特許第6453329号(P6453329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6453329段階的クランピングによる超音波外科用器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6453329
(24)【登録日】2018年12月21日
(45)【発行日】2019年1月16日
(54)【発明の名称】段階的クランピングによる超音波外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20190107BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
【請求項の数】9
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2016-534207(P2016-534207)
(86)(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公表番号】特表2016-538067(P2016-538067A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】US2014067221
(87)【国際公開番号】WO2015081040
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2017年9月7日
(31)【優先権主張番号】61/908,920
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317011687
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジー・ジェイコブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】ケーグル・デビッド・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】エステラ・フレデリック・エル
(72)【発明者】
【氏名】ワイゼンバーグ・ザ・セカンド・ウィリアム・ビー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ファラー・クレイグ・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・シャン
(72)【発明者】
【氏名】モンロー・デビッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】オルソン・ウィリアム・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ティム・リチャード・ダブリュ
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/128362(WO,A1)
【文献】 特開2008−018226(JP,A)
【文献】 特表2011−505194(JP,A)
【文献】 特開2000−033092(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/061739(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0187512(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、及び
(ii)クランプパッドを含むクランプアームであって、前記クランプアームは、前記クランプパッドと前記超音波ブレードとの間の組織を第1段階および第2段階で圧迫するために、前記超音波ブレードに向かって可動であり、
前記クランプアームは、前記第1段階において、前記クランプパッドの遠位部分のみで組織を前記超音波ブレードに対して圧迫するように構成され、
前記クランプアームは、前記第2段階において、前記クランプパッドの前記遠位部分及び近位部分で組織を前記超音波ブレードに対して圧迫するように構成されており、前記組織の圧迫は前記遠位部分で始まり、その後、前記近位部分に向かって進行する、クランプアームを含む、エンドエフェクタとを含む、
前記クランプアームは、シャンク部材、及びパッド支持部材を含み、前記シャンク部材は前記シャフトアセンブリに枢動可能に接続されており、前記シャンク部材は前記パッド支持部材を前記超音波ブレードの方に駆動するように動作可能であり、前記クランプパッドは前記パッド支持部材に固定されており、
前記クランプアームは、前記パッド支持部材を前記シャンク部材に対して枢動可能に結合する弾性機構を更に含む、装置。
【請求項2】
前記弾性機構が板ばねを含む、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性機構は、前記クランプパッドの前記遠位部分を前記超音波ブレードの方に弾性的に付勢するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性機構は、前記第1段階から前記第2段階への遷移の間に変形するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性機構が複数のセグメントを含む、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記セグメントがジグザグパターンを形成している、請求項に記載の装置。
【請求項7】
記パッド支持部材が、くの字形機構を有し、前記くの字形機構は、前記クランプパッドの前記遠位部分を前記超音波ブレードの方に付勢するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記クランプパッドは、楔形状を有し、前記クランプパッドの前記楔形状は、前記第1段階において、前記クランプパッドの前記遠位部分のみと、組織との間の初期の接触をもたらすように構成され、前記クランプパッドの前記楔形状は、前記第2段階において、前記クランプパッドの前記近位部分と組織との間の接触を可能にする、前記超音波ブレードの曲げをもたらすように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記本体はハンドルアセンブリを含み、前記本体は、前記第1段階から前記第2段階への遷移を示すために、前記ハンドルアセンブリを通じて可聴フィードバック又は触覚フィードバックのいずれか、又は両方をもたらすように構成されているユーザーフィードバック機構を更に含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、参照によってその全容が本明細書に組み込まれる、2013年11月26日出願の米国特許仮出願第61/908,920号、表題「Heat Management for Ultrasonic Surgical Instrument」に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封着するために超音波周波で振動するブレード要素を有するエンドエフェクタは、様々な外科用器具に含まれている。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する圧電素子を含んでおり、それらの振動は音響導波管に沿ってブレード要素に伝達される。切断及び凝固の精度は、外科医の技術、及び電力レベル、ブレードエッジ、組織引張、及びブレード圧力を調節することによって制御され得る。
【0003】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。かかる装置及び関連する概念の更なる例は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」という名称の米国特許第5,322,055号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」という名称の同第5,873,873号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、1997年10月10日出願の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」という名称の同第5,980,510号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」という名称の同第6,325,811号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月10日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」という名称の同第6,773,444号、及び、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」という名称の同第6,783,524号に開示されている。
【0004】
超音波外科用器具の更なる別の実施例は、その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2006年4月13日公開の「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」という名称の、米国特許出願公開第2006/0079874号;その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2007年8月16日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」という名称の、同第2007/0191713号;その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の「Ultrasonic Waveguide and Blade」という名称の同第2007/0282333号、その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2008年8月16日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」という名称の、同第2007/0200940号、発明の名称;その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2009年8月23日公開の「Ergonomic Surgical Instruments」という名称の同第2009/0105750号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」という名称の同第2010/0069940号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」という名称の、同第2011/0015660号;及びその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年2月2日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」という名称の同第2012/0029546号に記載されている。
【0005】
一部の超音波手術器具は、以下の特許文献に開示されているもののようなコードレストランスデューサを含む場合がある:その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Recharge System for Medical Devices」という名称の米国特許出願公開第2012/0112687号、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Surgical Instrument with Charging Devices」という名称の同第2012/0116265号、及び/又は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の「Energy−Based Surgical Instruments」という名称の米国特許出願第61/410,603号。
【0006】
更に、一部の超音波外科用器具は、関節運動シャフト部分を備えてよい。超音波外科用器具の実施例は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月2日公開の「Surgical Instruments with Articulating Shafts」という名称の米国特許出願公開第2014/0005701号、及びその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2014年4月24日公開の「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」という名称の、同第2014/0114334号に開示される。
【0007】
いくつかの手術器具及びシステムが製作され利用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を製作又は利用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は本技術を具体的に指摘しかつ明確にその権利を請求する特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の例の説明を添付図面と併せ読むことでより良く理解されるものと考えられ、図面では同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】代表的な外科用器具の側方立面図を表す。
図2】開放構成にある、図1の器具のエンドエフェクタの斜視図を表す。
図3A】開放構成にある、図2のエンドエフェクタの側面断面図を表す。
図3B】閉鎖構成にある、図2のエンドエフェクタの側方断面図を表す。
図4】代表的な外科用器具の斜視図を表す。
図5】閉鎖構成にある、図4の器具のエンドエフェクタの側方立面図を表す。
図6A】開放構成にある、図5のエンドエフェクタの斜視図を表す。
図6B】閉鎖構成にある、図5のエンドエフェクタの斜視図を表す。
図7】閉鎖位置にある、柔軟なセグメント化クランプアームアセンブリを備える、代表的な別のエンドエフェクタの斜視図を表す。
図8図7のクランプアームアセンブリの分解図を表す。
図9A】クランプアームが開放位置にある、図7のエンドエフェクタの側面図を表す。
図9B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図7のエンドエフェクタの側面図を表す。
図9C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図7のエンドエフェクタの側面図を表す。
図10】代表的な別のクランプアームアセンブリの斜視図を表す。
図11図10のクランプアームアセンブリの分解図を表す。
図12図10のクランプアームアセンブリのクランプパッドの斜視図を表す。
図13図10のクランプアームアセンブリの弾性部材の斜視図を表す。
図14図13の弾性部材の側面図を表す。
図15A】超音波ブレードに対して第1閉鎖位置にある、図10のクランプアームアセンブリの側面図を表す。
図15B】超音波ブレードに対して第2閉鎖位置にある、図10のクランプアームアセンブリの側面図を表す。
図16】別の代表的な代替的クランプアームアセンブリの斜視図を表す。
図17図16のクランプアームアセンブリの分解図を表す。
図18図16のクランプアームアセンブリの弾性部材の斜視図を表す。
図19図18の弾性部材の側面図を表す。
図20図19の弾性部材の断面側面図を表す。
図21A】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図21B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図21Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図21C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図21Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図22】代表的な別のエンドエフェクタの側面図を表す。
図23図22のエンドエフェクタのクランプアームの斜視図を表す。
図24】別の代表的な代替的クランプアームアセンブリを表す。
図25A図24のクランプアームアセンブリが開放位置にある、代表的エンドエフェクタの側面図を表す。
図25B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図25Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図25C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図25Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図26A】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図26B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図26Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図26C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図26Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図27】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図28】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図29】別の代表的な代替的クランプアームアセンブリの斜視図を表す。
図30A】超音波ブレードに対して第1閉鎖位置にある、図29のクランプアームアセンブリを表す。
図30B】超音波ブレードに対して第2閉鎖位置にある、図29のクランプアームアセンブリを表す。
図31A】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図31B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図31Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図31C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図31Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図32A】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図32B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図32Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図32C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図32Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図33A】クランプアームが開放位置にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタの側面図を表す。
図33B】クランプアームが第1閉鎖位置にある、図33Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図33C】クランプアームが第2閉鎖位置にある、図33Aのエンドエフェクタの側面図を表す。
図34】閉鎖構成にある、別の代表的な代替的エンドエフェクタを表す。
図35】代表的な別のシャフトアセンブリの代表的戻り止め機構の分解図を表す。
図36図35のシャフトアセンブリと共に使用するための、代表的なクランプアームの斜視断面図を表す。
図37】別の触覚的フィードバック機構を備える、代表的な別の超音波外科用器具の斜視図を表す。
図38A】クランプアームが開放位置にある、図37の器具の側面図を表す。
図38B】クランプアームが閉鎖の第1段階にある、図37の器具の側面図を表す。
図38C】クランプアームが閉鎖の第2段階にある、図37の器具の側面図を表す。
図39】クランピングモードの選択のための、枢動トグルスイッチを備える、代表的な代替的ハンドルアセンブリの側面図を表す。
図40】クランピングモードの選択のための、摺動トグルスイッチを備える、代表的な代替的ハンドルアセンブリの側面図を表す。
図41A】クランピングモード選択ビームが遠位にある、代表的な別のエンドエフェクタの側面図を表す。
図41B】クランピングモード選択ビームが遠位にある、図41Bのエンドエフェクタの側面図を表す。
図42】代表的なクランピングモード選択リングがハンドルアセンブリの本体に固定されている、図4の器具の斜視図を表す。
図43図42のクランプモード選択リングの斜視図を表す。
図44A】クランプアームブラダーが収縮状態にある、代表的な代替的ハンドルアセンブリ、及びクランプアームアセンブリを表す。
図44B】クランプアームブラダーが膨張状態にある、図44Aのハンドルアセンブリ及びクランプアームアセンブリを表す。
【0009】
各図面は、いかなる意味においても限定を意図するものではなく、図に必ずしも示していないものを含め、本技術の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は図示される厳密な配置に限定されないことは理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の本技術の特定例の記述は、本発明の範囲を制限するために使用するべきではない。本技術のその他の例、特徴、態様、実施形態及び利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、制限的なものではなく、例示的な性質のものと見なすべきである。
【0011】
更に理解されることとして、本明細書に記載されている教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ又は2つ以上は、本明細書に記載されている他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わされてもよい。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0012】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具の人間又は、ロボットの操作者に対して本明細書で定義する。「近位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットの操作者により近く、かつ、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の人間又はロボットの操作者から更に離れた要素の位置を指す。
【0013】
I.代表的な超音波外科用器具
図1〜6Bは、代表的な超音波外科用器具(10、100)を例示する。各器具(10、100)の少なくとも一部は、下記特許の教示の少なくとも一部に従って構築し、操作することができる:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0105750号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、米国特許出願第61/410,603号、及び/又は、同第14/028,717号。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、各器具(10、100)は、実質的に同時に、組織(例えば、血管など)を切開し、組織を封着し又は接合するように操作可能である。また、器具(10、100)がHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの様々な構造的及び機能的な類似点を有し得ることを理解されたい。更に、器具(10、100)は、本明細書で引用され参照されることによって本明細書に援用される他の参考文献のいずれかに教示される装置と様々な構造的かつ機能的類似点を有することがある。
【0014】
本明細書に引用される参照の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(10、100)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書の任意の記述を、認められた従来技術と見なす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参照及びHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0015】
A.低侵襲性外科手術のための代表的な超音波外科用器具
図1は、(例えば、トロカール、又は他の直径の小さなアクセスポートなどによる)低侵襲性外科手術において使用されるように構成された、代表的な超音波外科用器具(10)を例示している。本実施例の器具(10)は、ハンドルアセンブリ(20)と、シャフトアセンブリ(30)と、エンドエフェクタ(40)と、を備えている。図2〜3Bに示されるように、シャフトアセンブリ(30)は、外側シース(32)、外側シース(32)内に摺動自在に配置された内側チューブ(34)、及び内側チューブ(34)内に配置された導波管(38)を含む。以下により詳細に記載されるように、外側シース(32)に対する内側チューブ(34)の長手方向の並進運動により、エンドエフェクタ(40)のクランプアーム(44)の作動が生じる。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)と、一対のボタン(26)とを含む本体(22)を備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)に向かうように及びそれから離れるように枢動可能なトリガ(28)もまた含む。しかしながら、はさみグリップ構成などが挙げられるがこれに限定されない様々な他の好適な構成を使用することができることが理解されるべきである。本実施例において、弾性部材が、トリガ(28)をピストルグリップ(24)から離れるように付勢させる。トリガ(28)は、ピストルグリップ(24)の方へと枢動可能であり、内側チューブ(34)を、外側シース(32)に対して近位方向に駆動させる。トリガ(28)がその後、ピストルグリップ(24)から離れるように解放又は駆動されると、内側チューブ(34)は外側シース(32)に対して遠位方向に駆動される。例として、トリガ(28)は、本明細書において引用される様々な参照文献の教示により、内側チューブ(34)と連結されてもよい。トリガ(28)が内側チューブ(34)と結合され得る他の好適な方式が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0016】
図2〜3Bに示されるように、エンドエフェクタ(40)は、超音波ブレード(42)と、枢動クランプアーム(44)と、を含む。クランプアーム(44)は、超音波ブレード(42)に面するクランプパッド(46)を含む。クランプアーム(44)は、ピン(33)により、超音波ブレード(42)の上で、シャフトアセンブリ(30)の外側シース(32)の遠位端と枢動可能に連結される。内側チューブ(34)の遠位端は、超音波ブレード(42)の下で、別のピン(35)により、クランプアーム(44)の近位端と枢動可能に連結される。したがって、内側チューブ(34)の、外側シース(32)に対する長手方向並進運動により、クランプアーム(44)がピン(33)を中心にして超音波ブレード(42)に向かって、又はここから離れるように、枢動し、これによって、クランプパッド(46)と超音波ブレード(42)との間の組織がクランプされて、組織が横切られる及び/又は封止される。特に、図3A〜3Bへの遷移に見られるように、内側チューブ(34)の、外側シース(32)、及びハンドルアセンブリ(20)に対する長手方向近位への並進運動により、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)に向かって枢動する。内側チューブ(34)の、外側シース(32)及びハンドルアセンブリ(20)に対する長手方向遠位への並進運動により、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)から離れるように枢動する。したがって、ピストルグリップ(24)に向かってトリガ(28)を旋回すると、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)に向かって枢動すること、及びピストルグリップ(24)から離れるようにトリガ(28)を枢動すると、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)から離れるように枢動することが理解されるべきである。
【0017】
超音波トランスデューサアセンブリ(12)は、ハンドルアセンブリ(20)の本体(22)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(12)は、ケーブル(14)を介して発電機(16)に連結される。トランスデューサアセンブリ(12)は、発電機(16)から電力を受電し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発電機(16)は、電源、及びトランスデューサアセンブリ(12)による超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(12)に電力プロファイルを提供するように構成された制御モジュールを含み得る。一例にすぎないが、発電機(16)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN300を備えることができる。追加的にあるいは代替的に、発電機(16)はその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」という名称の、米国特許出願公開2011/0087212号の教示の少なくとも一部に従って、構築され得る。また、発電機(16)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(20)に組み込むことができ、ハンドルアセンブリ(20)はケーブル(14)を省略するように更に電池又は他の搭載された電源を含むこともまたできると理解されたい。なお、発電機(16)が有することができる他の好適な形態、及び発電機(16)が提供することができる種々の特徴部並びに動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0018】
トランスデューサアセンブリ(12)によって生成される超音波振動は、シャフトアセンブリ(30)を通じて延在して超音波ブレード(42)に到達する音響導波管(38)に沿って伝達される。導波管(38)は、導波管(38)及びシャフトアセンブリ(30)を貫通するピン(図示されない)によってシャフトアセンブリ(30)内に固定される。このピンは、導波管(38)の長さに沿った、導波管(38)を通って伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に、位置する。上で述べたように、超音波ブレード(42)が作動状態にある(すなわち、超音波により振動している)とき、超音波ブレード(42)は、特にクランプパッド(46)と超音波ブレード(42)との間に組織がクランプされている場合に、組織を効果的に切開して封着するように動作可能である。導波管(38)は、導波管(38)を通じて伝達される機械的振動を増幅するように構成することができると理解されたい。更に、導波管(38)は、縦振動の利得を導波管(38)に沿って制御するように動作可能な機構、及び/又は導波管(38)をシステムの共振周波数に同調させる機構を含み得る。
【0019】
本実施例では、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数foに合わせて音響アセンブリを同調させるために、超音波ブレード(42)の遠位端は、導波管(38)を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する。トランスデューサアセンブリ(12)が通電されると、超音波ブレード(42)の遠位端部は、例えば55.5kHzの規定振動周波数fにおいて、約10〜500マイクロメートルの範囲の最大振幅で、場合によっては約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(12)が作動すると、これらの機械的振動が導波管を通じて超音波ブレード(102)に伝達され、それによって共振超音波周波数の超音波ブレード(102)の振動を提供する。かくして、組織が超音波ブレード(42)とクランプパッド(46)との間に固定されるとき、超音波ブレード(42)の超音波振動が組織を切断すると同時に隣接組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散による凝固効果を提供し得る。いくつかの変化形態では、組織を封止するために、超音波ブレード(42)及び/又はクランプパッド(46)を通じて更に電流を供給することができる。
【0020】
操作者は、ボタン(26)を作動させてトランスデューサアセンブリ(12)を選択的に作動させ、超音波ブレード(42)を作動させることができる。本実施例では、低電力で超音波ブレード(42)を作動させるボタンと、高電力で超音波ブレード(42)を作動させるボタンの、2つのボタン(26)が提供される。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(12)を選択的に作動させるために、フットペダルを提供してもよい。本実施例のボタン(26)は、操作者が片手で器具(10)を容易かつ完全に操作できるように位置付けられる。例えば、操作者は、ピストルグリップ(24)の周囲に親指を位置付け、トリガ(28)の周囲に中指、薬指、及び/又は小指を位置付け、人差し指を使ってボタン(26)を操作することができる。言うまでもなく、器具(10)をグリップする及び作動させるために、任意の他の好適な技術を用いることができ、また、ボタン(26)を任意の他の好適な位置に位置決めすることができる。
【0021】
器具(10)の前述の構成要素及び動作性はあくまで例示である。器具(10)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう様々な他の方法で構成することができる。単なる例として、器具(10)の少なくとも一部は、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる次の特許文献のいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい及び/又は操作可能であってもよい:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、及び/又は同第2014/0114334号。器具(10)の追加的な単に例示としての変化形態を以下でより詳細に説明する。以下に説明する変化形態は、とりわけ、上述した器具(10)及び本明細書に引用した参照のいずれかで言及される任意の器具にそのまま適用され得ることを理解されたい。
【0022】
B.開腹外科手術のための代表的な超音波外科用器具
図4は、開腹外科手術において使用するように構成される、代表的な超音波外科用器具(100)を例示する。本実施例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を備えている。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(126)とを含む本体(122)を備えている。器具(100)は、本体(122)に向かって、また本体(22)から離れる方向に枢軸旋回可能なクランプアームアセンブリ(150)を更に含む。クランプアーム(150)は、親指グリップリング(154)を備えるシャンク(152)を含む。親指グリップリング(154)及び指グリップリング(124)は、一緒になって鋏グリップ型構造を提供する。しかしながら、ピストルグリップ構造を含むがこれに限定されない様々な他の好適な構造が使用可能であることを理解されたい。
【0023】
シャフトアセンブリ(130)は、本体(122)から遠位方向に延びる外側シース(132)を含む。キャップ(134)が、外部シャフト(132)の遠位端に固定されている。図5〜6Bに示されるように、エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(142)と、クランプアーム(144)と、を含む。ブレード(142)がキャップ(134)から遠位方向に延びている。クランプアーム(144)は、クランプアームアセンブリ(150)の一体型の機構である。クランプアーム(144)は、超音波ブレード(142)に面するクランプパッド(146)を含む。クランプアーム(150)は、ピン(156)にて外側シース(132)と枢動可能に連結される。クランプ(144)は、ピン(156)の遠位に位置付けられ、一方でシャンク(152)及び親指グリップリング(154)がピン(156)の近位に位置付けられる。したがって、図6A〜6Bに示されるように、クランプアーム(144)は、親指グリップリング(154)の、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)に向かう、及びここから離れる枢動に基づいて、超音波ブレード(142)に向かって、及びここから離れるように枢動可能である。操作者は親指グリップリング(154)を本体(122)に向けて引き、これによりクランプパッド(146)と超音波ブレード(142)との間の組織をクランプし、組織を横切る及び/又は封止し得ることが理解されるべきである。いくつかの変化形態では、クランプアーム(144)を図6Aに示す開放位置に付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が使用される。単なる例として、そのような弾性部材は、板ばね、ねじりばね、及び/又は任意の他の好適な種類の弾性部材を含み得る。
【0024】
図4を参照し、超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位方向に延びる。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発電機(116)に連結される。トランスデューサアセンブリ(112)は、発電機(116)から電力を受電し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発電機(116)は、電源、及びトランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(112)に電力プロファイルを提供するように構成された制御モジュールを含み得る。一例にすぎないが、発電機(116)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN300を備えることができる。追加的にあるいは代替的に、発電機(116)はその開示内容を参照により本明細書に援用する、米国特許出願公開第2011/0087212号、発明の名称「超音波及び電気手術装置のための外科用発電機」(Surgical Generator for Ultrasonic and Electsurgical Devices)(2011年4月14日公開)の教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい。また、発電機(116)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(120)に組み込むことができ、ハンドルアセンブリ(120)はケーブル(114)を省略するように電池又は他の搭載された電源を更に含むこともまたできると理解されたい。なお、発電機(116)が有することができる他の好適な形態、及び発電機(116)が提供することができる種々の特徴部並びに動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0025】
トランスデューサアセンブリ(112)によって生成される超音波振動は、シャフトアセンブリ(130)を通じて延在して超音波ブレード(142)に到達する音響導波管(138)に沿って伝達される。導波管(138)は、導波管(138)及びシャフトアセンブリ(130)を貫通するピン(図示されない)によってシャフトアセンブリ(130)内に固定される。このピンは、導波管(138)の長さに沿った、導波管(138)を通って伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に、位置する。上で述べたように、超音波ブレード(142)が作動状態にある(すなわち、超音波により振動している)とき、超音波ブレード(142)は、特にクランプパッド(146)と超音波ブレード(142)との間に組織がクランプされている場合に、組織を効果的に切開して封着するように動作可能である。導波管(138)は、導波管(138)を通じて伝達される機械的振動を増幅するように構成することができると理解されたい。更に、導波管(138)は、縦振動の利得を導波管(138)に沿って制御するように動作可能な機構、及び/又は導波管(138)をシステムの共振周波数に同調させる機構を含み得る。
【0026】
本実施例では、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数fに合わせて音響アセンブリを同調させるために、超音波ブレード(142)の遠位端は、導波管(138)を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する。トランスデューサアセンブリ(112)が通電されると、超音波ブレード(142)の遠位端は、例えば55.5kHzの規定振動周波数fにおいて、約10〜500マイクロメートルの範囲の最大振幅で、場合によっては約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(112)が作動すると、これらの機械的振動が導波管を通じて超音波ブレード(102)に伝達され、それによって共振超音波周波数の超音波ブレード(102)の振動を提供する。かくして、組織が超音波ブレード(142)とクランプパッド(46)との間に固定されるとき、超音波ブレード(142)の超音波振動が組織を切断すると同時に隣接組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散による凝固効果を提供し得る。いくつかの変化形態では、組織を封止するために、超音波ブレード(142)及び/又はクランプパッド(146)を通じて更に電流を供給することができる。
【0027】
操作者は、ボタン(126)を作動させてトランスデューサアセンブリ(112)を選択的に作動させ、超音波ブレード(142)を作動させることができる。本実施例では、低電力で超音波ブレード(142)を作動させるボタンと、高電力で超音波ブレード(142)を作動させるボタンの、2つのボタン(126)が提供される。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(112)を選択的に作動させるために、フットペダルを提供してもよい。本実施例のボタン(126)は、操作者が片手で器具(100)を容易かつ完全に操作できるように位置付けられる。例えば、操作者は、ピストルグリップリング(154)に親指を位置付け、指グリップリング(124)に薬指を位置付け、中指を本体(122)の周囲に位置付け、人差し指を使ってボタン(126)を操作することができる。言うまでもなく、器具(100)をグリップする及び作動させるために、任意の他の好適な技術を用いることができ、また、ボタン(126)を任意の他の好適な位置に位置決めすることができる。
【0028】
器具(100)の前述の構成要素及び動作性はあくまで例示である。器具(100)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう様々な他の方法で構成することができる。単なる例として、器具(100)の少なくとも一部は、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる次の特許文献のいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい及び/又は操作可能であってもよい:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、及び/又は、米国特許出願第14/031,665号。器具(100)の追加的な単に例示としての変化形態を以下でより詳細に説明する。以下に説明する変化形態は、とりわけ、上述した器具(100)及び本明細書に引用した参照のいずれかで言及される任意の器具にそのまま適用され得ることを理解されたい。
【0029】
II.超音波外科用器具において熱管理をもたらすための代表的な特徴
いくつかの場合において、外科手術中、器具(10、100)を長期にわたって操作する際に、器具(10、100)の1つ以上の区域が、加熱することがある。単に例として、ブレード(42、142)、クランプアーム(44、144)、及び/又は器具(10、100)の他の部分は、一定時間後に最終的に加熱することがある。このような加熱は、摩擦及び/又は他の要因によって生じることがある。器具(10、100)の1つの特定の構成要素(例えば、ブレード(42、142)、又はクランプアーム(44、144)など)において熱が最初に生じる限り、このような熱が、器具(10、100)の他の部分に次第に伝搬することがある。器具(10、100)の加熱された部分が加熱されるべきでない組織に接するのを防ぐために、このような加熱をを最小化する、及び/又は別の方法により管理することが望ましい場合がある。例えば、操作者は、操作者がエンドエフェクタ(40、140)を使用して押し広げる鈍的解剖、及び/又は単純な組織の把持などを行うことを所望する際に、エンドエフェクタ(40、140)が比較的低音であることを所望することがある。器具(10、100)の大きさ、又は操作性を著しく増加させることなく、熱を最小化する、及び/又は別の方法で管理することが望ましい場合がある。加熱を最小化する、及び/又は別の方法で管理する方法のいくつかの例が、以下により詳細に記載されるが、本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0030】
以下に記載される実施例に加えて、器具(10、100)の1つ以上の部分が、断熱材又はバリアコーティング(非常に低い熱伝導性を有する断熱材、又はバリア材料の薄いコーティング)を含む場合があることが理解されるべきである。断熱材、又はバリアコーティングの例は、アクリル樹脂懸濁液内のナノ複合材料(例えば、ヒドロ−NM−オキシド)である。このようなコーティングの例は、Naples,FloridaのIndustrial Nanotech,Inc.によるNANSULATE(登録商標)コーティングである。断熱材又はバリアコーティングの追加的な単に代表としての例には、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST1711、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST1732、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST3030、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST1711+EST3030、Dayton,OhioのTechmetals,Inc.によるOxytech V、Alumina Titania、Zirconium Oxide、Aluminum Oxide、及び/又はこれらの組合せを含む、様々な他の種類のコーティングが含まれる。
【0031】
断熱材、又はバリアコーティングは、組織、クランプアーム(44、144)、クランプパッド(46、146)、外側シース(32、132)、キャップ(134)などと接触することを意図されない、ブレード(42、142)の区域など、器具(10、100)の様々な外側表面に適用されてもよい。加えて、又は代替的に、このようなコーティングは、発電機(16、116)、トランスデューサアセンブリ(12、112)、内部電子構成要素など、器具(10、100)の様々な内面に適用されてもよい。熱バリア、又は断熱をもたらすことに加えて、このようなコーティングは、腐食バリア、防火などの機能を果たすことがある。器具(10、100)のバリエーションに追加されるか、ないしは別の方法で組み込まれる様々な構成要素を含む以下の実施例において、コーティングはまた、このような構成要素の1つ以上の区域に適用されてもよい。熱コーティングが器具(10、100)に組み込まれ得る他の好適な方法、及びそのバリエーションは、当業者には本明細書の教示を考慮すると明らかであろう。
【0032】
以下に記載される実施例のいずれかが、1つの特定の種類の器具(10、又は100)のバリエーションの関連において図示及び記載される限り、他の種類の器具(10、又は100)に同じ教示が容易に適用できることが理解されるべきである。以下に記載される各実施例はしたがって、器具(10)又は器具(100)のいずれかに対してのみ適用性を有するものとしてみなされるべきではない。更に、以下の教示は、器具(10、100)のバリエーションのみでなく、他の種類の器具にも容易に適用できることが想到される。
【0033】
いくつかの場合において、エンドエフェクタ(40、140)における加熱は、クランプアーム(44、144)が閉じ、ブレード(42、142)が起動されているときに、クランプパッド(46、146)と、ブレード(42、142)との間の直接的な接触によって生じるか、又は加速され得る。このような直接的な接触は、クランプパッド(46、146)と、ブレード(42、142)との間に組織が挟まれていない領域において生じ得る。いく人かの操作者は、丁度クランプパッド(46、146)の遠位部と、ブレード(42、142)の遠位部との間に組織を位置付けることができる。これは、比較的小さい血管を横切するためにエンドエフェクタ(40、140)が使用される際に生じ得る。これが生じると、クランプパッド(46、146)、及びブレード(42、142)の遠位部の両方が、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間で圧縮される組織と接触し得る。更にクランプパッド(46、146)及びブレード(42、142)の近位部分が、互いに直接接触してもよい。ブレード(42、142)がこのような場合において起動されるとき、クランプパッド(46、146)及びブレード(42、142)が、直接接触が生じる近位部分において顕著な量の熱を、急速に生じる場合がある。
【0034】
特に、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)の近位部分における、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間の直接接触の量を最小化することが望ましい場合がある。換言すると、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)の遠位部分が最初に、その後、クランプパッド(46、146)及びブレード(42、142)の近位部分が係合するように、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間の段階的な係合をもたらすことが望ましい場合がある。エンドエフェクタ(40、140)がこのような段階的な係合をもたらし得る方法の様々な例が、以下により詳細に記載される。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。以下の実施例には、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間に段階的な係合をもたらす、クランプアーム(44、144)、及び/又はクランプパッド(46、146)のバリエーションを含むが、ブレード(42、142)はまた、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間に段階的な係合をもたらす1つ以上の機構(例えば、突起、又は他の突出部など)を有するように修正されてもよい。クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間に段階的な係合が生じる変化形態において、クランプパッド(46、146)は、2つ以上のセグメントで設けられてもよいことが理解されるべきである。例えば、クランプパッド(46、146)の遠位区域が組織と最初に係合し、その後クランプパッド(46、146)の近位区域が組織と係合する変化形態において、クランプパッド(46、146)は、遠位セグメント、及び隣接する近位セグメントに設けられてもよい。遠位セグメントは、近位セグメントを形成する材料と比較して、より高い持続性、及び/又は他の何らかの異なる特性をもたらす、材料から形成されてもよい。クランプパッド(46、146)がセグメントで設けられ得る他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。同様に、異なるクランプパッドセグメントにおいて使用され得る、様々な種類の異なる材料、及び/又は他の構造特性が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0035】
A.代表的なセグメント化したクランプアーム
図7〜9Cは、代表的な別のエンドエフェクタ(1640)を示す。この例の外側チューブ(1640)は、上記エンドエフェクタ(140)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(1640)は、超音波ブレード(1642)と、クランプパッド(1646)を備える枢動クランプアーム(1600)と、を含む。シャフトアセンブリ(1630)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(130)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(1630)は、外側シース(1632)、及びキャップ(1634)を含む。クランプアーム(1600)は板バネ(1610)によりシャンク(1652)と連結されており、この組合せは外側シース(1632)と枢動可能に連結されており、これにより、シャンク(1652)のシャフトアセンブリ(1630)に対する枢動運動に反応して、クランプアーム(1600)がブレード(1642)に向かって、及びここから離れるように枢動する。
【0036】
図8に最も良く見られるように、シャンク(1652)の遠位端は、スロット(1620)を備える。同様に、クランプアーム(1600)の近位端は、スロット(1602)を備える。板バネ(1610)は、スロット(1602、1620)に固定される。単に例として、板バネ(1610)は、締まりばめ、接着剤、及び/又は他のいずれかの好適な構造/技術を使用して、スロット(1602、1620)に固定され得る。板バネ(1610)は、クランプアーム(1600)に付勢力をもたらすように構成される。図9Aは、クランプアーム(1600)が、ブレード(1642)から離間している、開放位置にあるクランプアーム(1600)を示している。エンドエフェクタ(1640)は、図9Aに示されるようにクランプアーム(1600)が開放位置にあるときに、クランプパッド(1646)と、ブレード(1642)との間に組織を位置付けるように操作されてもよいことが理解されるべきである。
【0037】
図9Bは、第1閉鎖位置にあるクランプアーム(1600)を示している。この位置において、板バネ(1610)の付勢力は、クランプパッド(1646)の遠位端を、クランプパッド(1646)の残部がブレード(1646)と接触する前に、ブレード(1642)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(1646)は、対向するブレード(1642)の表面に対して、斜めに向けられた平面に沿って配置されている。操作者がシャンク(1652)を、シャフトアセンブリ(1630)に向けて枢動させ続けると、板ばね(1610)が変形し始め、クランプアーム(1600)がシャンク(1652)に対して枢動するのを可能にする。板ばね(1610)の変形は、図9Cに示されるように、クランプパッド(1646)の全長がブレード(1642)と接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(1646)は最終的に、クランプパッド(1646)が、対向するブレード(1642)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。
【0038】
上記から、クランプパッド(1646)及びブレード(1642)は、クランプパッド(1646)及びブレード(1642)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(1646)及びブレード(1642)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(1646)及びブレード(1642)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(1646)及びブレード(1642)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。板ばね(1610)は、クランプアーム(1600)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、板ばね(1610)は、板ばね(1610)が図9Cに示されるように顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタ(1640)が、クランプパッド(1646)とブレード(1642)の遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(1600)が組織に十分な圧迫を加えることを可能にし得る。板ばね(1610)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0039】
また、シャンク(1652)の遠位端と、クランプアーム(1600)の近位端は、図9Cに示されるように、エンドエフェクタ(1640)が閉鎖の第2段階に達した後に、板ばね(1610)の変形の程度を制限する、協調的なハードストップ機構を含んでもよいことが理解されるべきである。このような機構は、シャンク(1652)とクランプアーム(1600)との間の結合部が伸びすぎるのを防ぐことができる。このような特徴はまた、エンドエフェクタ(1640)が閉鎖の第2段階に達した後に、操作者が、クランプパッド(1646)とブレード(1642)との間に捕捉された組織に十分な量のクランプ力をかけることを可能にし得る。換言すると、この段階におけるクランプ力は、板ばね(1610)の弾性による影響を受けないことがあり、よってシャンク(1652)及びクランプアーム(1600)の組合せは、これらが一体型のモノリシックな構造であるかのように挙動し得る。ハードストップ機構の様々な好適な構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。同様に、エンドエフェクタ(1640)の他の好適なバリエーションが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0040】
B.弾性基部を備える代表的クランプアーム、及び可撓性クランプパッド
図10〜15Bは、上記のエフェクタ(140)などのエンドエフェクタに容易に組み込むことができる、別の代表的なシャンク(1752)、クランプアーム(1700)、及びクランプパッド(1710)を表す。クランプアーム(1700)の近位端は、シャンク(1752)の遠位端に形成されたスロット(1702)に挿入される。クランプアーム(1700)の近位端は、締まりばめ、接着剤、及び/又は他のいずれかの好適な構造/技術を使用して、スロット(1702)に固定されてもよい。例えば、シャンク(152)及びクランプアーム(144)が、シャンク(1752)及びクランプアーム(1700)と置換される場合、クランプアーム(1700)及びシャンク(1752)の組合せが外側シース(132)と枢動可能に連結され、それによりシャンク(1752)のシャフトアセンブリ(130)に対する枢動運動に反応して、クランプアーム(1700)がブレード(142)に向かって、及びここから離れるように枢動する。
【0041】
本実施例のクランプパッド(1710)は可撓性であり、よってクランプパッド(1710)は、湾曲した構成から平坦な構成へと遷移するように構成されている。図11〜12に最もよく見られるように、クランプパッド(1710)は、シャンク(1752)に形成されるチャネル(1714)内、及びクランプアーム(1700)に形成されるスロット(1704)内に適合するように構成された、レール(1712)を含む。クランプパッド(1710)はしたがって、シャンク(1752)及びクランプアーム(1700)の両方に、別個に固定される。図13〜14に最も良く見られるように、クランプアーム(1700)の遠位部は、クランプアーム(1700)の近位部からオフセットされている、くの字形機構を有する。このくの字形機構は、オフセットをもたらす遷移区域(1706)によって特徴付けられる。本実施例において、遷移区域(1706)は、クランプアーム(1700)の遠位端よりも、クランプアーム(1700)の近位端に近く位置付けられる。他のいくつかのバージョンにおいて、遷移区域(1706)は、クランプアーム(1700)の中央に位置付けられる。更に他のバージョンおいて、遷移区域(1706)は、クランプアーム(1700)の近位端よりも、クランプアーム(1700)の遠位端に近く位置付けられる。クランプアーム(1700)の遠位部は、本実施例では、クランプアーム(1700)の近位部と平行であるが、任意の好適な向きが使用され得る。他の好適な構成及び関係は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0042】
本実施例のクランプアーム(1700)は、弾性であり、クランプアーム(1700)は、上記の板ばね(1610)によりもたらされる付勢力と同様の付勢力をクランプパッド(1710)にもたらすように構成されている。特に、図15Aは、第1閉鎖位置におけるクランプアーム(1700)を示している。この位置において、クランプアーム(1700)の付勢力は、クランプパッド(1710)の遠位端を、クランプパッド(1710)の残部がブレード(1742)と接触する前に、ブレード(1742)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(1710)は、この段階において対向するブレード(1720)の表面と平行ではない。スロット(1702)の向きは、特に第1閉鎖位置へと移動する前、及び移動中に、クランプアーム(1700)及びクランプパッド(1710)の、構成及び向きに影響し得ることが理解されるべきである。クランプパッド(1710)は、この段階において、湾曲した構成を画定し得る。操作者がシャンク(1752)を枢動させ続けると、クランプアーム(1700)は変形し始める。クランプアーム(1700)の変形は、図15Bに示されるように、クランプパッド(1710)の全長がブレード(1742)と接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(1710)は最終的に、クランプパッド(1710)が、対向するブレード(1742)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。本実施例のブレード(1742)は、上記の器具(142)と実質的に同様である。
【0043】
上記から、クランプパッド(1710)及びブレード(1742)は、クランプパッド(1710)及びブレード(1742)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(1710)及びブレード(1742)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(1710)及びブレード(1742)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(1710)及びブレード(1742)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。クランプアーム(1700)は、クランプアーム(1700)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、クランプアーム(1700)が図15Bに示されるように顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタ(1740)が、クランプパッド(1710)とブレード(1742)の遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(1700)が組織に十分な圧迫を与えてもよい。クランプアーム(1700)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0044】
C.弾性基部を備える代表的クランプアーム、及び可撓性クランプパッド、並びにハードストップ
図16〜20は、上記のエフェクタ(140)などのエンドエフェクタに容易に組み込むことができる、別の代表的なシャンク(1852)、クランプアーム(1800)、及びクランプパッド(1810)を表す。クランプアーム(1800)の近位端は、シャンク(1852)の遠位端に形成されたスロット(1802)に挿入される。クランプアーム(1800)の近位端は、締まりばめ、接着剤、及び/又は他のいずれかの好適な構造/技術を使用して、スロット(1802)に固定されてもよい。例えば、シャンク(152)及びクランプアーム(144)が、シャンク(1852)及びクランプアーム((1800)と置換される場合、クランプアーム(1800)及びシャンク(1852)の組合せが外側シース(132)と枢動可能に連結され、それによりシャンク(1852)のシャフトアセンブリ(130)に対する枢動運動に反応して、クランプアーム(1800)がブレード(142)に向かって、及びここから離れるように枢動する。
【0045】
本実施例のクランプパッド(1810)は可撓性であり、よってクランプパッド(1810)は、湾曲した構成から平坦な構成へと遷移するように構成されている。上記のクランプパッド(1710)と同様に、本実施例のクランプパッド(1810)は、シャンク(1852)に形成されるチャネル(1814)内、及びクランプアーム(1800)に形成されるスロット(1804)内に適合するように構成された、レール(1812)を含む。クランプパッド(1810)はしたがって、シャンク(1852)及びクランプアーム(1800)の両方に、別個に固定される。図20に最も良く見られるように、クランプアーム(1800)は、クランプアーム(1800)の遠位部がクランプアーム(1800)の近位部からオフセットされている、くの字形機構を有する。このくの字形機構構成は、オフセットをもたらす遷移区域(1806)によって特徴付けられる。本実施例において、遷移区域(1806)は、クランプアーム(1800)の遠位端よりも、クランプアーム(1800)の近位端に近く位置付けられる。他のいくつかのバージョンにおいて、遷移区域(1806)は、クランプアーム(1800)の中央に位置付けられる。更に他のバージョンおいて、遷移区域(1806)は、クランプアーム(1800)の近位端よりも、クランプアーム(1800)の遠位端に近く位置付けられる。クランプアーム(1800)の遠位部は、本実施例では、クランプアーム(1800)の近位部と平行であるが、任意の好適な向きが使用され得る。他の好適な構成及び関係は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0046】
本実施例のクランプアーム(1800)は、弾性であり、よってクランプアーム(1800)は、上記のクランプアーム(1700)によりもたらされる付勢力と同様の付勢力をクランプパッド(1810)にもたらすように構成されている。したがって、クランプアーム(1800)が第1閉鎖位置にあるとき、クランプアーム(1800)の付勢力は、クランプパッド(1810)の遠位端を、クランプパッド(1810)の残部がブレード(1742)と接触する前に、ブレード(1742)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(1810)は、この段階において対向するブレードの表面と平行ではない。スロット(1802)の向きは、特に第1閉鎖位置へと移動する前、及び移動中に、クランプアーム(1000)及びクランプパッド(1810)の、構成及び向きに影響し得ることが理解されるべきである。クランプパッド(1810)は、この段階において、湾曲した構成を画定し得る。操作者がシャンク(1852)を枢動させ続けると、クランプアーム(1800)は変形し始める。クランプアーム(1800)の変形は、クランプパッド(1810)の全長がブレードと接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(1810)は最終的に、クランプパッド(1810)が、対向するブレードの表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。
【0047】
上記から、クランプパッド(1810)及びブレードは、クランプパッド(1810)及びブレードの近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(1810)及びブレードの遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(1810)及びブレードの遠位区域の間、並びにクランプパッド(1810)及びブレードの近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。クランプアーム(1800)は、クランプアーム(1800)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、クランプアーム(1800)がクロージャの第2段階において顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタが、クランプパッド(1810)とブレードの遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(1800)が組織に十分な圧迫を与えてもよい。クランプアーム(1800)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0048】
本実施例のクランプアーム(1800)は、クランプアーム(1800)が閉鎖の第2段階(クランプパッド(1810)が、対向するブレードの表面と平行な平面に沿って配置される)に達した後に、シャンク(1852)の遠位端に係合するように構成される、一対のベーン(1808)を更に含む。この係合は、シャンク(1852)とクランプアーム(1800)との間の結合部が伸びすぎるのを防ぐハードストップをもたらす。このような特徴はまた、エンドエフェクタが閉鎖の第2段階に達した後に、操作者が、クランプパッド(1810)とブレードとの間に捕捉された組織に十分な量のクランプ力をかけることを可能にし得る。換言すると、この段階におけるクランプ力は、板ばね(1800)の弾性による影響を受けないことがあり、よってシャンク(1852)及びクランプアーム(1800)の組合せは、これらが一体型のモノリシックな構造であるかのように挙動し得る。ハードストップ機構の様々な好適な構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0049】
D.可撓性取り付け機構を備える代表的なクランプアーム
図21A〜21Cは、別の代表的な代替的エンドエフェクタ(1940)を示す。この例のエンドエフェクタ(1940)は、上記エンドエフェクタ(140)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(1940)は、超音波ブレード(1942)と、クランプパッド(1946)を備える枢動クランプアーム(1900)と、を含む。シャフトアセンブリ(1930)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(130)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(1930)は、外側シース(1932)、及びキャップ(1934)を含む。クランプアーム(1944)は可撓性区分(1900)によりシャンク(1610)と連結されており、この組合せは外側シース(1932)と枢動可能に連結されており、これにより、シャンク(1952)のシャフトアセンブリ(1930)に対する枢動運動に反応して、クランプアーム(1944)がブレード(1942)に向かって、及びここから離れるように枢動する。本実施例において、クランプアーム(1944)、シャンク(1952)、及び可撓性区分(1900)は一緒に、一体型のモノリシック構造を形成する。いくつかの他のバージョンにおいて、クランプアーム(1944)、シャンク(1952)、及び可撓性区分(1900)は、最初は別個の構成要素であり、これらが形成された後に一緒に結合される。例えば、クランプアーム(1944)、及びシャンク(1952)は別個に形成されてもよく、可撓性区分(1900)は、クランプアーム(1944)及びシャンク(1952)を枢動可能に連結するピンによって形成される。トーションばねを使用して枢動付勢力をもたらすことができる。
【0050】
可撓性区分(1900)は本実施例は弾性であり、よって可撓性区分(1900)はクランプアーム(1944)に付勢力をもたらすように構成されている。図21Aは、クランプアーム(1944)が、ブレード(1942)から離間している、開放位置にあるクランプアーム(1944)を示している。エンドエフェクタ(1940)は、図21Aに示されるようにクランプアーム(1944)が解放位置にあるときに、クランプアーム(1946)と、ブレード(1942)との間に組織を位置付けるように操作されてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
図21Bは、第1閉鎖位置にあるクランプアーム(1944)を示している。この位置において、可撓性区分(1900)の付勢力は、クランプパッド(1946)の遠位端を、クランプパッド(1946)の残部がブレード(1942)と接触する前に、ブレード(1942)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(1946)は、対向するブレード(1942)の表面に対して、斜めに向けられた平面に沿って配置されている。操作者がシャンク(1952)を、シャフトアセンブリ(1930)に向けて枢動させ続けると、可撓性区分(1900)が変形し始め、クランプアーム(1944)がシャンク(1952)に対して枢動するのを可能にする。可撓性区分(1900)の変形は、図21Cに示されるように、クランプパッド(1946)の全長がブレード(1942)と接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(1946)は最終的に、クランプパッド(1946)が、対向するブレード(1942)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。
【0052】
上記から、クランプパッド(1946)及びブレード(1942)は、クランプパッド(1946)及びブレード(1942)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(1946)及びブレード(1942)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(1946)及びブレード(1942)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(1946)及びブレード(1942)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。可撓性区分(1900)は、クランプアーム(1944)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、可撓性区分(1900)は、可撓性区分(1900)が図21Cに示されるように顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタ(1940)が、クランプパッド(1946)とブレード(1942)の遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(1944)が組織に十分な圧迫を加えることを可能にし得る。可撓性区分(1900)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0053】
可撓性区分(1900)とクランプアーム(1944)との間の向き及び関係は、一度エンドエフェクタ(1940)が閉鎖の第2段階に到達すると、可撓性区分(1900)がそれ以上曲がらないようにする、有効なハードストップをもたらし得ることが理解されるべきである。例えば、クランプアーム(1944)の下面の可撓性区分(1900)の位置付けは、一度エンドエフェクタ(1940)が閉鎖の第2段階に達すると、有効なハードストップをもたらすことができる。また、可撓性区分(1900)が、クランプアーム(1944)の下面に沿って実質的に長手方向に中央に合わせられると、ハードストップとしての機能を促進することができる。有効なハードストップとしての機能は、エンドエフェクタ(1940)が閉鎖の第2段階に達した後に、操作者が、クランプパッド(1946)とブレード(1942)との間に捕捉された組織に十分な量のクランプ力をかけることを可能にし得る。エンドエフェクタ(1940)の他の好適なバリエーションが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0054】
E.一体型可撓性区分を備える代表的なクランプアーム
図22〜23は、別の代表的な代替的エンドエフェクタ(2040)を示す。この例のエンドエフェクタ(2040)は、上記エンドエフェクタ(140)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(2040)は、超音波ブレード(2042)と、クランプパッド(2046)を備える枢動クランプアーム(2000)と、を含む。シャフトアセンブリ(2030)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(130)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(2030)は、外側シース(2032)、及びキャップ(2034)を含む。クランプアーム(2044)は可撓性区分(2000)によりシャンク(1610)と連結されており、この組合せは外側シース(2032)と枢動可能に連結されており、これにより、シャンク(2052)のシャフトアセンブリ(2030)に対する枢動運動に反応して、クランプアーム(2044)がブレード(2042)に向かって、及びここから離れるように枢動する。本実施例において、クランプアーム(2044)、シャンク(2052)、及び可撓性区分(2000)は一緒に、一体型のモノリシック構造を形成する。いくつかの他のバージョンにおいて、クランプアーム(2044)、シャンク(2052)、及び可撓性区分(2000)は、最初は別個の構成要素であり、これらが形成された後に一緒に結合される。
【0055】
可撓性区分(2000)は本実施例では弾性であり、よって可撓性区分(2000)がクランプアーム(2044)に付勢力をもたらすように構成されている。可撓性区分(2000)は、ジグザグパターンを形成する複数の区分(2002)を含む。いくつかのバージョンにおいて、可撓性スリーブ(例えば、シリコーンなどで形成される)は、可撓性区分(2000)の上に位置付けられて、セグメント(2002)が組織上に垂れ下がるのを防ぐ。
【0056】
クランプアーム(2044)が第1閉鎖位置にあるとき、可撓性区分(2000)の付勢力は、クランプパッド(2046)の遠位端を、クランプパッド(2046)の残部がブレード(2042)と接触する前に、ブレード(2042)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(2046)は、この段階において対向するブレード(2042)の表面と平行ではない。操作者がシャンク(2052)をシャフトアセンブリ(2030)に向けて枢動させ続けると、可撓性区分(2000)は変形し始める。可撓性区分(2000)の変形は、クランプパッド(2046)の全長がブレード(2042)と接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(2046)は最終的に、クランプパッド(2046)が、対向するブレード(2042)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。
【0057】
クランプパッド(2046)及びブレード(2042)は、クランプパッド(2046)及びブレード(2042)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(2046)及びブレード(2042)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(2046)及びブレード(2042)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(2046)及びブレード(2042)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。可撓性区分(2000)は、クランプアーム(2044)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、可撓性区分(2000)は、可撓性区分(2000)が顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタ(2040)が、クランプパッド(2046)とブレード(2042)の遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(2044)が組織に十分な圧迫を加えることを可能にし得る。可撓性区分(2000)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0058】
区分(2002)の構成は、一度エンドエフェクタ(2040)が閉鎖の第2段階に到達すると、可撓性区分(2000)がそれ以上曲がらないようにする、有効なハードストップをもたらし得ることが理解されるべきである。例えば、エンドエフェクタ(2040)が、閉鎖の第2段階に到達する際に、区分(2002)の下方区域の相対する表面が互いに係合してもよく、この係合は、可撓性区分(2000)が更に曲がるのを防ぐことができる。ハードストップは、エンドエフェクタ(2040)が閉鎖の第2段階に達した後に、操作者が、クランプパッド(2046)とブレード(2042)との間に捕捉された組織に十分な量のクランプ力をかけることを可能にし得る。エンドエフェクタ(2040)の他の好適なバリエーションが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0059】
F.弾性セットオフを備える代表的なクランプアーム
図24〜25Cは、別の代表的な代替的エンドエフェクタ(2140)の構成要素を示す。この例の外側チューブ(2140)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(2140)は、超音波ブレード(2142)と、クランプパッド(2146)を備える枢動クランプアーム(2144)と、を含む。シャフトアセンブリ(2130)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(2130)は、外側シース(2132)、及び内側チューブ(2134)を含む。クランプアーム(2144)は、外側シース(2132)及び内側チューブ(2134)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(2144)が、内側チューブ(2134)の外側シース(2132)に対する並進運動に反応して、ブレード(2142)に向かって、又はここから離れるように枢動する。
【0060】
本実施例において、クランプパッド(2146)は、板ばね(2100)によってクランプアーム(2144)に固定されている。板ばね(2100)は、板ばね(2100)の遠位部が板ばね(2100)の近位部からオフセットされている、くの字形機構を有する。これは、クランプパッド(2146)の遠位端と、クランプアーム(2144)の遠位端との間に空隙をもたらす。このくの字形機構構成は、オフセットをもたらす遷移区域(2106)によって特徴付けられる。本実施例において、遷移区域(2106)は、クランプアーム(2144)とクランプパッド(2146)との中央に位置付けられている。更に他のバージョンおいて、遷移区域(2106)は、クランプアーム(2144)及びクランプパッド(2146)の遠位端よりも、クランプアーム(2144)及びクランプパッド(2146)の近位端に近く位置付けられる。更に他のバージョンおいて、遷移区域(2106)は、クランプアーム(2144)及びクランプパッド(2146)の近位端よりも、クランプアーム(2100)及びクランプパッド(2146)の遠位端に近く位置付けられる。板ばね(2100)の遠位部は、本実施例では、板ばね(2100)の近位部と平行であるが、他の任意の好適な向きが使用され得る。他の好適な構成及び関係は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。クランプパッド(2146)は、本実施例において可撓性であり、これによりクランプパッド(2146)は、板ばね(2100)の形状に適合する。
【0061】
本実施例の板ばね(2100)は弾性であり、よって板ばね(2100)がクランプパッド(2146)に付勢力をもたらすように構成されている。図25Aは、クランプアーム(2144)が、ブレード(2142)から離間している、開放位置にあるクランプアーム(2144)を示している。エンドエフェクタ(2140)は、図25Aに示されるようにクランプアーム(2144)が開放位置にあるときに、クランプパッド(2146)と、ブレード(2142)との間に組織を位置付けるように操作されてもよいことが理解されるべきである。
【0062】
図25Bは、第1閉鎖位置にあるクランプアーム(2144)を示している。この位置において、板ばね(2100)の付勢力及びくの字形機構は、クランプパッド(2146)の遠位端を、クランプパッド(2146)の残部がブレード(2142)と接触する前に、ブレード(2142)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(2146)は、この段階において対向するブレード(2146)の表面と平行ではない。操作者がクランプアーム(2144)をブレード(2142)に向けて枢動させ続けると、板ばね(2100)は変形し始める。クランプパッド(2146)は板ばね(2100)と共に変形する。板ばね(2100)及びクランプパッド(2146)のこの変形は、図25Cに示されるように、クランプパッド(2146)の全長がブレード(2142)と接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(2146)は最終的に、クランプパッド(2146)が、対向するブレード(2142)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。
【0063】
クランプパッド(2146)及びブレード(2142)は、クランプパッド(2146)及びブレード(2142)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(2146)及びブレード(2142)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(2146)及びブレード(2142)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(2146)及びブレード(2142)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。板ばね(2100)は、クランプアーム(2144)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、板ばね(2100)は、板ばね(2100)が図25Cに示されるように顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタ(2140)が、クランプパッド(2146)とブレード(2142)の遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(2144)が組織に十分な圧迫を加えることを可能にし得る。板ばね(2100)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0064】
G.枢動クランプパッドを備える代表的クランプアーム
図26A〜26Cは、別の代表的な代替的エンドエフェクタ(2240)を示す。この例のエンドエフェクタ(2240)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(2240)は、超音波ブレード(2242)と、クランプパッド(2246)を備える枢動クランプアーム(2244)と、を含む。シャフトアセンブリ(2230)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(2230)は、外側シース(2232)、及び内側チューブ(2234)を含む。クランプアーム(2244)は、外側シース及び内側チューブ(2234)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(2244)が、内側チューブ(2234)の外側シース(2232)に対する並進運動に反応して、ブレード(2242)に向かって、又はここから離れるように枢動する。
【0065】
本実施例において、クランプパッド(2246)は、ピン(2200)によってクランプアーム(2244)に枢動可能に連結されている。コイルばね(2202)は、クランプパッド(2246)の遠位端と、クランプアーム(2244)の遠位端との間に位置付けられる。コイルばね(2202)は、クランプパッド(2246)の遠位端を、クランプアーム(2244)の遠位端から離れるように付勢するように、構成されている。当然、トーションばね、板ばねなどが挙げられるがこれらに限定されない、他の任意の種類の弾性部材が使用されてもよい。
【0066】
図26Aは、クランプアーム(2244)が、ブレード(2242)から離間している、開放位置にあるクランプアーム(2244)を示している。エンドエフェクタ(2240)は、図26Aに示されるようにクランプアーム(2244)が開放位置にあるときに、クランプパッド(2246)と、ブレード(2242)との間に組織を位置付けるように操作されてもよいことが理解されるべきである。
【0067】
図26Bは、第1閉鎖位置にあるクランプアーム(2244)を示している。この位置において、コイルばね(2202)の付勢力は、クランプパッド(2246)の遠位端を、クランプパッド(2246)の残部がブレード(2242)と接触する前に、ブレード(2242)に接触するよう促進する。換言すると、クランプパッド(2246)は、この段階において対向するブレード(2242)の表面と平行ではない。操作者がクランプアーム(2244)をブレード(2242)に向けて枢動させ続けると、板ばね(2202)は変形し始める。これは、クランプパッド(2246)のクランプアーム(2244)に向かう枢動をもたらす。板ばね(2202)の圧縮及びクランプパッド(2246)の変形は、図26Cに示されるように、クランプパッド(2246)の全長がブレード(2242)と接触する点まで継続する。換言すると、クランプパッド(2246)は最終的に、クランプパッド(2246)が、対向するブレード(2242)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。
【0068】
クランプパッド(2246)及びブレード(2242)は、クランプパッド(2246)及びブレード(2242)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(2246)及びブレード(2242)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(2246)及びブレード(2242)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(2246)及びブレード(2242)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。コイルばね(2202)は、クランプアーム(2244)の閉鎖の第1段階の間において、十分な程度の圧迫を可能にするために、十分な硬度をもたらすことができるものと理解されるべきである。換言すると、コイルばね(2202)は、板ばね(2202)が図26Cに示されるように顕著に圧縮し始める前に、エンドエフェクタ(2240)が、クランプパッド(2246)とブレード(2242)の遠位区域の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプアーム(2244)が組織に十分な圧迫を加えることを可能にし得る。コイルばね(2202)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0069】
図27は、エンドエフェクタ(2240)の単に例示としてのバリエーションを示す。特に、図27は、エンドエフェクタ(2240)と同一であるエンドエフェクタ(2340)を示すがただし、クランプパッド(2346)及びクランプアーム(2344)を結合するピン(2300)は、クランプアーム(2344)とクランプパッド(2346)の長手方向中間点に位置する(クランプアーム(2344)及びクランプパッド(2346)の近位端に位置するのではなく)。上記のエンドエフェクタの動作と同じように、クランプアーム(2344)の閉鎖ストロークの初期段階において、クランプパッド(2346)の近位部がブレード(2342)と係合する前に、クランプパッド(2346)の遠位部が最初にブレード(2342)と係合する。一度クランプアーム(2344)が完全な閉鎖ストロークに達すると、コイルばね(2302)が収縮して、クランプパッド(2346)がピン(2300)において枢動し、これによりクランプパッド(2346)の全長がブレード(2342)と係合する。
【0070】
図28は、エンドエフェクタ(2340)の単に例示としてのバリエーションを示す。特に、図28は、エンドエフェクタ(2340)と同一であるエンドエフェクタ(2440)を示すがただし、ピン(2400)を中心にクランプパッド(2446)を付勢するコイルばね(2402)は、クランプアーム(2444)とクランプパッド(2446)の近位端に位置する(クランプアーム(2444)及びクランプパッド(2446)の遠位端に位置するのではなく)。エンドエフェクタの動作中、クランプアーム(2444)の閉鎖ストロークの初期段階において、クランプパッド(2446)の遠位部がブレード(2442)と係合する前に、クランプパッド(2446)の近位端が最初にブレード(2442)と係合する。一度クランプアーム(2444)が完全な閉鎖ストロークに達すると、コイルばね(2402)が収縮して、クランプパッド(2446)がピン(2400)において枢動し、これによりクランプパッド(2446)の全長がブレード(2442)と係合する。別のバリエーションにおいて、クランプアーム(2444)の閉鎖ストロークの初期段階において、クランプパッド(2446)の全長がブレード(2442)と係合し得る。また、操作者がコイルばね(2302、2402)が遠位方向に位置付けるか(図27に示されるように)、近位方向に位置付けるか(図28に示されるように)で選択できるように、トグルセレクタを含んでもよいことが理解されるべきである。トグル選択機構のいくつかの実施例が以下でより詳細に記載される。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0071】
H.枢動セグメントを備える代表的なクランプアーム
図29〜30Bは、別の代表的な代替的エンドエフェクタ(2540)の構成要素を示す。この例のエンドエフェクタ(2540)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。特に、エンドエフェクタ(2540)は、超音波ブレード(2542)と、一対のクランプパッド(2502、2504)を備える枢動クランプアーム(2500)と、を含む。クランプアームアセンブリ(2500)は、外側シースに対する内側チューブの並進に反応してブレード(2542)に向かって、及びそこから離れるように枢動する。
【0072】
本実施例のクランプアームアセンブリ(2500)は、遠位区分(2510)及び近位区分(2520)を含み、これらは、ピン(2506)によって一緒に、枢動可能に結合されている。遠位区分(2510)は、一対の内部ボス(2512)及び上方内部表面(2514)を含む。クランプパッド(2502)は、遠位区分(2510)の下面に固定されている。近位区分(2520)は、軸方向に延びる下方外部表面(2526)、及び斜め方向に角度を成す上方外部表面(2524)を含む、遠位ノーズ部分(2522)を含む。近位区分(2520)はまた、内部ボス(2528)を含む。クランプパッド(2504)は、近位区分(2520)の下面に固定されている。板ばね(2508)は、遠位区分(2510)のボス(2512)の間に固定され、また近位区分(2520)のボス(2528)の間に固定されている。
【0073】
板ばね(2508)は、図30Aに示されるように、近位区分(2520)に対して斜めの配置へと遠位区分(2510)を弾性的に付勢するように構成されている。図30Aに示されるように、ノーズ部分(2522)の上方外部表面(2524)は、遠位区分(2510)の上方内部表面(2514)と係合し、近位区分(2520)に対する遠位区分(2510)の枢動位置を制限する。
【0074】
エンドエフェクタ(2540)の動作中、クランプアームアセンブリ(2500)は、図30Aに示される位置へと枢動し、まず遠位クランプパッド(2502)とブレード(2542)との間に組織を捕捉する。板ばね(2508)の弾性的付勢、及びピン(2506)によるセグメント(2510)の枢動による位置付けは、近位クランプパッド(2504)が組織又はブレード(2542)のいずれかと接触する前に、遠位クランプパッド(2502)と組織との間の係合をもたらす。換言すると、クランプパッド(2504)は更に、この段階においてブレード(2542)から離間している。操作者は、クランプアームアセンブリ(2500)をブレード(2542)に向かって枢動させ続けると、クランプアームセグメント(2510、2520)が互いに対して枢動し、板ばね(2508)は実質的に伸びることによって変形し始める。クランプアームセグメント(2510、2520)は、最終的に、図30Bに示されるように、枢動して互いに位置合わせされる。ノーズ部分(2522)の下方外部表面(2526)が、遠位区分(2510)の上方ボス(2512)と係合し、区分(2510、2520)の間の更なる枢動を防ぐハードストップをもたらす。この段階において、クランプパッド(2502、2504)の両方が組織をブレード(2542)に対して圧迫する。
【0075】
上記から、クランプパッド(2502)及びブレード(2542)は、クランプパッド(2504)及びブレード(2542)が互いに接触する前に、組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(2502)及びブレード(2542)、並びにクランプパッド(2504)及びブレード(2542)の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。また、板ばね(2508)は、クランプパッド(2502)が、閉鎖の第1段階において組織と係合する唯一のクランプパッド(2502、2504)である間に、十分な量の圧迫をもたらすために、十分な剛性をもたらし得ることが理解されるべきである。換言すると、板ばね(2508)は、板ばね(2508)が図30Bに示されるように顕著に変形し始める前に、エンドエフェクタ(2540)が、クランプパッド(2502)とブレード(2542)の間に捕捉された組織を適切に圧迫/横切/封止することができるように、クランプパッド(2502)が組織に十分な圧迫を加えることを可能にし得る。板ばね(2508)の好適なばね定数は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0076】
エンドエフェクタ(2540)のいくつかのバリエーションにおいて、ブレード(2542)は、クランプアームアセンブリ(2500)のクロージャストローク中において、圧力プロファイルの低い点と関連する、クランプパッド(2502)の区域に向かって伸びる、突起又は他の突出部を含む。本明細書の教示を考慮することで、このような突起又は他の突出部の好適な位置及び構成が、当業者に明らかになるであろう。クランプパッド(2502、2504)は、セグメント(2510、2520)の両方に沿って伸びる、単一のクランプパッドと置換され得ることが理解されるべきである。このような単一のクランプパッドは、可撓性であり得、ヒンジを含み得る、又は他のいくつかの他の構成を有し得る。更に、本実施例のクランプアームアセンブリ(2500)は、2つのセグメント(2510、2520)を有するが、クランプアームアセンブリ(2500)は代わりに、3つ以上のセグメントを有してもよい。エンドエフェクタ(2540)の他の好適なバリエーションが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0077】
I.楔形クランプパッドを備える代表的クランプアーム
図31A〜31Cは、別の代表的な代替的エンドエフェクタ(2640)を示す。この例のエンドエフェクタ(2640)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(2640)は、超音波ブレード(2642)と、クランプパッド(2646)を備える枢動クランプアーム(2644)と、を含む。シャフトアセンブリ(2630)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(2630)は、外側シース(2632)、及び内側チューブ(2634)を含む。クランプアーム(2644)は、外側シース(2632)及び内側チューブ(2634)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(2644)が、内側チューブ(2634)の外側シース(2632)に対する並進運動に反応して、ブレード(2642)に向かって、又はここから離れるように枢動する。
【0078】
本実施例のクランプパッド(2646)は、楔形の形状を有する。特に、クランプパッド(2646)の遠位部は、クランプパッド(2646)の近位部分よりも厚く、厚さは遠位端から近位端に向かって段階的に薄くなっている。クランプパッド(2646)のテーパは、クランプパッド(2646)の遠位端が、クランプパッド(2646)の近位端より前にブレード(2642)と接触するように構成されている。
【0079】
図31Aは、クランプアーム(2644)が、ブレード(2642)から離間している、開放位置にあるクランプアーム(2644)を示している。エンドエフェクタ(2640)は、図31Aに示されるようにクランプアーム(2644)が開放位置にあるときに、クランプパッド(2646)と、ブレード(2642)との間に組織を位置付けるように操作されてもよいことが理解されるべきである。
【0080】
図31Bは、第1閉鎖位置にあるクランプアーム(2644)を示している。この位置において、クランプパッド(2646)のテーパは、クランプパッド(2646)の残部がブレード(2642)と接触する前に、クランプパッド(2646)の遠位端とブレード(2642)との間に接触をもたらす。換言すると、クランプパッド(2646)は、この段階において対向するブレード(2642)の表面と平行ではない。操作者がクランプアーム(2644)をブレード(2642)に向けて枢動させ続けると、クランプパッド(2646)はブレード(2642)を、図31Cに示されるように、クランプパッド(2646)の全長がブレード(2642)と接触する点まで変形させる。換言すると、クランプパッド(2642)及びブレード(2642)は最終的に、クランプパッド(2646)が、対向するブレード(2642)の表面と平行である平面に沿って向けられる配置に達する。ブレード(2642)は、この段階において、長手方向軸(LA)に対して曲がっている。
【0081】
クランプパッド(2646)及びブレード(2642)は、クランプパッド(2646)及びブレード(2242)の近位区域が互いに接触する前に、クランプパッド(2246)及びブレード(2242)の遠位区域の間に捕捉された組織を圧迫することが理解されるべきである。組織がクランプパッド(2646)及びブレード(2642)の遠位区域の間、並びにクランプパッド(2646)及びブレード(2642)の近位区域の間の両方に位置付けられる場合、遠位区域の組織が最初に、その後近位区域の組織が、圧迫/横切/封止される。図31A〜31Cに示される、クランプパッド(2646)の描写されているテーパ角度、及び図31Cに示される、ブレード(2642)の描写されている曲げ角度は、効果の例示のために誇張されている。実際、テーパ及び曲げの角度は、本明細書の図面に示されるものよりも遥かに小さいことがある。更に、テーパの角度は、曲げ角度とは異なることがある。テーパ及び曲げの好適な角度は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0082】
J.クランプアーム枢動ピンの代表的なカム経路
上記の実施例は、段階的な係合をもたらし、クランプパッド及びブレードの遠位区域が最初に係合し、その後、クランプパッド及びブレードの近位区域が係合する。クランプアームの閉鎖ストロークの最後において、クランプパッドの全長がブレードと接触し得る。組織は、クランプパッド及びブレードの長さの部分の間に挟まれても、クランプパッド及びブレードの長さの残りが、依然として互いに直接接触していることがある。この全長、又はかなりの長さの接触をもたらす代わりに、クランプアームの閉鎖ストローク全体を通じて、制御され、最小化された局地的接触をもたらすことが望ましいことがある。換言すると、クランプアームの閉鎖ストロークの間、クランプパッドとブレードとの間に局地的接触をもたらし、局地的接触の位置を変化させることが望ましい場合がある。下記の実施例は、クランプアームの閉鎖ストロークの間、クランプパッドとブレードとの間に、このような局地化された、動的な接触をもたらす。
【0083】
下記の実施例において、局地化された接触は、クランプアーム及びブレードの近位端から開始して、クランプアーム及びブレードの対応する長さに沿って遠位方向に移動する。いくつかのバリエーションにおいて、局地化された接触は、クランプアーム及びブレードの遠位端から開始して、クランプアーム及びブレードの対応する長さに沿って近位方向に移動する。いずれにせよ、接触の、制御された局地化が、ブレードの起動中の直接接触においてクランプアーム、及び/又はブレードにおいて元来生じ得る、熱量を最小化することができる。換言すると、下記の局地化された動的接触は、上記のクランプパッドとブレードとの間の段階的な接触を有するエンドエフェクタによる生じる熱の低減と同様に、熱の発生を低減させることができる。
【0084】
図32A〜32Cは、超音波ブレード(2742)、クランプアーム(2744)、及びクランプパッド(2746)を含む代表的なエンドエフェクタ(2740)を示している。単に例として、エンドエフェクタ(2740)を使用して、器具(10)のエンドエフェクタ(40)を置換することができる。本実施例のエンドエフェクタ(2740)は、クランプパッド(2746)とブレード(2742)との間の局地化された、動的接触をもたらす。特に、クランプアーム(2744)は、内側チューブ(2760)の外側チューブ(2770)に対する近位方向の並進によって駆動される。内側チューブ(2760)は、近位カムチャネル(2762)、及び遠位カムチャネル(2764)を画定する。外側チューブ(2770)は、垂直方向に伸びる保持チャネル(2772)を画定する。クランプアーム(2744)は、近位カムチャネル(2762)内に摺動自在に配置される、近位ピン(2780)を含む。クランプアーム(2744)はまた、遠位カムチャネル(2764)、及び保持チャネル(2722)の両方の内部に摺動自在に配置される、遠位ピン(2782)を含む。本実施例において、ピン(2780、2782)は、クランプアーム(2744)の横方向両側から外側に延びている。内側チューブ(2760)の示されている側と反対側の内側チューブ(2760)の側は、チャネル(2762、2764)と同一のチャネルを含み得ることが理解されるべきである。同様に、外側チューブ(2770)の示されている側と反対側の外側チューブ(2770)の側は、チャネル(2772)と同一のチャネルを含み得る。
【0085】
チャネル(2762、2764)、及びクランプパッド(2746)の組織接触表面は、クランプパッド(2746)とブレード(2742)との間に局地化された動的接触をもたらすような外形である。特に、内側チューブ(2760)が、外側チューブ(2770)に対して遠位にあるとき、クランプアーム(2744)は、開放位置にあり、よってクランプパッド(2746)は、図32Aに示されるように、ブレード(2742)から離間している。この段階において、組織は、クランプパッド(2746)と、ブレード(2742)との間に位置付けられてもよい。組織が適切に配置されると、内側チューブ(2760)が外側チューブ(2770)に対して近位方向に後退し、クランプアーム(2744)及びクランプパッド(2746)を、ブレード(2742)に向けて駆動する。ピン(2780、2782)と、対応するチャネル(2762、2764、2782)との間におけるカム相互作用により、内側チューブ(2760)の外側チューブ(2770)に対する後退により、クランプアーム(2744)がブレード(2742)に向けて枢動する。図32Bに示されるように、これはまず、クランプパッド(2746)、及びブレード(2742)の局地化された近位部の間に接触をもたらす。内側チューブ(2760)が外側チューブ(2770)に対して後退し続けると、ピン(2780、2782)と、対応するチャネル(2762、2764、2782)との間のカム相互作用が、クランプアーム(2744)を、ブレード(2742)に向けて駆動し続ける。図32Cに示されるように、これは、クランプパッド(2746)とブレード(2742)との間の局地化された接触を、クランプパッド(2746)の近位部からクランプパッド(2746)の遠位部へと、遠位方向に遷移させる。したがって、クランプアーム(2744)の閉鎖ストロークの間の所与の瞬間において、クランプパッド(2746)の小さな局地化された部分のみがブレード(2742)と接触し得る。エンドエフェクタ(2740)内の組織の横切/封止は、クランプパッド(2746)とブレード(2742)との間の動的接触に従って、ブレード(2742)の長さに沿って遠位方向に移動し得ることが理解されるべきである。
【0086】
図33A〜33Cは、超音波ブレード(2842)、クランプアーム(2844)、及びクランプパッド(2846)を含む別の代表的なエンドエフェクタ(2840)を示している。単に例として、エンドエフェクタ(2840)を使用して、器具(10)のエンドエフェクタ(40)を置換することができる。本実施例のエンドエフェクタ(2840)は、クランプパッド(2846)とブレード(2842)との間の局地化された、動的接触をもたらす。特に、クランプアーム(2844)は、内側チューブ(2860)の外側チューブ(2870)に対する近位方向の並進によって駆動される。内側チューブ(2860)は、近位カムチャネル(2862)、及び遠位カムチャネル(2864)を画定する。外側チューブ(2870)は、垂直方向に伸びる保持チャネル(2872)を画定する。クランプアーム(2844)は、近位カムチャネル(2862)内に摺動自在に配置される、近位ピン(2880)を含む。クランプアーム(2844)はまた、遠位カムチャネル(2864)、及び保持チャネル(2872)の両方の内部に摺動自在に配置される、遠位ピン(2882)を含む。本実施例において、ピン(2880、2882)は、クランプアーム(2844)の横方向両側から外側に延びている。内側チューブ(2860)の示されている側と反対側の内側チューブ(2860)の側は、チャネル(2862、2864)と同一のチャネルを含み得ることが理解されるべきである。同様に、外側チューブ(2870)の示されている側と反対側の外側チューブ(2870)の側は、チャネル(2872)と同一のチャネルを含み得る。
【0087】
チャネル(2862、2864)、及びクランプパッド(2846)の組織接触表面は、クランプパッド(2846)とブレード(2842)との間に局地化された動的接触をもたらすような外形である。特に、内側チューブ(2860)が、外側チューブ(2870)に対して遠位にあるとき、クランプアーム(2844)は、開放位置にあり、よってクランプパッド(2846)は、図33Aに示されるように、ブレード(2842)から離間している。この段階において、組織は、クランプパッド(2846)と、ブレード(2842)との間に位置付けられてもよい。組織が適切に配置されると、内側チューブ(2860)が外側チューブ(2870)に対して近位方向に後退し、クランプアーム(2844)及びクランプパッド(2846)を、ブレード(2842)に向けて駆動する。ピン(2880、2882)と、対応するチャネル(2862、2864、2882)との間におけるカム相互作用により、内側チューブ(2860)の外側チューブ(2870)に対する後退により、クランプアーム(2844)がブレード(2842)に向けて枢動する。図33Bに示されるように、これはまず、クランプパッド(2846)、及びブレード(2842)の局地化された近位部の間に接触をもたらす。内側チューブ(2860)が外側チューブ(2870)に対して後退し続けると、ピン(2880、2882)と、対応するチャネル(2862、2864、2882)との間のカム相互作用が、クランプアーム(2844)を、ブレード(2842)に向けて駆動し続ける。図33Cに示されるように、このクランプパッド(2846)とブレード(2842)との間の局地化された接触を、クランプパッド(2846)の近位部からクランプパッド(2846)の遠位部へと、遠位方向に遷移させる。したがって、クランプアーム(2844)の閉鎖ストロークの間の所与の瞬間において、クランプパッド(2846)の小さな局地化された部分のみがブレード(2842)と接触し得る。エンドエフェクタ(2840)内の組織の横切/封止は、クランプパッド(2846)とブレード(2842)との間の動的接触に従って、ブレード(2842)の長さに沿って遠位方向に移動し得ることが理解されるべきである。
【0088】
K.湾曲した先端部を備える、代表的なクランプパッド
クランプパッド(46、146)の遠位端がブレード(42、142)の遠位端と完全に並置されるとき、クランプパッド(46、146)、及びブレード(42、142)は協調して、その前にクランプパッド(46、146)の遠位端とブレード(42、142)の遠位端との間にあった組織を完全に切断している場合がある。いくつかの場合において、クランプパッド(46、146)の遠位端と、ブレード(42、142)の遠位端におけるこのような切断を避けることが望ましい場合がある。特に、クランプパッド(46、146)の遠位端、及びブレード(42、142)の遠位端における組織の切断を防ぐため、クランプパッド(46、146)の遠位端、及びブレード(42、142)の遠位端において小さい空隙を設けることが望ましいことがある。
【0089】
図34は、超音波ブレード(2942)、クランプアーム(2944)、及びクランプパッド(2946)を含む代表的な代替的エンドエフェクタ(2940)を示している。エンドエフェクタ(2940)は、エンドエフェクタ(40)の代わりに、器具(10)に容易に組み込まれてもよいことが理解されるべきである。クランプアーム(2944)及びクランプパッド(2946)は、クランプパッド(2946)に上方に湾曲した遠位先端部(2988)を設けるように構成されている。図35に示されるように、クランプアーム(2944)が完全に閉鎖位置にあるときでさえ、遠位先端部(2988)とブレード(2942)との間に空隙距離(d)をもたらす。したがって、クランプパッド(2946)とブレード(2942)との間で組織が完全にクランプされるとき、遠位先端部(2988)とブレード(2942)との間の組織は切断されない。代わりに、遠位先端部(2988)とブレード(2942)との間の空隙内の組織にもたらされる、圧力勾配は、組織の封止を促進する。遠位先端部(2988)の湾曲した構成はしたがって、遠位先端部(2988)がブレード(2942)と完全に並置されるバージョンにおいて元来生じ得る、組織の出血の可能性を低減させることがある。他のいくつかのバリエーションにおいて、遠位先端部(2988)は、湾曲するのではなく、実質的に真っ直ぐな経路に沿って上方に向かって斜めに角度を成している。
【0090】
以下でより詳細に記載されるように、いくつかのエンドエフェクタは、段階的接触モードと、全体的な接触モードとの間で切り替え可能であり得る。段階的接触モードにおいて、クランプパッド及びブレードの遠位区域が最初に係合し、その後、クランプパッド及びブレードの近位区域が係合する。完全接触モードにおいて、クランプパッドの全長が、ブレードと実質的に同時に係合する。エンドエフェクタ(2940)は、このような切り替え可能なモードをもたらすように容易に適合することができる。図34に示されるエンドエフェクタ(2940)の構成は、完全接触モードと関連し得る。
【0091】
Lクランプアーム段階触覚フィードバックの代表的な特徴
上記の様々代表的なエンドエフェクタは、段階的な係合をもたらし、クランプパッド及びブレードの遠位区域が最初に係合し、その後、クランプパッド及びブレードの近位区域が係合する。いくつかの場合において、操作者にとって、エンドエフェクタが、クランプパッド及びブレードの遠位区域のみが係合する状態から、クランプパッド及びブレードの近位区域も係合する状態に遷移するのを視覚化するのが困難である場合がある。エンドエフェクタが遠位係合状態(例えば、図9B、15A、21B、25B、26B、30A、31B)から全長係合状態(例えば、図9C、15B、21C、25C、26C、30B、31Cに示される)に遷移するときに、操作者に知らせるために、何らかの形態の触覚フィードバックをもたらすことが望ましい場合がある。
【0092】
図35〜36は、代表的なシャフトアセンブリ(3030)、及びクランプアームアセンブリ(3050)を示し、これらは、エンドエフェクタが遠位係合状態から全長係合状態に遷移するときに、操作者に知らせるために、操作者に触覚フィードバックをもたらし得る、代表的なシャフトアセンブリ(3030)及びクランプアームアセンブリ(3050)を示している。シャフトアセンブリ(3030)及びクランプアームアセンブリ(3050)は、シャフトアセンブリ(130)及びクランプアームアセンブリ(150)の代わりに、器具(100)に容易に組み込まれ得ることが理解されるべきである。図35に示されるように、本実施例のシャフトアセンブリ(3030)は、外側シース(3032)及びキャップ(3034)を含む。超音波ブレード(3042)は、シャフトアセンブリ(3030)から遠位方向に伸びる。係合フィン(3000)は、シース(3032)から横方向に延びる。フィン(3000)は、コイルばね(3004)、及び戻り止め部材(3010)を受容するように構成された窪み(3002)を含む。戻り止め部材(3010)は、シャフト(3012)及びボール(3014)を含む。窪み(3002)は、戻り止め部材(3010)が窪み(3002)内に少なくとも部分的に配置され得、ボール(3014)の一部が窪み(3002)から突出するように、構成されている。コイルばね(3004)がボール(3014)を外側に弾性的に付勢しているが、フィン(3000)は、窪み(3002)内に戻り止め部材(3010)を保持している。フィン(3000)はまた枢動開口部(3008)を含む。
【0093】
図36に示されるように、本実施例のクランプアームアセンブリ(3050)は、シャンク(3052)、クランプアーム(3044)、及びクランプパッド(2046)を含む。クランプアーム(3044)は、板ばね(3070)により、シャンク(3052)に固定される。クランプアームアセンブリ(3050)はしたがって、図7〜9Cに示され、先に記載された実施例と実質的に同様である。シャンク(3052)は、フィン(3000)の枢動開口部(3008)と位置合わせするように構成された、枢動開口部(3054)を含む。クランプアームアセンブリ(3050)はしたがって、位置合わせされた開口部(3008、3054)に挿入されたピンによって、シャフトアセンブリ(3030)と枢動可能に連結され得る。本実施例のシャンク(3052)はまた、窪み(3056)を含む。
【0094】
クランプアームアセンブリ(3050)及びシャフトアセンブリ(3030)は一緒に枢動可能に連結されるとき、クランプアームアセンブリ(3050)は、シャフトアセンブリ(3030)に対する枢動運動の第1範囲にわたり移動してもよく、ここでボール(3014)はクランプアームアセンブリ(3050)のいずれの部分とも係合していない。しかしながら、一度クランプアームアセンブリ(3050)が、シャフトアセンブリ(3030)に対する枢動運動の第1範囲を完了すると、ボール(3014)は、窪み(3056)付近の縁部においてシャンク(3052)と係合する。操作者は、クランプアームアセンブリ(3050)の更なる枢動に対する、抵抗の増加という形でこの係合を感じ得ることが理解されるべきである。この抵抗の増加は、弾性的に付勢されたボール(3014)と、シャンク(3050)との間の摩擦によってもたらされてもよい。操作者はそれでも、クランプアームアセンブリ(3050)を、シャフトアセンブリ(3030)に対する枢動運動の第2範囲を通じ、ボール(3014)が窪み(3056)に達するまで、枢動させ続けることができる。この点において、ボール(3014)は、窪み(3056)に嵌まることがあり、操作者は触覚フィードバックとしてこれを感じることができる。いくつかのバージョンにおいて、操作者はシャフトアセンブリ(3030)に対する枢動運動の第2範囲を通じて、クランプアームアセンブリ(3050)を枢動させ続けることができる。他のいくつかのバージョンにおいて、窪み(3056)へのボール(3014)の係合は、クランプアームアセンブリ(3050)がシャフトアセンブリ(3030)に対してそれ以上枢動させることができないか、又はシャフトアセンブリ(3030)に対してそれ以上枢動させるべきではないことを示す。
【0095】
上記のように、ボール(3014)は枢動運動の第1範囲の完了、及び枢動運動の第2範囲の完了と関連する触覚フィードバックをもたらし得る。いくつかのバージョンにおいて、枢動運動の第1範囲は、クランプパッド(3046)の遠位部のみがブレード(3042)と係合する(又はクランプパッド(3046)の遠位部のみが組織をブレード(3042)に対して圧迫する)第1段階と関連し、一方で枢動運動の第2範囲は、クランプパッド(3046)の全長がブレード(3042)と係合する(又はクランプパッド(3046)の全長が組織をブレード(3042)に対して圧迫する)第2段階と関連する。したがって、ボール(3014)は、シャンク(3052)と係合し、遠位係合状態から全長係合状態への遷移を示す、触覚フィードバックをもたらす。窪み(3056)はいくつかのこのようなバージョンにおいて省略され得ることが理解されるべきである。
【0096】
他のいくつかのバージョンにおいてクランプパッド(3046)は、枢動運動の第1範囲において組織を圧迫しない。代わりに、枢動運動の第2範囲は、クランプパッド(3046)の遠位部のみがブレード(3042)と係合する(又はクランプパッド(3046)の遠位部のみが組織をブレード(3042)に対して圧迫する)段階と関連し、一方で枢動運動の第3範囲は、クランプパッド(3046)の全長がブレード(3042)と係合する(又はクランプパッド(3046)の全長が組織をブレード(3042)に対して圧迫する)第2段階と関連する。したがって、ボール(3014)は、シャンク(3052)と係合し、遠位係合状態の開始を示す触覚フィードバックをもたらし、ボール(3014)が窪み(3056)と係合して、全長係合状態を示す触覚フィードバックをもたらす。
【0097】
図37〜38Cは、クランプアーム閉鎖の第1段階から、クランプアーム閉鎖の第2段階への遷移を示す、触覚フィードバックをもたらすように構成された、別の代表的超音波外科用器具(3080)を示している。本実施例の器具(3080)は、本実施例の器具(3080)が、本体(3082)、シャフトアセンブリ(3084)、超音波ブレード(3086)、及びクランプアームアセンブリ(3090)を含むという点において、上記の器具(100)と実質的に同様である。本体(3082)は、ブレード(3086)の超音波振動をもたらすように動作可能であり得る、超音波トランスデューサアセンブリ(例えば、トランスデューサアセンブリ(112)などと同様)を受容し得ることが理解されるべきである。同様に、本体(3082)は、フィンガーグリップリング(例えば、フィンガーグリップリング(124)などと同様)、ボタン(例えば、ボタン(126)などと同様)、及び/又は様々な他の機構を含むことがある。
【0098】
クランプアーム(3090)は、ピン(3092)にてシャフトアセンブリ(3084)と枢動可能に連結されている。クランプアームアセンブリ(3090)は、ピン(3092)の近位に、親指グリップリング(3096)を備えるシャンク(3094)を含む。クランプアームアセンブリ(3090)はまた、ピン(3092)の遠位に、クランプパッド(3102)を備えるクランプアーム(3100)を含む。シャンク(3094)及びクランプアーム(3100)は、一緒に固定され、これにより親指グリップリング(3096)及びシャンク(3094)はピン(3092)を中心に本体(3082)の方に駆動されて、クランプパッド(3102)を超音波ブレード(3086)の方に駆動し、よってクランプパッド(3102)と超音波ブレード(3086)との間の組織を圧迫する。本明細書において記載される他の様々な実施例において、クランプアーム(3100)は、閉鎖の第1段階においてクランプパッド(3102)の遠位端のみが組織を超音波ブレード(3086)に対して圧迫するように、構成されている。クランプアームアセンブリ(3090)が閉鎖の第2段階を通じて駆動される場合、クランプアーム(3100)は変形して、クランプパッド(3102)の残りの長さもまた、超音波ブレード(3086)に対して組織を圧迫する。
【0099】
本実施例のクランプアームアセンブリ(3090)は、親指グリップリング(3096)に隣接するシャンク(3094)の近位端から延びるフィードバック部材(3110)を更に含む。本実施例のフィードバック部材(3110)は、自由端(3112)が親指グリップリング(3096)から離間するように自由端(3112)を位置付けるように弾性的に付勢された、板ばねとして形成される。本実施例において、親指グリップリング(3096)は、自由端(3112)の方に延びる突出部(3098)を含む。同様に、自由端(3112)は、本体(3082)の方に延びる突出部(3114)を含む。本体(3082)は、突出部(3114)を受容するように構成された、窪み(3088)を含む。以下により詳細に記載されるように、突出部(3098、3114)及び窪み(3088)は協調して戻り止め機構を提供する。突出部(3098、3114)及び窪み(3088)は単に任意的なものであり、よって突出部(3098、3114)及び窪み(3088)は所望により置換、補完、又は完全に省略され得ることが理解されるべきである。
【0100】
図38A〜38Cは、器具(3080)の様々な動作状態を示している。特に、図38Aは、開放状態の器具(3080)を示しており、クランプアーム(3100)、及びクランプパッド(3102)は、超音波ブレード(3086)から離間している。この状態において、操作者は、クランプパッド(3102)と超音波ブレード(3086)との間に組織が位置するように、器具(3080)を位置付けてもよい。一度器具(3080)が好適に位置付けられると、操作者は、親指リンググリップ(3096)を本体(3082)の方に駆動することにより、クランプパッド(3102)を超音波ブレード(3086)の方に駆動してもよい。この起動中におけるある点において、クランプパッド(3102)は、組織を超音波ブレード(3086)に対して圧迫し始める。クランプパッド(3102)は最終的に、クランプパッド(3102)が閉鎖の第1段階にある状態にある器具(3080)を表す、図38Bに示されるのと同じ位置に到達する。見られるように、この閉鎖の第1段階において、クランプパッド(3102)の遠位端のみが、組織を超音波ブレード(3086)に対して圧迫している。操作者は、図38Aに示される位置から図38Bに示される位置までの、クランプアームアセンブリ(3090)の回転に対し、比較的低い抵抗を感じ得ることが理解されるべきである。ピン(3092)における摩擦以外には、クランプパッド(3102)と超音波ブレード(3086)との間に挟まれている組織によってのみ抵抗がもたらされる。
【0101】
図38Bに見られるように、一度クランプアームアセンブリ(3090)が閉鎖の第1段階に達すると、フィードバック部材(3110)の自由端(3112)は、本体(3082)と接触する。特に、突出部(3114)は、窪み(3088)に受容される。操作者は、親指リンググリップ(3096)を本体(3082)の方に、最終的に図38Cに示される閉鎖の第2段階に達するまで駆動し続けることができる。図38Bに示される閉鎖の第1段階から図38Cに示される閉鎖の第2段階への遷移の間、クランプアーム(3100)は、クランプパッド(3102)の近位部が最終的に組織を超音波ブレード(3086)に対して圧迫するように、変形する。本明細書において記載される様々な特徴のいずれかを使用して、クランプパッド(3102)の段階的な閉鎖動作をもたらし得ることが理解されるべきである。図38Bに示される閉鎖の第1段階から図38Cに示される閉鎖の第2段階への遷移の間、フィードバック部材(3110)が変形することにより、クランプアームアセンブリ(3090)の更なる枢動移動に対して追加的な抵抗がもたらされる。したがって、操作者は、フィードバック部材(3110)の変形によりもたらされる抵抗の増加という形態の触覚フィードバックにより、閉鎖の第1段階から閉鎖の第2段階への遷移を知覚し得ることが理解されるべきである。この抵抗の増加は、実質的、及び/又は別の様式で急激であり、操作者に対して明確な信号をもたらす。親指リンググリップ(3096)の突出部(3098)は最終的にフィードバック部材(3110)と係合し、閉鎖の第2段階の完了を示すためのハードストップをもたらす。
【0102】
いくつかの場合において、操作者は閉鎖の第1段階のみを完了することを所望する。したがって、操作者が、フィードバック部材(3110)によりもたらされる抵抗の急激な増加を感じるとすぐに、操作者はクランプアームアセンブリ(3090)を解放してもよい。単に例として、これは操作者が組織に比較的小さな切断部のみを形成することを所望する場合に、適用され得る。あるいは、操作者は閉鎖の第2段階へと進み、その後クランプアームアセンブリ(3090)を解放してもよい。
【0103】
フィードバック部材(3110)は、様々な方法で、変更、置換、又は補完され得ることが理解されるべきである。単に例として、シャフトアセンブリ(3084)、親指リンググリップ(3096)、シャンク(3094)、及び/又は器具(3080)の他のいくつかの機構に曲げ支持体(buckling support)が追加されてもよい。このような曲げ支持体は、曲がることによって閉鎖の第1段階から閉鎖の第2段階への遷移を示すことができる。別の単に例示的な実施例として、シャフトアセンブリ(3084)は、窪み(3088)及び突出部(3114)が、閉鎖の第1段階から閉鎖の第2段階への遷移を示すために、パチンという音、又は他の何らかの形態の触覚フィードバック及び/若しくは可聴フィードバックをもたらす戻り止めアセンブリをもたらすように、窪み(3088)が突出部(3114)よりも僅かに小さくなるように構成されていてもよい。更に別の単なる例示的な実施例として、窪み(3088)は、閉鎖の第1段階から閉鎖の第2段階への遷移が達成されるときに、突出部(3114)によりかけられる力に反応して曲がる、曲げ機構と交換されてもよい。当然、フィードバック部材(3110)はまた、圧迫/コイルばね、及び/又は他の何らかの形態の弾性部材と交換されてもよい。同様に、フィードバック部材(3110)は、ピン(3092)の周囲に位置付けられ、閉鎖の第1段階から閉鎖の第2段階への遷移が達成されるときに係合する、トーションばねと交換されてもよい。器具が、遠位係合状態から全長係合状態への遷移を示す、触覚フィードバックをもたらし得る、他の好適な方法は、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかである。
【0104】
M.代表的なクランプアーム段階選択機構
上記の様々な代表的なエンドエフェクタは、段階的な係合をもたらし、クランプパッド及びブレードの遠位区域が最初に係合し、その後、クランプパッド及びブレードの近位区域が係合する。いくつかの場合において、遠位係合モードと全長係合モードとの間で選択する能力を操作者にもたらすことが望ましい場合がある。単に例として、遠位係合モードは、クランプパッド及びブレードの遠位区域の間の係合のみをもたらし、クランプパッド及びブレードの近位区域の間の係合を防ぐことができる。全長係合モードが、クランプパッドとブレードの全長の間の係合のみをもたらしてもよい。加えて、又は代替的に器具は段階的係合モードの選択をもたらしてもよく、クランプパッド及びブレードの遠位区域が最初に係合し、その後、クランプパッド及びブレードの近位区域が係合する。器具がモード選択をもたらし得る様々な例が、以下でより詳細に記載される。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0105】
図39は、ハンドルアセンブリ(20)の代替として使用され得る代表的な代替的ハンドルアセンブリ(3120)を示している。本実施例のハンドルアセンブリ(3120)は、ピストルグリップ(3124)と、一対のボタン(3126)とを含む本体(3122)を備えている。ハンドルアセンブリ(3120)はまた、本明細書に記載されるように、クランプアームを、超音波ブレードの方に、及びここから離れるように、選択的に駆動するために、ピストルグリップ(3124)の方に、及びここから離れるように、枢動可能なトリガ(3128)を含む。ハンドルアセンブリ(3120)はまた、本体(3122)と枢動可能に連結される、スイッチ(3100)を含む。スイッチ(3100)は、シャフトアセンブリ(3130)の遠位端に位置付けられたクランプアームの動作モードを選択するように枢動可能である。単に例として、スイッチ(3100)は、遠位係合モード、完全係合モード、及び/又は段階的係合モードから選択するのを可能にし得る。スイッチ(3100)は、トリガ(3128)がピストルグリップ(3124)に向かって枢動し得る距離を選択的に制限することによって、このような段階的選択を実施するよう動作可能である、機械的アセンブリと連結され得る。あるいは、スイッチ(3100)は、内側チューブ(図示されない)が外側シース(3130)に対して後退し得る距離を選択的に制限することによって、このような段階的選択を実施するよう動作可能である、機械的アセンブリと連結され得る。スイッチ(3100)がクランプアーム起動のモード選択をもたらし得る様々な好適な方法が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0106】
図40は、ハンドルアセンブリ(20)の代替として使用され得る別の代表的な代替的ハンドルアセンブリ(3220)を示している。本実施例のハンドルアセンブリ(3220)は、ピストルグリップ(3224)と、一対のボタン(3226)とを含む本体(3222)を備えている。ハンドルアセンブリ(3220)はまた、本明細書に記載されるように、クランプアームを、超音波ブレードの方に、及びここから離れるように、選択的に駆動するために、ピストルグリップ(3224)の方に、及びここから離れるように、枢動可能なトリガ(3228)を含む。ハンドルアセンブリ(3220)はまた、本体(3222)と摺動自在に連結される、スイッチ(3200)を含む。スイッチ(3200)は、シャフトアセンブリ(3230)の遠位端に位置付けられたクランプアームの動作モードを選択するように枢動可能である。単に例として、スイッチ(3200)は、遠位係合モード、完全係合モード、及び/又は段階的係合モードから選択するのを可能にし得る。スイッチ(3200)は、トリガ(3228)がピストルグリップ(3224)に向かって枢動し得る距離を選択的に制限することによって、このような段階的選択を実施するよう動作可能である、機械的アセンブリと連結され得る。あるいは、スイッチ(3200)は、内側チューブ(図示されない)が外側シース(3230)に対して後退し得る距離を選択的に制限することによって、このような段階的選択を実施するよう動作可能である、機械的アセンブリと連結され得る。スイッチ(3200)がクランプアーム起動のモード選択をもたらし得る様々な好適な方法が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0107】
図41A〜41Bは、クランプアーム作動がもたらされ得るモード選択の方法の、1つの単なる例示的実施例を示している。特に、図41A〜41Bは、上記のエンドエフェクタ(2340)と実質的に同様である、代表的なエンドエフェクタ(3340)を示している。本実施例のエンドエフェクタ(3340)は、超音波ブレード(3342)、クランプアーム(3344)、及びクランプパッド(3346)を含む。クランプパッド(3346)は、ピン(3310)によってクランプアーム(3344)と枢動可能に連結されている。プッシュワイヤ(3300)は、シャフトアセンブリ(3330)内に摺動自在に配置され、クランプアーム(3344)内へと延びる。プッシュワイヤ(3300)は、図41Aに示される遠位と、図41Bに示される近位との間で可動である。プッシュワイヤ(3300)の遠位端は、クランプパッド(3346)に接するように構成された、横方向に延びる局地化された圧力機構(3302)を含む。したがって、プッシュワイヤ(3300)が遠位にあるとき、局地化された圧力機構(3302)がクランプパッド(3346)の遠位部に接し、これによりクランプパッド(3346)は、図41Aに示されるように、ピン(3310)を中心として枢動可能に配向される。プッシュワイヤ(3300)が近位にあるとき、局地化された圧力機構(3302)がクランプパッド(3346)の近位部に接し、これによりクランプパッド(3346)は、図41Bに示されるように、ピン(3310)を中心として枢動可能に配向される。
【0108】
クランプパッド(3346)が図41に示される向きにあるとき、エンドエフェクタ(3340)は、遠位係合モードにある。クランプパッド(3346)が図41Bに示される向きにあるとき、エンドエフェクタ(3340)は、完全係合モードにある。したがって、エンドエフェクタ(3340)のモードは、エンドエフェクタ(3340)に対するプッシュワイヤ(3300)の長手方向位置に基づき得ることが理解されるべきである。プッシュワイヤ(3300)は、スイッチ(3100、3200)及び/又は他の任意の好適な構成要素などの、ユーザー入力機構と容易に連結され得ることが理解されるべきである。
【0109】
図42〜43は、クランプアーム作動がもたらされ得るモード選択の方法の、別の単なる例示的実施例を示している。特に、図42は、器具(3400)がハンドルアセンブリ(3420)、シャフトアセンブリ(3430)、エンドエフェクタ(3440)、及びクランプアームアセンブリ(3450)を有するという点において、器具(100)と実質的に同様である、代表的な器具(3400)を示している。エンドエフェクタ(3440)は、超音波ブレード(3442)と、クランプパッド(3446)を備えるクランプアーム(3444)と、を含む。エンドエフェクタ(3440)は、クランプパッド(3446)及びブレード(3442)の遠位区域が最初に、その後、クランプパッド(3446)及びブレード(3442)の近位区域が係合するように、クランプパッド(3446)とブレード(3442)との間に段階的な係合をもたらすように構成されている。エンドエフェクタ(3440)は、このような段階的な係合をもたらすために、本明細書における様々な教示のいずれかに従って構成され得る。
【0110】
クランプアームアセンブリ(3450)は、クランプパッド(3446)とブレード(3442)との間の遠位の係合をもたらすために、運動の第1範囲を通じ、シャフトアセンブリ(3450)に対して枢動可能である。この運動の第1範囲を完了した後、クランプアームアセンブリ(3450)は、クランプパッド(3446)とブレード(3442)との間の完全係合をもたらすために、運動の第2範囲を通じ、シャフトアセンブリ(3430)に対して枢動可能である。本実施例の器具(3400)は、クランプアームアセンブリ(3450)が運動の第1範囲を完了した後に、クランプアームアセンブリ(3450)の枢動運動を停止させるように動作可能である、停止リング(3410)を更に含む。停止リング(3410)は、クランプアームアセンブリ(3450)のシャンク(3452)に対し、停止機構(3412)を選択的に位置付けるために、ハンドルアセンブリ(3420)の本体(3422)の周囲に回転可能に位置付けられる。図43は、停止リング(3410)をより詳細に示している。図42は、クランプアームアセンブリ(3450)が運動の第1範囲を完了した後に、停止機構(3412)がシャンク(3452)と係合するように、配向された停止リング(3410)を示している。停止機構(3412)はしたがって、クランプアームアセンブリ(3450)が、運動の第2範囲を通じて枢動するのを防ぐ。したがって、停止リング(3410)が、ハンドルアセンブリの本体(3422)の周囲でこの角度で配向されているとき、停止リング(3410)が遠位係合モードの選択を生じることが理解されるべきである。完全係合モードをもたらすために、操作者は、停止機構(3412)がクランプアームアセンブリ(3450)の枢動運動をそれ以上停止しないように、本体(3422)を中心に停止リング(3410)を単純に回転させてもよい。クランプアームアセンブリ(3450)はしたがって、停止リング(3410)が回転されて完全係合モードをもたらすときに、運動の第1範囲及び第2範囲の両方を通じて枢動し得る。
【0111】
図44A〜44Bは、クランプアーム作動がもたらされ得るモード選択の方法の、更に別の単なる例示的実施例を示している。特に図44A〜44Bは、ハンドルアセンブリ(20)の代替として使用され得る代表的な代替的ハンドルアセンブリ(3520)を示している。本実施例のハンドルアセンブリ(3520)は、ピストルグリップ(3524)と、一対のボタン(3526)とを含む本体(3522)を備えている。ハンドルアセンブリ(3520)はまた、本明細書に記載されるように、クランプアーム(3544)を、超音波ブレードの方に、及びここから離れるように、選択的に駆動するために、ピストルグリップ(3524)の方に、及びここから離れるように、枢動可能なトリガ(3528)を含む。ハンドルアセンブリ(3520)はまた、流体リザーバ(3500)、及び流体リザーバ(3500)から延びる流体導管(3502)を含む。導管(3502)は更に、シャフトアセンブリ(3530)から、クランプアーム(3544)内に位置付けられるブラダ(3504)へと、シャフトアセンブリ(3530)を通じて延びる。特に、ブラダ(3504)は、クランプアーム(3544)の近位部と、クランプパッド(3546)の近位部との間に位置付けられる。クランプパッド(3546)の遠位部は、クランプアーム(3544)の遠位部に直接固定される。クランプパッド(3546)は可撓性であり、したがって、クランプパッド(3546)は、遠位係合モード構成(図44A)から完全係合モード構成(図44B)へと遷移し得る。
【0112】
リザーバ(3500)、導管(3502)、及びブラダ(3504)が閉じた流体回路を形成する。単に例として、リザーバ(3500)は、ベローズアセンブリ、シリコーンバルブ、導管(3502)の近位方向長さ、及び/又は本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかである、他の任意の好適な種類の構造を含み得る。ハンドルアセンブリ(3520)は、トリガ(528)がピストルグリップ(3524)の方に枢動するときに、リザーバ(3500)を圧迫するように構成されている。リザーバ(3500)のこの圧縮は、リザーバ(3500)からブラダ(3504)まで流体(例えば、生理食塩水)を推進し、ブラダ(3504)を拡大させる。図44Bに示されるように、ブラダ(3504)のこの拡大は、クランプパッド(3546)の近位部を、クランプアーム(3544)の近位部から離れるように駆動する。いくつかのバージョンにおいて、クランプパッド(3546)は、弾性的に付勢されて図44Aに示される構成をとり、これにより操作者がトリガ(3528)の把持を弱めた後、クランプパッド(3456)の弾性が流体をブラダ(3504)からリザーバ(3500)へと戻し、クランプパッド(3546)が図44Aに示される構成に戻るのを可能にする。
【0113】
本実施例において、トリガ(3528)は、運動の第1範囲を通じてピストルグリップ(3524)の方に枢動可能であり、ここでクランプパッド(3546)は、図44Aに示されるように構成される。トリガ(3528)は、運動のこの第1範囲の間、リザーバ(3500)と係合しない。換言すると、トリガ(3528)が運動の第1範囲を通じて枢動する間、ハンドルアセンブリ(3520)及びクランプパッド(3546)は、遠位係合モードをもたらす。トリガ(3538)は、運動の第2範囲を通じてピストルグリップ(3524)の方に枢動し続けると、図44Bに示されるように、トリガ(3528)がリザーバ(3500)と係合して流体をブラダ(3504)へと推進する。トリガ(3528)が運動の第2範囲を通じて枢動する間、ハンドルアセンブリ(3520)及びクランプパッド(3546)はしたがって、完全係合モードをもたらす。操作者は、トリガ(3528)が運動の第1範囲を完了するとすぐに、トリガ(3528)の更なる枢動運動に対して、リザーバ(3500)から抵抗の増加を感じ得ることが理解されるべきである。これは、この抵抗の増加はしたがって、操作者に触覚フィードバックをもたらし、遠位係合モードから完全係合モードへの遷移を示すことができる。
【0114】
他のいくつかのバージョンにおいて、リザーバ(3500)は、別個の入力機構を通じて起動される。いくつかのこのようなバージョンにおいて、ハンドルアセンブリ(3520)、及びクランプパッド(3546)は、別個の入力機構により行われるモード選択に基づいて、トリガ(3528)のピストルグリップ(3524)の方への枢動運動の全範囲を通じて、遠位係合モード、又は完全係合モードのいずれかを選択的にもたらす。
【0115】
更に他のバリエーションにおいて、可撓性クランプパッドの一部と、クランプアームの対応する部分の間の距離が、シム又はマンドレル機構を含む、プッシュワイヤ(3300)のバリエーションの使用により調節可能である。このようなシム、又はマンドレル機構は、上記のブラダー(3504)と同様に動作し得る。特に、シム又はマンドレル機構は、クランプパッドの一部をクランプアームから離れるように選択的に駆動するカムとして機能し得る。例えば、シム、又はマンドレル機構は、完全係合モードをもたらすために、クランプパッドの近位部とクランプアームの近位部との間に遠位方向に位置付けられてもよい。シム、又はマンドレル機構はその後、シム、又はマンドレル機構が、完全係合モードをもたらすために、クランプパッドの近位部とクランプアームの近位部との間にそれ以上位置付けられないように、近位方向に位置付けられてもよい。係合モード選択をもたらすために、クランプパッドの部分がクランプアームに対して選択的に位置付けられ得る他の好適な方法が、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0116】
上記の段階的な係合実施例のいずれかにおいて、エンドエフェクタが遠位係合モードにあるか、又は完全係合モードにあるかに基づいて、発電機(16、116)が、超音波ブレードの起動のための電力プロファイルを調節し得ることが理解されるべきである。例えば、器具は、係合モードを検出するように構成された1つ以上のセンサーを含み得る。発電機(16、116)は、このような1つ以上のセンサーと連絡することができる。あるいは、器具が遠位係合モードと完全係合モードとの間の手動の選択をもたらすバージョンにおいて、発電機(16、116)は、モードの手動選択をもたらすために使用される機構の状態に基づいて、モードを検出することができる。
【0117】
III その他
器具(10、100)の形態における熱を低減するために段階的クランピングを使用することに加えて、又はその代わりに、流体を使用してブレード(42、142)を冷却してもよい。例えば、冷却流体(例えば、生理食塩水など)は、ブレード(42、142)の近位端に適用されてもよい。冷却流体はその後、ブレード(42、142)の長さの残部に沿って遠位方向に伝搬されて、ブレードを冷却し得る。ブレード(42、142)の超音波振動は、このような流体の遠位方向の伝搬をもたらし得る。いくつかのこのような形態において、特定の振動スキームを使用して、ブレード(42、142)に沿って液体を遠位方向に推進してもよい。このような特定の振動スキームは、ブレードがこのような方法で駆動される間に、ブレード(42、142)と接触する組織に、顕著な効果を及ぼさないことがある。例えば、ブレード(42、142)は、ブレード(42、142)に沿って液体を遠位方向に推進するために、低振幅運動の、短いパルス(例えば、およそ10〜20マイクロ秒の持続時間)で振動し得る。いくつかのこのような場合において、発電機(16、116)は、操作者がいずれのボタン(26、126)も押していないときに、ブレード(42、142)の超音波活性化を駆動するような液体を提供するようにプログラミングされる。加えて、又は代わりに、発電機(16、116)は、発電機(16、116)が、ブレード(42、142)が組織に接触していないことを検出したときに、ブレード(42、142)の超音波活性化を駆動する液体を提供するようにプログラミングされてもよい。更に別の単に例示の実施例として、器具(10、100)は、液体駆動振動スキームを手動で始動するように動作可能である、別個のユーザー入力機構を含んでもよい。液体推進振動スキームが始動され得る他の適切な方法は、当業者には本明細書の教示を考慮すると明らかであろう。
【0118】
いくつかの他の形態において、組織切断/封止の間にブレードを駆動するために使用される同じ振動運動は、ブレード(42、142)に沿って液体を遠位方向に推進することができる。更に別の単に例示としての実施例として、流体は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月23日公開の「Use of Biomarkers and Therapeutic Agents with Surgical Devices」という名称の米国特許出願公開2011/0152759号の教示の少なくとも一部に従って、ブレードに、及び/又はこれに沿って伝搬されてもよい。医療用流体の分配に関する、米国特許出願公開第2011/0152759号の教示は、冷却流体の伝搬をもたらすように容易に適合され得ることが理解される。流体が、ブレード(42、142)を冷却するために使用され得る方法の追加的な実施例が、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Features to Apply Fluid to an Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7325USNP.0616768)、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Features to Drive Fluid toward an Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国出願(代理人整理番号END7479USNP.0616774)、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Features for Communication of Fluid through Shaft Assembly of Ultrasonic Surgical Instrument」という名称の米国出願(代理人整理番号END7577USNP.0621500)、及びその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Ultrasonic Surgical Instrument with Blade Cooling through Retraction」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7578USNP.0621502)に記載されている。本明細書における教示は、これらの参照文献、及び本明細書において引用される様々な他の参照文献の教示と容易に組み合わされ得ることが理解されるべきである。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0119】
流体を使用して器具(10、100)のバージョンにおける熱を低減することに加えて、又はその代わりに、1つ以上の遮蔽機構を使用して、器具(10、100)の高温部分と、組織(又は他の機構)との間の直接的な接触を避けることができる。器具(10、100)の高温部分からの熱と、遮蔽機構との間の連絡を避けるか、又は最小化するために、遮蔽機構と対応する器具(10、100)の高温部分との間に空隙が画定されてもよい。このような空隙は、液体、空気若しくは他の気体、固体断熱材料、及び/又はこれらの組合せを含む他の好適な種類の充填剤によって充填されてもよい。非平坦化表面、溝、窪み、突出部、突起、刻み部、ハニカム構造などを含む、様々な種類の構造的特徴が、器具(10、100)の高温部と、遮蔽機構との間に組み込まれてもよいことが理解されるべきである。このような構造的特徴は、器具(10、100)、及び遮蔽機構の高温部からの熱の伝達を最小化し得る。同様に、遮蔽機構(及び/又は器具(10、100)の高温機構)は、遮蔽機構(又は高温機構)からの、隣接する組織などへの熱の伝達を最小化するために、非平坦化表面、溝、窪み、突出部、突起、刻み部、ハニカム構造などの、外側表面機構を含んでもよい。遮蔽機構の様々な、単に例示としての実施例が、以下により詳細に記載される:その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許仮出願第61/908,920号、及びまた、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Shielding Features for Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7325USNP1.0616770)、及びまた、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Sleeve Features for Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7325USNP3.0621498)。本明細書における教示は、これらの参照文献、及び本明細書において引用される様々な他の参照文献の教示と容易に組み合わされ得ることが理解されるべきである。本明細書の教示を考慮することで、その他好適な例が当業者に明らかになるであろう。
【0120】
明細書に記載される器具のいずれの変形も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含んでもよいことを理解されたい。一例にすぎないが、本明細書で説明されたいずれの器械も、参照により本明細書に組み込まれる種々の参考文献のいずれかで開示された、種々の特徴部のうちの1つ又は複数を含むことができる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかであろう。
【0121】
本明細書に参照により組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることが認識されるべきである。このように、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0122】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0123】
上記に述べた各変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、又は複数回使用されるような設計としてもよい。一方の場合、又は両方の場合で、各形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整を行うことができる。かかる再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組合せが含まれ得る。特に、装置の特定の形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組合せで選択的に交換するか取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際して、装置の特定の形態を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者により再組み立てしてその後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は認識するであろう。かかる技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0124】
一例にすぎないが、本明細書に記載される各形態は、手術の前及び/又は後で滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖かつ密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過する放射線場に置くことができる。かかる放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置はまた、これらに限定されるものではないが、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む、当該技術分野では周知の他の任意の技術を使用して滅菌することもできる。
【0125】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で検討した例、実施形態、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0126】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、及び
(ii)クランプパッドを含むクランプアームであって、前記クランプアームは、前記クランプパッドと前記超音波ブレードとの間の組織を二段階で圧迫するために、前記超音波ブレードに向かって可動であり、
前記クランプアームは、前記第1段階において、前記クランプパッドの遠位部分のみで組織を圧迫するように構成され、
前記クランプアームは、前記第2段階において、前記クランプパッドの前記遠位部分及び近位部分で組織を圧迫するように構成されており、前記組織の圧迫は前記遠位部分で始まり、その後、前記近位部分に向かって進行する、クランプアームを含む、エンドエフェクタとを含む、装置。
(2) 前記クランプアームは、近位シャンク部材、及び遠位パッド支持部材を含み、前記近位シャンク部材は、前記遠位パッド支持部材を前記超音波ブレードの方に駆動するように動作可能であり、前記クランプパッドは、前記遠位パッド支持部材に固定されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記クランプアームは、前記近位シャンク部材及び前記遠位パッド支持部材を結合する弾性機構を更に含む、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記弾性機構が板ばねを含む、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記弾性機構は、前記クランプパッドの前記遠位部分を前記超音波ブレードの方に弾性的に付勢するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
【0127】
(6) 前記弾性機構は、前記第1段階から前記第2段階への遷移の間に変形するように構成されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記弾性機構は、前記遠位パッド支持部材が、前記近位シャンク部材に対して枢動するのを可能にするように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(8) 前記弾性機構が複数のセグメントを含む、実施態様3に記載の装置。
(9) 前記セグメントがジグザグパターンを形成している、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記遠位パッド支持部材が、くの字形機構を有し、前記くの字形機構は、前記クランプパッドの前記遠位部分を前記超音波ブレードの方に付勢するように構成されている、実施態様2に記載の装置。
【0128】
(11) 前記クランプアームは更に弾性部材を含み、前記弾性部材は、前記クランプパッドの前記遠位部分を前記超音波ブレードの方に弾性的に付勢するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記弾性部材は、少なくとも1つの湾曲部を有し、前記クランプパッドは、前記弾性部材に固定されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記クランプパッドは前記弾性部材の前記少なくとも1つの湾曲部に従い、前記クランプパッドは可撓性であるため、前記クランプパッドは、前記第1段階から前記第2段階への遷移の間、前記弾性部材の前記少なくとも1つの湾曲部と共に変形するように構成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記クランプアームは更にアーム部材を含み、前記クランプパッドは、枢動部において前記アーム部材と枢動可能に連結され、前記弾性部材は、前記クランプパッドの遠位端と、前記アーム部材の遠位端との間に挟まれており、前記弾性部材は、前記枢動部を中心にして前記クランプパッドを弾性的に付勢するように構成されている、実施態様11に記載の装置。
(15) 前記クランプアームは更に近位セグメント及び遠位セグメントを含み、前記クランプアームの前記遠位セグメントは、枢動部において前記クランプアームの前記近位セグメントに枢動可能に固定され、前記クランプパッドは、近位セグメント及び遠位セグメントを更に含み、前記クランプパッドの前記近位セグメントは前記クランプアームの前記近位セグメントに固定され、前記クランプパッドの前記遠位セグメントは、前記クランプアームの前記遠位セグメントに固定されている、実施態様1に記載の装置。
【0129】
(16) 弾性部材を更に含み、前記弾性部材は、前記クランプアームの前記遠位セグメント、及び前記クランプパッドの前記遠位セグメントを、前記枢動部を中心にして前記超音波ブレードの方に付勢するように構成されている、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記クランプパッドは、楔形状を有し、前記クランプパッドの前記楔形状は、前記第1段階において、前記クランプパッドの前記遠位部分のみと、組織との間の初期の接触をもたらすように構成され、前記クランプパッドの前記楔形状は、前記第2段階において、前記クランプパッドの前記近位部分と組織との間の接触を可能にする、前記超音波ブレードの曲げをもたらすように更に構成されている、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記本体はハンドルアセンブリを含み、前記本体は、前記第1段階から前記第2段階への遷移を示すために、前記ハンドルアセンブリを通じて可聴フィードバック又は触覚フィードバックのいずれか、又は両方をもたらすように構成されているユーザーフィードバック機構を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリは、第1横方向スロット及び第2横方向スロットを画定する、シャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、並びに
(ii)クランプアームであって、
(A)クランプパッド、
(B)第1横方向ピンであって、前記第1横方向ピンは、前記シャフトアセンブリの前記第1横方向スロットの長さに沿って摺動するように構成されている、第1横方向ピン、及び
(C)第2横方向ピンであって、前記第2横方向ピンは、前記シャフトアセンブリの前記第2横方向スロットの長さに沿って摺動するように構成されている、第2横方向ピンを含む、クランプアームを含む、エンドエフェクタとを含み、
第1及び第2横方向スロットは、前記クランプパッドと前記超音波ブレードとの間に組織の段階的な圧迫をもたらすように構成されており、これにより前記第1及び第2横方向スロットは、圧迫の第1段階において、前記クランプパッドの第1部分と、前記超音波ブレードとの間の組織の圧迫を、その後、圧迫の第2段階において、前記クランプパッドの第2部分と、前記超音波ブレードとの間の組織の圧迫をもたらすように構成されている、装置。
(20) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、及び
(ii)クランプパッドを含むクランプアームであって、前記クランプアームは、前記クランプパッドと前記超音波ブレードとの間の組織を圧迫するために、前記超音波ブレードに向かって可動である、クランプアームを含む、エンドエフェクタと、
(d)モード選択機構であって、前記モード選択機構は、操作者が動作の第1モードと、動作の第2モードとの間で選択することを可能にするように動作可能であり、前記動作の第1モードは、前記クランプパッドの遠位部分のみによる、前記超音波ブレードに対する、組織の圧迫をもたらし、前記動作の第2モードは、前記クランプパッドの前記遠位部分及び近位部分による、前記超音波ブレードに対する、組織の圧迫をもたらす、モード選択機構とを含む、装置。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図27
図28
図29
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図32A
図32B
図32C
図33A
図33B
図33C
図34
図35
図36
図37
図38A
図38B
図38C
図39
図40
図41A
図41B
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図44A
図44B