(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スライド式のドアと、モータを駆動源とする前記ドアを開閉するため駆動機構を備え、内部センサ又は外部センサによって物体を検知すると前記ドアの開閉を行う前記駆動機構を作動するドアコントローラを備え、前記駆動機構を取り付けるベース部材に電磁ソレノイドを作動して前記ドアの開閉をロックする電気錠を設け、
前記電磁ソレノイドを収納するケースに装着され該電磁ソレノイドによって出入駆動するプランジャと、
前記プランジャの先端に取り付けられ該電磁ソレノイドの電源の入切による該プランジャの出入によって移動する板状に形成される連結板と、
前記ケースの上部に取り付けられるスライドブロックと、
前記ケースの下部に取り付けられる板状の台座ベースと、
前記台座ベースの前記連結板が設けられている側の端部に設けられ該台座ベースに連接されL字状に形成される受け部と、
前記連結板に取り付けられると共に前記スライドブロックの内部を摺動可能に装着され前記連結板の移動によって該スライドブロックの内部を摺動して前記受け部より突出して前記ドアの開閉をロックするロックシャフトと、
前記電磁ソレノイドの前記プランジャに装着し、前記連結板との間に設けられ該電磁ソレノイドがオフしたときに前記連結板を元の位置に復帰させる電池バネ形スプリングと、
前記電磁ソレノイドが前記ドアコントローラからの信号に基づいて作動したことを検知するマイクロスイッチと、
前記ロックシャフトに設けられる第1のフランジと前記スライドブロックとの間のロックシャフトに嵌合されるスプリングと、
を備え、
前記連結板が前記電磁ソレノイドのOFFによって電磁ソレノイドから開放され、電磁ソレノイドの壁面と前記連結板との間に設けられている前記電池バネ形スプリングと、前記第1のフランジとスライドブロックとの間の前記ロックシャフトに嵌合されている前記スプリングとの協働によって、前記プランジャを突出して前記ドアをロックして施錠状態に保持し、前記電磁ソレノイドをONすることにより突出している前記プランジャを吸引して前記ドアのロックを解除する停電施錠型のオートロック装置において,
中空状に形成され前記スライドブロックに形成される収納スペースの一方の内壁に固定される筒体と、前記筒体の端部に形成されるフランジとによって構成されるフランジ付きガイド部材と、
前記フランジ付きガイド部材の中空部に嵌合し一端に一方のフランジが形成され、前記電磁ソレノイドが作動して前記連結板を移動し前記ロックシャフトが鍵受けに衝突しない位置に出し入れするに必要な間隔をもって他方のフランジが形成され、前記フランジ付きガイド部材の中空部を摺動可能に設けられる作動ピンと、
前記フランジ付きガイド部材の前記筒体の周囲に装着され、電磁ソレノイドが作動していない状態においては、前記作動ピンの他方のフランジが連結板に係止され、前記作動ピンの一方のフランジが収納スペースの壁に押し付けられるように付勢するコイルスプリングとによって構成され、前記作動ピンの他端に固着される紐を手動で操作することにより、該作動ピンを引き寄せ前記他方のフランジによって該連結板を前記電磁ソレノイドが作動した状態と同様の位置まで移動できる手動解錠装置を設け、
前記電磁ソレノイドと、前記連結板と、前記スライドブロックと、前記電池バネ形スプリングと、前記手動解錠装置と、前記マイクロスイッチとを、本体カバーで覆い前記台座ベースを介して前記ベース部材に着脱自在に取り付けてなることを特徴とする停電施錠型のオートロック装置。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に係る停電施錠型のオートロック装置は、出入口に設けられるスライド式のドアと、モータを駆動源とする前記ドアを開閉するため駆動機構を備え、内部センサ又は外部センサによって物体を検知すると前記ドアの開閉を行う前記駆動機構を作動するドアコントローラを備え、前記駆動機構を取り付けるベース部に電磁ソレノイドを作動して前記ドアの開閉をロックする電気錠を設け、前記電磁ソレノイドを収納するケースに装着され該電磁ソレノイドによって出入駆動するプランジャと、前記プランジャの先端に取り付けられ該電磁ソレノイドの電源の入切による該プランジャの出入によって移動する板状に形成される連結板と、前記ケースの上部に取り付けられるスライドブロックと、前記ケースの下部に取り付けられる板状の台座ベースと、前記台座ベースの前記連結板が設けられている側の端部に設けられ該台座ベースに連接されL字状に形成される受け部と、前記連結板に取り付けられると共に前記スライドブロックの内部を摺動可能に装着され前記連結板の移動によって該スライドブロックの内部を摺動して前記受け部より突出して前記ドアの開閉をロックするロックシャフトと、前記電磁ソレノイドの前記プランジャに装着し、前記連結板との間に設けられ該電磁ソレノイドがオフしたときに前記連結板を元の位置に復帰させる電池バネ形スプリングと、前記電磁ソレノイドが前記ドアコントローラからの信号に基づいて作動したことを検知するマイクロスイッチと、前記ロックシャフトに設けられるフランジと前記スライドブロックとの間のロックシャフトに嵌合されるスプリングと、を備え、前記連結板が前記電磁ソレノイドのOFFによっての時に電磁ソレノイドから開放され、電磁ソレノイドの壁面と前記連結板との間に設けられている前記電池バネ形スプリングと、前記フランジとスライドブロックとの間の前記ロックシャフトに嵌合されている前記スプリングとの協働によって、前記プランジャを突出して前記ドアをロックして施錠状態に保持し、前記電磁ソレノイドをONすることにより突出している前記プランジャを吸引して前記ドアのロックを解除する停電施錠型のオートロック装置において,中空状に形成され前記スライドブロックに形成される収納スペースの一方の内壁に固定される筒体と、前記筒体の端部に形成されるフランジとによって構成されるフランジ付きガイド部材と、前記フランジ付きガイド部材の前記中空部に嵌合し一端に一方のフランジが形成され、前記電磁ソレノイドが作動して前記連結板を移動し前記ロックシャフトが鍵受けに衝突しない位置に出し入れするに必要な間隔をもって他方のフランジが形成され、前記フランジ付きガイド部材の中空部を摺動可能に設けられる作動ピンと、前記フランジ付きガイド部材の前記筒体の周囲に装着され、電磁ソレノイドが作動していない状態においては、前記作動ピンの他方のフランジが連結板に係止され、前記作動ピンの一方のフランジが収納スペースの壁に押し付けられるように付勢するコイルスプリングとによって構成され、前記作動ピンの他端に固着される紐を手動で操作することにより、該作動ピンを引き寄せ前記他方のフランジによって該連結板を前記電磁ソレノイドが作動した状態と同様の位置まで移動できる手動解錠装置を設け、前記電磁ソレノイドと、前記連結板と、前記スライドブロックと、前記電池バネ形スプリングと、前記手動解錠装置と、前記マイクロスイッチとを、本体カバーで覆い前記台座ベースを介して前記ベース部に着脱自在に取り付けて構成する。
【0036】
以下、本発明に係るオートロック装置の実施例について図面を用いて説明する。
【0037】
[実施例1]
図面の
図1〜
図10には、本発明に係るオートロック装置の第1の実施例が示されている。
図1は本発明に係るオートロック装置の第1の実施例を示す全体斜視図、
図2は
図1に図示のオートロック装置のカバーを取った状態の斜視図、
図3は
図2に図示のオートロック装置の電磁ソレノイドに通電したとき斜視図、
図4は
図2に図示のオートロック装置の電磁ソレノイドに通電していない状態の連結板の位置を示す図、
図5は
図2に図示のオートロック装置の電磁ソレノイドに通電したときの連結板の動作を示す図、
図6は
図1に図示のオートロック装置をベース部材に取りつける状態を示す組付斜視図、
図7は
図1に図示のオートロック装置のロックシャフトが係合する鍵受け装置のドアの連結具に取りつける取付状態を示す図、
図8はベース部材に取り付けられた
図1に図示のオートロック装置のロックシャフトが鍵受け装置に係合している状態を示す側面図、
図9はドアを閉じ電磁ソレノイドへの通電を停止しベース部材に取り付けられた
図1に図示のオートロック装置のロックシャフトが鍵受け装置に係合している状態を示す正面図、
図10はドアが開いた状態から閉じるまでのオートロック装置のロックシャフトと鍵受け装置との係合状態を説明するための図である。
【0038】
図1において、オートロック装置1は、停電施錠型のオートロック装置の構成になっている。すなわち、
図1に図示のオートロック装置1は、停電で通電状態が停止した際にオートロックが施錠状態に保持されるオートロック装置である。このオートロック装置1は、本体カバー2と、側面カバー3,4を有している。
この本体カバー2と、側面カバー3,4に囲まれて、
図2に示す如く、オートロック本体5が収納されている。
オートロック本体5は、電磁ソレノイド6を有している。この電磁ソレノイド6は、ケース7に収納されており、電磁ソレノイド6には、この電磁ソレノイド6によって駆動するプランジャ8が設けられている。
【0039】
このプランジャ8の一端には、連結板9が取りつけられている。連結板9は、板状に形成されており、電磁ソレノイド6を通電するとプランジャ8が吸引され、このプランジャ8の吸引によって移動するようになっている。この連結板9は、上部の中央にU字状の切欠10が設けられており、上部の一方の端部側にU字状の切欠11が設けられている。また、この連結板9の上部の他方の端部側には、棒状に形成されるスイッチ押しビス12が取りつけられている。
また、電磁ソレノイド6のプランジャ8には、電磁ソレノイド6の壁面と連結板9との間に電池バネ13が介装されており、この電池バネ13の間には、クッション14が挿入されている。このクッション14は、電磁ソレノイド6が作動し、電磁ソレノイド6の壁面と連結板9とが当接する際に生じる音を小さくするためのものである。
【0040】
また、電磁ソレノイド6の上側には、スライドブロック15が取りつけられており、電磁ソレノイド6の下部は、台座ベース16に固定されている。台座ベース16は、板状に形成されており、上面には、電磁ソレノイド6が載置されている。また、台座ベース16の連結板9が設けられている側の端部は、一部上方に折り曲げられ連結板9が当接する受け部17が形成されている。この受け部17によって電磁ソレノイド6の通電によって移動した連結板9を受け止め停止するようになっている。
この台座ベース16の受け部17が形成されている側に隣接する両側端部16a,16bには、U字状の切欠16c,16dと、この切欠16c,16dのそれぞれの縁に延設して突起16e,16fが設けられている。この受け部17の側端部16aには、側面カバー3の裾部が載置されている。また、受け部17の側端部16bには、側面カバー4の裾部が載置されている。この側面カバー3、4のそれぞれの裾部には、台座ベース16と符合するU字状のスリット3a,4aが形成されている。
【0041】
スライドブロック15には、スライドブロック15の内部を摺動し自動ドアの開閉をロックするためのロックシャフト18が設けられている。このロックシャフト18は、連結板9の切欠10に取りつけられている。ロックシャフト18の適宜箇所にフランジ19が設けられており、このフランジ19と所定間隔を持ってフランジ20設けられている。
この2つのフランジ19,20の間に連結板9の切欠10の形成されている部分が挟み込まれており、フランジ20と連結板9との間にOリング21が挿入されており、このOリング21によってロックシャフト18と連結板9とが固定されている。
電磁ソレノイド6は、台座ベース16の受け部17と所定間隔離れた位置に設けられている。この所定間隔は、電磁ソレノイド6の通電によって連結板9が移動しロックシャフト18が突出してロックすることのできる距離移動する間隔である。
【0042】
また、フランジ20とスライドブロック15との間のロックシャフト18には、スプリング22が嵌合されており、このスプリング22によってロックシャフト18は、電磁ソレノイド6に通電がされない限り、連結板9が受け部17に当接するように押圧している。
連結板9の下部には、電磁ソレノイド6のプランジャ8が取付けられている。このプランジャ8が取付けられている連結板9の裏面側にクッション23,24が取りつけられている。このクッション23,24は、電磁ソレノイド6の通電によって移動した連結板9が台座ベース16の受け部17に当接した際に生じる音を小さくするためのものである。
【0043】
台座ベース16の受け部17に設けられているクッション25,26は、連結板9に設けられるクッション23,24と協働して、電磁ソレノイド6の通電によって移動した連結板9が台座ベース16の受け部17に当接した際に生じる音を小さくするためのものである。
【0044】
スライドブロック15の端部で、連結板9に取付られているスイッチ押しビス12に対向する位置に、矩形状に切り欠いたマイクロスイッチ収納スペース27が形成されている。
マイクロスイッチ収納スペース27は、マイクロスイッチ28を収納するためのものである。このマイクロスイッチ28は、電気錠がどういう状態、電磁ソレノイド6に通電され、解錠されたとか、電磁ソレノイド6の通電が解除され、施錠されたといった情報を図示していないドアコントローラに送信するためのものである。
このマイクロスイッチ28は、スイッチ本体29と、電気錠の作動状態を検知するスイッチボタン30と、このスイッチボタン30を投入するためのスイッチ作動板31とからなっている。
【0045】
このマイクロスイッチ28は、電磁ソレノイド6が通電され、プランジャ8によって連結板9が電磁ソレノイド6側に引き寄せられると、連結板9に取り付けられているスイッチ押ビス12が移動し、先端がスイッチ作動板31を押圧してスイッチ作動板31によってスイッチボタン30を投入して信号を取り出す。
また、スライドブロック15には、連結板9に形成されている切欠11に対向する位置に、矩形状に切り抜いた手動解錠装置32を装着する収納スペース33が形成されている。
収納スペース33は、矩形状に切り抜かれ、この矩形状に切り抜かれた収納スペース33によって形成された連結板9側の壁34に切欠35が形成されている。
【0046】
このように収納スペース33は、手動解錠装置32を収納するためのものである。そして、手動解錠装置32は、フランジ付きガイド部材36と、作動ピン37と、コイルスプリング38とによって構成されている。
フランジ付きガイド部材36は、中空状に形成される筒体36aと、筒体36aの端部に形成されるフランジ36bとによって構成されている。フランジ36bは、スライドブロック15に形成される収納スペース33の一方の内壁に固定されている。
収納スペース33の一方の内壁には、外部に連通する貫通孔33aが設けられており、この貫通孔33aは、筒体36aの中空部と連通されている。
【0047】
作動ピン37は、連結板9を作動する作動杆37aと、ピン状に形成され、フランジ付きガイド部材36の筒体36a内に挿入する挿入杆37bとによって構成されている。
作動杆37aは、挿入杆37bとの境界部に一方のフランジ39が設けられており、作動杆37aの先端には、所定の間隔をもって他方のフランジ40が形成されている。この一方のフランジ39と他方のフランジ40との所定の間隔は、電磁ソレノイド6が作動して連結板9を移動しロックシャフト18が鍵受けに衝突しない位置に出し入れするのに必要な間隔である。
【0048】
挿入杆37bは、先端部がフランジ付きガイド部材36の筒体36aの中空内に嵌合されており、一方のフランジ39がフランジ付きガイド部材36の筒体36aの先端に当接するまでフランジ付きガイド部材36の筒体36aの中空内を摺動可能に構成されている。この挿入杆37bの先端には、紐41が取り付けられており、この紐41は、フランジ付きガイド部材36の筒体36aの中空部を通り、収納スペース33の一方の内壁の貫通孔33aの中を通り、外部に導出されている。
作動杆37aは、連結板9のU字状に形成される切欠11に嵌合されており、他方のフランジ40が、連結板9から外側に突出して設けられている。すなわち、作動杆37aの他方のフランジ40はU字状に形成される切欠11に引っ掛けた状態となっている。
【0049】
コイルスプリング38は、フランジ付きガイド部材36の筒体36aの周囲に装着され、常時、作動ピン35を連結板9の切欠11が形成されている側に付勢している。
すなわち、電磁ソレノイド6が作動していない状態においては、他方のフランジ40が連結板9に係止されており、コイルスプリング38によって作動ピン37の一方のフランジ39が収納スペース33の壁34に押し付けるように付勢されている。
【0050】
ここで、オートロック装置1の動作について説明する。
自動ドアは、人が出入口を通過する際にセンサによって、人などの物体を検出すると、モータを正転作動させて開き、人が出入口を通過するとモータを逆転作動させて閉じるように自動で開閉制御される。すなわち、自動ドアは、自動ドア装置に電源を投入して作動を動作状態にすると、出入口に人が近づかない状態では、閉じた状態となっている。そして、この自動ドアが閉じた状態のときは、電磁ソレノイド6への電源の供給が停止され、ロックされた状態となっている。このとき、連結板9に取り付けられているスイッチ押しビス12の先端は、
図2に示す如くマイクロスイッチ28のスイッチ作動板31に接することなく、スイッチ作動板31とは離れた状態となっている。
したがって、連結板9は、電磁ソレノイド6から開放されていて、電磁ソレノイド6の壁面6aと連結板9との間に設けられている電池バネ13と、フランジ20とスライドブロック15との間のロックシャフト18に嵌合されているスプリング22との協働によって、電磁ソレノイド6から離れた状態に保持されている。すなわち、連結板9に取り付けられているロックシャフト18は、
図2に示す如く、突出した状態となっており、自動ドアがこのロックシャフト18によってロックされた状態となっている。
【0051】
次に、人が出入口に接近するなどして、センサによって、人などの物体を検出すると、センサの検出に基づいてドアコントローラによって電磁ソレノイド6に電源を供給する。すると、電鍵を供給された電磁ソレノイド6は、作動する。電磁ソレノイド6が作動すると、プランジャ8が移動し、プランジャ8に接続されている連結板9がプランジャ8によって移動する。
すなわち、連結板9は、
図3に示す如く、電磁ソレノイド6の壁面6aと連結板9との間に設けられている電池バネ13と、フランジ20とスライドブロック15との間のロックシャフト18に嵌合されているスプリング22との協働による電磁ソレノイド6から離れる方向への反発力に抗して、電磁ソレノイド6に吸引された状態となる。
【0052】
このように電磁ソレノイド6の通電でプランジャ8によって連結板9が吸引されると、連結板9の動きに伴って、連結板9に接続されているロックシャフト18が引っ込み、自動ドアのロックが解除される。そして、電磁ソレノイド6に通電したままの状態、すなわち、ロックシャフト18が引っ込めて自動ドアのロックを解除してある状態でモータが正転作動して自動ドアを開放する。
自動ドアが開かれると、出入口において人が通過することが可能となり、人が出入口を通過するとモータが逆転作動して自動ドアを閉じる。
【0053】
このように電磁ソレノイド6に通電し、プランジャ8によって連結板9を吸引して移動すると、連結板9に取り付けられているスイッチ押しビス12が連結板9によって押される。このスイッチ押しビス12は、その先端が連結板9によってマイクロスイッチ28に近づくように移動する。
さらに電磁ソレノイド6への通電によってプランジャ8が移動し、連結板9が電磁ソレノイド6側に吸引されて移動する。すると、連結板9に取り付けられているスイッチ押しビス12の先端が、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31に当接する。
そして、電磁ソレノイド6への通電によってさらにプランジャ8が移動し、連結板9が電磁ソレノイド6側に吸引されると、スイッチ押しビス12の先端は、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31を押圧する。
【0054】
スイッチ押しビス12の先端によって、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31を押圧し続けると、スイッチ作動板31は押され、
図3に示す如く、スイッチ作動板31によってマイクロスイッチ28のスイッチボタン30を投入することになる。
スイッチ作動板31によってマイクロスイッチ28のスイッチボタン30が投入されると、スイッチボタン30の入力信号がドアコントローラに送信され、ロックシャフト18が引っ込み、自動ドアのロックが解除状態になったことを検知する。
【0055】
次に、連結板9の動作について
図4、
図5を用いて説明する。
まず、電磁ソレノイド6への電源の供給が停止されていない状態では、連結板9は、
図4に示す如く、電磁ソレノイド6の壁面6aと連結板9との間に設けられている電池バネ13と、フランジ20とスライドブロック15との間のロックシャフト18に嵌合されているスプリング22との協働によって、電磁ソレノイド6から離れた状態に保持されている。すなわち、連結板9は、台座ベース16の受け部17に当接された状態になっている。
電磁ソレノイド6のプランジャ8は、連結板9の下部に取り付けられており、電磁ソレノイド6のプランジャ8が作動することで連結板9が移動するが、連結板9の上部にロックシャフト18が取り付けられており、電池バネ13と、ロックシャフト18に嵌合されているスプリング22とで協働して連結板9を押圧するため、電池バネ13の付勢力と、スプリング22の付勢力の2つの付勢力とによってバランス良く連結板9を移動することができるようになっている。
【0056】
連結板9が電磁ソレノイド6の壁面6aから離れた位置にあると、ロックシャフト18は、
図4に示す如く、台座ベース16の受け部17よりも突出した状態となっている。このため、ロックシャフト18は、後述する鍵受け装置70に係合し、自動ドアをロック状態に保持している。
この連結板9が電磁ソレノイド6から離れた状態においては、連結板9に取り付けられているスイッチ押しビス12の先端は、
図4に示す如く、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31から離れた位置になっている。すなわち、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31は、スイッチ押しビス12の先端によって押さえられることがなく、マイクロスイッチ28のスイッチボタン30が投入されることはない。したがって、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31は、スイッチボタン30から離れた状態になっている。
【0057】
図4に示す如く、電磁ソレノイド6への電源の供給が停止されていない状態、すなわち電磁ソレノイド6がオフの状態から、電磁ソレノイド6へ電源の供給されると、電磁ソレノイド6はオンする。
電磁ソレノイド6がオンすると、電磁ソレノイド6が作動しプランジャ8が吸引されて、
図5に示す如く連結板9が電磁ソレノイド6の壁面6aに吸引される。すると、連結板9は電磁ソレノイド6の壁面6aに当接する。
すなわち、連結板9は、電磁ソレノイド6の壁面6aと連結板9との間に設けられている電池バネ13と、フランジ20とスライドブロック15との間のロックシャフト18に嵌合されているスプリング22との協働による電磁ソレノイド6から離れる方向への反発力に抗して、
図5に示す如く電磁ソレノイド6に吸引された状態となる。
したがって、連結板9が電磁ソレノイド6の壁面6aに吸引されると、ロックシャフト18は、
図5に示す如く、台座ベース16の受け部17よりも引っ込んだ状態となる。
【0058】
連結板9が電磁ソレノイド6の壁面6aに吸引され、台座ベース16の受け部17よりも引っ込んだ状態となると、ロックシャフト18は、後述する鍵受け装置70との係合が解かれ、自動ドアをロック状態から開放する。
この連結板9が電磁ソレノイド6に吸引された状態においては、連結板9に取り付けられているスイッチ押しビス12の先端は、
図5に示す如く、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31を押圧し、スイッチ作動板31に接触した状態となっている。すなわち、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31は、スイッチ押しビス12の先端によって押され、マイクロスイッチ28のスイッチボタン30が投入される。したがって、マイクロスイッチ28のスイッチ作動板31は、スイッチボタン30を押し付けた状態になっている。
【0059】
このように構成されるオートロック装置1は、
図6に示す如くベース部材50に取り付けられる。ベース部材50は、オートロック装置1を取り付けるための内蔵式中芯吊りベースである。そして、このベース部材50は、いわゆるハンガーレールであって、自動ドア用アルミフロントの上枠内に設けられるものである。
このベース部材50は、アルミニウム引き抜き材によるものであって、所定の長さで真っ直ぐにのびるように形成されており、上部レール部材51がこのベース部材50に一体に設けられている。
また、ベース部材50は、自動ドア用アルミフロントの上枠に固着される固着部分52と、中空構造となる強度確保部分53とを有して、例えば
図6のような断面形状となるように形成されている。
【0060】
上部レール部材51は、逆L字状となる形状に形成されるレール上延部54を有している。そして、上部レール部材51には、縦設板部55を介して下側に連続するレール部56を有して、例えば
図6のような断面形状となるように形成されている。
そして、このレール上延部54は、ハンガーローラの上方への移動を規制するために形成されている。このレール上延部54とレール部56は、ハンガーローラの直径に合わせて配置されている。このレール部56は、水平方向に沿って形成されている。
レール部56の上側には、凸条(ここでは断面視蒲鉾形状となる突条)となるレール57がベース部材50の延在方向に真っ直ぐに形成されている。
【0061】
このように構成されるベース部材50には、予めアクセサリー座板58a,59aが設けられているボルト58,59が取り付けられている。このボルト58は、台座ベース16のU字状の切欠16c、側面カバー3のU字状のスリット3aに挿通され、皿バネ付きナット60よって締めつけられている。また、ボルト59は、台座ベース16のU字状の切欠16d、側面カバー4のU字状のスリット4aに挿通され、皿バネ付きナット61よって締めつけられている。このようにオートロック装置1は、台座ベース16と側面カバー3によって、ボルト58,59と皿バネ付きナット60,61とを用いてベース部材50に取り付けられている。
【0062】
図7には、鍵受け装置70とその取り付け方法が示されている。
この鍵受け装置70は、台座ベース16の受け部17よりも突出するロックシャフト18を係合して、自動ドアをロック状態に保持するためのものである。
鍵受け装置70は、吊り金具装置80に係止する係止部材71と、係止部材71に取り付けられる樹脂ブロック72とからなっている。係止部材71は、長方形状の板状に形成される取付部73と、長手方向に延びる一方側の周縁に取付部73と略90度の角度をなすように立設している係止部74とによって構成されている。取付部73には、吊り金具装置80に係止する一対の貫通穴75,76が形成されている。
【0063】
一対の貫通穴75,76は、取付部73の短手方向に長い長穴状に形成されている。また、一対の貫通穴75,76は、吊り金具装置80の一対の螺合穴に螺合可能な一対の取り付けボルト77,78を挿通可能に形成されている。
本実施例のオートロック装置1は、停電が発生し、オートロック装置1の電磁ソレノイド6への電源の供給が停止した場合には、電気錠によって施錠され、自動ドアが手動で開かないように施錠するための停電施錠型のオートロック装置である。ところが、自動ドアが開放状態の時に停電が発生し、オートロック装置1の電磁ソレノイド6への電源の供給が停止した場合、自動ドアが開放したままの状態で停止してしまう。
【0064】
この場合、オートロック装置1は、停電が発生したことにより、オートロック装置1の電磁ソレノイド6への電源の供給が停止され、電気錠によって施錠されるが、自動ドアは開放された状態のままとなっており、停電施錠の効を奏さない状態となる。
そこで、樹脂ブロック72に形成される上側のテーパー72aが作用する。すなわち、自動ドアが開放状態の時に停電が発生し、オートロック装置1の電磁ソレノイド6への電源の供給が停止した場合、オートロック装置1の電磁ソレノイド6へ電源が供給されることがないので、連結板9は、電池バネ13と、スプリング22との協働によって、電磁ソレノイド6から離れた状態に保持されたままとなっている。このため、連結板9に取り付けられているロックシャフト18は、突出した状態となっている。
この停電施錠型のオートロック装置1は、停電が発生した場合、手動で自動ドアが開閉できないようにロックするものであるが、自動ドアが開放状態の時に停電が発生すると、自動ドアは開き放しとなってしまう。そこで、このような場合に、自動ドアを手動で閉めて、樹脂ブロック72に形成される上側のテーパー72aをロックシャフト18の先端を摺動させて、樹脂ブロック72、係止部74を乗り越えさせて取付部73の位置にはめ込み、停電時の施錠を行う。
【0065】
次に、鍵受け装置70を取り付ける吊り金具装置80について、
図7〜
図9を用いて説明する。
吊り金具装置80は、
図8に示す如く、自動ドア81の上面81aに取り付けられる吊り金具本体82と、吊り金具本体82をレール部83に沿って移動させる一対のハンガローラ84,84を有するローラ部85とを備える。
吊り金具本体82は、所定形状に打ち抜かれた金属板を折り曲げ加工(略L字状に折り曲げ加工)することにより形成されている。吊り金具本体82は、略矩形板状の底板部86と、底板部86と直交する方向に立設する略矩形板状の立設板部87と、を備える。
【0066】
底板部86は、自動ドア81の上面81aに当接可能に形成されている。また、底板部86の長手方向における両端部の近傍には、自動ドア81の上面81aに当接させたときに、自動ドア81の上面81aに形成された一対の固定穴と重複可能な一対の挿通穴88,88が形成されている。
一対の挿通穴88,88は、底板部86の短手方向に長い長穴状に形成されている。また、一対の挿通穴88,88は、一対の固定穴に螺合可能な一対の金具固定ボルトを挿通可能に形成されている。
【0067】
立設板部87は、基端部が底板部86の長手方向に延びる一方側の周縁と連結しており、底板部86と略90度の角度をなすように立設している。また、立設板部87の長手方向は、底板部の長手方向と一致しており、立設板部87の短手方向は、立設板部87が立設する方向(底板部と略90度をなす方向)となっている。
立設板部87は、一対の位置調整穴89,89と、連結部90と、を備えている。
【0068】
一対の位置調整穴89,89は、立設板部87の長手方向における両端部の近傍に形成されている。また、一対の位置調整穴89,89は、短手方向(立設板部87における上下方向)に長い長穴状に形成されている。一対の位置調整穴89,89は、一対のハンガローラ84,84を備えるローラ部85を短手方向(立設板部87における上下方向)における所定の位置で固定するために用いられる。
連結部90は、立設板部87の略中央部における上端部近傍に形成されている。連結部90は、一対の位置調整穴89,89で所定の位置に固定されたローラ部85を、連結ボルト91で吊り金具本体82に連結する。連結部90は、立設板部87の一部を折り曲げ加工することにより形成されている。連結部90は、立設板部87に対して略90度の折り曲げ加工がなされており、立設板部87の基端部において底板部86が位置する側と反対側に折り曲げられている。また、連結部90の略中央には、連結穴が形成されている。連結穴は、連結ボルト91を螺合可能に形成されている。
【0069】
ローラ部85は、一対のハンガローラ84,84と、一対のハンガローラ84,84を回転自在に固定する第1金具部92と、第1金具部92を固定する第2金具部93と、を備える。
ハンガローラ84は、
図8に示す如く、ローラ本体94と、軸部95と、を備える。
ローラ本体94は、耐摩耗性を有する合成樹脂材料により形成されている。また、ローラ本体94は、円弧状に凹む溝部96と、テーパ部97とを備える。溝部96は、ローラ本体94の全周に渡って形成されている。また、溝部96は、脱輪防止及び耐摩耗性等の観点から、レール部83におけるレール本体98の隆起形状に合わせて(レール本体98と溝部96とが当接するように)形成されている。テーパ部97は、溝部96における両側の周縁に、全周に渡って形成されている。
【0070】
軸部96は、基端部が第1金具部92に連結されており、ローラ本体94を回転自在に第1金具部92に固定する。
第1金具部92は、矩形板状に形成されている。第1金具部92の長手方向における両側には、軸部96の基端部が連結されている。また、第1金具部92の長手方向における略中央には、締結穴(図示せず)が形成されている。
第2金具部93には、矩形板状に形成された第2金具本体部99と、一対の位置調整穴100,100を貫通可能に形成された一対のボルト部101,101と、立設板部87の連結部90と連結可能に形成された被連結部102と、を備える。
【0071】
一対のボルト部101,101は、第2金具本体部99の他方側の面に連結されている。一対のボルト部101,101は、所定の締結ナット(例えば、M8のナット)103,103を締結することにより、第2金具本体部99を吊り金具本体82に固定する。
被連結部102は、連結穴に螺合される連結ボルト91と係合可能に形成されている。つまり、被連結部102と係合させた状態で連結ボルト91を連結穴に螺合させることにより、吊り金具本体82と第2金具本体部99とが連結される。
【0072】
次に、
図10を用いて、停電施錠型のオートロック装置1の動作を説明する。
まず、
図10(A)は、自動ドア81が開いた状態を示している。このときロックシャフト18は、電磁ソレノイド6の作動により引き上げられた状態となっている。その後、
図10(B)に示す如く、自動ドア81が矢印にように閉まり出し、
図10(C)に示す如く、ロックシャフト18の先端が鍵受け装置70を通過し、停止位置に近づくと、ロックシャフト18の先端が、樹脂ブロック72の上を通過し、係止部74を通過すると、ロックシャフト18が鍵受け装置70に係止可能となる。
そして、自動ドア81がストッパに当接して停止すると、
図10(D)に示す如く、ロックシャフト18が降りて、鍵受け装置70に係止される。
【0073】
[実施例2]
図面の
図11〜
図23には、本発明に係るオートロック装置の第2の実施例が示されている。
図11は本発明に係るオートロック装置の第2の実施例を示す全体斜視図、
図12は
図11に図示のオートロック装置のカバーを取り外し手動装置を取り外し電磁ソレノイドに通電していない状態を示す斜視図、
図13は
図12に図示のオートロック装置に手動装置を取り付け状態で電磁ソレノイドに通電したときの状態の連結板の動作状態を示す図、
図14は
図12に図示のオートロック装置の電磁ソレノイドに通電していない状態の連結板の位置を示す図、
図15は
図12に図示のオートロック装置の電磁ソレノイドに通電したときの連結板の動作位置を示す図、
図16は
図12に図示のオートロック装置をベース部材に取りつける状態を示す組付斜視図、
図17は
図12に図示のオートロック装置のロックシャフトが係合する鍵受け装置のドアの連結具に取りつける取付状態を示す図、
図18はベース部材に取り付けられた
図12に図示のオートロック装置のロックシャフトが鍵受け装置と係合が解除されている状態を示す側面図、
図19はドアを閉じ電磁ソレノイドへの通電を停止しベース部材に取り付けられた
図12に図示のオートロック装置のロックシャフトが鍵受け装置と係合が解除されている状態を示す正面図、
図20はドアが開いた状態から閉じるまでの
図12に図示のオートロック装置のロックシャフトと鍵受け装置との係合状態を説明するための図、
図21は
図11に図示のオートロック装置と
図12に図示の手動装置との取付状態を示す図、
図22は
図21に図示のオートロック装置の電磁ソレノイドに通電され連結板が引きつけられた状態を示す図、
図23は
図22に図示の電磁ソレノイドによって連結板が引きつけられた状態から手動装置を作動して連結板を移動してロックシャフトを引っ込ませた状態を示す図である。
【0074】
図11において、オートロック装置200は、停電解錠型のオートロック装置の構成になっている。すなわち、
図11に図示のオートロック装置200は、停電で通電状態が停止した際にオートロックが解錠状態に保持されるオートロック装置である。このオートロック装置200は、本体カバー201と、側面カバー202,203を有している。
この本体カバー201と、側面カバー202,203に囲まれて、
図12に示す如く、オートロック本体204が収納されている。
オートロック本体204は、電磁ソレノイド205を有している。この電磁ソレノイド205は、ケース7に収納されており、電磁ソレノイド205には、この電磁ソレノイド205によって駆動するプランジャ206が設けられている。
このオートロック本体204の本体カバー201、側面カバー202,203は、
図1に図示のオートロック装置1の本体カバー2、側面カバー3,4と同一の形状を有しており、オートロック装置200の本体カバー201、側面カバー202,203は、オートロック装置1の本体カバー2、側面カバー3,4と共用することができるようになっている。
【0075】
このプランジャ206の一端には、連結板207が取りつけられている。連結板207は、板状に形成されており、電磁ソレノイド205を通電するとプランジャ206が吸引され、このプランジャ206の吸引によって移動するようになっている。
電磁ソレノイド205は、
図2に図示のオートロック装置1の電磁ソレノイド6と同じ物を用いるが、
図2に図示のオートロック装置1は、停電施錠型であり、
図12に図示のオートロック装置200は、停電解錠型であり、プランジャ206の動きは、
図2に図示のオートロック装置1の電磁ソレノイド6の動きとは正反対になっている。
したがって、オートロック本体204の電磁ソレノイド205に、オートロック装置1の電磁ソレノイド6を用いるが、取り付けがオートロック装置1の電磁ソレノイド6の取り付けとオートロック本体204の電磁ソレノイド205の取り付けとは、向きが180°異なった状態に取り付けられている。
【0076】
この連結板207は、上部の中央にU字状の切欠208が設けられており、上部の一方の端部側に、連結板207を手動で動かすときの手動押しビス209が取り付けられている。
また、電磁ソレノイド205のプランジャ206には、電磁ソレノイド205の壁面と連結板207との間に電池バネ210が介装されており、この電池バネ210の間には、クッション211が挿入されている。このクッション211は、電磁ソレノイド205が作動し、電磁ソレノイド205の壁面と連結板207とが当接する際に生じる音を小さくするためのものである。
【0077】
また、電磁ソレノイド205の上側には、スライドブロック212が取りつけられており、電磁ソレノイド205の下部は、台座ベース213に固定されている。台座ベース213は、板状に形成されており、上面には、電磁ソレノイド205が載置されている。また、台座ベース213の連結板207が設けられている側の端部は、一部上方に折り曲げられ連結板207が当接する受け部214が形成されている。この受け部214によって電磁ソレノイド205の通電が解除されることによって移動した連結板207を受け止め停止するようになっている。
この台座ベース213の受け部214が形成されている側に隣接する両側端部213a,213bには、U字状の切欠213c,213dと、この切欠213c,213dのそれぞれの縁に延設して突起213e,213fが設けられている。この受け部214の側端部213aには、側面カバー202の裾部が載置されている。また、受け部214の側端部213bには、側面カバー203の裾部が載置されている。この側面カバー202、203のそれぞれの裾部には、台座ベース213と符合するU字状のスリット202a,203aが形成されている。
【0078】
スライドブロック212には、スライドブロック212の内部を摺動し自動ドアの開閉をロックするためのロックシャフト215が設けられている。このロックシャフト215は、連結板207の切欠208に取りつけられている。ロックシャフト215の適宜箇所にフランジ216が設けられており、このフランジ216と所定間隔を持ってフランジ217設けられている。
この2つのフランジ216,217の間に連結板207の切欠208の形成されている部分が挟み込まれており、フランジ217と連結板207との間にOリング218が挿入されており、このOリング218によってロックシャフト215と連結板207とが固定している。
電磁ソレノイド205は、台座ベース213の受け部214と所定間隔離れた位置に設けられている。この所定間隔は、電磁ソレノイド205の通電が解除されることによって連結板207が移動しロックシャフト215が引っ込みロックを解除することができる距離移動する間隔である。
【0079】
また、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215には、スプリング219が嵌合されており、このスプリング219によってロックシャフト215は、電磁ソレノイド205に通電がされない限り、連結板207が受け部214に当接するように押圧されている。
連結板207の下部には、電磁ソレノイド205のプランジャ206が取付けられている。このプランジャ206が取付けられている連結板207の裏面側にクッション220,221(クッション221は図示されていない)が取りつけられている。このクッション220,221は、電磁ソレノイド205の通電が解除されることによって移動した連結板207が台座ベース213の受け部214に当接した際に生じる音を小さくするためのものである。
【0080】
台座ベース213の受け部214に設けられているクッション222,223(クッション223は図示されていない)は、連結板207に設けられるクッション220,221と協働して、電磁ソレノイド205の通電が解除されることによって移動した連結板207が台座ベース213の受け部214に当接した際に生じる音を小さくするためのものである。
また、連結板207の上部の他方の端部側には、押板224がビス225によって取りつけられている。押板224は、金属製の板をコ字状に形成して、一端を連結板207にビス225によって固定してある。
【0081】
スライドブロック212の端部で、連結板207に取付られている押板224に対向する位置に、矩形状に切り欠いたマイクロスイッチ収納スペース226が形成されている。
マイクロスイッチ収納スペース226は、マイクロスイッチ227を収納するためのものである。このマイクロスイッチ227は、電気錠がどういう状態、電磁ソレノイド205に通電され、施錠されたとか、電磁ソレノイド205の通電が解除され、解錠されたといった情報を図示していないドアコントローラに送信するためのものである。
このマイクロスイッチ227は、スイッチ本体228と、電気錠の作動状態を検知するスイッチボタン229と、このスイッチボタン229を投入するためのスイッチ作動板230とからなっている。
【0082】
このマイクロスイッチ227は、電磁ソレノイド205が通電され、プランジャ206によって連結板207が電磁ソレノイド205側に引き寄せられると、連結板207に取り付けられている押板224が移動し、先端がスイッチ作動板230を開放してスイッチ作動板230によってスイッチボタン229をオフする信号を取り出す。
また、スライドブロック212には、連結板207に取り付けられている手動押しビス209の突出位置には矩形状に切り欠いた収納スペース231が形成されている。この収納スペース231には、手動解錠装置232が取り付けられるようになっている。この収納スペース231には、手動押しビス209が突出している。
【0083】
収納スペース231は、矩形状に切り抜かれ、この矩形状に切り抜かれた収納スペース231によって形成された連結板207側の壁233に切欠234が形成されている。
また、収納スペース231は、側面カバー203によって覆われており、側面カバー203には、収納スペース231を望む窓203aが設けられている。この側面カバー203の外側には、手動解錠装置232が取り付けられている。
このように収納スペース231は、手動解錠装置232を取り付けて操作するためのものである。
【0084】
この手動解錠装置232は、直方体状に形成される本体233と、本体233の一部を矩形状に切り抜き、手動解錠操作具234を装着する操作具装着スペース235が形成されている。
操作具装着スペース235には、手動解錠操作具234が収納されている。手動解錠操作具234は、中空状に形成されるフランジ付きガイド部材236と、フランジ付きガイド部材236の周囲に装着するコイルスプリング237と、摺動部材238とによって構成されている。
この摺動部材238には、突起238aが設けられており、この突起238aは、側面カバー203の窓203bに嵌着されており、摺動部材238と所定の間隔を隔てて連結板207に取り付けられている手動押しビス209と対峙するように設けられている。
【0085】
フランジ付きガイド部材236は、中空状に形成される筒部236aと、筒部236aの一端に形成され操作具装着スペース235の壁面に固定されるフランジ236bとによって構成されている。このフランジ付きガイド部材236の筒部236bには、座部が誘導部材238に固定される座付きピン239のピン部239aが収納されるようになっている。
座付きピン239のピン部239aの先端には、紐240が取り付けられており、この紐240は、フランジ付きガイド部材236の筒部236aを通り、手動解錠装置232の本体233の中を通り、外部に導出されている。
【0086】
この手動解錠操作具234は、自動ドア81が閉じられ、電磁ソレノイド205に通電され、ロックシャフト215が降りてロック状態になっているときで、何らかの不具合で電磁ソレノイド205への電源が切れなくなり、そのような状態でロックを解除する必要が生じた場合、あるいは、電磁ソレノイド205の電源の供給を停止したにも拘わらず何らかの不具合でロックシャフト215が降りたままでロックが解除できないような場合に用いられる。
手で紐240を引くと、紐240が取り付けられている座付きピン239のピン部239aが引っ張られ、ピン部239aがフランジ付きガイド部材236の筒部236aの中空内に引っ張られる。すると、フランジ付きガイド部材236が取り付けられている摺動部材238が移動する。
【0087】
この手動解錠操作具234は、フランジ付きガイド部材236の周囲に装着されるコイルスプリング237によって、常時、摺動部材238をフランジ付きガイド部材236側に付勢するようになっている。また、電磁ソレノイド205に通電され、電磁ソレノイド205が作動すると、連結板207が吸引され、ロックシャフト215が降りてロック状態になる。このとき手動解錠操作具234においては、連結板207によって手動押しビス209が突出し、摺動部材238に当接する状態となる。
【0088】
この
図12に図示のオートロック装置200のスライドブロック212は、
図2に図示のオートロック装置1のスライドブロック15と同一の構成の物を使用している。ただ、
図2に図示のオートロック装置1は、停電施錠型であり、
図12に図示のオートロック装置200は、停電解錠型であるため、
図2に図示のオートロック装置1の場合のスライドブロック15の電磁ソレノイド6への取り付けと、
図12に図示のオートロック装置200の場合のスライドブロック212の電磁ソレノイド205への取り付けとは向きが反対となっている。
このように取り付けの向きが反対になるだけで、同一の構成の物を共用することができる。
【0089】
また、
図2に図示のオートロック装置1の場合のスライドブロック15と、
図12に図示のオートロック装置200の場合のスライドブロック212とを同じ構成のスライドブロックを用いことはできるが、
図2に図示のオートロック装置1は、停電施錠型であり、
図12に図示のオートロック装置200は、停電解錠型であるため、取り付け向きが逆となっている。
したがって、
図2に図示のオートロック装置1の場合の連結板9の位置と、
図12に図示のオートロック装置200の場合の連結板207の位置とが上下反対の位置となっている。
【0090】
また、
図2に図示のオートロック装置1は、停電施錠型であり、
図12に図示のオートロック装置200は、停電解錠型であるため、
図2に図示のオートロック装置1の電磁ソレノイド6に通電されていない場合と、
図12に図示のオートロック装置200の電磁ソレノイド205に通電されていない場合とでは動作が逆になっている。
したがって、電磁ソレノイド9の非通電時の
図2に図示のオートロック装置1のロックシャフト18は、突出しており、電磁ソレノイド205への非通電時の
図12に図示のオートロック装置200のロックシャフト215は、引っ込んだ状態となっている。
すなわち、電磁ソレノイド9への非通電時の
図2に図示のオートロック装置1のロックシャフト18の長さと、電磁ソレノイド205への通電時の
図12に図示のオートロック装置200のロックシャフト215の長さとが同じになっている。このようにロックシャフトの長さを調整するだけで共用が可能となっている。
【0091】
また、
図2に図示のオートロック装置1が停電施錠型で、
図12に図示のオートロック装置200が停電解錠型であることによる相違から、
図2に図示のオートロック装置1の手動解錠装置32と、
図12に図示のオートロック装置200の手動解錠操作具234との動作が逆になっているため、その構成が異なっている。
すなわち、
図2に図示のオートロック装置1のように停電施錠型の場合、手動解錠装置32は、停電によって電磁ソレノイド9への通電が停止すると、施錠ロックされ、自動ドアが開かない状態となるため、自動ドアを開ける必要が生じたときに、施錠ロックを解除するために作動させるものである。
これに対し、
図12に図示のオートロック装置200のように停電解錠型の場合、手動解錠操作具234は、停電によって電磁ソレノイド205への通電が停止すると、電気錠が解錠され、自動ドアのロックが解除された状態となるため、原則として自動ドアの施錠ロックを解除するために用いることはない。したがって、
図12に図示のオートロック装置200の場合は、何らかの理由で電気錠が解錠できなくなった場合(電磁ソレノイド205への通電がされたままのとき)に作動させるものとなっている。
【0092】
さらに、
図2に図示のオートロック装置1が停電施錠型であり、
図12に図示のオートロック装置200が停電解錠型であることにより、スライドブロック15と、スライドブロック212との取り付け向きが逆となっているため、
図2に図示のオートロック装置1のマイクロスイッチ28の取り付け位置と、
図12に図示のオートロック装置200のマイクロスイッチ227の取り付け位置とが反対の位置となっている。
このため、
図2に図示のオートロック装置1のように電磁ソレノイド9にスイッチ押しビス12を取り付けて、このスイッチ押しビス12の先端でスイッチ作動板31を押圧してスイッチ作動板31によってスイッチボタン30を投入するという操作をすることができない。このため、
図12に図示のオートロック装置200の場合は、連結板207に押板224を取り付け、連結板207によって押板224を移動し、先端によってスイッチ作動板230を引き寄せスイッチ作動板230によってスイッチボタン229を投入するようになっている。
【0093】
次に、オートロック装置200の動作について説明する。
自動ドアは、人が出入口を通過する際にセンサによって、人などの物体を検出すると、モータを正転作動させて開き、人が出入口を通過するとモータを逆転作動させて閉じるように自動で開閉制御される。すなわち、自動ドアは、自動ドア装置に電源を投入して作動を動作状態にすると、出入口に人が近づかない状態では、閉じた状態となっている。そして、この自動ドアが閉じた状態のときは、電磁ソレノイド205への電源の供給がなされ、ロックされた状態となっている。このとき、連結板207に取り付けられている押板224の先端は、
図13に示す如くマイクロスイッチ227のスイッチ作動板230を開放状態にして、スイッチ作動板230とは離れた状態となっている。
したがって、連結板207は、電磁ソレノイド205によって吸引された状態となっていて、電磁ソレノイド205の壁面205aと連結板207との間に設けられている電池バネ210と、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215に嵌合されているスプリング219との協働によって、電磁ソレノイド205に吸引された状態に保持されている。
すなわち、連結板207に取り付けられているロックシャフト215は、
図13に示す如く、突出した状態となっており、自動ドアがこのロックシャフト215によってロックされた状態となっている。
【0094】
次に、人が出入口に接近するなどして、センサによって、人などの物体を検出すると、センサの検出に基づいてドアコントローラによって電磁ソレノイド205へ電源の供給を停止する。すると、電源の供給を停止された電磁ソレノイド205は、非作動となる。電磁ソレノイド205が非作動となると、プランジャ206が移動し、プランジャ206に接続されている連結板207がプランジャ206によって移動する。
すなわち、連結板207は、
図12に示す如く、電磁ソレノイド205の壁面205aと連結板207との間に設けられている電池バネ210と、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215に嵌合されているスプリング219との協働によって電磁ソレノイド205から離れる方向に移動し、電磁ソレノイド205から離れた状態となる。
【0095】
このように電磁ソレノイド205の非通電でプランジャ206によって連結板207が離れると、連結板207の動きに伴って、連結板207に接続されているロックシャフト215が引っ込み、自動ドアのロックが解除される。そして、電磁ソレノイド205を非通電のままの状態、すなわち、ロックシャフト215を引っ込めて自動ドアのロックを解除してある状態でモータが正転作動して自動ドアを開放する。
自動ドアが開かれると、出入口において人が通過することが可能となり、人が出入口を通過するとモータが逆転作動して自動ドアを閉じる。
【0096】
このように電磁ソレノイド205を非通電にし、プランジャ206によって連結板207を引き離して移動すると、連結板207に取り付けられている押板224が連結板207によって引っ張られる。この押板224は、その先端が連結板207によってマイクロスイッチ227に近づくように移動する。
さらに電磁ソレノイド205の非通電によってプランジャ206が移動し、連結板207が電磁ソレノイド205側から離れる方向に移動する。すると、連結板207に取り付けられている押板224の先端が、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230を引き寄せる。
そして、電磁ソレノイド205への非通電によってさらにプランジャ206が引き寄せられ、連結板207が電磁ソレノイド205側から離れる方向に移動すると、押板224の先端は、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230を引き寄せる。
【0097】
押板224の先端によって、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230を引き寄せ続けると、スイッチ作動板230か押され、
図12に示す如く、スイッチ作動板230によってマイクロスイッチ227のスイッチボタン229を投入することになる。
スイッチ作動板230によってマイクロスイッチ227のスイッチボタン229が投入されると、スイッチボタン229の入力信号がドアコントローラに送信され、ロックシャフト215が引っ込み、自動ドアのロックが解除状態になったことを検知する。
【0098】
次に、連結板207の動作について
図14、
図15を用いて説明する。
まず、電磁ソレノイド205への電源の供給が停止されている状態では、連結板207は、
図14に示す如く、電磁ソレノイド205の壁面205aと連結板207との間に設けられている電池バネ210と、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215に嵌合されているスプリング219との協働によって、電磁ソレノイド205から離れた状態に保持されている。すなわち、連結板207は、台座ベース213の受け部214に当接された状態になっている。
電磁ソレノイド205のプランジャ206は、連結板207の下部に取り付けられており、電磁ソレノイド205のプランジャ206が作動することで連結板207が移動するが、連結板207の上部にロックシャフト215が取り付けられており、電池バネ210と、ロックシャフト215に嵌合されているスプリング219とで協働して連結板207を押圧するため、電池バネ210の付勢力と、スプリング219の付勢力の2つの付勢力とによってバランス良く連結板207を移動することができるようになっている。
【0099】
連結板207が電磁ソレノイド205の壁面205aから離れた位置にあると、ロックシャフト215は、
図14に示す如く、連結板207側と反対側のスライドブロック212の外壁面212aから少し突出した状態となっている。
このため、ロックシャフト215は、後述する鍵受け装置250に係合することはなく、自動ドアを開放状態に保持している。
この連結板207が電磁ソレノイド205から離れた状態においては、連結板207に取り付けられている押板224の先端は、
図14に示す如く、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230を押し付け、スイッチボタン229を押し付けた状態になっている。すなわち、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230は、押板224の先端によって押さえられ、マイクロスイッチ227のスイッチボタン229が投入される。したがって、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230は、スイッチボタン229を押圧した状態になっている。
【0100】
図14に示す如く、電磁ソレノイド205への電源の供給が停止されている状態、すなわち電磁ソレノイド205がオフの状態から、電磁ソレノイド205へ電源の供給が開始されると、電磁ソレノイド205はオンする。
電磁ソレノイド205がオンすると、電磁ソレノイド205が作動しプランジャ206が吸引されて、
図15に示す如く連結板207が電磁ソレノイド205の壁面205aに吸引される。すると、連結板207は電磁ソレノイド205の壁面205aに当接する。
すなわち、連結板207は、電磁ソレノイド205の壁面205aと連結板207との間に設けられている電池バネ210と、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215に嵌合されているスプリング219との協働による電磁ソレノイド205から離れる方向への反発力に抗して、
図15に示す如く電磁ソレノイド205に吸引された状態となる。
したがって、連結板207が電磁ソレノイド205の壁面205aに吸引されると、ロックシャフト215は、
図15に示す如く、連結板207側と反対側のスライドブロック212の外壁面212aから突出した状態となる。
【0101】
連結板207が電磁ソレノイド205の壁面205aに吸引され、台座ベース213の受け部214よりも引っ込んだ状態となると、ロックシャフト215は、後述する鍵受け装置250と係合し、自動ドアをロック状態にする。
この連結板207が電磁ソレノイド205に吸引された状態においては、連結板207に取り付けられている押板224の先端は、
図15に示す如く、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230を開放し、スイッチ作動板230から離れた状態となっている。すなわち、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230は、押板224の先端からの押圧が開放され、マイクロスイッチ227のスイッチボタン229がオフする。したがって、マイクロスイッチ227のスイッチ作動板230は、スイッチボタン229から離れた状態になっている。
【0102】
このように構成されるオートロック装置200は、
図16に示す如くベース部材50に取り付けられる。ベース部材50は、オートロック装置200を取り付けるための内蔵式中芯吊りベースである。そして、このベース部材50は、いわゆるハンガーレールであって、自動ドア用アルミフロントの上枠内に設けられるものである。
このベース部材50は、アルミニウム引き抜き材によるものであって、所定の長さで真っ直ぐにのびるように形成されており、上部レール部材51がこのベース部材50に一体に設けられている。
また、ベース部材50は、自動ドア用アルミフロントの上枠に固着される固着部分52と、中空構造となる強度確保部分53とを有して、例えば
図16のような断面形状となるように形成されている。
【0103】
上部レール部材51は、逆L字状となる形状に形成されるレール上延部54を有している。そして、上部レール部材51には、縦設板部55を介して下側に連続するレール部56を有して、例えば
図16のような断面形状となるように形成されている。
そして、このレール上延部54は、ハンガーローラの上方への移動を規制するために形成されている。このレール上延部54とレール部56は、ハンガーローラの直径に合わせて配置されている。このレール部56は、水平方向に沿って形成されている。
レール部56の上側には、凸条(ここでは断面視蒲鉾形状となる突条)となるレール57がベース部材50の延在方向に真っ直ぐに形成されている。
【0104】
このように構成されるベース部材50には、予めアクセサリー座板58a,59aが設けられているボルト58,59が取り付けられている。このボルト58は、台座ベース213のU字状の切欠16c、側面カバー3のU字状のスリット3aに挿通され、皿バネ付きナット60よって締めつけられている。また、ボルト59は、台座ベース213のU字状の切欠16d、側面カバー4のU字状のスリット4aに挿通され、皿バネ付きナット61によって締めつけられている。このようにオートロック装置1は、台座ベース213と側面カバー3によって、ボルト58,59と皿バネ付きナット60,61とを用いてベース部材50に取り付けられている。
【0105】
図17には、鍵受け装置250とその取り付け方法が示されている。
この鍵受け装置250は、台座ベース213の受け部214よりも突出するロックシャフト215を係合して、自動ドアをロック状態に保持するためのものである。
鍵受け装置250は、吊り金具装置80に係止する係止部材251からなっている。係止部材251は、長方形状の板状に形成される取付部252と、長手方向に延びる一方側の周縁に取付部252と略90度の角度をなすように立設している係止部253とによって構成されている。取付部252には、吊り金具装置80に係止する一対の貫通穴254,255が形成されている。
【0106】
一対の貫通穴254,255は、取付部252の短手方向に長い長穴状に形成されている。また、一対の貫通穴254,255は、吊り金具装置80の一対の螺合穴に螺合可能な一対の取り付けボルト256,257を挿通可能に形成されている。
本実施例のオートロック装置200は、停電が発生し、オートロック装置200の電磁ソレノイド205への電源の供給が停止した場合には、電気錠が解錠され、自動ドアはロックされることなく手動で自由に開くことができるように解錠するための停電施錠型のオートロック装置である。
【0107】
次に、鍵受け装置250を取り付ける吊り金具装置80について、
図17〜
図19を用いて説明する。
吊り金具装置80は、
図18に示す如く、自動ドア81の上面81aに取り付けられる吊り金具本体82と、吊り金具本体82をレール部83に沿って移動させる一対のハンガローラ84,84を有するローラ部85とを備える。
吊り金具本体82は、所定形状に打ち抜かれた金属板を折り曲げ加工(略L字状に折り曲げ加工)することにより形成されている。吊り金具本体82は、略矩形板状の底板部86と、底板部86と直交する方向に立設する略矩形板状の立設板部87と、を備える。
【0108】
底板部86は、自動ドア81の上面81aに当接可能に形成されている。また、底板部86の長手方向における両端部の近傍には、自動ドア81の上面81aに当接させたときに、自動ドア81の上面81aに形成された一対の固定穴と重複可能な一対の挿通穴88,88が形成されている。
一対の挿通穴88,88は、底板部86の短手方向に長い長穴状に形成されている。また、一対の挿通穴88,88は、一対の固定穴に螺合可能な一対の金具固定ボルトを挿通可能に形成されている。
【0109】
立設板部87は、基端部が底板部86の長手方向に延びる一方側の周縁と連結しており、底板部86と略90度の角度をなすように立設している。また、立設板部87の長手方向は、底板部の長手方向と一致しており、立設板部87の短手方向は、立設板部87が立設する方向(底板部と略90度をなす方向)となっている。
立設板部87は、一対の位置調整穴89,89と、連結部90と、を備えている。
【0110】
一対の位置調整穴89,89は、立設板部87の長手方向における両端部の近傍に形成されている。また、一対の位置調整穴89,89は、短手方向(立設板部87における上下方向)に長い長穴状に形成されている。一対の位置調整穴89,89は、一対のハンガローラ84,84を備えるローラ部85を短手方向(立設板部87における上下方向)における所定の位置で固定するために用いられる。
連結部90は、立設板部87の略中央部における上端部近傍に形成されている。連結部90は、一対の位置調整穴89,89で所定の位置に固定されたローラ部85を、連結ボルト91で吊り金具本体82に連結する。連結部90は、立設板部87の一部を折り曲げ加工することにより形成されている。連結部90は、立設板部87に対して略90度の折り曲げ加工がなされており、立設板部87の基端部において底板部86が位置する側と反対側に折り曲げられている。また、連結部90の略中央には、連結穴が形成されている。連結穴は、連結ボルト91を螺合可能に形成されている。
【0111】
ローラ部85は、一対のハンガローラ84,84と、一対のハンガローラ84,84を回転自在に固定する第1金具部92と、第1金具部92を固定する第2金具部93と、を備える。
ハンガローラ84は、
図18に示す如く、ローラ本体94と、軸部95と、を備える。
ローラ本体94は、耐摩耗性を有する合成樹脂材料により形成されている。また、ローラ本体94は、円弧状に凹む溝部96と、テーパ部97とを備える。溝部96は、ローラ本体94の全周に渡って形成されている。また、溝部96は、脱輪防止及び耐摩耗性等の観点から、レール部83におけるレール本体98の隆起形状に合わせて(レール本体98と溝部96とが当接するように)形成されている。テーパ部97は、溝部96における両側の周縁に、全周に渡って形成されている。
【0112】
軸部96は、基端部が第1金具部92に連結されており、ローラ本体94を回転自在に第1金具部92に固定する。
第1金具部92は、矩形板状に形成されている。第1金具部92の長手方向における両側には、軸部96の基端部が連結されている。また、第1金具部92の長手方向における略中央には、締結穴(図示せず)が形成されている。
第2金具部93には、矩形板状に形成された第2金具本体部99と、一対の位置調整穴100,100を貫通可能に形成された一対のボルト部101,101と、立設板部87の連結部90と連結可能に形成された被連結部102と、を備える。
【0113】
一対のボルト部101,101は、第2金具本体部99の他方側の面に連結されている。一対のボルト部101,101は、所定の締結ナット(例えば、M8のナット)103,103を締結することにより、第2金具本体部99を吊り金具本体82に固定する。
被連結部102は、連結穴に螺合される連結ボルト91と係合可能に形成されている。つまり、被連結部102と係合させた状態で連結ボルト91を連結穴に螺合させることにより、吊り金具本体82と第2金具本体部99とが連結される。
【0114】
次に、
図20を用いて、停電解錠型のオートロック装置200の動作を説明する。この
図20においては、停電解錠型のオートロック装置200に手動解錠操作具234を取り付けてない構造の物が用いられている。この手動解錠操作具234は、オートロック装置200に取り付けなくても停電解錠型の場合、十分に使用に耐えられるものとなっている。
【0115】
まず、
図20(A)において、自動ドア81は開けられた状態になっている。このときロックシャフト215は、電磁ソレノイド205への電源の供給がされておらず、連結板207は、電磁ソレノイド205の壁面205aと連結板207との間に設けられている電池バネ210と、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215に嵌合されているスプリング219との協働によって、離れた状態となっている。
その後、
図20(B)に示す如く、自動ドア81が矢印にように閉まり出し、ロックシャフト215の先端が鍵受け装置250に近づき、
図10(C)に示す如く、ロックシャフト215の先端が、鍵受け装置250を通過する。そして、ロックシャフト215の先端が、停止位置に近づき、鍵受け装置250の係止部253を通過すると、ロックシャフト215が鍵受け装置250に係止可能となる。
そして、自動ドア81が停止位置のストッパに当接して停止すると、
図20(D)に示す如く、ロックシャフト215が降りて、鍵受け装置250に係止される。
【0116】
次に、
図21〜
図23を用いて手動解錠装置232の動作について説明する。
図21において、手動解錠操作具234は、自動ドア81が閉じられ、電磁ソレノイド205に通電され、ロックシャフト215が降りてロック状態になっているときで、何らかの不具合で電磁ソレノイド205への電源が切れなくなり、そのような状態でロックを解除する必要が生じた場合、あるいは、電磁ソレノイド205の電源の供給を停止したにも拘わらず何らかの不具合でロックシャフト215が降りたままでロックが解除できないような場合に用いられる。
まず、
図21に示すように、自動ドア81は開けられた状態の場合は、電磁ソレノイド205への電源の供給がされておらず、連結板207は、電磁ソレノイド205の壁面205aと連結板207との間に設けられている電池バネ210と、フランジ217とスライドブロック212との間のロックシャフト215に嵌合されているスプリング219との協働によって、離れた状態となっている。このため、連結板207に取り付けられているロックシャフト215は、スライドブロック212に引っ込んだ状態となっている。
【0117】
このような状態から自動ドア81を閉じると、
図22に示すように、電磁ソレノイド205に電源の供給がなされ、連結板207は、電磁ソレノイド205の作用によって吸引される。このため、連結板207に取り付けられているロックシャフト215は、連結板207によって押され、スライドブロック212から突出した状態となる。
このような状態で、何らかの不具合で電磁ソレノイド205への電源が切れなくなり、そのような状態でロックを解除する必要が生じた場合、あるいは、電磁ソレノイド205の電源の供給を停止したにも拘わらず何らかの不具合でロックシャフト215が降りたままでロックが解除できないような場合には、手動解錠装置232を用いて電気錠のロックを解除する。
【0118】
すなわち、手で紐240を引くと、紐240が取り付けられている座付きピン239のピン部239aが引っ張られ、ピン部239aがフランジ付きガイド部材236の筒部236aの中空内に引っ張られる。すると、フランジ付きガイド部材236が取り付けられている摺動部材238が移動する。
摺動部材238が移動すると、摺動部材238に設けられている突起238aが移動し、突起238aに当接している手動押しビス209を押し上げる。この手動押しビス209を押し上げによって、手動押しビス209に取り付けられている連結板207が電磁ソレノイド205の壁面205a離れる方向に移動する。
すると、連結板207に取り付けられているロックシャフト215は、
図23に示す如く、引っ込んだ状態となって、自動ドアがこのロックシャフト215によるロックから解除された状態となる。
【0119】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。