出システム1およびスイッチ5を備える単純な実施例を示す。
【0053】
図3は、本発明による装置が、安全に保たれるべきネットワークの入力に配置されたスイッチ5、および複数の反射率測定検出システムを備える実施例の実施形態を示す。この実施例で、ネットワークは、各々電気装置41、42、43を接続する3つの支線を形成する3つの二線式回線3、3’、3’’に分かれる第1の二線式回線30を備える。反射率測定検出システム1は第1の回線30の入力に置かれる。電気機器で、検出システム1は各々の回線の終端と同様に結合される。システム1の1つによって回線上で障害が検出された場合、前記システムは開放コマンドをスイッチ5に伝送する。
【0054】
検出システム1は有利には通信チャネルを介して相互接続され得る。測定情報はそれから他のシステムの測定値を使用できるマスターシステムに送信されることが可能である。これは特に障害の位置を正確に突き止めるために役立ち得る。
図3に示された実施例で、第1の回線30上のネットワーク入力に置かれた検出システム1はこのマスターシステムの役割を果たすことができる。別のシステムによりこのシステムまでのその距離とともに検出された障害に関連する情報は、特に、当該回線はシステムに結合された回線であり、障害はシステムから測定された距離にあるという結論を可能にする。
【0055】
センサ信号は、情報、特に障害および関連した距離に関する情報を伝送するために同様に使用することができ、この情報はいくつかのビットで符号化される。
図3に示されたアーキテクチャは、本発明に従った装置によるネットワークのメッシングの実施例である。特に、より大きい、またはより複雑なネットワークに対して、より精巧なメッシングを提供することは可能である。しかしながら、
図3に示される単純な実施例はこのタイプのメッシングの原理を例示する。セグメントは2つの検出システムの間に備えられた回線であり、ネットワークの各々のセグメントは複数の検出システム1によって見られる、メッシングが同様に提供され得る。特に、各々のセグメントがn個の検出システムによって見られるメッシングが実装でき、個数nはセグメントに従って可変である。言い換えれば、i番目のセグメントはn
i個の検出システムによって見られる。
図3に示される例で、ネットワークは3つのセグメントAB、AC、ADを備え、ここでA、B、C、Dはそれぞれ第1の回線30上、第1の支線3上、第2の支線3’上および第3の支線3’’上の検出システムの位置である。各々のセグメントは、その終端に配置された2つの検出システムによってだけでなく、支線が出発する結節点40を経由して他のセグメントの検出システムによっても見られる。したがって、セグメントABはネットワークのすべての検出システム1によって見られる。
【0056】
これは特に、少なくとも2つの独立したセンサで検出情報の冗長化および疑いの除去をする可能性を提供する。
【0057】
図3に示された実施例の応用で、装置はメッシュを形成する検出システム1に関連したスイッチを備え、検出システムはスイッチと通信する。本発明による保護装置を各々の検出システム1の代わりに置くことが可能であり、装置はスイッチを備える。これはおそらくネットワークの部分的な停止の実装を可能にする。これは標準的な装置の使用を同様に可能にする。保護装置はこのように、必要とされるメッシングを形成するためにネットワーク化される。装置のスイッチはセグメントに応じて使用され、または使用されない。
【0058】
本発明による装置の複数の実施形態が可能である。第1の実施形態で、第1の部分および第2の部分は同じ筐体に配置できる。より具体的には、この場合、スイッチおよび反射率測定検出システムは同じ筐体に置かれる。
【0059】
別の実施形態で、本発明による装置の構成要素は、特に
図1および
図4に示されるように、分散される。この後者の場合、装置は、ネットワーク、またはネットワークの一部をその電力供給源から隔離するための少なくとも1つのスイッチ、およびスイッチと通信する少なくとも1つの反射率測定検出システムを備える。
【0060】
結合手段12を検出システム1の他の構成要素から分離することは同様に可能である。この実施形態は特に高電圧下での回線の保護に適している。検出システムの残りの部分を遠ざける一方で、結合手段はしたがって可能な限り回線の近くに置かれる。結合手段と検出システムとの間のリンクは、例えばツイストペア線または50Ωの同軸ケーブルなどの、均一で制御されたインピーダンスのリンクとして確立される。
【0061】
別の実施形態で、結合はワイヤレスとすることができる。
【0062】
結合は有利には、前述のように指向式とすることができる。この場合、装置はあらかじめ決定された1つの方向でのみ、障害を検出する。この結合方法は、保護を必要とする複数の回線が母線に接続され、電源電流が回線を介して母線から負荷へ流れる場合に、特に適している。母線は回線と比較して低いインピーダンスを有するので、センサ信号は自然に母線方向に動く。方向性結合はセンサ信号の下流への、すなわち負荷に向けての方向付けを可能にする。方向性結合は複数の方式で実装することができる。例えば、上流のインピーダンスを増加させるためにセンサ信号の周波数に作用している間に自己インダクタンスが上流に差し挟まれてもよい。
【0063】
本発明による装置は有利には、複数のタイプの障害の検出およびそれに対する素早い応答、そしてその予想さえも可能にする。
【0064】
反射率計から生じる測定値、特にインピーダンスの変化または伝搬速度変動は、回線診断を作成するために使用できる。したがって、制御およびデータ処理ユニットは、例えば回線、閾値、イベントまたは回線状態の特性として定義されるシグネチャパラメータに従って、このタイプの診断を作成するようにプログラム可能である。本発明による装置は特に、例えば、回線または負荷についての経年変化または局所的なもしくは一般的な損傷の特性を示す、断続的なまたは「非通電でない」障害を検出できるが、それは設備または機器にそれでもなお損害を与え得る。
【0065】
本発明による装置は、ネットワークの性質にかかわらず適用可能である。言い換えれば、それはネットワークの性質から独立している。それは、伝送電力にかかわらず、周波数にかかわらず、電圧にかかわらず、電流が直流であるか交流であるかにかかわらず、適用可能である。実際に、適用される反射率測定法はこれらのネットワークの性質から独立している。
【0066】
本発明は、搬送電流が流れる通信ネットワークまたは電力供給ネットワークを保護するために同様に適用可能である。有利には、ネットワークで伝送されるセンサ信号の適切な周波数、または信号を区別する他の方法が選ばれるという条件で、反射率測定法はネットワーク内のデータ転送に干渉しない。
【0067】
再び有利には、本発明による装置は、ネットワークに電力供給されていることが必要な従来の電流および電圧の解決策と異なり、ネットワークに電源投入されていないときに動作することができる。これは特に、電源投入される前にネットワークが制御されることを可能にする。
【0068】
反射率測定検出システムは有利には、電気的障害の位置に関する情報を伝送することができる。この情報はそれから保守サービスによって使用され得る。
【0069】
本発明による装置は有利には、既存の保護装置に統合され得る。言い換えれば、それは反射率測定検出システムを従来の装置に追加することにより従来の装置を補完することができ、後者は既に設置された回路遮断器またはスイッチの開放をトリガすることが可能である。反射率測定ベースのセンサから生じる情報はそれから、直接回路の開放をトリガするために、またはトリガ意志決定に他のパラメータとともに寄与するために使用され得る。
【0070】
本発明の装置は有利には、1つまたは複数の回線領域を保護するためにパラメータ化され得る。検出パラメータ、特に検出感度は、そのため、負荷または回線領域のタイプに従って定義することができる。例として、装置から所定の距離、例えば10メートルに配置された負荷を保護するために、検出は9.5メートルと10.5メートルとの間に位置する領域にわたって行われる。この場合、処理手段は保護されるべき領域で検出されたインピーダンスの変化のみを処理する。
【0071】
本発明による装置の1つの代替の実施形態で、通信手段15、処理手段14または制御およびデータ処理ユニット、注入ユニット11ならびに受信ユニット13は、共同利用可能、すなわち、注入ユニット11および受信ユニット13と各々の回線に属する結合手段12との間に1つまたは複数のマルチプレクサを挿入することにより、複数の回線の間で共有可能である。言い換えれば、結合手段12は回線の各々に割り当てられ、結合手段と注入および受信ユニットとの間のリンクはマルチプレクサによって提供される。
【0072】
各々の回線はしたがって、連続的にかつ周期的に行われる監視により保護される。そのため、検出されるべき最小の障害の持続期間t
dが
T1+T2...+Tn<t
d
となるように保証することにより、第1の回線に対して周期T1をとり、第nの回線に対して周期Tnをとることができ、このように、障害が起こる回線にかかわらず障害が見られることを保証できる。